2015-01-20 11:36:04 更新

概要

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前回です。


前書き

ご意見ご感想があれば@JpCryまで!


絶章


















いつの間に。




いつの間にかだ。





選択の日が来てしまっている。



最後の1日を過ごした記憶が無い。




一瞬で時間は過ぎてしまった。



ミカエル「それでは、ヤザワ様。銃を選択してください。」


始まった。怖い。嫌だ。嫌だ。





にこ「私は、1番の銃を撃つ…」


にこは開いたショーケースから銃を取り出した。



にこ「希、私はここまでみたい。あなたに全て託すわ」


にこは銃を頭に向けた。


にこ「(あらゆる方法でこの銃がセーフだと判断した。アウトな筈がない。希。悪いけど私は生き残る。)」






ズドン!と鈍い音が鳴り響く。







何が起きたのだろう。


穂乃果が見た光景は、永遠に忘れられない光景になるだろう。




そこには紅い液体の上に寝そべるにこセンパイがいた。



ミカエル「それでは次、トウジョウ様。」



希「嫌や!ウチはまだ死にたくない!」


ミカエル「はあ…仕方ない。トウジョウ様が選択を拒否したため、強制的に2番の銃をこちらで撃たせていただきます。」


仮面を被った人が突然出てきて、ショーケースの中に入った銃を取り出し、希に向けた。

穂乃果は目を強く閉じた。








あれ?




音が…聞こえなかった。



希センパイがセーフだった?



足元を見たら、紅い液体と、希が倒れていた。


それを全く気にしない、いや、無かったかのように、ミカエルはゲームを進めた。



ミカエル「それでは次、アヤセ様。お願いします。」



絵里「…私は…」



絵里「穂乃果に託す。」






そう言うと6番の銃を取り、頭に向けた。


穂乃果「え…絵里センパイ!待って!」







時、すでに遅し。




えりはその場に倒れた。



穂乃果「絵里センパアァァァイ!!」


穂乃果は絵里に駆け寄った。


絵里「…ほ…のか…。」




穂乃果「絵里センパイ!しっかりしてください!絵里センパイ!」


絵里「事務局を…あ…の子を…お願いね…」




絵里は動かなくなった。

し…死んだ…?


そんな…絵里センパイ…







賢い、可愛い⁉︎



エリーチカアァァァ!!



走馬灯。



あの掛け声も、もう聞けない。

もう戻れないの?

あの楽しい日常に…







ミカエル「次、シガ様。お願いします」













穂乃果「ひとみちゃん…!」




ひとみ「…」



ひとみ「私ね、2人に会えてよかった。」



ことり「ひとみちゃん…?」



ひとみ「私ね、学校でイジメにあってたの。友達なんて1人もいなかった。2人が声をかけてくれて、協力してくれて…」




ひとみ「本当に嬉しかった。」



ひとみは3番の銃を取った。



ひとみ「穂乃果ちゃん、ことりちゃん。」




























穂乃果「ひとみちゃ…ん…あ、あ、…ああああ!」




ひとみはその場に倒れた。


残り2丁の銃。


どちらかが生き残れる銃。


ことりを生かすか、自分が生きるか。


ミカエル「次、ミナミ様。お願いします」








ことり「…穂乃果ちゃん。」



ことり「私ね、あなたに嘘をついてたの。」



穂乃果「…え?」






ことり「私ね、事務局側の人間なの。」




驚きの事実が、突然ほのかの耳に入ってきた。



ことり「上層部の人にね…穂乃果ちゃんをライアーゲームに参加させるよう、誘導しろって言われたの。

でも勝つか負けるかは穂乃果ちゃん次第。

負けたらそれまでだと上層部は言ってた」



ことり「私は、このゲームの答えも、全て知っている。穂乃果ちゃん…ライアーゲームを、穂乃果ちゃんに止めて欲しい…」




穂乃果「やめて、ことりちゃん!死なないで…

ことりちゃんしか残っていないんだよ!

最後の…親友って言える友達は…!死なないで!ことりちゃん!やめて!」



ことりは4番の銃を取った。



ことり「この銃の細工も、全部知ってたんだ。金属探知機が反応しなかったのは、ショーケースのガラスが探知を妨害する仕組みになっているから。この銃が実弾だってこともわかってた。だから、穂乃果ちゃんなら私に譲ると思ってたけど…」






ことり「ごめんね、穂乃果ちゃん」















ミカエル「おめでとうございます。ライアーゲーム優勝者は、コウサカ ホノカ様です!

