2017-08-05 21:15:54 更新

概要

この作品は古明地さとりと無口(オリ)をメインにした作品です
悪夢を見続ける古明地さとりの元に古明地こいしが連れてきた無口と一緒に悪夢から逃れようとするお話しです


前書き

完結日 2017/08/05
無口

なにを聞いても口を開けないうえ、表情を一切変えない謎の人物
こいしに無理矢理連れてこられて地霊殿で働くことになった
本名は不明


古明地さとり

悪夢を見続けることに悩みを抱えている
悪夢の中に出てくる謎の者に七回捕まると魂を抜かれて殺される
悪夢のことは誰にも話していない









夢の中…



さとり 「はぁ!はぁ!…」タッタッタッ!!…


さとり 「ーっ!いや…こないで!!」タッタッタッ!!…


? 「あっはははは!待ってよさとりさーん?」タッタッタッ!!… さとりを追いかけている


さとり「(なんで…なんであいつの心が読めないの!?心が読めないだけじゃなく、疲れも見せてこない!もうかなり走ってるのになんで!?)」タッタッタッ!!…


さとり 「(それになぜ私を追いかけてくるの!もうこの夢を三日連続で同じく見てるのはなぜ!?意味がわからないわ!)」タッタッタッ!!…


? 「あっはははは!どんなに逃げても無駄だよ?俺からは決して逃げられないよ!」タッタッタッ!!…


さとり 「…いや、こないで…」ハァ…ハァ… 走り疲れて息が上がってくる


? 「さぁ あと4回でお前は俺のものだ!お前は捕まる度に魂が削られていく!」


? 「お前の命も短くてあと4日!せいぜい悔いのない4日間にする事だな!」スゥ… さとりに向けて手を伸ばす


さとり 「いやぁぁあぁぁぁっっっ!!!!!!」


ーーーーー

ーーー





さとりの部屋



さとり 「はっ!?」


さとり 「…また、捕まったのね…」


さとり 「…あと4回…」


さとり 「…朝ごはん作らないと」スッ ベッドから立ち上がる


ーーーーー

ーーー








台所



さとり 「…」グツグツ… 味噌汁を煮込んでる


さとり 「(…あと4回捕まったら、本当に私は死ぬの…?)」


さとり 「(どんなに逃げてもあいつはしつこく追いかけてくるから逃げられない…一体どうすればいいの?)」


さとり 「…一体…どうすれば…」グツグツ…


こいし 「なにが?」


さとり 「っ!? こっこいし!?あなたいつからそこにいたの!?」


こいし 「今さっきだよ!それよりお姉ちゃん また新しいペットを飼いたいんだけどいいかな?」


さとり 「…今度はどんな生き物かしら?」


こいし 「今通路に居るから見てみて!」


さとり 「お願いだから変なのを連れてないことを願いたいわ…」


ーーーーー

ーーー








通路



さとり 「…」


? 「…」 さとりと目が合ってる


こいし 「どお?お姉ちゃん 飼ってもいいかな?」


さとり 「…こいし」


こいし 「? なに?」


さとり 「今すぐ返してきなさい」


こいし 「えぇ〜!?なんでぇ!」∑( °口° )


さとり 「あなたここに人間なんか連れてきたらお燐達が黙ってるわけないでしょ!確実になにかされるわよ!」


こいし 「いいじゃんいいじゃん!人間でもいいじゃん!」


さとり 「だめ!しかもこの人間どこから連れてきたの?人里?」


こいし 「ううん 旧地獄街道をあるってた所を連れてきたんだよ?」


さとり 「…っえ?旧地獄街道を?」


? 「…」キョロキョロ 周りを見渡している


さとり 「あなた 人間よね?なぜ人間が旧地獄街道をあるっていたの?普通の人間ならまず近寄ることもない場所をなぜ歩いてたの」


? 「…」キョロキョロ


さとり 「…話聞いてるかしら?」


? 「…」


さとり 「(…この人 まったく心が読めない

何も考えてないの?)」


さとり 「(それにどことなくあの夢に出てきた人に似てるような…)」


? 「…」スゥ… さとりに手を伸ばす


さとり 「? なにかしら?」


? 「…」


ブワァッ!!


さとり 「っ!」自分のまわりから黒いオーラが舞い上がってくる


こいし 「っ!?」


? 「…」


さとり 「…あなた、一体なにをしたの?今私の周りから黒いモヤみたいな煙が…」


こいし 「なにいまの!?お姉ちゃんのオナラ!?」


さとり 「そんなわけないでしょ!」


? 「…」スッ さとりの手を掴む


さとり 「…?」


? 「…」スー… さとりの手の平を指先でなぞっていく


さとり 「(…文字?この人しゃべれないの?)」


? 「…」スー…


こいし 「…?」


? 「…」スー…


さとり 「(…あ、と、な、ん、に、ち…?)」


さとり 「…っえ?」


? 「…」


さとり 「…あなた なんでそれを?」


こいし 「? お姉ちゃんこの人はなんて言ったの?」


さとり 「っえ?あっいや…」


? 「…」スッ… 先程と同じ文字をさとりの手の平になぞっていく


さとり 「…あと、4日よ…」


? 「…」


こいし 「あと4日?なにがあと4日なの?さっきからなにを言ってるの?」


さとり 「…」


? 「…」スッ… さとりから離れてこいしの手をつかむ


こいし 「? なに?」


? 「…」スッ… こいしの手の平に指先をなぞっていく


こいし 「…な、ま、え、は、む、く、ち?」


無口 「…」スッ…


こいし 「…こ、こ、に、い、て、も、い、い?」


無口 「…」コクンッ 首を縦に頷く


さとり 「…っえ?」


こいし 「うんいいよ!私は大歓迎だよ!」


無口 「…」スッ…


こいし 「あ、り、が、と、う…うん!」


さとり 「ちょっ!?勝手に話を進めるんじゃない!まだいいと言ってない…」


無口 「…」スッ 両手を合わせてお願いとさとりにジェスチャーする


さとり 「あなたには帰る場所があるでしょ?ここで居ても何も面白くないと思うわ」


無口 「…」フルフル 首を横に振る


さとり 「…っえ?帰る場所ないの?」


無口 「…」コクンッ 首を縦に頷く


さとり 「(帰る場所がない?この人本気で言っているの?)」


さとり 「(心は読めないからわからないけど一件普通の人に見えるし、なにかして人里から追い出されたとは思えない…一体この人はどこから来たの?)」


さとり 「…あなた、一体どこからきたの?こんなところに考えもなしで人間が来るとは思えないわ」


無口 「…」


さとり 「…黙り…どこから来たかは教えれないと言うこと?」


無口 「…」コクンッ 頭を縦に頷く


さとり 「…はぁ まぁいいわ?今追い出して道中の妖怪とかに襲われても困るし なにより人手不足だったからあなたを仕事人として雇ってあげるわ」


こいし 「わーい!ありがとうお姉ちゃん!」


さとり 「ただし、変な真似はしないこと いいわね?」


無口 「…」コクンッ


さとり 「こいし お燐達を呼んできてくれるかしら?あの子達にも言っておかないと何しでかすかわからないわ」


こいし 「了解!今呼んでくる!」


タッタッタッ…


無口 「…」 タッタッタッ…


さとり 「(…にしても、この人本当に心が読めないわね?さっきから読もうとしてるのになにも読み取れない…なにも考えてないの?)」


さとり 「(それになんでこの人は私が見てた夢のことを知っているの?それに夢に出てきた奴と若干似てるし…一体この人間は何者?)」


無口 「…」


さとり 「…ねぇ あなたはなぜ私の夢のことを知っているの?ペット達にはおろか、こいしにも話してないのに…」


無口 「…」


さとり 「…まさかとは思うけど、あなた…」 タッタッタッ…


こいし 「お姉ちゃん連れてきたよー!」タッタッタッ…


燐 「…この人間が新しい仕事人ですか?」タッタッタッ…


空 「なんか物静かなそうな人間だね?」バサッバサッ…


さとり 「お空 飛んでこないで?ホコリが立つわ」


無口 「…」


燐 「さとり様 こいし様が言ってた人間ってこの人のことですか?」


さとり 「そうよ 今日からここで働く、名前は…」


こいし 「無口だよ!さっき教えてもらったから知ってるよ!」


燐 「無口?ずいぶんと変な名前だね…てか、それ本名?」


空 「私は霊烏路空 みんなからはお空って言われてるよー!」


こいし 「私は古明地こいし!今目の前にいるお姉ちゃんの妹だよ!」


燐 「火焔猫燐だよ みんなからはお燐って言われてるから気軽に呼んでよ!」


さとり 「私はこの館、地霊殿の主 古明地さとりよ 今日からお願いするわ 無口?」


無口 「…」コクンッ


さとり 「それじゃまずは、お燐達にこの館を案内してもらってなにがどこにあるのかを覚えてちょうだい?」


無口 「…」コクンッ


さとり 「お燐 案内をお願い?」


燐 「了解にゃ!」


さとり 「お空 仕事場に戻って管理をお願い」


空 「はーい!」


さとり 「こいしは適当にしてていいわ くれぐれも危ないことはしないようにね?」


こいし 「はーい!」


お燐 「それじゃ行くよ!無口 ささっと案内するから憶えるんだよ!」タッタッタッ…


無口 「…」コクンッ タッタッタッ…


こいし 「私もついていくー!」タッタッタッ…


お空 「それじゃ私もー!」タッタッタッ…


燐 「いやあんたは仕事場に戻りなよ…」


タッタッタッ…


さとり 「…」


さとり 「…あの子、なんか怪しいわね?心が読めないからなんとも言えないけど…」


さとり 「…念のため警戒しておかないと?」


ーーーーー

ーーー







夜ーさとりの仕事部屋



さとり 「…」カリカリ… 仕事をしてる


さとり 「(今日は比較的仕事が少なくて早く終わりそうね?お燐達が余計な騒ぎを起こさなかったから助かったわ)」カリカリ…


さとり 「今日は早く寝られそうね?…あまり寝たくないけど…」


さとり 「…また…あの夢見るわよね?絶対に…」


さとり 「…あと4回捕まったら…私は死ぬのよね?」


さとり 「…もしそうなったら、もうこいし達とは…」


さとり 「…やめよう こんなことを思ってる暇があるならなんとか逃げ切る方法を考えよう?」


さとり 「…なんとか逃げ切れば…」


コンコンッ


さとり 「っん?誰かしら いいわよ?中に入って」


ガチャッ


無口 「…」ペコッ 一礼をして入ってくる


さとり 「無口?どうしたの なにかあったの?」


無口 「…」スッ さとりにお守りを手渡す


さとり 「…なにこれ?お守り?」スッ


無口 「…」スッ… もう片方のさとりの手を掴む


さとり 「…?」


無口 「…」スッ… さとりの手の平を指でなぞっていく


さとり 「(…ま、く、ら、の、し、た、に、い、れ、て、ね、て…?)」


さとり 「枕の下に入れて寝て?」


無口 「…」コクンッ


さとり 「…入れたらどうなるの?」


無口 「…」


タッタッタッ… 無口はさとりの仕事部屋から出ていこうとする


さとり 「っあ!ちょっと待ちなさい これを入れたらどうなるのか教えなさい!」


無口 「…」ペコッ


ガチャッ…パタンッ


さとり 「…行っちゃった…本当になんなのかしら?あの子…」ハァ…


さとり 「それにこのお守り…なんか禍々しい感じがするんだけど気のせい?」


さとり 「…枕の下に入れて寝て、か?まぁどうせ寝ても同じ夢を見ると思うし試しに使ってみようかしら?」


さとり 「このお守りの効果がどのようなものかは知らないけど…」


ーーーーー

ーーー












さとりの部屋



さとり 「…」タッタッタッ…パサッ ベッドに寝っ転がる


さとり 「…またあの夢を見ると思うと、あまり寝たくないわね…当たり前ね?見るとわかって寝る人はいないわ」


さとり 「…でも、私は寝ないと生きていけない身体だから仕方ないわ 見るとわかっていても寝るしかないわ…」


さとり 「さっき無口からもらったお守り…本当に禍々しい感じがするわね?あまり使う気しないけど…」ゴソゴソ… 枕の下にお守りを入れる


さとり 「…これでいいわね」


さとり 「…それじゃ、おやすみなさい…」パサッ… 自分に布団をかけて就寝


ーーーーー

ーーー












夢の中



さとり 「…っん…」目を覚ます


さとり 「…また、この夢…」


? 「ふぁっははははは!!また会ったな古明地さとり!今日もお前を捕まえてやる!」


さとり 「っ! いっいや!」ダッ!!


? 「あっはははは!無駄無駄!どんなに逃げても無駄だよ!」タッタッタッ!!…


? 「走っても疲れるだけだからおとなしく捕まっちゃいなよ!どうせ捕まるんだから!」タッタッタッ!!…


さとり 「いや、来ないで!」タッタッタッ!!…


さとり 「(捕まりたくない!死にたくない!もう追いかけられたくない!)」タッタッタッ!!…


さとり 「(短くてもあと4日で私は死ぬと言ってたけど…そんなのいやだ!こいしやみんなとお別れしたくない!)」タッタッタッ!!…


さとり 「(なんとしてでも逃げ延びたい!)」タッタッタッ!!…


? 「あっはははは!あいかわらず逃げ続けるねぇ?さとりちゃーん!」タッタッタッ!!…


? 「でも無駄だよ?君は走る体力がないからすぐにバテて捕まるのがオチだよ!だこら今すぐにでも捕まっちゃいなよ!」タッタッタッ!!…


さとり 「はぁっ!はぁっ!…いっいや!」タッタッタッ… 疲れが溜まってきて走るペースが落ちて来る


? 「おやおや?今日は早いねぇ これじゃ逃げ切ることなんて到底できないよ!」タッタッタッ!!…


さとり 「…いっいや…だれか…助けて…」タッタッタッ…


さとり 「【死にたくない…】」


…キィンッ!!


