2019-06-05 19:51:14 更新

概要

多数の設定がありますので前書きを参照ください
更新は遅いと思いますがご了承ください


前書き

メインキャラ


艦これ

提督(元憲兵)

元横須賀鎮守府の憲兵 元横須賀鎮守府提督がゾンビにやられて代わりに提督をすることになった男提督
憲兵だった頃もなかなかの腕を持っていて、元提督のお気に入りの人でもあった
戦闘に関しては艦娘と比べたら弱いが人間と比べたらかなり強い
【過去、殺人鬼で人を100を超える数を殺してきた大犯罪者 鈍器を武器にしていろんな人の頭を粉砕して殺していた残虐者】
武器は銃も使うがメインは鈍器


川内(秘書)

元横須賀鎮守府の第一艦隊指揮者
基本的に夜活動して朝は寝てることが多い
現在は一応提督の秘書をしてるが基本的に秘書としての仕事はしてない(することもない)
武器はハンドガンとキャラに合わせて忍者刀を使う




元横須賀鎮守府提督の嫁艦
姉妹艦である暁達を失って、さらに元横須賀鎮守府提督まで失い生きることが辛くなっている
違うとわかっているが今の提督を元提督と思い込ませて身を寄せている
基本的元気っ子だが夜になると元提督のことを思い出して元気をなくしては現在の提督の元に身を寄せている
武器はいつも持ってるイカリを使う


天龍

接近戦でなら最強と言える元横須賀鎮守府の第一艦隊副指揮者
雷の面倒をよく見ている目つきは悪いが仲間思いの良い面あり
武器はいつも持ってる槍?みたいなものを使う


金剛

元気が取得の第一艦隊戦力艦
姉妹艦である比叡達を失って後悔や憎しみを常に忘れずに持っていて、ゾンビと戦闘する時は人格が変わる
武器は毎回変わるが基本的にはバズーカーなどを扱う 弾薬不足の時は鈍器を使う


鳳翔

みんなの栄養管理をしている調理係
性格は温厚性で優しい みんなの体調管理や様子を見たりする医療班的存在
基本的に戦闘はしないが武器は弓矢 艦載機はボーキサイトがないため飛ばせない


青葉

情報収集ならお手の物…だが、現在ではあまり役に立てない第一艦隊戦力艦
常にラジオとカメラ、メモ帳を持ち歩いて情報を集めている情報収集係
時々一人で拠点から抜けてなにか情報がないかを確かめる癖を持っていて、毎度のように提督に怒られている
武器はスナイパーライフルと手榴弾


妖精

妖精の中で唯一の生存者…だが、腕はまだ未熟者だがある程度は作れる
過去、滅びた横須賀鎮守府の工房に身を潜めていたところを提督達に助けられる
よく武器の手入れや作成、修理をしている武器管理係
基本的に戦わないが武器はレンチ 拳銃は打った時の反動が強すぎて使えない上に刀や鈍器などは重すぎて使えないため戦力としての才能はなし



VOCALOID

結月ゆかり

別の生き残りの人たちと一緒にいた生存者
過去に何度も犯されそうになって弦巻マキと東北ずん子と一緒に逃げ出してきた
武器はマシンガンやバズーカーなどほぼオールマイティ…だが、鈍器は好かない


弦巻マキ

別の生き残りの人たちと一緒にいた生存者
過去に何度も犯されそうになって結月ゆかりと東北ずん子と一緒に逃げ出してきた
男に対しては強く警戒心を持っている
武器はスタンガン 一応銃も使えるがあまり得意ではない


東北ずん子

別の生き残りの人たちと一緒にいた生存者
何度も犯されそうになって結月ゆかりと弦巻マキと一緒に逃げ出してきた
提督の事は良く思っている
武器は弓矢と薙刀を扱う


バイオハザード(7days to die1部含む)

・ゾンビ
・ゾンビ犬
・ネメシス(電)
・タイラ〇ト(予定)
・テイ〇ス(予定)
・基本的7days to die推しなので上記のゾンビ以外なし


7days to die

・デブゾンビ(警官ゾンビではない太ったゾンビ)
・警官ゾンビ
・ナースゾンビ
・フェラルゾンビ
・スクリーマーゾンビ(通称 貞子)
・スパイダーゾンビ(通称 蜘蛛男)
・蜂
・ベアーゾンビ(通称 感染熊)


バイオハザードや7days to dieで出てくるアイテムなど


・銃火器銃弾各種(無限なし バイオ設定)
・救急キット(ハーブや救急スプレーなし バイオ設定)
・抗生物質(7days to dieに出る抗生物質のみ)
・地雷はなし(7days to die設定)
・レシピ本やスキル解放での物作りはなし(7days to die設定)





設定内容


・人間、動物問わず感染あり
・VOCALOIDは人間という設定
・艦娘が感染者に噛まれた場合、すぐにバケツを使えば感染を免れる(遅いと感染)
・艦娘に使われる燃料は人間で言うなら水 補給できなくなれば死ぬ
・海ではなく地上戦がメインになります
・艦娘の装備に使われる武器は一切使用しません(理由:弾薬不足)
・7days to dieの設定上
・救援配達はなし
・七日目の夜以外、ゾンビは走らない(一部除く)
・夜の設定は夜10時(22時)〜朝6時まで(七日目の夜以外、ゾンビは走らない設定なので七日目の夜のみとなる)






















…〇〇〇〇年〇月〇日…



世界は…滅びた



突如やってきたゾンビが世界中の生命体を襲った…



生きているもの全てを襲い それが広がって世界は滅びた…



各鎮守府でも避難警告が出ていたが既に遅し もう間に合わなかった…



一部は感染から免れたがほとんどは感染して奴らの仲間入りになった…



各鎮守府でも同じことになっていて、ここ以外の鎮守府の生き残りを確認したが…



誰とも連絡が取れなかった…



もちろん本部も連絡が取れなかった…おそらく 鎮守府関係の人達は俺たち以外全滅したのだろう…そう思うしかなかった



横須賀鎮守府もゾンビの奇襲を受けて崩壊 仲間だった者達もゾンビになってしまって逃げるしかなかった…



憧れていた横須賀鎮守府提督もゾンビにやられて、憲兵である俺は死ぬ間際に提督から生きている艦娘の指揮をお前に託すと言って俺は提督になった…正直、あまり嬉しくはない



嫁艦であった雷は死んだ提督のことを思い出していつも泣きじゃくっていた…それもそのはず提督だけが死んだならともかく 姉妹艦である暁達も奴らの仲間入りになってしまったんだから泣きじゃくるのは仕方ない



他に生き残った艦娘も姉妹艦を持っていた者もいる…だが、その姉妹艦はほとんどが奴らの仲間入りになってしまった…



生き残った者は俺も合わせて【川内、雷、天龍、金剛、鳳翔、青葉、妖精】のみ それ以外の者はもう…



妖精は一時別の場所で避難した俺達がまだ生存者がいないか崩壊した横須賀鎮守府に行ったところ、工房の倉庫の中に身を潜めていたところを見つけた



見つけた時は妖精は俺に抱きついて泣きついてきた 大きな声を上げて泣き叫んでいた…よほど怖かったんだろう この妖精以外の者は全員感染して生き残りはたった1人しか居なかったから心細かったと言うのもあるだろう



結局、生き残りは妖精以外に居なかった 妖精だけでも生き残っていてくれたのはよかったが欲を言えばもっと生き残っているものがいて欲しかった…



…でも、少なくとも俺たちは生きている 奴らに噛まれたり、傷つけられたりすると奴らと同じくなってしまうが今のところ誰も傷一つ付けられていない



この調子で傷つけられずに過ごして行ければいいと思っている…だが、そんな未来のことはわからない



いつかは誰かしら噛まれたりして感染するかもしれない 不吉なことは言いたくないが全滅する可能性だってゼロじゃない



…やめよう これ以上不吉なことを考えてると現実に起こるかもしれない それだけは絶対したくない



俺たちはとあるデパートを拠点にして奴らから忍んでいる なぜデパートかと言うと、ある程度の食料や水はあるからだ



崩壊したデパートとはいえ、やはり無断で食料などを持っていくのは気が引ける…世間で言うなら万引きだ だから俺は使わなくなった金をレジの中に入れて毎回買い物をすることを決めている



別にそんなことをしなくても誰もなにも言わない 警察だって来るわけがない…それはわかっているがなんとなく、な?



デパートは五階建てで俺たちは最上階を拠点としてる



三階まではなんとか安全確保できたが二階からはどうしても奴らが上がってきてしまって確保することが出来ない…本来ならデパート内を全部確保したかったが無理をして誰か噛まれたりしたら元の子もない



そんな中で俺たちは救助が来るのを待ち続けている あれからもう1ヶ月が経っているが助けはこない…いや、もしかしたら助けなんて来ないのかもしれない



俺は思う…救助隊が来たとしても俺たちは殺されるんじゃないかと…



こんな汚染された街中で生き残っていたとしても助けてくれるだろうか?いや、俺なら助けない そんな危ない奴らを安全な場所に避難させて、そこで感染したらどうなる?被害甚大にも程がある



そう考えると助けが来る望みは極小ぐらいであろう…イヤになるな こんな世界で生き延びていかなくてはいけないなんて…何かの拷問かなにかか?



でも、生きていけるならこの世界で生き続けていてもいいかなとは思う どうせ保護されても殺されたり、研究人材にされたりするならこの世界で生きていた方がよっぽどマシだと思う


みんながどう思うかは別として…





















第1章 不安と心配を抱く生活



デパート拠点 最上階ー提督室(店長室)



提督 「すぅ…すぅ…」


提督 「んー…すぅ…すぅ…」


シレイカンオキテ アサヨ?


提督 「んぅ…?」スゥ…


雷 「おはよ!司令官 もう朝よ?」


提督 「…朝か ふぁぁ…」ムクッ


雷 「もうご飯の支度が出来てるみたいだから早く行きましょ!」


提督 「わかった…よっと?」スクッ


雷 「はい!司令官 ハンドガンと大金槌よ」スッ


提督 「ありがとう」スッ


雷 「それじゃ 今日も生き残っていくわよ!司令官」


提督 「あぁ!」













食堂(休憩室)



鳳翔 「〜♪」パンパンッカタ ご飯を茶碗に乗せてお盆に乗せる


天龍 「ふあぁ…やっぱり朝は眠てぇな?もう少し寝てぇな」


青葉 「それはだめですよ?天龍さんが寝ないよう青葉監視してますよ?」


天龍 「安心しろ 寝ないから?」


金剛 「…提督達襲いネ?まだ寝てるんでショーか?」


妖精 「うーん…雷さんも一緒だからそれはないと思います?あの方はいつも朝起きるの早いので…」


鳳翔 「大丈夫ですよ?そろそろ来ますよ」 タッタッタッ…


提督 「おはよう?みんな」タッタッタッ…


雷 「おはよー!」タッタッタッ…


天龍 「っお?噂をすればきたな」


青葉 「司令官おはようございます!」


金剛 「おはよーデース!」


鳳翔 「おはようございます?提督」


提督 「…川内はまだ寝てるのか?」


天龍 「あー…あいつはいつも夜警備してくれてるからな?仕方ねぇよ」


青葉 「たしかに川内さんはいつも警備してますからね?私も昨日夜外に出ようとしたら見つかって怒られました…」アハハ…


提督 「また出ようとしたのか?お前いい加減にしろよ 毎夜毎夜外に出ては情報を集めに行って…」


青葉 「もうしわけありません 私にはそれしか取得がなくて…」


提督 「そんなことないって言ってるだろ?青葉はいつもラジオを持ってなにか情報が入ってこないかを調べてるじゃないか?」


青葉 「それしか取得がないじゃないですか?しかもラジオを聞いててもノイズしか聞こえてこないので情報もまったく入りませんし…」


提督 「それでも調べてることに違いはないじゃないか?それに今は入らなくてもいつかラジオから救助隊の連絡が入るかもしれないんだから調べていても損はないはずだよ!」


青葉 「…そうですか?」


提督 「あぁ!だから気にすることはないよ 青葉はちゃんと役に立ってるから安心しな!」


青葉 「…司令官…」


天龍 「たしかにお前はいつもラジオを聞いてくれているよな?俺だったらノイズしか聞こえてこないんじゃすぐ捨ててるぜ?」


提督 「いや、捨てるのはやめてくれよ?捨てられたらマジでシャレにならん…」


天龍 「だから青葉に任せられるんだよ?それにあの忌々しいゾンビ共が来たら援護してくれるんだから役に立ってないわけがない」


天龍 「だから、あんまり提督やみんなに心配かけんじゃねぇぞ?もし調べに行くなら俺も誘えよな!」


青葉 「天龍さん…」


提督 「…頼むから無断で外出るのはやめてくれよ?知らせに来ても許可はあげないけど」


天龍 「手厳しい提督だぜ?」


鳳翔 「それでは川内さんを抜いて朝食にありつけましょう!」


提督 「そうだな!それじゃ」


全員 「「いただきます」」















全員 「「ごちそうさま(でした)」」


鳳翔 「お粗末さまでした!」


天龍 「いやー!くった食った やっぱり鳳翔さんのご飯はうまいな?」


金剛 「本当デース!いつ食べても美味しいデース!」


鳳翔 「褒めてもなにも出ませんよ?それに私の料理は間宮さんと比べたら全然ですよ」


提督 「そんなことないって?こんな状況でもみんなの体調管理を考えてくれる人がいてくれて本当に助かってるんだからな?しかも毎日作ってくれてる料理は間宮さんと同じぐらい美味いしな!」


鳳翔 「お世辞でも嬉しいです ありがとうございます?提督」ニコッ


雷 「司令官 今日の活動内容は?」


提督 「今日は見張りをしながら拠点で待機 明日の遠征に向けてしっかり身体を休めてくれ?」


天龍 「明日はどこまで行くんだ?」


提督 「…そうだな?たしかここから近いガソリンスタンドの燃料はまだ残っていたよな?」


青葉 「…はい 私たち以外の方が持っていっていなければ残っているはずです」ペラッ メモ帳を取り出してメモしたことを伝える


提督 「あと残りどのくらい残ってるかわかるか?」


青葉 「あと50リッター(ℓ)弱残っています」


提督 「残り50か…かなり少なくなってきてるな?もしそこの燃料がなくなったら次は別の場所を探さないとまずいな」ウ-ン


金剛 「…私が1番飲みますからネ?本当にSorryネ…」


提督 「別になにも言ってないだろ?金剛は戦艦なんだから仕方ないよ」


金剛 「私が戦艦だからいけないネ もし私がいなかったら早くなくなることは…」


提督 「その代わりに金剛はみんなの為に頑張ってくれてるじゃないか?力仕事だってできるし、天龍と一緒に先陣切ってゾンビを一掃してくれてるじゃないか!」


金剛 「…確かにそうですが…」


提督 「金剛が居なかったら天龍1人で先陣切ってることになっていたんだぞ?それにみんなの中で一番力があるのは戦艦であるお前だけなんだ だから燃料を多く使うことは気にしなくていい?」


金剛 「…テートク…」


提督 「お前にしょぼくれたら顔は似合わない だから元気にみんなを支えてくれ!」


金剛 「…リョーカイデース!この高速戦艦 金剛にドーンと任せるネ!」


提督 「よし!それじゃ、明日の遠征も頼りにしてるぞ?金剛」


金剛 「任せるデース!」


雷 「それじゃ、今日も全員生き残っていくわよ!」


全員 「「おう!(はい!)」」













夜ー提督室



ガチャッ


提督 「ふぅ…今日もみんな生きていけてよかった?いくら外に出ないとはいえ、絶対安全とはいえないからな」タッタッタッ…パタンッ


提督 「シャワーも浴びたし、あとは寝るだけだな?」ポスッ 敷いてある布団の上に座る


提督 「…それにしても、いつもながらみんな自分は足を引っ張ってると思ってたな?ちゃんと役に立ってるのに…」



いつもみんなは、自分が役に立っていないと思っている…



青葉は過去に様々な情報を集めてはみんなに知らせてサポートをしてきた



深海棲艦の動きを調べて、この海域にはどの深海棲艦が出てくるかを徹底的に調べてはみんなの情報網をしていた



…だが、今となってはゾンビは毎回のように来る数やなんのゾンビが来るかは違う…その情報を掴めないことに青葉は足でまといだと思っている



金剛は今生き残っている中で一番力が強い戦艦…だが、戦艦は燃料を一番使うことを気にしてみんなを困らせていると思っている



艦娘に取って燃料は源…人間で言うなら水は必要不可欠なもの 今となっては燃料は海に行けば取れるという状況ではない 数限りあるガソリンスタンドで手に入れなければいけない



地上がこうなっているから海の生き物もゾンビ化してる可能性が非常に高い…そんな危ない状況で燃料なんか取りに行かせられない



かと言って地上だって安全とは言えない 地上は人型のゾンビがうじゃんといるが海と比べたらまだ安全だろう あくまでも俺の推理だが?



それに金剛は姉妹艦である比叡達を失っている…比叡達は金剛を救う為に自らゾンビの群れに突っ込んで感染…奴らの仲間入りになってしまった



その事を毎日のように悔やみに悔やんで金剛はゾンビを見ると本気を出して殺しにいく



比叡達を殺した奴らを一掃すると言う思いを持ってしまい、いつもの性格とは真逆に暴言を吐きまくってはゾンビを鈍器でなぎ倒していく…だが、それはやってはいけないこと



本気を出す=燃料の消費が激しい 燃料の調達困難なこの状況で燃料の消費が激しいとすぐに底を尽かしてしまう…だが、金剛が奴らを一層しようとする強い意志は俺にもわかる



自分の妹が全員殺されたのだからその恨みを晴らすためには奴らを一掃する以外にない…だから、俺は金剛の好きなようにさせている



金剛は自分のせいで燃料の消費が激しいと思っている…だが、それは仕方ない もし俺が金剛だったら同じ考えをしてると思う だから俺は金剛を無理に止めたりはしない 無茶なことをした時は除いてだが?



妖精は特に気にしていないようだが、たまに自分の腕がもっと良ければとつぶやく時がある



妖精は他の妖精の中でも中の下 つまり、ある程度の知識は持っているもののそこまでの腕は持っていない



一緒に拳銃のメンテをしてる時や弾薬を作成してる時に俺にだけそう言ってくる…



俺的には技師が居てくれるだけでもありがたいと思っている もし技師が居なければ拳銃のメンテや弾薬の作成などは知識のないまましなくてはいけない



腕がさほどなくても知識さえ持っていてくれれば俺はそれでいい それだけでもすごく役に立っていると妖精に言ったら笑顔でお礼を言ってくれた



崩壊した鎮守府で生き残っていた時とは大違いの表情だった 元々妖精は崩壊した鎮守府で何日も過ごしていた



うちに居る妖精以外の他の妖精はゾンビになっていて、その中でうちに居る妖精は工房の倉庫置き場に身を潜めていた



いつ助けが来るかもわからないのにずっとその場で、いつも作っておいたお昼のお弁当をちょびちょび食べて過ごしていた



そこに俺達が鎮守府内に生き残りがいないかを確かめに来た際に俺は妖精を見つけた



妖精は自分以外に生き残りが居たとわかるとすぐさま俺に泣き付いてきた



声でゾンビが寄ってくるかもしれないのに大きい声で泣き叫んで俺に抱きついてきた…よほど怖かったのだろう 数日間とはいえ、今まで1人でやり過ごしでいたのだから心配になるのは当たりまえだ



結局のところ、鎮守府内で生き残っていたのは妖精のみだったが俺は妖精だけでも生きていてくれてよかったと心から思う



鳳翔と天龍、川内は至って正常 川内と天龍は姉妹艦を失っているが戦で死んだと思えば仕方ないと言って冷静に問い返してきた



苛立たないのだろうか?誰がなんのためにこんな事をしたのかわからないと言うのに、自分たちの姉妹艦が失っているのに苛立たないのだろうか



俺なら絶対と言っていいほど苛立ちが込み上げる こんなことをして、こんなバカげたことをしなければ川内達の姉妹艦だって死ぬことはなかったはず…なのに苛立たないのだろうか?



鳳翔は時々、戦闘を得意としない事を悔やんでいるがその分食事で補っていると思っているため これと言って気にすることはない 本当に素晴らしい艦娘だ?こんな状況でも冷静にいてくれる人が居てくれて本当に助かる



俺1人だとどうなっていた事やら…正直、鳳翔がいなかったらどんだけ俺はストレスを貯めていることか…本当に居てくれて助かった



俺も俺で悔やんでいることがある…それは憧れていた元横須賀鎮守府提督がゾンビに噛まれて感染しそうになっていたことを今でも悔やんでいる



俺はその時、横須賀鎮守府の正面入口を防衛していてゾンビが入ってこないように阻止していた…だが、どんなにゾンビを倒しても数が多すぎる為 結果押し切られてしまった…



元提督も艦娘や民衆を守るために動いていた 鎮守府崩壊時には生き残った艦娘達を引き連れて出ようとした…だが、その時に嫁艦である雷がゾンビに噛まれそうになった瞬間…



自分の身を犠牲にして噛まれてしまった…



その時、俺は元提督達と一緒にいた…一緒に居たにも関わらず 助けることが出来なかった…



あの時、俺が庇っていれば…俺が自分の身を犠牲にして雷を救っていれば…元提督は死なずに済んだのに!



今でも後悔している 悔やんでいる!あの時救っていれば、みんなはこんなにも落ち込まずに済んでいるはず!雷だって俺に身をゆだねて気を紛らわそうなんてしなかったはず!



一番かわいそうなのは雷だ 夫である元提督に命をかけて助けてもらったのはいいけど、自分だけ生き残っていても元提督がいないなら生きている意味がないとまで今でも言っている



何度か自殺しようとしているのも見かけている もちろん俺は自殺を止めた



確かに雷は元提督に熱愛していたのは知っている…元提督が死んだのなら私も死ぬと言っても過言ではない



だが、俺はそんなことはさせない 元提督は自分の身を犠牲にしてまで雷を守ったのだから雷は最後まで生き続けていなければいけない



それに俺は元提督と約束した 俺を提督に任命すると同時にみんなを頼む…と



だから俺は約束を守るために誰も死なせるわけにはいかない もちろん自殺なんかもさせない!



辛いこともあるかもしれないがそこは俺がなんとかしなくてはいけない もちろんそれが俺に損することであっても!



生き続けてくれるなら俺はなんだってする ストレス発散のためにサンドバッグにだってなってやる それで生き続けてくれるなら…



…コンコンッ


提督 「っん?誰だ?」


…イカズチヨ ナカニハイッテイイカシラ?


提督 「いいよ 中に入って?」


ガチャッ


雷 「…邪魔するわ」パタンッ


提督 「どうした?今日もしたいのか?」


雷 「…うん いい…?」


提督 「いいよ おいで?俺で良ければ相手するよ」


雷 「…うん!」タッタッタッ!!…


ガバッ


雷 「えへへ〜!」ニヘラ 提督に抱きついて安心しきったような顔をしている


提督 「今日もみんな生き残っていけたな?雷も生きていてくれて良かったよ!」ナデナデ 雷

の頭を撫でてあげる


雷 「当たり前よ!この雷様がゾンビごときにやられるはずがないわ!」


提督 「それは頼もしいな 明日の遠征も頼りにしてるぞ!」


雷 「任しといて!」



雷は毎夜俺の元に来ては一緒に寝ている 本来なら安全面も考えて各部屋に1人ずつ寝ることを義務付けている



万が一、全員を一緒の部屋にして誰かがゾンビに噛まれていた者がいたとしたら全滅する可能性があるため 各部屋に1人ずつと決めている



天龍や雷、川内ならともかく 青葉や金剛、鳳翔や妖精が噛まれていたとしたら自ら名乗り出るだろうか?そういう事を考えて寝るときはひとりで寝るようにしている



1人だと不安があるかもしれないがそこは我慢してもらうしかない…安全のために、仕方ない



それに川内は昼間寝てる代わりに夜見回りをしてくれている もし1人が不安なら川内が話し相手をしてくれる 屋根裏からだが…



川内は夜みんなが寝てる時に5階から3階まで見回りをしてくれている 5階から外を見て生存者がいないかも確かめてくれている



みんなとはなかなか会う時間はないが夜話をしたければ呼べばすぐに屋根裏から顔を覗かせて話し相手をしてくれる 川内には本当に助かっている



雷 「…ねぇ、司令官?頭を撫でてくれるのはいいけど、その…」///モジモジ


提督 「わかってるよ それじゃ、目を閉じて?」クイッ


雷 「あっ…」///



俺は雷の顎を親指と人差し指で持ち上げて軽くキスをする



軽くキスした後に次は舌を入れて唾液を掻き合せる 雷も嫌がらずに俺の舌に絡みつかせて唾液を交換しあう



雷 「はぁ…はぁ…司令官、もっと…」///トローン


提督 「わかってるよ」スッ



そう言われると俺は雷を押し倒した 雷もそれを受け入れて嫌がらずにおとなしくされるがままに俺の行為を受け入れた…



小さい胸を揉み、乳首をこねくり回しては感じさせて 秘部に指を入れて愛汁で馴染ませたら俺の魚雷(秘部)を優しく入れる



雷 「っんん!あっあぁぁー…!」///ズププ…


提督 「大丈夫か?痛くないか?」


雷 「うん…大丈夫 痛くないから…早く動いて?切ないの…」///ハァ…ハァ…


提督 「わかった もし痛かったり嫌になったらすぐに言えよ?」


雷 「だいじょうぶよ だから早く…」///ハァ…ハァ…



雷は早く動かしてと言ってるかのように求めてきた 入れられて早く気持ちよくなりたいのだろう 俺はその要望通り最初は遅めに動いた



元提督の時にも何度かしてたというのもあるが俺と初めてした時も痛くないと言って雷の方から腰を振っていた



俺は遅めに動いて雷に無理させないよう加減を考えながら雷の秘部の中に魚雷(秘部)を擦らせた いつ入れてもキツキツで油断してたらすぐにイってしまいそうなくらい気持ちよく、我慢するのがツライ



雷も提督の魚雷(秘部)が自分の秘部に擦られて、奥に突かれる度にビクビクッと身体を軽く跳ね上がらせて感じていた



甘いあえぎ声を口に出しながら感じて、だんだんと魚雷(秘部)を擦りつける速さを上げていくとさらに身体をビクビクッと跳ね上がらせる



雷 「あっ!んんっむふぅ!はぁっあぁん!」///ジュプッチャプッチュプッピチュンッ


雷 「あっ!たっだめ…司令官、私…もうっ!」///ジュプッチャプッチュプッピチュンッ


提督 「イキそうか?遠慮しないでいつでもイってくれ」ジュプッチャプッチュプッピチュンッ


雷 「あぁんっ!んんっ!はっあぁっ…」///ジュプッチャプッチュプッピチュンッ


雷 「ふぅっんん!あぁ、やぁっ…っ!」///ジュプッチャプッチュプッピチュンッ


雷 「あぁ…やっだめ!司令官 イクッ!イクッ!」///ジュプッチャプッチュプッピチュンッ


提督 「イっていいよ 遠慮しないでイキな!」ジュプッチャプッチュプッピチュンッ


雷 「あぁんっ!だめっだめだめだめっっ!!イクッイクッイッちゃうぅぅぅっ!!!!!!」ゾクゾクッッ!!!!


雷 「あっあぁああぁぁぁぁんんんんっっ!!!!!!」ビクビクビクビクッ!!!!!!


雷 「はぁ…はぁ…んんっ!」ビクッ…ビクッ…


提督 「…イッたか?」ハァ…ハァ…


雷 「…うん すごく…気持ちよかったわ…」ビクッ…ビクッ…


提督 「そうか…それなら良かった?」ズポッ…


雷 「あっ…司令官 まだイッてないよね?」ハァ…ハァ…


提督 「俺はいいよ?雷がイってくれたなら俺はイかなくても…」


雷 「でも、それだと司令官は辛いんじゃ…」


提督 「大丈夫だよ 俺はあの方の代わりなんだから雷を汚すようなことはしたくないんだ?」


提督 「俺は俺で1人で処理するから気にしなくていいよ?」


雷 「…司令官…」



そう、俺はあの方の代わり…みんなが俺のことを提督と言おうが俺はあの方の代わり



こうやって性的行為をしてるのは雷だけだが、雷は毎夜 俺の部屋に来てるのは元提督がまだ生きていた頃に毎夜性的好意をしていたらしい



その時のことを毎夜思い出すらしく、俺の元に来ては俺を元提督と思い込ませて性的行為をしている



俺はあの方とは違う…それは雷にも伝えた それでも、気を紛らわしてほしいと頼まれては性的行為を繰り返している…



もちろん俺はあの方の代わり だから気を紛らわすだけで雷を汚すような真似はしない 雷はあの方の者だけ…



性行為を終えたら雷は大きなあくびをして目を軽く擦る 激しい運動をして疲れたのだろう 今日はここまでにして雷が寝るまで子守唄を歌ってあげる…これがいつも夜してることだ



雷は毎夜、子守唄を歌ってあげると幸せそうな顔で眠りにつく まるで元提督と一緒に寝てると思うような顔つきで…



俺であの方の代わりになれるならなんだってする 代わりになってみんなが生きる希望を持ってくれるなら俺は死んでも構わない!



みんなが生きてくれれば俺はそれでいい 俺が死んだとしても、一応秘書にしてる川内が居るから保険は効く



秘書と言う秘書の仕事はないが一応川内を秘書にしてる 万が一、俺がやられた時の保険に…備えあれば憂いなし、と言うからな?



