2018-07-26 02:17:02 更新

概要

10章です。この章ラストの【14ワ●:Fanfare. Frederica】まで投下完了です。


前書き

注意事項
【勢い】
・ぷらずまさんと称しているだけのクソガキな電ちゃんの形をしたなにか。

・わるさめちゃんと称しているだけの春雨駆逐棲姫の形をしたノリとテンションの女の子。

・明石さんの弟子をしているアッシーという短気で無礼気味な明石君。明石表記が明石君でお馴染みのほうが明石さん表記です。

※海の傷痕は設定として
【2次元3次元、特に艦隊これくしょんを愛する皆様の想いを傷つける最悪な言動】
をすると思います。相変わらずの作者の勢いやりたい放題力量不足を許せる海のように深く広い心をお持ちの方に限り、お進みください。

もう矛盾あっても直せない恐れあり。チート、にわか知識、オリ設定、独自解釈、日本語崩壊、キャラ崩壊、戦闘描写お粗末、魔改造、スマホ書きスマホ投稿etc.

ダメな方はすぐにブラウザバックお願いします。


【1ワ●:どんちゃんな騒ぎ】

 

1

 

サラトガ・雷「……」ジーッ

 


提督「な、なんでしょう」


 

サラトガ・雷「男らしくない」

 

 

提督「……はあ?」

 

 

雷「あそこは抱き締めるとかしないと!」

 


サラトガ「あそこはGo for brokeです。絶対に押し切れていましたね」

 


提督「現状押し切ったところで無責任な結果になりますので」


 

サラトガ「む、いくじなしとも誠実とも受け取れます。これが日本男児の社会問題草食系なのですね」

 

 

雷「好きなタイプ、駆逐艦なんじゃないかしら。電みたいな子でしょ?」

 

 

サラトガ「日本人はみんなロリコンって漣さんがいってました。リアリー?」

 

 

提督「知りませんよ……」

 

 

雷「あ、じゃあ、第6駆の中じゃ、誰が一番タイプ?」

 

 

提督「電さん」

 

 

雷「まさかこの手の質問に即答してくれるとは意外ね……」

 

 

提督「素直になってゆくスタイル。そうですね、響さんは不思議なところがあって、観察していると面白いです」

 

 

雷「まあ、私達のなかで誰が不思議っ子かといわれると確かに響ね……」

 

 

提督「響さんはサラトガさんと似ているところがありますね。サラトガさんも見ていて不思議で面白いところがあります」

 

 

サラトガ「んー、そうかしら。私はむしろ日本で過ごした時間のほうが多いですよ。でも、日本の文化は面白いです」

 

 

提督「Japan and America see things differently、みたいな」



サラトガ「日本語でおk」

 

 

提督「サラトガさんは日本の若者文化に染まってるんですね」


 

サラトガ「尊敬している偉人は松尾芭蕉、趣味はアンテナショップ巡りです。なめんなよー、にゃー」

 


雷「司令官もなんか読書以外の趣味でも見つけたらどう? アウトドア系の趣味がいいと思うわ」

 

 

サラトガ「なら私の旅路に一緒にどうです? 私は鎮守府の皆とよく行くのですが、たまには違う鎮守府の方とも」

 

 

提督「それは面白そうですね。ぜひ」


 

雷「司令官のコミュ力が格段にあがっているわね」

 

 

提督「雷さんもついてくるんですよ。旅のともは道連れなので」

 

 

雷「え、私もいいの?」

 

 

サラトガ「もちろん。人数は多いほうがいいんです」

 


雷「じゃあ行くー!」

 

 

提督「ただこの戦争終わってからですね。海の傷痕を倒してから、です」

 

 

サラトガ「……」

 

 

サラトガ「大丈夫ですか?」

 

 

提督「No problem」


 

サラトガ「Cool!」ダキッ

 

 

提督「Oh、これが提督の役得ってやつですか、雷さん」

 

 

雷「そうねえ。司令官の表情に全く変化ないのはさておき、司令官が問題ないっていうのなら、大丈夫でしょって気にもなるのは本当よ?」

 

 

提督「……嬉しいことです」

 

 

提督「……、……」

 

 

雷「またなにか考えてる……」

 


2

 


 

間宮「……あ、あの」

 

 

ぷらずま「っち。司令官さん余計なことをいったのですね」

 

 

わるさめ「答えてやりなよ☆」

 

 

ぷらずま「うっとーしい。二回戦目は漣のやつに煽られてテメーが暴走したのが敗因なのです」

 

 

わるさめ「記憶改竄してんじゃねっス……!」

 

 

わるさめ「司令官絡みで煽られて暴走したお前をわるさめちゃんが止めに入って同士討ちからの隊列崩壊ダルオオ!?」

 

 

ぷらずま「……疲れているので、率直に答えます」

 

 

ぷらずま「全て真実なのです」

 


ぷらずま「ここには良い思い出も確かにありました。それとは比較にならないくらいの嫌な思い出も」

 