? 「っ!?」バチィンッ!! さとりに触れようとした瞬間、電流が走って触れない


さとり 「…っえ?」


? 「こっこれは夢結界!?バカな!なんで夢結界がここに!?」


さとり 「…夢結界?」


…ハシッテ


さとり 「…っえ?」頭の中に直接声が聞こえてくる


ハシッテ ハヤク!


さとり 「…誰か知らないけど、ありがとう!」ダッ!!


? 「まっまて!行くな!」バチィンッ!!


? 「くぅぅっ!!くそぉぉぉっっ!!!!!!」



さとり 「はぁっ!はぁっ!…」タッタッタッ!!…


ソノママハシッテ ヤツカラハナレレバユメハサメル…


さとり 「はぁっ!はぁっ!…っわかったわ!」タッタッタッ!!…


さとり 「(誰かわからないけど助かったわ!今日は捕まらないで済みそうだわ!)」タッタッタッ!!…


さとり 「(ありがとう 教えてくれて…)」タッタッタッ!!…


ーーーーー

ーーー












さとり 「…っん…」目を覚ます


さとり 「…朝…?」


さとり 「…」


さとり 「(今回は捕まらずに済んだわね…誰か知らないけど、今回は助かったわ?)」


さとり 「…」ゴソゴソ…スッ 枕の下に入れていたお守りを取り出す


さとり 「…あれ?お守りが黒ずんでる…」


さとり 「(…もしかして、無口からもらったお守りが身代わりになってくれたの?)」


さとり 「…あの子、一体何者なのかしら?」


ーーーーー

ーーー












朝ー厨房



無口 「…」トントントントン… 調理してる


燐 「…あんた 料理できるんだね?」


無口 「…」コクンッ


こいし 「びっくりだね?料理できないかと思ってたよ」


無口 「…」トントントントン…


ガチャッ


さとり 「…おはよう 無口居るかしら?」


こいし 「おはよーお姉ちゃん!」


燐 「おはようございますさとり様 今無口は料理してますよ?」


さとり 「ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかしら?」


無口 「…」カタッ 料理を止める


さとり 「あなたからもらったお守りなんだけど…」スッ 黒ずんだお守りを無口に見せる


無口 「…」


燐 「…なんですか?それ」


こいし 「なんか黒ずんでるね?汚らしい…」


さとり 「今日の朝起きて確かめたら黒ずんでいたの…もしかして、このお守りが私を守ってくれたの?」


無口 「…」


燐 「守った?さとり様 一体何の話を…」


無口 「…」スッ… さとりからお守りを取る


さとり 「…」


こいし 「…?」


燐 「?」


無口 「…」スッ…スッ 黒ずんだお守りを懐にしまって新しいお守りを差し出す


さとり 「…またお守り?しかもさっきと違ってさらに禍々しいわね」スッ お守りを受け取る


無口 「…」スッ… さとりの手を掴む


さとり 「…なに?」


無口 「…」スッ… さとりの手の平に指をなぞっていく


さとり 「(…こ、ん、ど、は、う、で、に、つ、け、て、ね、て…)」


さとり 「今度は腕につけて寝て?」


無口 「…」コクンッ


さとり 「…わかったわ 次はそのようにするわ」


無口 「…」スッ…


さとり 「(…あ、き、ら、め、な、い、で…)」


さとり 「…わかってるわ なんとしてでも逃げ切ってみせるわ?」


無口 「…」コクンッ


燐 「…えーっと、さとり様 さっきから何の話を…」


さとり 「なんでもないわ それより朝食の準備を再開してちょうだい いいわね?」


こいし 「えぇ〜!気になる気になる!一体何の話をしてたの?」


さとり 「なんでもないわ それよりこいし?あなたは少し部屋でおとなしくしてなさい 最近夜になっても帰ってこないで?」


こいし 「だいじょうぶだよお姉ちゃん!私のことが見える人はなかなかいないから襲われる心配はないよ?」


さとり 「そういう問題じゃないわ!なにかあった時に困るから言ってるのよ!」


こいし 「もう?お姉ちゃんは心配性だね?」


さとり 「当たり前でしょ!この前だって2日〜3日帰ってこなかった時は本当に心配したのよ!お燐達にも手伝ってもらって捜索したというのに?」


こいし 「えへへ〜?あの時はごめんなさい その時はちょっと紅魔館に行ってて…」


さとり「まったく 行く時は一言行ってから行きなさいよ?」


こいし 「はーい!」


無口 「…」トントン こいしの肩を叩く


こいし 「っん?なぁに無口?」


無口 「…」スッ スッ… こいしの手を掴んで手の平に指をなぞっていく


こいし 「…あ、ま、り、し、ん、ぱ、い、さ、せ、ち、ゃ、だ、め、だ、よ…?」


無口 「…」コクンッ


こいし 「わかってるよ!あまり心配させないようにするよ!」


さとり 「あまりって…まぁいいわ?とりあえず今日はおとなしくしてなさい いいわね?」


こいし 「はーい!」


ーーーーー

ーーー












夜ーさとりの部屋



ガチャッ


さとり 「ふぅ…今日も早く終わったわね?無口が真面目で本当に助かったわ おかげでお燐達が変なことをしないから余計な手間が省けたわ」タッタッタッ…スッ ベッドに腰かける


さとり 「…それにしても無口は本当に何者なのかしら?このお守りもそうだけど、なんで私が悪夢を見てることを知ってたのかしら?誰にも教えてないのに…」


さとり 「…調べようにも心が読めないから調べることができないわね まぁ、今はそんなことは置いておこう?」


さとり 「私は私でやらなくちゃいけないことがあるのだから先にこっちをやり遂げないと…」スッ 腕に無口から貰ったお守りを付ける


さとり 「…おやすみなさい」スッ…パサッ


ーーーーー

ーーー











夢の中



さとり 「…っん…」スゥ… 目を覚ます


さとり 「…また、ここ…」


? 「待っていたよさとりちゃ〜ん!」


さとり「っ!」


? 「いやー?まさか昨日は夢結界が発動して触れることかできなかったとは…運がいいんだか悪いんだかわからないねぇ?」


? 「…でも、今回はそうはいかないよ?今回はお前を確実に捕まえてやる 捕まえて魂を吸い取って殺してやるよ!」ガバッ さとりに襲いかかる…


さとり 「…むだよ!」


バチィンッ!!


? 「っ! また夢結界か…しかも昨日より強いな?」


さとり 「悪いけど、もうあなたには捕まらないわ このお守りがある限りあなたは私に触れることはできないわ」


? 「…へぇ?言ってくれるねぇ」


さとり 「…っえ?」


? 「なぁおまえ 俺が今まで本気でやってたと思っているのか?そうだとしたらそれは大間違いだぜ!」


? 「たかが下級妖怪に俺が本気出すわけないだろ!?今まで本気だと思ってたお前がかわいそうに見えるよ!!」ケラケラ


さとり 「…で、でも!この結界がある限りあなたはわたしに…」


? 「たしかにこの結界は厄介だな?しかも昨日のよりかなり強いから壊すのも一苦労だな…だが、」


? 「【こんなの本気出せばすぐに壊せるんだよ!】」スゥ…


バッキャァァァンッッ!!!! ?は拳で夢結界をぶち壊す


さとり 「っな!?」


さとり 「(そんな!?無口からもらったお守りの結界が一瞬で!?)」


? 「こんなちんけな結界 俺が本気出せばちっぽけなんだよ!」


? 「さぁ結界はなくなった まさか本気出すことになるとは思わなかったがまぁ良しとしよう!」


さとり 「いっいや!」ダッ!!


? 「無駄だよ!」ガシッ さとりの手を掴んで逃がさない


さとり 「いや!離して!」


? 「離さねぇよ!本当は7日間ゆっくり時間をかけて殺そうと思ってたがもうそんなことはどうでもいい」


? 「今すぐ殺してやるよ!!」クワァ!! 大口を開けてさとりを食べようとする


さとり 「いやあぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!」


ーーーーー

ーーー












さとり 「っは!?」パチッ


さとり 「…あれ?私…生きてる?」ハァ…ハァ…


さとり 「…」スッ… 腕を上げて無口からもらったお守りを確かめる


無口からもらったお守りは黒ずんでもはや元の色が見えない状態になっている


さとり 「…昨日のお守りより黒ずんでる…でも、禍々しい気がまだ残ってる…」


さとり 「…このお守りが死ぬ一方手前で助けてくれたのかしら?だとしたら、このお守りがなければ…」


さとり 「…あの化け物…本当に何者なのかしら?夢結界と言う結界を軽々しく壊して私を捕まえて…」


さとり 「次に現れた時…本当にどうしようかしら?」


さとり 「次に捕まったら私は確実に死ぬと思う…だけど、無口からもらった結界はもう使えそうにないし、本当にどうしようかしら…」


さとり 「…本当に…どうしようかしら」


…コンコンッ


さとり 「っ!?」ビクッ!!


…コンコンッ


さとり 「…だれ?無口?」


コンッ


さとり 「…いいわよ 中に入って」


ガチャッ


無口 「…」ペコッ


さとり 「どうしたのかしら?こんな朝方に来るなんて…」


無口 「…」タッタッタッ…スッ さとりの手にぶらさげているお守りを確かめる


さとり 「…また、黒ずんでるわ…しかも結界が壊されて捕まったわ…」


無口 「…」スッ… さとりの手の平を指でなぞっていく


さとり 「(…だ、い、じ、ょ、う、ぶ、?…)」


さとり 「…正直、大丈夫じゃないわ?今回はあなたからもらったお守りのおかげで一命は取り留めたものの 次捕まったら今度こそ私は死ぬと思うわ」


さとり 「こいし達を残して私は死にたくない…どうにかして生きていたいけど、一体どうすれば…」


無口 「…」スッ…


さとり 「(…あ、き、ら、め、な、い、で…)」


さとり 「…そんな事言われても…」


無口 「…」スッ…スッ さとりの手にぶらさげているお守りを取って新しいお守りを差し出す


さとり「…またお守り?でもそのお守り…昨日もらったお守りより禍々しくないわね それだとあいつから逃れられないんじゃ…」


無口 「…」スッ… さとりの首にお守りをぶらさげる


さとり 「…無口…」


無口 「…」スッ…


さとり 「(…あ、き、ら、め、な、い、で…)」


無口 「…」スッ…


さとり 「(き、ぼ、う、を、も、っ、て…)」


さとり 「…無口 ありがとう…まだ会ってないのに私を慰めてくれて」


さとり 「…うん!わかったわ 無口の言う通り 私、あきらめないわ!」


さとり 「最後までなんとか頑張ってみるわ 元気づけてくれてありがとう 無口?」


無口 「…」


さとり 「…着替えるから部屋を出てもらえるかしら?」


無口 「…」コクンッ


タッタッタッ…


無口 「…」ペコッ


ガチャッ…パタンッ


さとり 「…」


さとり 「…無口には大丈夫だと言ったけど…やっぱり、心配ね?」


さとり 「次捕まれば私は…」


さとり 「…死にたくない こいし達を残して死にたくない…」ギュッ


さとり 「…誰か…助けて!」プルプル…






無口 「…」さとりの部屋の扉の前でさとりの怯えている声を聞いている


無口 「…」スッ 黒ずんだお守りを取り出す


無口 「【…もっと、強い結界を…】」


キィンッ!!


シュゥゥ… 黒ずんでいたお守りは元の色に戻り、禍々しい気が先程より増して放つ


無口 「…もっと」


キィンッ!!


シュゥゥ… さらに強い禍々しさを放つ


無口 「…」ズキズキッ 頭を押さえて真顔で痛がる


無口 「…」ペタッ さとりの部屋のドアにお守りを貼り付ける


無口 「…」


タッタッタッ…


ーーーーー

ーーー












昼間ーさとりの仕事部屋



さとり 「…」


コンコンッ サトリサマ イマヨロシイデショウカ?


さとり 「…後にしてもらえるかしら 今は誰とも話したくないわ」


…イッタイドウシタンデスカ?アサカラソンナチョウシデスガ…モシカシテグアイデモワルインデスカ?


さとり 「…別になんでもないわ だから早く行って」


…ワカリマシタ


タッタッタッ…


さとり 「…」


さとり 「…ごめんなさい お燐…あなたは悪くないのに、八つ当たりみたいにして…」


さとり 「…でも、今は本当に誰とも話したくないの 次で私は死ぬから…」


さとり 「…みんな…」ギュッ…


ーーーーー

ーーー












夜ーさとりの部屋



さとり 「…」ベッドに寝っ転がっている


さとり 「…これで、最後ね?私が生きていられるのは…」


さとり 「…まだ死にたくなかったけど、どうしようもできない…こいし達を残して死ぬのは心配だけど、なんとかやってくれるよね?」


さとり 「…さよなら みんな…」


さとり 「…おやすみなさい」スゥ…


さとり 「…」


さとり 「…すぅ…すぅ…」


…ガチャッ


無口 「…」


ーーーーー

ーーー












夢の中



さとり 「…っん」スゥ…


さとり 「…また、この夢ね…」


? 「…なんでかなぁ?」


さとり 「っ!」


? 「昨日…たしかにお前を確実に殺す勢いで魂を吸ったはずなのになぜ生きてる?なんで…生きてる?」


? 「この俺が本気を出して魂を吸いきれないなんて…お前、なにかやってるな?」


さとり 「…っえ?」


? 「この前の夢結界もそうだったが、お前が夢結界を操れるとは思えない…それに、昨日も魂を吸い尽くす勢いで吸ったのに吸いきれてない」


? 「お前…一体なにをした?まさかお前が【Dreamer】とは思えないんだが?」


さとり 「…Dreamer?」


? 「夢を操ることが出来る奴のことをDreamerって言うんだ たかが夢でも夢の中でなら無敵で自分の思い通りに操ることができるんだ」


? 「俺は夢を使ってありとあらゆる奴を殺す悪魔…世間で言うなら猿夢に近い存在だ」


さとり 「猿夢?」


? 「外の世界に存在する電車って言う乗り物を使って3回に分けて対象者を殺す妖怪に近い奴のことだ 俺はそいつとは違ってすぐにでも殺すことができるがそれじゃつまらない」


? 「1週間かけてじわじわと魂を吸って最後には一気に吸いつくして殺すのが俺のやり方…でも、お前の場合は途中で夢結界を使ってきたから本気を出して吸い尽くそうとした…なのになぜだ?なぜお前は生きてる?」


クバ 「この夢殺しのクバと言われた俺が本気を出してなぜ死なない?俺はそんじゅそこらの夢殺しの奴らとは違って大悪魔と言われているほどの実力者だぞ?なのになぜ…」


さとり 「…」


クバ 「…まぁいい 今気にしてても仕方ないし、今お前が目の前にいるんだから吸い尽くせばいい話し 今度こそお前を殺してやる!」


クバ 「さぁにげろ!恐怖に満ちて逃げ続けろ!」


クバ 「死から逃れるために恐怖を抱いて逃げて見せろ!俺はその恐怖が頂点に達した時の顔を見るのが一番の快感なんだ!」


クバ 「だから早く逃げろ!そして捕まれ!俺をもっと楽しませろ!」


クバ 「この俺を本気にさせたんだから楽しませろ!そして死ね!」


クバ 「せいぜい楽しませてくれよ!?最後なんだからな!!」クパァッ 口を大きく開けてさとりを食べようとする


さとり 「ひぃっ!」ダッ!!


