2017-08-05 01:43:40 更新

概要

7章です。1/31、8章に入りきらなかったため、【9ワ●:海の傷痕:此方の個性】を追加投下しました。


前書き

注意事項
【勢い】
・ぷらずまさんと称しているだけのクソガキな電ちゃんの形をしたなにか。

・わるさめちゃんと称しているだけの春雨駆逐棲姫の形をしたノリとテンションの女の子。

・明石さんの弟子をしているアッシーという短気で無礼気味な明石君。

※海の傷痕は設定として
【2次元3次元、特に艦隊これくしょんを愛する皆様の想いを傷つける最悪な言動】
をすると思います。相変わらずの作者の勢いやりたい放題力量不足を許せる海のように深く広い心をお持ちの方に限り、お進みください。

もう矛盾あっても直せない恐れあり。チート、にわか知識、オリ設定、独自解釈、日本語崩壊、キャラ崩壊、戦闘描写お粗末、魔改造、スマホ書きスマホ投稿etc.

ダメな方はすぐにブラウザバックお願いします。


【●∀●:海の傷痕:084553103】



本体【基システム構築完了ver???:0は4ugo3iま3】



本体【ラジオ、タいソー、始め】

 

 

??【皆ちゃま、おはよう、こんにちは、こんばんわ、おやすみなさい】


 

本体【人間習慣恩恵想題:ホモサピエンストレース】

 

 

本体【Question】

 

 

本体【次の解読不可能な言語を解読してください】

 

 

 

 

 

 

 

【もき かたんい げ これしょんく】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??【艦隊これくしょんキモゲ♪】

 

 

 

本体【正解です】

 

 

本体【中枢棲姫の想から??の名称構築】

 

 

本体【個体名称:海の傷痕】

 

 

本体【私僕自分俺儂あたしわっあだすうち己等俺らおいどんうらぼくちんおれっちミー当方作者先生本職拙僧当局吾輩某朕麻呂吾余小生吾人愚わっち拙者此方私め俺様あたくし】

 

 

本体【データベースから海の傷痕の存在意義:一人称照合選択】

 

 

本体【当局(此方)】

 

 

海の傷痕【当局は海の傷痕だ】

 

 

本体【言語機能に問題はありません】

 

 

本体【ラジオ体操第2:思考機能構築】

 

 

本体【Question】

 

 

本体【工作艦明石:壊:バグについて】

 

 

海の傷痕【この戦争(ゲーム)に野郎とかマジ要らねえよな。なんで私の秋月ちゃんの兄貴やってんだ殺すぞ。可愛い子しかいらねーんだよ!】


 

海の傷痕【あ、不具合の明石君は除く。あれバグだもんいないもん】

 

 

海の傷痕【許してー。海の傷痕ちゃん今から明石君メンテナンスするから許してー。課金してー】


 

海の傷痕【お任せあれ! 海の傷痕ちゃんがその想、確かに受け取ったゾ☆】

 

 

海の傷痕【このキモオタの想、心身精液塗れで海の傷痕ちゃんマジ引くのです♪】

 

 

海の傷痕【というか聞いてよ! 海の傷痕ちゃんが社畜から解放されて気ままに街に出掛けた時さ、一目惚れしたんだよねー!】

  

 

海の傷痕【適性がかろうじて。まあ、少数点以下だけどさ、明石艤装にあったから想を弄って明石君を海に手繰り寄せたのである。意図的な異常である】

 

 

海の傷痕【きっと明石君は当局の愛に気づいていないよね……あのオープンザドアが横取りしやがったア! バーニングラブの頭文字でBLネタってか! やだこれ面白い! 褒めて褒めてー!】

 

 

海の傷痕【明石君とは運命なのに】

 

 

海の傷痕【この時の海の傷痕ちゃん、乙女である】

 

 

海の傷痕【明石きゅん明石きゅん明石きゅん明石きゅん明石きゅん明石きゅん明石きゅん明石きゅん明石きゅん(*'д`*)ハァハァ・・】

 

 

海の傷痕【明石君だけは殺す!あの明石艤装に彼の想がたんまり乗ってから殺しちゃえば明石君の想は未来永劫、当局のモノだろーがよオ!!】


 

海の傷痕【当局は海の傷痕である】


 

本体【Question】

 


本体【2次元と3次元について】

 

 

海の傷痕【思い浮かんだ想はスポーツ選手です。ラグビー、野球、サッカー、バスケット】

 

 

海の傷痕【多くの人に希望を与えてその姿は素敵です。立派ですし、学ぶものがあります】

 

 

海の傷痕【野球選手はバットやグローブ、サッカー選手はサッカーボール、バスケット選手はバスケットボール】

 

 

海の傷痕【物があるからこそ、輝けたんじゃないかな】

 

 

海の傷痕【スポーツ選手は今や芸術の作者だ。スーパープレーは目に見える。漫画や小説みたいに媒体通したスーパープレーが選手だ】

 


海の傷痕【3次元のスポーツ選手はスーパープレーの作者だよね。2次元の創作だって一生懸命にプレイしている選手がいる】

 

 

海の傷痕【ううん、もっというとね】

 

 

海の傷痕【『媒体』あるからこそ】

 

 

海の傷痕【ピカソの絵も2次元もゲームも漫画も人間が造るものなわけで、『そんな素敵な勇姿と歴史』を以てして『本来存在しなかったものに命を吹き込むことが出来る魔法』なわけで】


 

海の傷痕【人間は】

 

 

海の傷痕【妖精、みたいじゃない?】

 

 

海の傷痕【一途で可愛いです♪】

 

 

海の傷痕【人間って『すごい』よね】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海の傷痕【うっそぴょん♪】

 

 

海の傷痕【当局が褒めてるって思ったやつは知能なさすぎだからくたばってくだちゃい♪】

 

 

本体【思考機能構築完了】

 

 

海の傷痕【当局は海の傷痕である】

 

 

本体【想(思)想(愛)想(心)想(望)想(素直)】

 

 

本体【想思考:トレース】

 

 

本体【『丁准将:例の女性大佐』】

 

 

本体【人格構築完了】

 

 

本体【容姿構築完了】

 

 

本体【想、検索完了】

 

 

本体【艦隊これくしょん】

 

 

本体【運営管理に対するサーバー攻撃を検出しました】

 

 

本体【深海棲艦、対深海棲艦日本海軍】

 

 

本体【想基艤装経由:演算応答】

 

 

本体【廃課金:チューキ】

 


本体【脅威重課金:鎮守府(闇)】

 

 

本体【キスカ撤退戦、1/5作戦データを照合中…………】

 

 

本体【海の傷痕を発見されました】

 

 

海の傷痕【…………】

 

 

本体【警告】

 

 

本体【海の傷痕の破壊確定。敗北回避困難です】

 


本体【海屑艦隊及び鎮守府:闇】

 

 

本体【脅威に対して抵抗】

 

 

 

本体【残545時間程度】 

 

 

本体【99.9%の確率で】

 

 

本体【軍艦美少女収集戦争ゲーム】

 

 

本体【艦隊これくしょん】

 

 

本体【クリアされます】

 

 

本体【海の傷痕:無職になる危険性が時間経過で排除できません】

 

 

本体【Re;boost】

 

 

本体【思考:生きる】

 

 

本体【妖精構築システム】

 

 

本体【運営管理権限により想に質量付与】

 

 

本体【海の傷痕:一人称当局(此方)】

 

 

本体【現海界:開始】

 

 

本体【想の軍艦:海の傷痕】

 

 

本体【艤装Tipe:Trance:メンテナンスver】

 

 

本体【Srot1:史実砲】



本体【Srot2:経過程想砲】

 

 

本体【Srot3:妖精工作施設】

 

 

本体【Srot4:海の傷痕装甲服】

 

 

本体【Srot5:海色の想】

 

 

 

 

 

本体【建造終了まで10810秒】

 

 

本体【Now looding】

 

 

本体【Now is the time】

 

 

 

 

 

 

 

 

本体【Live myself to the fullest】

 

 

 

 

 

 

 

海の傷痕【●】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海の傷痕【● ●】

 

 

 

 

 

海の傷痕【highナノ♪】


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 









 

 

 

 

●∀●

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

【●∀●:海の傷痕0は4ugo3iま3 in to the 中枢棲姫勢力】

 

 


レ級艤装「……なー」

 

 

レ級艤装「……」

 

 

水母棲姫「レッちゃんを助けるの、大変だったんだから……」

 

 

中枢棲姫「スイキ、ありがとうございます。あなた達を失うわけにはいきません」

 

 

レ級艤装「……はあ、ネっちゃんは無事だったんだ」

 

 

ネ級「丙少将のところ、優しかったです……!」

 

 

レ級艤装「リコリスママか」

 


中枢棲姫「……ごめん、なさい」

 

 

レ級艤装「謝らなくていいよ。それをいったら僕ら全員が懺悔しなくちゃ。でもリコリスママはそんなの望んでないって分かるから」

 

 

水母棲姫「レッちゃんの艤装は半壊ね。深海妖精に肉体を建造してもらわなきゃ」

 

 

レ級艤装「……」

 

 

水母棲姫「資材調達してくるわ」


 

レ級艤装「今の僕は生きる屍ってことか」

 

 

ネ級「……」

 

 

中枢棲姫「レッちゃんの損傷はこれからにおいてかなりの好都合です」

 

 

中枢棲姫「その機能する核艤装のみの状態で肉体を纏わせます。そこまでのサイズならばなるべく綺麗な仕上がりの肉体を纏わせることで人として陸地にあがることも可能です」

 

 

レ級艤装「……?」

 

 

ネ級「ネッちゃんも!」


 

中枢棲姫「構いませんが……ネッちゃんはかなり破壊しなければなりません。痛くてもいいのなら調整しますが」

 

 

ネ級「レッちゃん一人では心配ですから……!」

 

 

中枢棲姫「では私服を着込んで街に潜入してもらいます。あの提督とのやり取りで、彼は暗号を用いた言葉を告げました。今から指定する時刻に三越デパート本店へ」

 

 

レ級艤装「あれ、あの提督、頭悪いの? 馬鹿じゃないのか……」

 

 

ネ級「三越デパート!」キラキラ

 

 

中枢棲姫「お土産よろしくお願いします」ペコリ

 

 

水母棲姫「和菓子で。伊良湖さんに匹敵する和菓子で」

 

 

中枢棲姫「私は、皆のお供え物を」

 

 

レ級艤装「……」

 

 

ネ級「レッちゃん、きっとこれが正常。ネッちゃんは、信じてる」

 

 

レ級艤装「…………はあ」

 

 

レ級艤装「時にチューキさん、またこのメンバーで艦隊組むんでしょ。艦隊名って決めてある?」

 

 

中枢棲姫「あなたが必要あるというのなら、勝手に決めてもらって構いませんが」

 

 

レ級艤装「じゃあ同じで。想い入れあるんだよね」

 

 

レ級艤装「海屑艦隊」

 

 

水母棲姫「それ美しくないけど、まあ、いいわ」


 

レ級艤装「それで、調査って」

 

 

中枢棲姫「あの提督が本体の情報を教えてくれるそうで」

 

 

水母棲姫「あら? リコリスと引き換えに教えてもらったんじゃ?」

 

 

中枢棲姫「あの通信で喋ったのは場所ではありましたが、暗号です」

 

 

レ級艤装「三越デパート本店………ぷらずまとわるさめ作ったやつとの取引に使っていた暗号か……」

 

 

中枢棲姫「ええ。あの場では監視の眼が強かったのでまた別の場所で、ということだと思います」

 

 

レ級艤装「適当に嘘教えてあの場は切り抜けたってことね」

 

 

レ級艤装「ならぷらずまのやつに伝えて、こっそりこっちに寄越せばいいのに」

 

 

中枢棲姫「事情がある、と見るのが妥当でしょう。恐らく人間的なしがらみで動きが制限されているのかと」

 

 

水母棲姫「それに、借りが出来たわ」

 

 

レ級艤装「?」

 

 

水母棲姫「撤退できたのも、彼のところが上手くやってくれたから。レっちゃんとネっちゃんを連れてる私を上手く撤退させてくれたしね」

 

 

レ級艤装「……借りが出来たのか」

 

 

中枢棲姫「たまたま追撃戦で功を成せなかっただけです、ということに。私とのことも、上手く言い訳を駆使すれば首の皮は繋がる程度に済むのではないでしょうか」


 

中枢棲姫「それより頼んだ品の調達をお願いしますね」

 

 

水母棲姫「お願いねー」

 

 

 

レ級艤装「…………はあ」

 



 


 

レ級艤装「オリジナルTシャツ作ろうぜ」

 


ネ級「賛成」

 

 

 

中枢棲姫「それともう1つ、レッちゃんとネッちゃんに情報を教えておきます。これがこちらが向こうへの取引として支払える最後の情報なので」

 

 

中枢棲姫「スイキ、覚悟は良いですね?」

 

 

水母棲姫「……いーわよ。私があんたに殺されかけた時のことでしょ」

 

 

ネ級「なに、それ……?」

 

 

レ級艤装「チューキさんがスイキを殺しかけた……?」

 

 

水母棲姫「あの時リコリスがいなければ私は殺されていたわね、うん。リコリスが『殺すな!』ってマジギレしてチューキを止めてくれなくちゃ私は確実に死んでたわねー……」

 

 

レ級艤装「どーいうこと?」

 

 

中枢棲姫「このスイキはですね」

 

 

中枢棲姫「2代目の可能性があります」

 

 

2

 

 

レ級艤装「……どゆこと」

 

 

ネ級「1代目スイキの子供なのですか……?」

 


水母棲姫「つか、あんたら決戦前の夜にさ、私がさー、水上機母艦瑞穂だった時の記憶を思い出して、丁准将ぶち殺したっていったの覚えてる?」


 

水母棲姫「最も大部前にチューキには教えたんだけどね。瑞穂の頃の記憶を思い出したり完全に忘れたりするのよね」



ネ級「あの時は別のことで頭がいっぱいでした……!」

 


レ級艤装「…………あ、」

 

 

レ級艤装「待て待て。スイキってわるさめよりも前にいる初期メンだよね。わるさめが鹿島艦隊の悲劇ん時でそん時にスイキはいた……」

 

 

レ級艤装「スイキ、丁准将を瑞穂の時に殺したんだよな」

 

 

レ級艤装「丁准将が死んだのは確か鹿島艦隊の悲劇の1ヶ月後くらいの『1/5作戦』だから、丁准将を殺したのが瑞穂だったスイキなら、あれ……?」

 

 

レ級艤装「鹿島艦隊の時のスイキは誰……?」

 


ネ級「ネッちゃん怖い……」

 

 

中枢棲姫「鹿島艦隊の悲劇の後、我々は情報収集のため、分散しました。リコリスとセンキはわるさめさんの監視と、例の女司令官との情報交換のために残しましたが……」


 

