2017-02-06 21:34:01 更新



――――――

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――



~希自宅~



希「さあ、あがって。お腹すいたよね? 何か用意するからちょっと待っててな」


千歌「…いえ、結構です」


希「そっか…じゃあ、取り敢えず着替えようか。ウチの服で我慢してね。明日一緒に買いに行こうか」


千歌「……はい」







希「――うん、サイズもそこまでズレていないね。良かった良かった♪」


千歌「………」


希「これからはそこのベッドで寝てね。ウチは布団で……」


千歌「いえ、今日は寝ません。って言うか、眠れないですよ…。それにこれからも東條さんがベッドを使ってください」


希「千歌ちゃん…」


千歌「おやすみなさい。今日はお疲れさまでした――」






――――――

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――



~翌朝~



希「――…ウチはこれから大学に行くけど、千歌ちゃんはどうする?」


千歌「……別に」


希「まあ、家に居てもいいし外出するのも構わない。でも、外出するときは時間帯を考えてな? 昼間に中学生が街をウロウロしているのは不自然やからね。人目には気を付ける事」


千歌「…分かってますよ」


希「部屋の合鍵は渡しておく。あとこれはウチの携帯番号ね。何かあった時はここに連絡して。16時には帰るから、その時間までには家にいてね」


千歌「はい。いってらっしゃい」フリフリ


希「! ……うん、行ってきます」ニコッ






――――――

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――



~正午~



千歌(……暇だなぁ。何もしないっていうのがここまで苦痛だとは思わなかったよ。東條さんが帰ってくるまでまだ時間もあるし、この時間帯なら外に出てもいいかな?)





――ガチャ





千歌(さて…この街に来たことなんて無いから迷子にならないようにしないとね。取り敢えず真っすぐ進んでみようかな)





~~~~~~



千歌(ここは…神社かな? こんな場所に立派な神社があるなんて)


千歌(…誰もいない。平日の昼間だし当然か)キョロキョロ



千歌「はぁ…ここでも独りなんだね、私……」ボソッ





「あれ? 千歌ちゃん?」


千歌「え? …どちら様ですか?」


花陽「やっぱり千歌ちゃんだ。私は“小泉 花陽”です。あの部屋のメンバーなんだけど…見覚え無いかな?」


千歌「あぁ…小泉さんって名前だったんですね。ランニング中…ですか?」


花陽「うん。私の学部はまだ夏休み中だから、時間が空いている時にトレーニングしているの。千歌ちゃんはどうしてここに?」


千歌「…別に、やる事が無かったので適当にフラフラしていたらここに着いただけですよ」


花陽「そ、そっか…動きやすそうな服装をしているから、てっきり運動してるのかと思ったよ」アハハ…


千歌「…そうですか」




花陽「……ねえ、隣座ってもいい?」


千歌「はあ…トレーニングはいいんですか?」


花陽「今は千歌ちゃんとお喋りしたいからいいの。今は一人でやってるし」






花陽「昨日はあのまま飛び出したっきりだったけど、あの後どうしたの?」


千歌「東條さんの所で暫く居候することになりました。そのうち穂乃果さんの所に行くみたいですけど」


花陽「良かった…ちゃんと暮らしていく場所はあるんだね」


千歌「…良くは無いですよ。完全にお荷物じゃないですか、私」


花陽「う、うん……」




千歌「小泉さんはいつも一人でトレーニングしているんですか?」


花陽「あぁ…いつもは違うよ。海未ちゃんと凛ちゃんと一緒にやってるんだ。海未ちゃんは私に剣を教えてくれた師匠で凛ちゃんは小さい頃からの親友なの」


千歌「確か同じμ’sっていうスクールアイドルのメンバーでしたよね。今日は二人とも用事か何かですか?」


花陽「……うん、二人ともちょっと遠くに行っちゃったからね。当分の間は私だけでやる事になりそうだよ」


千歌「東京チームはみんな普段からトレーニングをしているんですか?」


花陽「どうだろう…最初の頃は生き残る為にみんなと一緒に訓練とかしたけど、大学とか仕事とかで忙しくなっちゃったから今は私くらいしかやってないと思う。正直言って、私が一番弱いからさ」アハハ…


千歌「ふーん……」






花陽「あの、もしよかったら私のトレーニングに付き合ってくれないかな?」


千歌「私が?」


花陽「勿論断ってもいいよ。ただ、独りでやるより誰かと一緒の方が色々出来るからさ……ダメかな?」


千歌「…いいですよ。どうせやる事ないですし…毎日暇しているよりかマシです」


花陽「あ、ありがとう! じゃあ、明日からはここに集合して一緒に――」パァァ



千歌「あれ? 明日からなんですか? 別に今から始めてもいいですよ」


花陽「え、いいの?」


千歌「16時から東條さんとの用事があるので、それまではお付き合いします。まずはランニングから、ですよね?」


花陽「うん! よろしくね――」ニコッ






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――



希「――…それで、さっきまで花陽ちゃんと一緒にトレーニングしていたんか?」


千歌「は、はいぃ……まさかランニング10kmの後に階段ダッシュ10往復×10セット、筋トレに竹刀の素振りとかとかとか……。あの身体のどこにそんな体力があるだって感じですよ」グッタリ


希「あはは、元は海未ちゃん考えたメニューだからね。普段はもう少し距離も回数も多いんよ? 千歌ちゃんの為に軽めにしたつもりなんやろうけど、花陽ちゃんの感覚も結構狂ってしもうたんかな?」


千歌「うへぇ!? あれで軽め…簡単に引き受けるんじゃ無かったぁ」ズーン


希「うーん…千歌ちゃんが嫌だって言うなら、ウチから花陽ちゃんに伝えておこうか?」




千歌「……いいえ、辞めません。せっかく誘ってもらえたんですから頑張りますよ!」


希「ふふ、なら良かった」ニコッ


千歌「ただ…今日の買い物は延期でお願いしますぅ……もう一歩も動けません」グデーン


希「仕方ないなぁ、取り敢えず適当に下着とか必要なものはウチが買ってくるよ」


千歌「すみません…」



希「じゃあ、行ってくるね。今日の夕飯も買ってくるから、ちょっと遅くなるけど我慢してなー」


千歌「分かりました。いってらっしゃい」フリフリ