 

ぷらずま「今は『ここには戻ってきて良かった』とそう思えます」

 

 

ぷらずま「その点において、間宮さんのお陰でもありますね。だからそこのところは感謝しているのです」

 

 

ぷらずま「これで満足なのです?」

 

 

間宮「わ、私は間違えてなかったんですね。ちゃんと誰かのためになっていた、と……」

 

 

ぷらずま「節穴過ぎなのです……どう考えても誰かのためになってねーやつなんてこの鎮守府(闇)にいないのです……」

 


間宮「なら、よかったです。本当に……」

 

  

間宮「は、はい。昔みたいにこう、ぎゅーっとしても大丈夫?」

 

 

ぷらずま「大丈夫ではありません。私に対してそういうコミュを許可しているのは司令官だけなのです」

 

 

間宮「……提督さんですか」

 

 

ぷらずま・わるさめ「……」

 

 

わるさめ「間宮さん」

 

 

わるさめ「司令官に惚れた?」

 

 

ぷらずま「!?」

 

 

間宮「え……え、えっと」

 

 

わるさめ「顔真っ赤です、はい」

 


ぷらずま「待って欲しいのです。間宮さん、この鎮守府(闇)のルールは分かっているはずなのです」

 

 

間宮「あ、いや、そのお……」

 

 

わるさめ「つーかぷらずまお前、冷静だなー。てっきり十八番の発狂芸が炸裂して艤装展開するかと」

 

 

ぷらずま「私の発狂は十八番でも芸でもねーのです。それに誰が誰に好意を抱こうが、作戦に支障を来さない限りはそれ自体を咎めることはしねーのです。あくまで抱くこと自体は、です」

 

 

ぷらずま「妙な言動が表に出て、この過去最大の大事な時期に司令官に要らんこと考えさせるのはダメなのです」

 

 

間宮「あの、気持ちに整理できていないので、提督さんのことは、よく、分からないです……」

 

 

わるさめ「恋してたらー?」

 

 

間宮「……、……」

 

 

間宮「あの人のためにお料理作りますかね」

 

 

わるさめ「いつものことっスよね……司令官の性格的に間宮さんがそんな感じじゃ進展なくないー?」

 

 

間宮「えっと、わるさめさんと電ちゃんは、あの提督さんのこと好きなんですか……?」

 

 

わるさめ「好きだよー。まあ、でも私は間宮さんとはまた違うかな。あいつ戦争終ったらわるさめちゃんが巣立つまで面倒見てくれねーかなって」

 

 

ぷらずま「このぴんく空間、虫酸が走り吐き気を催すのです……」

 

 

間宮「えっと、電ちゃんは、あの人のこと異性として好きなんですか?」

 

 

ぷらずま「好きですよ。ただ異性も含めた人として、です。それほどのモノを私に与えてくれた人ですから。だからこう思います」

 

 

ぷらずま「あの司令官が誰かになびくとは到底思えねーのですが、間宮さんがあの司令官のことを気に入ったのならなによりです」

 

 

ぷらずま「仮に間宮さんが司令官と恋仲になろうが、構いません。間宮さんは私の『好き』を理解してくれる『理解者』です。なので、それはとても素敵なことだと思うのです」

 

 

わるさめ・間宮「え゛」

 

 

わるさめ「わるさめちゃんシンキングターイム……」

 

 

わるさめ「お前、好きな男が他の誰かに奪られてもいいの……?」

 

 

ぷらずま「自分の好きな人が他の人に好いてもらえる。ならば、私とその人はお互いを理解し合えるでしょう」

 

 

ぷらずま「お友達になり得ます」

 

 

ぷらずま「私は別に結ばれたいわけではありません。好きだからこそ、ただただあの人の幸せを願っているだけなのです」

 

 

わるさめ「一夫多妻許容の精神かよ……」

 

 

間宮「す、すごいですね。これが真実の愛といわんばかりの懐の広さです……」

 

 

ぷらずま「……愛はそこにたどり着くものだと思うのですけどね」



わるさめ「じゃあライバルいないんじゃね。司令官、皆に好かれてるけど恋心持ってるやついねーし」

 

 

間宮「ええー、金剛さんとか秋月ちゃんとか……」

 

 

わるさめ「金剛のやつは本気のようで本気じゃねっス。あくまで提督としての好きがあんな感じになってるだけだと思うけどね……」

 

 

ぷらずま「そうでしょうね……あの人は気に入った提督ならあんな感じになる子供なのです……」

 

 

わるさめ「秋月のやつも好きは好きなんだろーけど、兄貴のアッシーや明石さん好きなのと一緒だと思ってる」

 

 

わるさめ「チャンスじゃね?」

 

 

ぷらずま「……分かってると思うのですが」

 

 

間宮「あ、大丈夫です。職場恋愛禁止は守りますから」

 

 

ぷらずま「そこもですが、あの人をどうやって落とすのです。間宮さんの最大の武器である料理では無理です」

 