クバ 「あっはははは!さぁ逃げろ!逃げたくれ!」タッタッタッ!!…


クバ 「捕まる恐怖を抱いて逃げまくれ!逃げられない恐怖で絶望に落ちろ!」


クバ 「そして魂を吸われて最後は死ね!それで俺の物になれ!」


さとり 「はぁっ!はぁっ!…いや!」タッタッタッ!!…


さとり 「(死にたくない!まだ死にたくない!)」


さとり 「(私はともかく、こいしを残して死にたくない!)」


さとり 「(どうにかして生きたい!まだ死にたくない!!)」タッタッタッ!!…


クバ 「ははははっ!そんな走りじゃ俺から逃げられないぞ!」タッタッタッ!!…


さとり 「はぁっ!はぁっ…いや!」タッタッタッ!!…


さとり 「(だれか…助けて!)」


さとり 「…無口!」タッタッタッ!!…






…夢結界 発動


キィンッ!!


クバ 「っ!」バチィッ!! 夢結界が発動してさとりを追いかけられなくなる


さとり 「…っえ?」 タッタッタッ…


無口 「…」 さとりの背後に立って夢結界を展開させている


さとり 「…無口?」


クバ 「…なるほど この夢結界はお前が展開させたものか?てことはお前がDreamerか」


無口 「…」


クバ 「…無視か まぁいい?お前が俺の邪魔をしていたとわかれば話が早い」


クバ 「お前を殺せばそいつを殺せるんだからな!」ニタァ


無口 「…」スッ 指を差してさとりに行けと合図する


さとり 「…っえ?でも…」


無口 「…」スッ もう一度指を差して早くと合図する


さとり 「…わかったわ あなたも絶対戻ってくるのよ?無口」


無口 「…」コクンッ


さとり 「…ありがとう」


タッタッタッ…


クバ 「逃がさねぇよ!今すぐこの結界を壊して捕まえてやるよ!!」スゥ…


クバ 「ぶっ壊れろ!!忌々しい結界め!!」ガァンッッ!!!! 拳を結界にぶつける


パリィィンッ!! 結界が壊される


無口 「…」


クバ 「さぁて?よくも邪魔してくれたな お前のせいで俺は苛立ってるんだ」


クバ 「まずそうだがお前の魂吸い尽くしてやるよ!」クパァ 大口を開けて無口を食べようとする


クバ 「死ねぇっ!!」ガバッ!!


無口 「…」


無口 「【…クバ 一時停止】」


クバ 「っ!?」ビタッ 急に身動きができなくなる


無口 「…」


クバ 「(なっなんだ!?体が動かねぇ!なんでだ!?)」グググッ… 体を動かそうとするがまったく動けない


クバ 「(こいつが俺の名前を言ったと同時に一時停止と言ったら急に…こいつ一体何をした!?)」


無口 「…」


クバ 「…お前 一体何をした?この俺の動きを止めることが出来るなんて相当強力な力を持ってないと無理だぞ?」


無口 「…」


クバ 「…っ! キサマ一体何者だ!いくらDreamerでも俺の動きを止める事はできないはず!お前本当にDreamerか!?」


無口 「【…だまれ】」


クバ 「んんっ!?んー!んーっ!?」 口が開かなくなり、喋れなくなる


クバ 「(今度は口が!?こいつマジで何者だ!?Dreamerじゃない!)」


無口 「…次、さとりさんに手を出したら…」


無口 「殺す、からね?」


クバ 「…」


無口 「…それじゃ」


タッタッタッ…


クバ 「…」


クバ 「(…あいつ、まさか…)」


ーーーーー


ーーー













さとり 「…っんん」スゥ…


さとり 「…今回は捕まらないで済んだ…」


さとり 「…っん?」


無口 「…」スゥ…スゥ… さとりの手を握りながら寝てる


さとり 「…無口?なんでここに…?」


無口 「」ピクッ スゥ… 目を覚ます


さとり 「…起きたわね」


無口 「…」スクッ タッタッタッ… 扉の方へ歩いて行く


さとり 「あ、待って!無口」


無口 「…」タッタッタッ


さとり 「…あなた、本当に何者なの?私の夢の中に入ってきて助けてくれたけど…」


無口 「…」ガチャッ


タッタッタッ…


さとり 「…話してくれないのね それならお礼だけ言わせて?」


さとり 「ありがとう 私を助けてくれて?」


無口 「…」タッタッタッ…


パタンッ


さとり 「…」











それから1ヶ月が経ったが、私はあの悪夢を見ることはなかった…


あのクバって言う悪魔は私のことを諦めてどこかへ行ってしまったのだろうか?だとすると次は私じゃない誰かの元に行ったんじゃないかと思うと私は罪悪感が残る


あの時、なんとかして倒していれば悪夢はそれで終わっていたと思う…でも、私にはあの悪魔を倒すほどの力は持っていなかった だからどうしようもできなかった…


無口は相変わらずなにも話さないで私たちの元で働いている


なにも話さず、表情を変えず、なにも考えていない…本当に無口はどこから来たのかわからないままであった


少しでもいいから無口の情報を取り入れようと霊夢や勇義達を地霊殿に呼んで聞いたがなに一つ情報なし


霊夢の情報だと、無口からはなにか特殊な神力を感じると言っていた…でも、無口は人間で神ではない それはみんなわかっている


本当にどこからなにがあってここに来たのか…今でもわからないままであった


…だけど、そんなことを考えていると…


【また…私は…】















夜ーさとりの部屋



さとり 「ふぅ…今日も終わったわ 後は明日買い足すものを調べてお燐に任せないと?」タッタッタッ…ポスッ 布団に座り込む


さとり 「…それにしても、あの夢を見てから1ヶ月…同じ夢を見ることがなくなったわね?」


さとり 「私を諦めてどこか別の人の元に行ったのかしら?それはそれであんまり嬉しくないけど…」


さとり 「…あの時、倒せていれば…」


さとり 「…やめましょう こんなこと考えてたらキリがないわ」


さとり 「早く寝て明日に備えよう…」パサッ


さとり 「おやすみなさい…」


ーーーーー


ーーー













夢の中…



さとり 「…っん…」スゥ…


さとり「…っえ?ここって…まさか!?」


クバ 「久しぶりだねぇ?さとりちゃ〜ん!」ニタァ


さとり 「っ!!」ゾクッ!!


クバ 「イーっひっひっひっひ!ついにこの時が来たな?俺はこの時を待ち望んでいたよ!」


クバ 「あの糞ガキがいたせいでお前を殺すことは出来なかった…だから、俺はあの糞ガキに邪魔されないくらいの魂を1ヶ月の間に吸いまくってきた!」


クバ 「これでお前を殺すことが出来るぜぇ!!」ニタァ


さとり 「いっいやぁ!!」ダッ!!


クバ 「無駄だ?」スゥ…


クバ 「【夢結界】」キィンッ


ヒュンッ!! 周りに結界を張られて壁ができる


さとり 「っな!?その技…無口の!?」


クバ 「その通り?俺も使えるようになったんだよ 別のDreamerを食らってな!」


さとり 「そっそんな…」


クバ 「イーっひっひっひっひ!さぁて、それじゃお前の魂をいただくとしようか?」ジリッジリッ…


さとり 「いっいや!こないで!!」


クバ 「いいねぇ?その恐怖に満ちた顔…最高だねぇ!!」ニタァ


クバ 「もっと見せてくれよ!?その絶望に落ちそうな顔をもっと見せてくれよ!!」


さとり 「いやぁっ!!誰かっ!誰か助けてる!!」


さとり 「無口!無口ー!!」ドンドンッ!!!! 結界を叩くがビクともしない


クバ 「無駄だ?この結界がある限りあいつはこの夢の中に入ってこれないぜ!」


さとり 「いやぁっ!!」


さとり 「【想起 テリブルスーヴニール】」


シィン…


クバ 「むだむだ?夢の中じゃお前の技は発動しない いい加減諦めて死にな!」ジリッジリッ…


さとり「いっいやぁ…!やめて…」ビクビク…


クバ 「それじゃ、いただきまーす!!」クパァ… 大口を開けてさとりを食べようとする


さとり 「いやあぁあぁぁぁっっっ!!!!!!」



…結界 崩壊


パリイィィンッ!!!!


クバ 「っな!?」


さとり 「…っえ?」 スタッ


無口 「…」さとりの目の前に現れる


さとり 「…むっ無口…」


クバ 「ばっバカな!?俺の夢結界を壊しただと!?」


クバ 「ありえない!あの夢結界はかなり強力なものだぞ!?それをいとも簡単に!」


無口 「…」


クバ 「…お前、まさかとは思っていたが…」


クバ 「【言葉を現実にする程度の能力を使えるのか!?】」


さとり 「っえ!?言葉を現実に!?」


無口 「…」


クバ 「なにも話さないのはむやみやたらに喋ると現実にしちまうから話さない…」


クバ 「そして1ヶ月前ぐらいにお前が俺を動けなくさせた時も口に出して言ってから俺は動けなくなった」


クバ 「それから推理するとお前は言葉を現実にする能力を持っていてもおかしくない…だが」


クバ 「その能力は人間なんかにつかないはずだ なのに何故人間であるお前がその能力を使える?」


無口 「【…黙れ】」


クバ 「ングっ!?」


無口 「…いちいち五月蝿い 無駄話は…したくない」


クバ 「…」


さとり 「…無口 あなた…」


無口 「…後でお話し…致します 今はこいつを…やります」


さとり 「…わかったわ それじゃ後で聞かせてもらうわね?」


無口 「…ありがとうございます」


クバ 「…言ってくれるねぇ?」キィンッ


無口 「っ!」


クバ 「俺を倒す?この大悪魔クバ様と呼ばれた俺を倒すだと?」


クバ 「上等だ!人間ごときが俺を倒せると言うなら倒してみろよ!!」


クバ 「あいにくだが、お前の能力は薄々気づいてたんだよ?だから俺はこの1ヶ月間に様々な魂を食えるだけ食ってきた!」


クバ 「前の俺だと言葉を現実にする程度の能力を防ぐことは出来なかった…だが、魂を大量に食ってきた今の俺ならその能力をある程度は無効にすることが出来る!」


クバ 「しかもここでお前の魂を食えばその能力は俺に宿る!そして俺はいろんな奴の魂を食える範囲が広がる!」


クバ 「なんて最高なんだ!こんなにも俺に運が来たのは久々だ!」ハハハハッ!!


無口 「…」


クバ 「さぁ!お前の能力にも対抗できるようになった事だし、早々とお前の魂を吸わせてもらうとしようかな!」


さとり 「…無口…」


無口 「…言いたいことはそれだけか?」


クバ 「…っえ?」


無口 「【…クバ お前は能力使えない】」キィンッ


クバ 「っ!?」ゾクッ!!


無口 「【…クバ 身動き禁止】」


クバ 「っ!!!?」バタンッ 動きを封じられて地面に倒れ込む


無口 「…」


クバ 「(ばっ…バカな!?俺はいろんな奴の魂を大量に食ってきたからある程度は対抗できるはず…なのになぜこんないとも簡単に!?)」


無口 「…お前は俺を…見くびっていた…ようだな?」


無口 「俺の能力は…どんな事でも現実に…することができるんだ」


無口 「かなり強力だから…やたらな事は話せ…ないけどな?」


クバ 「…うそだろ?人間のくせになんでそんな強力なんだよ?ありえねぇよ!!」


クバ 「ただの人間が言葉を現実にする程度の能力を操ることもありえないというのになんでそんなにも強力なんだよ!?お前何者だ!!」


無口 「【…クバ 黙れ】」


クバ 「んんっ!?」口を塞がれる


無口 「…悪いけど、無駄話をする気は…ない」


無口 「【…クバ 死ね】」


クバ 「っ!!!!!?」ドクンッ!!