~~~~~~





穂乃果「あれ? 千歌ちゃんはどうしたの?」


希「花陽ちゃんとトレーニングして疲れ切っちゃったみたいでね。家で倒れてるよ」


ことり「そっかー…せっかく千歌ちゃんと一緒に服を選べると思ったのになぁ」ガッカリ


希「まあ、本人はいないけど服は買わなきゃいかんからね。ことりちゃんには千歌ちゃんが似合いそうな服を選んでもらうよ。……値札は見ないでええからね?」ニヤリ


穂乃果「希ちゃん!? それはちょっと……」


ことり「うん! 千歌ちゃんにピッタリなお洋服を選ぶよ!! 値札は見ずに」


穂乃果「ことりちゃんまで! 大丈夫だよね!? 信じてるからね!!?」


ことり「ん~~♪ どんな服にしよーかなー」ニコニコ


穂乃果「」






希「千歌ちゃんの件は家族には説明したん?」


穂乃果「それが中々難しくてね…説得するにはもう少し時間が掛かりそう。それと千歌ちゃんの身分証とか住民投票とか諸々も用意しなきゃね」


ことり「そ、そんなもの用意できるの?」


穂乃果「“そういう”ものを作る事が得意な人と仲がいいんだ。ただ、他に依頼が来てるみたいだから完成するまで一か月だってさ」


希「…大丈夫なん?」


穂乃果「心配しないで。その人も“私達と同じ”だから。それに、千歌ちゃんが不自由なく暮らしていく為に必要なものは可能なだけ揃える。私にはそれくらしか出来ないからさ」



ことり「…一人で全部やろうとしないでね? 私達も力になるから」


希「そうやで。無理だけはあかん」


穂乃果「分かってるよ。ありがとうね」ニコッ





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――





希「ただいまー!」


千歌「お帰りなさ……ってその荷物は!? もしかして全部服なんですか!!?」


希「あはは…調子に乗って買い過ぎちゃった♪」テヘッ


千歌「買い過ぎたって…お金は大丈夫なんですか?」


希「大丈夫やで。割り勘で買ったからね」


千歌「割り勘? 誰かと一緒だったんですね」


希「うん。穂乃果ちゃんとことりちゃんも一緒だったんよ」


千歌「へぇー…穂乃果さんも一緒だったんですか」ギロッ


希「千歌ちゃん……あんまり穂乃果ちゃんを責めないであげて? あの子も凄く責任を感じている。今だって千歌ちゃんの為に色々――」



千歌「…ごめんなさい。昨日の今日じゃ、まだ気持ちの整理は出来ないですよ」ウツムキ


希「そ、そうやね…ごめんな?」


千歌「大丈夫です。洋服、ありがとうございました。二人にも伝えておいて下さい」ニコッ


希「了解や。それじゃあ、御飯の用意するね! もう少しだけ待っててな―――」








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~一か月後~




花陽と千歌は木刀で打ち合っていた

誰もいない公園には木材のぶつかり合う音が響く

全力で斬り付ける千歌を花陽は最小限の動きで回避する


千歌は数少ない隙を見つけ、攻撃を繰り出す





千歌「――…はああ!!」シュッ!


花陽「甘いです!!」ドゴッ!