コウサカ様には願いを1つだけ叶える権利と、賞金を贈呈いたします!」



穂乃果「…返してよ」



ミカエル「…?」




穂乃果「ことりちゃんを、返してよ!ことりちゃんは、ことりちゃんは!私の最後の友達だったのに!返してよぉっ!」



ミカエル「…コウサカ様、明日の夜12時、音ノ木坂学園にてお待ちします。」





穂乃果が考えいた事。


それは事務局を止める事では無く、復讐だった。


潰す、



潰してやる!



怒りに飲まれつつあった、その時だった。




ダメだよ、穂乃果ちゃん…



穂乃果「⁉︎…ひとみちゃん…?」




私は、そんな事願ってない…

私は、ライアーゲームを止めてくれると信じてあなたに託したの…



そうだよ…穂乃果ちゃん(●8●)



穂乃果「ことりちゃん…?生きてるの…?ああ…幻聴…?」




頑張って、ライアーゲームを止めて。

私は穂乃果ちゃんに託したから。

あの子を…止めてあげて…



穂乃果「あの子…って?ことりちゃん…ことりちゃん!」




それ以来、ことり達の声は聞こえなかった。

















失ったものを取り返す。


それがたとえ、死者であれ時間であれ。


どんな形でもいい。


ことりとひとみ、そして消えて行ったμ’sの仲間達の為に。


夜。


12時である。


場所。


音ノ木坂学園。



ガブリエル「お待ちしておりました、コウサカ様。」


穂乃果「あなた、準決勝の時の…!」


ラファエル「ミカエル様が学園内にてお待ちです。」


穂乃果「…ねぇ」


ラファエル「…はい?」



穂乃果「どうせライアーゲームもこれで終わりだし…その仮面、取っちゃえば?」



穂乃果は苦笑混じりに言った。

冗談で言ったつもりだった。


ガブリエル「…そうですね、あなたには…少なくとも知る権利と義務がある」


ガブリエルが仮面を外そうとしたその時、


ラファエル「やーっと仮面外せるにゃー!」



穂乃果「…え?」



ラファエルは既に仮面を外していた。


仮面の中は見た事のある顔。

聞いた事のある猫のような口癖。


μ’sのメンバーの1人、星空 凛だった。


ガブリエル「凛ちゃん!夜中に騒いだらダメだよ!」


凛「えー、別に気にすることないにゃー!かよちん!」



もう1人、ガブリエルの仮面の中は凛の仲良し、小泉 花陽だった。



花陽「ダメだよぉ…近所迷惑だよ!」


凛「そんな事より連れて行かなくていーのかにゃー?」




花陽「ほわああああああああ!忘れてたー!」



穂乃果「…」


何がなんだか、わからない。


だがこの2人が今までの、ライアーゲームの中で何人もの人々を地獄に突き落としてきた。

海未ちゃんも、

にこセンパイも、

希センパイも、

絵里センパイも、

ひとみちゃんも、



…ことりちゃんも。



穂乃果はラファエル、いや今は星空 凛である事務局側の人間に掴みかかった。


穂乃果「どうして?」



凛「にゃー?」



穂乃果「あなた達はどうしてこんな事をして平然といられるの?なんで?あなた達は私の友達を消したんでしょ⁉︎なんでこんな事…」



花陽「μ’sの為に、です。」



花陽「この計画は花陽達含めて4人で進めました。μ’sの信頼性を高める為だけに。でもドッキリだと言われては意味がない。

これはライアーゲームですから。」


穂乃果「…それで他の一般人を巻き添えにしたのね」


凛「まー、とりあえずミカエルのトコに行ってみるにゃー!」


花陽「アイドル研究部の部室で待ってます。」



穂乃果は2人が去った後、アイドル研究部室へ向かった。




扉の前。

この先に全てを取り戻すカギがある。


たとえ無理難題でも、この願いを叶える。




ガチャ。



ドアを開けた。


奥のイス、いつもにこが座っているイスに1人、仮面をつけた人間が座っていた。



ミカエル「ようこそ。音ノ木坂学園へ。」



穂乃果「色々言いたい事はあるけど、私の願いを叶えて!早く!」



ミカエル「まあそう焦らずに。少し、昔の話をしましょう。」



ミカエル「μ’s…廃校を防ぐ為に結成した、アイドル部。

私はそこにいた。みんな頑張ってた。

凄かった。私も頑張った。

頑張って、変わろうとした。

でも…みんなは変わろうとしない。

なんで?どうして?私はこんなに努力してるのに、どうしてみんなは変わろうとしないの?