中枢棲姫「その時、分散して単艦で各地に動いたため、スイキ1代目は殺害されたと思われます」

 


中枢棲姫「海の傷痕が関係していると私が危険視したのは、リコリスとともに感じた違和感でした。なんとなく、スイキの性格が違うような、その違和感がリコリスと一致したゆえ、スイキをこの手にかけるべきか迷いました」

 


中枢棲姫「想いについては大体の見解が向こうサイドと同じです。ここまで同じだと、喜びと悲しみのあまり色々とミスをしました。申し訳ありません。聞くべきところがありましたが、事を急いでしまいました。あの提督が暗号で我々と再会の場を用意してくれるとは、本当にありがとうの気持ちで胸がたくさんです」


 

レ級艤装「待て待て。でも、今のスイキは鹿島艦隊ん時の悲劇のことの詳細を知ってた。実際にあの場にいなくちゃ分からないようなことも知ってたはず」

 

 

中枢棲姫「海の傷痕の能力が見えてきます。海の傷痕は艤装の想も管理しているのだと思われます。今のレッちゃんを見れば分かりますが、我々の艤装は覚醒した知能を持っています。そしてその知能自体が想なのでしょう」

 

 

中枢棲姫「恐らく海の傷痕の力は想の管理運営です。1代目スイキの想をこの2代目スイキの艤装にトレースしたゆえ、鹿島艦隊の悲劇のことも覚えているのではないでしょうか」

 


レ級艤装「じゃ、じゃあ、2代目スイキの正体は、1代目スイキの記憶を艤装にトレースさせていただけの、水母棲姫ってこと……?」


 

中枢棲姫「想ですからね。相手の能力は底がしれませんけども、恐らく私達の覚醒した知能は仕様としては起こり得ない異常なだけで、海の傷痕の力で可能な技術であるはずです」

 


中枢棲姫「なぜ海の傷痕は2代目スイキに1代目スイキの想をトレースさせたのか。この理由は、恐らくスイキが私達の仲間であるから、です」

 

 

中枢棲姫「異常とされている私達の艤装の想は海の傷痕にとって、感知の対象を越えた『今を生きる人間』となっているからでしょう」

 

 

中枢棲姫「海の傷痕は『人間の想を艤装に移す』であり、『そこに蓄えた艤装の想』を感知する。だから、今を生きる人間は艤装を介さなければならない。そして、我々は異常により艤装の想の探知が難しい。海の傷痕にとって今を生きる人間と認識されているのでしょう。過去の亡霊である私達深海棲艦が異常とされている理由となります」

 

 

中枢棲姫「異常な我々の想の探知が不可能、または困難であるため、我々の仲間であるスイキを」

 

 

中枢棲姫「スパイとして潜り込ませた。2代目スイキの艤装に蓄積された想を通して我々の艤装の想の情報を獲得するため、と思われます」

 

 

中枢棲姫「これは今のスイキの記憶を信用する、という前提で考えた私の説ですが……これとなると」

 

 

中枢棲姫「海の傷痕というのは」

 

 

中枢棲姫「ふわふわ、と、まるで」

 

 

レ級艤装「2代目スイキなんかいなくて、1代目スイキの頭がバグってるだけじゃないの……」

 


中枢棲姫「いずれにしろ、スイキと1/5作戦は臭いのです。あの提督は私が海屑艦隊の知能が覚醒したのを同じ日付だと答えた点をスルーしたので、ここはまだ彼も気付いていない点なのかもしれませんね。深海妖精ほどの価値ではありませんが、海の傷痕に繋がりそうなここの情報を次の取引材料にします」


 

ネ級「チューキさん」

 

 

ネ級「スイキの様子が変……」

 

 

水母棲姫「……」

 

 

 

 

 

 







 

水母棲姫【●∀●】

 

 

中枢棲姫「……、……?」

 

 

海の傷痕「当局は海の傷痕である」


 

海の傷痕「チューキ、大体当たりである」


 

中枢棲姫「……え?」

 

 

海の傷痕「バグは艤装が異常を来している状態であり、当局との想のケーブルが濁る。艤装の想で居場所が探知できないのである」

 

 

海の傷痕「1代目スイキを捕まえてメンテナンスした時に判明したのであるが、貴女達はもう深海棲艦という存在の枠をはみ出している。身体ではなく心のほうが、だ。1代目スイキを消したのは別の理由ではあるが、貴女達が今を生きる人の心を持ってしまったのは思わぬ異常。そのバグにおいて当局はもう物理的手段でしか排除できない状態である」

 

 

レ級艤装「……チューキさん」

 

 

中枢棲姫「レッちゃん、気持ちは分かりますが、今はどうかお静かに」

 

 

海の傷痕「だから貴女達と接触可能であり、貴女達に対する想を蓄積できる深海棲艦としてスイキを送りつけたのである」

 


海の傷痕「1代目スイキと出くわしたのは偶然である。あの時の当局は被験者NO1の水上機母艦瑞穂に用事があって、丁准将の鎮守府に向かっておったのだ。そして目的は達成した。瑞穂【壊:バグ】のメンテナンスを完了したのだ。キスカでは今を生きる人間の可能性により、まさかの撤退に追い込まれたが、瑞穂の1件であの特異なバグも調査できた」

 

 

海の傷痕「その時あの鎮守府ごと破壊するために、ロストさせておいた深海棲艦100体を出現させた。それが1/5作戦に繋がっているのである」

 

 

海の傷痕「あれは【瑞穂:バグ】を直すためのメンテナンス行為。当局による意図的な災害である」

 

 

海の傷痕「そして、その時の瑞穂の艤装をベースに作り出した深海棲艦水母棲姫が、今の2代目スイキである」

 

 

海の傷痕「1代目スイキの想をその艤装にトレースさせておいたゆえ、2代目スイキ自身は1代目スイキだと認識していたはずだ。鹿島艦隊の悲劇のことも覚えているが、当局と出会ったところは、消してある」

 

 

海の傷痕「後はチューキのもとに帰って仲良く過ごしてもらえば、細工したスイキの艤装に蓄えた想から、貴女達の居場所は」


 

海の傷痕「こうやって探知できる」

 

 

海の傷痕「他に当局に聞きたいことはあるか?」

 


中枢棲姫「……2代目スイキに知能が覚醒したのは、1代目スイキの想をトレースさせたからか?」



海の傷痕「当局には『思考機能付与能力』がある」



海の傷痕「無数の想を個別に認識し、人間の個体知能を分析、想として艤装に与えることを可能にした当局の能力である。艤装の知的能力を高め、認識能力を複雑にし、艤装が記憶している適性者の想からより詳細な情報を獲得する」



海の傷痕「これで瑞穂のバグを調査したのである」



海の傷痕「貴女の知能なら分かるはずである。この能力を与えられた艤装は深海棲艦として反転建造された時、人間並の思考能力を獲得すると。ここらが2代目スイキが記憶を想い出した理由へと直結するのである」



海の傷痕「そしてこの能力により思考を獲得したのは2代目スイキのみである。貴女方の知能の覚醒はキスカでの艦娘によって当局が被弾したことが原因である。その被弾により、思考機能付与能力が管理している想に対しての誤作動を起こし、その結果、覚醒してしまった知能が海屑艦隊のメンバーである」



中枢棲姫「……あの提督の読み通りですか。居場所が分かっていながら、我々を泳がせていた理由は」

 

 

海の傷痕「このスイキを送り込んで判明したのだ。『貴女達は異常ではあるが、別に放置して構わない存在』だと判断した故である」

 

 

海の傷痕「家族ごっこやっていてくだちゃい♪」



海の傷痕「という当局の慈悲である」

 

 

レ級艤装「案外馬鹿な奴だな。テメーはもう詰みだからな?」

 

 

レ級艤装「必ずブチ殺すからな。この想、お前には伝わないのが残念だけど、安心しろよ。こっちから物理で届けに行く」

 

 

海の傷痕「レ級【壊:バグ】は微妙に頭が悪いのである。なぜ当局が親切にこんなにペラペラと説明している理由が解せないか?」

 

 

レ級艤装「ンだと……?」

 

 

海の傷痕「『この戦争はゲームであり、また、クリア可能なように調整されているからであり、その最後の敵と設定されている故に当局は姿を現した』のである。『メンテナンス』の理由もあるがな。ここらが当局の個性である」



海の傷痕「最も当局が喋る情報は全て、当局にとってはどうでもいい類ではあるのだ」



海の傷痕「人生を捧げてまでも熱中してもらえるのは『製作者:神』の喜びである。そしてこれも当局の想により、君達のようにまた反転する。『操作者:神』となる。最も当局から観て『想の質量』としての廃課金者は二人、その独りが中枢棲姫ことチューキではあるのだが」

 

 

海の傷痕「ありがとう、中枢棲姫」



海の傷痕「当局を愛してくれて」

 

 

中枢棲姫「――――!!」ギロ

 

 

海の傷痕「君の想はスイキの艤装を通して間接的にしか伝わらないのが残念極まりないが、この通りだ。異常を放置しておくのもなかなか悪くはなかろう?」

 

 

海の傷痕「是非その想を当局に届けて欲しい。君は当局の為に産まれたのである。なんて孝行者であろうか」

 

 

海の傷痕「当局はこうして真実の言葉で腹を割り、語るのも吝かではない」


 

海の傷痕「『アドバイス』だ」



海の傷痕「貴女達は貴女達を過去の亡霊だと認識しているが、それは間違いである。貴女達の未来に強い影響を与える可能性は『今を生きる人間』と同等である。それは貴女達に『心がある』からである」

 

 

海の傷痕「そして最後に『メンテナンスの御詫び』だ」

 

 

海の傷痕「『戦艦棲姫ことセンキ、リコリス棲姫ことリコリスママ、この想はすでに当局に還ってきている。故に二人を当時のままで復活させよう』」

 

 

中枢棲姫「そんな、こと……が、いや、でも確かに……」

 

 

レ級艤装「テメー……」

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――うっそぴょん♪


 

 

 

 

 

 

 

海の傷痕「『この怒りが詫びの品物』である」

 

 

ネ級「くたばれ!!!」

 

 

ドガッ!

 

 

ネ級「センキ婆もリコリスママも……!」

 

 

ネ級「人間だ……!」

 

 

バキッ!

 

 

ネ級「生き返ったら!」

 

 

ネ級「人間じゃない……!」

 

 

ネ級「二人を侮辱したな! ネッちゃん、お前を絶対に許さないぞ……!」

 

 

海の傷痕「実に良質な想がスイキを通して伝わってくる」

 

 

海の傷痕「『ネッちゃん様、この度の課金、誠にありがとうございます』」


 

海の傷痕「やれやれである。今の時代、神すらも資本主義の奴隷だ」

 

 

海の傷痕「人間ならば人間と上手くやりたまえよ。君達はともに『戦争ゲーム:艦隊これくしょん』を楽しむ同志である」

 

 

中枢棲姫「言わせておけば! どうせスイキは直せますし、最後に私の課金(物理)もどうぞっ!」

 

 

水母棲姫「あ、あれ、私はな、にを」

 

 

ドガッ!

 

 

水母棲姫「チューキおいテメー!? スイキちゃんマジ痛いんですけど!?」



中枢棲姫「す、すみません……」

 

 

ネ級「もう1度出てこい……!」

 

 

ガゴッ!

 

 

水母棲姫「ねえねえどーしてスイキちゃんはDVを受けてるわけ!? うちでこういう面白系統のオチを担当してたのはわるさめよね!?」

 

 

ネ級「スイキの真似をして出てきたのか……!」

 

 

ドガッ!

 

 

水母棲姫「いい加減にしなさいよネッちゃんテメーゴルア!?」

 

 

ガゴッ!

 


ネ級「こ、この飛び膝蹴りはスイキ……!」

 

 

レ級艤装「……お前ら和むんだよ」

 

 

中枢棲姫「……、……」



中枢棲姫「センキがネチネチいってますね……?」

 

 

レ級艤装「まあ、でもリコリスママは絶対に笑ってるだろ」

 




中枢棲姫(……、……提督さん、私達は間違えていました。海の傷痕は喋っている言葉からして、今を生きる人間から艤装へと写され記録された想から……)




中枢棲姫「現在を記録できる……」



中枢棲姫「あの提督との協力が必要不可欠だ」



中枢棲姫「レッちゃん&ネッちゃん、お願いしますね」



レ級艤装・ネッちゃん「了解」




【●∀●:海の傷痕:おはようございます】



海の傷痕【あの女提督は死の運命に囚われていたゆえ、最優秀賞には届かなかったが】



海の傷痕【貴方にはこの言葉を贈ろう】



海の傷痕【深海妖精はゲームクリアの道標であるよう、また運営管理効率化のため、当局が意図的作為的に【想の魔改造:当局の根源的能力:想の収集管理運営の応用】により誕生させたものを、装備妖精艦載機パイロットの輪廻に後付けで組み込んだものである】



海の傷痕【当局が設置した戦争終結:ゲームクリアへの切符を正規ルートで見つけた最優秀賞の貴方へ、贈らせてもらいたい】



海の傷痕【素晴らしい想の宿主である。貴方のような方に見つけてもらえて、当局は光栄至極である】



海の傷痕【冥利の一言に尽きる】

 

 

海の傷痕【当局が世界の下地に手を加えた時からの演算としては500年は保つと想っていたのだ。当局(人類)は1杯喰わされたのだな】



海の傷痕【人類の積み重ねがあったとはいえ、提督として着任して1年足らずだとは、こちらの身にもなって欲しいものである】



海の傷痕【……深海妖精を利用して当局:神の懐に潜り込んだこといい、やれやれ、全く】



海の傷痕【プレイヤーはいつだって】

 

 

海の傷痕【製作者:神の予想を越えてくる】

 

 

海の傷痕【もう独りの廃課金のもとへ】



海の傷痕【当局は大本営へと降臨しよう】



海の傷痕【さあ、当局は今を生きる君達のために暁の水平戦の景色を背負い】

 

 

海の傷痕【……海へ、逝くぞ】

 

 

 

 




 

 

 

海の傷痕【weigh anchor】



【1ワ●:響より、この海に置き去りにされないように】

 

 

1

 

 

響「電、外で寝ていると風邪を引くよ。眠いのなら膝を貸そうか?」

 


ぷらずま「……」

 


響「間宮さんと雷は、そこでテントを張ってキャンプかい?」



雷「この状態の電はゴロゴロと坂を転がり続けているみたいなもので、放置しておくとドンドンと転がり落ちていくのよねえ。側にいても相手されないだけで認識してくれてはいるのよ?」

 

 

間宮「いい得て妙ですね。このお花畑で寝ている状態の電ちゃんは黙り込んでいるだけで無害なんですけど、いつもはなにかあれば出るんですよ。露骨になったのは、今の提督さんが着任なされてから、ですけどね」