そんな事を考えていると屋根裏から物音がしてきた 誰かがほふく前進をしてるような服を擦り付ける音…そして屋根裏を這いずり回る艦娘と言ったら1人しか居ない それは…



…ガタッ


川内 「…あいかわらず提督は真面目だね?毎日性行為をしてるのに1回も射精しないなんて」屋根板を外して顔を出してくる


提督 「雷はあの方の者…俺が汚すことは許されないんだよ?」


川内 「まっ提督がそれで良いならいいんじゃない?私は関係ないし、興味もないからね」


提督 「手厳しいね?」



川内はいつもこうして夜 見回りをしてくれている



ちゃんとみんなが安心して寝てるかを確かめて、外の様子を見て安全確保をしてくれている 本当に助かっている



提督 「特に異常はなかったか?」


川内 「特にないけど、強いて言うなら青葉がまた出ようとしてるよ」


提督 「…またか?あいつは毎回危ないことをして」ハァ


川内 「仕方ないよ 今となっては昔と違って奴らがどう来るのかなんて調べてもわからないから自分の長所を役立てられないから…」


提督 「…それはわかってる でも、だからと言って危険な思いまでして調べに行く必要はない」


提督 「1人で情報を集めようとするなんて自殺行為 行くなら最低2人で言ってほしいよ?」


川内 「青葉は基本的に1人で集めようとするからね?誰にも迷惑をかけないようにね」


提督 「青葉はまだ部屋にいるのか?」


川内 「いるよ 今外に出る準備をしてるから止めるなら今のうちだよ」


提督 「わかった 俺が止めに行くから川内は引き続き見回りを頼む」


川内 「了解!」













青葉の部屋(商品倉庫)



青葉 「…っと?念のため手榴弾を多めに持っといて」ゴソゴソ…



青葉は外に出るために準備をしている 外には奴らがうじゃんといるため、ちゃんと準備をしないと危険な目に遭ってしまうとわかっている



主に持っていくものはスナイパーライフルと手榴弾はもちろん メモ帳、ペン、双眼鏡、ラジオ、医療用具を持って外に出る



スナイパーライフルと手榴弾は奴らが来た時に対抗するため メモ帳とペン、ラジオはなにか情報が入った時に忘れないようメモをするため



双眼鏡は遠くを見る時に役立つためで医療用具は奴らに噛まれた以外の怪我をした時に治療するためで持っていく



みんなの役に立つためには危険な思いをしてでも、なにかしらの情報を取りにいかなくてはいけない 青葉にはそれしか取得がないからその取得を活かそうとしている



無断で外出るのはあぶないうえにバレた時はものすごく怒られる…でも、それでも青葉はやめようとしない



少しでもみんなの役に立てれば…そう思っているからだ



青葉 「…よし!これで準備完了です!」


青葉 「あとは誰にも気づかれないよう外に出れれば調べに行けますね?まだ川内さんに気づかれてないみたいなので今日は行けますね!」


青葉 「それでは皆さん 行ってきます!」タッタッタッ…



青葉は扉に歩き出して外に出ようとする 昨日は川内にバレて外に出れなかった分今日で挽回しようと強く思っていた



みんなの役に立つために…どんな情報でもいいからなんとしても足でまといにならないよう青葉は自ら危険を犯して探しに行こうとする…だが、扉を開けると…



ガチャッ


提督 「…どこに行くつもりだ?青葉」


青葉 「しっ司令官!!!?なぜここに!?」



提督が扉の前で待ち伏せしていた



川内さんから聞いたらしく、提督は自ら青葉を止めに来たと言った バレていないと思っていたらやっぱりバレていた…さすが川内さん 侮れない



だけど私だって黙って『はいわかりました』とは言わない みなさんの役に立つためにはこの方法しかないのだから提督に講義した…だが



どんなに説得しても提督はだめと言うばかり…許してくれなかった これでは昨日行けなかった分の挽回ができない そうなったら私は本当に役立たずで生きていくのが辛くなってしまう…



これ以上みなさんに迷惑をかけたくないから危険なことをしてまで情報を集めようと自分で決めていた…それがダメとなると私の取得はなくなってしまう 一体みなさんの役に立つためには私はなにをすればいい?



その事を提督に伝えると提督は意外な言葉を返してきた それは…



提督 「…わかった そこまで言うなら俺も一緒に行く それでいいなら外に出る許可を出す」


青葉 「…っえ?」


提督 「イヤなら許可を出さない 1人より2人の方がまだ安全だからな?俺なんかが一緒に着いて行ったとしてもたかが知れてるがいないよりかはマシだ」


提督 「…どうする?それでもいいか?」



青葉は驚いた…まさか提督も一緒に着いて行くと言うなんて思ってもいなかったからだ



普段、提督は朝起きてるから夜は寝ている 提督だけじゃない 夜は川内さんが見てくれているからみなさんも夜就寝に着くようしている



青葉はその日が非番なら昼間に寝て夜活動できるよう計算していつも充分な睡眠を取っている…だが、提督は違う



提督は青葉とはちがい、朝はずっと起きている 青葉みたいに寝ていない まして提督は普通の人間だからよけいに眠たいのではないか?



提督の方こそ無理して私と一緒に行って危ないのではないか?寝ぼけ半分のまま一緒に行ったらそれこそ危ないのではないか?



私のせいで提督が噛まれたりしたらそれこそ私は罪悪感に押しつぶされてしまう…できれば提督にはついてきて欲しくない



でも、提督も一緒について行かないと外に出る許可を出してくれない…青葉は仕方なく、その案に乗ることにした



提督 「わかった それじゃ今から準備してくるから5分待ってくれ?着替えて必要な荷物を持ってくる」


青葉 「わかりました」


提督 「川内 そういうことだからみんなの事頼むぞ?」


リョーカイ キヲツケテイクンダヨ? 屋根裏から提督に返答する


提督 「わかってるよ」ガチャッ


パタンッ…


青葉 「…」


川内 「…納得いかないみたいだね?青葉」カパッ 屋根床を外して青葉に顔を見せる


青葉 「…あたりまえですよ もしこれで司令官が噛まれたりしたら私のせいじゃないですか?」


青葉 「誰にも迷惑をかけないよう1人で行こうと決めていたのに…まして司令官が一緒となるとよけいですよ?」


川内 「なら行かないって選択肢はなかったの?」


青葉 「それはありません みなさんの役に立つためにはこれしかないんです こうでもしなければ私は役ただずなんですから…」


川内 「…そう まぁ青葉がそれでいいなら別に構わないけど?」


川内 「…でも、青葉も知ってると思うけど提督はみんなのためなら自分を犠牲にしてでも助ける人ってことは知ってるよね?」


川内 「正直 私はこんな夜更けに二人で行くなんて反対だよ?いつどこから襲われてもおかしくない外に出るなんて危険にも程があるよ それでも行くの?」


青葉 「…」


川内 「…はぁ?まったく 青葉には困ったものだよ」ヨット スタッ天井から降りてくる


川内 「わかった どうしても行くなら私もついていくよ?」


青葉 「…っえ?」


川内 「ついていく人が天龍や金剛さんならまだ安心できたけど、提督だとどうも心配でね?」


川内 「あっ戦力としてじゃないよ?優し過ぎるから逆に心配なだけだよ?」


青葉 「…ですが、川内さんまでついて行ったら基地を見張りする方が…」


川内 「それならもう手配済みだよ?多分こうなると思って天龍に頼んどいたから平気だよ」


青葉 「天龍さんを?でも天龍さんを夜起こしていたら明日の遠征に支障がでるんじゃないですか?」


川内 「そのことも踏まえて話しておいたよ?明日の遠征は延期にして明後日にしてもらうよう提督に言うつもりだよ」


川内 「理由が理由なら提督も納得してくれるはずだよ」


青葉 「…確かにそうかもしれませんが…」


川内 「…なら行くのやめる?」


青葉 「それはだめです!絶対にいきます!」


川内 「なら一々ぶつくさ言わない!本来ならわたしは反対なんだからね?こんな夜更けになにか情報がないかを調べに行くなんて危な過ぎるんだから」


青葉 「…」


川内 「とりあえず私も準備してくるから青葉は勝手に1人で行ったりしないでよ?」


青葉 「…わかりました」


川内 「よっと!」ガシッ 先ほど出てきた天井に手をかけて登る


ガサガサ…


青葉 「…」


青葉 「…結局、みなさんに迷惑をかけてしまいましたね?しかもよりによって司令官に迷惑をかけてしまいました…」


青葉 「…本当に…役立たずですね?みなさんに迷惑をかけて、その上役立たずで…本当に生きてるのが嫌になってきます」


青葉 「司令官は役に立ってると言ってくれいますが…本当に役に立ってるんでしょうか?」


青葉 「私なんて居なくても…」


川内 「…それ以上考えるのをやめな?青葉 そんなこと思っててもいい事ないよ」


青葉 「…まだ居たんですか?川内さん」


川内 「もう準備できたから戻ってきたんだよっと!」スタッ 天井から青葉の部屋に降りてくる


青葉 「早くないですか?行ってからそこまで時間経ってませんよね?」


川内 「事前に準備してたからあとは天龍に話せばいいだけだったからね?天龍の部屋は隣だから早く終わったんだよ」


青葉 「…そういうことでしたか?納得です」


川内 「それより早くいくよ 早く行って早く帰ってこないと明日に支障をもたらすからさっさと行くよ?」


青葉 「…はい」



青葉は納得いかないが捜索するなら仕方ないと認め、川内たちと捜索をすることに決めた



本来なら1人で捜索をしたかったが提督が認めてくれなかったから仕方ない…そう思うしかなかった



これで提督や川内が噛まれたりしたら全部私の責任になってしまう…そう思うと心が締め付けられるように痛い こんな役立たずのために死んでいったら私は責任を取れない…本当に生きていくのが辛いです



そんなことを思いながら青葉は川内たちと捜索に行く…だが、この時の青葉たちは知る由もなかった



【捜索していてあんな出会いと襲撃に会うなんて…誰もが知る由もなかった】




















第2章 出会いと襲撃



とある別のデパートー入口



提督 「…ここを調べるのか?」


青葉 「はい!今日はここの中を調べてだれか生存者がいないかとなにか情報がないかを探ります!」


川内 「それはいいけど、生存者がいた場合にはちゃんと安全か確認してから話しかけるんだよ?生存者の中でもいろんな奴がいるんだから気をつけてよ?」


青葉 「それはわかっています それでは入りましょう!」


提督 「静かに歩けよ?奴らは中にもいるんだからな」


タッタッタッ…











デパート内ー1階 食品売り場



ゾンビ 「アァー…」ノソ…ノソ… 止まっているエレベーターの周囲に屯っている


ゾンビ 「アァー…」ズー…ズー…



提督 「…やっぱり1階にはけっこういるな?見つかると面倒だからあまり相手しない方がいいな」


青葉 「そうですね」


川内 「2人とも 向こうに階段があるからそっちから登ろ?」


提督 「そうだな その方が安全そうだ」


青葉 「生存者いますかね?」


提督 「それはわからないけど居たらいたで警戒しないとな それが男となるとよけいにな?」


川内 「そうだね」


タッタッタッ…













デパート内ー2階 雑貨、本売り場



提督 「…ここは一階と比べたら少ないな?やっぱり奴らは階段とかはあまり登らないみたいだな」タッタッタッ…


川内 「みたいだね 何かしら目的がない時は登らないみたいだね?」


青葉 「なにか目的がない限りは上には登らないっと?」カリカリ…


提督 「…っ!」スッ 青葉たちに止まれの合図をする


青葉 「っ!」スッ 提督に止まれの合図をされてしゃがみ込む


川内 「…いるね?人数は2人…いや、3人かな?」



提督は本売り場のところにゾンビが数体いることに気づいて2人に止まれの合図を送った



本棚の間にいるのか、姿は見えない…だが、足音は聞こえる 足を引きずる音、遅く歩いてる音…明らかに生きてる人間が歩くような足音ではない



提督たちは武器を構えていつでも使えるように準備する すると…



ゾンビ×3 「「アァー…」」ズー…ズー…


提督&川内 「「」」ダッ!!


青葉 「」パシュンッ


バシュッ…バタンッ


ゾンビ 「」頭に銃弾が打ち込まれて床に倒れる


ゾンビ 「アァー…?」


提督 「ふんっ!」ブンッ!!


グシャァッ!!


ゾンビ 「」首から上が粉砕する


川内 「」ザンッ!!


ゾンビ 「」ズル…ボトッ 首を切り落とされて落っこちる



姿を見せたゾンビたちは提督たちに一瞬で倒された その時間はわずか3秒かからず



提督は鈍器でゾンビの頭を粉砕し、川内は忍者刀(短刀)でゾンビの首を切り落とし、青葉はスナイパーライフルでゾンビの脳天に銃弾を打ち込み倒した



もちろんスナイパーライフルには消音器具を付けている 付けていないとかなり大きい音が出てしまうため、撃つ時には必ず付けて撃っている



提督 「2人とも 周りを警戒してくれ?他にいないか?」


青葉 「…」


川内 「…いなそうだね?これなら先に進んで大丈夫そうだね」


提督 「よし 次行くぞ」


川内&青葉 「「了解!」」


タッタッタッ…








3階につながる階段付近



提督 「…」タッタッタッ…


青葉 「…今のところ奴らはいませんね このまま進んで大丈夫そうです」タッタッタッ…


川内 「そうだね でも気を緩めないようにね?いつ奴らがどこから襲ってくるかわからないからね」


提督 「そうだな?…っん?」


川内 「どうしたの?提督」


提督 「…なぁ なんか3階に続く階段のところになにかないか?」


青葉 「っえ?」



3階に続く階段のところをみんなで見ると商品棚を横に2つ並べて壁を作ったものが道を塞いでいた



3人はこれを見て同じ考えを出した 【生存者がいると】



3階に続く階段の段には何人もの足跡が残っている しかもまだ新しい…ここを通ってからまだ3日も経ってないような足跡がくっきり残っていた



商品棚のところにも誰かがよじ登った跡も残っている これはもう確定と言っていいほど生存者いる証拠だ!



提督たちはすぐさまその商品棚をよじ登って中に入る 不用心にも警備してる人はいない 万が一、奴らが中に入ってきた時どうするんだと提督は思いながら3階の中を探索する



提督 「…けっこう散らかってるな?空き缶や袋のゴミ…いろんなものが散乱して危ないな」タッタッタッ…


川内 「掃除とかまったくしてなさそうだね ここの生き残りは男の人かな?」タッタッタッ…


青葉 「断定はできませんが可能性としては高いですね 男の人は掃除とかあまりしませんからね?」


提督 「…俺はしてるぞ?毎日してるからな?」


川内 「だれも全部の男がとは言ってないよ 一部除いてほとんどの男はしてないって意味だよ?」


川内 「提督が掃除をする人だって知ってるから安心して?」


提督 「…ならいいんだが?」


…ガサッ


全員 「「っ!」」



提督たちは近くでなにかが動く音が聞こえてすぐさま警戒態勢に入った



バリケード内だからゾンビの可能性とは考えにくい…だが、噛まれて中に入ったとすれば話は別だ



ここのフロアはしっちゃかめっちゃかで断定としては言えないが、おそらく衣料品売り場と思われる 衣服や帽子、ズボンやスカートがいたるところに数多く落ちている



音が聞こえてきた方向は衣料品売り場ならほとんどある 試着室の方から聞こえたと思われる



足元までカーテンが届いているため、誰かいるのかまでは見えないが誰かがいる気配が感じ取れる しかも複数人…人数は3人と言ったところだろうか



でも、それだと1つ分からないことがある …なぜ隠れる必要はあるのか?



噛まれたものがここで隠れているならまだわかるが複数人でいるのはおかしい 全員噛まれていたとしてもまとまってそこにいるとは考えにくい



仮にそこにいるのが男で誰かが入ってきたら捕まえてくるとしても同じ場所に複数人いても効率が悪い上にいい作戦とは言えない 考えれば誰でもわかることだ



だとしたらなぜ複数人で隠れる必要がある?誰かが開けるのを待って開けた瞬間に襲いかかるため?でも、それだと気づかれなかった場合、いつまで経っても開けてこないから自分から捕まえに行った方が早い 効率的には悪すぎる



そんなことを考えながら提督は誰かがいると思われる試着室に音を殺しながら近づいていく



提督 「…」タッ…タッ…タッ…


提督 「…」スッ… カーテンに手をかける


シャー…


? 「うわあぁぁぁっっ!!!!!!」ブンッ!!


提督 「うぉっと!?」ヒュンッ


? 「死ねえぇぇぇっっ!!!!!!」スチャッ 拳銃を提督に向けて構える


提督 「ちょっ!?まて!おちつけ!!」


? 「」バァンッ!!


提督 「あぶねっ!?」チュンッ 銃弾が頬にかする


? 「うわあぁぁぁっっ!!!!!!」スッ もう片方の手にスタンガンを取り出す


提督 「(スタンガン!?しかも高圧電流型のバッテリー型!)」


? 「死ねえぇぇぇっっ!!!!!!」バチバチッ!!!!


提督 「(やべっ!?)」スッ



提督はすぐさま、突きつけられたスタンガンの手を持つ部分に拳を入れて叩き落とす さらにもう片方の手に持ってる拳銃も叩き落とす



幸いにも相手は女性だった為、あまり力を入れずに武器を落としてくれた 力を入れすぎると怪我をする恐れがあるから良かったと提督は思った…だが、女性はすぐさま提督の首にめがけて手を伸ばしてきた



提督はすぐさま女性の手を掴んで首を絞められるのを阻止する さすがに首を絞められたり、思いっきり叩かれたりしたらタダじゃ済まない



なかなか落ち着きを見せない女性は手荒だが、提督に足をひっかけりて身体を床につける あまり女性を手荒に…まして、押し倒すような真似はしたくないが落ち着かせるためには仕方ないと思いながら説得をした



? 「離せ!!離せぇぇっ!!!!」グググッ!!


提督 「おちつけ!俺は人間だ ゾンビじゃないから警戒する必要はない」


? 「うるさい!お前も奴らの仲間だろ!!男なんだから奴らの仲間なんだろ!!」


提督 「…やつら?」 タッタッタッ!!…


? 「マキさん!」タッタッタッ!!


マキ 「ゆかりん!助けて!早くこの人を殺して!」


ゆかり 「落ち着いてくださいマキさん この人はあの方達の仲間ではありません」


ゆかり 「その証拠に後ろに女性が付いてるじゃないですか」


マキ 「…っえ?」



マキと言う女の人はゆかりと言う人にそう言われると提督の後ろを確かめた 警戒態勢に入ってる川内と青葉を目にすると暴れるのをやめた



提督は落ち着いたとわかると抑えていた腕の力をゆるめてマキと言う人を離した あまり力を入れてないつもりだったがマキと言う人の腕には跡が残っていた もう少し力加減を考えていれば跡がつかなかったと後悔した



マキは離してもらうとすぐゆかりの後ろに隠れた 警戒されているのか俺の顔を見ながら睨みを利かせてきた



なんとなくわかった さっきの発言も男なんだから奴らの仲間なんだろと言っていた言葉でも薄々気づいていたが、この娘は男性になにかされて、男性に対して警戒をしているんだと



なにかまでは言わなくとも、皆も大体は予想がつくだろう こんなにもスタイルがいい娘だ 男なら気をおかしくしてもおかしくない



…まぁ、俺も男だからそう思うだけで 全員がそう思うかと言われたらわからないけどな?



タッタッタッ!!…


? 「ゆかりさん!マキさん!」タッタッタッ!!…


ゆかり 「ずんこさん!」


ずんこ 「大変です!あの方たちがもうそこまで来てます!急いで出ないと!」


マキ 「もう気づかれたの!?なら早く出ないと!」 タッタッタッ!!…


? 「まてお前ら!」タッタッタッ!!…


? 「どこに行く気だ?こんな時間に」


ゆかり&マキ&ずんこ 「「っ!!」」



ずんこと言う人が来てから間もないうちに男が2人やってきた しかもバットやナイフを持って俺達の目の前にやってきた



女相手に武器を持って追っかけてくるなんて…男としてどうかしてると提督は思いながら、先ほどマキが言ってた奴らと言うのはこいつらだと認識した



? 「…っん?なんだ 見慣れない奴がいるな?」


? 「別の生き残りか?しかも女2人いるじゃねぇか」


提督 「…お前らはここを拠点にしてる者か?」


? 「あぁそうだ それより、そこの3人を連れて帰りたいんだが」


提督 「…」チラッ



提督は後ろにいる3人を様子みた 案の定、3人は目を細めて二人の男を睨みつけていた しかも殺意まで出している…



…あまりざわ事になることはしたくないが、提督は今ここでこの3人を渡したらどうなるかわからない それに川内や青葉も巻き込むことになるためよけいにざわ事を起こしたくない…だが、



? 「ほら さっさと帰るぞ」タッタッタッ… ゆかり達のもとに近づいて…


提督 「…まて 誰が連れてっていいと言った?」スッ 鈍器で男の通る道を塞ぐ


? 「…っあ?」


ゆかり&マキ&ずんこ 「「…っえ?」」


提督 「嫌がってるのに無理に連れて帰ろうとするのは俺的にはどうかと思うんだが?」


? 「お前には関係ねぇだろ 邪魔すんじゃねぇよ」


? 「てか、よそ者がいきなり来てなに偉そうなこと言ってんだよ てめぇにそんなこと言われる筋合いはねぇよ」


提督 「確かにそうかもしれないな?でも、嫌がってるのに無理に連れていこうとするのはおかしいと思わないか?」


? 「そんなのお前には関係ねぇだろ?こっちはこっちの都合ってもんがあんだよ」


? 「いいからさっさとその3人を渡しな カッコつけて痛い目見たくなければな」


提督 「…へぇ?この俺を痛い目にあわせるねぇ?」ニタァ


川内&青葉 「「っ!!!?」」ゾクッ!!



提督がニヤけた瞬間、青葉と川内は鳥肌が立った 普段笑ったり、怒ったりはするがニヤけた表情は滅多に見せないからだ



提督のニヤけた表情はなんとも不気味で目の中の光が消えて黒くなる…この時の提督が見せる行動は一つしかない だって、提督は元々…



提督 「この俺を痛い目に合わせるか…いいねぇ?おもしれぇ!」


提督 「いいぜ!相手してやるよ!!」ギロッ


提督 「【headcrusher(ヘッドクラッシャー)と言われていた元殺人鬼の俺を痛みつけれるならやって見せろよ!てめぇらなんかで出来るならな!?】」ニタァ


ゆかり&マキ&ずんこ 「「っえ!?」」


男A 「っな!?殺人鬼!?」


男B 「しかもヘッドクラッシャーってたしか 4年前、世間に広まってた有名な殺人鬼だぞ!」


男B 「鈍器で頭を粉砕するところが特徴の殺人鬼 殺人数は100を超えていた大犯罪者だ!…でも、」


男B 「【三年前、捕まって処刑されたって聞いたはずだが…?】」


提督 「あぁ 俺は三年前に捕まって殺されたな?…表向きにはな」


男A 「表向き…?」


提督 「世間には処刑したと伝えたが本当は生きてたんだよ ある人に助けられてな?」


提督 「まっそんな話しは置いといて、この俺 headcrusherと言われた殺人鬼を痛みつけれるならやってみろよ!俺は受けて立つぜ!!」ニタァ


男二人 「っく!…」



? 「…なにやってんだ?おまえら」タッタッタッ…


男A 「りっリーダー!」


男B 「ちょっと問題事が…」


リーダー 「…」チラッ



リーダーと呼ばれる男は提督たちの方を見て提督を睨みつけた 今の状況をすぐに悟ったのか、懐からサバイバルナイフを出して向けてきた



提督もリーダーと呼ばれる男の構え方などを見てすぐにわかった 構え方、体制、睨み このリーダーと呼ばれる男…素人ではないと!



リーダー 「よそ者がいきなり来て、そこの女どもを連れていこうとしてるのか?」


提督 「別に連れていこうとはしてねぇな?ただ、この子達はお前らの元に戻るのを嫌がっているから引き止めてるだけだ 勘違いしないでもらいたい」


リーダー 「そんなの知ったことじゃない 俺たちは俺達のやり方ってものがあるからよそ者が勝手な真似をしないでほしい」


リーダー 「さぁ 早く戻ってこい?これ以上ひどい目に合いたくなければさっさと…」


マキ 「絶対いやだ!!だれがお前らなんかの元に戻るか!!」


ゆかり 「私も戻りたくありません 戻ったところでひどい目に合うのは絶対ですからね」


ずんこ 「私も却下です また私たちに襲いかかって犯そうとするので戻りたくありません」


リーダー 「…そうか なら仕方ない」


リーダー 「そこの男には死んでもらうしかないな!」ダッ!!



リーダーはナイフを向けながら提督の元に走っていく 銀色に光るナイフは薄く、紅色に光らせて容赦なく向かっていく



提督はすぐさま鈍器を持ち上げて戦闘態勢に入った リーチの差だと圧倒的に鈍器が勝っているが振る速度は圧倒的にナイフが勝っている



鈍器は当たれば大きいが外れれば大きな隙が出来てしまうため、使い慣れてない人は一回の振りで決めなければならない



そう 使い慣れていなければ…



リーダー 「死ね!」シュンッ!! 提督の首元にナイフを切りつける


ゆかり 「あぶない!」


提督 「…」ニヤッ


ガキィンッ!!


リーダー 「っ!」パキンッ



リーダーと呼ばれる男のナイフは提督の持っている鈍器の鉄棒の部分に当たって受け止められる



勢いをつけて切りつけてきたせいか、ナイフの先は鈍器の鉄棒に当たって欠けた 欠けた破片は床に落ちてリーダーと呼ばれる男と提督の間に落ちた



提督 「どうした?おどろいたか?」


提督 「まさか大金槌の鉄筋棒で防がれるとは思ってもなかったか?しかもナイフの先っぽも欠けちまったな!」ニタァ


リーダー 「…お前、何者だ?こんな防ぎ方するなんて 手慣れか?」


男A 「リーダー!そいつは4年前、世間を騒がせた殺人鬼です!」


男B 「付いたあだ名はheadcrusher 鈍器を愛用していた重罪犯罪者です!」


リーダー 「headcrusher?それって、三年前に処刑されたって言われていた無差別殺人鬼か?」


提督 「そうだ!俺はいろんな奴の頭をこの大金槌で粉砕してきた!」


提督 「頭を潰した時のパァンッ!って音がすげぇ快感でな!人間の頭ってこんな音がするのかって思ったよ!俺の予想はグシャッて音かと思ったのにそれが違ったんだ!」


提督 「もう最高だったよ!無差別に人の頭を潰して潰してパァンッ!って音を聞くのがもうたまらなかった!」


提督 「あの時の快楽は今でも忘れられねぇ!ゾンビの頭を粉砕する度にその音を聞いてるとすげぇ興奮するんだ!完全に腐りきってる奴はグシャッって音だが、まだ腐りきってない奴はパァンッ!て音が鳴るんだ!」


リーダー 「…悪趣味な野郎だな 俺より悪趣味だ」


リーダー 「だが、headcrusherは三年前に処刑されたと聞いたが?なぜ生きてるんだ」


提督 「さぁな?なんで生きてるんだろうな?それに俺はもう殺人鬼はやめてるから今となっては頭を潰すことはどうでもいいんだけどな?」


提督 「それより早くケリをつけようぜ?この娘たちを連れて帰りたいんだったら俺に勝ってみな!この元殺人鬼に勝てる自信があるならな!」


リーダー 「…」


男A 「リーダー どうしますか?やるなら援護はしますが…」


男B 「もしあの男が本物の殺人鬼 headcrusherならかなりの手練ですよ?正直、勝てる自信が…」



リーダーは悩んでいた 確かに部下の言う通り、今ここで元殺人鬼と言われる相手と戦うのは部が悪すぎる いくらこっちが3人男だとしても、向こうは世間を騒がせたほどの実力を持つ殺人鬼



嘘をついて脅してるとも考えられるが、今のナイフの防ぎ方からして素人ではないと推測していた 殺人鬼が嘘だったとしても、戦いなれていることには違いない



無理に戦えば リーダーはともかく、部下たちはすぐやられるであろう 部下は所詮武器を持っただけの素人 戦いなれてないため、すぐに殺されるのが見えている



リーダーの判断は…



リーダー 「…連れていけ そいつらを連れてここから出ていけ」


ゆかり&マキ&ずんこ 「「っ!」」


提督 「懸命な判断だな?無用な殺生をしないところは感心するな」


リーダー 「こっちも部下を失うようなことはしたくないからな 本来なら無理矢理でもそこの女どもを連れて帰りたいんだが、そうすると部下を失うことになるからな」


リーダー 「お前ら あの3人を諦めて寝床に戻るぞ?明日も早いんだから早く寝るぞ」


男A 「…わかりました」


男B 「了解です…」



リーダーはそう言うと、男2人を連れて来た道を戻り始めた 無防備な背中を見せて提督たちの前から消えた



提督は仲間思いのリーダーで良かったと思った これ以上、無用な殺生はしたくなかったからだ



もしここで戦闘が起こっていれば、提督はあの3人を問答無用で殺していた 3年前に殺人鬼をやめたのにまた同じことを繰り返してしまうことは絶対にやりたくない



提督はあの3人が殺りに来ないとわかると持ち上げていた鈍器を床に付けた 戦闘をしないのに持ち上げていては疲れが出るから楽な体制に戻した



提督 「…はぁ なんとか戦闘にならなくて済んだな?なったらなったでめんどうだからな ならなくてよかったよ」


提督 「さて、そこの3人だが…」


ゆかり&マキ&ずんこ 「「…」」



3人は目を細めて提督を睨みつけていた それもそのはず、俺は元々殺人鬼だと自白したのだから警戒しないわけがない



今はもう殺してないと言っても信じるわけがない まして、初対面の相手に信じろと言っても誰が信じる?俺なら絶対に信じないだろう



提督 「…やっぱり警戒するよな?まっ当然か 元殺人鬼と聞いて、警戒しないわけがないか」


ゆかり 「…そうですね 助けてもらって悪いですが、元殺人鬼なら警戒しないわけがありませんね?」


ずんこ 「本当に殺人鬼だったんですか?とてもそのようなことをしてたとは思いませんが…」


提督 「人は見かけによらないって言うだろ?俺は過去に100を超える人間を殺してきた この鈍器でな?」


ずんこ 「…なぜそのような事をしたんですか?なにか理由があったりは…」


川内 「2人とも 話してるところ悪いけど、そろそろ帰った方がいいんじゃないかな?明日のこともあるけど、早く帰って身体を休めたいんだけど?」


青葉 「そうですね いつまでもここにいては、あまり良くないので早く帰った方が良さそうですね?」


提督 「…そうだな?あいつらも早くここから出ていけって言ってたし、3人を連れて俺たちの拠点に戻るか」


マキ 「絶対にいやだ!誰がお前のところになんか行くか!」


ゆかり 「マキさん 今回は私たち以外にも女性がいるので多分平気ですよ?」


マキ 「関係ない!こいつが男に変わりはないんだからわたしは絶対に行きたくない!」


ずんこ 「でもマキさん 今この方達について行かなくては安全と言える場所がわからないので疲れを取る場所が…」


マキ 「それでもいやだ!わたしは絶対にいやだ!!」


マキ 「男がいるところに身体を休めるなんてわたしは絶対にいやだ!だったらわたしは死んだ方がマシだ!」


ゆかり 「…マキさん…」


提督 「…なら、俺たちが拠点にしてるところにいる奴らが全員女だった場合には平気か?」


マキ 「…っえ?」


提督 「俺たちが拠点にしてるところには俺を除けば女しかいないんだ 本当かどうか知りたいんだったら川内たちに聞いてみな?」


マキ 「…本当なの?この人以外男がいないって?」


川内 「本当だよ 提督以外に男はいないよ」


青葉 「私たちの他にあと5人いますが全員女です」


マキ 「…」



マキは提督以外は女だと知ると、少し落ち着いた表情を見せた おそらく少しだけだが、警戒心が薄れたのだろう 提督以外が女だとわかると提督だけを警戒すればいいからそこまで警戒を強くしなくて済むから余計な警戒心はいらないと思ったのだろう