クバ 「(そんな…俺が、こんな人間ごときに…っ!!)」


クバ 「…くっそ…」スゥ…


無口 「…」


クバ 「」息を引き取る


さとり 「…終わったの?」


無口 「…はい おわりま…した」


さとり 「…そう それならよかったわ もうこれで狙われることはないのね?」


無口 「…はい これでいつものように…過ごせま…すよ?」


さとり 「…よかった もう狙われることはないのね こいしたちを放っておいて死ななくていいのね」


さとり 「無口 本当にありがとうございます あなたのおかげで私は助かることができました」


さとり 「今ごろあなたがいなければ私は死んでたわ 助かって本当によかったわ?心から感謝します!」


無口 「…別に、俺は…」


ヤットミツケタワ


無口 「っ!」


さとり 「だれ!」


? 「あら?他にもいたのね 驚かせてごめんね?」


ドレミー 「私はドレミー・スイート 夢を自由自在に操る漠です」


さとり 「…夢を操る漠?」


無口 「【…ドレミー 帰れ】」


ドレミー 「無駄よ」キィンッ 無口の能力を無効にする


無口 「【…ドレミー 強制撤退】」


ドレミー 「だから無駄よ?どんなにその能力を使ったところで夢の中じゃ私には勝てないわ」キィンッ


無口 「…」


さとり 「…あなた 一体なにもの?無口になんの用があって来たんですか?」


ドレミー 「あなたには関係ないので気にしないでください」


さとり 「無口は私の元で働いてる人間なので関係なくありません お答えください」


ドレミー 「…へぇ?あなた 無口って言われてるんだ?変わった名前ね」


無口 「【黙れ!】」


ドレミー 「いいかげん学習しなさい 何度やってもむだよ?」キィンッ


無口 「【100本の矢よ 今ここに現れドレミーに放て!】」


ポポポポポポボポポンッッ!!!! 無口の周りから100本の矢が現れる


無口 「【射て!】」ヒュンッ!! 100本の矢がドレミーに向かって放たれる


ドレミー 「…はぁ…あなた」


ドレミー 「本当に学習しない子ね?」スゥ…


ピタッ!! 全ての矢がドレミーの目の前で止まる


無口 「っ!」


ドレミー 「お返しするわ」ヒュンッ!!


ヒュヒュヒュヒュヒュヒュンッッ!!!! 全ての矢は起動を変えて無口の方へ放たれる


さとり 「無口!」


無口 「【石の壁 俺の目の前に現れよ!】」


ズドォォォォォンッッ!!!! どこからともなく石の壁が無口の目の前に現れる


ドレミー 「無駄よ」スゥ…


ヒュヒュヒュヒュヒュヒュンッッ!!!! 全ての矢はさらに起動を変えて壁を避けて無口の方へ向かう


無口 「っな!?」 ヒュヒュヒュヒュヒュヒュンッッ!!!!


ドスドスドスドスドスドスッッッ!!!!!!


無口 「があぁぁぁッッ!!!!!!」100本の矢が全て腕や足、身体に刺さる


さとり 「無口!!」


ドレミー 「大丈夫よ すぐに治療するわ」スッ


無口 「くぅぅ…っ!!!!!!」シュゥゥ… ドレミーの能力で治療されてる


ドレミー 「夢の中じゃ私には勝てないわよ 夢じゃなければ私は負けるけどね?」


ドレミー 「さぁ 早く現実世界で私たちの元に帰ってきなさい サグメ様もあなたの帰りを待ってるわよ?」


さとり 「…サグメ?」


無口 「絶対いやだ!!俺は帰らないぞ!!」


無口 「あいつのせいで俺はしゃべれなくなったんだぞ!!あいつがあんなヘマさえしなければ!!」


ドレミー 「サグメ様だってわざとやったわけじゃないことはあなただって知ってるでしょ?」


無口 「知ったことか!!俺はあいつのせいで話せなくなったことには変わらない!!」


無口 「俺はあいつを許さない!!絶対にだ!!」


ドレミー 「…ほんとに頑固だね?あなた それじゃ1つ助言してあげるわ」


ドレミー 「今そこにいる女の子と今後一緒に居るとするわ 多少は話さなくても手話とかで話せばなんとかなるけど、ずっとそうするわけにはいかないでしょ?」


ドレミー 「あなたの能力はサグメ様と同じくらい強力なのに誤って能力が発動したらどうなるかあなただってわかってるでしょ?」


無口 「っ!」


ドレミー 「あなたが帰りたくないのはわかってる…だけど、あなたの能力は強力過ぎるから地上には置いておけないの」


ドレミー 「だから帰ってきなさい 過ちを犯す前にね?」


無口 「…」


さとり 「…あなた さっきから聞いていれば無口が嫌がってるのに帰ってこいというのはおかしいんじゃありませんか?」


ドレミー 「あなただって無口の能力を見たでしょ?あの夢悔い悪魔 クバを死ねの一言で倒したんですよ?」


ドレミー 「無口の能力は普通の人間が持っていいものじゃない…どんな人や妖怪、神でも一言で殺せるのよ?」


さとり 「だからなんですか?そのような方でも私は構いません 嫌がる者を無理に帰すなんてことはしたくありません」


さとり 「それに無口は私の元で働いているので嫌がる無口の代わりに反論をする権利はあるはずです」


無口 「…さとりさん…」


ドレミー 「…あなた いい人に拾われたわね?」


ドレミー 「わかったわ 今回はあなたに免じて引き上げるとします」


ドレミー 「ですが、この方を放っておくわけにはいかないので明日 サグメ様と現実であなたのお宅にお伺いします」


無口 「っな!?」


さとり 「いいでしょう それで話し合いができるのでしたら許可します」


ドレミー 「交渉成立ですね それでは失礼しま…」


無口 「まて!」


無口 「俺は認めないぞ!!さとりさんの自宅に来るなんて…絶対なにかする気だろ!!」


ドレミー 「さすがに人様の家まで行って暴れたりしないわよ サグメ様と一緒に話すだけだから安心なさい?」


無口 「ふざけるな!!お前が話し合いだけで済ますわけがない!!」


ドレミー 「私だけならするかもしれないけどサグメ様も一緒にいる時はさすがにしないよ?したらしたで怒られるし…」


無口 「【ドレミー 地霊殿に近づくの禁止】」


ドレミー 「むだよ 今はどんなに能力を使おうとしても夢の中じゃ使えないわよ」キィンッ


無口 「ーっなら!」ダッ!!


ドレミー 「っ!」 タッタッタッ!!…


無口 「拳でお前を倒す!!」ブンッ!!


ドレミー 「…」ガシッ 手のひらで無口の拳を受け止める


無口 「ふんっ!」ブンッ!! 右足で蹴りを入れる


ドレミー 「…あなた 本当に学習しない子ね?」ガシッ もう片方の手で無口の蹴りを受け止める


ドレミー 「人間が私に勝てるわけがないでしょ?まして肉弾戦となるとよけいに勝てないことはわかってるでしょ」


無口 「そんなのやってみないとわからないだろ!万に一つ勝ち目がなくてもやってみないことには始まらない!」


ドレミー 「万に一つ勝ち目ないとわかってるならやっても無駄とわかってるじゃない…まぁいいわ?」


ドレミー 「これ以上あなたの夢の中に長いするのも迷惑だし、そろそろ私は帰らせてもらうわ」


ドレミー 「【目覚めなさい 夢から現実に】」


無口 「っ! まて!」


ーーーーー


ーーー













さとり 「…っん」スゥ…


さとり 「…夢から覚めたのね?強制的に起こされたから目覚めが良くないわ…」


無口 「…っん」スゥ…


さとり 「…おはよ 無口?あなたも無理やり起こされたのね」


無口 「…」スクッ タッタッタッ…


さとり 「…無口 あなたに聞きたいことがあるのだけど聞いていいかしら?」


無口 「…」タッタッタッ


さとり 「さっきドレミーという方が話してたサグメって方は一体どんな人なの?あなたはその人のせいで話せなくなったと言ってたけど…」


無口 「…」


さとり 「…もう話してくれてもいいんじゃないかしら?明日にはその方たちが来ると言ってたのだから今教えてくれてもいいでしょ?あなたがどこから来たのかも含めて」


無口 「…」


さとり 「…」


無口 「…稀神サグメ 月の民の1人で…口に出した言葉を逆転させる程度の能力を…操るものです」


さとり 「月の民!?しかもサグメって方は無口とほぼ同じ能力を使う方なの!?」


無口 「…はい 自分は…その方にこの能力を付けられて…むやみやたらに話せなく…なりました」


無口 「サグメが…口を滑らせていなければ…俺はこんなことには…なりませんでした」


無口 「こうやって言葉を…くぎらせているのは…能力が発動…しないようにしているからです」


無口 「言葉を繋げて…言ってしまうと…能力が勝手に発動…してしまうので繋げて…言えないんです」


無口 「むやみやたらに、話したら…口を滑らせて…なにか言ってしまうんじゃないかと…思ってなにも話さないよう…していたんです」


無口 「心の中でも…もしかしたら現実にしてしまうんじゃないかと思って…常になにも考えずに…してました」


さとり 「(…だから読み取れなかったのね?なにも考えてなければ私も読み取ることが出来ないから読み取れなかったのが納得できるわ)」


さとり 「(…でも、なにも考えずに今まで生きていくことってできるのかしら?こいしは能力で無意識に行動してるけど、無口の場合はちがう…どこからどう見ても普通の人間)」


さとり 「(…本当に、なにも考えずに生きていけるのかしら?)」ウ-ン


無口 「…申し訳ございませんさとりさん ご迷惑をおかけして…」


さとり 「別にかまわないわ それより、あなたはそのサグメって方の元に帰りたくないのよね?」


無口 「…はい 帰りたく…ありません」


さとり 「…私のもとで働いていたい?」


無口 「…できればそうしたいです 他のところに行っても…まともに話せないんじゃ…」


さとり 「…そう わかったわ」


さとり 「なら後のことは私にまかせなさい あなたが来てから仕事も順調だし、なにより私はあなたにあの悪夢から助けてもらったからその恩返しをかねてあなたを必ず助けるわ!」


無口 「さとりさん…」


無口 「…ありがとうございます 自分のためにこのような事を…」


さとり 「気にしないで 私もあなたを手放したくないもの?無理に帰されてあなたも私も嫌な思いをしたくないもの」


無口 「…たしかに、したく…ありません」


さとり 「それに私は相手の心を読むことが出来るから相手がどんなことを考えてるのかを読み取って変なことを考えていればすぐ反論を言えるから大船に乗ったつもりで期待して!」