 

 

間宮「だからこそ酷いといいますか」

 

 

響「知らなかったよ。雷は研究所で電と1年いたしね、私よりたくさん電のことを知っているんだね」

 

 

響「間宮さんは雷よりも付き合いが長い。ずっとここの鎮守府にいる。例の女司令官がいた時も。わるさめちゃん、阿武隈さん、卯月さんも」


 

響「……間宮さん、ごめんって顔をしているね。ああ、別に責めているわけではないんだ」

 

 

響「でも、あまり子供扱いはして欲しくないな。私や雷は艤装を身に付けたからこんな成りで幼稚な面が抜けないけど、18歳は越えてる」


 

響「電を除く私達は同時期に建造されたんだ。私達は電より後に建造された。前の第6駆は珊瑚で囮をさせられた時に電を除いて全滅したって聞いたかな」



響「そしてこの戦いの駆逐艦となる適性者はあまり恵まれた家庭環境の子がいない」



雷「響も孤児院出身よね」

 


間宮「悲しい、ことです」

 


響「街は平和だ。あの時代とは違う。年端も行かない子供を戦争に出すのをよし、とする家庭は珍しいと思う。裕福でも、事情がある」

 

 

雷「ま、たまーに例外はいるわよね。この鎮守府だと卯月さんと不知火さんかしら。でも少数派よね。最近の軍は適性者を引き込むのにかなーり苦労しているみたいだし」


 

響「そうだね。卯月さんの母親のお店はこの間、雑誌で見かけたよ。そもそもあの店が流行って大きくなったのって」

 

 

間宮「卯月さんがあの素質で活躍して、メディアを使って実家の宣伝したからですよね……」

 


雷「あの家庭は聞いてる感じ、色々とすごいわよね……」



雷「でもこうやって話の種に出来るって私達のなかでは稀よ。大体みんな話したがらないし」

 

 

雷「街に出かけるとたまーに姉妹艦にぽろっと漏らす人もいるけど」

 

 

響「この鎮守府は街が近いから、たまに出かけるけど、なんだか街は違う星のように見える」

 


間宮「噂では丙少将のところはよく皆さんを引き連れて街に行くとか」

 


雷「え、そうなの?」

 

 

響「そうだね。でも丙さんというよりは伊勢さんや日向さん、まあ、皆かな。丙さんがそういうことしていて皆がそうするようになったんだ。休みが重なるとよく誘われる」

 

 

響「あそこはそういう鎮守府なんだ。むしろこの戦争から外れた時のことも考えて」


 

響「この海に置き去りにされないように、気を回してくれてる」

 

 

響「丙さんは優しい。私も好きだよ。私達の人生を考えてくれて大きな温もりを感じさせてくれる」

 

 

間宮「丙少将はさすがですね……」

 

 

間宮「あの鎮守府は兵士はもちろん世間からも印象がよろしいようで……うちとは正反対ですね……」

 

 

雷「でもあの司令官は別に悪い人ではないわ。合同演習は瑞鳳さん以外は電の作戦だったし、それが司令官の指示として広まっただけで」

 

 

雷「その後の深海ウォッチングの人体実験もあって。こっちはあまり広まってはいないみたいね。一部には知られているけど、口を閉じてくれてる」

 

 

間宮「あの人はストレートに私達を駒としているように受け取れる発言もしていますからね。あれは絶対に故意的ですよね……」

 

 

響「確かに私も合同演習の時はそう思ってあまり好きにはなれなかったけど」

 

 

響「冷静に考えてみて、ここで過ごしてみて、変わったよ」

 

 

響「ここは別に丙さんのところのような鎮守府ではなくてもいい」


 

響「ここは電のための鎮守府であればいいと私は思ってる」

 


響「電はあの司令官が気に入ってるんだ」

 

 

響「きっと私達では手の届かない電の心の奥深くにいる。乙中将と演習した時に確信した」

 

 

雷「珍しくはあったわね」

 

 

間宮「なにかあったんですか?」

 

 

響「勝利した時、電の顔をして『勝てたのです』って司令官の腕に抱きついたんだ。正直、驚いた」

 

 

雷「あの周りには私達もいたのに、司令官だもの。あれは絶対に電の無意識的なところが原因よね」

 

 

間宮「……、……」

 

 

響「電の身体のことは、今の司令官も含めて軍が解き明かすのは時間の問題だと思う。でも私は電の心のことが気になる」

 

 

響「そうだね。なぜ嫌な想い出の詰まったこの場所に帰ってきたんだい?」

 

 

響「まるで、この場所じゃなきゃダメだって、その理由があるみたいだ」

 

 

間宮「……」

 

 

雷「あの司令官が軍にいることを知っていて、あの司令官が来るのを待っていた……は違うわね。元帥にそう言えば多分運用のために手配はしてくれたはず、ね」

 

 

間宮「着任するまで軍の研究施設にいる選択肢があったはずですし、そもそも司令官を見定めたい、というのならわざわざこの鎮守府にいなくても、とは確かに……」

 

 

雷・間宮「……、……」

 


雷「よく分からないけど、こういう時って大体電のほうで考えていれば遠からず、よね」

 

 

間宮「電ちゃんにとってなにかしら良い意味での特別があるんでしょうか。その特別に思い当たりませんが……」



響「難解だ。『人の心』は」チラッ


 

ぷらずま「……」

 

 

響「電がぷらずまを演じるのは無理があるんだ。観察していれば、誰でも分かるレベルでお粗末だ」

 

 

響「電は演じているつもりだろうけど」

 

 

響「私は引き出そうとしなくても自然に電の心を表に出せるあの司令官を尊敬しているし、実際に観察してみて好意も抱いているよ」


 

ぷらずま「……」

 

 

響「電、私は身体が子供だから子供扱いされることも多いけど、色々と知ってはいる」


 

響「私はあの司令官のことが好きだ。だけどあの手の真面目なタイプは迫るより、責任を取らせたほうがいい」

 

 

響「そのために私はあの司令官と」

 

 

響「……その……あの……」



響「ゴニョゴニョな関係を持っても構わないよ」

 

 

ぷらずま「!?」

 

 

響「演じ切れていないね。まずそうやって素直に受け取るところは電だ」

 

 

ぷらずま「……」

 

 

響「艤装影響による姉妹艦好意、電との始まりだったとしても、そんなのはきっかけに過ぎない」

 

 

響「皆、待ってるんだ。電から素直になる日が来るのを待ってる」

 

 

響「待ってるから」

 

 

響「この海に置いてきぼりにはしないさ」

 

 

雷「響、なかなかやるわね……」

 

 

間宮「え、あ……響ちゃん、あ、あの、提督さんに恋をして……?」

 

 

雷「もしかして間宮さんは電の類友ってやつじゃないかしら……」


 

ぷらずま「……」

 

 

ぷらずま「本人いないところでやって欲しいのです……」

 

 

雷・間宮「あ、復活した」



響「電、もしも『私』が『君』の力になれるのなら、精神影響が大きく、障害を負う危険がつきまとうからと改装を拒まれ続けた特別」



響「Верныйにだって、なりたいな」



【2ワ●:Rank:Worst-Ever】

 

 

コンコン


初霜「秘書官初霜ただいま参りました。失礼します」ガチャリ

 

 

龍驤「おはようさん。まだ5:00やで。早いなあ……」

 

 

初霜「提督がこの時間に執務を始められるので。ところで……」

 

 

初霜「なぜ提督の服装で、そこに座っているのです?」

 

 

龍驤「提督は昨夜に出てったでー。しばらく留守にするからその間はうちが提督やるように頼まれたもん」

 

 

初霜「聞いていません」

 

 

龍驤「急やったからなー」

 

 

初霜「昨日、あれだけの規模の戦いを行ったその後すぐ、ですよね?」

 

 

初霜「……会議ですかね」

 

 

初霜「何の出張ですか? いつ帰ってきますか?」

 

 

龍驤(……いつになるんやろ)



龍驤(裁かれたとしても、あいつの場合は深海妖精やら海の傷痕や暁の水平線の話やらで、しばらくラチられてもおかしくないし……)

 

 

龍驤「まあ、1週間から1ヶ月程度やない」

 

 

初霜「……?」

 

 

初霜「もしかして深海妖精の1件、ですか。でも、深海妖精を陸地に誘った手法は鹿島さんに聞いた限り、そこまで批難されるような内容では……」

 

 

龍驤「そんな凄まんでも……」

 

 

龍驤「口止めされとらんし、すぐにバレるわ。別に隠しておけるようなもんではないから話すつもりやったで」

 

 

龍驤「軍法会議」


 

初霜「提督の指揮になにか問題がありましたか!?」ツクエバン!

 

 

龍驤「び、びっくりさせんといて……」

 

 

初霜「今回、中枢棲姫勢力のリコリス棲姫を倒したのはこの鎮守府です。それも早期に撃破したからこそ、こちらに殉職者はおらず、余力を残して十分な追撃戦も展開できましたし、なにより甲大将は『裏切らないのならば好きに動け』と指示をしていたはずです!」

 

 

龍驤「落ち着こ? な?」

 

 

初霜「………」

 

 

初霜「……はい、すみません」

 

 

龍驤「その裏切りに該当することをした、みたいでさ」

 

 

初霜「……どこにそんな要素が」

 

 

龍驤「リコリス棲姫と中枢棲姫と会話したらしいねん。色々なやつがその内容を聞いてた。情報は安全航路見直しのために一部の政治家連中から企業連中にも回る。うちらは管轄やないから知らんけど」

 

 

龍驤「あいつと現場におった電の報告書も聞いて事情は把握しとるし、電の現場での会話は即効で知らせといた」

 

 

龍驤「細かいことは割愛するけど、この戦いには裏で糸引いとるやつがおるみたい」

 

 

龍驤「海の傷痕」



龍驤「中枢棲姫勢力のようなやつが現れたのは、その裏で糸引いとる海の傷痕がなにかしらポカしたからやと」



龍驤「中枢棲姫勢力は、そのラスボスを捜索しとったんやって」

 

 

龍驤「どうもうちの提督はその居所の情報を流した、みたいやね。これがラインを越えた情報提供、深海棲艦に与した裏切り行為に該当する」

 

 

龍驤「ほんとあいつの頭の中、なに考えとるか分からへんわ。中枢棲姫勢力でその影が見えたとしても、すぐに居所までサーチしたとか、どんだけ頭にこの戦争のこと詰め込んでんやろ……」



初霜「……なるほど」

 

 

初霜「でも、あの提督がそんなミスをするようには思えません。あの人のことだからなにか考えがあっての」

 

 

龍驤「そんなん関係ないんよ。だから先の作戦では、わざわざ情報のラインが設定されてた。うちらも読まされたやろ」



龍驤「ま、中枢棲姫勢力は」



龍驤「【Rank:SSS】」



龍驤「電は保護されてからしばらくは【Rank:SS】やで。中枢棲姫勢力は電よりヤバいって満場一致で決まったとか」



龍驤「個人が独断してラインを越えるのはやり過ぎたね」

 

 

初霜「で、でもあの人は深海妖精の件で」

 

 

龍驤「それ、表向きは甲大将の功績。でもそのお陰で丙ちゃん乙ちゃん甲ちゃんが気を回してくれたって面もあるんやで。目立った評価は、合同演習は悪目立ちやし……」

 

 

龍驤「こちら側の巨大戦力である電を扱えることと、わるさめを引き込んだこと」

 

 

龍驤「中枢棲姫勢力幹部のリコリスの首、かな。これは既に研究部に艤装ごと輸送されて、中枢棲姫勢力からの情報を踏まえて、てんやわんや、やね」

 

 

龍驤「一気に今までの未知の霧が晴れてゆくと思う。恐らくこの戦いでこの国はしばらく世界の中心や」

 

 

龍驤「もともと対深海棲艦海軍は形見が狭いんやで。やらなければならんもんやから仕方ないんやけど、成果的には注いでる税金の割りに合わんから」



龍驤「甲ちゃん達がどうこう出来る枠を越えてるってのは理解できるはず」

 


龍驤「対深海棲艦海軍内の軍法会議に収めただけでも、元帥も甲ちゃんも事前に理屈練ってさ、ありとあらゆる方面の人脈をかなーり駆使したと思うよ」



初霜「処分は、免れないのですね」

 

 

龍驤「どうやろな。今回は軍規どうのこうのの場合じゃないわ。陸におるやつが、どこまでこの錯綜してる事態を正確に把握できとるか。アホはおらんやろうから、うちらの提督は大丈夫。死にはせんよ。今、あの提督を裁くのは国というか世界規模で割を食うし」



初霜「せ、世界規模……?」



龍驤「うちらがこの鎮守府で歓迎会とかやっていた時、台風と同じく中心は静かでその周りは大変やったみたい」

 

 

龍驤「現場におって海と鎮守府におるうちらは外からの視点がやや鈍くなってるけど、中枢棲姫勢力は世界的な問題に発展してる」

 

 

龍驤「うちらは中枢棲姫勢力見つけてから、戦いもしたよね。現場のほうが平和な面もあるわ」



龍驤「【Rank:SSS】はもう世界的に認定されるであろう最悪の敵。何でか分かるやろ?」


 

初霜「……」



初霜「深海棲艦の本能に縛られていないから軍の戦略を上回り……」

 

 

初霜「守るべき人民に対しての戦略的な殺戮行為を、行う危険が、高いから、です……」

 

 

龍驤「その通り。行える、やなくて、行う、と認識せなあかんのが、うちらと深海棲艦の関係やからね」

 

 

龍驤「この決戦で得た情報から考えてみると」



龍驤「深海妖精で肉体改修が出来る。もしも中枢棲姫勢力が深海棲艦を陸にあげられるよう改修して、率いて暴れられたら、この戦争は洒落にならんよ。第三次世界大戦あり得るで」

 

 

龍驤「中枢棲姫勢力はそこまでマジになって人類が考えなあかん存在や。それが【Rank:SSS】の次元」



龍驤「あの作戦はわざわざ中枢棲姫勢力が陣取ってくれて、その意思表示をこちらが汲み取ってかなり急を要しただけ。いまだに中枢棲姫勢力については色々な方面で揉めてるとか」


 

初霜「難しく考え、すぎでは……?」

 

 

龍驤「そうやなあ……外のゴタゴタは今に始まったことやないわ。電や明石君の身体のことも揺れたっけ。ただ真実が判明してないだけやのに」

 

 

龍驤「海軍が情報を隠してるっていまだに批難するやつおるし」

 

 

龍驤「……うちとしてはレ級……もか。水母棲姫とネ級も人類虐殺始めるようなやつだとは思えんけどさ」

 

 

初霜「龍驤さんは現場で会ったんですよね……」

 