ゆかり達もなにかあったとかは必ず守るとマキに言い聞かせてなんとか納得させた 提督もマキが納得してくれて良かったと内心思った もし納得してくれなければ、俺達が拠点としてるデパートには来ないで別の場所で疲れを取らなければならない



もしそうなればかなり危ない目に遭うことになる 安全かどうかもわからないところで寝泊まりなんかしたら、奴らに見つかって寝てるところを襲われたりしたら手も足も出ない そのまま永眠することになる…



マキ 「…わかった 今はこの人たちを信じてみるよ」


ゆかり 「マキさん!」


マキ 「だけど!あんただけは絶対に信じない!私たちになにかしてきた瞬間に殺すからね!」


提督 「いいだろう?俺も信じてもらおうなんて思っちゃいない 元々殺人鬼だったから俺のことを信じる奴なんて誰ひとりいないからな!」


川内 「わたしは信じてるよ?提督」


青葉 「私も信じています!司令官」


提督 「…話の流れ的に信じてるなんて言わないでほしかったな?そこは信じてないって言って欲しかったよ…」


ずんこ 「…あの、さっきからあなたは司令官だの提督だのと呼ばれていますが一体なにをしている方なんですか?」


提督 「おれか?俺は元海軍憲兵をやってた者だ 今はみんなの指揮官をやってるがな?」


ゆかり 「っえ!?海軍!?元殺人鬼のあなたが!?」


提督 「驚くのも無理はないな 元殺人鬼が海軍になってるなんておかしな話だもんな?」


提督 「まっそんな話は後にして?ここにいても奴らの迷惑になるからそろそろ俺達の拠点に行くか」


青葉 「そうですね そろそろ行きましょうか?」


川内 「それじゃ3人も私たちについてきて 拠点まで案内するから?」


ゆかり 「わかりました ご迷惑をおかけしますがお願いします」


ずんこ 「よそ者を受け入れて下さりありがとうございます」


青葉 「べつに構いませんよ 変な人たちでなければ全然構いませんよ!」


マキ 「…」ギロッ


提督 「そんな睨みつけなくてもなんもしねぇよ?まっ安心しろって言われても無理か まぁいい」


提督 「それじゃ行くか」


全員 「「はい!」」


マキ「…」



こうして、ゆかりたちは提督たちの拠点に行くことになった まだあって間もないのに受け入れてもらえるとはゆかりたちは思ってもいなかった



マキも男が提督だけだと知り、提督たちの拠点に行くことを納得した マキ自身も2人のことも考えていやいやだが納得したと思われる



提督も3人が納得してくれ良かったと思った 食料面からしたら減りが激しくなるがそんなのは集めたり、作物を育てればなんとかなるからどうでもよかった



ここで3人を置いていくよりかは断然にマシだった 今ここで3人を置いていったらなにが起きるかわからない もしかしたら奴らに襲われて死ぬかもしれない



そんな危ない状況で女3人を野ざらしになんかさせることはできなかった 元殺人鬼の俺が思うのもなんだが…



このまま無事に、この腐敗した世界から抜け出せればいいなと俺は思った もちろん全員生還して



どうにかしてこの世界から抜け出すことは出来ないだろうか?もし抜け出せるならみんなでこの世界から脱出して元の生活を取り戻したい



そして、みんなと元気よく飯を食べたり どこかに遊びに行ったりしてまったりとしたい…そんな願望が叶うはずないとわかっているが考えてしまう



この先、みんな無事でいられるかわからない…もしかしたら、全滅するかもしれない



そんな未来のことなんてわからない わからないからこそ怖い 提督はそんなことを思いながら先なにが起こるか分からない日々を送っていく…











第3章 提督の過去



朝ー食堂



提督 「…てわけで、今日から新しく仲間になった者達だ?」


ゆかり 「結月ゆかりです よろしくお願いします」


ずんこ 「東北ずん子です ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします」


マキ 「弦巻マキだよ よろしく!」


雷 「よろしく!」


天龍 「新しい仲間か これは嬉しいことだな!」


金剛 「本当デース!まだ私たち以外にも生き残りが居て良かったデース!」


鳳翔 「これから賑やかになりますね?嬉しいことです!」


青葉 「そうですね」


提督 「みんな仲良くしてやってくれよ?」


全員 「「はい!(おう!)」」


提督 「それじゃ、そろそろ朝食にするとしよう?3人も席についてくれ」


ゆかり 「…あの、昨日いた川内という方がいないんですが?」


提督 「川内はいつも朝はいないよ あいつは夜担当だから?」


ずんこ 「っえ?夜担当なんですか?」


提督 「あぁ 俺達は朝担当で川内は夜の警備を担当してくれるんだ」


提督 「元々あいつは夜型だから朝起きてるより夜起きてた方がいいって自分でも言ってたからな?だから朝は基本的寝てるんだ」


ゆかり 「そうなんですか」


ずんこ 「…本当にみなさん女性の方なんですね?男性が海軍指揮官さんしかいないなんて」


提督 「…海軍指揮官って呼びにくくないか?てかさんづけしなくてもいいぞ?」


ずんこ 「そうですか?」


提督 「あぁ 普通に提督って…あっそうか お前たちは関係ないから提督って呼ぶのはおかしいか?」


提督 「(かと言って本名を名乗るわけにもいかないしな?視聴者視点を考えて)」


提督 「…そうだ 俺のことはhead crusherとでも呼んでくれ?crusherだけでもいいぞ?」


ゆかり 「…っえ?殺人鬼名でですか?」


提督 「あぁ 本名は視聴者視点を考えて言わない方がいいと思ってな?」


ゆかり 「メタイですね」


ずんこ 「わかりました それではhead crusherを略してヘドクラさんと呼びます 今日からよろしくお願いしますヘドクラさん」


提督 「ヘドクラって…まぁいいか?よろしくな」


マキ 「…」ジロッ



ゆかりとずんこは提督と普通に接しているがマキだけは提督と話そうとしなかった やはりここに来ても提督を警戒しているのか 提督を睨みながら警戒していた



一応よろしくと言葉をかけるがやはり睨みつけるだけで言葉を返してこない まぁこればかりは仕方ない 向こうにいた時は男どもに襲われていたのだから男に警戒心を持ってもおかしくない 提督はあまり気にしないようした



3人は席について提督も席に着き、朝食にありつけた



鳳翔 「それではみなさん いただきます」


全員 「「いただきます!」」













数十分後…



全員 「「ごちそうさま(でした)」」


鳳翔 「お粗末さまでした」


ゆかり 「ふぅ…久々に食卓にありつけられましたね?いつもは缶詰など非常食ばかりでしたのですごく美味しかったです」


ずんこ 「そうですね こうしてまた食卓にありつけられるとは思いませんでしたね?美味しいごはんをありがとうございます」


鳳翔 「喜んでもらえてなによりです!」


マキ 「…ふぅ…」ホッ…



朝食を取り終えるとマキは落ち着いたのかホッと一息ついた マキは朝食を取っている時でも提督に睨みを効かせながら警戒していた



提督も気にしないようにはしていたがさすがに目線が痛くて、1度マキと目を合わせたが逆効果だった さらに目をギラつかせて、しまいにはスタンガンまでポケットから取り出してきた さすがにスタンガン出してくるのはやりすぎだと思った



それに気づいたゆかりも大丈夫だと言い聞かせてスタンガンをしまわせた 朝食を取ってる時に暴れ回られても困るし、なにより他のみんなにも迷惑をかけるから止めてもらって本当によかった



天龍 「っお?一息ついて メシ食って落ち着いたか?」


マキ 「…うん ごめんね?ご飯食べてる時にスタンガン見せて」


天龍 「別に気にしてねぇよ!それにお前のことは提督から聞いてるからなんで取り出したかも知ってるから謝ることはねぇよ!」


マキ 「…ありがとう?天龍さん」


天龍 「呼び捨てでいいよ!なにかあったらすぐ俺に頼ってくれよな?必ず助けてやるから!」


マキ 「うん!」



天龍はマキに安心の言葉をかけると先ほどとは違い、笑顔で返答した



天龍には朝帰ってきた時にマキの事情を話しておいた マキは男に対して警戒を持っているからできる限り仲良くするよう頼んでおいた



天龍も喜んで引き受けてくれた 天龍は元々子供の世話を見ることが好きで雷の面倒もよく見てくれている マキは見たところ女子高生と言ったところだろうか



天龍は見た目的に…同い年?ぐらいに見えるだろうか まぁそんな感じだから仲良くなれるのもあるだろう マキは天龍に警戒心を一切見せずに会話している



提督 「それじゃ 本来なら今日は遠征に行く予定だったが変更して拠点で待機だ!異論はないな?」


雷 「だいじょうぶよ!」


提督 「天龍 明日は遠征に出るから今日はゆっくり休んでくれ?今日1日家事や洗濯は俺たちでやるから」


天龍 「そうか?それじゃお言葉に甘えてそうさせてもらうぜ!さすがに夜ずっと起きてたから眠気がな…ふぁぁっ…」


提督 「青葉も午前中は休んでくれ いくら昼間寝て夜起きてたとしても疲れてるはずだ 午後からは警備を頼む」


青葉 「了解です!」


提督 「金剛は俺と一緒に掃除などをするから手伝ってくれ」


金剛 「りょーかいデース!」


提督 「鳳翔はいつも通り食料の在庫整理を頼む」


鳳翔 「はい わかりました」


提督 「雷は3人にこの拠点のことを教えてやってくれ あと空いてる部屋に自分たちの部屋を決めさせてやってくれ」


雷 「わかったわ!」


提督 「それじゃ 今日も生き残っていくぞ!」


全員 「「おおー!」」


ゆかり 「っえ?おっおぉー?」


ずんこ 「おぉーっ!」


マキ 「…」













デパート5階ー各部屋通路(倉庫)



雷 「んで、ここが天龍さんの部屋でこの隣が青葉さんの部屋になってるの!」タッタッタッ…


マキ 「ここが天龍さんの部屋か?天龍さんにはお世話になるかもしれないから覚えておかないと」


ずんこ 「5階はみなさんの部屋になっているんですか?」


雷 「そうよ!倉庫置き場として使われてる部屋を一人一部屋で使ってるの さっきの休憩室はみんなでご飯食べるところにしてるの!」


ゆかり 「商品が売ってる場所は何に使っているんですか?」


雷 「あそこはいろいろあるけど、しいて言うなら武器の整備する工具があったり医療用具が置いてあったりで基本的になんでもする場所ね!」


ゆかり 「なるほど」



雷は3人を5階の案内をしながら誰がどこの部屋などを教えた 5階は倉庫が多くみんなの部屋にしている



商品売り場は多少睡眠を取ったりする休憩スペースがあったり多少の運動器具があったりと本当になんでもにしている



商品棚などはすべて端に寄せて邪魔にならないようにしたり、下に持っていき2階から3階に続く階段の場所に置いて壁代わりにしている



4階の倉庫は食料や水などが置いてある このデパートで押収してきたカンパンや缶詰め、お米などを保管している



生ものはさすがにないが野菜やレトルト食品などは冷蔵庫に入れて長く持たせている 幸いにもこのデパートの屋上は花壇があって花などが育てられていた その花壇で野菜を育てている



数多くは作れないが多少の食料の足しにはなると思い提督は遠征時に取ってきた野菜の種を植えて育てている 肥料や栄養剤がないのは痛いが時間をかけて育てるしかない そこはどうしようもできない



さらに花壇の隣にはソーラーパネルや貯水槽まで備え付けられていた 電気や水は節電や節水を繰り返していれば半永久的に使えるであろう デパートにまさかソーラーパネルは愚か、貯水槽が設置されているとは思わなかった このデパートを拠点に出来て本当によかった



4階の商品売り場は演習場として使っている 相手がゾンビだけではないため、人間相手の時に備えて毎日訓練をしている 主に武術や接近戦での対象法を重視している



3階の倉庫部屋は2階が危険なため基本的になにも使っていないが唯一一つだけ使っている それは川内の部屋があることだ



川内は夜警備するために部屋を3階の倉庫の部屋にしている 万が一、ゾンビや他の生存者が入ってきた時にすぐ気づけるようにするため



3階の商品売り場はゾンビや他の生存者が入ってきたらすぐわかるようにワイヤーやピアノ線で罠を付けている 罠と言っても至って単純な線に足や手に引っかければ川内の部屋に取り付けられている鈴がチリンチリンと鳴り響く仕組みだけのもの 殺傷率のある罠ではない



万が一、俺たちの誰かが踏んで致命傷を受けたら危ないため致命傷のある罠は付けないことにしている 今この状況で致命傷を負ったら直しようがない



1階から5階まで続く非常階段には言われるまでもなく鍵をかけて絶対に開けられないよう釘や板で打ち付けて商品棚を何重にも扉前に置いている



それだけでは心配なため登る階段場所に商品棚を置いて登らせないように邪魔物を置いている



エレベーターは使えると便利だが1階から5階まで登れるエレベーターなため使うわけにはいかない 電源制御室でエレベーターの電源だけは切っている



万が一、ゾンビが使ってきたとしたら一番安全な5階に責められたらひとたまりもない そんなことにならないよう階段を使うようしている



1階から2階は制圧できなくてゾンビが今でも徘徊している 本来ならデパート内を制圧したかったが仕方ない 無理して襲われて噛まれたりしたら元の子もない 安全エリアがあるだけまだマシだ



3人の部屋や案内を終えた雷は提督の元に戻った



屋上



提督 「…」カチャカチャ スッ… 洗濯物を干している


金剛 「…」シャー… 野菜に水をあげている


ガチャッ


雷 「しれいかーん!大体案内は終わったわよ!」


提督 「っん?そうか 大体は覚えられたか?」


ゆかり 「はい 雷さんの説明がわかりやすかったので大体は把握しました」


ずんこ 「私たちの部屋も決めたので次は普段の活動内容を聞きにしました!」


マキ 「…」ギロッ


提督 「そうか なら次は拠点にいる時になにをするのかを教えるか?金剛」


金剛 「ハーイ!なんですか?」


提督 「後は俺がやっておくから雷と一緒に普段の活動を教えてやってくれないか?」


金剛 「What?別に構いませんが提督が教えた方がいいんじゃないネ?」


提督 「マキは男を嫌ってるから俺がいるとだめなんだ 前の生き残りと一緒に居た時に…な?」


金剛 「っ! 了解ネ!それじゃ後はお願いするデース!」


提督 「頼むよ」



金剛は提督が全部言っていないがそれだけで察した マキはスタイルも良いし胸部も大きい…それで男を嫌ってると聞けば誰もが察すると思う マキは前の生き残りの人たちにひどいことをされたと



金剛は畑の水やりを提督に任せて雷と一緒に拠点にいる時の活動を教えた



作業内容は至って普通 一般家庭で家事をするのと一緒で提督と金剛、雷、青葉に天龍は洗濯や掃除、交代で警備をするのが日課である



食料管理は鳳翔がやってくれていて、川内は夜の警備をしてくれている 妖精は武器の整備をしてくれているためそれ以外の事は全部みんなでやっている



3人にもそのことを伝えると私たちも手伝うと言って協力してた 協力性のある人たちで本当によかった



それから数時間後、お昼ご飯を終えてからずんこは5階の売り場に行って武器を整備してる提督と妖精の元に行った



提督 「妖精 ハンドガンの玉はまだあるか?なくなりそうなら作っとこうと思ってるんだが?」


妖精 「ちょっとまって?」ガチャッ…カパッ 銃火器類が入ってるBOXを開けて覗き込む


妖精 「…まだ余裕あるね 作らなくてもいいと思うよ?」


提督 「そうか?わかった」


ずんこ 「ヘドクラさーん!」タッタッタッ…


提督 「っん?ずんこか どうした?何か俺に用か?」


ずんこ 「はい 少しお話がしたいと思ったんですが今よろしいでしょうか?」


提督 「構わないよ?妖精 少しの間武器の整備を頼む」スクッ


妖精 「わかった 襲っちゃダメだからね?」


提督 「襲わないから安心しろ それじゃどこで話すか?」


ずんこ 「そうですね?屋上とかでもいいでしょうか?」


提督 「屋上か?別に構わないよ それじゃ行くか」


ずんこ 「はい!」


タッタッタッ…













屋上



ヒュー…


ずんこ 「んんー!やっぱり屋上は風通しがいいですね!」


提督 「そうだな 今じゃ高いところじゃないと安全に風を感じることはできないからな?」


提督 「…さて、話しとやらを聞かせて欲しいんだがいいかな?俺もまだやることがあるからな」



ずんこはそう言われると先ほどまで風を感じていた笑顔から真剣な顔になった もちろん提督もなにを聞きたいのかだいたい予想はつく



だから敢えて誰もいない屋上に来た 普通の話しならどこでもいいがずんこが聞きたいと思うことはおそらく俺の過去のことだと提督は確信した



昨日話せなかったから今日辺り聞いてくるんじゃないかと思っていたが案の定、聞いてきた この娘の性格からしておそらく真面目で知ろうと思ったことは知るまで気が済まない性格であろう



仮にも提督は元殺人鬼である なぜ人を殺していたのかを知ろうとして、知ったところで安全かを確かめるためであろう まっ危険人物だと思われても仕方ない 元殺人鬼なのだから



ずんこ 「…ヘドクラさんは本当に元殺人鬼なんですか?わたしにはあなたが人を殺していたとは思えないんですが?」


提督 「…昨日も言ったが俺は元殺人鬼だ 過去に人を何百人を超える数を殺してきた?今は持ってないがあのハンマーでな」


ずんこ 「なぜ人を殺していたんですか?なにか理由があるんじゃないでしょうか?」


提督 「…」



提督は黙った…たしかに人を殺していたことに理由はあった しかし、そのことを教えたところで信じるかと言われたら俺ならまず信じないであろう



信じる信じないは相手次第だがあまり話す気にはなれない 殺人鬼の話しなんか聞いてなにが楽しい?なにが嬉しい?正直なにも面白くもないし楽しくもない



そんな殺人鬼のどうでもいい話を話したところで相手は信じないのが目に見えている …だが、ここで話さなかったらずんこはいつまでも聞いてくるだろう …提督は渋々ながらも話した



提督 「…正義のため、かな?」


ずんこ 「…っえ?」


提督 「みんなは俺のことを無差別殺人鬼と言ってたが、生憎だが無差別に人を殺してたわけじゃない 悪党共だけを殺してたんだ」


提督 「この世界には悪党がうじゃんといた 俺はその悪党共を殺すために鈍器で何百人も殺してきた」


提督 「もちろん限度と言うものも考えていた ただイタズラした程度やスリや空き巣をしたぐらいじゃ殺しはしなかった そのくらいで処刑するのはさすがにおかしいからな?」


ずんこ 「…それが理由ですか?」


提督 「いや、まだある まだあると言うか…これが本命だな?」


提督 「…俺の家族は…無差別殺人鬼に殺されたんだ…」


ずんこ 「っえ!?」


提督 「俺が殺人鬼になる前は家族がいたんだ 父、母、妹がいた …だが、3人とも腸や眼球をえぐり出されて殺されたんだ」


ずんこ 「っ!!!?」


提督 「その殺人鬼は捕まって処刑されたが俺はそんなんじゃ気が済まなかった 家族が殺されたのはあの悪党のせい…悪党さえいなければ、俺の家族は殺されることはなかった!」


提督 「だから俺は悪党共を滅亡させるために殺人鬼となった すべての悪党共を殺すまで俺はやめなかった!すべての悪党共を殺し終えたら俺は自害しようとした」


提督 「俺も人を殺してるから悪党共の1人だからな 悪党共を滅亡させて平和な世界を作りたかったんだ」


提督 「…だが、3年前に捕まって俺は死刑が決まったけどな?完全には滅亡できなかったが少しでも減らせて良かったと思うしかなかったよ…せっかくここからという時に捕まった…」


ずんこ 「…でも、なんで死刑が決まっていたのに生きてるんですか?3年前に処刑が決まっていたならもう処罰を受けていてもおかしくないと思いますが…?」


提督 「助けられたんだ 俺の前の指揮官にな」


ずんこ 「…っえ?」














提督の過去ー牢獄



headcrusher 「…」ジャラ…


headcrusher 「…っち!マジでうぜぇ…」



俺は捕まって牢獄に入れられている 暴れないように鎖を手足に取り付けられて動きを押さえつけられている



力づくで取ろうとしても鎖は鉄で出来ていて全くと言っていいほど歯が立たない ガンガン引っ張って壊そうとしても腕が痛くなるだけで壊れる様子がない それどころか腕に血がにじみ出てきて痛い



…あの時、悪党を殺した瞬間に警察が来て一瞬の隙をつかれて俺は取り押さえられた 最悪にも俺の武器は鈍器だったため、反撃ができずにそのまま麻酔を打たれて捕まった



力なら自信があったから麻酔なんか使われなければ振り払えた…だが、くそ警察共は麻酔なんか使って俺を捕まえやがった



人が悪党を殺してるのになにもしてないくそ警察共に捕まった…マジで苛立つ!ヤクザとか暴力団を野ざらしにしておいて捕まえられるやつだけ捕まえる奴らなんかに捕まったことを苛ただしく思ってくる



捕まってから約1年、俺は牢獄に入れられたままずっと放置されている 飯は1日1回な上に外の散歩もない 危険人物なため俺はずっと牢獄に入れたままにされている



飯を1日1回にしているのは体力を作らせないためだと言って餓死しない程度に飯を持ってくる 完全にこいつらは俺を生かす気はない …まぁ死刑判決を受けているのだから当たり前だが?



しばらくするとheadcrusherの牢獄の前に看守が何人もの看守を連れてやってきた



タッタッタッ…


看守 「…」


headcrusher 「…んだよ?なにかようか?」


看守 「…出ろ」カチャカチャ…ギィィ


headcrusher 「…鎖つけられてるのにどうやって出ろって言うんだよ?」


看守 「今外す」ピッ


ガシャガシャンッ


headcrusher 「…」手足に取り付けられていた鎖が外れる


看守 「…出ろ」


headcrusher 「…っけ!やっと処刑される時が来たか ようやく俺は死ねるのか?」


headcrusher 「テメーらに見られるのはウザかったもんでな?ようやく死ねてよかったよ!」


看守 「…早く出ろ」


headcrusher 「…」スクッ タッタッタッ…


看守 「ついてこい」


headcrusher 「どうせいやだと言っても無理やり連れていくんだろ?まっ俺はもうお前らを見たくねぇからさっさと死ぬけどな」


看守 「…いいからついてこい」


headcrusher 「へいへい?」


タッタッタッ…









タッタッタッ…


看守 「…」タッタッタッ…


headcrusher 「…おい こっちは面会室の方じゃなかったか?処刑場とは真反対だぞ?」


看守 「…本来ならお前は今日処刑日だ …だが、その前に面会をしてもらう」


headcrusher 「面会?誰とだ?生憎だが俺に知り合いはもういないぞ」


看守 「私たちより上の方がお前と面会したいと言ってたんだ」


headcrusher 「…お前達より上のヤツが?」


看守 「着いたぞ 中に入れ」


headcrusher 「…一体誰だよ ふざけた奴ならぶっ殺してやるぞ!」ッチ!


ガチャッ


? 「…」


艦娘 「…」



ドアを開けると、そこには海軍の服を着た男と隣にはセーラー服を着た少女がいた headcrusherは一目で2人がどういう人物かがわかった 男の方は指揮官で隣の少女は艦娘と言う奴だと



だが、なんで俺と面会をするのかはわからなかった 俺は地上で騒ぎを起こしてた殺人鬼でこいつらは海を守る海軍…なんの関係もないし共通点が何一つない



冷やかしに来たのか?だとしたらこの強化ガラスをぶっ壊してこいつらを殺そうと邪心を考えながら椅子に座る



? 「…君が、地上で騒ぎを起こしてたheadcrusher君だね?」


headcrusher 「…だったら?」


? 「自己紹介が遅れたね」


提督 「僕は横須賀鎮守府を仕切る指揮官 それで、僕の隣にいるのが秘書の雷だ」


雷 「よろしく!」


headcrusher 「…艦娘とやらは初めて見たな?ほとんど人間じゃねぇか」


提督 「ほとんど人間と変わりないよ ただ違うのは海の上を走ったり、人間では持てない重い換装を持ったりできたりするところだけかな?」


headcrusher 「…へぇ?不思議なもんだな そんな小さい子も海に出て戦ってるのか?」


雷 「そうよ!わたしは駆逐艦だから護衛がほとんどだけどちゃんとした艦娘よ!」


headcrusher 「…かわいそうに」カタッ


雷 「…っえ?」



headcrusherは言い終えるとすぐさま立ち上がり、強化ガラスを拳で思いっきりぶっ叩いた



さすがに1発では粉砕しなかったものの、強化ガラスはヒビが入ってもう1度拳を入れればすぐに粉砕するところまで損傷していた



さすが、今まで鈍器を使用していたものである 力はかなり強いのが凄くわかる 普通の人間ならまず不可能に近い ものを使えば何とかなるかもしれないが拳じゃまず無理だ



提督 「…さすが、鈍器を愛用していただけあって力は強いね?強化ガラスを1回の拳でヒビを入れるなんて僕には無理だ」


headcrusher 「んな事どうでもいいんだよ!てめぇこんな幼女を戦場に行かせてるたァどういう頭してんだゴラァ!!」


headcrusher 「テメェ男だよなぁ!?男が女に戦いに行かせるたァどういう神経してんだオラァ!!!!」


提督 「…」


看守 「こらっ!なにをしてるんだ!!」


看守2 「取り押さえるぞ!!」


headcrusher 「テメェらは黙って…」


提督 「いい 手を出さないでくれ」


看守 「しっしかし…」


提督 「本当のことだ 女に戦場に行かせるなんてどうかしてるのは自分でもわかってる その人の言う通りだ」


看守2 「…」


headcrusher 「…へぇ?自分でもわかってんのか テメェの頭がおかしいこと?」


提督 「あぁ 僕だって女性を戦場に出したくないと思っている もし変われるなら変わりたいぐらいだ」


提督 「だが、普通の人間である自分が海に出たところで軽巡は愚か、駆逐艦にも勝てない…普通の人間は換装も持てないから艦娘に任せるしかないんだ」


headcrusher 「…なにが目的だ?俺に何の用だ」



headcrusherは話を戻した それもそのはず、なぜ海軍が殺人鬼の俺と面会しに来たのかがわからなかったからだ



この提督とは初めて会ったから知り合いってわけでもない なにか共通点があるかを考えたが何一つ思い浮かばない 一体何のために俺と面会をしに来たんだ?



提督 「…実はね、ちょっと君に聞きたいことがあるんだ」


headcrusher 「聞きたいこと?なんだよ」


提督 「…君は人を殺してたんだよね?なぜ殺していたのかを聞きたいんだ」


headcrusher 「殺したかったから ただそれだけだ」


提督 「…本当かい?」


headcrusher 「あぁ」


提督 「…」


雷 「…うそね」


headcrusher 「…っあ?」


雷 「あなたがそんな理由で人を殺していたとは思えないわ 正直に答えて?あなたはどうして人を殺していたの?」


headcrusher 「…」



headcrusherは黙った…なぜこの娘はそう思ったのかはわからないがたしかに別の理由があって人を殺していたことには違いない



提督の方も嘘だとわかっていたらしく、僕も真実を知りたいと言ってきた …だが、headcrusherは話す気はなかった



話したところで犯罪者の言ったことを誰が信じる?誰が聞く?俺なら絶対に聞かない そんな胡散臭い話をされたとしても信じれるわけがない



headcrusherは嘘をついてないと答えると雷は絶対に嘘ついてるでしょと返答を返してきた なんで嘘をついてるとわかるのだろうか?別に挙動不審を見せてるわけでもないし動揺もしてるわけでもない なぜ嘘をついてると思うと聞くと普通の返答をしてきた



雷 「あなた さっき私も戦場に行ってると言ったらかわいそうにって言ったわよね?普通無差別に殺人を犯してる人がそんなこと言うかしら?」


headcrusher 「っ!」ギクッ


雷 「自分で言った言葉に墓穴を掘ったわね 先に言ってくれて感謝するわ」


headcrusher 「…」


提督 「…雷 あまり怒らせないでくれ?怒らせるとまた強化ガラスを叩かれたら…」


雷 「大丈夫よ たぶんこの人すごく優しい人だから」


提督 「たぶんって…」


headcrusher 「…あいにくだが、俺はお子ちゃまに手を上げるほど子供じゃないんでね?そんなことを言われたぐらいで怒らねぇよ」


雷 「ほらね?」


提督 「ほらねって…まぁいいか あまり良くないけど…」


headcrusher 「それで、話を戻すが俺になんの用があって面会に来た?冷やかしに来たなら殺すぞ」


提督 「…じつは、頼みがあってきたんだ?」


headcrusher 「頼み?殺人鬼の俺にか?」


提督 「あぁ いやなら嫌で構わない…だが、断れば君はこの後に処刑されてしまうからよく考えて問を聞かせてくれ」


提督 「…僕の下につく気は無いかい?」


headcrusher 「…っは?」



headcrusherは一瞬何を言っているのかわからなかった 俺の聞き間違いか?今こいつは俺の下につく気はないかと聞いてきたか?