千歌「ぐへぇ!」ドサーッ





渾身の一撃も見切られる

すれ違いざまに背中を叩かれ、体勢を崩した千歌はお腹から地面に滑り込んだ



花陽「動きが遅すぎます。そんなヘロヘロな剣じゃ私に届きません!」


千歌「そんな事言ったって20km走って、階段ダッシュ10往復×20して、さらに筋トレもこなした後だよ!? ヘロヘロにだってなるよ」プンプン


花陽「あ…ご、ごめんなさい。前より距離と回数を増やせば疲れるに決まっているよね…配慮が足りませんでした」シュン…



千歌「…全く、そこは謝るんじゃなくて檄を飛ばすところですよ? 『何甘えた事を言ってるんだ! しっかりやれ!』って感じに」


花陽「え…でも千歌ちゃんにはお願いして付き合ってもらっているわけだし、そんな上から目線で言えないよぉ」アセアセ




千歌「ふふふ…小泉さんらしいや。確かに、前はお願いされて参加しましたけど今は違います」


花陽「?」





千歌「――…改めてお願いします。私も一緒にトレーニングにお付き合いさせてください!! ……花陽さん!!」


花陽「っ! うん…こちらこそよろしくお願いね、千歌ちゃん!」ニコッ



千歌「じゃあ、もう一勝負お願いします」カチャ


花陽「うん、いつでもかかっておいで!」カチャ






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――



千歌「ぐはぁぁ、全く勝てない。木刀じゃなくて本物の刀だったら何回斬り殺されてるんだろう…」バタリ


花陽「そりゃ、私の方が海未ちゃんにみっちり稽古をつけてもらったからね。そう簡単には負けないよ」


千歌「これで一番弱いって言ってるんだもん…このままじゃ千歌はただの足手まといじゃん」ハァ


花陽「そんな事は無いと思うよ? 今は体力が極端に減ってる状態で動いているわけだから、万全の状態なら間違いなく十分戦えるハズ」


千歌「そうかなぁ…同じメニューをやってる花陽さんはピンピンしてるのになぁ」


花陽「スタミナは徐々に付けていくとして、剣の腕はもう私に匹敵するんじゃないか?」


千歌「本当ですか!?」パァ


花陽「教えた事は全部覚えているみたいだし、ヘロヘロな状態でも私の剣をしっかり捌けてる。私なんかよりよっぽど才能があるよ」


千歌「えへへ、ありがとうございます! 花陽師匠の教え方が上手だから上達も早かったんですよ」


花陽「うふふ、ありがとう。じゃあ、そろそろ終わりにしようか?」


千歌「はい。今日もありがとうございました」ペコリ


花陽「うん。気を付けて帰ってねー」フリフリ






~~~~~~



千歌「あ…明日は希さんと出掛ける予定があるんだった。花陽さんに戻って伝えないと」


千歌「花陽さん、まだ神社にいるかな? ………お、良かったまだ居る。花陽さ――」




花陽「――…凛ちゃん、海未ちゃん、私が師匠って呼ばれちゃった。びっくりだよね」


千歌(花陽さん? 誰と話して…)サッ



花陽「初めは不安だった…そこそこ辛いメニューだったから、付き合ってもらってる千歌ちゃんにはいつ辞められてもおかしくなかったからね」


千歌(ああ、辛いメニューだって自覚はあったんだね)



花陽「それでも毎回付き合ってくれて…今では一緒にやらせてくださいって逆にお願いされちゃった。もう嬉しくて泣きそうだったよ…」


千歌(………)



花陽「でも…やっぱり二人にも一緒にいて欲しかった! どうして……どうして死んじゃったの!?」ポロポロ


千歌(やっぱり……あの二人はもう亡くなっていた)



花陽「う…うぅ……凛ちゃん……ヒック …海未ちゃん………寂しいよぉ…」ポロポロ





千歌(……凛さんと海未さんが羨ましいな。こんなに悲しんでくれる友達がいるなんて。私には…もういないよ……)





――――――

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~翌日 大学~



真姫「隣、いい?」


花陽「真姫ちゃん…いいよ。一緒に食べよう」





花陽「………」モグモグ


真姫「……」モグモグ


花陽「……」モグモグ



真姫「…最近はいつも一人で食べているの?」


花陽「うん。真姫ちゃんが忙しくなっちゃったからずっと一人だったよ」


真姫「ごめんなさい…無理してでも一緒にいるべきだったわね…」


花陽「あ、謝らないで。私が勝手に一人になっているのが悪いんだよ」アセアセ



真姫「凛が…凛がいなくなってから、一か月経ったのね」


花陽「…うん」


真姫「私達、結構長くあの部屋にいるけど…メンバーが欠けたのは今回が初めてよね」


花陽「そうだね…死んじゃっても、その時100点を取った人がすぐに再生していたから……」


真姫「次のミッションで再生できるって分かってはいるけど…凄く辛い……」


花陽「穂乃果ちゃんは…もっと辛かったんだろうね。私には想像もできない……絶対に挫けちゃうよ」




真姫「……そう言えば、最近は凛と海未とやっていたトレーニングやってるの?」


花陽「やってるよ。今は千歌ちゃんに付き合ってもらってる」


真姫「あの子とねぇ……どんな様子?」


花陽「最初は全然心を開いてくれなくてね…いつ辞めちゃうかビクビクしていたけど、今では下の名前で呼んでもらえるくらいに仲良くなれたよ」ニコ


真姫「ふーん…あの子はこれからどうするつもりなのかしら」クルクル


花陽「希ちゃんの家に居候しているけど、そのうち穂乃果ちゃんが引き取るらしいよ。穂乃果ちゃんもなんか色々準備してるみたい」


真姫「そう……。じゃあ、私はそろそろ行くわね」


花陽「うん。わざわざ来てくれてありがとう」