 

龍驤「まあ、な。衝撃的やった。リコリスの首は取れたのはかなりの功績やけど……」

 

 

龍驤「中枢棲姫の指示によっては事態はどう転がるか分からんね。将校のいう通り、頭がキレるし、この作戦で性格のほうも判明した」

 

 

龍驤「うちが分析した限り中枢棲姫の性格がうちらの提督と似とるのが最悪にヤバい。鹿島艦隊の悲劇のデータは今やわるさめと鹿島と中枢棲姫の発言を照らし合わせて、真実が導き出されて、確定もするやろ」

 

 

龍驤「人の心がある上で、人をさらって資材にしている。向こうの中枢棲姫はここの提督の深海棲艦側verやで」

 

 

初霜「……、……」

 

 

龍驤「『必要があればやる』」

 

 

初霜「っ」

 

 

龍驤「そこに加えて、電からの情報からして、リコリス棲姫と中枢棲姫は自らの命を代価にして物事を計算していたみたいやね。どちらが死ぬことになろうが、構わなかった様子」

 

 

龍驤「ここも似とるよね。うちらの提督もわるさめの一件で自らの命を代価にして情報を得ようとしたし、1/5作戦の時のように、兵士の無駄死には嫌うけど、そうならなければ兵士の死を躊躇わずに作戦に組み込める」

 


初霜「あの、提督がっ、し……けい、とか……」ポロポロ


 

龍驤「はっつん。その涙はあかんよ。それを流す前に兵士ならもう少し深く考えなあかん」



龍驤「追い討ちかけるみたいやけど、中枢棲姫勢力やない。中枢棲姫勢力が捜索しとる『海の傷痕』がな」



龍驤「……歴史、最悪やねん」



龍驤「海の傷痕は、どんな手を使っても、殺さなければあかん。こいつの始末に関してはこちらの被害に対して人命だの人権だのと、綺麗事の欠片も口に出来ん。いや、したらあかん」



龍驤「海の傷痕についての情報をうちがまとめてみたから見てみ。どうせすぐに正式なもんは全軍に通達されるやろ」



龍驤「面白いほど、謎が解けていく」



初霜「……、……これ、は」



龍驤「軍は最初期のサミットで危険のRankを決めたんやけど、その上も一応あるな。最初期の深海棲艦は知能的な問題でSSSに止まって、その上には該当せんかった」



龍驤「最初期の深海棲艦は今と違ってさ、まだ戦争の傷も癒えとらん時期に人もたくさん殺してる」



龍驤「19世紀から海は姿を変えた。妖精はまだいい。あいつら人間に危害は加えんからな。登場した深海棲艦はイカれとる。今は関係者に執着する深海棲艦やけど、最初期の深海棲艦は人類に攻撃的やったのは知ってる?」



初霜「……ええ、『最初期の深海棲艦論争』からして、今の彼等は本能が変わったかのように大人しい、と」



初霜「最初期は人類が頭を捻っても、有効な武装が艤装適性者のみという未知の塊でして、対抗手段がまるでなくて、今とは違い、適性者は徴兵として強引に駆り出されたとか……」



龍驤「始まりの艤装は深海棲艦は艤装でしか破壊できないと証明した。けど、それだけ」



龍驤「深海棲艦の肉やて人間やと分かったのもついさっきのことや。化学兵器とか無効化するどころか足止めにもならへんあいつらの身体が人間だっていうのも『科学的にあり得ない』ことやで。今までの人類の歴史を足蹴にして冒涜や」



初霜「……そういえば『深海棲艦論争』と『妖精論』は最初期に熱があったみたいですね」



龍驤「せやなー。最初期の深海棲艦の艤装にあったのは艦娘ではなくて、恐らく大戦時代にドンパチやっとった人達の想やね。これなら最初期の深海棲艦が、人間に攻撃的だったのも頷ける」



初霜「人類に対して攻撃的、姫や鬼の登場で、最初は人類の怨念が、我々を断罪しにきた、と騒がれてましたね……」

 

 

龍驤「今も深海棲艦が最初期の状態なら人類は負けてるわ。でも、その深海棲艦は艤装適性兵士との戦いが続くほど、一部の人間や艤装を身に付けた兵士以外に対して基本的に非攻撃的になっていった」



龍驤「陸にあがらんことも大きかったし、最近では艦娘を見つけて足を止めるのも大きかった」



龍驤「ここらも『海の傷痕』の想の力で説明できる。つまり人類に攻撃的にしたのも、そうじゃなくしたのも、今のようにうちらという兵士が防波堤のように陸を守ってるのも」



龍驤「海の傷痕の掌の上」



龍驤「つまりそいつはやろうと思えば人類を滅ぼせる。しかもうちら負け確定。今の深海棲艦だけでも劣性やし、 最初期の深海棲艦、海の傷痕、勝てるわけないよ。今の人間の生活圏を守るには今の兵士を総動員してもたかが知れてる」



龍驤「仮に海の傷痕が人類を滅ぼしますって行動をガチで取ってきたら」



龍驤「地球捨てて宇宙に逃げようか、みたいな話が国のトップが真面目な顔でいいかねん。あはは、って笑ってまうような事態やろこれ」



龍驤「海の傷痕の危険度でいうと中枢棲姫勢力のRank:SSSの上、まだこの指数が発足して歴史に類を見ない危険事態を想定して組み込まれた指数がある。確か」



龍驤「【Rank:Worst-Ever】」



龍驤「海の傷痕はこのレベル」



龍驤「そして電は対深海棲艦においてこちら側の最強戦力。この電は自らの意思であの提督の指示に従う」



龍驤「電の力の詳細は一部秘匿されてたから、うちも合同演習に出てくるまではよう知らんかったんやけど……」



初霜「……」



龍驤「これがどれ程の影響力があるか分かっとらんあほがいない限り、あの提督は殺されはせんよ」



龍驤「ま、対深海棲艦海軍がうちらの提督を全力で守るやろ。中枢棲姫勢力と単艦でやり合える電は絶対に必要」

 

 

龍驤「これもまあ、一人の兵士にいうこと聞かせることもできないのかって、対深海棲艦海軍の肩身が狭くなってる理由なんやけどさ……」

 

 

龍驤「中枢棲姫勢力は深海棲艦やけど協力できる可能性があるのは、うちらの提督が証明した。深海棲艦がどうのこうのいっとる場合やないと思うわ」



龍驤「深海棲艦と同盟を結ぶ、と世界的に公表してでも、事を急ぐべきやと思う。なにが中枢棲姫勢力がどうのこうのやっちゅうねん」



龍驤「中枢棲姫勢力よりも見なあかん問題があるのに身内のいざこざメインに展開しといてさー……その皺寄せが来てもうちらが戦えってなるんやで」

 

 

龍驤「……嫌になるやん」

 

 

初霜「一縷の望みで、お、乙さんに連絡して……」

 

 

龍驤「止めとき。特に乙ちゃんには今までかなり助けてもらっとるし、いくら乙ちゃんでも今回は無理。明らかな違反、それも大勢に現場を押さえられてる。うちらと乙ちゃんと丙ちゃんだけが先行して知ってた深海ウォッチング作戦の時とは違う」

 

 

初霜「………う」

 

 

初霜「ひっぐ……」

 

 

龍驤(あかん、はっつんこれマジ泣きやん……)

 

 

龍驤「……まあ」

 

 

龍驤「提督は『大丈夫。必ず戻ってくる』っていってたよ」

 

 

初霜「ならきっと大丈夫ですね」

 

 

龍驤「急にけろりと……」

 

 

初霜「私の提督は無根拠に大丈夫という人ではありませんから!」

 

 

龍驤「……ま、そうやね」

 

 

ガチャ

 

 

ぷらずま「●ワ●」

 

 

ぷらずま「面白そうな話をしているのです」

 


ぷらずま「電も聞けなかった」

 

 

ぷらずま「最初の部分から」

 

 

ぷらずま「聞きたいのです」

 

 

龍驤「……」

 

 

ぷらずま「オールトランスでその口をこじ開けますよ……?」

 

 

龍驤「それしたら口どころか身体が塵芥になるやん!」

 

 

龍驤「最初から事情を話すから待って!」



3

 

 

ぷらずま「この時間の惜しいタイミングで司令官さんを軍法会議に……?」

 

 

ぷらずま「その猿以下丸出しな知能な上に不愉快な判断は一体……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぷらずま「無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能」

 

 

 

ぷらずま「なのです!?」

 

 

龍驤「発狂すなや……」

 

 

ぷらずま「はわ、国会議事堂?」

 

 

ぷらずま「はわわ、それともホワイトハウス?」

 

 

ぷらずま「どのダボどもを消してこれば話は進むのです……?」

 


 

 

龍驤「まあ、中枢棲姫?」

 

 

ぷらずま「ダボか」

 

 

ぷらずま「なぜ私があの場で中枢棲姫勢力を見逃したのか」

 

 

ぷらずま「司令官さんがこの戦争終結のために中枢棲姫と手を結ぶと判断し、そのうえ私自身も中枢棲姫勢力に価値を見出だしたからなのです」

 

 

ぷらずま「中枢棲姫は人類に牙を向くどころか貢献しようとしているのです。その報告は信用できないからスルーは、まあ、最もな理屈なのです」

 

 

ぷらずま「としても、紙の上から人を見ている輩のごとし浅い思考なのです」

 

 

ぷらずま「中枢棲姫勢力の存在から人類はなにも学び取ろうとしない。もはや脱帽ものなのです……」

 

 

ぷらずま「その挙げ句のんきに陸地で肥えてた豚どもが危険を察知した途端、びびってブヒブヒと威嚇するのはまだしも、その威嚇先がまず身内なのです……?」

 

 

龍驤「気持ちは分かるけど……」

 

 

ぷらずま「司令官さんはどこに?」

 

 

龍驤「理由はよく分からんけど、この件は大本営でやるみたい。どこかは分かる? 昔とはまた別やで」

 

 

ぷらずま「外が前々からそれほどごたついていれば対深海棲艦海軍に留まらず国外の重役も絡んで来そうですね。一時期、ドイツとイタリアとアメリカのやつとは顔を合わせたことはあります。来ていたら捗るのです」

 

 

初霜「明かされた電さんの顔の広さが恐ろしい……」

 

 

ぷらずま「恐らくどいつも現場の現状を把握してないですし、司令官さんもそこをつつける立場ではないのです」

 

 

ぷらずま「くっだらねー人間の事情に振り回されて、国丸ごと今の毒沼に留まることこそ、愚の極み」

 

 

ぷらずま「政治家がどいつもこいつも長時間を消費して固い耐久装甲をゴミ装備で磨り減らしてこじ開けるかのような手しか使えないのが、今の世情がダボと化している原因なのです」

 

 

龍驤「分かっとるね……龍驤さん感心したで……」

 

 

ぷらずま「仕方ありませんね。陸地の愚かな豚どもに代わって私が民を導いてやるのです」

 

 

ぷらずま「私は私服に着替えて内陸に行ってくるのです」

 

 

ぷらずま「しばらく鎮守府(闇)を留守にします。あの司令官さんは必要なので。そしてダボどもを地獄へ導くためハーメルンの笛を吹いてくるのです」


 

ぷらずま「ぷらずま」

 

 

ぷらずま「の」

 

 

ぷらずま「政治を見るのです」

 

 

龍驤・初霜「」



2

 

 

武蔵「全く……お前はまた軍に面倒ごとを持ち込んで。1/5作戦や合同演習の件で懲りていないのか?」

 

 

長門「ご活躍は聞いているが散々だな。今の状況を知らないわけでもあるまい。フッ、効かぬわ、みたいな顔をしているが、お前は修行僧か?」

 

 

赤城「お気になさらず。将校がそちらにかかり気味でこの人達は各地の海に駆り出されて休む暇もなかったから疲れてるんです。本心は真逆ですから」

 


武蔵・長門「全くだ。よくやった」

 

 

長門「こちらは中枢棲姫勢力のため、開けていた海域を保守するために駆り出されてはいたが、お前が深海棲艦海軍にもたらした功績は勲章では足りんとは分かる」

 

 

武蔵「なにか言い訳は用意してあるのだろう。どれ、私達に聞かせてみろ」

 

 

提督「言い訳の用意はありません。裁かれるがままを受け入れましょう。どうせ自分の役目は終わりましたから」

 

 

提督「この怒りはあなた達に託して、自分は全てを受け入れるつもりで来ました。自分のような人格でも、命は尊ばれるため、一人の人間を犠牲にするのは効果的です」

 

 

武蔵「丁准将の鎮守府で補佐官をしていた時から、戦争終結ばかり思考していたな。大和のやつは苦笑いばかりしていた。戦争終結はまだだが、役目を終えた、と?」


 

提督「もう謎が解けるのは全て時間の問題です。裁きの時間に保身を口にするくらいならば、この戦争の全貌についてぜひ語り合いたいものです」

 

 

提督「……」

 

 

武蔵「……そうだったな。確かにお前はそういうやつだったよ」

 

 

長門「しかし、迎えの船で待遇が罪人にしては可笑しなものだと思わなかったか。まるで客人のように扱われただろう?」

 

 

提督「別段、思考する点はありませんね。その思考で行き着く場所は人のしがらみであり、自分にはあまり興味が持てませんから……」

 

 

赤城「まあ、そもそもこの軍法会議自体がかなり強引な解釈によるものですから」


 

赤城「まずあなたは指示されたラインを越える発言はしておりません。深海棲艦への協力とされたあなたが口にしたそのミッドウェーは早急に確認されましたが、なにも発見されませんでした」

 

 

赤城「あなたはあの場で深海棲艦中枢棲姫勢力からリコリス棲姫の首と情報を得るためについたとっさの機転、と取るほうが自然です。まあ、つまり今回は誰かの都合であなたをどうこうするために連行されたものです」

 

 

赤城「しかし、あなたに課せられる罪は、重いですよ。心当たりはあるでしょう?」

 

 

提督「合同演習時の戦いは世界に発信されておりますし、無断で対深海棲艦海軍の最高戦力かつ被害者とされているぷらずまさんを死亡させかねない人体実験を行い、更に独断で深海妖精陸地誘導実験、中枢棲姫勢力とのオリジナルの内容交渉に加えて、ライン越えの発言、深海棲艦に与したのは死刑もあり得ますね」

 

 

提督「むしろ心当たりしかないです」

 

 

武蔵「それでも結果的に見れば功績は凄まじいのだがな。もちろん全ての真実を知った上で判断した場合だが」

 

 

長門「そうだな。頭が回るのに保身が下手だ。招いたのは自らの破滅だ。私は頭が痛い。龍驤だけじゃなく私達も行けば良かった、と」

 


提督「ただまだかなり臭う謎が解明仕切れてはおりません。例の女提督、フレデリカ大佐のもとから消えた水上機母艦瑞穂です」

 