聞き間違えたかもしれないため、もう1度言ってくれとを言うと同じ言葉が帰ってきた



バカなのか?この提督は本当にバカなのか?いやもうバカを通り越して大バカもいいところだ



殺人鬼を海軍に入れようとするなんてこの提督以外に考えられない なにかしら面識があるならまだわかるがさっきも書いた通りこいつとは面識がない



下につかせるなら俺ではなく他の奴の方が十分にいいはず なのになぜ俺を選んだ?なにが目的だ?全くわからない



headcrusher 「…なにを企んでる?」


提督 「いや なにも企んでいないよ?純粋に答えただけだ」


headcrusher 「バカかお前?俺は殺人鬼だぞ?殺人鬼の俺を下につかすとか頭いかれてんじゃねぇのか?なにかなければ俺を下につかせるなんてしないと思うがな!」


提督 「本当になにもない …ただ、あるとしたら君の過去を調べさせてもらったことは事実だけど?」


headcrusher 「っ!」


提督 「君は過去に自分以外の家族が殺されてるみたいだね しかも無残に…」


雷 「それから約1か月後にあなたは人を殺し始めた…しかも無差別にと世間では広まってるわ?」


提督 「だけどその殺された人物を調べた結果、一つだけ関連することがあった…それは」


headcrusher 「黙れっ!!!!!!」ブンッ!!



提督が言う前にheadcrusherは大声で怒鳴りつけてひび割れた強化ガラスを叩き割った



割れた強化ガラスは提督たちに降りかかるが幸いにも怪我はせず、すべて服や帽子に当たって周りに弾き飛んでいく



headcrusherは叩き割った強化ガラスのあった所を乗り越えて提督の胸ぐらを掴んだ



headcrusher 「お前になにが分かる!お前は俺のなにを知ってる!なにも知らねぇのに善人切ってんじゃねぇぞ!!」


headcrusher 「その理由を知ってるからなんだ!それで俺を説得できると思ったか!俺が善人切ってるとでも思ったか!!」


看守 「こら!やめないかこの悪党!」ガシッ!! headcrusherの脇に腕を絡ませて止める


headcrusher 「あぁっ?」ブチッ



headcrusherは看守の言葉に切れた たしかに悪党だが改めて悪党と言われてブチ切れた



腕を絡まれて動きを止めている看守の脛(すね)に思いっきり足のかかとをぶつけた 看守はその痛みに耐えきれず腕を離してうずくまった



その瞬間にheadcrusherは容赦なく顔面に蹴りを入れた 鼻の骨が折れたような音がしたが看守はその勢いに壁に頭をぶつけ失神した



もう1人の看守も止めに入るが腹部を蹴られて頭をぶつけ失神して倒れる そして再び提督の胸ぐらをつかむ



提督 「…」


headcrusher 「次はてめぇの番だ!その腐った思考を殺して叩き直してやるよ!!」スゥ… 拳を作り構える


雷 「やめて!」ガシッ headcrusherの拳を作った腕を掴んで抑える


headcrusher 「邪魔するな!」バシッ!!


雷 「きゃぁっ!!」ドサッ 弾かれて床に尻もちをつく


headcrusher 「あっ…」ハッ



雷が尻もちつくとheadcrusherは我に返った それもそのはず、headcrusherは関係のないものを殺したり痛みつけたりすることはしないからだ



看守は例外とするがまして女で子供に手を上げるなんて一番やっちゃいけないこと 悪人でもなんでもない奴に手を上げるなんて罪人その者だ!



headcrusherはすぐさま胸ぐらを離して雷のもとに駆け寄った



headcrusher 「すっすまん 大丈夫か?」


雷 「いたた…んもぅ!痛いじゃない!もうちょっと力加減を考えてほしいわ!」


headcrusher 「わるい つい力んじまって…」


雷 「…でも、やっぱりあなた優しいわね?殺人鬼なのにこうやって心配しに来てくれて?」


headcrusher 「…お前は関係ねぇからな なんもしてねぇのに傷つける理由なんてなにひとつないからな?」


雷 「本当の殺人鬼はそんな事しないわ まして、無差別殺人をしてた人ならなおさらね!」


headcrusher 「…」


提督 「雷 大丈夫か?どこも怪我してないか?」


雷 「平気よ!お尻をちょっと強く打っただけでどこも怪我してないわ」


提督 「そうか それなら良かった?」


提督 「…それでどうかな?僕の下につく気はないかな?」


headcrusher 「…」



headcrusherは悩んだ この提督は殺人鬼であるこの俺を本気で下につかせようとしている



なにか下心を考えていないかまではわからないが胸ぐら掴まれて殴られそうになったと言うのにそれでもこの俺をまだ下につかせようとしてきた



そこまでされていながらもなぜ俺を下につかせようとしているのかはわからないがこの提督が嘘を言ってるようには思えない 真剣な眼差しで俺を説得しているのがわかる



…headcrusherは鼻でフッと笑い決断する



headcrusher 「…お前は本当にバカだな?この俺、殺人鬼を下につかせようとするなんてよ?」


headcrusher 「…だけど、そんなバカは嫌いじゃない 自分のことしか考えないバカは大っ嫌いだがお前みたいな自分のことより他の人を思うその考えは好きだな?」


提督 「それじゃ!」


headcrusher 「だけど、条件がある」


提督 「条件?」


headcrusher 「俺は処刑されたと全世界に流せ 俺が生きてると国民の奴らがまだ処刑してないのかとブーイングが来る可能性があるからな?それが条件だ」


提督 「…わかった その条件を呑もう」


headcrusher 「俺は何時頃お前らのもとに行けばいいんだ?てか、政府が俺を海兵にすることを認めてくれるのか?」


提督 「そこはちゃんと考えてあるから安心してくれ?いろいろ準備があるから1週間は悪いけどここにまだ居てほしい」


headcrusher 「1週間後だな?わかった」


提督 「それじゃ、俺たちはそろそろ帰るとしよう?雷 すまないが帰ったら忙しくなるが手伝ってくれ?」


雷 「はーい!」


提督 「それじゃ一週間後に迎えに来る その時まで問題事を起こさないでくれよ?」


headcrusher 「ちゃんと約束を守ってくれれば大人しくしてるよ」


提督 「必ず守る それじゃ」カタッ


雷 「じゃあねheadさん!また来るからね!」


headcrusher 「…headさん?」 タッタッタッ…














提督 「…その後は一週間後に身元じゃねぇが引き取りに来てくれて俺は海軍の憲兵をすることになった 本気で海軍の仕事をやらされるとは思ってなかったが前の提督に助けられて本当に良かったと思ってる」


提督 「あの方に助けてもらってなければ俺は今頃処刑されて死んでたからな?こんな俺を助けてくれたことに感謝してるよ」


ずんこ 「…そのような過去があったんですか」



ずんこは最後まで提督の話を聞いていた 殺人鬼が正義だの平和だのとバカバカしい話を真面目に聞いた



もしこれがずんこじゃなければおそらくバカバカしくてここから立ち退けていただろう ほんとにこの子は自分に正直で真面目な子だと提督は思った



これが俺の過去全てだと言うとずんこは辛い話を話をさせて申し訳ございませんと言って頭を下げてきた 別に気にしてはいなかったがずんこは気にしてると思ったのか謝ってきたから別に気にしてないから謝らなくてもいいと言って頭を上げさせた




ずんこ 「…ヘドクラさんは優しいですね 殺人鬼なのに本当に優しいです」


提督 「そうか?別に優しくはないと思うが?」


ずんこ 「優しいですよ みなさんのために自分の手を汚してまで平和にしようと頑張っていたんですから誰よりも優しい方ですよ!」


提督 「そう思うか?俺はただの恨み晴らしで人を殺してたとしか思われないと思うんだが?」


提督 「犯罪者に俺の家族が殺されたからその恨みを他の犯罪者に向けてると思わないか?」


ずんこ 「思いません だってヘドクラさんが嘘をついてるとは思えないほど目が真剣で、ご自分でバカバカしい話だと言っていたじゃありませんか?」


ずんこ 「そのような話を真面目に話すのはおかしいと思いませんか?真実を話していたからこそ、真剣になって話していたんですよね!」


提督 「っ!」



提督は驚いた たしかに俺は真面目に話した…こんな事で嘘なんかつきたくないし 何より俺自身、嘘をつくことは嫌いなため正直に話したことには違いない



まさか信じるとは思いもしなかった この娘はすぐに人を信じる者なのかはわからないがなんとなく、提督は嬉しかった



今まで俺は無差別殺人鬼だの大犯罪者だのと言われてきて、関係のない周りの人達まで殺してやりたいと思っていた時があったが今はあの時と一緒 元提督の時と一緒で心が安らいだ



提督 「…っぷ!」


提督 「あっははははは!」(^∇^)ケラケラ


ずんこ 「っえ?どっどうしたんですか?私おかしなこと言いましたか?」


提督 「ははははっ!いや、まさか信じてもらえるとは思ってなかったからつい笑いが出ちまっただけだ 急に笑い出して驚いたろ?すまない」


ずんこ 「…そんなにおかしかったですか?信じることがおかしいとはわたし的には思わないんですが…?」


提督 「別におかしくはない ただ殺人鬼の言うことを信じるとは思わなかったから笑っちまっただけだ?変に受け止めないでくれ」


ずんこ 「それならいいんですが…」


提督 「しかし、お前はほんとに素直なやつだな?元殺人鬼を前にして普通に会話するなんて よく怖がらないな?」


ずんこ 「なぜ怖がる必要があるんですか?たしかにあなたは殺人鬼だったかもしれませんが今はもうやめているんですから怖がる必要はありませんよね?」


提督 「だからだよ お前はすぐ人を信じる奴かは知らないが普通のやつはもっと疑うはずだ?お前みたいな素直な奴はちょっと危なっかしいな」


ずんこ 「? なにが危ないんですか?素直だと危ないんですか?」


提督 「かなり危ないな 俺やみんななら危なくはないが他のやつに対して素直ですぐ人を信じるのはちょっとな?」


ずんこ 「???」



ずんこは提督がなにを言ってるかわからなかった 頭の中は?でいっぱいになっていた



素直だとなにが危ないのか?人をすぐに信じることになにが危ないのかまったくわからなかった



…天然でなお、素直な性格で正直者だとかなり危ないなと提督は思った ずんこの顔を見て自分のどこが危ないのかを分かっていないとわかった



ましてこんなにも美人で胸も豊富なうえに足は誰もが羨ましがるようなすらっとした足を見せられたら男どもは野獣と化すだろう



…てか、今思ったがこの娘の衣装…和服姿だが、今こんな状況でうろつくような格好じゃないことに疑問に思った



ゆかりはまだいいとしてマキも同じでかなりの薄着である あんな衣装じゃどうぞ噛んでくださいと言わんばかりの衣装をしてる 普通今の状況なら長袖や長ズボンはもちろん、プロテクターなどを付けて安全を確保して動きやすい格好をするのが普通…なのになぜこの娘たちは着ていないのか?



…まぁ人の衣装は人それぞれなため、提督はあえて言わなかった 言ったところで着慣れていると言われたらそれまでだ



…さらにもう一つ気になった ずんこはまるで俺のことを知らないようなしぐさで俺のことが殺人鬼かを聞いてきた



俺は全国に広まっていたほどの殺人鬼で年老いてる老人はおろか、子供だって俺のことを知っていたはず なのになぜずんこは俺が殺人鬼と知った瞬間に本当に殺人鬼だったのかを聞いてきたのだろうか?



headcrusher…この一言でも誰もがわかるというほどの有名だったのになぜ知らないのか?3年前ならこの娘は中学生ぐらいだろうか?そのくらいなら耳にしてるはず…なのになぜ知らない?



提督 「…なぁずんこ お前は本当に初めて俺がheadcrusherって言う殺人鬼だって知ったのか?」


ずんこ 「はい 聞くまで全然知りませんでした」


提督 「俺は全国に指名手配されて尚且つ、ボケが進行してる老人はおろか小学生でも知ってるぐらいの有名な殺人鬼だったんだぞ?3年前ならお前は中学生ぐらいだと思うから知ってておかしくないと思うんだが…本当に知らなかったのか?」


ずんこ 「…」



ずんこは黙った…なんで黙ったのだろうか?もしかして本当に知らなかったのか?



でも、俺は本当に全国に広まっていたほどの殺人鬼 それを知らないというのはおかしい



別に嘘をつく必要もない 嘘ついたところで得することが何一つない だとしたらなぜ知らないと言った…?



提督はもう1度本当に知らないのかを聞くと、間を開けて知らないと言ってきた …なにかおかしい 間を開けて知らないと言ったのもあるが、本当に知らないのはおかしい



さらに追求しようと思ったが、これ以上しつこく言っても嫌われるだけだと思い、話を切り上げた これで嫌われたらマキたちと一緒に出ていかれても困るからだ



切り上げるとずんこもほっとした顔を見せて落ち着いた …本当になんで嘘をついたのだろうか?



提督 「さて、俺は戻って銃の整備しないといけないからそろそろ戻るぞ?」


ずんこ 「はい!」


提督 「…そういえば、お前って奴らと戦えるのか?武器とか持ってる様子ないが」


ずんこ 「持っていますよ?今は私の部屋に置いていますが弓矢を使います!」


提督 「弓矢か てことは鳳翔と一緒で遠距離から攻撃か」


ずんこ 「弓矢だけではありませんよ?薙刀も扱えますよ!」


提督 「薙刀も使えるのか?てことはオールか」


ずんこ 「ゆかりさんも武器類はなんでも扱えますよ?マキさんはちょっと戦闘は苦手ですが…」


提督 「ゆかりもオールなのか?それなら奴らと戦う時にすぐ戦力になるな その時は頼むな?」


ずんこ 「任せてください!」














夜ー提督の部屋



提督 「ふぅ…今日は疲れたな?午前中はほとんど俺1人で掃除とかやってたから疲れたな…明日までに疲れが取れるといいが…」ハァ…


提督 「明日は遠征だからな なにか収穫があればいいが…主に燃料だな?」


提督 「食料はまだ余裕があるからいいとして、燃料だけは絶対に取ってこないとな なかったらみんな死んじまうからな…ふぁぁ…」(´Q)。oO


提督 「…やっぱり疲れが出てるな?今日は雷に相手できないって言っておいて正解だったな」


提督 「風呂とかももう済ませたし、明日も早いから早く寝よう」パチンッ 電気を消す


提督 「おやすみ…」スゥ…













深夜ー提督の部屋



提督 「すぅ…すぅ…」


…モゾモゾ


提督 「すぅ…すぅ…」


…チャプッチュプチュプ…


提督 「…っん?」スゥ…


提督 「(…なんだ?今…布団の中でモゾモゾ動いて…それに、なんか下半身が気持ちいい…)」


チュルルルッ…ピチャッジュル…


提督 「…っ!!!!!? だっだれだ!?俺の布団の中にいるやつわ!!」バサッ


ずんこ 「っ!!」ドキッ!!



布団をめくるとなんとずんこが俺の魚雷を咥えてフェ〇をしていた



咥えられてまだそこまで経っていないのか、まだ俺も絶頂するほどまではいってなかった



でも、なぜずんこが俺の布団の中に入ってきて魚雷を咥えているのかがわからなかった 好意を持たれてたとしてもさすがに早すぎる



昨日会って今日気持ちを伝えようとするやつなんてそうそういない まして、ずんこは真面目な性格だからもう少し時間をかけてから伝えると思われる



提督は混乱しながらもずんこに問いかける



提督 「ずっずんこ!?おまっ一体何してるんだ!」


ずんこ 「…えっえと…それは…」タラー…


提督 「…とっとりあえず、いつまでも俺のを掴んでないで離してくれ いっいろいろな意味で収まらん…」///


ずんこ 「はっはい すみません…」スゥ…



そう言われるとずんこは提督の魚雷から手を離して布団から出て、布団の上で正座をした



提督はすぐさま、どうしてこんなことをしたのかを聞いた こんな夜更けに寝込みを襲うなんて…まして、ずんこがこんなことをするなんて思っていなかった



ずんこがこんなことをするなんて、おそらくなにか理由があったからに違いないと提督は思った そうでなければ、ずんこが好意を持ってたとしてもこんなにも早く行動に移すわけがない



ずんこは戸惑いながらも徐々に落ち着きを取り戻していき、口を開いた



ずんこ 「…すっすみません でも、これには理由が…」


提督 「わかってる お前が理由なしでこんなことをするなんて思ってない?だから、なぜこんなことをしたのかを教えてくれ」


ずんこ 「…じっじつは…私、前のところで…」


ずんこ 「【マキさんたちに手を出さない代わりに…私は身売りをしていたんです】」


提督 「身売りっ!?」



身売り…提督はその言葉を聞いて驚き、一気に殺意が湧いてきた



ずんこは前のところにはゆかり、マキ、ずんこ以外に女性はいなく、いつも手を出されていては困っていた



ずんこはそれが耐えられなくなり、自分が相手する代わりに2人に手を出さないよう約束して身売りをした



もちろんこの事は2人は知らない もし知っていたらゆかりとマキは絶対にやめさせようとするか、もしくは男どもに刃向かって殺そうとしてるに違いない



そしてこっちに来て男は俺だけだが、1人でも男がいると心配でゆかり達に手を出す前に身売りをして手を出させないとしたことをすべて話した



…正直、提督は殺意しか湧かなかった こんなまだ二十歳も越えてないような娘に手を出すなんて提督には考えられなかった 今からでもあの男どもを殺しに行きたかった



殺したところでなにも得ないが無性に殺したかった こんな状況で女を道具のように使う奴は生きる資格はない…大金槌で頭を潰して殺したいと強く思った



そしてずんこは提督に頭を下げて2人には手を出さないようお願いした



ずんこ 「お願いですヘドクラさん!私がお相手するので二人には手を出さないでください!この通りです!!」スッ 土下座をしてお願いする


ずんこ 「前のところでは口で射〇してくれれば2人には手を出さずにしてくれると言ってくれました!下は使わずに済んでいました」


ずんこ 「なので口には自信があります!先ほどはヤり始めでヘドクラさんが目覚めてしまったので中断してしまいましたがちゃんと気持ちよくさせますのでどうか!!」


提督 「…ずんこ…」


ずんこ 「お願いします!」


提督 「…はぁ、お前…ほんとにバカだな?」


ずんこ 「…っえ?」


提督 「悪いけど、俺はお前に手を出す気はねぇよ?そういうのに興味ないのかと言われれば嘘になるが…」


ずんこ 「わっ私ではダメなんですか!?お願いです!!お2人には手を出さないでください!!」ガシッ 提督の服を掴んで逃さないようする


ずんこ 「私みたいな方が好みじゃないのはわかりました!ですがゆかりさんやマキさんには手を出さないでください!!」


提督 「ちょっ!誰もそんなこと言って…」


ずんこ 「口だけではダメなら下も使っていいのでお願いします!初めてですが激しくしても構いません!だから2人には…!!」


提督 「ずんこ一旦落ち着け!誰もそんなこと言ってないし、人の話を…」


ずんこ 「どんなプレイでもしますから!SMプレイでも束縛プレイでもなんでもするので2人にはっ!!!!」


提督 「ずんこっ!!!!!!」キーンッ!!!!


ずんこ 「ひぃっ!!!?」ビクッ!!


提督 「あっすまん つい声を荒らげて…」


ずんこ 「…わっ私では、ダメなんですか…?私では不満なんですか…?」プルプル…


提督 「誰もそんなこと言ってないだろ?それに俺はお前に手を出す気もなければ、2人にも手を出す気はない」


ずんこ 「…っえ?」


提督 「そりゃあ俺だって男だし、向こうも俺に好意があってS〇Xしたいって言ってくればしたいよ?」


提督 「だけどな こんな無理やりとか脅してS〇Xなんてしてもなんも嬉しくないし、気持ちよくもなれない」


提督 「俺は強姦が嫌いなんだ するなら和姦でしたい!だからお前達に手を出す気はないから心配するな?」


ずんこ 「…本当ですか?」


提督 「あぁ!なんだったら川内に頼んで、俺が3人の誰かに手を出そうとしてたら殺してもらうよう頼んでもいいぞ?」


ずんこ 「…本当のほんとですか?私が相手しなくとも…他の皆さんに手を出しませんか?」


提督 「約束する だからもう自分を売る真似はしないでくれ?もしするなら、俺に好意を向けてくれた時にしてヤるから!」ニカッ


ずんこ 「…ヘドクラさん!」ジワァ…



ずんこは提督が誰にも手を出さないと笑顔で言ってくれたのを聞いて涙がこぼれた



いつも自分を売ってみんなに手を出させないようにしていたのに、身売りしなくてもみんなに手を出さないと言ってくれたことがすごく嬉しかった



ずんこは改めて、ここに来てよかったと思った 身売りをせずに済むこともあったが、なによりここにいる生存者はみんな優しかったから本当に良かったと思った



提督は涙をこぼすずんこの頭を軽くなでてあげた 安心したずんこの頭を撫でてあげて慰めてあげた



提督は元々妹がいたから、妹を慰める時のやり方を真似した 妹は頭を軽くなでてあげると泣き止んで、笑顔で俺に抱きついてきてあまえてくるのが日課だった



ずんこもすぐに涙を流さなくなり、うつむいていた顔を上に上げて提督の顔を見た



ずんこ 「…ありがとうございますヘドクラさん 私だけではなく、ゆかりさんたちにも手を出さないと約束してくれて?」


提督 「別に礼を言われるようなことじゃないよ?俺は当たり前なことを言っただけだ!」


ずんこ 「その当たり前なことがなかなかできないんですよ?まして、ヘドクラさんは男性で女性の方が性行為をすると言って断る方はなかなかいません」


ずんこ 「男性なら女性に性行為をしてくれると言われたら喜んでそれを望むはずです 本当ならヘドクラさんも望んでいたんじゃありませんか?」クスッ


提督 「…そりゃ、男だからな?できるならやりたいに決まってるだろ?」


提督 「だけどお前は俺に好意を持ってない 別に好きでもない男とやりたいとお前も思わないだろ?俺だって強姦は嫌いだからやりたいと思わないけどな」


ずんこ 「ふふっ!確かにそうですね?」


ずんこ 「わたしはヘドクラさんのことを好きという気持ちは持っていません …ですが、嫌いとも思っていません」


ずんこ 「初めて会った時に私たちを助けるためにあなたは戦ってくれました 普通初対面の人を助けようとなんて思わないのにあなたは本当に優しいですね!」


提督 「だから俺は当たり前のことをしただけだと言ってるだろ?困ってる人がいたなら助ける それが普通なんだから?」


ずんこ 「ふふっ!そうですね?」


提督 「それじゃ、明日も早い事だしはやく寝るぞ?ずんこも部屋に戻って早く休め」


ずんこ 「はい!突然お邪魔して申し訳ありませんでした それでは失礼します」スクッ タッタッタッ…


提督 「次はこんなことするなよ?」


ずんこ 「わかっています それではおやすみなさい」ギィィ…


パタンッ…


提督 「…」


提督 「…と言うわけだ?川内 万が一、俺が手を出しそうになったら容赦なく殺してくれ いいな?」


パカッ


川内 「了解?提督が好意を持ってない人に手を出そうとしたら容赦なく殺すからね?」天井蓋を外して顔を覗かせてみせる


提督 「あぁ その時は頼む」


川内 「…しかし、提督も律儀だよね?せっかくイかせてもらえるものを自ら断るなんて…雷とする時もいつもイかないように我慢してるけど、いつか爆発するんじゃないの?」


提督 「どうだろうな?たしかに性欲をずっと我慢することはできないと思うけど、俺は強姦してまでイきたいとは思わない」


提督 「自分だけが気持ちよくなって、相手が気持ちよくならないなんて理不尽じゃないか?だったら相手も気持ちよくなってもらいたいから同意の上でやりたい」


川内 「…我慢出来なくなったらどうするの?」


提督 「その時は川内に頼もうかな?」(≧▽≦)


川内 「…っえ?」///カァァ…


提督 「…じょっ冗談だよ?本気にしないでくれ」


川内 「っえ?あ、そっそうだよね!提督が私に興味を示すわけないもんね!」///アタフタ


提督 「いや、充分魅力的だと思うけど…」


川内 「」///ブンッ!!


提督 「ひぃっ!!!?」チュンッ 頬に川内が投げたものがかする


ドスッ!!


忍者刀 「」ビィィンッ… 壁に勢い良く刺さる


提督 「せっ川内…さすがにそれはやりすぎ…」バクバク…


川内 「うっうるさい!提督がそんな恥ずかしいことを言うのが悪いんだよ!自業自得だよ!!」///


提督 「いや、俺はただ魅力的だと言っただけで…」


川内 「」///スチャッ 拳銃を構える


提督 「ちょっ!?まて川内!それはさすがにやばい!!」


川内 「死ねぇっ!!」///



川内は顔を赤面させながら拳銃を発砲してきた しかも本気で提督に当てるためにマガジンの中に装弾されている弾を全て発砲した



提督は瞬時に死に物狂いで身を横に転がした 拳銃の弾は全て布団や床に穴を開けて止まったが提督は息を切らせ、心臓が爆発しそうなくらいに高鳴らせていた



提督 「…しっ死ぬかと思った…」ハァハァ…


川内 「あっ!?ごっごめん!つい発砲しちゃって!?」((((;゚Д゚)))))))アワワワ


提督 「ついって…本気で殺そうとしてたよな?」バクバク…


川内 「そっそれは提督が…」


バタバタッ!!…


ドンドンッ!!


ドア越し(天龍) 『提督どうしたんだ!今発砲音が聞こえたぞ!』ドンドンッ!!


提督 「あー…大丈夫だ ちょっと拳銃に手が当たって誤発しちまっただけだ」


ドア越し(天龍) 「誤発にしては発砲数多くなかったか?音的に10発ぐらい聞こえたが?」


提督 「…寝ぼけてさらに触れちまったんだ ほんとに大丈夫だから気にしないでくれ?」


ドア越し(天龍) 「…そうか?ならいいんだが…」


提督 「心配かけて悪いな 明日も早いから早く休んでくれ」


ドア越し(天龍) 「分かってるよ それじゃおやすみ」


提督 「おやすみ」


タッタッタッ…


提督 「…」


川内 「…なんで言わなかったの?正直に私が撃ったって言えばよかったのに」


提督 「一々そんなこと言う必要も無いだろ?それに川内が発砲した理由は俺のせいみたいだからな」


提督 「ただ魅力的としか言ってないけど…」


川内 「…」


提督 「まぁとにかく 俺も仕返しされたことだし、これでおあいこな?これ以上はもうしないでくれよ?」


川内 「…わかった ごめんね?危ないことして…」


提督 「別にいいよ 死んでない上に怪我もしてないんだから?」


提督 「それじゃ、引き続き夜の警備を頼むよ 俺は明日遠征だから早く寝ないと支障が出るから警備を頼むぞ?」


川内 「…うん」(´・_・)シュンッ…


提督 「…?」



提督は川内が一瞬落ち込んだような表情を見せたのを見逃さなかった



川内がそんな表情を見せるなんて珍しい…言い方悪いが、いつもはニヤニヤ笑いながら話してくるのになぜ落ち込んだような表情を見せたのだろうか?



…もしかして、本気で俺を殺したかったのか…?そう思うと凄くゾッとした



川内 「それじゃ、私は警備に戻るから安心して睡眠をとってね?よっと!」タンッ…スタッ ジャンプして軽々しく屋根裏に入り込む


提督 「気をつけてな?なにかあったらすぐ呼べよ?」


川内 「わかってるよ!」パタンッ


タッタッタッ… 屋根蓋を戻して警備に戻る


提督 「…なんで川内のやつ、落ち込んだ顔を見せたんだろう?マジで俺を殺したかったのかな…?」


提督 「…おれ、そこまでひどいこと言ったかな?マジで身に覚えがないんだが…」


提督 「…まぁ、今回はわからないけど次から気をつけて話そう 変なこと言わないように…」タッタッタッ…


提督 「…明日も早いから早く寝よう おやすみ…」パサッ























第4章 7days to die(七日目の死)



提督の部屋



提督 「かぁー…かぁー…」


提督 「うーん…むにゃむにゃ…」


…コンコン テイトク、アサデスヨ?オキテイマスカ?


提督 「すぴー…すぴー…」


…ハイリマスヨ?