無口 「…はい!」


ーーーーー


ーーー













次の日 朝



玄関



コンコンッ


燐 「はーい」タッタッタッ…


ガチャッ


燐 「…どちらさまで?」


サグメ 「…」


ドレミー 「初めまして 私はドレミー・スイートといいます」


サグメ 「…稀神サグメです」


ドレミー 「今日はさとりさんと言う方に会いに来ることを知らせてあるんですが聞いていますか?」


燐 「サグメさんとドレミーさんですね?はい 話は聞いています」


燐 「お2人が来たら部屋にお招きするよう言われているのでご案内いたします どうぞお入りください」


ドレミー 「お邪魔します」


サグメ 「…」













さとりの部屋



さとり 「…」


さとり 「…来ましたか」


…コンコンッ


サトリサマ サキホドイッテイタカタタチガキマシタ


さとり 「いいわよ 中に入れて?」


シツレイシマス


ガチャッ


燐 「どうぞ」


ドレミー 「お邪魔します」


サグメ 「…」


さとり 「お待ちしていました どうぞ中に入ってください」


さとり 「お燐 お茶の用意をお願い」


燐 「わかりました」タッタッタッ…


ドレミー 「よっと?」カタッ


サグメ 「…」カタッ


さとり 「…あなたが稀神サグメさんですね?話は聞いています」


さとり 「それでは改めて自己紹介をします」


さとり 「私はこの地霊殿の主 古明地さとりと申します」


ドレミー 「夢の中で自己紹介してるけど、私は夢を自由自在に操るドレミー・スイートといいます」


サグメ 「…稀神サグメです それで…あの方は?」


さとり 「今は席を外させています あなたに会いたくないと言っていたのもありますが私も合わせたくないと思い、席を外させました」


サグメ 「…そうですか わかりました」


サグメ 「(やはり私に会うことを拒みますか…当たり前ですね 私のせいであの方は喋れなくなってしまったんですから…)」


サグメ 「(私が口を滑らせていなければあの方は…)」


さとり 「…」


コンコンッ ガチャッ


燐 「失礼します お茶の用意ができました」


さとり 「ありがとう お燐」カタッ


ドレミー 「ありがとうございます」コトッ


サグメ 「…ありがとうございます」コトッ


燐 「…それとさとり様 無口から伝言が?」ホボソッ


燐 「無理はしないでくださいと言ってました サグメの能力は強力なものだから注意をしてくださいとのことです」ヒソヒソ


さとり 「…わかってるわ 無口に心配しなくていいわと伝えといて?」ヒソヒソ


燐 「わかりました」


サグメ 「…」 タッタッタッ…


燐 「失礼します」


パタンッ…


全員 「「…」」


さとり 「…それでは、さっそくですが本題に入らせてもらいますがよろしいでしょうか?」


サグメ 「…その前に1ついいでしょうか?」


さとり 「なんでしょうか?」


サグメ 「…あの方は元気に過ごしているでしょうか?私の元からいなくなってから元気に過ごしているか心配で…」


さとり 「元気にしていましたよ ここにいる方達とも仲良くして一緒に働いています ご心配しなくともだいじょうぶですよ?」


サグメ 「…そうですか それならよかったです」


サグメ 「(よかった…元気に過ごしているなら安心しました もしどこかで野たれ死んでたりしていたら私は…)」


サグメ 「(…本当に…よかった…)」


さとり 「…」


ドレミー 「サグメ様 いらぬことをしゃべる前に口を慎んでください またあの方の時みたいになりかねます」


サグメ 「…わかったわ」


ドさとり 「…それでは、改めて本題に入らせてもらいます いいですね?」


ドレミー 「だいじょうぶです」


サグメ 「…」コクンッ


さとり 「それではまず私からの質問です」


さとり 「無口から聞いた話ではサグメさんが口を滑らせたせいで話せなくなったと聞きました あなたは普段話さないようしているんですよね?」


サグメ 「…」コクンッ


さとり 「それではなぜ口を滑らせてしまったんですか?普段話さないようしているなら口を滑らせることはないかと思いますが?」


サグメ 「…それは…」


ドレミー 「サグメ様 私が話しますので口を閉ざしていてください 言葉が逆転してしまっては困りますので?」


サグメ 「…わかったわ」


さとり 「いえ、サグメさん あなたからお聞きしたいです」


サグメ 「…っえ?」


ドレミー 「さとりさん サグメ様の能力は言葉を逆転させてしまうので…」


さとり 「言葉に出さなければ逆転はしませんよね?」


ドレミー 「…っえ?」


さとり 「わたしはさとり妖怪です 相手の心を読むことができるので心の中で教えれば能力は発揮されませんよね?」


サグメ 「…はい 言葉に出さなければ…」


さとり 「それなら心の中で教えてもらえますか?直接本人から聞いた方が確実なのでお願いします」


サグメ 「…わかりました」


サグメ 「(…今、聞こえていますか?聞こえていたら返答ください)」


さとり 「聞こえています それではお話しください」


サグメ 「(わかりました)」


サグメ 「(…無口、でしたよね?無口が話せなくなる前に私とあの方は夜、一緒にお酒を飲んでいたんです)」



サグメ 「(充分に気をつけながらお酒を飲みながら話していたんですが…)」



ーーーーー


ーーー













過去ー月の都 茶の間



サグメ 「っん…ふぅ やはり夜のお酒は美味しいですね?」


過去無口 「そうですね 仕事終わりのお酒はおいしいですね」


サグメ 「いつも仕事をまじめにやってくれているのですごく助かっています ありがとうございます」


過去無口 「いえ、自分は当たり前のことをしてるまでです 気になさらないでください」


過去無口 「それよりサグメ様 お酒が入ってるからか口が多いですよ?」


サグメ 「おっと、これは失礼しました?どうもお酒が入ると口が開いてしまいます」


過去無口 「気をつけてください 口を滑らせて逆転してしまっては元の子もありませんからね」


サグメ 「そうですね 気をつけます」


過去無口 「…それよりも、なぜお酒を飲む相手が自分なんですか?へカーティア様やドレミー様を相手にした方がよかったのでは?」


サグメ 「とくに意味はありません ただなんとなくです 嫌だったでしょうか?」


過去無口 「いえ、だれも嫌とは言っていませんよ?むしろ嬉しいことです」


過去無口 「自分もサグメ様と一緒に飲めて嬉しいです 他の方だと落ち着いて飲めませんからね」


サグメ 「…まぁ、あの方たちは一度飲み始めるとちょっと…ね?」


過去無口 「そうなんですよ…一度飲んだら止まらない上にもっと飲めと言ってきて無理矢理飲まされるんですよ…自分は部下なので断るわけには行かず、無理して飲みますが…」ハァ…


サグメ 「すみません あの方たちもあなたを悪くしてるつもりじゃないんですが…」


過去無口 「サグメ様が謝ることはありません それにそうではないとわかっていますから安心してください


過去無口 「へカーティア様やドレミー様は上司部下関係なしで飲んでいることはわかっています こんな部下である自分を誘ってお酒を一緒に飲んでくださるなんて光栄です」


サグメ 「…そうでしたか それなら安心しました」


2人 「「…」」


過去無口 「…それにしても、本当に静かな夜ですね?皆さんはもう就寝についたんでしょうか?」


サグメ 「どうでしょう?それは私にもわかりかねます」


過去無口 「あはは…それもそうですね?」


サグメ 「…」


過去無口 「…それにしても、本当にサグメ様は大変ですね?話すとき、考えながら話さないと言葉が逆転して現実になってしまうからかわいそうです」


サグメ 「もう慣れましたよ 生まれた時からこの能力が付いていたんですから今さらなんとも思いません」


過去無口 「でも、話しにくいことには変わりないですよね?」


サグメ 「そうですね 確かに話しにくいことには違いありません…ですが、あなたやドレミー、へカーティアは私のことを良く知っているので多少口に出せば、私がなにを考えてるのかすぐわかるではありませんか?」


過去無口 「まぁ 全部とは言いませんが多少ならわかりますが…」


サグメ 「それだけでも私には嬉しいことです まったく話せないより、少しでも話せるんですからこれ以上の要求は贅沢です」


過去無口 「…さようですか」


サグメ 「あなたも私と同じ能力が付けば、私の気持ちがわかるかも知れませんね?」


サグメ 「【あなたも私と同じ能力が付けば…ね?】」


過去無口 「っ!! サグメ様!今の言葉は!!」


サグメ 「しまっ!?」ハッ


キィンッ!!


過去無口 「っ!!!?」ゾクッ


サグメ 「(まずい!能力が!?)」


過去無口 「…」


サグメ 「…だっ大丈夫ですか?」


過去無口 「…」スクッ


タッタッタッ…


サグメ 「…やってしまった…気をつけていたのに…反転してしまった…」


サグメ 「…あぁっ!なんてことを!」


タッタッタッ…


ドレミー 「サグメ様 お酒を飲んでる最中申し訳ありませんが…ってあれ?あの人は?」


サグメ 「…ドレミー…私、どうしたら!」


ドレミー 「…なにかあったんですか?ものすごく嫌な予感がするんですが…」


サグメ 「…その、嫌な予感は的中しています」


ドレミー 「っ!!」


ーーーーー


ーーー













過去無口の部屋



過去無口 「…」スッ…


バキッ!!


過去無口 「…」大切にしていた筆を自らの手でまっぷたつに折る


過去無口 「【…筆 修復される】」


シュゥゥ… 折れた筆は徐々に修復され、折れたところは完全にくっつく


過去無口 「…」


過去無口 「(…やっぱり、サグメ様の逆の能力が付いてる…)」


過去無口 「(サグメ様の能力は口に出すと事態を逆転させる程度の能力だから、俺は口に出すと事態を現実にさせる程度の能力と言ったところかな?)」


過去無口 「(…サグメ様…だからあれほど口を滑らせないようにと言ったのに…)」


過去無口 「…」


…コンコンッ


ドレミーヨ ナカニハイッテイイカシラ?


過去無口 「…どうぞ」


スー…


ドレミー 「…邪魔するわ」


過去無口 「…どうかしましたか?今自分は…」


ドレミー 「わかってるわ 今さっきサグメ様に聞いたわ」


過去無口 「…」


ドレミー 「…怒ってるかしら?サグメ様のこと」


過去無口 「…」


ドレミー 「…サグメ様の逆の能力だから、口に出した言葉を真実にする能力がついたと考えていいのかしら?」


過去無口 「…そうです」


ドレミー 「…また厄介な能力が身についたわね 夢を操る(主に出入りする)能力がついてる上に口に出した言葉を真実にする能力…能力が2つ付いて、逆に羨ましいわ 私も能力が二つついたらさぞ嬉しいことやら?」


ドレミー 「…話せなくなるのはごめんだけどね」


過去無口 「…」


ドレミー 「…ねぇ その能力って自分に使うことは出来ないの?」


過去無口 「…無理でした 試してみましたがなにも…」


ドレミー 「…そう 自らに対しては発揮されないのね?それはまためんどうね」


過去無口 「…ドレミー様 サグメ様は落ち込んでいましたか?」


ドレミー 「…えぇ 落ち込んでいたわ やってしまった…ってね?」


過去無口 「…そうですか」


ドレミー 「…とりあえず、もう1度サグメ様に会いに行ったら?今も後悔して部屋に閉じこもってるはずよ」


過去無口 「…いえ、いいです 今の状態で会いに行ったら…」


ドレミー 「…それもそうね わかったわ」


ドレミー 「それじゃ、落ち着いたらもう1度サグメ様に会いに行きなさい?怒ってる怒ってないは置いといて、サグメ様だって反省してるから許さないにしても安心させてあげなさい いいわね?」


過去無口 「…わかりました」


ドレミー 「それじゃ、失礼するわ」


タッタッタッ…


過去無口 「…」


ーーーーー

ーーー













ーーー

ーーーーー



サグメ 「(私が話せるのはここまでです ドレミーから聞いた話もここまでなのでこれ以上は…)」


さとり 「…そうですか それで無口はしゃべれなくなったんですか…」


サグメ 「(次の日からあの方は忽然といなくなっていました 誰にもどこに行くのかの連絡を伝えず、姿を消したんです)」


サグメ 「(本当にあの方には申し訳ないことをしてしまいました 私が酔って、口を滑らせていなければ…)」


さとり 「…」


ドレミー 「…無口の過去は大体わかりましたか?」


さとり 「はい 大体はわかりました」


ドレミー 「理解してもらえましたか?無口の能力がどれほど危ないものか?」


さとり 「危ない能力と言うのは理解します …ですが、無口は帰りたがらないので返すわけにはいきません」


ドレミー 「…サグメ様と一緒で、間違って口を滑らせる危険があるんですよ?それでもここに居させようとしますか?」


さとり 「それは帰させても同じことではないですか?あなた方のもとに帰らせても口を滑らす危険性はあるはずです」


ドレミー 「そっそれはそうですが…」


さとり 「ならここに居させても変わらないのですから無理に帰らせなくともここに居させてもいいのではないでしょか?」


ドレミー 「うっ…たっ確かにそうですが…」


サグメ 「(…さとりさん お聞きしたいことが?)」


さとり 「なんでしょうか?」


サグメ 「(…あの方はわたしのことを怒っていましたか?あの方がいなくなってからわたしはずっとあの方が今どうしてるのか心配でした)」


サグメ 「(あの方がいなくなってから約数ヶ月…今のいままでずっと探していましたが見つからず、もしかしたらどこかで命を落としたんじゃないかと思っていました)」


サグメ 「(わたしが口を滑らせていなければ、あの方はこのようなことをしていなかったはず…私のせいであの方は…)」


さとり 「…サグメさん…」


さとり 「…怒っているかは私もわかりませんが夢の中でドレミーさんと対面してる時にはものすごく怒っていました」


さとり 「あいつのせいで俺は話せなくなった…絶対に許さないっと?」


サグメ 「(…やはり、そうですか…)」


サグメ 「(やはりあの方は怒っていますか…当然ですね?怒らないわけがありませんよね)」


サグメ 「(【…小宮さん…】)」


さとり 「…小宮とは、無口の名前ですか?」


サグメ 「(…はい あの方の本名は小宮澪(こみやみお) わたしに唯一、親しんでくれた人間です)」


サグメ 「(わたしは基本的に話せないので誰がと仲を取ろうとしてもなかなかとれず、月の都に住んでる人間とは上司と部下と言った関係だったんです)」


サグメ 「(わたしと話をして口を滑らされたら何が起きるかわからない…だから月の都の人間とは仲が良くなかったんです)」


サグメ 「(…ですが、小宮さんだけは違いました 他のみなさんとは違い、わたしとよくお話をしてくれました)」


サグメ 「(わたしがあまり話せないことを知っているため、はいかいいえで答えられる内容でよくお話をしてくれました)」


サグメ 「(はいかいいえでしたら首を縦に振るか横に振るだけでもできるのですごく話しやすかったです これなら口に出さなくともお話ができて、私は嬉しかったです)」


サグメ 「(時々はいかいいえでは答えられないことも言ってきたりもしましたが簡単に答えられるような内容ばかりでしたので口を滑らす心配もありませんでした)」


サグメ 「(本当にあの方には感謝しています 今まで人間と親しむことが出来なかったのに小宮さんのおかげでたった一人といえど、親しむことができました)」


サグメ 「(…それなのにわたしは、お酒に溺れたせいであの方に口を滑らせてしまって…あの時、お酒を飲んでいなければ…)」


さとり 「…サグメさん…」


ドレミー 「…大体のことは聞けたでしょうか?」


さとり 「…えぇ サグメさんが無口のことをそこまで思っていたとは思いませんでした 無口はあなたの事をかなり怒っていたので一体どんな人かと思っていましたが…見当違いでしたね」


さとり 「…ですが、わたしからはなんとも言えませんね サグメさんの思いは凄く伝わりました これなら無口を帰しても平気かと思います」


ドレミー 「…あとはあの方の意思ってことですね?」


さとり 「そうですね 後でこのことを無口に伝えますが帰るかどうかまでは分かりません もし帰りたがらなかった場合には…」


サグメ 「…」


ドレミー 「…」


さとり 「…その時は、お諦めください」


サグメ 「…わかりました」


ーーーーー

ーーー












夜ー無口の部屋



無口 「…」


無口 「…サグメ様…」


無口 「…」


…コンコンッ ムクチ イマイイカシラ?


無口 「…どうぞ」


ガチャッ


さとり 「じゃまするわ」


無口 「…どうでしたか あの方の思考は…?」


さとり 「…正直、私も納得するほど後悔していたわ あなたには本当に申し訳ないことをしたとずっと心の中で言っていたわ」


さとり 「あの様子ならあなたが帰ったとしても、害を及ばすことはないと思うわ」


無口 「…そうですか…」


さとり 「…どうする?あなたは帰りたくないと言っていたけど…正直、わたしはどちらでもいいわ」


さとり 「あなたが帰りたいのなら帰ってもいいし 帰りたくないのならここで今まで通り、仕事をしてもらうわ」


さとり 「強制はしないわ あなたの好きな方を選びなさい」


無口 「…」


さとり 「…」


無口 「…すみません 少し時間を…もらえますか?まだどうすればいいか…」


さとり 「…わかったわ できる限り早めに頼むわね?」


無口 「…はい…」


さとり 「…それじゃ、おやすみなさい」


無口 「…おやすい、なさい…」


ギィィ…パタンッ


無口 「…」


無口 「…サグメ様 俺は…どうすれば…」


無口 「(あの方がわざとやったわけじゃないことは知ってる…別に怒ってるわけじゃない いや、怒ってなんかいない!)」


無口 「(あの時は感情を高まらせてサグメ様のことを怒ってるように言ったがサグメ様が反省してることなんてわかってた!だから怒る必要なんてなかったはず!それなのに俺は…)」


無口 「…本当にすみません…サグメ様…」


ーーーーー

ーーー












夢の中



無口 「…っん…んんっ?」スゥ…


無口 「…あれ?ここは…?」


ドレミー 「目が覚めたようね」


無口 「っ! ドレミー様!」


ドレミー 「あら?様づけで呼んでくれるのね 呼び捨てで呼ばれるんじゃないかと思ったわ」


無口 「…何の用ですか?イラついて自分を殺しに来ましたか?」


ドレミー 「あなたを殺したらわたしがサグメ様に殺されるわ それに殺す気なんてさらさらないけどね?」


無口 「なら何しにきたんですか?夢の中まで入ってきて」


ドレミー 「わたしは別にないわ あるのはそこにいる方よ」スッ 無口の後ろを指差す


無口 「…っえ?」



サグメ 「…小宮さん…」


無口 「…さっサグメ様…」


ドレミー 「サグメ様があなたに口で話したいことがあるってことで夢の中に入ってきたのよ 二人の能力は使えないようしてあるから話すなら今のうちよ」


無口 「…」


サグメ 「…小宮さん 本当にもうしわけありません 私のせいであなたは私と同じで話ことができなくなってしまいました」


サグメ 「謝って許されることではないとわかっています それでも謝らせてください」


サグメ 「本当にもうしわけありません!」スッ 無口の前で土下座をして謝る


無口 「さっサグメ様!土下座なんてやめてください 顔を上げてください!」


サグメ 「だめです!わたしがお酒に溺れていなければあなたは私と同じになることはありませんでした!私のせいであなたは…!」


無口 「わざとじゃないことはわかっています 口をすべらせたと自分でもわかっているので怒っていません だから顔を上げてください!」


サグメ 「ですが!わたしが口をすべらせたことには変わりません!わたしが気をつけていれば!」


無口 「~っサグメ様!!」ガバッ


グイッ!!