~~~~~~



~穗むら~



千歌「このお店は? 和菓子屋さんみたいだけど」


希「ここは穂乃果ちゃんのお店。千歌ちゃんを連れてくるように頼まれたんよ」


千歌「……」





――ガラガラ





穂乃果「いらっしゃいま……ああ、希ちゃんに千歌ちゃん。いらっしゃい、わざわざ来てくれてありがとう」


希「今日はどうしたん? メールでも詳しい事は教えてくれなかったけど…」


穂乃果「まあ、内容が内容だからデータで残るのはちょっとね…。私の部屋で待ってて。すぐに行くから」






~~~~~~





千歌「――…この書類は何?」


穂乃果「これはあなたの戸籍だよ。と言っても本物じゃない。“高波 千歌”という人物が高坂家に養子として入ったって設定で作成している」


千歌「つまり…これは偽物ってこと?」


穂乃果「この先、生きていくにはどうしても必要になるからね。その道のプロに作ってもらったからバレる心配は無いよ。ただ、千歌ちゃんは中学生だからまだ学校に通わないといけない。来週から「音ノ木坂中学校」に転校生として編入してもらう事になってる」


希「随分急な話やね。制服とか教科書とかは間に合うん?」


穂乃果「大丈夫、その辺はもう揃っているよ。勝手に色々進めちゃったけど、千歌ちゃんが嫌だって言うならもう一度作り直すよ? 時間はかかるけど…」



千歌「そこまで準備してもらったのに今更断れないですよ。ありがとうございます」





希「しかしまぁ…ここまで用意したとなると、いくら使ったん? 相当な金額になったやろ?」


穂乃果「全部タダだよ。お願いした知り合いには私に“大きな借り”があるからね。これでチャラにしてあげたよ」


希「おぉ…一体どんな借りやったんや……」ゾワッ



穂乃果「あと、これも渡しておくね」


千歌「スマホ? 私のですか?」


穂乃果「無いと不便でしょ? メンバー全員の電話番号とアドレスが登録されている。

後は好きなように使っていいよ。通信制限には気を付けてね?」







――――――

――――

――


~希自宅~



希「良かったね。これで普通の中学生に戻れそうやん」


千歌「普通…ではないんじゃないかな? 何もかも……いえ、何でもないです」


希「……ただまぁ、これで千歌ちゃんと一緒に暮らせるのも終わっちゃうんやね。せっかく仲良くなれてきたっていうのにちょっと残念やわ」ガッカリ


千歌「ご迷惑をお掛けしました。希さんに拾われていなかったら今頃そうなっていたことか…」


希「とんでもない! 千歌ちゃんとの生活は凄く楽しかったで? 気が向いたらいつでも泊まりに来ていいからね!」


千歌「希さん……ありがとうございます」ニコ




希「よし、今日の夕飯は豪華にしようか! 何を作ろ………っ!?」ゾクゾクッ


千歌「こ、これって…」




希「――…準備しよう。転送が始まるで」






~~~~~~





~ガンツの部屋~



穂乃果「――…全員揃ったね。今回のミッションで必ず海未ちゃんと凛ちゃんを生き返らせる! 当然、誰も犠牲にならずに!!」


絵里「具体的にどうするの?」



穂乃果「前回のミッションで絵里ちゃんが97点でことりちゃんが98点だった。今回のミッションで星人の強さも数も分からない。取り敢えず一体一点と仮定して、ことりちゃんは二体、絵里ちゃんは三体の星人を真っ先に倒してもらう。他のメンバーはそのサポートに専念して」