ガチャッ


提督 「zzz…zzz…」布団の上で大の字になりながら寝ている


鳳翔 「…こっこれはまた豪快に寝てますね?今日は雷さんと一緒に寝ていないと聞いていたので様子を見に来ましたが…」タッタッタッ…


鳳翔 「提督 朝ですよ?起きてください」ユサユサ


提督 「うーん…むにゃむにゃ…」


鳳翔 「みなさんもう起きてますよ?早く起きてください」


提督 「んー…んぅ?」スゥ…


鳳翔 「起きましたね?早く起きて顔などを洗ったらすぐ食堂に来てください もう皆さん起きて待ってますから」


提督 「…」(´-ω-`)ボー…


鳳翔 「…提督?聞いていますか?」


提督 「…眠い…もう少し寝かせてくれ…」


鳳翔 「だめです!今日は遠征に行かなければいけない日ではなかったんですか?早く起きないと帰りが遅くなってしまいますよ」


提督 「…」(´-ω-`)))コックリコックリ


鳳翔 「…はぁ、提督起きてください 早く起きないと…」スッ… 提督の耳元に顔を近づける


鳳翔 「襲っちゃいますよ?」ボソッ


提督 「…いいよ…それで寝かせてもらえるなら…」(´-ω-`)ボー…


鳳翔 「…っえ?」///カァァ


提督 「ほら、早く布団の中に入ってこいよ?俺はまだ眠いから寝かせてもらうけど、その間なにしてもいいから?」


鳳翔 「ちょっ!ちょっと待ってください!?冗談ですよ!ほんの軽い冗談で言っただけで…!!」((´>///<`)


提督 「…眠い…」(´-ω-`)ボー…


鳳翔 「そっそんなことより早く起きてください!私は殿方に抱かれるような年ではないので私を抱く時間があるなら早く起きてください!」///


提督 「抱かれるような年じゃないって…そんなことないだろ?鳳翔はまだまだ若いんだから抱いてもらえるだろ?」


鳳翔 「そっそそそういうことを言ってるんじゃなくてですね!!」///


提督 「…ふぁぁっ…眠い」


提督 「でも、起きないと今日は遠征に行く日だから起きないとな?」ヨット…


鳳翔 「当たり前です!まったく 私をからかって…」///プシュー…


提督 「別にからかってはないが…?」


鳳翔 「…っえ?」


提督 「さてと、早く顔を洗って朝食を食べに行くか?行くぞ鳳翔」


鳳翔 「ーっ…」///カァァ…


提督 「…? 鳳翔?どうした 顔を真っ赤にさせて?」


鳳翔 「ーっな」///


鳳翔 「なんでもありません!!」///タッタッタッ!!… 駆け足で部屋から出ていく


提督 「おっおい鳳翔!?」


提督 「…なっなんだったんだ?今のは…?」


提督 「…まぁいいか とりあえず早く行こう?」













食堂



提督 「…」モグモグ…


雷&天龍 「「…」」モグモグ…


金剛&青葉 「「…」」モグモグ…


妖精 「…」パクパク…


ゆかり&マキ&ずんこ 「「…」」


鳳翔 「…」///カァァ…



みんなは静かに朝食をとっている…いや、正確に言えば、なぜか話をする気になれない



それもそのはず、皆は知らないが先ほど提督に受け入れてもらえようとしていた鳳翔が顔を真っ赤にさせながら朝食に手を付けずにいつまでも顔を真っ赤にさせながらうつむいているからだ



みんなはそれが気になって話す気になれなかった 本当なら喋りたいが話すに話せなかった…



提督 「…なぁ 鳳翔?いつまでその状態でいる気だ?気になって喋る気になれないんだが…」


鳳翔 「…誰のせいでこうなってると思ってるんですか?」///


鳳翔 「提督があんなことを言わなければこのようなことにはならなかったんですよ?」///


提督 「俺は正直に答えただけなんだが…」


鳳翔 「…提督は鈍感です…」///


提督 「…」


天龍 「…提督 いったいなにをしたんだ?鳳翔さんがこんなになるなんて」


提督 「…いや、別になにもしてないよ?気にしないでくれ」


天龍 「いや気にするなって言われても気にしちまうよ」


青葉 「…鳳翔さん いったい司令官になにを言われたんですか?青葉気になります!」


鳳翔 「聞かないでください…」///


金剛 「(鳳翔さんが乙女の顔をしてるデース よほど提督に恥ずかしいことを言われたんでしょうか?)」


金剛 「(私も言われてみたいデース)」


雷 「…」(。Ծˇ_ˇԾ 。)ムスッ


妖精 「…」パクパク… まったく気にせず黙々と朝食を食べている


ずんこ 「…なんか、食べずらいですね…」


ゆかり 「えっえぇ…ご飯は美味しいんですが…」


マキ 「…」ギロッ 提督を睨みつけている


提督 「…」モグモグ…













数十分後…



全員 「「ごちそうさま(でした)」」


天龍 「それじゃ、皿洗いはやっておくからみんなは準備してきてくれ!」カチャカチャ タッタッタッ…洗い物を集めて洗い場に持っていく


金剛 「了解デース!それじゃ準備してくるネ!」


青葉 「それでは私達も行きますよ 雷!」


雷 「…うん」(。Ծˇ_ˇԾ 。)ムスッ 先程の提督と鳳翔のことで不満を抱いている


鳳翔 「それでは、私たちはお留守番なので皆さんがいつでも帰ってきていいようにいろんな準備をしておきましょう?」


妖精 「はい!」


ずんこ 「ゆかりさん マキさん 私たちも準備しましょう!」


マキ 「了解!行くよ?ゆかりん」


ゆかり 「…いえ、私は後で行くので先に行って準備してきてください」


ずんこ 「…っえ?なんでですか?」


ゆかり 「少々head crusherさんに話があるので先に行っててください」


マキ 「…あの男に?なんの話があるの?」ジッ 睨みを聞かせてゆかりに問う


ゆかり 「なんでもいいじゃありませんか マキさんには関係ないことなので安心して下さい」


マキ 「なにかあの男に脅されたの?」


ゆかり 「なにも脅されるようなことは言われてませんよ 私から話があるのでhead crusherさんからではありません」


マキ 「…なにかあったら教えてよ?」


ゆかり 「わかっています なにかあり次第教えますので先に準備をしてきて下さい」


マキ 「…」ギロッ



マキは提督に睨みを入れてずんこと一緒に遠征の準備に向かった その目は、なにかゆかりに手を出せば殺すという睨みであると提督は理解した



ゆかりはマキたちが行ったのを確かめて提督に話しかける



ゆかり 「…head crusherさん少しお話があります 少しお時間良いでしょうか?」


提督 「…手短にできるか?準備でき次第出発だからな」


ゆかり 「すぐに終わります ここでは人目がつくので屋上に行きませんか?あまり聞かれたくないので…」


提督 「…聞かれたくない?そんなに話しずらいことなのか?」


ゆかり 「はい とくにあの二人には聞かれたくありません なので屋上でお話がしたいんですが…」


提督 「…わかった 手短に話してもらえるなら屋上で話を聞くよ 行こう」カタッ


ゆかり 「ありがとうございます」












屋上



ヒュー… 弱い風が屋上に吹き流れていく


ゆかり 「…風が気持ちいいですね こんな世の中なのに空気が美味しく感じます」


提督 「たしかにそうだな 高いところからじゃないとそんな気はしないからな」


提督 「…さて、俺に話があると言ってたがなにかな?あまり時間がないから早めに話してくれないか?」


ゆかり 「…わかりました」



提督はずんこに過去の話をした時を思い出した ずんこに俺がなぜ殺人鬼になったのかを聞いてきた時もこんな感じだったと思い返す



まさか二度も同じことが起きるとは思っていなかった そんなことを思っているとゆかりは口を開いた…だが、その内容は…



ゆかり 「…昨夜はずんこさんの身売りを断っていただき、本当にありがとうございます」スッ 頭を下げて45度腰を曲げる


提督「…っえ?」



昨夜、ずんこの身売りを断ったことを話してきた



ゆかりは前の生き残りと一緒にいた時にずんこが身売りをしていたのを知っていたらしく、こっちに来ても身売りをするんじゃないかと思い 提督の部屋前で耳を済ませて聞いていた



もし、昨夜ずんこの身売りを受け入れていれば出ていこうとまで考えていたらしい 受け入れてなくてよかったと提督は思った



前のところではゆかり達以外に女性はいなく、毎日のように押し倒されては胸を吸〇れたり 女性の秘部を舐〇られたりとされていた



それに耐えきれなくなったずんこが二人には内緒で自分を犠牲にして口で処理したり、胸を使って処理をしていたことをすべてゆかりは知っていた



ゆかりもずんこの手伝いをして少しでも負担を減らそうとしたが、それではずんこが自分を犠牲にした意味がなくなってしまうため、目をつぶって申し訳ないと心の中でずっと思っていたことを提督に伝えた



ゆかり 「正直、私もマキさんと一緒であなたを疑っていました」


ゆかり 「さすがにマキさんみたいにあそこまで敵対してるわけではありませんが前のところがあぁだったんで、例え男性はあなた一人でも警戒はしていました」


ゆかり 「すべての男がそんな方とは限らないのに疑っていました 少なくとも、head crusherさんはそうではないとわかりました」


ゆかり 「疑って申し訳ありません」


提督 「…別に謝ることはない 前のところでそんな目に遭ってたんだから警戒されても仕方ない」


提督 「まっ信じてもらえてなによりだ それじゃ、改めてよろしくな?ゆかり」スッ 手を差し出す


ゆかり 「はい!みんなで生き残っていきましょう!」ガシッ 差し出された手を握り握手をする


提督 「おう!」













デパート3階



提督 「…よし みんな準備できたか?」


金剛 「バッチリでーす!忘れ物はないネ!」


天龍 「俺も平気だぜ!いつでも行けるぜ!」


雷 「大丈夫よ!ちゃんといかりも持ったわ!」


青葉 「準備万端です!今回の物資調達場所までの道案内は任せてください!」


ゆかり 「いけます!武器はちゃんと装備しています!」スチャッ ハンドガンとサバイバルナイフを装備している


ずんこ 「頑張りましょうね 皆さん!」薙刀と弓矢を装備している


マキ 「…」ギロッ 提督を睨みつけている(装備はハンドガンとスタンガン)


鳳翔 「気をつけて行ってきてくださいね?皆さん」


妖精 「絶対戻ってきてくださいね?」


提督 「わかってるよ それじゃ、出発!」


全員 「「はいっ!」」



みんなは掛け声とともに3階から2階に繋がる階段の場所に通せんぼとして置いておいた商品棚を登って2階に降りていく



幸いにも階段のところにはゾンビはいなく、2階の売り場にはすんなりと行けた …だが、やはり2階の売り場にはゾンビがうようよとそこら辺を歩いていた



2階の売り場は基本的に手をつけていないため、商品棚やそこらに落ちてるゴミは基本的に放置している



提督たちはなるべく戦わないよう商品棚を利用してゾンビたちの目を盗んで2階から1階へ降りていく…だが、やはりそう上手くはいかなかった



1階に繋がる階段のところでゾンビが2人登って来て、提督たちとバッチリ目が合った その瞬間、ゾンビはうなり声を1階と2階に響かせた



提督はすぐさま2人のゾンビの首を大金槌を振ってブチッと音を立てて、転げ落ちていく その瞬間、提督はみんなに【走れ!】と言って、すぐに1階へ降りデパートの出入口まで走っていく



その足音でそこらにいたゾンビは反応して追いかけに行った…だが、ゾンビの足は基本的に遅いため、追いつかれることはない



提督たちは外に出るとやはり大量のゾンビたちが徘徊している これをこの人数でバレずに行くのは不可能なため、天龍に指示して提督と一緒に前線に出る



天龍 「でりゃあぁぁっ!!!!!!」ヒュンッ!!


ザンッ!!


ゾンビ 「」ズルッ…ボトン 首を切られて地面にずれ落ちる


提督 「ふんっ!!」ブンッ!!


グシャアッ!!


ゾンビ 「」顔部分に大金槌を入れられて口元から上が粉砕する


ゾンビの群れ 「「アァー!」」ノソ…ノソ…


提督 「」スチャッ 拳銃に持ち替えて構える


バァンバァンバァンバァンバァンッッ!!!!!!


ゾンビ×5体 「「」」バシュバシュバシュバシュバシュッッ!!!!!!…ドサッ 脳天に弾丸が打ち込まれて倒れる


天龍 「ヒュ〜ッ!さすがだな提督 全員脳天ヒットじゃねぇか!」


提督 「何度も練習したからな こいつら頭を打たないと死なないからな」


ゾンビの群れ 「「アァー!」」ノソ…ノソ… 次から次へと提督たちの元に近寄っていく


青葉 「」バシュンッ!!


ゆかり 「」バァンバァンッ!!!!


ずんこ 「」バシュッ!!


バシュバシュバシュドスッ!!!!


ゾンビ×4 「「」」ドサッ… 3人の攻撃で脳天ヒットして倒れる


マキ 「」バァンバァンッ!!!!


ヒュンヒュンッ…


ゾンビの群れ 「「アァー…」」ノソ…ノソ… 弾丸は当たらず提督たちに近づいていく


マキ 「っち!やっぱり拳銃は使い慣れないよ!」


金剛 「アッハハハハハハ!!!!殺してやる殺してやる殺してやるデース!!!!!!」グシャシャグシャグシャグシャグシャッッ!!!!!!


ゾンビ複数体 「「」」グシャシャグシャグシャグシャグシャッッ!!!!!! 鈍器でバラバラにされていく


金剛 「アハハハハ!!アハハハハ!!この世から駆逐してやる!アッハハハハハハ!!!!」グシャシャグシャグシャグシャグシャッッ!!!!!!



金剛はとち狂ったように発狂しながら鈍器でゾンビをなぎ倒していく 死んだゾンビにも何度も鈍器を叩きつけてバラバラにしていく



金剛はゾンビの手によって3人の妹を失っているため、ゾンビを倒すことになると人格が変化して提督以上に鈍器をぶんまわして蹴散らしていく



ゆかりたちは昨日今日の金剛とはまったく違う性格を見て驚いた それもそのはず、いつもの金剛ならこんな取り乱し方はしない



…だが、姉妹である3人の妹が失ったのだからその恨みや悲しみをぶつける対象となるものはゾンビしかいない だから今のように発狂しているのだ



…だが、このまま続けさせるわけにも行かないため、提督は金剛を止めに行った



今この状況で本気出して、無駄な動きを多くして戦っていては燃料の消耗料が大きいため、これ以上戦わせることは自らの命を削っているようなもの



燃料が豊富に取れれば本気出しても良かったのだが、燃料どころか食料すらままならないこの状況でこれ以上は戦わせられない 提督はスキをついて金剛の背後を盗り、脇から腕を入れて取り押さえる



金剛 「離せぇっ!こいつらを殺させろデース!」グググッ!!


提督 「バカヤロウ!これ以上暴れたら燃料の消耗がまずいだろ!一旦落ち着け!!」グググッ!!!!


金剛 「構わないネー!こいつらを殺せるなら燃料なんてどうでもいいデース!!」グググッ!!!!


提督 「燃料がなくなったらおまえは死んじまうんだぞ!死んだらもう殺せなくなるぞ!」グググッ!!!!


金剛 「っ!!!!!!」ギリィッ!!!!!!


提督 「おまえの気持ちわからないわけじゃない!妹が3人も殺されたんだからその仇を取ろうとする気持ちすごくわかる!」


提督 「だが今はこいつらに本気を出す時じゃない!本気を出すならこんなことをした主犯格に本気を出すべきじゃないのか!?」


金剛 「ーっうぅ…!!」ツツー…


提督 「とにかく今は落ち着け 後で愚痴でもなんでも聞いてやるから、今はこれ以上奴らを呼び寄せるな?」スッ…


提督 「ほら、燃料だ 少ししかないが今使った分の足しにはなるだろ?少しでも飲んでおけ」ペットボトルに入った燃料を金剛に渡す


金剛 「…提督…」ポタッポタッ…


提督 「青葉 雷 金剛の護衛を頼む 今の状態で接近に出すのはかなり危険だ?なるべく金剛の近くにゾンビを寄せつけないでくれ」


青葉&雷 「「了解です(よ)!」」


提督 「天龍 このまま目的地まで小走りで行くぞ!歩いてたらまた金剛が暴れる可能性がある!」


天龍 「了解!それじゃいくぜ!」


タッタッタッ…


ゆかり 「(…燃料?なんで燃料なんて飲ませるんですか?普通の人間は燃料なんて飲めませんよね?)」タッタッタッ…


ゆかり 「…あの、headcrusherさん 一つ聞きたいことが?」


提督 「後にしてくれ 今奴らが多すぎてそれどこじゃない!」


ゆかり 「…わかりました」


ゾンビの群れ 「「アァー…」」ノソ…ノソ…


提督 「行くぞ!」


タッタッタッ!!…













目的地近くのデパートー入口(自動ドアは開きっ放し)



タッタッタッ!!…


提督 「一気に二階に駆け込むぞ!」


全員 「「はい!」」


前を阻むゾンビの群れ 「「アァー!」」スタッ…スタッ… 提督たちの方へ近づいていく


提督 「じゃまだぁっ!!!!」ブンッ!!!!


グシャグシャグシャァッッ!!!!!!


前を阻むゾンビの群れ 「「」」…バタンッ 頭を潰されて床に倒れる


提督 「階段から登るぞ!エスカレーターの方は通路が狭いから挟まれたら面倒だ!」


全員 「「はい!」」



提督たちは一気に階段を駆け上がり、2階へ登った 2階にはかなりのゾンビがいたが提督と天龍が前を阻むゾンビの群れを一掃して、一気に最上階へと登ることができた



最上階には誰もおらず、生存者がいる気配がしなかった いないどころか、誰かが救助を待っていた形跡もなかった



生存者がいる気配がしなければゾンビもいる気配はしなかった おそらくこのデパートの屋上には誰も登っていなかったのだろう そう思うと安心したような生存者がいて欲しかったような…複雑な気持ちだった



とりあえず安全を確保した提督たちは少し休憩をすることにした 長い道のりを歩いて来たため、皆疲労が溜まっている 20分~30分ぐらい休憩を挟んだ



提督は屋上に出て、外の景色を見ながら煙草を吸った 普段は雷たちがいるから吸わないが誰にも見られてない時に時々一服をする



一度雷に煙草を吸っているところをバレて、体に悪いからやめるよう言われてが俺だってストレスは貯まるため、やめることはできなかった だから吸う時は誰もいない時に吸う



今の世の中で煙草を手に入れることはかなりの困難なため、1週間に1本のペースで吸っている たまに吸う煙草は美味い



提督 「…はぁ…」プハー…


…ガチャッ


提督 「っ!! やべ!」ジュー… 屋上に取り付けられてる鉄格子にタバコを擦りつけて消す


ゆかり 「…あの、headcrusherさん 今いいでしょうか?」


提督 「あっあぁ いいぞ?どうした なにか用か?」スッ… 手を後ろに回してタバコを隠す


ゆかり 「…? 今なに隠しましたか?」


提督 「い、いや?なにも隠してないぞ?」(・∀︎・i)タラー


ゆかり 「…」(¬_¬)ジー


提督 「…はぁ 完全に油断してたな?みんなには言わないでくれよ?」スッ…


ゆかり 「…タバコですか?」


提督 「あぁ 俺の唯一の楽しみだ?いろんなことにストレス溜まってるから煙草吸うと一気に解消されるんだ」


提督 「雷に止められてるんだが、これをやめると落ち着いてられなくてな?ストレス解消されないと俺の身がもたん」カチッカチッフー…


ゆかり 「…まだ煙草はあるんですか?」


提督 「っん?あるけど…なんで?」


ゆかり 「一本もらえますか?」


提督 「…っえ?お前…年齢いってないよな?」


ゆかり 「…だめでしょうか?」


提督 「…吸ったことあるのか?」スッ…シャカッ 懐から煙草を出して1回上下に振ってタバコを1本飛び出せる


ゆかり 「はい 何度も吸ったことはあります」スッ…パクッ


ゆかり 「少し悪になりたいって時があったのでその時に吸いました 誰かにバレるんじゃないかと思うとその背徳感がたまらなかったんです」カチッカチッ…シュボ


提督 「…おまえ…」


ゆかり 「ごほぉっ!!」ゴフ!!


提督 「っ!? おっおい!大丈夫か!?」


ゆかり 「ごほっごほっ!すっすみません…ちょっとむせました…」ケホッ


提督 「…もしかして、煙草吸ってたけど慣れてない感じか?」


ゆかり 「…」



ゆかりは黙った…どうやら図星のようだ 吸ってはいたが身体に合わないらしく、ニコチンが体内に入るとすぐにむせて咳き込む 慣れていない証拠だった



先ほど、ゆかりが悪になりたいと言っていたがおそらく、なにか不満があってそう思ってしまったのだろう ゆかりぐらいの年ならよくある事だ



少しでも背伸びしたいと言う奴は法律上反していても、未成年でも酒や煙草を吸って大人に近くなろうとする者がいる ゆかりの場合は別に問題があるみたいだが深くは聞かなかった



過去のことを思い出させては辛い思いをしてしまうだろうと思い、無理には聞かなかった



ゆかり 「…」シュボッ 再びタバコに火をつける


提督 「おい なんでまた吸おうとする?慣れてないなら吸わない方が…」


ゆかり 「いいんです 吸える時に吸っておかないと後で後悔するじゃないですか?みなさんがいるところでは吸えないんですから」スゥ…


提督 「たしかにそうだが…」


ゆかり 「ごほっごほっ!…ふぅ…」


提督 「…これ吸ってみろ?」ゴソゴソ…スッ 懐から別の煙草を取り出す


ゆかり 「…っえ?」


提督 「このタバコは今俺が吸ってるやつより軽いものだ 試しに吸ってみろよ?」シャカッ 煙草を一回振って一本だけ飛び出させる


ゆかり 「…すみません いただけます」スッ…パクッ


提督 「それで口に合わなかったら煙草はやめろ?合わないのに吸ってたらよけいに身体悪くするだけだ」


ゆかり 「…」シュボッスゥ…


提督 「…どうだ?いけそうか?」


ゆかり 「…ケホッはい いけそうです」


提督 「おい 嘘つくな 今咳したよな?」


ゆかり 「…気のせいですッケホ」


提督 「…そんなに吸いたいのか?無理してまで吸わなくてもいいだろ?」


ゆかり 「…そうしたいのは山々なんですが…」


提督 「…はぁ ほんとにめんどうなやつだな?」ゴソゴソ…スッ 懐から煙草の吸う場所に付ける物を取り出す


ゆかり 「…それは?」


提督 「ニコチンやタールを抑える補助的な役割を持つものだ 安物だが使ってみろ?」


ゆかり 「…わかりました」スッ…キュポッ 煙草の先端にニコチンやタールを抑えるものを付ける


提督 「それでダメだったらもうあきらめろ これ以上煙草吸うのはやめろよ?」


ゆかり 「…」スゥ…


提督 「…どうだ?それならいけそうか?」


ゆかり 「…ふぅー…はい これならいけそうです こんなにもまともに吸たのは初めてです!」


提督 「それならよかった!ならその煙草と抑えるやつお前にやるよ 俺は吸わないし使わないからな?」


ゆかり 「そうですか?それなら遠慮なくもらいます ありがとうございます!」


提督 「どういたしまして?」


…ガチャッ


提督&ゆかり 「「っ!!!?」」ジュゥゥ… すぐさま鉄格子に煙草を擦りつけて火を消す


青葉 「司令官 こちらにゆかりさん来てませんか…あっここにいましたか?」


ゆかり 「あっ青葉さん どうしたんですか?私に何か用でしょうか?」アセ


青葉 「はい 先ほどからマキさんが探していたのでその事を伝えに来ました」


ゆかり 「そっそうですか わかりました?今から行きます」タッタッタッ…


ガチャッ…パタンッ


青葉 「…司令官 一つ聞きたいことがあります」


提督 「…俺が進めたんじゃないからな?」



提督は青葉がなにを聞きたいか想像がついた おそらく青葉の横を通り過ぎたゆかりから煙草の匂いが付いていたのを嗅ぎとったのだろう それで俺が進めたのかを聞いてきた まさにその通りだった



青葉も提督が察していたことに気づくとならなぜ吸わせたのかを聞いてきた 提督は吸わせたくて吸わせたつもりではないがそう思われてもおかしくない ゆかりは前から吸っていたことを教えた



なぜ吸っていたかはわからないが自分から進んで吸ったことを誤解を招かないように話した すると青葉は納得したのか わかりましたと言って頭を頷かせた



さらに提督はこのことは誰にも話さない言って青葉は納得し、下の階に降りていった



提督 「…はぁ…」


提督 「…そろそろ俺も下に行って準備するか?」ヨット


タッタッタッ…











目的地ーガソリンスタンド



ゾンビの群れ 「「アァー!」」


提督 「うぉおらっ!!!!」ブンッ!!!!


グシャグシャグシャッ!!!!!!


ゾンビの群れ 「「」」ドサッ… 鈍器で頭を潰されて倒れる


天龍 「おらおらおらおらっ!!!!」シュンシュンシュンシュンッッ!!!!!!


ゾンビの群れ 「「」」スパスパスパスパッ!!!!!!パタンッ 槍で首元を切られて倒れる


提督 「今だ!俺たちで奴らを食い止めるからお前達は燃料を摂取しろ!」


雷 「わかったわ!」カチャカチャ…ガチャッ 燃料を入れるタンクに繋がる道管の蓋を開ける


ゆかり 「…あの、こんな状況に聞くのもなんですがなぜ燃料なんか必要なんですか?さっきの金剛さんの時も燃料を渡して飲んでおくよう言ってましたが?」


青葉 「私たちは艦娘なんです 艦娘は燃料がないと生きていけないんです」


ずんこ 「艦娘…?」


金剛 「…っえ?知らないデスか?」


マキ 「うっうん…艦娘ってなに?」


提督&天龍 「「…っえ?」」



全員が同じことを思った…艦娘を知らない そんなことがあるわけがない



艦娘はこの世で有名な存在 姿形はわからなかったとしても名前ぐらいは絶対に聞くはず、学校でも艦娘のことは必ず学ぶはず…なのに知らないのはおかしい



提督はずんこの時もそうだが、この3人は何か変だと思った 俺を知らなければ艦娘も知らない 名前も見たところ外人でもないし、外人だったとしてもこの国に住んでいれば必ず耳にするはず…なのになぜ知らない?



だが、今はそんなことを考えている時ではない 今は奴らを食い止めながら燃料を取らなければいけないため、提督たちは話しを後にして燃料採取に専念した



提督 「」パンパンパンパンッッ!!!!!!


ゾンビの群れ 「「」」バシュバシュバシュバシュッッ!!!!!!バタンッ… 拳銃の弾か脳天ヒットして倒れる


提督 「うぉらあぁっ!!!!」ブゥンッ!!!!


グシャシャシャシャシャッッ!!!!!!


ゾンビの群れ 「「」」バタンッ… 頭部を鈍器で粉砕され倒れる


天龍 「ーっち!キリがないぜ!このままじゃ疲れてジリ貧だ!」ザンザンッ!!!!


提督 「雷!まだ摂取は終わらないのか!」


雷 「もうちょっと!あとポリタンク一個分だからもう終わる…!」ズズズ…


雷 「…OKよ!吸い取り終わったわ!」カチッカチャカチャ… 給油機を止めてホースを片付ける


提督 「よし!それじゃさっきのデパートに戻るぞ!今日はもう帰るのは厳しいからあそこで一泊するぞ!」


全員 「「はい(おう)!」」


タッタッタッ…


ゆかり 「…」チラッ 空を見上げて薄暗くなっているのを確かめる


ずんこ 「…ゆかりさん 今、何時ぐらいだと思いますか?」ヒソヒソ


ゆかり 「…たぶん、まだ5時ぐらいかと思います 予想ですが…」


ずんこ 「…なら大丈夫そうですね このまま先程のデパートに向かっても絶対に10時(22時)になることはありませんね?」ヒソヒソ


マキ 「そうだね さすがにここから拠点まで帰るとなると厳しいけどさっきのデパートならいけるね」ヒソヒソ


提督 「? どうした?3人でなんか話して?」タッタッタッ…


ゆかり 「いえ、なんでもありません 気にしないでください」タッタッタッ…


ずんこ 「ずんだっ!」タッタッタッ…


マキ 「話しかけるな!」タッタッタッ…


提督 「…そうか?ならいいが…(ずんこはなに言ってるんだ?マキは相手しない方がいいな)」


タッタッタッ…


? 「…」提督たちが走って去っていくのを見ている


? 「…なのです」













仮拠点ーさきほどのデパート最上階



金剛 「ふぅ!かなり重たかったデース!」ドスンッ 持っていた燃料の入ったポリタンクを床に置く


天龍 「疲れたぜ…風呂に入りたいぜぇ?」ハァー…


雷 「わたしも…」ハァー…


提督 「すまないな このデパートにはシャワールームが付いてないみたいなんだ?それにソーラーパネルとかもついてないから電気も使えない…」


青葉 「不便ですね…逆に私たちの拠点が都合良すぎただけですけど」


天龍 「たしかに」


ゆかり 「…」カチャカチャ…スチャンッ 拳銃の弾を装弾してマガジンをセットする


ずんこ 「はぁー…汗流したいです…」


マキ 「同意…」グテー…


提督 「みんな今日はご苦労だったな?今日はここで一泊して明日の朝出れるよう疲れをとってくれ」


提督 「【しかも今日は七の倍数の日だからよけいに夜は出歩けないからな 静かに休んでるんだぞ?】」


艦娘たち 「「はーい」」


ゆかり 「っえ!?」


ずんこ 「し、知ってるんですか!?今日が危ない日だって!?」


提督 「…っえ?」


マキ 「ちょっ!?二人とも!」


ゆかり&ずんこ 「「あっ!」」ハッ


提督 「…知ってるって、お前達もわかってたのか?七の倍数の日は奴らが活発化するの?」


マキ 「はっ話しかけるな!ぶっ殺すぞ!」ギロッ


提督 「誰もお前には話しかけてないだろ?どうなんだ 知ってるのか?」


ゆかり 「…えっと、その…」


ずんこ 「…そっそれよりも!ヘドクラさんたちはどうやって知ったんですか?調べたんですか?」アセ


提督 「そうだ 7の倍数の日数の夜に外出てた時があってな?その時のゾンビたちの様子がいつもとおかしかったんだ」


提督 「それで調べたら七日の倍数の日だけ奴らが活発化するのがわかったんだ 本当なら今日遠征するのはやめておきたかったんだが燃料がもう少しで尽きそうだったからどうしても摂取しておきたかったんだ」


ずんこ 「そっそうですよね!じつは私たちも調べてわかったんですよ!七日の倍数の日だけ奴らが活発化するのが!」


提督 「…?」


提督 「(さっきからなんか変だな?俺を知らなかったり艦娘知らなかったり、今も言葉をつまらせながら言ってるけど…?)」


提督 「(…なにか隠してないか?)」


天龍 「提督提督」トントン 提督の肩を叩いて呼ぶ


提督 「っん?」


天龍 「…あいつら、なんか変じゃないか?艦娘を知らなかったのもあるが今も提督が説明してから同じだって言ってたけど?」ヒソヒソ


提督 「…あぁ たしかに変だな?あいつら俺も知らなかったからな なにかありそうだな」ヒソヒソ



やはり天龍も提督と同じく、3人がおかしいと思っていた たしかに調べればゾンビどもが7日の倍数の夜だけ活発化していたのを知ることは出来る 調べたなら、聞かれたらすぐに調べてわかったといえばいいのにまるで隠していたかのような素振りを見せて来た



別に隠す必要もなければ言ってはいけないことでもない なのになぜそんな素振りを見せてきたのか まったく理解ができなかった



追求しようかと思ったが、これ以上追求するとマキがうるさくなりそうだったから言うのをやめた これ以上騒がれてもうるさいだけだし、奴らに聞かれたら面倒なことになる



拠点から出る時に持ってきた食料や水を軽くとって、薄い毛布をかけて睡眠についた 提督とずんこは奴らが登ってこないかを見るために起きて見張りをする



天龍 「かぁー…かぁー…」


雷 「すぅ…すぅ…」


青葉 「すぅー…すぅー…」


金剛 「すぴー…すぴー…」


ゆかり 「すぅ……すぅ……」


マキ 「むにゃむにゃ…」


提督 「…」


ずんこ 「…みなさんぐっすり寝てますね?やはり疲れていたみたいですね」


提督 「…そうだな ずっと走りっぱなしだったからな?疲れてるのも無理はない」


提督 「お前も疲れてるだろ?俺が見とくからお前も休めよ」


ずんこ 「いえ、私も起きて見張りをしています 一人で見張りは危険ですからね?」


提督 「…そうか?」


ずんこ 「はい!」


提督 「…」


ずんこ 「…」


提督 「…」チラッ


ずんこ 「…」ウトウト



二人は沈黙になるとずんこは今にも寝そうなほどまぶたが落ちていた



ずんこも一緒にみんなと走っていたのだから疲れてないはずがない 提督が起きて見張りをしていれば十分なのだからずんこは無理する必要がない…



おそらくだが、ずんこはマキに提督がなにかしでかさないかを見張ってほしいとでも言われたのだろう そうでなければ、今にも寝そうな状態なのに起きてる意味がない



提督はもう1度、眠たいなら休めと言ったが結果は同じだった やはり起きて見張りをすると言ってきた



無理して明日に響かなければいいなと提督は思った…そんなことを思っていると…



ガタンッ!!