サグメ 「っ!」無口に前から肩を掴まれて無理やり上体を起こされる


無口 「自分は怒っていません!サグメ様がわざとやったんじゃないとわかっているので土下座をやめてください!」


無口 「部下である自分の前で土下座なんてしないでください!それこそ自分は許しません!」


無口 「あたまを下げていただいたことは嬉しい限りです!部下である自分に、まして言葉で謝りに来てくれただけでもありがたいと思っています!」


無口 「ですが土下座はやめてください!土下座で謝るなら豊姫様や依姫様の時だけにしてください!部下の自分に土下座で謝らないでください!」


サグメ 「…では、どうすればあなたは私を許してもらえますか?あなたが怒っていないと言っても私の気が収まりません どうすればいいのか教えてもらえませんか?」


名無し 「どうすればって…自分は気にしてないと…」


サグメ 「…お願いです なんでもいいので私に罰を与えてください」


サグメ 「あなたには今後生きていくために必要な言葉を失わせてしまったんです そんな重罪なことをして言葉だけで許してもらおうなんて考えていません」


サグメ 「なんでもします!なのでお願いします!わたしに罰を与えてください!」


名無し 「…サグメ様…」


ドレミー 「…まったく、これじゃ埒が明かないわね?」ハァ…


ドレミー 「小宮 サグメ様がそう言ってるんだからなにか罰を与えてあげたら?」


無口 「しっしかし…」


ドレミー 「これじゃ埒が明かないわ なんでもいいって言ってるんだから早くお願いしてサグメ様の気を治めなさい そっちの方が先決だと思わない?」


無口 「…」


サグメ 「…小宮さん…」


無口 「…本当に、なんでもいいんですか?」


サグメ 「…はい なんでもいいです あなたの気が済むようにしてください」


無口 「…わかりました それではサグメ様 少々目をつぶってもらえませんか?」


サグメ 「…わかりました」スッ…


無口 「…失礼します」スッ…



…ギュッ


サグメ 「…っえ?」無口に抱きつかれる


無口 「…」


サグメ 「…あの、小宮さん?一体なにを…?」


無口 「無理しないでください 心音、高鳴ってますよ?」


サグメ 「っ!」ドキッ!!


無口 「なんでもすると言っておきながら心音が高鳴ってるのはなぜですか?自分がなにか性的なことをお願いすると思いましたか?」


サグメ 「…そっそれは…」


無口 「たしかに自分は男です 正直迷いました なんでもいいと言われたのですからそういうことをお願いしようかと考えてしまいました」


無口 「あなたのような素敵な方とできたら、さぞかし幸せだろうと考えてしまいました 不埒なことを考えてしまいもうしわけありません」


無口 「自分はそのようなことはお願いしません なので安心してください」


サグメ 「…小宮さん…」


無口 「これでおあいこです 上司のあなたのことを不埒なことをしようとした考えは自分の言葉を話せなくしたサグメ様と同じくらい罪が重いです」


無口 「なのでもうサグメ様に罪はありません そして、もう自分に関わることはしなくて平気です」


サグメ 「…だめです そんなことでは私がしたことは償えません!」


サグメ 「あなたはただ考えただけで行動には移してません わたしは行動に移してしまいました!」


サグメ 「罪は私の方が大きいです!格段と大きいです!あなたの罪とは桁が違います!」


サグメ 「小宮さん 本当になんでもいいので私に罰を与えてください!そうでなければわたしの気が収まりません!」


無口 「…そんなに罰を与えてほしいんですか?」


サグメ 「はい なんなりと言ってください」


無口 「…わかりました ではサグメ様」


無口 「【自分と…もう二度と関わらないでください】」


サグメ 「…っえ?」


無口 「…それがあなたに与える罰です それで自分は許します なので…」


無口 「…もう、自分と関わるのをやめてください」


サグメ 「…なんでですか」


サグメ 「なんでそんな罰にするんですか!!さすがにそれはやり過ぎですよ!!」


無口 「なんでもいいと言っていたのでその罰にしました なのでもう自分と関わらないでください」


サグメ 「いやです!それは絶対にいやです!!」


サグメ 「わたしはどんな事があってもあなたに帰ってきて欲しいんです!その罰は聞き入れられません!」


サグメ 「お願いです小宮さん!別の罰にして私の元に帰ってきてください!その罰以外ならなんでも聞きますから!」


無口 「…ごめんなさい サグメ様」スッ… サグメから離れる


サグメ 「待って!行かないでください!!」ガシッ 離れていく無口を抱きしめる


無口 「ドレミー様!夢を切ってください!」


ドレミー 「…本当にそれでいいの?」


無口 「…はい これでいいんです」


サグメ 「よくありません!小宮さんお願いです!なんでもしますので帰ってきてください!」


サグメ 「私の元から離れないでください!あなたを失いたくありません!お願いです小宮さん!」


無口 「…」


サグメ 「小宮さん!!」


ドレミー 「【…みんな、夢から目覚めます】」


サグメ 「待って!小宮さんを説得するまで夢を解かないでください!」


無口 「…」スッ… サグメから離れる


サグメ 「っ! 小宮さん!」スッ!!


バチィンッ!!


サグメ 「いっつ!これは…夢結界!?あなた、なぜ能力を!?」


無口 「…自分は使っていません おそらくその夢結界は自分の夢はここから先でサグメ様は入れないみたいですね 自分の夢の中には?」


サグメ 「そんな!?お願いです小宮さん!行かないで!戻ってきて下さい!!」


無口 「…さよなら サグメ様」タッタッタッ…


サグメ 「小宮さん!」バチィンッ!!


サグメ 「っつ〜!!」


無口 「…」タッタッタッ…


無口 「(…さよなら サグメ様…)」


ーーーーー

ーーー












それから数カ月が過ぎた…


サグメ様とはあの時以来もう会うことはなかった ちゃんと自分との約束を守ってくれていると無口は思った


さとり様も自分が残ることを許可してくれて今も地霊殿で働いている あまり話せないのは変わらずだが…


さとり様もあの時以来悪夢を見ることはなく、普通の生活を取り戻して元気にやっている 元気になって本当によかった


…元気にやっているか言うと、サグメ様やドレミー様は今頃元気でやっているのだろうか?よくそんなことを頭の中で横切る


あの時、サグメ様は行かないでほしいと言っていたのに無口はそれを聞かないで離れていった…


あの時、無口は行かなかったらサグメ様は悲しまずに済んだと今でも思っている あの時のサグメ様の悲しそうな顔…今でも忘れられない


…もう一度会えたら、自分と2度と関わらないでくださいと言ったことを謝りたいと無口は思っていた だって、俺はサグメ様のこと…


そんなことを思っていた次の日の朝、まさかの自体が起きた それは…











朝ー地霊殿 玄関前通路



名無し 「…」サッサッ… 廊下の掃除をしている


名無し 「(…よし ここはもう大丈夫だな?次は大広間前通路を…)」


コンコンッ


ゴメンクダサーイ


名無し 「…?」ピクッ


名無し 「(…今の声、ドレミー様?いや、それはありえないか ただ声が似てただけか?)」


名無し 「(それより俺だと話しにならないから誰かに任せないと…)」


…イナイノカシラ?


コミヤー イタラデテキテモラエル?


無口 「っ!? やっぱりその声…まさか!」タッタッタッ…


ガチャッ


ドレミー 「っお?まさかあなたが出てくるとは思わなかったわ」


サグメ 「…」


無口 「サグメ様!それにドレミー様まで!一体どうなされたんですか?もう自分とは2度と関わら…ないよう言ったはずでは?」


ドレミー 「いやぁ?それがね…」


サグメ 「…追い出されたんです 依姫様に…」


無口 「っえ!?依姫様に!?」


無口 「嘘言わな…いでください!そんなことあるわけが…」


ドレミー 「うん あるわけないわね?まして依姫様たちが私はともかく、サグメ様を月の都から追い出すわけないわね」


無口 「そっそれではなぜサグメ様は追い出さ…れたと?」


サグメ 「…正確に言えば、追い出してもらいました」


無口 「…追い出してもらった?一体何のために?」


ドレミー 「あっ私巻き添いね?まぁサグメ様が1人でどこかに行くのはあぶないからわたしも追い出してもらったんだけどね」


ドレミー 「…サグメ様はあれからずっと悩んで落ち込んで、仕事も手つかずにずっと部屋の中で反省していたのよ」


ドレミー 「あなたが2度と関わらないでくださいなんて言うからサグメ様かなり落ち込んでいたのよ?なんでそんな罰にするのかってずっと言ってたんだから」


サグメ 「ドレミー!?」


無口 「…追い出された事情は分かりました それで、追い出してもらってなぜ自分のもとに来たんですか?」


ドレミー 「そこはここの主、さとりさんと一緒にかねて話すわ 今さとりさんはいる?」


無口 「はい 少々待っ…ていてください 今聞いてきます」


ドレミー 「お願いするわ」


タッタッタッ…


ドレミー 「…」


サグメ 「…ドレミー なぜあのような事を話したんですか?私のことは話さなくとも良かったのでは?」


ドレミー 「ちゃんと反省していたことを知らせただけです 別に問題ないでしょう?」


サグメ 「…あまり話さないでもらえますか?たしかに私は反省…していましたが…」


ドレミー 「それならド正直に小宮のことが好きで追いかけてきたと言った方が良かったですか?」


サグメ 「っな!!!?」///カァァ!!


ドレミー 「たしかに小宮はサグメ様とは違って普通の人間です 人間と賢者がくっつくなんて依姫様たちが知ったら否定するでしょうからね?」


ドレミー 「本当にあの方は頭が固いんですから?別に普通の人間とくっついてもいいかと私は思うんですけどね?」


サグメ 「ちょっ!?いきなりなにを言ってるんですか!私は別に小宮のこと…」///


ドレミー 「好きなんでしょ?小宮のこと」


サグメ 「〜っ!!!!!!」カァァ!!


ドレミー 「…それとも、私がもらってしまっていいんですか?」ニヤッ


サグメ 「それはだめです!絶対に小宮は渡しま…っ!!」///


ドレミー 「おっと?気をつけてくださいねサグメ様 渡しませんなんて言ったら逆転してしまいますからね?」ニヤニヤッ


サグメ 「ーっ!!」(//Ծ﹏Ծ//)ぐぬぬ…


ドレミー 「大丈夫ですよ 私は小宮のこと普通と思ってるので取ったりしませんよ!」


サグメ 「…別に、私も普通ですけど…」///


ドレミー 「先程小宮は渡しませんと言おうとしてた方がなにを言いますか?」ニヤニヤッ


サグメ 「…うるさいです」///


サグメ 「(まったく…ドレミーは私が小宮さんのこと好きなことを知ってるからいつもからかってきて…万が一、口を滑らせてしまったらどうするんですか?)」


サグメ 「(私が小宮さんを渡しませんと言ったら逆転してドレミーに渡すことになってしまいますから気をつけて話さなければ…)」


ガチャッ


さとり 「お待たせしました 無口に知らせを聞いて参りました どうぞ中へ?」


ドレミー 「お邪魔するわ」タッタッタッ…


サグメ 「お邪魔します」タッタッタッ


さとり 「…サグメさん ちょっと聞いてもよろしいでしょうか?」ヒソヒソ


サグメ 「? はい、なんでしょうか?」ヒソヒソ


さとり 「…心の中で思うのは勝手ですが私には聞こえてるので気をつけた方がよろしいですよ?」


サグメ 「っ!!!?」///ドキッ!!