ことり「責任重大だなぁ…しっかり仕留めないといけないんだね」


真姫「了解。その後は二人を守りながら残りの星人を殲滅すればいいのね」


穂乃果「その通りだよ。このミッションはスピードより安定を重視する。数が少ないようなら全員で一緒に行動するよ」



にこ「後ろからXショットガンで足でも撃ってればいいわけね。簡単じゃない?」


真姫「油断してると遠距離攻撃喰らって即死するわよ? ぼけーっとしないでよ」


にこ「はあ!? にこがそんな間抜けな事するわけないでしょ。バカにしないでくれる?」イラッ



希「でも、秋葉原の時に安易に倒れた敵に近づいて死にかけたやん?」


にこ「……あっ」ダラダラ


真姫「ほら見なさい。にこちゃんは間抜けなのよ」クルクル


にこ「」





千歌「……」ブルブル


花陽「怖がらなくていいんだよ? 今回は戦う必要がないんだから」


千歌「そういうわけにはいかないですよ。この日の為に、花陽さんとトレーニングしてきたわけですし。せめて足手まといにならないようにしなくちゃ」


花陽「…そうだね! トレーニング成果をみんなに見せつけないと! 頑張ろうね、千歌ちゃん」ニコッ


千歌「花陽さん……はい! 頑張ります!!」グッ!