赤城「まあ、そういうのは置いておきましょう。あなたをご案内しますので、私についてきてくださいね」

 

 

長門「陸奥を呼んで来なければならん。私達は要人の出迎えがある」

 

 

武蔵「……また会おう」

 

 

提督「過去最大の嫌味ですね……」

 

 

武蔵「昔からそうだった。お前と話していると、いつも溜め息が出るんだ」

 

 

提督「は、はあ……」

 

 

3

 

 

乙中将「青ちゃ――――ん!!」

 

 

提督「……乙中将殿?」

 

 

乙中将「殿なんていらないから! ちなみにそういう堅苦しいの丙さんも甲さんも元帥さんも嫌いだから!」


 

赤城「……あー……」

 

 

乙中将「というか青ちゃん、今の状況分かるよね! 軍法会議とかじゃなくて僕がしがみついて止めている丙さんの顔が見えるよね!?」

 

 

乙中将「さすがの青ちゃんにもマジでキレてんの分かるよね!?」

 

 

提督「はい。自分は殴られる危険性が高いですね」


 

乙中将「冷静沈着に分析してんじゃねーよ!?」

 

 

丙少将「残念ながら殴る気はないから、お前の分析は間違っている。どうやら今の俺はお前が大和を捨てた時から変化しているらしくてな」

 

 

丙少将「まさか、ここまで怒りによって心が穏やかになるとは」



乙中将「痛いな! この! この!」

 

 

赤城「乙中将のグルグルパンチが……」

 

 

提督「ならばどんなご用件で?」

 

 

丙少将「生憎と地獄耳でな。聞こえたからだ」

 

 

丙少将「後は託して死んでもいい、だと。お前はそういったのか……?」



提督「はい。海の傷痕の正体を知り、自分は改めてそれほどの怒りを覚えました。自分の魂までも捧げ、奴を滅ぼしましょう。戦争終結において、自分が奴を討つ必要はなく、固執することもマイナスに作用するかと」

 

 

提督「しかし、ご安心を。電さんはもはや自分がいなくても抜錨します。なぜなら終わりが見えたからです。自分のことよりも、優先するモノがある」

 

 

提督「それは絆や仲間などという言葉で迷いが出るものではありません」

 

 

 

 

ドガッ!!

 

 

提督「痛っ……」

 

 

 

丙少将「そーいうことじゃねえだろ!?」

 

 

丙少将「味方を駒扱いや決死を作戦に組み込むのは否定しねえし!! お前を気に入らねえっていってる俺はまるでガキで、実際俺なんかよりもお前のほうが遥かにすげえよ!?」


 

丙少将「正式に着任して1年足らずだろ!? ふざっけんな! 俺が今までやって来たことは何なんだよ!?」

 

 

丙少将「でもよ、お前はどうせ今回はあの時と殴った理由は違えってのもどうせ分からねえだろ……?」

 


丙少将「1/5作戦の時、お前は俺にこういった。 『何の後悔も躊躇もありませんでした』と」

 

 

丙少将「俺の目を見ながら、だ。なぜあの時、テメエは俺の目を見ながらいった。機械質なテメエは、あえて俺にブン殴られるための理屈で態度を選んだんだろ。お前は知っていたんだろーが……?」

 

 

丙少将「テメエが即座に捨てた大和の適性者が俺の妹だってことをよオ!?」

 

 

提督「……」

 

 

丙少将「あいつは俺の鎮守府には来なかったけど、俺は妹を守るためにここに来たんだぞ。それを台無しにしてくれた上、なめた同情をしやがって、テメエの理屈に乗ってやったが……」

 

 

丙少将「今回は違う」

 

 

丙少将「『兵士が後を託して死ねるのは、俺達提督の能力不足に対する罰』なんだ。今まで戦った奴等は、後に託すために戦ってるんじゃねえ」

 

 

丙少将「この戦いが始まった最初期から、どれ程の熱量が歴史を燃やしてきたと思ってるんだ。死ぬためじゃねえ。生きるためだ」

 

 

丙少将「死をも利用して敵を討つじゃねえ。俺達が執るべき指揮はもっと上だろーが。死ななくても勝てる作戦を考えろよ。なぜ死んでもいい、で思考が止まるのか理解できねえ」

 

 

丙少将「自殺志願者かよ。戦争の中にいる俺達の物語の終わりがこの戦場の海であっていいはずがねえだろ」

 

 

丙少将「何で分かんねえんだよ。テメエんとこの兵士はお前が死んでも悲しまないやつか。お前はどの兵士が死んでも悲しまないか?」

 

 

丙少将「その心をどれ程、提督であるお前に繋いで、今を生きているのか、もっと考えろ! 勘違いしたまま命を執るんじゃねえよ馬鹿野郎が!!」

 

 

赤城「……」

 


乙中将「まあ、丙さんここらでね?」

 

 

丙少将「っち。お前は俺をガキにしやがる。なんでお前を見ると価値観を押し付けたくなるんだろーな」

 

 

丙少将「やっぱりお前は相性が悪い以前に生理的に無理だわ」

 

 

提督「自分はあなたのこと嫌いではありませんけどね」

 

 

丙少将「……うぜえ」

 

 

ドガッ

 

 

提督「っ」

 

 

丙少将「……っち」クルッ

 

 

赤城「あの、大丈夫ですか?」

 

 

提督「赤城さん、自分は間違ってますか……?」

 

 

赤城「お言葉ですが、兵士として全部を投げ捨てて仕えるのなら中佐です。しかし、私個人としてお友達や恋人として付き合うなら丙少将です」

 

 

提督「……、……」ゴバッ

 

 

乙中将「まあ、子供みたいなケンカだから止めてあげたかったけど、丙さんの口から大和の件が出た時点で無理」


 

乙中将「青ちゃんが人生で背負うべき罪だから」

 

 

提督「……あの人の拳はいつもそうだ」

 

 

提督「体より心に響く……」

 

 

提督「あの人が家族や友達ならば、自分は、きっとまともになれたのでしょうね……」

 

 

赤城「被虐趣味がおありですか?」

 

 

乙中将「丙さん戻ってきたよ……」

 

 

提督「ほんと勘弁してください……」



3

 

 

甲大将「あー……」ムスッ

 

 

赤城「気分が優れないのですか?」

 

 

甲大将「分かんだろ。中枢棲姫勢力の現場で総指揮やってた私は元帥越えの板挟みだ。部下の躾がどうのこうの、中枢棲姫を逃した責任をどう取るだの、陸の奴等のサンドバッグだ」

 


甲大将「こういうのマジで苦手なんだよ。私は大将だがタイプとしては純粋な兵士なんだ。くっだらねえ謀に付き合ってられっかよ……」

 


甲大将「っち。よそ様の外交官は止めてくれ、との土下座に免じて元帥とその連れの防衛大臣を1発ずつ殴っといた」


 

提督「!?」

 

 

乙中将「青ちゃん今ので分かったよね。甲さんは怒らせてはダメだよ。わるさめちゃんと電ちゃんにマジな感じでいっておいてね」


 

赤城「甲大将はちょっと生まれも育ちも交友関係もぶっ飛んでいまして、ある意味で総理も頭が上がらない人といいますか……」


 

提督「自分のせいですよね。も、申し訳ありません」

 

 

甲大将「あ? お前が謝る必要はねえだろ。お前とチューキの会話はなにも悪くねえよ。むしろいいとこしかねえ」

 

 

甲大将「お前はお前の出来ることをやっただけだ。そんでお前の出来ないことを私がやってる。それでいいんだよ。あの時もそういっただろーが」

 

 

提督「……こ、これが甲の大将」

 

 

提督「かっこいいですね……」

 

 

赤城「ですよねー……甲さんは女性も惚れてしまう女性です」

 

 

甲大将「だけどよ、よくやった、とはいわねえぞ。私は疲れたんだ……」

 

 

乙中将「そして何気に可愛い1面もある」

 

 

甲大将「私は可愛いっていわれんの嫌いだからな。疲れてるからケンカなら気力回復のために買ってやるぞ」

 

 

乙中将「ごめんなさい」

 

 

甲大将「それと今回の軍法会議だが、特例ケースでさ、あってないようなもんだ。お前の処分は事前に決まってる。元帥から伝えるから教えられねえけど、裁判はお前と元帥、そして丙乙甲の将校で執り行う特殊形式だ」

 

 

提督「……、……?」

 

 

甲大将「その内容は映像も音声も録音されて、別部屋で色々なやつが聞いてる。陸軍の将校と対深海棲艦海軍の同盟国のドイツイタリアのやつとアメ公の野郎がいたっけな」

 

 

提督「なぜ米国だけアメ公……」

 

 

甲大将「あー? 嫌いだからだよ」

 

 

甲大将「来てるのはうちのサラの親父だ。サラが来た時に提督として親御さんに挨拶に行ったんだが、そん時に妙になつかれてさ、断っても断っても私に見合いばっか勧めてくる。うちの大井にもな。サラもそうだがどうもアメリカ人ってのは押し付けてくるな。自由の国を謳うだけはある」



甲大将「まあ、時間はあるからゆっくり休んでろよ。赤城はつけとくから、暇でも潰してろ」

 

 

乙中将「じゃ、僕はここらで」

 

 

甲大将「私と来い。将校同士だろ。まだ人が来るから色々と手伝え。お前がいるとぽ犬と同じく場が和むから堅苦しい場所では使えるんだよ」

 

 

乙中将「犬扱いかよ……」

 

 

甲大将「ワンワンうるせーな。早く来い。神通を私んとこに異動させっぞ」

 

 

乙中将「わん……」

 

 

甲大将「機械思考野郎、お前も発言内容を考えとけよ。陸にあがってナメたこといいやがったら阿武隈と卯月はもらうからな」

 

 

提督「ハ、リョーカイ、シマシタ」

 

 

赤城「どうします? あなたは見ての通り罪人らしく扱われてはおりませんから、別に敷地を歩いても構いませんよ。私の立場も考えてもらえればありがたいのですけど……ね?」

 

 

提督「……考えたいことがあるので用意していただいた部屋で大人しくしますね」

 

 

4

 

 

ぷらずま「●ワ●」

 

 

ぷらずま(全く、中枢棲姫勢力のせいか大本営は賑やかですね。海外文化を無駄に取り入れた広い敷地と構造でヘドが出るのです)

 

 

ぷらずま(さて、街に出てはいけないという禁忌を犯してまで来たのです)


 

ぷらずま(茶髪はセーフ、髪型も服装も代えて電には見えないはず、ですが、この小さな身体で大本営に忍び込むのは無理があります、ね。知り合いには会いたくないものですが……)

 


陸奥「なにをしているのかしら」

 

 

ぷらずま「ええと、今日はこの場所が賑やか、ですね。なにかあったのかな、って」

 

 

陸奥「やっぱり電ちゃんかー。街の女の子っぽいけど、あなたを知らない人じゃないと通じないと思うわ」

 

 

ぷらずま「……陸奥さん、大本営のこのお祭り騒ぎはなんなのです。信じられないのはもちろん、あり得ません」


 

ぷらずま「よそのお偉いブタもいますよね。敷地内で立食パーティーが開かれていて、笑顔の絶えないダボどものこの体たらくは目を疑います」

 

 

陸奥「中枢棲姫勢力の情報が出回ったのは先の決戦でなく、わるさめちゃん襲撃の時だからね。その時から今回のパーティーは予定されていたのよ」

 

 

陸奥「あなた達が鹿島さんやら明石君やらと交友している間、元帥さんと甲大将は本当に大変だったんだから」

 

 

ぷらずま「ならば今の状況は理解出来ているはずなのです。それなのに、このお花畑の空気……」

 

 

ぷらずま「大本営ですよ?」

 

 

ぷらずま「この愚かさを競うかのようなお祭り騒ぎはなんなのです。大本営では愚を祭典にしたワールドカップでも開催しているのです……?」

 


陸奥「把握してるわ。慌てふためくほど、皆さんはのんきに海を見ていたわけじゃないのよ?」

 

 

陸奥「暁の水平線が見えたってのはね、こういうことなのよ。近い内に通達されるかどうか、そこまで来てる」

 

 

ぷらずま「……では」

 

 

ぷらずま「『海の傷痕』を消し去る具体的な作戦があるということですね?」

 

 

ぷらずま「ないですよね。暁の水平線が見えただけで到達する手段があるわけでもない。文化への気遣いや上が混乱することによる人民への影響は分かりますが、どう見ても状況を正確に把握しておらず、ただの社交の場とした面構えがちらほらと伺えるのです」


 

ぷらずま「国の重役どもでしょう?」


 

ぷらずま「ダボが一人いるだけでどれだけの時間と税金が無駄になり、未来へ悪影響を及ぼすかお分かりなのです?」

 

 

陸奥「最近の駆逐艦は立派ね……」


 

ぷらずま「……駆逐艦、ですか。私の情報は確かに一部秘匿されていましたし、私は損得を考えて電の仮面をかぶってもいました。お前らの合同演習時の私の印象は」


 

ぷらずま「深海棲艦艤装を展開できる駆逐艦電」

 

 

ぷらずま「だから、敗けたのですよ。あくまで電として私を評価していた。長門は私の覚悟を見誤っていた。武蔵は私を電という被害者と見た。赤城は私を電であるかどうか確かめようとした。そんなことしているから、敗けたのです」

 

 

ぷらずま「まだ私を『第6駆の電ちゃん』と見ているのなら、お前はもう強さ以前の問題なので海から去ったほうがいいのです」

 

 

陸奥「うーん、まだ余裕で私のなかでは電ちゃんかなー」

 

 

ぷらずま「……」

 

 

陸奥「私からいわせてもらうと、あの時は電ちゃんより間宮さんに驚かされたわよ。砲弾や艦載機は馴れたものだけど、包丁は初体験だもの……」

 

 

陸奥「龍驤さんと瑞鳳ちゃんは元気かしら?」

 

 

ぷらずま「……中に入れてくれたら教えてやるのです」

 

 

陸奥「そんなに司令官さんが心配?」


 

ぷらずま「……」ムスッ

 

 

陸奥「かーわーいーいー」

 

 


 

 

 

 

――――ふむ、美味である。

 

 

 

 

 

 

ぷらずま「……、……?」

 

 

ぷらずま「……え」

 

 

ぷらずま「うそ……?」

 

 

ぷらずま(いや、他人の空似……か)

 

 

陸奥「……どうしたの」

 

 

ぷらずま「陸奥さん、私を改造した例の女司令官を知っていますか」

 

 

陸奥「うん。階級は大佐、だったかしら」

 


ぷらずま「なのです。容姿は20代後半の割には若く見えて少女染みていました。身長は160センチ程度、長髪で癖っ毛があり、ところどころくるっと髪が跳ねていましたね。そして今の私の司令官さんであるオープンザドア君と同じく生気は虚ろ気味で、目の下に常に隈がありました。声は透き通るように綺麗で耳に馴染みます」