二人 「「っ!」」ピクッ


…タッタッタッ…バタンッ


提督 「…足音?しかも今の歩き方って…」


ずんこ 「…奴ら、とは違いますよね?しかも扉を開け閉めする音も聞こえましたよね?」


提督 「俺たち以外の生き残りか?でもなんか変だな 今日は奴らが活発化してる日だから逃げ込んできたとしたら走ってくるはず…なのに今の足音は普通に歩いてたよな?」


ずんこ 「それに今は夜なので普通の方は出歩く事はしないと思います しかもこのデパートは安全確保とかしてないのでよけいに夜の外を出るなんて考えられません」


提督 「…ちょっと様子見てくるか?ずんこ お前はここに居てみんなを頼む」


ずんこ 「だめです!一人では危険です 私も行きます!」


提督 「二人行ったらここを見る人がいなくなっちまうだろ?さすがに誰かここを見てないと」


ずんこ 「でっですが…」


提督 「大丈夫だよ?ただ様子見てくるだけだからすぐ戻ってくるよ 安心してくれ!」


ずんこ 「…」


ずんこ 「…ぜったいに、無事に戻ってきてくださいね?」


提督 「あぁ!それじゃ ちょっと見てくるよ?」ガチャッギィィ…


ずんこ 「気をつけてくださいね?」


提督 「わかってるよ」タッタッタッ…


ガチャンッ…


ずんこ 「…」


ずんこ 「…今のセリフって、死亡フラグとも言うんですよね?嫌な予感が的中しなければいいんですが…」













デパート最上階ー通路



提督 「…」タッタッタッ…


提督 「…いないな どこに行ったんだ?」



先ほど物音がしたと思う場所を警戒しながら探索するがゾンビどころか人影すら見えない それに誰かが歩いたような足跡もなかった…



光源はよく一般的にも使われているライトだけなため、どこか見落とした可能性もあると考えてもう1度同じ道を戻ってみたがやはり誰かが歩いたような足跡はなかった



俺一人だけなら聞き違いと思うのは考えられたがずんこも聞いたと言っていたから聞き違いという可能性は低いはず それに扉を開け閉めする音も聞こえたのだからなおさらありえない



…だが、やはり足跡が見つからない 足跡がないなら誰も入って来ていなかったということになる 足跡がないのに入ってくるなんて不可能 空を飛んで入ってきたとか天井に張り付いてきたとか言うなら話は別だが…



提督はまさかと思って天井にライトを当てて足跡がないか確認した……そのまさかであった



提督 「ーっな!?」



天井に足跡がいくつもあった しかもこの通路を歩いているのが確認できた



道理で見つからないはずである 天井を歩いてここを通ったのなら床に足跡が見つかるわけがない



…だが、普通の人間が天井を歩くことなんてできるわけが無い それだけは確かであった



もしかして新しい化け物がきたのか?天井を歩くような化け物なんていったいどんなやつだ?見当もつかない



…だけど、一つ気になる点がある 足跡的にこれは靴だろうか?普通の靴の足跡に限りなく近い…いや、完全に靴ではないかと思うぐらい似ている



新種の化け物は靴なんて履くだろうか?まして、そこらにいるゾンビが履いてる靴だってもうボロボロに汚くなっているからこんなにも綺麗な足跡が残るわけがない



提督 「…いったい、どんなやつが入ってきたんだ?足跡を追っていくとこの方向は…屋上か?」


提督 「…確かめに行ってみるか」タッタッタッ…













屋上



ガチャッ…


ヒュー…


提督 「さむっ!やっぱり夜は寒いな?風がつめてぇ…」ブル…


提督 「…足跡が続いてるな やっぱり屋上に来たんだな?」


…ー…


提督 「…っん?(話し声?誰かと話してるのか?)」タッタッタッ…


提督 「…いた!」



? 「…はい 大体は終わりました あとは各場所に設置するだけなのです」


? 「…わかっています 心配しないでほしいのです すべては貴方様のためなのです」



提督 「(…無線機で誰かと話してるのか?それにすべては貴方様のためって…)」


提督 「(くそっ!曇り空だから暗くてどんなやつか見えねぇ…いったいどんなやつが誰になにを話してるんだ?)」



? 「…大丈夫です 最初の実験体は配置済みなのです すぐに目を覚ましてここら一帯に居る生存者を抹殺するのです」



提督 「っ!」ピクッ



実験体…提督はその言葉に強く反応した そしてここら一帯の生存者を抹殺するという言葉にも反応した



そんな言葉を使うやつは今この辺で生き残っている奴らが使うわけがない 今目の前にいる奴は確実に!



ゾンビを作り出した関係者だと!!



? 「はい はい…わかったのです それでは」ピッ


ウゴクナ!!


? 「っ!」


提督 「…変に動けば殺す そのまま両手を頭につけろ」カチャッ 拳銃を構えていつでも撃てるように?を狙う


? 「…だれなのですか?もしかして生存者ですか?」


提督 「いいから頭に手をつけろ!!しなければ殺す!!」


? 「…」提督に頭に手をつけるよう言われるがまったく動かないで提督を見ている


提督 「(くそ 暗くて敵がいまいち見えねぇ!下手したら撃っても外れる可能性が高いな)」


提督 「早くしろ 言葉通じてるだろ?やらなければ殺すぞ!!」カチャッ


? 「…その声、まさか…」ヒュー…



スゥゥ… 雲が晴れてすき間から月の光が漏れて、デパートの屋上を照らす



提督 「ーっな!!!?」


提督 「(うっウソだろ!!!?な…なんで……!!!!!?)」


電 「…やはり憲兵さんでしたか 久しぶりなのです」


提督 「い…いな、ずま……!!」



屋上で誰かと話していたのは、死んだはずの電だった 提督は夢でも見ているのかと思ったがこれは現実 夢ではなかった



なぜ電が目の前に?なぜ生きてる?鎮守府が襲われた時に雷を守るために死んだはずじゃ?提督の頭の中はいろいろなことが混ざりあって混乱していた



電 「…いろいろと混乱してるようですね 憲兵さん」


提督 「…なっなんで、生きて…!?」


電 「…さぁ なんで生きてるんでしょうか?それはあなたに知る必要はないのです」


提督 「…なら、さっき無線機で話してたこと…最初の実験体ってのはなんだ?誰と話してた?」


電 「それも知る必要はないのです だって…」スッ どこからともなく見るからに怪しげなボタンを取り出す


電 「【今から死にゆく人に教えても意味ないのです】」カチッ 怪しげなボタンを押し込む


提督 「…なに?」


ヒュー…ドスンッ!!!!


フェラルゾンビ 「ガアァァァァッ!!!!!!」電の目の前にどこからともなく現れる


提督 「っな!?」


提督 「(なんだあのゾンビ!?あんなでかいゾンビ、今まで見たことが…!?)」


電 「行くのですフェラルゾンビ 目の前のエサを食い散らかすのです!」


フェラルゾンビ 「ガアァァァァッ!!!!!!」ダッ!! 容赦なく提督の真正面を走っていく


提督 「っち!おぅらあぁぁ!!!!」ブンッ!!!! 大金槌をフェラルゾンビに向けて大きく振るう


フェラルゾンビ 「」ヒュンッ!! 提督の振った大金槌を後ろに飛び跳ねて軽々しく避ける


提督 「っな!?(避けた!?こいつ、他のゾンビと違って知性があるのか!?)」


提督 「(まずいっ!まさか避けられるとは思ってなかったから次の手が!!)」


フェラルゾンビ 「ガアァァァァッ!!!!!!」グワッ!! 右手を広げて提督に振りかざす


提督 「(くそっ!間に合わ…)」



ガチャッ


バシュンッ!!…ドスッ!!


フェラルゾンビ 「グガアァァァァッ!!!!!!」頭に矢が刺さってよろめく


提督 「…っえ?」


ずんこ 「ヘドクラさん今です!そいつの頭に目掛けて鈍器をぶつけてください!」屋上の扉から弓矢を構えている


提督 「…こいつの頭に?」


ずんこ 「フェラルゾンビの弱点は頭です!他のゾンビよりも肉体強化をしただけで弱点は変わりません!相手がよろけているスキにトドメを!!」


電 「…なんでそれを?」


提督 「ーっ!!!!!!」グッ!! 大金槌を握りしめて気合を入れ直す


提督 「とりゃあぁぁぁっ!!!!!!」ブォンッ!!!!!! 勢いをつけてフェラルゾンビの頭にめがけて鈍器を振るう



…パァンッ!!!!


フェラルゾンビ 「」バタンッ… 頭を破裂されて地面に倒れる


提督 「…やった、のか?」ハァ…ハァ…


ずんこ 「ヘドクラさん大丈夫ですか!どこもケガはしていませんか?」


提督 「あっあぁ お前のおかげでなんとか無傷でいられたよ 助かったよ?」


ずんこ 「それならよかったです」


電 「…あなた なんでフェラルゾンビが通常のゾンビと弱点が一緒だと知っているんですか?そのことを知ってるのは研究員だけのはず…」


ずんこ 「さぁ なんで知ってるんでしょうかね?それよりあなた あのグラサン野郎の仲間ですか?」


電 「っ!」ピクッ


提督 「…グラサン野郎?」



提督はずんこが口に出したグラサン野郎という言葉に反応した



それにさっきのフェラルゾンビと言う白く他のゾンビよりもかなりでかいゾンビの討伐法も知っていたからよけいに反応した



なぜ先ほどのゾンビの討伐法を知ってた?過去に見たことがあるなら話はわかるが俺もゾンビが出てくるようになってからあんなゾンビは一度も見たことがない



さらに言うと先ほど電は最初の実験体だと言っていた それは=初めて使う実験体だから今まで使ったことがないはず それなのになぜずんこは知っている?一体、ずんこはなにものなんだ?



電 「…なぜあの方のことを知っているのですか?あの方のことは組織の中でも数十人しか知らないはず…なぜあなたのような一般市民が?」


ずんこ 「…やはりあの方の仲間ですか 始末させてもらいます!」スチャッ 弓矢を構えて狙いを定める


提督 「まっまてずんこ!撃つな!」


提督 「あいつは雷の妹なんだ!死んだはずの雷の妹なんだ!!」


ずんこ 「…っえ?」


電 「…そういえば自己紹介がまだだったのです」


電 「わたしは暁型4番艦電なのです 雷お姉ちゃんの妹に当たる艦娘なのです」


ずんこ 「…あなたが雷ちゃんの妹?まさか、あのグラサン野郎にウイルスを打たれて生き返ったんですか!」


提督 「生き返った!?」


電 「はい その通りなのです」


電 「電はあの方にウイルスを注入されたことによって生き返ったのです …まぁ、正確に言えば生き返ったのではなく生きる屍として動いていると言った方がいいのです」


ずんこ 「…自我を保っているということはウイルスは強化型を使ったんですか?」


電 「…なぜそのことまで知ってるんですか?あなた、まさか研究員の方なのですか?」


ずんこ 「いいえ違います 研究員ではありませんがあなたがたの組織のこと、よぉく知っています!」バシュンッ


電 「」ヒュンッ ずんこが放った矢を軽々しく避ける


ずんこ 「もう1発」スチャッ すぐさま次の矢を構えて狙いを定める


提督 「まっまてずんこ!一旦落ち着け!」


ずんこ 「ヘドクラさん あの方は雷ちゃんの妹ではありません 電ちゃんの姿を被った偽物です!」


提督 「たしかにそうかもしれないが…でも、そのウイルスによって電は生き返ったんだろ!?」


提督 「てことはあの体は電本人の者ということだろ!?その身体に傷をつけたら電が!!」


ずんこ 「ヘドクラさん 1度死んだ人間は生き返ってきません…電ちゃんは死んだんですよね?」


提督 「っ!!」


ずんこ 「…現実を見てください 死んだ人間が生き返って来たなんて聞いた事ありますか?そんなことがありえると思いますか?」


ずんこ 「死んだものは…生き返ってこないんです もちろん、薬を使っても…」


提督 「…ずんこ…」



ずんこの目は虚ろんでいた…



おそらくずんこも過去に誰かを失ったのだろうと提督は思った でなければあのような目はしないだろう…



性格に似合わない目をして提督は思い出したくない過去を思い出させて悪いことをしたと思った…



提督 「…そうだよな 死んだ人間や艦娘は生き返ってこないよな?」スクッ


提督 「すまない どうかしてたよ?死んだ奴が生き返るなんてありえないのにそんなことを思って…」


ずんこ 「仕方ありません 死んだはずの身内が生きていたらそのような考えをしてもおかしくありません」


ずんこ 「ですが、あの方は雷ちゃんの妹ではありません ウイルスを打たれて生き返ってた操り人形です!それだけは間違えないでください!」


提督 「あぁ!」スチャッ 鈍器を構えていつでも攻撃できるように備える


電 「…っち!余計なことをしてくれたのです」


電 「そのまま放っておいてくれれば楽に殺せたのに…面倒なことにしてくれたのです!」


ずんこ 「あなたの思い通りにならなくて残念ですね?化けの皮を被った化け物!」ギリリ…


提督 「楽に殺してやるから動くんじゃねぇぞ?電」スチャッ


電 「…さすがに憲兵さんと殺り合うのは骨が折れるのです ここは一旦引かせてもらうのです」


ずんこ 「逃がしません!」バシュンッ


電 「当たらないのです」シュン 体を横にずらして紙一重でかわす


提督 「おぅらああっ!!!!!!」ブゥンッ!!!!!!


電 「おっと!」ビュンッ しゃがんで提督の攻撃を避ける


ずんこ 「」バシュンッ


電 「あぶないのです!」チュンッ 矢が頬をかすってギリギリで避ける


提督 「ふんっ!!!!」ブォンッ!!!!!!


電 「やばっ!?」スッ


バキィィッ!!!!!!


電 「くぅぅっ!!!!!!」両手を前に出して体に当たるのを防ぐが両腕の骨が折れる


提督 「おぅらあよっと!!!!!!」ブンッ!!!!!! 勢いをつけて電を吹っ飛ばす


ガシャァンッ!!!!


電 「かはぁっ!!!!」屋上に取り付けられている金網に勢いよくぶつかる


ずんこ 「トドメです!」バシュンッ


電 「くっ!」スッ


ドスッ!!


電 「くぅっ!!!!」折れた腕で頭に向けられた矢を防ぐ


提督 「…どうやらここまでのようだな?電 俺の前に現れたのが間違いだったな」スッ… 鈍器を上に持ち上げて構える


ずんこ 「…」スチャッ 矢を電の頭に向けて構える


電 「…やっぱり憲兵さんは強いのです 私一人では手に負えないのです」ハァ…ハァ…


電 「…仕方ないのです まだ試作段階の途中なんですが…」カチッ


提督 「っ! なんだ今の音!今なにをした!」


電 「…はは!あははは!アハハハハハ!!」


ずんこ 「(なにか様子がおかしい それに今なにかを押すような音が…なにか危険な予感が!)」


ずんこ 「ヘドクラさん!早く電ちゃんにトドメを!!」


提督 「くそっ!!」ブンッ!!!!!!


電? 「ーっギャハ!!」ガシッ 折れた手で提督の振った鈍器を受け止める


提督 「っな!!!?」


電? 「ギャラッハアァァ!!!!!!」ボスゥッ!!!!!!


提督 「がはあぁぁっ!!!!!?」腹に蹴りを入れられる


ガァンッ!!!!!!


提督 「がぁっ!!!!!!…」ガクンッ 吹き飛ばされて石壁に頭を強くぶつけて気を失う


ずんこ 「ヘドクラさん!!!!」


電? 「ギャハ!!ギャハハ!!ギャラハハハ!!!!!!」ニタァ もはや人格が崩壊した状態で涎を垂らしながら笑う


ずんこ 「(これは一体どういうこと!?こんな症状…見たことが!!)」


電? 「ギャラハハ!!ギャラハハハ…っ!!!!!!」ガクンッ


ずんこ 「…っえ?」


電? 「アッアァァ…!!ギゥゥー!!!!」ブルブル


電? 「ガアァァァァッ!!!!!!アアァ!!!!ギグィイアァァ!!!!!!」ガンガンガンガンッ!!!!!! 床に頭を叩きつけてもはや意味不明な状況に陥っている


ずんこ 「…ウイルス細胞が暴れてる?先ほどまだ試作段階だと言ってましたが、まさかその副作用?」


ずんこ 「とっとりあえず今はヘドクラさんを連れて避難しないと!!このままここに居たら危険ですね!」タッタッタッ


ずんこ 「ヘドクラさん大丈夫ですか!生きていますか!」


提督 「…」


ずんこ 「…息はしてる でも意識がない…頭を強くぶつけて気を失ったんですね」ヨイショット 気絶してる提督を背負う


ずんこ 「鈍器は…重くて無理ですね とりあえず中に入って身の安全を!」


アアー…!!


ずんこ 「…っえ?」



ずんこは聞き逃さなかった…今、そこらにいるゾンビの声が近くから聞こえた



地上からここまでヤツらの声は届かないはずがない…カラスや飛ぶ者がいるなら話は別だがそのようなものが飛んでる様子はない



ずんこは顔を真っ青にして嫌な予感が脳裏に横切った…まさか、今の騒ぎでゾンビが登ってきてるんじゃないかと!!



ずんこは急いで屋上の出入口の上に登った もしそれが当たったら非常にまずいことになる



今ここにゾンビが登ってきたら逃げ場がない上にまして、今日は七の倍数の日だから余計に危なかった!!



そして、ずんこの予想は当たってしまった…



バタンッ!!


ゾンビの群れ 「「ガアァァァァッ!!!!!!」」ドタバタドタバタ!!!!!! 出入口から一気に押し避けてくる


電? 「グアァァァァッ!!!!アアァァァ!!!!!!」ガンガンガンガンッ!!!!!!


ゾンビの群れ 「「ガアァァァァッ!!!!!!」」バタバタバタバタ!!!!!! 電に向かって走っていく


電? 「グラアァァァッッ!!!!!!」ブォンッ!!!!!!


グシャァァァァッッッ!!!!!!


ゾンビの群れ 「「」」電が腕を振った直後に多数のゾンビの群れの胴体がバラバラになって吹き飛ぶ


ずんこ 「っな!!!?」


ゾンビの群れ 「「グアァァァァッ!!!!!!」」ドタバタドタバタ!!!!!!


電? 「ギャラハハハアァ!!!!!!」グシャァァァァッッッ!!!!!!


ゾンビの群れ 「「グアァァァァッ!!!!!!」」ドタバタドタバタ!!!!!!



ずんこ 「…なっなにあれ?あんな化け物、見たことが…」ワナワナ…


ずんこ 「(腕ひと振りで多くのゾンビが吹き飛んでいく…そんな化け物、今まで見たことが!!)」


ゾンビの群れ 「「ガアァァァァッ!!!!!!」」バタバタバタバタ!!!!!! 一部のゾンビの群れがずんこの姿を捉えてはしごを登り始める


ずんこ 「ひぃっ!!!!まっまずいです!!!!!!」スチャッ すぐさま弓を構える登ってくるゾンビに構える


ゾンビの群れ 「「ガアァァァァッ!!!!!!」」カンカンカンカンッ!!!!!!


ずんこ 「おっ落ちてください!!」バシュンッ


ドスッ!!


ゾンビの群れ 「「グアァァァァッ!!!!!!」」カンカンカンカンッ!!!!!! 矢が肩に当たるが怯まずに登ってくる


ずんこ 「ひぃっ!!!!!!」ドサッ… 恐怖で腰が抜けて尻餅をつく


ずんこ 「(むっムリです…怖くて、狙いが…!!)」ガクガク


ゾンビの群れ 「「グアァァァァッ!!!!!!」」ガシッ よじ登ってずんこの足を掴む


ずんこ 「いやあぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」



…グシャアァ!!!!


ゾンビ 「」フラァ… 頭を粉砕されて後ろに体が傾く


ゾンビの群れ 「「グアァァァァッ!!!!!!」」ドサドサドサドサ!!!!!! 一番上のゾンビが落ちてきた衝撃で登っていたゾンビが落ちる


ずんこ 「…っえ?」ハァ…


提督 「…大丈夫か?ずんこっいつ!」ズキッ


ずんこ 「へっヘドクラさん!」


提督 「いてて…もろ頭ぶつけちまったよ おまけに脳震盪まで起こしてやがる…」ズキズキ


ずんこ 「だっ大丈夫ですか!?あまり無理しない方が…」


提督 「今そんなこと言ってる場合か?とてもじゃないが休める状況じゃねぇだろ…くそ!」ヨット


ゾンビの群れ 「「グアァァァァッ!!!!!!」」バタバタバタバタ!!!!!!


電? 「ギャラハハハ!!!!!!ギャラハハハアァ!!!!!!」グシャァァァァッッッ!!!!!!


提督 「…かなり入ってきてるな?これを掃除するのはキツいな…電は放っておけるとして」


提督 「しかも鈍器も下にあるのか やっかいだな…」ウーン


ずんこ 「…すっすみません 私が持ってこなかったばかりに…」


提督 「謝る必要なんてない 逆に礼を言わなくちゃいけない?」


提督 「お前が俺をここまで運んでくれなければ今頃奴らに食われてたんだ 運んでくれてありがとな?」


ずんこ 「…私も助けられたのでおあいこです ありがとうございます!ヘドクラさん」


提督 「どういたしまして!」


ゾンビの群れ 「「グアァァァァッ!!!!!!」」はしごをよじ登って顔を覗かけて…


提督 「」グシャァァ!!!!


ゾンビ 「」頭を蹴り飛ばされて落ちる


ゾンビの群れ 「グアァァァァッ!!!!!!」ドサドサドサドサ!!!!!!


提督 「…さて、どうするか?とりあえずは登ってきたやつは蹴って頭を吹っ飛ばせば下に落ちてくれるからなんとかなるがこれを何度も繰り返してたらいつ終わることやら」


ずんこ 「それにみなさんも心配です 私たちがここに来てしまったので見張りが…」


提督 「あぁそれなら平気だろ?天龍がいるからほぼ確実に平気だと思うぞ あいつはけっこうこういう時勘が鋭いからもう起きてなにかしら対象はしてるはずだ」


ずんこ 「…それならいいんですが」


電? 「フアァァ…」


提督 「…? なんだ?電の様子がなんかおかしいな」


ずんこ 「…っえ?」


電? 「アァァ…アァァ……」ガクンッ


ゾンビの群れ 「「グアァァァァッ!!!!!!」」ガブゥッ!!!!!!


グチュブチニチャジュルガブジュルブチブチ!!!!!!


提督 「…力尽きたのか?あれ食われてるよな?」


ずんこ 「…」



ずんこも電のようすを見るとたしかに力尽きたのか動かなくなり、ゾンビの群れが電の姿が見えなくなるぐらいに覆って食い荒らしているような音が響いている



聞いてるだけでも吐き気が訴えてきて思わず耳を塞いでしまった 提督もあまり聞きたくないと思い目を背けた



ゾンビの群れは骨の髄まで貪っているのか数分が経過してもまだ貪っていた 電の体でそこまで食べる部分はあるのかと思うぐらい長い時間をかけて食べている



ずんこは危機的状況にも関わらず耳を塞いでうずくまってしまった よほど聞きたくないのだろう たしかに提督もあまりいい気分にはなれないのは同じだった



まして、自分の顔見知りが食われてるのだから余計に思えるわけがない いくら敵になったとは言え、やはり元仲間が食われていくのは心苦しい まるで救えなくて見殺しにしたような感じだった



…だが、次の瞬間 そのまま食べ続けてなくなればいいと思った



バアァァァンッ!!!!!!!!!!


ゾンビの群れ 「「」」全身がこっぱみじんになって屋上にいたゾンビが粉砕される


提督&ずんこ 「「っ!!!?」」


? 「フシュゥゥ…」先ほどとはまったく原型がとどまっておらず、もはや電とはまったくの別人で図体がでかい化け物になっている


提督 「なっなんだあの化け物!?あれ電か!?」


ずんこ 「ーっネ、ネメシス!!!?なんであの化け物が!!!?」


提督 「…っえ?」


ネメシス 「スッタアァァァァァズ!!!!!!」ダンッ!! 盛大にジャンプして提督たちの元に向かって落ちて行く


提督 「やっべ!!!?」ガシッ


ずんこ 「…っえ?」提督に抱き抱えられる


提督 「しっかり捕まってろ!!」タンッ


ずんこ 「っえ?きゃあ!」


ズドォォン!!!!


ネメシス 「ガアァァァァッ!!!!!!」


提督 「…マジかよ さっきの化け物より強そうじゃねぇか!」


ずんこ 「ーっへ、ヘドクラさん!あの化け物だけはまずいです!!逃げてください!!!!」


提督 「逃げるっつってもどこに!下に降りれば天龍達がいる!万が一天龍達がいるところがバレたらまずい!!」


ずんこ 「ですがこの化け物は非常に強いです!!そんじゅそこらの武器では倒すことはできません!!」


提督 「なら聞くがやつを倒す方法はあるのか?あるならどうやって倒す!!」


ずんこ 「そっそれは…」


ネメシス 「スッタアァァァァァズ!!!!!!」ダンッ!! 提督たちが降りたところに落ちていく


提督 「やべっ!!」ダッ!! すぐさま提督の鈍器が落ちているもとに駆け出す


ズドォォン!!!!


ネメシス 「フシュー…」


提督 「よっと!」ガシッ…ブンッ 鈍器を手に取り戦闘態勢に入る


ずんこ 「…」スチャッ 弓矢を構えてネメシスを狙う


ネメシス 「グルル…」


提督 「ずんこ やつを倒すにはどうすればいい!頭を潰せばいいのか?」


ずんこ 「…ムリです あの化け物を倒すにはロケランが必要です 一気にデカいダメージを与えないと倒すことは…」


提督 「…ロケランか そんなに火力が必要なのか」


ネメシス 「スッタアァァァァァズ!!!!!!」ダンッ!! 提督たちのもとに駆け出す


提督 「ふんっ!!」ブンッ!!


ネメシス 「フンッ!!」バシッ!! 提督が振った大金槌を小枝を払うかのようにはたく


提督 「おわっと!?」グラッ 叩かれた勢いでバランスを崩す


ネメシス 「スタアァァァァァズ!!!!!!」ブンッ!!!! 提督に向けて勢いよく拳を振るう


提督 「(やべっ!?今やられたら!!)」


ずんこ 「」バシュンッ


ネメシス 「っ!」シュンッ 瞬時に拳を振るうのをやめて後ろに体を傾けて避ける


提督 「っ!(今だ!!)」ブンッ!! 体制を整え鈍器を勢いよく振るう


ガァンッ!!!!!!