――ジジジジジ





穂乃果「転送が始まった! 行くよ!!――」





~~~~~~





~八王子 住宅街~



にこ「ウソでしょ? 12体しか居ないじゃない!」


真姫「今回は二人以外に100点に達するメンバーは出てこないわね」クルクル


希「二か所に固まっているね。ウチらも分かれるん?」


穂乃果「うーん…4人なら大丈夫かな。にこちゃん、絵里ちゃん、希ちゃん、真姫ちゃんは南側をお願い」


絵里「了解よ。行きましょうか」


にこ「サクッと終わらせてねー」






ことり「よろしくね、千歌ちゃん♪」ニコッ


穂乃果「無理はしないでね?」


花陽「訓練の成果を見せましょう!」


千歌「……はい。頑張り…ます」





――――――

――――

――



ことり「レーダーだとこの辺りなんだよね?」


穂乃果「あー…いたいた。ちょっと大きめのキツネみたいな星人だね」


星人「グルルルゥゥ……」



花陽「よし……私は星人の足を斬ります。ことりちゃんは動きが鈍ったところを確実に倒してください」シュッ




三人は各々武器を構えた

星人は穂乃果達の姿を確認すると、すぐさま襲い掛かってきた


――標的は千歌

唯一、武器を構えていない彼女に一斉に襲い掛かる





花陽「千歌ちゃん!?」


穂乃果「来てるよ! 早く構えて!!」


千歌「…え? うわぁ!?」





慌ててガンツソードを展開するが、剣先を噛みつかれてそのまま奪われる

止む追えず素手による格闘戦に切り替えるが、まるで当たらない




千歌「このっ! 当たってよ!!」ブンッ!


穂乃果「落ち着いて! そんなに速くない、冷静に見極めて!!」



花陽(おかしい…訓練中の花陽はあの星人以上の動きのハズ。それと渡り合える千歌ちゃんが苦戦するなんて…)


ことり「千歌ちゃん! 斜め後ろに思いっきり飛んで」カチャ


千歌「わ、分かりました!」




ことりの指示通り後ろに飛ぶ

それと同時に先ほどまで千歌がいた場所が円形状に削り取られた

ことりがZガンを使用したのだ

千歌を囲んでいた星人をまとめて三体仕留めた





千歌「はぁ…はぁ……」



ことり「ノルマは達成したよ。後は任せるね?」


穂乃果「うん。この程度の星人なら五秒もかからないよ」カチャ


花陽「逃げないでくださいね? 追いかけるのは大変ですから…」シュッ





新規メンバーや数回経験した人間なら苦戦を強いられただろう

それだけの実力は十分あった


星人にとって最大の不幸はこの場所に現れてしまった事

10分もかからないうちに地球に来たこの星人は絶滅したのだ……








――――――

――――

――



真姫「――…援護なんて必要ないじゃない! 弱すぎでしょ…」ハァ


にこ「全くよねー。動きもノロマだったし、負ける要素ゼロって感じ」





千歌(う、ウソでしょ!? 私には速過ぎて全く攻撃が当たらなかったのに…)



ことり「千歌ちゃんお疲れ♪ 緊張したと思うけど悪くない動きだったよ。おかげで私も楽に倒せました」ニコッ


千歌「そ、そうです…か。良かったです……」




にこ「しょうもないウソついてどうするの? その子の為にならないわ」


ことり「にこちゃん?」


にこ「あの程度の星人、ことりなら単独でも倒せていたわ。それにこの部屋には穂乃果や絵里、今はいないけど海未みたいな化け物並に強い子やそれに近い実力者がすでに揃っている」




にこ「つまり、別にあんたなんて必要ないのよ。精々邪魔にならないように自分の身を守る事だけに専念することね」



千歌「…っ! あはは、そうですよねー。承知してます……はい」ウツムキ


花陽「……」


真姫「……」クルクル


絵里「にこ!! そんな言い方は無いんじゃない!?」


にこ「…ふん」プイッ



千歌「絵里さん、いいんですよ。矢澤さんの言っている事は合ってますから…あはは」




穂乃果「――…採点だよ」





ガンツ『(・8・) 15点 TOTAL 113点』





ことり「三番……園田 海未ちゃんを生き返らせて」





――ジジジジジ





海未「――…え?」ジジジジジ


ことり「おかえり、一か月ぶりだね?」


絵里「まさか海未がやられるとは思ってもいなかったわ」





ガンツ『園田 0点』





海未「なるほど…私は死んでいたのですか。……情けないですね」アハハ…






穂乃果「――…ホント情けないよ、恥ずかしくないの?」


海未「!」


ことり「ほ、穂乃果ちゃん?」



穂乃果「自分は強いから一人で大丈夫とか言ってたくせに、あっさり殺されてさ。分かってるの? これでμ’s最多死亡数で海未ちゃんは堂々の一位になったんだよ」


海未「……」


穂乃果「これから単独行動するの禁止ね。当然だよね? だって海未ちゃんはメンバーの中で一番多く死んじゃうくらい弱いんだからさ」


海未「…はい」




穂乃果「私が…私達が海未ちゃんを守るから。もう二度と負けないで。もう……私やことりちゃんを悲しませないでよ」ジワッ


ことり「本当だよ…生き返るからって簡単に死なないでよ……」ポロポロ


海未「……はい! 私は…私はもう二度と死にません……絶対に!!」ポロポロ






ガンツ『エセロシア人 10点 TOTAL 107点』





絵里「三番よ。星空 凛を再生しなさい」





――ジジジジジ





凛「にゃ?」ジジジジジ


花陽「凛ちゃん!!」ダキッ



凛「かよちん!? どうしたのさ!?」アセアセ


花陽「うぅ…うぅぅぅ……」ポロポロ



にこ「あなたは今まで死んでたのよ。絵里が100点取って生き返らせたってわけ」


凛「ええ!? じゃあ、凛の98点も消えちゃったのぉ」ガーン


真姫「呆れた…花陽や私がどれだけ辛い思いをしたと思っているわけ?」



花陽「うぅ……ふふ、凛ちゃんらしくて安心した。――…おかえり、凛ちゃん」ニコ


凛「…ただいま。寂しい思いさせてごめんね?」






ガンツ『白米さん 10点 TOTAL 98点』


ガンツ『ノンタン 5点 TOTAL 96点』


ガンツ『ほのか 10点 TOTAL 85点』


ガンツ『まきちゃん 5点 TOTAL 18点』


ガンツ『にこ 5点 TOTAL 25点』


ガンツ『普通怪獣 0点』





凛「あれ、普通怪獣? この子は一体誰なの? 凄く見覚えがあるんだけど…」ウーン


海未「っ!? 凛は知っているでしょ!? 緊急ミッションでガンツに表示された画像の子です!!」


凛「ああ!! え、でもなんでその子がここに!?」




千歌「………」



穂乃果「あー…その事は後で説明するからさ。今日はもう帰らない? 海未ちゃん達の家族も心配してるだろうし」


花陽「千歌ちゃんの説明は任せてください。明日私が二人にしますから」



花陽「千歌ちゃん、明日も神社に集合ね?」


千歌「……はい」






――――――

――――

――




~翌日 神田明神前~




凛「――…なーんか不思議な感覚だなぁ。凛にとってはこの特訓は昨日もやった事なのに、かよちんは一か月ぶりなんだよね?」


海未「あのメニューを一人で続けたのですか?」


花陽「違うよ。千歌ちゃんと一緒にやってたんだ。一人だったら続けるのは無理だったよ…海未ちゃんのメニューって辛いし」アハハ…


凛「ほぇー、海未ちゃん無しであのメニューを続けたのかにゃ。凛だったら絶対無理だよー」




海未「…その千歌さんの事ですけど、一体どういう事なのですか?」


凛「そうそう、何者なの?」


花陽「…千歌ちゃんが来てから話すよ。だからもう少し待っていて」


凛「……って言ても、集合時間からもう30分も過ぎてるよ?」


海未「時間にルーズな方のですか?」


花陽「そんな事は…いつもだったら私が着く前に来てるんだけど……」


海未「連絡してみてはどうですか? 番号は知っているのでしょう?」


花陽「そうだね、電話してみ……あれ? メールが来てる…千歌ちゃんからだ」ポチポチ


凛「なんて送られてきたの?」




花陽「『今後、トレーニングは一人でやります。今まで一緒にやって頂きありがとうございました。これからは以前のように三人でやってください』だって…」ゾワッ


海未「どういう事ですか!?」


凛「もう来ないって事?」



花陽「電話が繋がらない…電源を切ってるみたい」


凛「他に連絡先は無いの?」


花陽「……希ちゃんなら知ってるかもしれない――」