ドレミー 「? どうかしましたか?サグメ様 急に顔を赤らめさせて」


サグメ 「っえ!?あっいえ、なんでもありません…気にしないでくれるとありがたいです」///


ドレミー 「?」


サグメ 「(ひっ人が考えてることを見るのやめてください!迷惑ですよ!)」


さとり 「そんなことを言われましても…私の能力は自分の意思関係なく見てしまうので見ないよう言われても無理です」


サグメ 「(そっそうなんですか?)」


さとり 「はい …まぁしようと思えばできますけど?」


サグメ 「(できるならしてくださいよ!プライバシー侵害です!)」///


さとり 「プライバシー侵害って…能力を使わないようするには事前に目を閉じていればできる事で自然には目を閉じることができないんです」


サグメ 「(うぅ〜っ!!きっ聞かれたくないことを聞かれてしまいました…恥ずかしいです!)」(´>///<`)


さとり 「大丈夫ですよ 無口には黙っておきますので?」


サグメ 「(そういう問題ではないかと思いますが!?)」


ドレミー 「…あの、何の話してるかだいたい予想はつきますけど早く行きませんか?」


さとり 「そうですね 行きましょう」


サグメ 「…」///プシュー…


ーーーーー

ーーー












地霊殿ー客間



無口 「…どうぞ」コトッ サグメとドレミーの前にお茶を置く


ドレミー 「ありがとう」


サグメ 「ありがとうございます」


無口 「…」タッタッタッ…カタッ さとりの隣に座る


さとり 「…では、早速ですが無口からあなた方が月の都から追い出されたとお聞きしました それは本当ですか?」


ドレミー 「はい とは言っても追い出されたのではなく追い出してもらったと言った方がいいでしょう」


ドレミー 「サグメ様は無口に口を滑らせて話せなくさせてしまってからずっと反省をしていました そして数ヶ月前に私の能力を使って夢の中で無口に謝罪したんです」


ドレミー 「ですがサグメ様はただ謝っただけでは罪を償えないと思い、罪を償うためになんでもすると口に出したんです」


さとり 「…っえ?なんでもすると…?」


ドレミー 「はい それで無口がお願いしたことはサグメ様とは今後一切関わらないようすることを命じてきたんです」


さとり 「っえ!?それは本当なの無口!あなたそんなことを言ったの!?」


無口 「…はい 言いました」


さとり 「…」


ドレミー 「それからサグメ様はその罰を受け入れて数ヶ月間月の都で無口と一切関わらずにしてきました …ですが、やはりそうはいきませんでした」


ドレミー 「その日からサグメ様は仕事に支障が出たのはもちろん 食事もまともに取らなくなって何度か倒れているんです」


無口 「っえ!?」


サグメ 「…」


ドレミー 「そんな日々を送っていたんですがやはりサグメ様は今後一切関わらない罰では罪を償えないと思い、月の都の指揮者 綿月依姫様に自ら追い出してもらうよう頼んだんです」


ドレミー 「もちろん反対されました 月の賢者であるサグメ様を追い出すことなんて絶対にするわけがありません」


ドレミー 「…ですが、それでもサグメ様は追い出してもらうよう頼みました たかが1人の部下を一生話せなくなったぐらいでサグメ様を追い出すことはできないと何度言われても諦めませんでした」


ドレミー 「…そしてサグメ様は何度言っても聞こうとしなかった依姫様に」


ドレミー 「【逆転させてもいいならもう一度断ってみなさいと脅しを入れたんです】」


無口 「…よっ依姫様に脅しを…?」


ドレミー 「そうですよね?サグメ様」


サグメ 「…はい 本当です」


無口 「…なぜそこまでして自分のために罰を受けようとしたんですか?まして依姫様に脅しを入れるなんて誰もがやろうとしないことを?」


ドレミー 「簡単なことよ サグメ様はあなたのこと好っむぐ!」


サグメ 「…」///ドレミーの口を塞いで話させないようする


無口 「…自分が、なんですか?」


サグメ 「…聞かないでもらえるとうれしいです」///


無口 「?」


さとり 「…」


ドレミー 「…まぁそれはさておき、とある理由があってそこまでして追い出してもらったとだけ言っておくわ これ以上聞かないでね?」


無口 「…わかりました」


さとり 「…それで、追い出してもらった理由はわかりましたが私に用があってここに来たと言ってましたね?その用とは一体どのような用なんでしょうか?」


ドレミー 「…失礼を承知に聞きますが、今この屋敷では使用人の数は足りているでしょうか?」


さとり 「っ! …いえ、少々物足りないと言ったところでしょうか?あと二人ぐらい居れば丁度というところですね(なるほど そういうことですか?)」ニコッ


ドレミー 「もし良かったらなんですが…私たちをここで雇ってもらえないでしょうか?」


サグメ 「…お願いします」


さとり 「…そうですね 私は一向に構いませんが…無口 あなたはどう思う?」


無口 「…っえ?」


さとり 「今この地霊殿は人手不足であと二人ぐらい居れば安定するのだけど…あなたは2人をここで働かせていいと思う?」


無口 「…なっなぜ自分に聞くんですか?自分ではなくさとりさんが決めるのが…普通では?」


さとり 「…自分でもわかってるんじゃないの?あなたはサグメさんに二度と関わらないようするように言ったんでしょ?」


さとり 「今ここで2人を受け入れれば約束を破ることになるわ それでもいいのかと聞いてるのよ」


無口 「…そっそれは…」


サグメ 「…」


ドレミー 「…」


無口 「…もう、月の都に戻る気は…ないんですか?」


サグメ 「…はい ありません」


無口 「今までとの生活と…まったく違ってもですか?」


サグメ 「承知の上です」


無口 「…少々、時間をください」カタッ タッタッタッ…


ドレミー 「っえ?」


さとり 「無口 どこへ行くの?まだ話は終わってないわよ」


無口 「…すぐ戻ります 真実を知るために」ガチャッ タッタッタッ…


パタンッ…


さとり 「…真実を知るために?」


ドレミー 「…まさか」


サグメ 「…」


ーーーーー

ーーー












ーーー

ーーーーー



月の都ー訓練場



兎兵士 「やぁー!」ガキンッ!!


兎兵士 「てやー!」ガァンッ!!


依姫 「もっと力を入れてふれ!そんなんじゃ誰にも勝てないぞ!」


兎兵士 「はい!」


依姫 「…」 ヤァー!ファター!


依姫 「(…サグメ様 あなたは本当に地上へ降りたのですか?あなたのような方が地上へ降りる必要などなかったのに…)」


依姫 「(一人の部下のためになにをそこまでして気にしていられるのか…たしかにサグメ様と親しい方だとはご存知でしたがなにもそこまでしなくても…)」


依姫 「(…やはり、追い出さなければ…こんなことには…)」


月の兵士 「よっ依姫さまー!」タッタッタッ!!…


依姫 「なんだ?そんなに急いでどうかしたか?」


月の兵士 「らっ来客です!サグメ様の部下 小宮澪が今そこに!」


依姫 「なにっ!小宮が!?」


兎兵士 「っえ!?小宮さん帰ってきたんですか!?」


兎兵士 「地上に降りたはずじゃないんですか!?」


依姫 「…わかった おそらく私に用があって来たのだろう 今行く」


兎兵士 「よっ依姫様!私たちも小宮さんに会ってもいいでしょうか!」


兎兵士 「私たちもあの方に会いたいです!なぜ突然いなくなったのかを聞きたいです!」


依姫 「だめだ お前たちはここで練習をしてろ」


兎兵士 「お願いです!小宮さんは私たちにとって大事な存在なんです!」


兎兵士 「そうです!突然いなくなった理由を聞きたいです!」


依姫 「だめだ!お前たちが会う必要は無い!」


兎兵士 「依姫様!!」


豊姫 「騒がしいわね どうかしたの?」タッタッタッ…


依姫 「お姉様 実は今小宮がここに来てるそうで…」


豊姫 「っ! …そう、そういうことね」


兎兵士 「豊姫様!依姫様に私たちにも小宮さんに会う許可をくださるよう説得をお願いします!」


兎兵士 「お願いします豊姫様!この通りです!」


豊姫 「…」


依姫 「…兎たちをお願いします お姉様」


豊姫 「…わかったわ」


兎兵士 「豊姫様!!」


豊姫 「悪いけど、今回ばかりは私ではどうにもできないわ あなたがちゃんと謝りなさいよ?」


依姫 「…わかっています」


兎兵士 「…っえ?依姫様が謝る…?」


兎兵士 「一体何の話をしてるんですか?豊姫様」


豊姫 「あなた達には関係ないわ それと小宮ならあとでここに来ると思うからそれまで待ってなさい?」


兎兵士 「…わかりました 来て下さるならそれで構いませんが…」


豊姫 「…気をつけなさいよ?依姫」


依姫 「…はい」


タッタッタッ…


豊姫 「…」


兎兵士 「…あの、豊姫様 依姫様は一体、小宮さんになにをしたんですか?謝るよう言ってましたが…」


豊姫 「…サグメ様のことでちょっと…ね?」


兎兵士 「…っえ?」


ーーーーー

ーーー












ーーー

ーーーーー



月の都ー出入口前



月の兵士 「…」スチャッ 槍を構えていつでも攻撃ができるよう構えている


月の兵士2 「…」チャキッ


小宮 「…」2人から槍を構えられているが微動だにしない


月の兵士 「…一体何のようでここに来た?小宮」


月の兵士2 「地上に降りたやつがなぜここに来た!汚れものめ!」


小宮 「…依姫様に用があって来た それがなにか?」


月の兵士 「依姫様はお前に用なんかない!今すぐ帰れ!」


月の兵士2 「お前はもう月の都の住民じゃない!今すぐここから立ち退けろ!」


小宮 「…なんだ?お前らは俺を怒らせたいのか?」


小宮 「言葉にしたことを現実にする能力を得た俺と戦いたいのか?お前らなんか一言で…殺すことだってできるんだぞ?」ニヤッ


月の兵士2人 「「っ!!」」ゾクッ!!


小宮 「お前らなんかに用はない 邪魔しないで…ほしい」


月の兵士 「ーっく!」



依姫 「…」タッタッタッ…


月の兵士 「…よっ依姫様!」


月の兵士2 「おっお疲れ様です!」


小宮 「…」


依姫 「…久しぶりだな小宮 元気にしていたか?」


小宮 「…はい 依姫様も元気そうで…なによりです」


依姫 「…そうか」


小宮 「…なぜ自分がここに来たのかおわかりですよね?」


依姫 「…わかっている ここで話すのもなんだ 来客間で話そう」


小宮 「…わかりました」


月の兵士 「依姫様!こんな奴と話す必要なんてありません!」


月の兵士2 「そうですよ!こいつはサグメ様を精神的に追い詰めた大罪人なんですから話す必要なんてないです!」


小宮 「…っあ?誰か追い詰めたって?」ピクッ


月の兵士 「お前だよ!お前のせいでサグメ様は地上に降りたんだ!お前がサグメ様を追い詰めなければ!!」


依姫 「だまれっ!!!!」キーンッ!!


月の兵士2人 「っ!?」ドキッ!!


依姫 「貴様らは黙ってろ!お前たちが口出しする必要はない!」


月の兵士 「…よっ依姫様…?」


小宮 「【…2人とも 頭を下げて依姫様に謝れ】」


月の兵士 「っ! もっ申し訳ありません!依姫様」バッ!!


月の兵士2 「本当にすみません!」バッ!!


依姫 「…これがお前の能力か 小宮」


小宮 「…はい サグメ様の反対、言葉にしたことを…現実にする能力です」


小宮 「これを使えばあなたであろうと…殺すことは容易いです 一言でね?」


依姫 「…今となっては敵に回したくない者だな 言葉にしただけで殺されるなんてたまらないな」


小宮 「安心してください 自分はむやみにそのような事を…言わないようしているのでなにかない限りは言う気はありません」


依姫 「…そうか ならいいのだが…」


依姫 「…お前たち いつまでも扉の前にいないで横につけ 通り道にじゃまだ」


月の兵士 「はっはい!失礼しました!」バッ!!


月の兵士2 「どうぞお通り下さい!」ガチャッギィィ…


依姫 「付いてこい」


小宮 「はい」


タッタッタッ…パタンッ


月の兵士 「…」


月の兵士2 「…マジもんだったな あいつの能力…」


月の兵士 「…そうだな あいつが言ったら身体が勝手に動いたぜ…」


月の兵士2 「…依姫様 大丈夫だろうか?」


月の兵士 「…たぶん…」













来客間



依姫 「…お茶だ」コトッ


小宮 「ありがとうございます」カタッ


依姫 「…」タッタッタッ…カタッ ズズ…


小宮 「…ふぅ」コトッ


依姫 「…小宮 お前はいなくなってからどこにいたんだ?今の今まで連絡の一つよこさないで…」


小宮 「…言っても、地上に降りたことない依姫様に言っても…分かりませんよ」


依姫 「…サグメ様はお前のところにいるのか?」


小宮 「…さぁ どうでしょう?あなたにはもう関係…ないことです サグメ様を追い…出したんですから?」


依姫 「…やっぱり、そのことを聞いてたか そうだろうと思った」


小宮 「なぜサグメ様を追い…出したんですか?追い出す必要なんてなかったはずでは?」


依姫 「…私だって追い出したくなかった 私の意思で追い出したと思うか?」


小宮 「…」


依姫 「…サグメ様はお前のことを気にしていた 一生の障害を付けてしまったことをひどく悔やんでいた」


依姫 「どうにかして治す方法はないかと考えていたがなにも思いつかず、結局は自分の罪を償うためにここから立ち去り、どこかへ行ってしまった」


依姫 「部下1人のためにサグメ様は優しすぎる たしかにサグメ様のせいで話せなくしたのは事実だがなにもここから出ていかなくても良かったのに…」


小宮 「…それは自分が…悪いと言ってるんですか?自分のせいでサグメ様は出ていったと思っているんですか?」


依姫 「…少なからず思っている お前さえいなければサグメ様は出て行くことはなかった お前に一生の障害を付けることはなかった」


依姫 「…だが、少なからず思っていてもお前がいて良かったと思う方が強い」


依姫 「いつも話す相手がいなかったサグメ様は1人で業務を果たして、飯や酒を飲む時もいつも1人…ドレミー達だって毎回飯や酒を一緒に飲めるわけじゃない 時間が空いた時だけしか一緒にはなれない」


依姫 「だが、お前がサグメ様の元に属することになってからサグメ様は笑顔を見せることが増えた 酒飲みや飯もドレミーたちがいない時にお前が一緒に付き合ってくれてサグメ様は本当に嬉しがっていた!」


依姫 「唯でさえ、兎たちや(月の)兵士達はサグメ様のことを恐れて話すどころか、近づくことすらしていなかったからな たった1人でも等しくしてくれたものがいてさぞ嬉しかったんだろう?」