ネメシス 「グゥゥッ!!!!!!」グラッ 顎に鈍器をぶつけられてよろける


提督 「おぅらあぁっ!!!!!!」ボスゥッ!!!!!! 鈍器を回して勢いをつけてネメシスの胸元に入れる


ネメシス 「グアァァッ!!!!!!」ズザァァ… 反動で後ろに後ずさる


ずんこ 「うそっ!?ネメシスが後ずさった!?」



ずんこは驚きを隠せなかった それもそのはず、ネメシスはハンドガンやマグナムで撃っても微動だにしないほどの強さを持っているのにそれを鈍器で怯ませたのだ



ロケラン1発でやっとひるませることができるかどうかなのにそれを鈍器ひと振りで怯ませたのだ ありえない事だった



提督 「…なんだ?一発入っただけでそこまで飛ぶのか?ずいぶんと拍子抜けだな」


提督 「ずんこ こいつほんとに強いのか?なんか思ってたより弱そうなんだが…」


ずんこ 「…そんなはずありません ネメシスはこんなに弱くはないはず、なのになぜ?」


? 「それはまだ完全体じゃないからだよ」


提督 「っ! だれだ!」


? 「だれ?ひどいな憲兵 私のこと、忘れたのかい?」タッタッタッ… どこからともなく白い制服を着た白髪の少女が姿を現す


ずんこ 「…こども?」


提督 「ーっな!!!?」


響 「…久しぶりだね 憲兵?まだ生きてたんだ」


提督 「…ひっ響…」


ずんこ 「っえ!?響って…雷ちゃんの2番目のお姉さん!?」


ネメシス 「フシュー…」ゼェー…ゼェー…


響 「電 まだ完全体じゃないんだから無理しちゃだめだよ 早く元の姿に戻して?」


ネメシス 「シュゥゥ…」コクン


提督 「…響 お前も、生き返らせてもらったのか?その、グラサン野郎ってやつに?」


響 「そうだよ 一度死んだ私たちをあの方はСпасибоな薬を使って生き返らせてくれたんだ」


響 「しかも力まで託してくれた 本当に素晴らしい方だよ あの方には返しきれないほどの恩を作ってしまった」


響 「その恩を今すぐにでも返すために君たちを抹殺したいけど、電がこんな状況だから今回は引かせてもらうよ ありがたいと思うといいよ?」


提督 「…舐めてんな?てめぇ 引いてくれるからありがたいと思えだァ?人をおちょくるのも大概にしろよな?」ピキッ


提督 「俺はいろんなやつから挑発を受けてきたがてめぇみたいな奴からそんな挑発をされたのは初めてだよ!」ギロッ


響 「…なら、どうする?今私とやるかい?」ギロッ


提督 「…」スゥ… 大金槌を構えて戦闘態勢に…


…ガシッ


ずんこ 「…ヘドクラさん 落ち着いてください?相手が引いてくれると言ってるんですからここは引いてもらいましょう」提督の鈍器を掴んで抑える


ずんこ 「それに今この下には雷ちゃんたちがいるのでこれ以上騒ぎを起こしたら…」ヒソヒソ


提督 「っ!」


響 「…どうするんだい?やるのかい?やるなら相手してあげるよ」


提督 「…いや やめておこう?俺もいろいろと疲れてるから今日はやめよう」


響 「ふふ!賢明な判断だね その方がいいよ?憲兵」


響 「もしやるって言われたらわたし…」スゥ…


ベキベキッビキビキビキビキ!!!!!!


提督 「ーっな!!!!!?」


響 「…これで君たちを串刺しにしてたよ?」ニヤッ 左手が異常に長くなり、爪が尋常じゃないほど伸びて まるで剣のような爪ができあがる


ずんこ 「ーっその爪、まさかタイラント!?」


提督 「…っえ?」


響 「っ! なんで知ってるんだい?たしかにわたしはタイラント Tー002のモデルだけどなぜ君がそれを?」


ずんこ 「…」


響 「…まぁいい 別に知られてもどうってことはない 知っていたところで私を倒すことなんてできないからね?」ニヤッ


提督 「…早く帰れ」


響 「わかってるよ 早く帰りたいのは山々なんだが、さすがにまだネメシスの状態から戻ってない電を運ぶのはムリだ」


ネメシス 「ウゥゥ…」シュゥゥ… 皮膚や盛り上がった肉が元に戻って電の姿に戻っていく


提督 「…あと何分くらいで終わるんだ?」


響 「…そうだね あと10分ぐらいかかるかな?それまで待っててくれないかい?」


提督 「…わかった それまで待ってやるよ」


響 「やさしいね?憲兵 今は敵同士なのに、昔と変わらず優しくしてくれるところ 嫌いじゃないよ」


提督 「そりゃどうも」


ネメシス 「ウゥ……」シュゥゥ…


提督 「…ずんこ あとでお前に聞きたいことが山ほどある いいな?」ヒソヒソ


ずんこ 「…」



ずんこは返答しなかった…だが、提督はこの後に必ず聞こうと思っていた



明らかに怪しすぎる 電の化け物化した名前も口に出して言っていたし、響の化け物化した名前も口に出していた しかも響もあっていたらしく、開発コードと思われる番号も言っていた



だが、ずんこが敵かと言われるとそうではないと思っている もし敵なら前の生き残りともいないだろうし、なにより身売りをしていたなら真っ先に殺してもおかしくないはず



それをしなかったと言うことはなにかしらのことで情報を手に入れただけで敵ではないと判断した そうでなければ敵としての行動を見せなかったのがおかしい



電 「うぅ…」シュゥゥ…


響 「大丈夫かい?電 落ち着いてきたか?」


電 「…はっはいなのです だいぶ落ち着いたのです…心配かけてごめんなのです」シュゥゥ… 元の姿に戻り体格も戻る


提督 「完全に戻ったな?もう動けるなら早くここから離れろ」


響 「わかってるよ そんなに慌てなくてもちゃんと帰るよ」


電 「…帰るのですか?倒さないでいいんですか?」


響 「いいよ まだ時間はある 今すぐやる必要はないよ」


電 「…わかったのです」


響 「それじゃ憲兵 今日のところは引き上げさせてもらうよ?次会った時は容赦しないからね」


提督 「上等だ 次会ったら殺してやるよ!」


響 「やってみな!」ニタァ


タッタッタッ!!…ガシャンッ 網壁を超えて屋上から飛び降りる


提督 「…ふぅ とりあえず、難が去ったな?やっと落ち着ける…」ペタン 疲れが溜まって床に尻をつかせる


ずんこ 「…そうですね やっと…」ペタン…


提督 「…なぁずんこ なんでさっきの化け物化した電…ネメシスって言ってたよな?なんであの化け物の名前を知ってた?」


提督 「響の手が変わったのも見てなんの化け物かの名前まで言ってた どうして知ってる?もしかしてお前らはあの化け物を作ってた研究員の1人か?」


ずんこ 「…そっそれは…」


提督 「…」


ずんこ 「…ごっごめんなさい 言えません」


ずんこ 「ですが!敵ではないのでそれだけは信用してください!それだけはぜったいに!!」


提督 「…そんなに必死に言わなくてもわかってるよ お前らが敵じゃないことぐらいな?」


ずんこ 「…っえ?」


提督 「お前は前の生き残りと一緒にいた時にいやいや身売りをしてたんだろ?だったら前の生き残りが生きてるのはおかしい」


提督 「そもそもお前らが敵だったらそんな身売りなんかしないですぐ殺してるだろ?もし生存者と一緒にいて騙すなら他の生存者でもいいからな」


ずんこ 「あっ…」


提督 「だからお前たちが敵だとは思ってねぇから安心しろ ただ、疑いはしてるけどな?」


提督 「なんであの化け物のことを知ってるのかを教えてもらえないからそれだけは疑わせてもらう お前たちが敵じゃないとわかってるから俺たちの拠点から追い出すことはしない」


提督 「…けど、いつかは話してくれよ?なんで化け物のことを知ってるのか?」


ずんこ 「…はい 話せる時が来たらお話します」


提督 「ならいい それじゃ、奴らが登ってこないあいだに下に戻って休むぞ?さすがに疲れた…」ハァ…


ずんこ 「…そうですね そろそろ休まないと疲れが…」フゥ



…タッタッタッ… 屋上の出入口から走る音が聴こえてくる


提督 「っ!」ピクッ


ずんこ 「? どうしましたか?」


提督 「…誰かが走る音…この走りは奴らの走りじゃないな」


ずんこ 「…っえ?」


バタンッ!!


天龍 「提督!」タッタッタッ!!


雷 「やっぱりここにいたのね!二人とも平気そうでよかったわ」


ゆかり 「ずんこさん!」


マキ 「ずんちゃん!」


ずんこ 「ゆかりさん マキさん!」


青葉 「…ここで一体何があったんですか?ものすごい血痕が残っているんですが…(でも死体がない)」


提督 「…ちょっとな?奴らが上まで登ってきて相手してたんだ 死体は邪魔になるだろうと思って下に落としたけどな」


青葉 「わざわざ下に落としたんですか?」


提督 「あぁ 邪魔だったからな?」


青葉 「…」



…さすが青葉である なにか俺が隠してることを見切っているようだ



青葉は情報を集めるだけではなく、相手の仕草や行動を見て嘘をついてるか、なにか隠しているのを見極めることができる



いつもは目を大きく開かせて元気に話しかけてくる青葉が目を細めて、俺を疑うような目で見つめてきた …だが、俺もずんこが隠していることを聞いてないため答えることができない 提督は青葉から視線を外して答えられないと仕草を見せた



青葉も少しの間、目を細めて見てきたが次第に提督を見るのをやめた これ以上目で訴えても隠していることを聞けないと判断して諦めたのだろう



マキ 「ずんちゃん!あの男になにかされたの?こんな屋上まで来てあの男になにされたの!」


ずんこ 「なにもされてませんよ 手を出されたわけではないので安心してください?」


ゆかり 「…ずんこさん この痕跡は一体…?」


ずんこ 『…ネメシスとタイラントが出ました』パクパク 口パクでゆかりたちに知らせる


ゆかり&マキ 「「っ!!!!!?」」


ずんこ 「…後で詳しいことを話します なので今は…」ヒソヒソ


ゆかり 「…わかりました」


マキ 「…うん」


天龍 「…」マキたちを見つめてなにか話しているのを気にしている


天龍 「(…なんか怪しいな?あの3人 敵…って感じじゃないがなにか隠してるような感じだな?)」


天龍 「(…警戒しておくか)」


提督 「それじゃ下に降りて身体休めるか?天龍 金剛 悪いが次の見張り頼めるか?」


天龍 「おう!任せとけ!」


金剛 「任せるネー!」


提督 「そんじゃ、みんな下に戻るぞ?まだ夜は明けてないから休むるうちに休むぞ?」


全員 「「はい!」」


タッタッタッ…


パタンッ













深夜から早朝に変わる時間近くー最上階個室



提督 「すぅ…すぅ…」


雷 「すぅ…すぅ…」提督の胸の中に入りながら寝ている


青葉 「すぴー…すぴー…」


金剛 「すやすや…デース…」天龍に許可もらって寝ている


ゆかり 「すぅ…すぅ…」壁に寄りかかって寝てる


マキ 「すぅー…すぅー…」ゆかりの近くに寝っ転がって寝ている


ずんこ 「…」ゆかりの近くで寝っ転がっているが寝息を立てていない


天龍 「…」見張りをして起きている


天龍 「(…もうすぐ明け方だな 朝になったらみんなを起こさないとな?)」


天龍 「(しかし、昨日の夜はすごかったな?ゾンビどもが一斉に登ってきて屋上に向かっていったみたいだがそのゾンビどもがいなかったからよけいにおどろいたな?一体どこに行ったんだ?)」


天龍 「(しかも提督とずんこの二人はその時、屋上に行ってたみたいだが何があったのか話してくれなかったんだよな?屋上でなにしてたんだ?提督がずんこを襲っていたとは考えにくいし…)」


全員 「すぅ…すぅー…」


天龍 「…なぁ、ずんこ お前起きてるだろ?お前だけ寝息立ってないぜ」


ずんこ 「っ!」ビクッ


天龍 「俺はそういうのに関しては鋭いんだ 寝た振りなんかすぐわかるからな?」


天龍 「…お前、屋上で提督となにしてた?話してくれないか?」


ずんこ 「…」


天龍 「…そんなに話せないことをしてたのか?てか、起きてるならさっさと起き上がれよ」


ずんこ 「…いつから起きていることを知ってたんですか?」スクッ


天龍 「だいたい30分ぐらい前かな?お前もそのくらいに起きたんだろ?」


ずんこ 「…そこまでわかっていたんですか やはりあなたの直感力は素晴らしいですね」


ずんこ 「ゾンビとも戦う時も自ら前に出て先陣を切り、みなさんが通る道を作っていくのも見ていましたが本当にあなたの冷静さと的確さには驚かされます」


天龍 「…冷静に返答するあたり、お前…戦闘慣れしてるな?いや、正確に言えば戦闘慣れじゃなく こんな状況でもまるで対象法を知ってるかのような素振り…違うかな?」


ずんこ 「…」


天龍 「…話戻すが、さっき屋上で提督となにしてたんだ?答えてくれないか?」


ずんこ 「…聞かないことを勧めます」


天龍 「それはなぜだ?」


ずんこ 「…聞いたら、殺せないです あなたならよけいに…」


天龍 「…それは、どういう意味だ?俺ならよけいに殺せないって?」


ずんこ 「…聞かないことを勧めます いえ、聞かないでください」


天龍 「…どうしてもと言ったら?」


ずんこ 「…話したくありません」


天龍 「…なら屋上で提督になにされた?二人っきりになったことを利用して提督はお前に手を出してきたか?」


ずんこ 「いいえ それはありません 逆に助けられました!なのでそちらの方の心配はありません」


天龍 「…そうか」


天龍 「(…戸惑いを見せてないから本当のようだな 提督になにもされてないようならこれ以上の追求は控えた方が良さそうだな)」


天龍 「(提督にマキを見とくよう言われてるから他の2人に警戒されたら見れなくなるからな 今は聞かないでおくか)」


ずんこ 「…すみません なにも話せなくて…」


天龍 「べつにいいよ お前たちが敵だとは思ってないから無理に聞いて変に警戒されても嫌だからな?」


天龍 「だけど、今は聞かないでおくだけだからな?いつかはちゃんと話せよな【お前達の口からな】」


ずんこ 「…っえ?」


マキ 「…きっ気づいてたの?けっこう寝息に近い音出してたのに…」ムクッ


ゆかり 「…まさか私まで気づかれるとは…」スゥ…


天龍 「っえ!?ゆかりも起きてたのか!?そっちは気がつかなかったぜ!?」


ゆかり 「…っえ?」


マキ 「ゆっゆかりん…」


ずんこ 「…ゆかりさん あなたはプロの方でも気づかれないのになんで自分からバラしてしまうんですか…」


天龍 「…っえ?プロでも?」


ゆかり 「…きっ気づいてなかったんですか?」


天龍 「あっあぁ お前だけは気づかなかったよ?マキは途中から起きたのは気づいたんだが…」


ゆかり 「…自爆しましたね 私もまだまだですね…」ハァ…


天龍 「(ウソだろ!?いつから起きてた!?全然気がつかなかったぞ!?)」


天龍 「(ゆかりが出してた寝息は完全に寝てるものだったぞ!?起きてる時に出せるような寝息じゃなかったぜ!!!?)」



天龍は驚きを隠せなかった それもそのはず、天龍は感が鋭く 近くにいる敵や背後から狙われたときなんかはすぐに気づき 相手が嘘ついた時やなにか隠しているときに見せる戸惑いなどもすぐに見抜くことができる



もちろん誰かが寝た振りなんかしていたらすぐに気づく 人が寝付いた時に出す寝息、息づかい、寝相…などを見て聞いたりして本当に寝ているかを見極めることができる



それなのにゆかりだけは気づけなかった ずんことマキが起きていたことには気づけたのに…



天龍はゆかりを強く警戒することを決めた ずんこやマキも気になるがゆかりだけは只者ではないと感じ取り 万が一、ゆかりが妙な動きを見せてきたらすぐに対抗できるよう今この場で目を光らせた



ゆかり 「…そんなに警戒しなくともなにもしませんよ?まして、あなた方の指揮官に助けられたのですからよけいにする気はありません」


天龍 「…ほんとうか?」


ゆかり 「はい そちら側から手を出されれば話は別ですがね?それだけはご理解の方をお願いします」


天龍 「それはわかってる その場合は俺も納得するぜ」


ゆかり 「ありがとうございます」


天龍 「(この緊迫した空気でも冷静に返答…やっぱりこいつ、只者じゃない!完全にこういう状況に慣れてやがる!)」


天龍 「(本人はなにもしないって言ってるが警戒はしておかねぇとな 決して嘘をついてるとは思えないけど)」


ゆかり 「…そろそろ朝ですね みなさんを起こさないといけませんね?」


天龍 「…そうだな そろそろ起こすか?」


ずんこ 「そっそれでは起こしましょう?」


マキ 「みっみんな朝だよ!起きて!」



マキがみんなに起きるよう問いかけると寝ていた者たちが次々に起きていく 提督が起きるとマキはすぐさま警戒態勢に入ったが天龍に大丈夫だと言われてすぐに警戒態勢を解いた



みんな起きてすぐに持ってきていた水で顔や歯を洗って多少身体を動かしてから軽食をとった



軽食をとった後、みんなはすぐに荷物をまとめて出る準備をする 今日一日の成果は燃料だけだが、食料に関してはまだ余裕あるため今すぐに取る必要はなかった



仮についでで食料も集めるとなるとさらに荷物が増えるため、帰るのが遅くなる上に歩く速度も変わってくるから食料は諦めていた まぁ元から取る気はなかったが…



準備を済ませて皆は提督と天龍を先頭にして通路に出る ゾンビがいないかを警戒しながら最上階から一階まで降りて外に出た



外に出ると青葉と天龍はなにやらすぐにデパートの周りを見始めた 提督はどうしたと問いかけるが二人はなんでもないと言って話を終わらせた



青葉と天龍は同じ事を考えていた 昨日の夜、提督はゾンビを一掃して天井から落としたと言っていた だが、その屋上から落としたと思われるゾンビの姿は見えなかった



二人は提督が嘘をついていたことがわかったが何のためにそんな嘘をついたのかがわからなかった 基本的提督は嘘をつかない…嘘をつくとしてもなにか理由がないとそんなことはしない



昨日の夜、いったい何があったのか二人は気になっていた だけど提督に聞いたところで嘘をつくぐらいだから話してくれるわけがないとわかりきっていた



そんなことを考えながら二人は昨日通った道を再び足を踏み入れて自分たちの拠点へと走っていく



ゾンビの群れ 「「アァー…」」ノソ…ノソ…


提督 「じゃまだ!」グシャァァァ!!!!!!


天龍 「うおぉりゃあぁぁ!!」スパパパパッッッ!!!!!!


ゾンビの群れ 「「」」バタバタバタバタ… 頭部破損や首から上が切り離されて倒れていく


提督 「よし!道が開いた 走れ!」


雷 「わかったわ!」


ゾンビの群れ 「「アァー…」」ノソ…ノソ… 提督たちの後から


ゆかり 「」パンパンパンパンッッ!!!!!!


ゾンビの群れ 「」バシュバシュバシュバシュッッ!!!!!!脳天を撃ち抜かれて倒れる


ゾンビ 「アァー!」グワァ!! ゆかりの横から襲いかかっていく


青葉 「あぶない!」スチャッ すぐさまスナイパーライフルを構え…


ゆかり 「はぁっ!!」ゲシィッ!! 足でゾンビの顔に蹴りを入れる


ゾンビ 「」グキキキッッ!!!!バタン… 首が360度回転して倒れる


ゆかり 「」スチャッパァン!!


青葉 「ひぃっ!!!?」ヒュン!! ゆかりの撃った弾がスレスレで横を通り過ぎていく


ゾンビ 「」ザシュッバタン… 青葉の後ろにいたゾンビがゆかりの弾が脳天にヒットして倒れる


ゆかり 「…私の心配するよりご自分の心配を優先してください」カチャカチャ…ガシャン 弾を装填してマガジンをセットする


青葉 「…はっはい……」ドキドキ…


金剛 「(すっすごい…一瞬にして五体も!)」


天龍 「(しかも全部脳天ヒット!あいつ、やっぱり只者じゃねぇ!!)」


提督 「天龍、金剛 余計なことは考えるな!それと青葉 お前も周りを見て自分が安全だと思ったら仲間を助けろ!」


青葉 「はっはい!!」


天龍 「わっわるい」


金剛 「sorry 気をつけるね!」


提督 「うおぉぉりゃあ!!!!!!」グシャアァァァ!!!!!!


ゾンビの群れ 「「アァー!」」ノソノソ…



進んでいく度もいく度もゾンビの群れ…一度通った道でもこの日本には何千万という人口が存在するため、再びそこにゾンビの群れが現れてくる



何度もゾンビを倒してはまた現れ、また倒しても再び現れては何度も繰り返し…普通の常人なら生きることをやめてもおかしくないであろう



ゾンビを蹴散らしていき、なんとか提督たちは拠点までたどり着くことができた もちろん誰も犠牲にならずに



無事に帰ってきた俺たちの前には鳳翔と妖精が安心したような表情で出迎えてくれた 鳳翔はすぐにシャワーを浴びてくるようみんなに言って、その後にご飯にしようとみんなは急いでシャワーを浴びに行った



わずか一日だけ拠点を離れていたとはいえ、やはり安全で全員揃っているとみんな元気な表情が出てくる



提督もみんなの笑顔が見れてホッとした これでもし、誰かが一人でも犠牲になっていたらこんな笑顔は絶対に見れない 本当にみんな助かってよかったと思った



…だが、提督は内心 あまり元気はなかった 昨日の夜、あのビルの屋上で死んだはずの電と響に会ったからそれをずっと考えていた



ずんこが言っていたグラサン野郎…そいつが死んだはずの電と響に強化ウイルスを使って生き返らせたと言っていたが一体どんなやつなのだろうか?



そのグラサン野郎が生き返らせたということはこの世界をこのようにした人物もそいつに違いないはず…だけど、何のためにこんなことをしたのかはわからなかった



世界征服?それとも世界滅亡?どちらにしても細菌兵器を使っているから自分が死ぬリスクが高い 普通自分が生きてやるからこそやりがいがあると思うのだが…



わからない…なぜこんなことをしたのかもわからないがゆかりたちも何者かもわからない



ゆかりに関しては戦闘慣れしすぎている 瞬時に全弾ゾンビの頭を撃ち抜くなんてよほど練習を積み重ねていなければできない いつどこで拳銃を発砲する練習なんてしていた?ただの一般市民に見えるが…



それにゾンビの顔に蹴りを入れた時の素振り…あれも素人ができる動きではない ゾンビの頭部を一回転させるほど勢いの強い蹴りなんてもはや達人級 一体ゆかりはなにをどこまで習っていたんだ?



ずんこはいろいろ悩ませることを言ってくる 主にグラサン野郎…こいつが一体誰なのか?なにを目的としているのか そしてずんこたちとはどういう関係なのか?



マキについては別に今のところはない ただ俺に対しての警戒心が解けてないぐらいだろうか



そんなことを思いながらみんなはごはんを頬張って食べていた 提督もごはんを食べていたがあまり進まず…食べたくないわけではないのだが、やはり電たちのことが気になる…



提督 「…」モグモグ…


雷 「…? 司令官どうしたの?なんかすごく難しい顔してるけど」


鳳翔 「もしかして口に合いませんでしたか?」


提督 「…っえ?あっいや、そんなことないぞ?すごく美味いよ ただ、ちょっと…な」


天龍 「…なんか悩みごとか?」モグモグ


提督 「…あぁ だけど気にしないでくれ?大したことじゃないから!」


青葉 「…ほんとですか?」ジッ…


提督 「…」


妖精 「…青葉さん これ以上は問いかけない方がいいかもしれません この時の提督は…」


青葉 「…わかりました これ以上は問いかけません 追求してすみませんでした」


提督 「…別にいい わるいな?話せなくて」


青葉 「構いません 誰にでも話したくないことはありますから」


ずんこ 「…」


マキ 「…ねぇ あぁいう時ってどういうこと?あの時になにも話さなかったらなにかあるの?」ヒソヒソ


天龍 「あぁ 提督がなにか悩んでる時に誰にも話さなかったら誰にも話せないことを意味してんだ」ヒソヒソ


天龍 「みんなには言えないこと…もし言ったらみんながバラバラになるほどの事を考えてるんだと思う」


マキ 「…そこまで重大なことをあいつが考えてるの?」


天龍 「あぁ見えてもけっこう深く考える人なんだよ みんなのことを思うとよけいにな」


マキ 「…ふーん」


提督 「…みんな、昨日今日はごくろうだったな このあとの活動は明日に回して今日はゆっくり休んでくれ」


雷 「いいの?明日に回したら明日たいへんよ」


提督 「みんなでやれば早く終わるから平気だろ それに昨日の夜だって中途半端な時間に起きたりしてみんな寝不足だろ?だから今日は無理しないでゆっくりしてくれ」


青葉 「それならわたしはお言葉に甘えて このあと休ませてもらいます!あのデパートの情報や昨日通った道などの情報をまとめてメモしてときたいので!」


天龍 「それなら俺も休ませてもらうぜ 最後の見張りが俺だったからちょっと眠いぜ…」ファァ…


金剛 「わたしはティータイムするネー!だれか一緒にしませんか?」


雷「はーい!わたしもする!」


妖精 「私もしたいです!」


ずんこ 「私も参加したいです!」


マキ 「あっそれなら私も参加する」


ゆかり 「わたしは部屋に戻って拳銃の整備をするので遠慮させてもらいます」


提督 「俺もちょっとやりたいことはあるからパスで」


金剛 「oh ゆかりっちと提督は不参加ですか 残念デース」


ゆかり 「…ゆ、ゆかりっち?」


金剛 「YES!かわいくしてみたねー!どうですか?ナイスネームでしょ?」


ゆかり 「…はぁ…?(ゆかりっち…なんかたま○っちに出てきそうな名前ですね…)」


ずんこ 「いいなー ゆかりさんかわいい名前をつけてもらえて?」


金剛 「ずんこもつけて欲しいデスか?」


ずんこ 「はい!私もつけてほしいです!」


マキ 「あっそれなら私もつけてほしいな かわいい名前でつけて!」


金剛 「了解ネー!それじゃまずずんこから…」(。-`ω´-)ンー


金剛 「…よし!ずんだもちに決定デース!」


ずんこ 「…っえ」


雷 「(ずっずんだもちって…)」


天龍 「(…食べ物じゃねぇか)」


鳳翔 「(あだ名がずんだもちですか…さすがの私でも嫌ですね)」


青葉 「(金剛さん ネーミングセンスがひどい…)」


妖精 「(ひどすぎる…わたしなら絶対に怒ってる)」


マキ 「(…やっぱり付けてもらうのやめようかな なんかすごく心配になってきた…)」


提督 「…金剛 さすがにずんだもちはひどいだろ」


金剛 「っえ?そうですか 名前にずんがついてたのでそれがいいと思ったんですが」


ずんこ 「…えと、金剛さん やっぱり普通でいいです 普通にずんこと呼んでください(さすがにずんだもちはいやです いくらずんだ餅が好きとはいえ…)」


金剛 「そうですか?わかりました それじゃマキのあだ名ですが…」(。-`ω´-)ンー


マキ 「あっ金剛さん 私もやっぱりいい…」


金剛 「マッキーペン!」(`・▽・´)ドヤ


提督 「ぶはぁっ!!!?」( ゚∀゚)・∵ブハッ!!


マキ 「」スチャッ 拳銃を提督に向けて構える


提督 「やべっ!」スッ すぐさま机の下に隠れる


マキ 「死ね!」バァンッ!!


ヒュン…バスンッ!!


壁 『痛い…』ボロッ… 銃弾が壁に埋まって穴が開く


マキ 「っち!はずしたか 次は当てる」スチャッ


ゆかり 「マキさんやりすぎですよ 拳銃を置いてください」


マキ 「だってあのくそやろうが!」


ゆかり 「置きなさい」ギロッ


マキ 「っ! わ、わかったよ ごめん…」スゥ…


ゆかり 「わたしではなくhead crusherさんに謝ってください」


マキ 「…」フイッ 顔を背けて提督に目線を合わせないようする


提督 「…別に謝らなくていいよ 俺も笑ったのがわるいからお互いさまだ 俺も謝らないからそれでいいだろ?」


ゆかり 「ケジメはけじめです お互いが悪いならお互い謝るのが通ではありませんか?」


提督 「たしかにそうかもしれないが…」


ゆかり 「マキさん今のは完全にあなたが悪いと思います いくら笑われたからと言っても、あそこまでやる必要はなかったはず やりすぎです」


ゆかり 「拳銃で撃ったことを謝ってください head crusherさんもその後に続いて謝るので」


マキ 「…」フイッ


ゆかり 「…マキさん 私の言うことが…キケマセンカ?」ニタァ



ヒュォンッッ!!!!!!…


全員 「「っ!!!!!?」」ゾクゥ!!!!!! 全員に背筋が凍るような風が襲いかかる


マキ 「ひぃっ!?」ビクゥ!!