~~~~~~




穂乃果「――…つまり、千歌ちゃんが行方不明ってこと!?」


希『そうや! 花陽ちゃんの所に行くって言ってたのに…携帯も電源切ったまま部屋に置いてあったんよ』


穂乃果「千歌ちゃんがお金どのくらい持ってるか分かる?」


希『必要になった時に渡してたから…仮に使わないで取っておいたとしても三千円あるか無いかだよ』


穂乃果「…沼津に帰るなら十分な金額だね」


希『まさか千歌ちゃん、実家に帰ったって事!?』


穂乃果「分からない…とにかく私は千歌ちゃんを探す。希ちゃんは家で待機していて。もしかしたらひょっこり帰って来るかもしれないから」


希『分かった。頼んだで――』ピッ




穂乃果「……どこにいったの…千歌ちゃん――」





~~~~~~




――千歌は公園のブランコに座っていた

花陽とのトレーニングの帰りにたまたま見つけた小さな公園で

一人になりたい時は必ずここに来ている

無論、この場所は誰にも教えていない秘密の場所なのだが――




「――…見ーつけた♪ まさかこんな所に居たなんてね」ウフフ


千歌「え!? どうしてここが……」


「目の前にマンションがあるでしょ? そこに住んでいるのよ」


千歌「なるほど…それならすぐに見つかっちゃいますよね。誰から連絡を受けたんですか、絢瀬さん」


絵里「希よ。『千歌ちゃんが行方不明になったー!!』って大慌てでね、私も探しに行こうと思って外に出たらすぐに見つけたってわけ」


千歌「行方不明って…大ごとになっているんですね」


絵里「イキナリ花陽との約束すっぽかしたり、携帯置いたまま居なくなったりすればそうなるわよ」


千歌「すいません…どうしても一人になりたかったので」ウツムキ


絵里「…そう」






―――――――――





絵里「取り敢えずみんなには見つけた事は報告した。場所までは教えてないから安心して」


千歌「…ありがとうございます」




絵里「さて…千歌ちゃんは何を抱えているの? 無理にとは言わないけど、話してみない?」




千歌「絢瀬さんは――」


絵里「絵里でいいわ」


千歌「…絵里さんは私の事どう思っていますか?」


絵里「どうって…一緒に戦うメンバーの一人だと思っているわよ」



千歌「――…じゃあ、もし私が死んだら生き返らせてくれますか?」


絵里「……」


千歌「…そこまで絵里さんとは仲良く無い事は分かってます。でも、同じ質問を希さんや花陽さんにしても即答は出来ないでしょう」


千歌「昨日、凛さんと海未さんが生き返った時…みなさん泣いて喜んでいましたね。特に花陽さんは嬉しかったハズです。今までずっと一緒にトレーニングしていた人が戻って来たんですもん。当然のことですよね?」


千歌「そんな光景を見ていて…考えちゃったんです。私が死んだら悲しむ人っているのかなって」



絵里「……」


千歌「私にも家族や幼馴染がいます。でもそこに“私”はすでに存在している。私が死んでも悲しんでくれるどころか、その事すら知ることは無い」


千歌「むしろ、私にとってもμ’sのメンバーにとっても…私がこうして生きているより、さっさと死んだ方がいい」


絵里「…どうして?」


千歌「だってそうでしょ? 穂乃果さんは責任を取る為に色々と私に用意してくれた。私さえいなければ負う必要のない危険な事やお金まで使ってさ……私を殺しちゃえば済む話なのに」


絵里「…」



千歌「……あの部屋で矢澤さんに“あんたなんか必要ない”って言われた時にやっと気が付きました。――…あぁ、この世界に偽物の私の居場所は無いんだなって」ジワッ


千歌「心から心配してくれたり、悲しんでくれたり、喜んでくれたり、褒めてくれる人なんて居ない……私はガンツが生み出した使い捨ての駒なんですよ」ポロポロ


千歌「私が行方不明になって心配したのだって、“本物の私”に何か不都合なことが起きるんじゃないかって思ったからでしょ?」


絵里「…さあね? それは本人に訊かなきゃ分からないわ」


千歌「……」




絵里「正直に話せば私にとってあなたは、あの部屋のメンバーくらいにしか思っていないわ。今はそれ以上でもそれ以下でもない」


絵里「あなたを生き返らせるかどうかだけど、自発的にはやらないでしょうね。頼まれればやるでしょうけど」


千歌「そうですか…」



絵里「――…でもそれは、あなたが偽物だからってワケじゃない。単純に千歌ちゃんとそこまで親密な関係じゃ無いからよ。千歌ちゃんだって赤の他人を生き返らせようなんて思わないでしょ?」