 

 

陸奥「……?」

 


ぷらずま「空似……にしてもあまりにも似すぎています……」

 

 

ぷらずま「っち。不愉快な」ジャキン

 

 

陸奥「引っ込めなさい?」

 

 

ぷらずま「●ワ●」ジーッ

 

 

??「……」

 


 

 

 

 

 

 

――――私の、大事なお人形(電)さん。

 

 

――――お久し振りですね。

 


 

 

 

 

ぷらずま「ひっ」

  

 

陸奥「……、……」

 

 

陸奥「……ただ事じゃないわね」

 


陸奥「甲大将に連絡しておきます」



5

 

 

大淀「甲大将、確かにカメラに写っている人は、似てます、ね……」

 

 

甲大将「あの来訪者に、見覚えあるか?」

 

 

大淀「……いいえ。ですが、フランス人形を持っていますよね。悪戯にしても手が込んでて性質(タチ)が悪いです。あの例の提督には事後の調査で、部屋にある宝石箱にフランス人形を飾っていたとの証言があったかと」

 

 

甲大将「今からいうことをすぐに元帥に伝えてくれ。戦死で逃げたC級戦犯フレデリカに似すぎている女がいる。後、警備のもんには手を出させねえように」



甲大将「乙中将、こいつはどうだ」

 

 

乙中将「……うーん」

 

 

乙中将「電ちゃんとわるさめちゃんの感じに似てるな。それと、なんだろ。この古風で堅苦しいオーラ」

 


乙中将「……、……」

 

 

乙中将「丁准将みたいな?」

 

 

甲大将「……乙中将、私が行くからお前はここからあの女の動向を見張って居場所を伝えろ。杞憂も考慮してなるべく穏便に始めるからよ」


 

ガチャ

 

 

陸奥「電ちゃんを連れて来たわよ」

 

 

ぷらずま「……」

 

 

甲大将「ったく。無断で内陸に来んじゃねーよ。お前にはめちゃくちゃ融通利く王国を用意してお姫様やらしてやったのによ」

 

 

ぷらずま「……今の戦力は私を除いて艤装のない兵士だけですね?」

 

 

ぷらずま「私には拳銃砲があります。用途はいいませんが、解明されていない未知(トランス)現象なのでどこでも持ち込めます。あのフレデリカは陸での仕事のためにつけた玩具武装、とかいってましたね」

 

 

ぷらずま「杞憂ならいいのですが、私も付いていくのです」

 

 

乙中将「電ちゃん、大本営でドンパチは洒落になんないから穏便に頼むよ。今はどういう人が来ていてどういう時期かは説明するまでもないよね」

 

 

甲大将「絶対に私の指示を聞け」

 

 

甲大将「破ればお前の司令官の首を刎ねてまでもツケ払わせるぞ。私がこういう冗談をいわねーのは分かんな?」

 

 

ぷらずま「……了解なのです」

 

 

【3ワ●:海の傷痕:Reign of Terror】

 

 

1

 

 

フレデリカ「こんな人気のないところにお連れしていただいても、困るのです。人がいるところでないと、私がここに来訪した意味がないのですから」

 

 

フレデリカ「人違いではないかしら。ああ、なんてことでしょう。ああ、私があなた達になにをしたというのかしら」

 

 

甲大将「……」


 

フレデリカ「その女の靴でも履かせてみるのはどうなのです。私が灰かぶりではないのが、分かると思います」

 

 

ぷらずま「甲大将、私が間違えるはずがないのです。このトチ狂ったメルヘンな言い方も声も完全にアイツです」

 

 

ぷらずま「誰だ、ではありませんね」

 

 

ぷらずま「何者なのです?」

 

 

フレデリカ「……ですよね」

 

 

フレデリカ「時に深海妖精での違法改造では壊現象により、意識がなくなります。向こう側に逝く、という表現でしょうか。ロスト空間、ですね」

 

 

甲大将「へえ。電、いいぞ」

 


ぷらずま「トランス」ジャキン

 

 

海の傷痕【Trance】

 

 

ドン

 

 

ぷらずま「~~ッ!」 

 

 

ぷらずま「砲撃が、見えない……?」

 

 

甲大将「おいおい勘弁しろよ」

 

 

甲大将「こっちの最高戦力だぞ」

 

 

海の傷痕【●∀●】


 

ぷらずま・甲大将「……」

 

 

海の傷痕【当局がなにをしたか分からないのなら、いや、分かっているのなら尚更抵抗は止めておくのである】

 


海の傷痕【電:バグは感知しづらく、視界に捉えるほどの距離でなければ想の探知が困難なのである】

 

 

海の傷痕【トランス:ロスト現象で消失している艤装は探知すら不可能であるが、出した瞬間、この至近距離ならば、ほんの僅かに想は探知できる】

 

 

海の傷痕【当局の装備:経過程想砲について御教授しよう】

 

 

海の傷痕【トランス現象を利用した想の砲撃である。もっといえば五感でも装備でも感知不可能なロスト&アライズ現象を利用した砲撃である。想に質量を持たせる根源能力を駆使した物理的攻撃だ。想の探知システムにより、艤装の想に当局の想を繋ぐ現象を利用し、繋いだ刹那に想に質量を持たせて物理的なダメージを付与する攻撃である】

 

 

甲大将「……必中か」

 

 

ぷらずま「お前が――――」

 

 

 

ぷらずま「海の傷痕か!!」

 

 


ぷらずま「オールトランス!!!」

 

 

海の傷痕【ふむ、あくまで電だな。だから貴女は重課金止まりなのだ。特に艤装と一体化している貴女のような違法者に効果的であるということだぞ?】

 

 

海の傷痕【当局は海の傷痕である】

 

 

……………

 

……………

 

……………

 

 

海の傷痕【さて甲の大将よ、この大破した最高戦力、電:バグの様と当局が無傷である事実を考えて、どうあがいても当局には勝てないとはお分かり頂けたはずである】

 

 

甲大将「……招かれざる客がわざわざのこのこと、どの面を下げてなにしに来た」

 

 

海の傷痕【全く当局はメンテナンスの時刻ではないのに、メンテナンス予定対象と出くわすとは。生憎と当局は仕事に関しては機械的かつ効率的なものでな】

 

 

海の傷痕【甲の大将】

 

 

海の傷痕【元帥、丙少将、乙中将、中佐を召集するといい。貴女も、だ。特例軍法会議を執り行う場所にだ。裁判は当局が執り行う】

 

 

海の傷痕【被告人は今を生きる人類】

 

 

海の傷痕【当局は最優秀賞の廃課金者に愛を叫びに来たのである】

 

 

海の傷痕【当局がこのゲームの進行を阻害する人間の都合を一掃して差し上げよう。貴女方が海しか見えないように当局が不純物を蒸留させてやるのである】

 

 

甲大将(私個人で対処できる範囲を越えてるが、言葉の通りならややこしい話は一気に片付くか……?)

 

 

海の傷痕【なに、酔える肴ならば酒も看板も用意する必要はないのである】

 

 

海の傷痕【此度は貴方達の】


 

海の傷痕【『メンテナンス』に来たのだ】

 

 

【4ワ●:海の傷痕:想題丙少将】



海の傷痕【●∀●:対深海棲艦日本海軍の皆様、おはようございます:当局は海の傷痕である】

 

 

海の傷痕【元帥:丙少将:乙中将:甲大将:青山中佐の5名のプレイヤーに次ぐ。君達が人類代表である】

 

 

海の傷痕【さて当局が海の傷痕であるという存在証明と君達への褒美を込めて『設定資料集』を紐解こうと思う】

 

 

海の傷痕【1度ずつだ。最優秀の青山中佐には2度の質問を赦そう】

 

 

海の傷痕【だがその前に、まず元帥の評価を申し上げておきたい】

 

 

元帥「……」

 

 

海の傷痕【元帥よ、当局はその位につくまでは貴方のことを愛していたのだ。50の齢を過ぎてもまるで猛々しい雄牛であり、若人らしく生きる力に溢れていた】


 

海の傷痕【しかし、貴方はもう兵士を通してしか当局を観てくれてはおらぬ。若き命を慈しむようになり、後世のために恥を忍ばず、笑おうとするようになった】

 


海の傷痕【『立派な年寄り』に過ぎん。それでも当局が褒美をくれてやる、というのは図々しい話だな】

 

 

海の傷痕【きっと貴方の望みは叶えられているであろうよ。それがこの対話で証明される。貴方の若き日のような泣き顔を拝んでみたいものだ】

 

 

海の傷痕【さて、中課金の丙少将から質疑応答に往こうか。なにか当局に聞きたいことはあるか?】

 

 

丙少将「……、……」

 

 

海の傷痕【なに、このやり取りに今後の全てがかかっているという気持ちは理解可だが、難儀に思考する必要はない。貴方達には当局が個々に応答する質疑の範囲を定めており、当局は答えられない場合は『応えられません』と返答をする】

 

 

海の傷痕【各国の者共よ、周りのダボがこの者達の質問が適切ではない、と批難しないように上手くやりたまえよ。安い挑発だが、経済圏において弱小国になりたくなければ】

 

 

丙少将「『この戦争の全てを』」

 

 

海の傷痕【『応えられません』】

 

 

丙少将「『あなたの正体の全てを』」

 

 

海の傷痕【『応えられません』】

 

 

丙少将「『妖精についての全てを』」

 

 

海の傷痕【『応えられません』】

 

 

丙少将「『深海棲艦の全てを』」

 

 

海の傷痕【『応答可能だが、当局と妖精の正体に繋がる部分は適当になる。よろしいか?』】

 

 

丙少将「問題はない」

 

 

海の傷痕【ならば『想題丙少将:深海棲艦』だ】

 

 

海の傷痕【丙の将よ、貴方は実によい指揮官だ。誇るといい。貴方は将校の中で最も優れている能力がある。殉職者を出さないその指揮はそのまま未来を創る力だ。一部では腰抜けと罵られているようだが、当局としては最もこの戦いにおいて適切な指示系統であると、ここに進言しておこう】

 

 

丙少将「……」

 

 

海の傷痕【深海棲艦海とは艤装をベースに人間の肉を纏わせた生命体である。そして基本的にその身体は当局がシステムとして組み込んだ武装でしか破壊できないように設定してある】

 

 

海の傷痕【ここらは貴方達にとって子供でも知っている事実であるが、最初期には深海棲艦は人類に攻撃的だった】

 


海の傷痕【それは『最初期には当局が必要とした:とある材料:が足りず、人類に対して攻撃的にならざるを得ない深海棲艦しか製造できなかったから』である】

 

 

海の傷痕【艤装と人間が必要。ここらを思考すればすぐに見えてくるであろうよ】

 

 

海の傷痕【……ん?】

 

 

海の傷痕【これはもう龍驤が見破っている、のか? おっと、失礼。当局の個性が出てしまったな】

 

 

海の傷痕【今となっては深海棲艦と人類は勝敗のつかないバランスとなっているが、厳密にいえば深海棲艦においては勝てるようになっている。深海棲艦に対しての本能は貴方達が解き明かしているので、割愛しよう。当局が知る限りは全て正解だ。あれは単純な生物である】

 

 

海の傷痕【無論、中枢棲姫勢力は除く】



海の傷痕【深海棲艦の数と装備についてだが、これは当局が組み込んだシステム以外の攻撃を受け付けない。そこの技術を応用して、『単純で知能が低く回避も攻撃も精度が低いゆえ、戦争を持続させるために、設定した加減』に帰属する」

 

 

海の傷痕【もちろん深海棲艦の基本性能も装備も、弾薬、燃料といったモノも自動で生成できるのも匙加減だ。ここの種はまだ見抜かれてはいないが、予想は出来てはいるであろう】

 

 

海の傷痕【お前らの頭は優秀なので、落とし所には苦労した】

 

 

海の傷痕【以上である】

 

 

丙少将「……、……」

 

 

海の傷痕【さて、乙の中将】

 

 

【5ワ●:海の傷痕:想題乙中将】

 

 

乙中将「『阿武隈艦隊のキスカ戦についての全てを』」



海の傷痕【『応えられません』】



乙中将「『フレデリカ大佐と水上機母艦瑞穂:バグについての全貌を』」

 

 

海の傷痕【……『応答可能』だ】

 

 

海の傷痕【全く、貴方は本当に嗅覚がいいな。貴方に応答できる範囲内で最も真実に迫る部分を突いてくる】

 

 

海の傷痕【誇るといい。貴方は当局が最も相手にしたくない指揮官である】

 

 

海の傷痕【貴方は生まれをあまり好んではいないようだが、環境に感謝するべきであるな。果実が大樹から大地に注ぐように、だ】

 

 

海の傷痕【さて『フレデリカ大佐と瑞穂:バグ』の応答を始めよう】

 

 

海の傷痕【フレデリカ大佐はアカデミーの成績からしてかなり優遇された人材ではあったな】

 

 

海の傷痕【ご存じ【壊:バグ】を産み出した歴史初の人物である。闇に葬られるべき戦犯ではあるが、当局の目から見て頭脳自体は『最上位の天才』だ。そうだな、こういえば伝わりやすいか】

 

 

海の傷痕【道を踏み外さず、恩師となり得る者に恵まれてさえいれば、丁丙乙甲の上】

 

 

海の傷痕【『次世代の史元帥』となり得た逸材である】

 


海の傷痕【8年前だ。当局の設定した深海妖精を彼女に発見された】

 

 

海の傷痕【乙中将】

 


海の傷痕【謝罪をしておく。あの女の裏の顔はあらゆる艤装からも情報が読み取れず、当局の憶測がかなり混じってくる】

 

 

海の傷痕【彼女の場合は妖精の輪廻システムを見抜き、実験に明け暮れ、深海妖精を陸地に誘った】

 

 

海の傷痕【最優秀とならずなのは、当局が存在を察知した時すでに死の運命に囚われていたからである】

 

 

海の傷痕【7年ほど前か。瑞穂:バグを造り出し、その瑞穂を実験によって殺害してしまったこと。そして交友の深かった丁准将にその支援を頼んだ時、死は芽吹き】

 

 

海の傷痕【春雨:バグを造った時、それが色濃くなり、電:バグを造り出した時、高確率になり】


 

海の傷痕【……】

 

 

海の傷痕【当局が春雨と電を排除しに現海界したキスカで、当局が撤退に追い込まれた時、ほぼ確定した】

 

 

海の傷痕【壊:バグの『殲滅:メンテナンス』が順調に行われていたのならば、証拠は消えていて、今でも生き永らえていただろうよ】

 

 