ゆかりが睨みながら笑うと全員に急激な寒気が襲ってきた



提督も背筋が凍るような風が吹いてきて驚いていた それもそのはず、提督はありとあらゆる犯罪者を殺めてきた殺人鬼 犯罪者の睨みなど何百回と見ている



それなのに見た目高校生と思われる女が睨みながらにやけたぐらいでゾッとした 今まで見てきた犯罪者の中でもここまで俺を震え上がらせたやつはいない



結月ゆかり…一体何者だ?戦い慣れている感じもするし こんな状況でも常に冷静…一体何をしていたらそこまでそうなるのか 提督には理解できなかった



ゆかり 「…マキさん 謝る気は?」


マキ 「…ごっごめんなさい」


提督 「俺の方こそ悪いな 笑っちまって」


マキ 「…うん いいよ」


ゆかり 「それでいいんです head crusherさんも次からは気をつけてください」


提督 「わかった 次からは気をつける」


ゆかり 「お願いします」


ゆかり 「それと金剛さん あなたはもう少しネーミングセンスと言うものを考えてください さすがにあれはひどすぎます」


金剛 「了解ネ 次からはもっといい名前をつけれるよう頑張るネ」


ゆかり 「お願いします」


雷 「…なんか、すごい寒気したわよね ゆかりさんがニヤけた瞬間…」ヒソヒソ


青葉 「えっえぇ…今まで司令官がニヤけた時みたいな…いや、それ以上なったような感じが……」ヒソヒソ


妖精 「なんか怖いです 怒らせない方が絶対いいです!」ヒソヒソ


鳳翔 「…」ゆかりを見て警戒している


天龍 「…」同じく警戒している













夜ー食堂



カチャカチャ…


鳳翔 「…ふぅ これで片付けは終わりっと?これなら明日の朝すぐに料理ができますね」


鳳翔 「明日使う材料も準備したし、あと必要なものは平気ですね それじゃ私もそろそろ休もうかしら」



…タッタッタッ


提督 「…鳳翔 少しいいかな」


鳳翔 「あら提督 どうしたんですか?今日は雷を慰めるんじゃ…」


提督 「…少しして終わらせてきた それよりも少し、話聞いてもらってもいいかな?どうしても落ち着けなくて…」


鳳翔 「…なにかあったんですか 昼間もなにかお悩みになっていたようですが」


提督 「…それは…」


鳳翔 「…少しお酒を飲みながら話しましょうか そっちの方が話しやすいかも知れませんね」


提督 「…そうだな まだ酒はあるのか?」


鳳翔 「ありますよ 腐らせないようにちゃんと長期保存できるように工夫してますからね 日本酒でいいですか?」


提督 「たのむ」










提督 「ーっ…」ゴクゴク…


提督 「…はぁ やっぱり酒はうまいな 雷から酒は止められてるから久々に飲めて美味く感じるよ」


鳳翔 「飲みすぎは体に毒ですからね 雷が注意するのはわかります」


川内 「ほんとだよねー!お酒って人を狂わすからあまり飲まない方が懸命だよね!」


提督 「…なんでお前もここにいる?てか見張りは?」


川内 「見張りなら平気だよ 誰か来たらこっちまで聞こえるように紐を引っ張って鈴を付けといたから!」


提督 「…それならいいが」


川内 「それより提督はなにを悩んでるのかな?私にも聞かせて欲しいな」


提督 「…」


鳳翔 「…いいんですか?川内さんにも聞いてもらって」


提督 「…そうだな あまり聞かしていい事じゃないんだが川内なら他言無用してくれるだろうから話を聞いてもらおうかな」


川内 「やった!」


鳳翔 「わかりました それではなにを悩んでいるのか話してもらえますか?」


提督 「…電と響に、会った…」


川内&鳳翔 「「…っえ?」」



二人は提督の言葉を聞いて唖然とした それもそのはず、死んだはずの二人に会ったと言葉にしたのだからそんな顔をしてもおかしくない



でも提督は表情を変えず、真剣な顔で話した 嘘偽りなく、からかっているわけでもない 悩みを聞いてほしいことを話した



二人は提督が嘘をついてないとわかって一度は目線を合わせたが納得した でもやはり、二人に会ったということに対しては抵抗があったようだ



鳳翔 「…提督 電と響に会ったって…ほんとうですか?」


提督 「…あぁ 正直、俺自身も驚いてる まさか死んだはずのあいつらに会うなんて思ってなかったから…」


川内 「…生きてたの?二人とも」


提督 「…正確には生き返ったみたいなんだ そんじゅそこらにいる化け物よりさらに強いウイルスを打たれて、人体が保ったまま化け物と化したみたいなんだ」


提督 「二人が生き返ることができたのはグラサン野郎ってやつのおかげだと言ってた そのグラサン野郎ってやつはどんな奴かはわからないがそいつが世界をこんなにした奴みたいなんだ」


川内 「…グラサン野郎 そいつが私たちの世界を!」ギリッ!!


鳳翔 「…提督 その話し、詳しく聞かせてもらえないでしょうか」


提督 「…わかった」



提督は二人に昨日の夜、なにがあったかを話した



屋上で化け物と化した電のことも響の左手が異常に盛り上がって鋭く剣のような爪をしていたこと全てを話した



…だけど、ずんこのことだけは話さなかった 一緒にずんこと屋上に出て二人に遭遇したことは話したが二人の化け物のことを知っていたことは黙っておいた



話して変に誤解を生んでも困るため、あえて言わないことにした 二人が変に誤解を生むとは考えにくいが念には念にと



鳳翔 「…なるほど 昨夜そんなことが…」


川内 「二人が奴らより強い化け物になるなんて…そんなこと、雷が知ったら……」


提督 「…絶望に落ちるだろうな ただでさえ、提督が死んだことによってかなり落ち込んでるのに追い討ちのように電たちが化け物になって生き返ってきたなんて知ったら今度こそ精神が崩壊する!」


鳳翔 「それだけは避けなくてはいけませんね そうならないよう雷には絶対に知られるわけにはいきませんね」


川内 「…でも、いつかは知ることになるかもしれないよ ずっと隠すことはできないよ」


提督 「…そうだな いつかは知るかもしれないな 奴らも次会った時は殺し合いだと言ってたから向こうから来るかもしれないからな」


提督 「…だが、俺たちから話して知られるようなことはしない もし教えるとしたらもう少し落ち着いてからの方がいい」


鳳翔 「そうですね もし教えるとしたらもう少し落ち着いてからお話した方がいいですね」


川内 「いつ話せるかわからないけどね…」


提督 「たしかにな…」ハァ…


鳳翔 「…」


川内 「…」


提督 「…」













第5章 長女…?



四階ー商品売り場(演習場)



天龍 「うりゃあっ!」ブォンッ!!


金剛 「効かないデース」ガッ 天龍の蹴りを腕で受け止める


天龍 「フンっ!!」グルンッ


金剛 「中立回転蹴りも効かないデース!動きを解られてると防がれるネ!」ガシッ 顔の横に蹴りを入れてきた天龍の足をつかみ防ぐ


天龍 「ーっまだだ!!」タンッ


天龍 「はぁっ!!」ブンッ!!


金剛 「ムダデース!ここで飛び膝蹴りが来るのも把握済みデース!」パシッ 顎に天龍の飛び膝蹴りが来るも容易く手の平で受け止める


天龍 「くそっ!」


金剛 「ほわちゃあっ!」ブォンッ 天龍を掴んでぶん投げる


天龍 「おわっと!?くっ!」スタッ 投げられてバランスを崩すがすぐに体制を整える


金剛 「甘いネ天龍 あなたの動きはほぼ見切ってるからわたしには効かないネ!…まぁ、逆に見切ってなければさっきの顎に膝攻撃を食らったらシャレにならないデース…」


天龍 「たしかにさっきの飛び膝蹴りはけっこう強めにやったからな もし食らってたら普通に脳震盪が起きてたかもしれないな」


金剛 「それは勘弁ネ…」



ゆかり 「…」


ずんこ 「やぁっ!」ブンッ


ゆかり 「…」パシッ ずんこの蹴りを手のひらで軽々と受け止める


マキ 「はっ!」ブンッ


ゆかり 「…」ガシッグググ… マキの拳を手のひらで受け止めて握りしめる


マキ 「いだだだだっ!!ゆっゆかりん痛い!痛いよゆかりん!!」アァァァッ!!!!


ずんこ 「あぁあぁぁっ!!!!わっわたしも足をいだだだだっ!!!!ゆかりさん痛いです!!!!」ギャァァァ!!!!


ゆかり 「…あの、まだ全然本気出してないんですが…」


マキ 「ゆかりんの手加減は手加減じゃない!!ぎっギブギブ!!ギブーっ!!!!」パンパンッ


ずんこ 「ずんだずんだずんだずんだっ!!!!!!」ギャアァァァ


ゆかり 「…二人とも もっと鍛えてください それでは何かあった時力不足でやられますよ」スゥ…


マキ 「わたし医療担当!戦闘班じゃない!」イタタタ


ずんこ 「わたしは援護担当です!遠距離攻撃です!」オォォ…


ゆかり 「そうだとしても力は身につけておいた方がいいです 幸いにもこの拠点には運動器具が置いてあるのでそれで筋肉つけてください」


ゆかり 「あっでもムキムキマッチョにはならないでくださいね 腹筋が割れたり、二の腕筋が山のように膨らんでたら気持ち悪いのでそれだけは勘弁してください」


マキ 「そこまでなりたくないよ!てかわたしお腹丸出しだから腹筋割れてたらほんときもいよ!」


ずんこ 「わたしもそこまでは…」


ゆかり 「…まぁ できる限りは付けておいてください 付けておいて損はないのでお願いします」


マキ&ずんこ 「「はーい…(あまり付けたくないなぁ…)」」



天龍 「…」


金剛 「…すごい 二人を握力だけで倒したネ ゆかりっちなかなかやるデース!」


ゆかり 「そんなことありませんよ マキさんたちが大袈裟なだけです」


マキ&ずんこ 「「(大げさに言ってないよ!マジで痛かったんだよ!)」」


天龍 「(…やっぱりゆかりだけおかしすぎるな 普通の一般市民があそこまでの体術を持ってるのもおかしいが日本は拳銃の所持を禁止されてるのに扱いに慣れてるのもおかしい)」


天龍 「(名前も苗字が漢字で下が平仮名だから外人という線はうすい 日本で許可されてる銃はあるが全部猟銃でハンドガンのような形をしてないからハンドガンを使い慣れてるのはおかしい それにゆかりはまだ未成年だから猟銃の所持許可は下りないはず…なのになぜあそこまで使えてる?)」


天龍 「(敵とは思えないがやっぱりあやしいな 提督もゆかりだけは気になるとも言ってたし…)」


天龍 「(…わかんねぇな 気になるけど、聞いたところで話してくれるとは思えねぇし かといって脅して聞くってわけにもいかないからな)」


天龍 「(なにか知ってるなら聞いておきたいが今は無理そうだな もう少し仲を取ってから聞いてみるか)」


ゆかり 「…天龍さん 先ほどから私のことを見てなにか悩んでいるようですがなにか用ですか?」


天龍 「…いや、なんでもない 気にしないでくれ」


ゆかり 「そうですか?それならちょっと一手お願いしてもよろしいでしょうか?」


天龍 「…っあ 俺とか?」


ゆかり 「はい 先ほど、金剛さんと手合わせしていたのを見ていましたがなかなかキレのある動きをされていたのでなかなかの実力者だと見受けます」


ゆかり 「ご覧の通り、マキさんやずんこさんでは私の相手にならないのでもしよろしければ一手お願いしたいのですがよろしいでしょうか?」


天龍 「…まぁ べつに構わねぇけど」


ゆかり 「ありがとうございます それではさっそく始めましょう」スッ… 戦闘態勢に入って天龍に向けて構えを取る


天龍 「…」スッ… ゆかりに向けて構えを取る


ゆかり&天龍 「「…」」ジリッ…ジリッ… お互い睨みを効かせて相手の様子を伺っている



金剛 「…おっoh 二人とも目がマジね…どっちも隙を見せないネ」


ずんこ 「…ゆかりさん本気ですね 天龍さんに隙を見せませんね」


マキ 「うん ゆかりんが手を抜いてるときは必ず無駄な動きを見せるもんね それを見せないってことは本気だね」


天龍 「っ…」ビリッ… 緊迫とした空気にゆかりの威圧が降りかかって動けない


天龍 「(…こいつ、スキがねぇ 俺に睨みを効かせながらめちゃくちゃ俺からスキを突こうとしてやがる!)」


天龍 「(下手に動いたら確実にやられるな 先にどっちが動くかで勝負が分かれるな)」ギロッ


ゆかり 「…」スゥ… 右手を前に突き出して左手を上に曲げて突き出す構えをとる


天龍 「(…なんだあの構え?足を曲げて右手を伸ばして前に突き出し、左手を上に上げて曲げ突き出した…こんな構え見たことねぇ)」


天龍 「(中国拳法…とは違うな 似てるがそんな感じの構えじゃないな それじゃこの構えは一体…?)」



天龍は迷っていた 今ゆかりの攻撃態勢に戸惑いを見せていた



今の提督からよくいろんな拳法や体術、剣術を習っていたがこんな構え方は見たことがない おそらく提督も知らない拳法と思われる



後ろ向きに足を曲げて傾け、右手を突き出して左手は上に向けて肘を曲げて指先を突き出す…わけがわからない体勢だった



後ろに身体を傾けているから先手を狙う体勢ではない…でも、両指先を突き出しているから反撃に対処する体勢でもない…それじゃこの構えは一体どういった構えなのだろうか?



天龍は睨み合ったまま動けないでいた…下手に動いたら殺られる そう直感していたからだ!



相手がどう動いてくるのかをじっと待つ…今はそれしかできなかった 自分から動くのをやめて相手から動くのを待つことにした そうすれば、下手に動くよりかは上手く動けると判断した



…すると、ゆかりはフッと笑い 口を開かせた



ゆかり 「…的確な判断です 相手の動きがわからない状況でむやみやたらに前へ出ようとしない 動いた瞬間を狙う姿勢…良い考えです」


ゆかり 「天龍さん 今の私の体勢で先手を打ってきていたら…やられていましたよ すぐさまカウンターで首元に突きを入れられて…ね?」


天龍 「…」


ゆかり 「やはりあなたは只者ではありませんね 今まで見てきた中でも上位クラスの実力をお持ちのようで?これはいい試合になりそうです!」


ゆかり 「では、ここからは本気で行かせてもらいます 先手を決めさせてもらいますので気をつけてくださいね」スゥ… カウンター構えからCQCの構えに取り直す


天龍 「っ!(この構え…CQCか!なるほど さっきの構えはカウンターを狙うための体勢だったのか)」


天龍 「(しかもこの俺に攻めてたらやられてたなんて…とんでもねぇ自信じゃねぇか!)」ニヤッ


天龍 「(その自信どれほどのものか見てやろうじゃねぇか!接近戦最強と言われた俺がな!!)」ダッ!!


ゆかり 「」ダッ!!


天龍 「おぅらっ!!」ブォンッ!! 足をゆかりの顔部分に当たるよう高く上げて蹴りを入れる


ゆかり 「…」パシンッ!! 手のひらで天龍の蹴りを受け止める


天龍 「そぅらあっ!!!!」グルンッ!! 受け止められた足を軸にして反対側の足を再びゆかりの顔にめがけて蹴りを入れる


ゆかり 「よっと!」スッ…ブォンッ!!!! 天龍の足を離し、しゃがみこんで蹴りを避ける


天龍 「まだまだァっ!!!!」ヨット 逆さまに手を地面につかせて足を広げる


天龍 「らあぁあぁぁっ!!!!」ブォンッ!! 手を軸にして回し蹴りでゆかりの顔にめがけて蹴りを入れる


ゆかり 「っ!」タンッ しゃがみながら後ろに飛び跳ねて天龍の回し蹴りを避ける


天龍 「っち!すばしっこいやつだぜ」ヨット


ゆかり 「…」スッ…


ゆかり 「(思ったよりなかなかやりますね 先手を決めるつもりでしたが上手く決められませんでした)」


ゆかり 「(もっと相手の動きをたしかめたいですが天龍さんはいろんな型(構え)を取ってくるので調べるにしても時間かかりますね)」


ゆかり 「(しかも今までゾンビを倒すのにも毎回のように動きを変えてるのを見てきたのでパターンを見抜くにもかなり時間が…)」



たしかに天龍の動きを調べようとすると困難であった それもそのはず、天龍はいろんな構え方やその時に応じての動きを全部レクチャーされていたからだ



提督からいろんな接近戦術を学び、まだ海で戦っていた頃は主砲を使わずに接近戦で深海棲艦を倒してきた経歴もある



艦娘で接近戦に持ち込んだ艦娘は天龍ぐらいしかいない 普通の艦娘は主砲を使って砲撃するのが当たり前



深海棲艦もまさか接近戦て戦闘するとは考えていない まして深海棲艦も主砲を使って砲撃するのが当たり前なのだから接近戦に慣れていない だから提督は近接戦闘を学ばした



だから天龍は一部のものから化け物扱いされていた…



鬼神…艦娘離れした特攻兵



天龍 「へへっ!やっぱりやりがいがあるやつと演習するのはたのしいぜ!」


天龍 「おれとまともに戦えるやつは戦艦級の奴や提督ぐらいしかいないからな!ほんとにお前みたいな強いやつが来てくれてよかったぜ!」ニヤッ


ゆかり 「私も嬉しいですよ 今まで天龍さんの動きを見てきましたがなかなか多彩な動きをお持ちのようで」


ゆかり 「ここまで腕を持っている方はなかなか出会えませんのでわたしもやりがいがある方と一手出来て嬉しいです」


天龍 「そうかい お互い一緒か!」



金剛 「oh…あの二人化け物デース 相手が強者で両者喜ぶなんて異常ネ…」


マキ 「ずんちゃん わたし改めてゆかりんが怖いと思ったよ…」


ずんこ 「私はもとから怖いと思っています…」



天龍 「へへっ!それじゃもう一回行くぜ!」ダンッ!!


ゆかり 「こちらも行かせてもらいます!」ダンッ!!


タタタタタタッッ!!!!!!


天龍&ゆかり 「「はぁっ!!!!」」ブンッ!!



提督 「おーいお前ら ちょっと騒ぎすぎだぞ?」タッタッタッ…


天龍 「あっていと…」


ガスンッ!!


天龍 「がへぇっ!!!!」ゆかりの拳が思いっきり顔面に入る


ゆかり 「っあ」


マキ 「」( ゚д゚)


ずんこ 「うわぁ…右ジャブ決まりましたね……」


金剛 「(ものすごく痛そうデース…)」


ゆかり 「すっすみません天龍さん!だいじょうぶですか!?」


天龍 「おぉぉ…ほっ頬が……」ピクピク…


提督 「…タイミングが悪かったな 天龍だいじょうぶか?」


天龍 「むっむり…死ぬ……」ヒリヒリ…


提督 「いやそれぐらいで死ぬわけないだろ しかも右ジャブじゃ余計死なねぇよ」


提督 「ほら 頬見せてみろ」ガシッ


天龍 「ふぇっ!!!?」///ボッ 顔を両手で掴まれる


マキ 「っな!」


ずんこ 「あら!これは…」


金剛 「oh…またネ」ハァ…


ゆかり 「…また?」



提督 「んー…とくに腫れてる様子はないな 口ん中も血は出てないし、外傷も見当たらない」ジー


提督 「念のため湿布だけは貼っといた方がいいな 今貼るから動くなよ?」スッピー… 懐から湿布を取り出してシートを剥がす


天龍 「あっあぁ…すまない……!(かっかお!顔近いっ!!)」///ドキドキ



天龍は心臓を高鳴らせて顔を真っ赤にさせていた 提督の顔が自分の目の前まで近づけられて理性を失いかけていた



それもそのはず、天龍は提督のことが好きだからだ



最初の出会いは、元提督が新しい憲兵を雇ったということで艦娘一同を集めて紹介してもらったのが出会いだった



最初はなんかヤバそうなやつだなぁと思ってたが意外にも内面は優しかった 雰囲気的に近寄り難い感じだったが、案外話してみると言葉もそこまで悪くないし、話しやすかった



元提督もかなり目をつけていて、よく提督代理としてやらせてもいた 最初は心配だったがその心配も最初のうちだけだった



作戦指揮や資源調達、このふたつが主にメインだがどちらも初心者とは思えない判断で指揮をしていた



出撃だって今の提督が出した指揮だと10回のうち8回はA勝利 演習も的確な判断で、相手がどんな強いやつでも勝ちを取る事が出来た



ほんとは憲兵じゃなく、どこかのお偉いさんかと思ったこともあった 素人にしてはあまりにも出来すぎているため、元帥辺りの息子が小さい時から経験してたということなら辻褄があった



だが、そうではなかった 元提督に聞いたら一般の人を雇った者だと言われた 一般人を雇うなんて珍しかったからさらに追求したが教えてはもらえなかった



提督の情報に関してはなにがあっても話せない 誰に対してもと、眉間にシワを寄せて口を閉ざされた



それから仕方なく、情報を調べることは諦めて 今の提督と仲が良くなった頃、他の憲兵とくだらないことで口喧嘩をした 相手が突っかかってきたからおれも突っかかったらお互いもめ合いになって憲兵に胸ぐらを掴まれた



憲兵の手には拳が作られていたから殴られると思い、目をつぶった 艦娘であるおれが憲兵相手に目をつぶるなんて情けない話だった



だけど、いつまで経っても拳が飛んでこなかった 数秒は経っているのに顔を激痛が走ってこなかったから目を開けたら…



そこには、今の提督が憲兵の腕を掴んで止めてくれていた



憲兵(提督) 「…おい なにやってんだ?女に拳を振ろうとしてたが」


憲兵 「あぁ?てめぇには関係ねぇだろ 部外者が口出ししてくんじゃねぇよ」


憲兵(提督) 「部外者だろうがなんだろうが、女に手を出そうとしてる奴がいたら止めるのは当然 それで、なにをしようとしてたんだ?」


憲兵 「こいつが生意気なこと言ってたからぶっ飛ばしてやろうとしたんだよ!それがなんだってんだ!」


憲兵(提督) 「…ほぉ?生意気なこと言ってたから、女に手を出そうと…」


憲兵 「そうだよ!わかったらとっとと離しやがれ!新米の分際で偉そうな口聞くんじゃねぇ!!」


憲兵(提督) 「…あぁ?」ピキッ


憲兵(提督) 「てめぇ…いま、なんつった?」


憲兵 「あぁ?新米の分際で偉そうな口聞くんじゃねぇって言ったんだよ!聞こえなかったのか?このつんぼが!」


憲兵(提督) 「」ブチッ



グググッ!!!!


憲兵 「ギャアァァァァ!!!!!!」ミシミシミシミシ!!!!!! 腕を握りしめられて鎮守府中に響き渡るほどの叫び声を上げる


天龍 「…っえ?」


憲兵(提督) 「…どの口が言ってんだ?おい くそ生意気なこといいやがってよォ!」ギロッ


憲兵(提督) 「新米だから口出すなだァ?偉そうな口聞くんじゃねぇだァ?てめぇいい加減にしろよ?」ググッ!!!!


バキィッ!!!!


憲兵 「アァアァァァッ!!!!!!」腕を折られて激痛が走りその場に座り込む


憲兵(提督) 「おいおい さっきの威勢はどこに行ったよォ?雑魚兵ちゃんよォ」ガシッ!!グイッ… 憲兵の髪を掴んで持ち上げる


憲兵(提督) 「先輩面してる奴が後輩の前で膝を付かせてどうすんだよ 先輩なら後輩に負けちゃいけねぇだろうがよ?」


憲兵 「ぐぅぅ…てめぇ!!」ブンッ!! 左手で憲兵(提督)の腹部に拳を入れようと…


憲兵(提督) 「ふんっ!」ブンッ!!



ベキィッ!!!!


憲兵 「アァアァァァッ!!!!!!」憲兵(提督)の膝蹴りで腕の上腕骨を折られる


憲兵(提督) 「アーッハハハハ!!おらぁどうしたよォ?雑魚兵ちゃんよォ?」


憲兵(提督) 「両腕を折られてぶざまに叫んでんじゃねぇよォ?男として気持ちわりぃんだよ!!」ガンッ!!!!


憲兵 「がはぁっ!!!!」顎を蹴られて仰向けに床に倒れ込む



天龍 「ーっあ…あぁっ!!!!!!」ガクガク…



天龍は憲兵(提督)の狂気じみた姿を見て怯えていた…普段活気溢れる天龍がはじめて、本物の恐怖を感じ取った瞬間だった



普通に話したときは口が悪くて、目つき悪いやつだとは思っていたが話す分に関しては、さほど問題はないやつだと思った



他の憲兵とはあまり良くなかったみたいだが、艦娘達からは結構評判がよかった 何か困ったことがあれば助けてくれたり、何かわからないことがあれば教えてくれたりして 艦娘に対してはかなり優しかった



…それなのに、今はそんな優しさも感じられないほどに憲兵(提督)は目が笑っていた



狂気に充ちて、サイコパスのような…人が痛がるのを見て喜んでいる……まるで、殺人鬼のようだと!



提督 「アッハハハハ!!なんだなんだなんですかァ?あんなにも俺は強くて偉いぞみたいはみたいな感じを出しておいて こんなもんかよ?」


憲兵(提督) 「おら立てよぉ 雑魚兵ちゃんよォ?ぶざまに地を這うブタのようによォ!」グシャァッ!!!!!!


憲兵 「アァァァッッ!!!!!!」足を踏みつけられてすね部分の骨がおれる


憲兵(提督) 「あぁ間違えたぁ…豚じゃなくて、カサカサと動くゴキブリのようにぶざまな姿を見せて歩き回れよォ!!」グシャァッ!!!!!!


憲兵 「アァァアァァァァ!!!!!」もう片方の足のすねを踏んず蹴られて折れる


憲兵(提督) 「おら早く這いつくばれよ!ぶざまによぉ!!」ガンッ!!


憲兵 「ぐえぇぇっ!!!!」グキィッ!! 顔を蹴られて首があらぬ方向に曲がる


憲兵(提督) 「あっはははははは!!オラオラオラァ!!抵抗してみろよ!!アハハハハハハ!!!!」ゲシッゲシッゲシィ!!!!



天龍 「ーっ…やっやめ……」ガクガク…




艦娘 「提督さんこっちです!早く来てください!」タッタッタッ…


艦娘 「マジでヤバいって!あれはガチだよ!」


提督 「ーっ…head!」



憲兵(提督) 「っ! 提督…」


提督 「……なにを、してるんだ おまえ…」


憲兵(提督) 「…なにって、見てわからないか?」


憲兵(提督) 「正義だよ!このバカ野郎を殺して悪人を減らそうと思ったんだよ!」


憲兵(提督) 「このバカは女に手をあげようとした…しかも顔にだ!女の顔に傷つけるなんて一番やっちゃいけねぇのに、こいつはやろうとしたんだ!」


憲兵(提督) 「こんなクソ野郎を生かしておくわけにはいかねぇ だから今ここで殺すんだよ!」ニタァ


艦娘たち 「ひぃっ!!!?」ビクッ!!


提督 「…じっ事情はよくわかった だが、それでその人を殺したらお前はまた牢屋行きになってしまう!だから一旦落ち着け」


天龍 「…っえ また…?」


憲兵(提督) 「べつに構わねぇよ こいつさえ殺せれば、俺はそれでいいからな!」スゥ… 足を上げて顔に狙いを定めてとどめを刺そうと…


提督 「いっ今艦娘たちがここに居るのに そんな残酷な現場を見せるのか!」


憲兵(提督) 「っ…」ピクッ



残酷な現場…たしかに提督の言う通りだった



今この場でクソ憲兵を殺すのは容易い 女の顔に傷つけようとしたんだ そんなバカ野郎は生かしておけない



だが、その現場を女が見てたらどう思う?頭が潰されたところを見てしまったら、その人の脳内に一生刻まれることになるかもしれない



平気な奴なら平気かもしれないが、平気じゃない奴もいる それを考えたら、今ここで 艦娘たちがいる目の前でこのクソ憲兵を殺すのはまずいのではないか?



これで殺して、艦娘たちの頭の中に焼きついて それがトラウマになったりなんてしたら、それこそ悪人になってしまう



憲兵(提督)は提督の言葉に一理あるとして、足をゆっくり自分の元に戻した



憲兵(提督) 「…わかったよ やめればいいんだろ?やめれば」


憲兵(提督) 「あんたの言い分には一理あるから殺すのだけはやめとくよ …けど!」ブンッ!!



ボスゥッ!!


憲兵 「ゴフゥゥ!!!!」ゴハァ 腹に思いっきり蹴りを入れられて唾液を吐き出しながら吹き飛ばされる


提督 「っ! おっおい!」


憲兵(提督) 「安心しろ これで最後にする 最後に蹴りだけでも入れねぇと気がすまなかったもんでな」


憲兵(提督) 「…はぁ」チラッ



天龍 「ーっ…」カタカタ…


憲兵(提督) 「…悪かったな天龍 怖い思いをさせちまって」


憲兵(提督) 「だが、お前に危害加える気はねぇから安心してくれ お前はなにも悪くないから手を出す気はねぇ」


憲兵(提督) 「立てるか?手を貸すぜ」スッ


天龍 「…あっあぁ わるい」ガシッ


憲兵(提督) 「…ケガしてなくてよかったよ もしお前みたいなかわいい女の顔に傷ついたら どうしようかと思ったよ」


天龍 「ふぇっ!?かっかわ!!」///ボッ


憲兵(提督) 「それじゃ 今の出来事を話すからどこか移動しないか?ここだとさすがに人目がつく」


提督 「わかった 君たち、すまないがそこで倒れてる憲兵を医務室まで運んでくれ」


艦娘たち 「「はっはい!」」


憲兵(提督) 「あぁいいよ そんなやつ運ばなくて 治療する価値なんてねぇからよ?」ギロッ


艦娘たち 「「ひぃっ!!!?」」ビクッ!!


憲兵(提督) 「あっ…わるい 睨むつもりじゃなかったんだが出ちまった すまない」


艦娘たち 「「はっはい……」」


提督 「天龍 一緒についてきてくれないか?ここで起きた騒動の情報を聞きたいんだが」


天龍 「っえ!?あっあぁ わかったぜ」


提督 「よし それじゃ行こう」


タッタッタッ…


天龍 「…」タッタッタッ…


天龍 「(…俺が、かわいい……か っへへ!なんか照れるな いつもこわいこわいって言われてるのに かわいいなんて初めて言われたぜ!)」


天龍 「(それにすっげぇ優しいし…ほんとに、良い奴だな この新人憲兵!)」


天龍 「(…しかし、この新人憲兵なかなか強いな あの倒した憲兵ってたしか、この鎮守府の中でも上位に立つ奴だったはずだが……)」


天龍 「(…まじで、なにもんなんだ?)」



天龍たちは提督室で今回の騒動を提督に全て話し、全て憲兵が悪いことになった



提督も女の顔以前に手を上げるバカは許さないと言って、罰は階級二段階降格で3ヶ月間自宅謹慎の厳罰を言い渡した



手をあげようとした憲兵はそれはおかしいと反論してきたが憲兵(提督)が顔面をぶん殴って無理に納得させて全治4ヶ月だったところが5ヶ月に延長された さすがにそのことに関しては憲兵(提督)も怒られた…



後に憲兵が厳罰を与えられて、なおかつフルボッコにされた話しが全員に行き渡って 誰一人憲兵(提督)に歯向かうものはいなくなった



それに対して艦娘たちの方からは絶大な人気を誇るようになり 提督の次に人気な人物となった 女性を強く思い、優しく接してくれるから一部の艦娘から恋心を抱く者もいた そのうち、天龍もその一人であった



憲兵(提督)に何者なのかを何度も問いつめて、やっとの思いで口を開かしてくれたが まさか犯罪者であることを聞かされて、ここ最近騒がしていた殺人鬼だとは思わなかった



…でも天龍はそれでも憲兵(提督)に恋心を抱く思いは変わらなかった あの時、俺を女としてみてくれた いつも男みたいな素振りを見せる俺を女としてみてくれた……すごく嬉しかった



それからずっと今の今まで好意を寄せて 憲兵(提督)と一緒に歩んできた 今こんな現状だが、一緒に居られだけでも幸せでいる



わたしを守ってくれたあの日から…










ここからの続きは【未来の見えない世界2】になります

今後ともよろしくお願いします


後書き

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