小宮 「…」


依姫 「…小宮 お前とサグメ様はもう月の民ではないから私がどうこう言う権利はない …だが、一つお願いがある」ガタッ


依姫 「サグメ様を…よろしく頼む」スッ 頭を下げて小宮にお願いする


小宮 「…依姫様…」


依姫 「サグメ様は頼もしい方だが、あぁ見えて少し抜けているところがある いくらドレミーも一緒にいるとは言っても心配なんだ」


依姫 「嫌でなければでいい 嫌なら無理して見ろとは言わない…お願いだ!」


小宮 「…依姫様 最後にお願いしたら…無理して見ろとは言わないと言った、意味がないんですが…」


依姫 「…仕方ないだろ 本気でサグメ様のことが心配なのだから、強調してでもお願いしないと見てくれないだろう!」


依姫 「それとも嫌なのか!サグメ様のことを見たくないのか!見たくないなら見たくないとはっきり言ったらどうだ!!」


小宮 「…誰もそのような事言ってません 早とちりしすぎです」


依姫 「なら見てくれるのか!見てくれるなら見てくれると口にしたらどうだ!」


小宮 「【依姫様 落ち着いてください】」


依姫 「っ! …すまん 熱くなりすぎた」


小宮 「謝らないで…ください 自分も早く言わなかったのが悪いので依姫様が謝…る必要はありません」


依姫 「…それで、どうなんだ?サグメ様を見てくれるのか?」


小宮 「…自分でよろしいんですか?自分は力もなければ権力もありません サグメ様を守るほどの力を持って…いません」


小宮 「…それでも、いいんですか?」


依姫 「…」


小宮 「…はぁ?依姫様 1つ、提案があります」


依姫 「…提案?」


小宮 「はい 自分の能力を使えば現実になります それを利用してサグメ様を…こちらに戻すこともできます」


依姫 「っ!」


小宮 「もし、本当に戻したいと言うなら…自分は能力を使ってサグメ様を…こちらに戻します …どうしますか?」


依姫 「…サグメ様は、それを望むと思うか?」


小宮 「…残念ですが、望まないかと思います」


依姫 「…だろうな?そんなことをしてまで私は戻ってきて欲しいとは思わない」


小宮 「ならどうしますか?こんな力も何もない自分に…サグメ様を任せますか?」


依姫 「…」 チッチッチッ…


小宮 「…」 チッチッチッ…


依姫 「…」スゥ…


依姫 「…頼む サグメ様のことを…よろしく頼む!」スッ 頭を下げてお願いする


小宮 「っ!」


小宮 「…わかりました この小宮澪、依姫様の命に誓って必ずサグメ様を守ります!」


小宮 「力ないものですが、この命に懸けてサグメ様を守ります!なにがあっても必ず守ります!」


依姫 「…ありがとう小宮 サグメ様を受け入れてくれて?」


小宮 「礼なんて言われるようなことは言ってません 自分は当たり前のことを言ったまでです」


依姫 「ふふっ!それもそうだな?」


小宮 「それでは、サグメ様のことを…任された自分は帰らせてもらいます もうここへは来ないようにしますので皆さんにお伝えください」ガタッ


依姫 「…やはり、もう来ないのか?」


小宮 「はい 自分はもう月の民…ではありませんからね?月から地上に降りた…汚れ者ですから、いつまでもここにいては皆さんに…迷惑をかけてしまいます」


小宮 「兎たちに一度…お会いしてから地上に降ります ここから出ていく時に、誰にも知らせずに…出ていったのでせめて顔を…出すくらいはしていきます」


依姫 「…そうだな お前がいなくなって兎たちは心配していたからな?突然お前がいなくなって、一次騒然としたんだぞ?そしてここら辺の至る所まで兎たちはお前を探していたんだからな?」


小宮 「そうなんですか?それは悪いことをしました 今から会いに行くので、その時一緒に…謝ります」


依姫 「そうしてくれ」


小宮 「…それでは依姫様 今まで、お世話になりました そして、迷惑をかけてすみませんでした」スッ… 頭を下げてお礼を言い、謝罪をする


小宮 「それでは、失礼します」ガチャッ


…パタンッ


依姫 「…」


依姫 「…はぁ…やっぱり、もうここへは戻ってこないか?正直、戻ってきて欲しかったな…」


依姫 「サグメ様が戻ってきてくれるならよかったんだが、サグメ様も戻ってこなくて小宮も戻ってこないとなるとちょっと大変だな…主に仕事が!」


依姫 「サグメ様がいなくなって小宮までいなくなって、さらにはドレミーまでいなくなって…3人の分の仕事が全部私に来てるんだぞ!」


依姫 「姉様は絶対にやってくれるわけがないし兎たちに頼んでも絶対にわからないだろうから全部私がやらなくてはならない!あぁ~ストレスが溜まる!!特に姉様にっ!!」


依姫 「…でも、これでサグメ様の身が安全になるんだから仕方ないか ドレミーに小宮の二人がいれば安心できるからな!」


依姫 「…よし!あとで姉様に当たろう!」



ーーーーー

ーーー












ーー

ーーーーー



豊姫 「へくしっ!」(>艸<。)クシュンッ!!


兎兵士 「大丈夫ですか?豊姫様 風邪ですか?」


豊姫 「…いえ、風邪じゃないと思うわ?心配しないで?」


兎兵士 「それならいいんですが…」


豊姫 「…っん?」



小宮 「…」タッタッタッ…


豊姫 「…どうやら終わったようね?小宮が来たわよ」


兎兵士達 「「っえ!?」」


小宮 「…お久しぶりです豊姫様 元気そうでなによりです」


豊姫 「あなたも元気そうでよかったわ 地上に降りてからうまくやってるか心配だったから無事でなによりだわ」


兎兵士 「小宮さん!」


小宮 「レイセン久しぶり 元気にしてた?」


レイセン 「はい!小宮さんも元気そうでなによりです!」


兎兵士 「小宮さん なぜあなたは地上なんかに降りたんですか?突如、あなたは姿を消しましたが…」


小宮 「…」チラッ


豊姫 「…」フルフル 首を横に振って兎たちにサグメのことは教えていないと伝える


小宮 「…ちょっと、サグメ様のことで…な?」


レイセン 「…サグメ様のことでですか?」


兎兵士 「…そういえば、サグメ様も地上に降りたって聞いたような…ドレミー様と一緒に?」


レイセン 「っえ!?サグメ様とドレミー様が!?」


小宮 「…あぁ 俺のせいでサグメ様とドレミー様は地上に…降りたんだ」


小宮 「俺がちゃんと注意してれば2人は…降りることはなかったのに…」


レイセン 「…なにがあったんですか?それに小宮さん なんかしゃべり方がおかしい気が…?」


小宮 「…それは…」


豊姫 「小宮はサグメ様が口を滑らせてうまく話せなくなったのよ」


レイセン 「…っえ?」


豊姫 「サグメ様に能力をつけられて、言葉にしたことは全部現実になっちゃうの だから区切りながら話さないと能力が勝手に発動しちゃうのよ」


兎兵士 「っえ!?言葉にしただけでですか!?」


レイセン 「サグメ様とほとんど一緒じゃないですか!本当なんですか小宮さん!?」


小宮 「…あぁ 本当だ?区切らせないと…現実になるんだ」


小宮 「自分のことに対する言葉は現実にならないんだけど、相手のことに対する言葉は全部…現実になっちまうんだ」


小宮 「サグメ様は口を滑らせて…俺に能力をつけたことを…ずっと気にして、その罪を償うためにサグメ様は…地上に降りたんだ」


レイセン 「…そうだったんですか 辛いことを話させてもうしわけありません」


小宮 「別に気にしてないよ?謝らないで」


豊姫 「…それで、これからどうするの?」


小宮 「…どうするとは?」


豊姫 「依姫と話してきたんでしょ?あなたはこれからどうするの?また地上に降りるの?」


小宮 「…」


レイセン 「…小宮さん 地上になんか…下りませんよね?」


レイセン 「もう地上に下りる必要なんてないんですからここに残ってください!」


兎兵士 「そうですよ!もう地上に下りる理由なんてないんですからまたここに戻ってきてください!」


小宮 「…ごめん それは無理だ」


小宮 「サグメ様を…見ないといけないから、下りないといけない」


レイセン 「…サグメ様の元にはドレミー様がいるんじゃないんですか?」


小宮 「いるけど…」


レイセン 「だったらドレミー様に任せればいいじゃないですか!なにも2人がかりで見なくても1人見てれば充分じゃないですか!」


兎兵士 「そうですよ!なぜ小宮さんも見る必要があるんですか!」


兎兵士 「それに小宮さんはサグメ様のせいでうまく話せなくなったんですよね?だとしたら余計に見る必要なんてないじゃないですか!」


小宮 「…だとしても、俺はサグメ様を…見ないといけないんだ」


小宮 「たしかに俺はサグメ様のせいで…うまく話せなくなった サグメ様が口を…滑らせていなければ、こんなことにはならなかった」


小宮 「でも、俺はサグメ様を…見ないといけない!誰がなんと言おうと…見ないといけないんだ!」


レイセン 「その理由はなんですか!理由を聞かせてください!」


レイセン 「理由が理由なら私たちも納得します!小宮さんには降りて欲しくないんですがちゃんとした理由なら降りても構いません!」


小宮 「…そっそれは…」


豊姫 「…小宮 レイセンはあなたのことが好きなのよ?だからあなたを地上に行かせたくないのよ」


兎兵士 「「っえ!!!?」」ザワッ!!


レイセン 「ちょっ!?なに言ってるんですか豊姫様!べべ別に小宮さんのことが好きだなんて!!」(´>///<`)


小宮 「…そうなのか?レイセン お前…俺のこと、好きなのか?」


レイセン 「ふぇっ!?えっあ、いや…その…」///


豊姫 「ほんとに止めたければ本気で止めなさい 今ここで止めなかったら小宮は地上に降りるわよ」


レイセン 「〜っ!!!!!!」(´>///<`)


小宮 「…レイセン…」


レイセン 「…そうですよ 好きですよ!」///


レイセン 「私は小宮さんのことが好きです!いつも私たちに優しくしてくれて、剣術の磨き方もわかりやすく教えてくれました!」///


レイセン 「依姫様の教え方は厳しくて、怖くて…いつここから逃げ出そうかと何度も考えたことがあります」


レイセン 「ですが小宮さんは違いました!わからないところがあれば優しく教えてくれましたし、なにより依姫様みたいに声を荒らげずにいつも優しい声で指導してくれました!」


レイセン 「ご自分の仕事もあると言うのに、いつも小宮さんは私たちに剣術を教える時間を作って教えてくれました 私たち部下のために!」


レイセン 「だからお願いです!地上に降りないでください!」


レイセン 「私はあなたのことが好きです!本気であなたのことが好きなんです!ですからお願いです小宮さん!!」///


小宮 「…」


豊姫 「…」


レイセン 「ーっ!!!!!!」///


小宮 「…ごめんレイセン 俺は…お前の気持ち、受け取れない」


レイセン 「…っえ?」


小宮 「…俺には好きな方が…いるんだ 俺と似た能力を…持ってる方」


レイセン 「…それって、まさか…」


小宮 「…サグメ様だ 俺の…好きな方」


レイセン 「…そう、ですか そういうことでしたか…だから小宮さんは地上に降りようと…」


小宮 「…あぁ そういうことだ」


レイセン 「…うっうぅ…」ツツー…ポタッ 涙がこぼれ落ちる


小宮 「…レイセン…」


兎兵士 「…」


豊姫 「…やっぱり、地上に降りるのね?あなたならそうすると思ったわ」


豊姫 「…残念だったわね?レイセン あなたの気持ち…伝わらなくて」


レイセン 「うっぐす…」ポタッポタッ…


豊姫 「…小宮 私からもお願いするわ?サグメ様のことを任せるわね」


小宮 「…はい!」






それから小宮もとい、無口は他上に降りて地霊殿に向かい、サグメ様が追い出されたことをさとりさんに話して地霊殿で雇うことになった


サグメ様はさとりさんと一緒に書類整理をすることに適していて、すぐにさとりさんと一緒の仕事に就いた やはり月にいた時に同じような仕事をしていたのが大きかったようだ


それに比べてドレミー様は掃除や買い出し、食事の準備などを担当することになったが最初はあたふた状態であった


ドレミー様は基本的めんどくさがり屋で家事、洗濯はすべて兎や月の兵士たちの任せていた 今思えば自業自得だが、日が経つにつれて段々と慣れていき、結果的には完全に慣れて今ではなかなか早い家事や洗濯を出来るようになった


無口は元々、サグメ様の下についていたということもあって家事や洗濯などは全部やっていた為、全体的にできていた


それに少しの間とはいえ、地霊殿で働いていたから大体の流れは掴めているから余計にできていた


日が経つにつれて、さとりさんも仕事が順調であなた達を雇ってよかったと微笑みながら話してくれた


幸せな日々、楽しい毎日、話がうまく話せなくても楽しい 話すことがうまくできなくてもみんなは受け入れてくれた


ほんとにさとりさんに雇ってもらえてよかった サグメ様もドレミー様も雇ってもらえてなお良かった


そんな楽しい毎日が続いていき、小宮は一つ考え事をしていた それは…


サグメ様と付き合いたいと!


小宮も薄々気づいていた …いや、正確に言えば、最終的にドレミー様に教えてもらったと言った方がいい


サグメ様はあなたのことが好きでここに居るのよ もし好きじゃなかったら月の都から出てったとしてもあなたの元には来るはずないと言っていた


ドレミー様も小宮がサグメ様に好意を持っていることを知っていた …まぁ、相談相手がドレミー様だったから知ってて当然だというのもあるが…


小宮はそんなことを思い続け、思い切って告白しようと何度も思った 断られるはずがないとわかっていたからなおしようと思っていた…だが



サグメ 「…小宮さん 少し、手伝ってもらってもよろしいでしょうか?」


小宮 「…はい 喜んで!」



こうやって会話をしながら仕事をしてる方が楽しいのだから、告白することなんてない 告白はまた今度にしよう


大好きなサグメ様の元で一緒に働けて、俺は今の時間が幸せだ!告白なんてしなくてもいい 一緒に楽しく過ごせれば…!











〜END〜