馬鹿みたいじゃない、私だけ…」




唐突に言いたい放題言ったあと、

ミカエルは仮面を外した。










穂乃果「なんで…?」








穂乃果「…西木野さん?」











赤い髪の女の子。





あの子をお願い…



ことりは知っていたのか、西木野さんが全てを牛耳っていたのは。



真姫「ライアーゲームは変革をもたらすゲーム。これなら嫌でも変われると思ったからやった。

私が今を変えるためにね。」



穂乃果「…」



真姫「…あれ?穂乃果?」



穂乃果「そんな事しなくても、みんな変わろうと努力してたんだよ。」


真姫「嘘言わないで!みんな見る限り努力してなかった…変わろうとしてなかった!」




穂乃果「千里の道も、一歩から。」



穂乃果「小さな事を必死に積み上げて、変わろうとしてた。

私達はずっと努力してたんだよ?西木野さんだって、楽しそうにみんなと練習してた…

違うの?」






真姫「…違う、違う、違う違う違う!」



真姫は机を思い切り叩いた。



真姫「あなた達はいつもふざけてただけじゃない!私は一生懸命練習してた!」






穂乃果「…そう見えていたのなら…」




穂乃果「ごめんなさい、西木野さん。」









真姫「…謝らないで」




真姫「謝ったら、終わっちゃうじゃない!」



真姫はポケットからライターを取り出した。




真姫「もういい…この部屋ごと消してやる!」


穂乃果「何をする気⁉︎」



真姫「粉塵爆発よ…知ってるでしょ?可燃性のある粉が空気中にある状態で起きる現象…この部屋にはあらかじめ可燃性のある粉を撒いておいたのよ!」



穂乃果「馬鹿なマネはやめて!今ならまだやり直せる!」



真姫「あは、あはは、あははははっ!」















ばたり。






真姫は倒れた。




首に見覚えのあるカードが刺さっていた。








希「ウチのカードはすごいわぁ!」



絵里「間一髪セーフだったわね…」



にこ「もー!あと少しでにこのコレクションが消えちゃうトコだったでしょー!」





扉に数人誰かいた。



それはライアーゲームでの敗者達。


幻覚じゃない。本物だ。







穂乃果「なんで、センパイ達…死んだんじゃ…」



にこ「勝手に殺さないでくれる?」



花陽「それについては私が説明します。」




花陽ちゃんまで。まさか。



ことり「私も…いるよ?」



穂乃果「ことり…ちゃん!」




花陽「花陽と凛ちゃんはライアーゲームに納得行かなくて、最後のゲームも仕込んだ銃弾を全部赤い液体の入った麻酔弾にすり替えてました。」



凛「他の人々も解放したにゃ!

もう穂乃果ちゃんの叶えたい事はわかってるにゃー!」




穂乃果「そうだったんだ…」



ことり「よかったね!穂乃果ちゃん!」



ことりと喜びあってると、そこには海未の姿が見えた。



海未「えっ…と、穂乃果…その…」


穂乃果は何も言わず抱きしめた。


穂乃果「何も、言わないで。」



海未「⁉︎」




穂乃果「あなたも、私も、親友なのにお互い裏切った。ごめんね、海未ちゃん。ごめんね…」



海未「私こそ…ごめん…なさい…!」



凛「うわー、海未センパイ鼻水汚いにゃー」



海未「え⁉︎」



凛「あはは、ウソにゃ!」



海「やめて下さいよ、凛…」



みんなで笑いあった後、凛は口調を変えた。


凛「…おっほん。さてコウサカ様、優勝者として、願いを1つお聞きします。」



穂乃果「私の願いは、もちろん!」
















真姫「…うっ…あれ、穂乃果達は?」



花陽「先に帰ったよ。ライアーゲームをなかった事にして。」



真姫「…そっか」



凛「これからゆっくりでも変われるにゃ!

気にすることないにゃー!ラーメンでも食べに行くにゃー!」


花陽「凛ちゃん!」



真姫「…ごめんなさいね、巻き込んじゃって。」


花陽「大丈夫。さ、帰ろっ!」



凛「かよちんなんか機嫌いいにゃー!」











こうしてライアーゲームは終幕を迎えた。


μ’sのメンバーがまた一歩成長するってのはまた別のお話。



彼女らはこのライアーゲームで「信頼」という言葉の意味を深く考えさせられただろう。





それでは、ご機嫌よう。





おしまい



















後書き

エピローグもあります!
後ほど投稿するので読んでください!


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2015-01-20 13:34:05

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