千歌「そりゃ…そうですけど……」



絵里「確かに、千歌ちゃんの存在について否定的なメンバーもいる。立場上、家族や幼馴染に会えないのは悲惨だと思う。ただ、居場所が無いっていうのは違うと思う」


千歌「……え?」



絵里「希の家で暮らしていたり花陽と一緒にトレーニングしていたのでしょ? だったらそこはあなたの居場所で間違いない。あの二人が義務感や責任感で一緒にいたように見えたかしら?」


千歌「……でも――」


絵里「そもそも、どうして自分が本物か偽物かにこだわっているのかしら?」


千歌「?」


絵里「μ’sの何人かはあなた達の言う“本物”の千歌ちゃんに会っているみたいだけど、私は会ったことが無いのよ。だからあなた以外の千歌ちゃんを知らない、私にとっての“本物”は今、目の前にいる千歌ちゃんなのよ」


絵里「これから千歌ちゃんは色々な人と出会うと思う。その人にとって“高海 千歌”という人物はあなたが本物になる。けどね、内浦で暮らしている千歌ちゃんと秋葉原で暮らしている千歌ちゃん、二人に年齢の違いはあるにしても、どちらも“高海 千歌”本人よ。私達のほとんどがそう思っている」



千歌「矢澤さんは違うみたいですけど……」


絵里「でしょうね。でも本心は違うはずよ」


千歌「本当かなぁ…」





絵里「――…さ、お喋りはここまで。神田明神に向かいなさい。花陽が待っている」


千歌「え? でももう行かないって伝えましたし……」


絵里「メールで済ませるつもり? 今まで付き合ってもらった相手に対してそれは失礼よ。本気で辞めるなら直接話しなさい」


千歌「…分かりました」


絵里「よろしい。じゃあ、また今度ね♪」






――――――

――――

――




凛「あっ! 普通怪獣ちゃん来たよ!」


海未「全く…心配しました」ヤレヤレ


千歌「凛さん…海未さん……」




花陽「――…随分と遅かったね。待ちくたびれちゃったよ?」


千歌「…ごめんなさい」ペコリ


花陽「千歌ちゃんがどうしてあんなメールを送ったのか、理由は大体予想できているよ」


千歌「……」


花陽「……あの部屋でにこちゃんに言われた事覚えている?」


千歌「『あんたなんか必要無い』って言われた事ですか? ホントその通りだなって――」




花陽「私はにこちゃんのあの発言、とてもカチンと来ました」


千歌「花陽さん?」


花陽「大体千歌ちゃんの戦いを見てもいないくせに必要無いって決めつけるなんて! そもそも千歌ちゃんは海未ちゃんに鍛えられた私とマンツーマンで鍛えたんですよ? 役に立たないハズが無い、自信をもって断言できます!!」プンプン


千歌「……はい」ジワッ


花陽「これからは私だけじゃなくて、凛ちゃんや海未ちゃんも一緒です。もっともっと強くなって、にこちゃんを見返してやりましょう!」


千歌「…はい」ポロポロ


海未「そんな事を言われたのですか。花陽の師匠としても聞き捨てなりませんね」


花陽「だから、辞めるなんて言わないで? 突然居なくなったら悲しいし寂しいよ…」


海未「まずは遅刻した罰として千歌さんにはいつもの倍の量のメニューをこなしてもらいましょう。仮に辞めるとしても、今日までは付き合ってもらいます」ニコ


凛「うへぇ…それじゃ本当に次回から来ないんじゃ――」




千歌「分かりました! 花陽さん、凛さん、海未さん、これから私も皆さんと一緒に訓練に参加させてください。お願いします!!」


花陽「…うん! よろしくね」ジワッ


凛「これからは楽しくなりそうだにゃー♪」


千歌「じゃあ、メニューは……」



海未「いつもの倍なのでランニングは40kmですね。時間も時間なので今日はそれだけでいいですよ。三時間で走り切らなければ次回のメニューも“少し”厳しくなります」ニコニコ


千歌「」


凛「き、厳しくないかにゃ?」


花陽「ほら、海未ちゃん遅刻には厳しいから。自分が遅刻した時も凄いメニューこなしてたし」アハハ…





――Part5へ続く


後書き

GANTZ原作でも主人公が二人になりましたよね。
前作でも嫉妬心から曜ちゃんが二人目の千歌ちゃんを再生する展開も考えましたが
二年生組は仲良くして欲しい派だったので断念しました。


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