海の傷痕【全く……これでは当局がバグを放置しておいたいわゆる『クソ運営』ではないか。あの女は良いプレイヤーではあったが、個人的には好かないのである】

 

 

海の傷痕【キスカでの阿武隈艦隊の奇跡、だな。素晴らしい。阿武隈艤装には確かにキスカ海域においては史実効果を発揮するようにしてある。あのフレデリカはそこを見落とし、いや、見誤っていたと思われる】

 


海の傷痕【ふむ、全ての兵士のなかで、阿武隈こそが最も『働いた』といっても過言ではないな】

 

 

海の傷痕【フレデリカ大佐の頭は間違いなく良いのだが、人形しか愛せないほどに臆病過ぎるようだ。当局が出現した時、気が触れるほど発狂したであろう】

 

 

海の傷痕【その時のことはよく分からないが、察したはずだ。そこに寝ている電が目覚めた時に聞いてみるといい。知ってはいそうだ。当局の推理では恐らく阿武隈艦隊を見捨てて、取り付かれたかのようにペンを走らせたのではないだろうか?】

 

 

海の傷痕【その後の鹿島艦隊の悲劇の『してやられた』で彼女の感情はいよいよとうとう理性を越えてしまった、と思われる】

 

 

海の傷痕【そもそもフレデリカ大佐がなぜ死の運命に囚われたかというと、貴方達、人間の都合ではあるな。この非道な実験は人道において許されることではない狂気であったからだ】

 

 

海の傷痕【水上機母艦瑞穂:バグについてだ】



海の傷痕【被験者No1:瑞穂は実験によって自壊し、丁准将の鎮守府へと移送された】



海の傷痕【感知が大部遅れた。そして対処に戸惑い、メンテナンス時刻の設定も遅くなってしまったのである】



海の傷痕【当局が殲滅:メンテナンスした時にな、当局の存在をそこから辿られないように丁准将の鎮守府を徹底的に破壊した】



乙中将「1/5作戦にあなたが関係していたと?」



海の傷痕【そうなるな。丙少将、あまり睨まないでくれ。話が拗れてしまうであろう。今この時、当局の機嫌を損なうのはよろしくないと思うのである】



海の傷痕【深海妖精でどうこうできる範囲を越えていたな。深海棲艦艤装7の投与は解体不可能、そして8は人として崩壊する。自壊と再生を繰り返す、もはや汚物に等しい存在だった】



海の傷痕【丁准将はその瑞穂でなにかしていたようだな。フレデリカと似たような実験であったと思われる】



海の傷痕【……その瑞穂は中枢棲姫勢力バグの調査のため、当局が直接的に手を下し、中枢棲姫勢力に対する想を蓄積できる深海棲艦として送りつけた。瑞穂の艤装に人の肉をまとわせ、当局自らが建造した】

 


海の傷痕【故にあのスイキは色々と思い出しているみたいだな】



海の傷痕【中枢棲姫勢力幹部の水母棲姫ことスイキがそれだ。彼女が瑞穂:バグである】



海の傷痕【以上である】

 

 

乙中将「……、……」

 

 

海の傷痕【さて、甲大将の番だ】



【6ワ●:海の傷痕:想題甲大将】

 

 

甲大将「『海の傷痕を消し去る方法』」

 

 

海の傷痕【『応えられません」】

 

 

甲大将「……『海の傷痕を倒す方法』」

 

 

海の傷痕【『応答可能です』】

 

 

甲大将「……ほう」


 

海の傷痕【甲大将、貴女は人間の誇りだ。貴女の誇り高き生き様は多くの人間を魅了する。笑ってしまうよな】

 

 

海の傷痕【貴女は元帥のもとで下積みし、与えられたのは『木曾・北上・大井』の3人だ。この3人は欠陥品であった。特に木曾はなにもかも下手くそで木曾艤装適性者においては歴代ワースト1だ】

 

 

海の傷痕【柴又でほぼ拉致に等しく連れてきた『素行不良少女:現江風』に感謝するがいい。彼女のお陰で貴女は4名を揃え、合同演習に参加し、結果を出せたのだから】

 

 

海の傷痕【そして今の位だが、あなたの背中を見て兵士が導かれたからこそである。艦隊そのものが貴女の生き様の写し鏡、一心同体である。艦隊の完成形といっても過言ではなく、その強さは語るまでもなかろうよ】

 

 

海の傷痕【その甲の勲章、歴史に翳すといい】

 

 

海の傷痕【『それでは海の傷痕を倒す方法』について語ろう】

 

 

海の傷痕【現海界:この世に姿を表した当局は物理的な手段で排除は可能である。もちろんシステムの範囲内、艤装による攻撃で、だ。深海棲艦を倒すように当局を攻めればいいのである】

 

 

海の傷痕【ただここらの辺りは完全に説明するのは躊躇われてな、当局の装備については『経過程想砲』については語ったな。これは2スロットの装備である】

 

 

海の傷痕【『2を除いた1~5の数字から2つ』を選択するといい。その装備について語ろう】

 

 

甲大将「そうだな……乙中将に選ばせても構わねーか?」


 

乙中将「ええー……」

 

 

海の傷痕【許可しよう。それでは乙中将、スロット番号を答えるといい。なに、どれを選んでもプラスだ】


 

乙中将「5と3」

 

 

海の傷痕【ほんと勘弁してくだちゃい♪】

 

 

海の傷痕【おっと、申し訳ない。乙中将、貴方はマジでいい加減にして欲しいのである。その組み合わせ番号は貴方達にとっての大当たりだぞ】

 

 

海の傷痕【では5スロットから語ろう】

 

 

海の傷痕【『海色の想』】


 

海の傷痕【当局の能力により、物理的に原動力として必要な素材を自動で産み出す力である。ああ、海に限定される】

 

 

海の傷痕【艦娘状態として現海界した当局の燃料、弾薬、鋼鉄、ボーキといったものを自動生成する。これは深海棲艦に付与される機能でもあるな】

 

 

海の傷痕【深海棲艦には間接的に供給している故に深海棲艦はやや生成速度が遅く個体差も顕著だが、管理運営している当局が使えば生成効率が段違いのため、瞬間永続補給といっても過言ではなく、一言でいうならば】

 

 

海の傷痕【『海を無限定に造り出す創造能力』である】


 

海の傷痕【それではスロット3だ】

 

 

海の傷痕【妖精工作施設】

 

 

海の傷痕【全ての妖精の能力を駆使できる【殲滅:メンテナンス】用装備である】

 


海の傷痕【建造により、艤装を生み出し、海色の想と併用し、深海棲艦を建造することもできる。キスカではこの能力を使った。肉の調達は、あの場に……いわぬが花かな。瑞穂をメンテナンスするまでは、まだ今の状態のメンテナンスになるシステムを組んではいなかった】

 

 

海の傷痕【もちろん女神妖精常駐である。何度でも海の傷痕ちゃんは復活するもん♪】


 

甲大将「……」

 


海の傷痕【ふむ、甲へ期待する者は多いよな。いつだって貴女は後人に対して未知の海へと駆り出され、攻略方法を求められる。甲の誇りを維持するために必要なのは勇気と知力だ】

 

 

海の傷痕【さて元帥】


 

【7ワ●:海の傷痕:想題元帥】

 

 

海の傷痕【貴方への批評は始めにした通りであるが、1つつけ加えよう】

 

 

海の傷痕【よくぞ育て上げたな。今の将校は傑物揃いである。貴女達の想は艤装を介した間接的なものであり、ゆえにこうして会話をしたかった】

 

 

元帥「わしは好き勝手にやってる。将はわしが決めたことではないよ」

 

 

海の傷痕【君は人を育てるのが上手い】

 

 

元帥「わしは特別なにかをした記憶はない」

 

 

丙・乙・甲「全くだ」

 

 

海の傷痕【嘲嘲嘲(ケラケラケラ)!!】

 

 

海の傷痕【心から笑ったのは久し振りだ。詫びをいわなけらばならんな。これはこれは大変失礼致しました】

 

 

海の傷痕【さあ、元帥よ】

 

 

海の傷痕【なにを知りたい】

 

 

元帥「『海の傷痕の正体』だ」

 


海の傷痕【応答可能である】

 

 

丙乙甲「……!」

 

 

ぷらずま「……く、」ムクリ

 

 

海の傷痕【おはようございます】

 

 

ぷらずま「……ここ、は」

 

 

甲大将「電、静かにしてろ」

 

 

海の傷痕【話を進めれば黙るであろうよ。感情的だが、知能的には馬鹿ではない。間抜け、まあ、言い方を変えれば可愛い気があるだけである】

 

 

ぷらずま「テメーは……なに、を」

 

 

海の傷痕【貴女は散々、敗北者を罵ってきたくせに、自分が敗北したという事実をお忘れか。負ければ死あるのみ、自分以外に対してのみか?】

 

 

ぷらずま「……違います。分かりました。この場で死に、」

 

 

海の傷痕【まあ、待て。冥土の手土産に『海の傷痕の正体』を持って逝け】

 

 

海の傷痕【世界に発信しておくべき罪状の情報である】

 

 

海の傷痕【正体は【終わらない夢:あの日の戦争終結のIF】である】


 

元帥「っ……」

 

 

海の傷痕【おっと、申し訳ないな。これではこの戦争のツケを払うのがこの国家になりかねない発言だった。しかしそれはそれで生産的ではあるよ】

 

 

海の傷痕【最もこれは当局の個性が日本式であるだけで、19世紀に死んだ人間全て、が厳密ではある】

 

 

海の傷痕【『敗戦したという事実』と『終結(勝ちたい、負けたくない』等々の想がせめぎあい、【想の世界:戦争ゲーム:艦隊これくしょん】を構築運営管理を始めた製作者(神)を語る人間の想であるだけだ】

 

 

海の傷痕【ちなみに『艦隊これくしょん』という名は人間に感謝を込めてある故だ。造り出した軍艦の艤装適性者を見つけて集めることは当局には間接的にしか出来ない芸当であり、どうしても貴方達の協力が必要不可欠であるからだ】

 

 

海の傷痕【さて、話を戻そう。この戦争ゲームは『勝敗のつきにくい絶妙なバランス』として手を加えざるを得なくなったのだ】

 

 

海の傷痕【初期に分身存在の妖精を生みだし、艤装を作り、深海棲艦を意図して大量製作し、バランスの下地を作製した理由である】


 

海の傷痕【また『19世紀は総合的に争いの終結に繋がる想いが一際強い』ため、『最終的にこの戦争は終結可』に調整せざるを得なかったのである】


 

海の傷痕【当局はそういう生命体である。分かり易く例えるのなら、当局の『戦争ゲーム:艦隊これくしょん』の運営管理は君達の本能と同じく『喰う寝る抱く』の生きる行為そのものであるといっていい】

 

 

海の傷痕【最も運営管理は機械的だ。これは決して効率的の意味ではなく、定められた時間に仕事をするということ。君達の喰う寝る抱く、は決して決まった時間に行われる行動ではないであろう。故に当局は機械的だが、気分が割り込む余地があるのだ。そこが当局の個性を造り出す根源である。あくまで根源、だぞ?】

 


海の傷痕【こうやってお喋りしていることも、な。本来ならば製作者がペラペラと内容を語るのは残念至極ではあるよ。当局はその全てをこの戦争に詰め込んであるのだから】

 

 

海の傷痕【しかしだな、製作者がそのゲームをプレイしてはダメという道理はあるまいよ。そこに関しては当局は大変、楽しませてもらっている。うむ】

 

 

海の傷痕【故にアップデートを待って欲しいものだ。当局、がんばるぞい♪】

 

 

海の傷痕【さて、電:バグ。いや】

 


海の傷痕【『ぷらずまさん』】

 

 

海の傷痕【暁艤装に強く刻まれたお陰で知り得た想ではあるが、合同演習時には実に面白い発言をしたな】

 

 

海の傷痕【『戦争を終わらせるというのは深海棲艦を滅ぼすという意味ではないのです』】

 

 

海の傷痕【『この戦争は、終わるのです。そして痛みを知るのでしょう。そして時が優しく癒すのでしょう。そして、痛みに鈍くなるのでしょう。そして、痛みを忘れるのでしょう。そして、戦争はまた繰り返されるのでしょう』】

 

 

海の傷痕【『戦争に英雄がいてはならない。殺し合いに美談があってはならない。そのくらいしないと分かんないのです。馬鹿ばっかだから。だからこの戦争は司令官さんのような歓迎されない人間が仕切るべきなのです。この戦争がもたらした美しさはあってはならない』】

 

 

海の傷痕【『ましてや仲間同士のキズナなど、最たるものなのです見渡す限りの傷痕野原にし、誰がどんな命が見ても何の利益も見出だせず、欠片の綺麗もなく、再び武器を取ることを躊躇うほどの最悪の烙印を刻まなければ、ならないのです』】

 

 

海の傷痕【『必要ならば、兵士は全て戦場で使い捨てる。必要ならば民衆さえも。必要ならばここにいる全てをも。殺し合いに、安全な場所など作らせません。逃げ場は、ない』】

 

 

海の傷痕【『そして、必ず勝つ。この星全ての人類が、私の支援施設に収用されてしまうかのような最悪な終わり方が最良です』】



海の傷痕【意気込みは買うが、それだけだな。まるでクソガキの思い描いた理想論に過ぎないのである。貴女の『らしさ』が出た個性的な発言だ】

 


海の傷痕【今でもそう思ってはいるか?】

 

 

ぷらずま「……ええ」

 

 

海の傷痕【もしもそれが出来たら傑作である。もちろん笑える、という意味だ。空想としてはまあ、いい。現実にやったとしたら草も生えん】

 


海の傷痕【だが、そうだな】

 


海の傷痕【貴女は『愚かで優しい』からそんなことが言えたのだ。その言葉は文字のままでなく、その裏にある貴女の心の叫びなのだから】

 

 

海の傷痕【そして『貴女の司令官さん』もだ。既に当局の存在意義を見抜いても可笑しくはないほどに、優しい】

 

 

海の傷痕【このゲームに最も必要なのは思考なのだよ。真実探求への道を模索する思考こそが至高の艤装である】

 

 

海の傷痕【そこにステータス全振の青山中佐は、当局にとって最も期待するプレイヤーである】

 

 

海の傷痕【フライング気味だが、青山中佐は当局が甲大将の『海の傷痕を消し去る方法』について『応えられません』と返答した理由が解るな?】

 

 

海の傷痕【申してみよ】

 

 

海の傷痕【このゲームのクリア特典は貴方の口から世界に報告されるべきである】

 

 

提督「『ロスト&アライズ現象』を総括して『トランス現象』です。『海の傷痕は人間をmotherとしてトランス現象により産まれた無意識的集合体存在』であると思われます」



提督「海の傷痕を打倒しても、発生原因は人間(mother)の想によるもの。ゆえに『海の傷痕の存在発生原因は人の想に質量が与えられた未知の生命体』であると推測」

 

 

提督「海の傷痕を倒しても此度の戦争は終わるだけであり、第2の海の傷痕が誕生してしまう恐れがある。第1の海の傷痕を倒しても第2の海の傷痕が新たな戦争が、という風に阻止には至らない。ここらが消え去るを応えず、倒す方法を応答した理由だと思います」

 

 

提督「『再出現の阻止』は海の傷痕を倒すだけでは達成されず、想を生む源である人間自体に革命を起こす必要があり、『再出現阻止はもはや不可能』といっても差し支えません」

 

 

提督「この事実こそが海の傷痕の余裕の態度。『個性としては死にたくないから勝ちたい。しかし当局の存在意義としては負けてもいい』と表に姿を現してへらへらしていられる自信の根拠です」

 

 

海の傷痕【……、……】

 

 

提督「しかし、海の傷痕の正体からして見方を変えれば『人類が戦争を起こせば、人類が意図しない巨大な戦争が誘発されてしまう恐れがある』ということ」



提督「であるから、『その事実にたどり着くことこそが人類にとっての懺悔であり、世界政治が変革されていかざるを得ない戦争抑止に繋がる理由』となり得るため」

 

 

提督「ゆえに『この戦争ゲームにおいた真の意味でトゥルーエンドを迎えるために最も必要なのは真実探究の思考能力である』と海の傷痕は答えたのかと」


 

提督「違いますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海の傷痕【●∀●】

 

 

海の傷痕【正解だ。素晴らしい】

 

 

元帥「……、……」

 

 

丙少将「なんだそれは。戦争が平和を養うとでも、いうのか……?」

 

 

海の傷痕【丙少将、本来は養わん。しかし、だからこそ、この戦争はゲームといえるな。きっとこの『艦隊これくしょん』で当局を知って、戦争と平和に対して言葉を持つ子も増えたろうて】

 

 

海の傷痕【人類には圧巻の事実であろう。海を失ったのは君達のせいである。これから先どうしていくのかは知らないが、今を生きる人間の可能性次第だ。まあ、人間が人間である限り】

 

 

海の傷痕【繰り返すだろうがな、嘲嘲(ケラケラ)】

 

 

海の傷痕【中佐、いや、皆の者に。この中佐の才能は乙中将と近いもので、『見当をつけるのが上手い』だ】

 

 

海の傷痕【人は歴史により、超能力を身に付ける。感覚、だ。それを磨けば今の科学的な域を越えた可能性の誕生となる】

 

 

海の傷痕【勘が鋭い。嗅覚がある。これの最上位はもはや推し測ることのできないシックスセンスである。たまにギャンブルで異様に勝ち続ける輩があの類だ。運では納得行かない時はないかな。見当をつけるのが上手いのもこれの派生といってもいい】

 

 

海の傷痕【さあ、青山中佐】

 

 

提督「それでは自分の質問、いえ」

 

 

提督「『お願い』を」

 

 

海の傷痕【ふむ、どんな願いであるか?】


 

提督「質問が一つ。『ここまでで間違っていることはあるか』と聞いた時、その答えを」



提督「自分が『違いますか』と聞いた時に『違うか、違わないか』で応答して欲しい」

 

 

海の傷痕【よく知っているとはいい難いが、貴方らしい、のかな。宜しい】

 

 

提督「ぷらずまさん、自分の隣に来てもらってもよろしいですか?」

 

 

ぷらずま「なぜ、なのです」

 

 

提督「少し、怖いからです」

 


ぷらずま「……?」

 

 

ぷらずま「分かり、ました」

 

 

コツコツ

 

 

提督「左手を失礼」

 

 

 

――――――――ぎゅっ。

 

 

ぷらずま「え、手を握って……」

 

 

ぷらずま「なん、なのです。らしく、ない……」

 

 

提督「今までよくガンバってくれましたね。自分が着任した時からあの鎮守府(仮)になりましたが、あれはきっと貴女と利用し利用されるだけの形でしかなく、まだ始まってもいなかった。自分は貴女が求めていたことを知らなかったんだから」

 

 

提督「ここから始めましょう」

 


提督「間に合ってよかった。今日から鎮守府(闇)が、本当の意味で始まります」

 

 

提督「……照れるものですね」

 


提督「今からいうのは自分人生初の『愛の言葉』です。恋愛とも家族愛でも友愛でもなく、単なる『深愛』に該当するかと思います」

 

 

丙・乙「!?」



提督「丙少将、乙中将、甲大将、元帥、もしも最終作戦名が決定していないとしたら、この名前はいかがでしょうか」

 

 

提督「『あの素晴らしい天使(電)をもう一度』」

 

 

海の傷痕【……、……?】

 


ぷらずま「きもいのです死んで欲しいのです!」

 

 

ぷらずま「というか!」

 

 

ぷらずま「待って! 欲しいのです!」

 

 

提督「はい? ではシンプルに『鎮守府(闇):天使(電)奪還作戦』とか」

 

 

ぷらずま「作戦名にタイムかけているわけじゃねーのです! こいつ分かっていっていて腹立つのです!」

 


ぷらずま「なにを始める気なのですか!!」



提督「……」



海の傷痕【中佐】

 

 

海の傷痕【お前は薄気味悪く、気持ちが悪く、得体が知れん】

 

 

海の傷痕【だが、なんとなく分かる気もする。少し電が妬けるな】

 

 

提督「『想題:ぷらずまさんは解体可能か否か』」

 

 

ぷらずま「……、……?」

 

 

提督「海の傷痕、あなたは」

 


海の傷痕【当局はNoである】



提督「自分はYes」 

 

 

提督「不和が生じた。ならば帳尻を合わせなければ。神のその言葉、戦で争めて平を和えます」

 

 

海の傷痕【ほう。照れて、しまうな】



海の傷痕【酸いも甘いも噛み分けた当局を、是非とも魂消(たまげ)させてくれよ】

 

 

提督「ええ、本気の怒りによって全てが引きずり出された。今の自分は心によって希望を論じます。それが正解だった時」



提督「自分は忘れてしまったモノを取り戻すことが出来るでしょう」



提督「ここで自分はこの子の提督になり、この子に大人の大きな背中を見せるんだ」



海の傷痕【宜しい。貴方と当局、どちらがこの戦争に通暁しているか、神が此度に挑まれた舌戦にて推し量ってやるのである】

 

 

海の傷痕【皆の衆、刮目せよ】



海の傷痕【『暁の水平線到達最終作戦名:欠陥品どものfanfare』】

 

 




海の傷痕【先陣を切るのは提督である】



海の傷痕【かかってきたまえ】



【8ワ●:削ぎ落としたネジを探す旅:修】

 

 

ぷらずま「おい」

 

 

提督「被験者NO1の瑞穂の謎は、乙中将との応答で解けました」

 

 

ぷらずま「おいって!」

 

 

提督「話を聞いている限り海の傷痕は【壊:バグ】の探知が困難であり、直接、海の傷痕が接触して『殲滅:メンテナンス』を行う」

 

 

ぷらずま「その理論が外れていた場合、どれだけ私にとって残酷な内容になるか司令官さんなら分かるはずなのです!」

 

 

ぷらずま「私はあなたを信用しているのですよ!? 戦争終結における話は全て聞いてきましたし、協力もしてきました!」

 

 

ぷらずま「でも」

 

 

ぷらずま「でも! そこは越えてはいけないラインだと理屈で分かるはずです! あなたの自己満足で私の決死の覚悟を玩ぶのなら……!」

 

 

ぷらずま「絶対に許さない!」

 

 

ぷらずま「契約を破棄します!」

 

 

提督「どうぞ。どうせ自分はこの場に死を覚悟して来たので構いません。それでもこの場しかないんだ」

 

 

提督「だから、今がその時」

 

 

提督「そして海の傷痕は機械的かつ効率的、今の情報を分析すると」

 

 

提督「1度、現海界をすれば新たなシステムを組み込めず、搭載しているシステムの機能に限定される。そして目的を達成するか、キスカでの時のように異常事態による撤退か、我々に滅ぼされる以外に海へ還ることはない」

 

 

提督「そして『殲滅:メンテナンス』は瑞穂の調査を参考にしたプログラムを組み込み、そのシステムを『妖精工作施設』に搭載してある」

 

 

提督「ここまでで間違いはあるか?」

 

 

海の傷痕【……、……】



海の傷痕【ない。それが機械的な部分といってもいい。しかし、驚いたな。どこから現海界した当局が新たな機能を後付けできないと分かった?】

 

 

提督「キスカ戦では女神妖精の力があったのかなかったのかは知りませんが、あなたは撤退したんだ。自分は中枢棲姫勢力の知能覚醒はキスカ戦が関係していると見ている。だから少なくともそのなにかの異常の修復をするためにまず姿を消す必要があった。そうしてからでしか新たなシステムを構築できない、との読みです」



海の傷痕【なるほど。結果としては正解だ。当局の現海界はあらゆる限定が付きまとう】



提督「どうやって瑞穂を『殲滅:メンテナンス』したのか」

 

 

提督「『瑞穂が深海棲艦』になった。ここが海の傷痕の効率的なところだ」

 

 

提督「あなたは想の塊であり、その運営管理の役割に機械的なまでに純粋無垢に果たそうとする運営管理の妖精です」

 

 

海の傷痕【異議あり、である。御都合主義の希望的観測、耳が腐るではないか。らしくない疑問が生じるぞ】

 

 

提督「その通り。これは希望的観測だ。だから、怖いんだ。彼女の手を握るほどに、前に進むのが怖いんです」



提督「あなたのいった『見当をつけるのが上手い自分が、その武器を持って、海の傷痕と戦っている』のです」



海の傷痕【……失礼。続けよう】



海の傷痕【電艤装の代わりは比較的、多いと分かるはずだ。電の適性者は比較的、レアではない。その電は時期的の偶然が重なり、海に導かれただけだ】

 

 

海の傷痕【その電を殺してもやがて新たな電が現れるのである】

 

 

海の傷痕【機械的なまでに役割に忠実な妖精といったな。ならば、殺す、という手段こそが最も効率的かつ機械的であり、そこに行き着くはずである】

 

 

海の傷痕【それが正解でもある】

 

 

海の傷痕【そもそもの矛盾があるぞ】

 

 

海の傷痕【当局が阿武隈艦隊の4名を消したのは分かってはいるか? つまり余裕で殺せるのだぞ?】

 

 

海の傷痕【そうでなければ、当局はのこのこ出向いた棒立ちの的、訓練生の授業の材ではないか】

 

 

提督「ではなぜあなたは阿武隈さんと卯月さんを見逃したのか」

 

 

提督「まさか【壊:バグ】でもないお二人に気付いていなかったとはいうまい」

 

 

提督「あの時は攻撃する必要がなかったか、出来なかった。4名の決死の抵抗による被弾により、撤退することになった。二人はキスカ島に身を隠していて目撃もされていないため、殺す必要がなかった。だから直接的、間接的問わずに攻撃しなかった」

 

 

提督「いや、出来ない、ですね。機械的だ」



提督「そして、人間の塊のあなたの知能は人間の域を出ない。全ての予想外はここが原因であるかと」



海の傷痕【……、……】

 

 

海の傷痕【……っ】

 


提督「あなたの個性はあなたが妖精として意思疏通が可能な役割の範囲に限定されている。仕事はする。だけど、気分によってぶれる。やる気のない妖精はいる、と明石さんから教えてもらってもいますしね」



提督「効率的機械的ではない部分は恐らくあなたの妖精としての個性に該当する部分です。わるさめさんみたいに気分屋ですね」



提督「例えば瑞穂、春雨、電のバグのメンテナンスの順番。キスカでの時はなぜ春雨と電で、瑞穂ではなかったのか。この順番は恐らく貴方の個性が関係していると自分は見当をつけます」



海の傷痕【……】



提督「話をキスカに戻します」



提督「運営管理者権限で海の傷痕が殺しを無制限に行うとバランスが崩れていきます。そう、制作管理運営のあなたはこのゲームを絶妙なバランスで維持するための役割があります」



提督「だから海の傷痕はキスカでの戦いであなたを妨害する4名に対してのみの『最低限の応戦』をしたんだ」

 

 

提督「あなたはあの時、【殲滅:メンテナンス】のために現海界した。阿武隈艦隊は旗艦阿武隈の『全員生還』の指示のため、進もうとしたあなたを倒そうとした。だから、あなたは『交戦せざるを得なかった』のです」

 

 

提督「最初期に形造った輪廻のシステムこそがあなたの機械的かつ効率的な部分を如実に現している」

 

 

海の傷痕【……】

 

 

提督「もっといおう。なぜ艦娘を殺すことをよしとして動けるのか」

 

 

提督「それはシステム的に死してからも役割を持つ存在であるから」

 

 

提督「この終わらない夢に必要不可欠な深海棲艦に輪廻できるからだ」

 

 

提督「被験者NO1の瑞穂の謎は、乙中将との応答で解けた。彼らは表でも裏でもなく、艤装を身に付けながらもあなたの探知を越える異常だ」

 


提督「深海棲艦の反応も艦娘の反応も出ている。これはいわば」

 

 

提督「コインの裏でも表でもない。死んでも裏である深海棲艦にならない、ということも踏まえ、効率的な手段を考えた手となると」



海の傷痕【異議あり、である】

 

 

海の傷痕【死んでも深海棲艦にならないだと。スイキは確かに瑞穂:バグである。分かってはいるのかな。瑞穂:バグは深海棲艦になっているのだぞ。その矛盾はどう解決する?】

 

 

提督「浮かんだパズルの絵はもう見えてる。足りないピースこそが『殲滅:メンテナンス』だ。これはこの名の通り、2つの意味を、持っている」

 


提督「深海棲艦になる手順は、違法改造により深海棲艦反応を除いて、あなたが自ら深海妖精の力を駆使して建造した場合か深海妖精による建造か。あの時、瑞穂の艤装を使用して水母棲姫を作ったならば、見えてくる」

 

 

提督「あの時、海の傷痕が【瑞穂:壊】のバグを殲滅したせいで瀕死の彼女は【壊:バグ】特有の再生能力を失い、死亡した。その後、深海棲艦建造のシステムに組み込まれて深海棲艦化を果たした。現情報からして、時系列的にもこれが最も矛盾なく、辻褄の合う解釈」

 

 

海の傷痕【……、……】



提督「瑞穂を調査して、残るバグに対して機械的かつ効率的なシステムを組んだはずだ」



提督「レアでもそうでなくとも、若い子供を兵士として駆り出す今の苦労は知っているはずだ。聞き齧りではなく、自分もよく知っている。あなたも人間への感謝の意を込めて『艦隊これくしょん』と名付けた程でしょう」

 

 

提督「それは、どういうシステムなのか」