 

わるさめ「それな。食事は栄養取れたらそれでいいのやつだしね。聞けば美味しいって答えても、だからなにって感じで何も変わらねっス……」

 

 

ぷらずま「そして色気でも無理です。あの人は恐らくネジを削ぎ落とした後遺症で男としての本能まで欠陥患っているとしか思えない程の鋼です」

 

 

わるさめ「そしてわるさめちゃんは前に『旦那さんならー』とかっていったことあるけど生涯独身宣言されたよ」

 

 

わるさめ「つーか、みんないってるよ。あの司令官は責任感はあるから逃げ場をなくすやり方しかないって」

 

 

わるさめ「つまり既成事実な☆」

 

 

間宮「それって、相手の気持ちを無視するってことじゃないですか。そんな風にするのは嫌です……」

 

 

ぷらずま・わるさめ「なら諦めろ」

 

 

3

 

 

卯月「ぴょんぴょんぴょーん!」

 

 

卯月「面白い話を聞いたぴょーん!」

 

 

霧島「卯月さん、ためらいもなく……」

 

 

比叡「すみません、盗み聞きするつもりはなく……」

 

 

榛名「通りすがりに偶然です……」

 

 

卯月「金剛型にラチられてきたけど、いい話が聞けてうーちゃん気分上々」

 

 

卯月「いーこと教えてやるぴょん♪」

 

 

卯月「明石さんのやつが前に艤装のメンテに来た時になー、司令官とお話してた流れで聞いたんだけど」

 

 

卯月「『恋愛に興味ないけど、家族は欲しいかな』っていってたぞー」

 

 

ぷらずま・わるさめ・間宮「!」

 

 

卯月「だから、可能性自体は現実的にあるぴょん!」

 

 

霧島「そもそもあの提督は意中の人もいないのでしょう? 間宮さんに好意を抱かれて、そうですか、で終わる独身男性がいるのが意外ですね」

 

 

比叡「ですねー……丙少将や乙中将でも嬉しがると思います」

 


榛名「それがここの提督なんです。戦争にすべてを捧げた代償は大きいですね。そんな提督も榛名は好きですけど」

 

 

わるさめ「男って間宮さんみたいなのに弱いのかなー……」

 


わるさめ「間宮さーん、後でわるさめちゃんにお料理教えて☆」

 

 

間宮「!」パアア

 

 

間宮「もちろんです!」

 

 

ぷらずま「卯月さん、金剛型を連れてさっさと演習場に行くのです」

 

 

卯月「いや、他鎮守府はお前らトランスタイプと演習やるんだし」

 

 

ぷらずま「私は疲れたのでしばしの休憩の後で。それまではわるさめさんをタコ殴りにでもするといいのです」

 

 

わるさめ「うーす……ということだから、ぷらずまと交代したら間宮亭に行くねー」

 

 

わるさめ「卯月と金剛型でわるさめちゃんには勝てねーけどな」

 

 

卯月「ほう。負けたら?」

 

 

わるさめ「1日下僕になってやるよ」

 

 

卯月「といってもなー……」

 

 

霧島「前々から思っていたんですけど、燃料弾薬自動補充のトランスタイプはクルージングに最適だと」

 

 

卯月「それだぴょん。ここ最近は訓練のし過ぎで資材が減ってるし。榛名、霧島、比叡、マジでやるぴょん」

 

 

わるさめ「わるさめちゃんにそんなことさせようとか、マイクチェック番長と悪童うさぎめ。図に乗るなよー」


 

わるさめ「わるさめちゃんの艦隊に球磨型、入れるからな☆」

 

 

わるさめ「球磨型ー! 次はわるさめちゃんと同じ艦隊なー! ずいずいもだぞー!」

 


北上「木曾と江風とクマネコが残るけど、私と大井っちと漣は抜けまーす。あー、大鳳は?」



大鳳「あ、満足できたので入渠してから間宮亭に行きます」



北上「うちらもか。わるさめ、朧と曙と潮を鍛えてやってな」

 


わるさめ「もち」



北上「それじゃー、大井っちに大鳳、行こっか」


 

大井「どいつもこいつも子供みたいにハシャぐから疲れました……」

 

 

金剛「お待たせしたデース!」

 

 

阿武隈「うう、ラチされました」

 


卯月「お、アブーが来たかー」

 

 

比叡「金剛お姉様と阿武隈さんも入ってくれるのなら勝てそうですね!」

 


わるさめ「それじゃ8対8な」

 

 

わるさめ「わるさめちゃんの攻撃はトラウマレベルだけど泣くなよー」

 

 

ぷらずま「間宮さんは戻らなくていいのです?」

 

 

間宮「そうですね。そろそろ間宮亭に戻ります」

 

 

ぷらずま「私はお姉ちゃんズのところに顔を出すのです」

 

 

卯月「あ、暁達なら長門と一緒にシアターのほう行った」

 

 

漣「この鎮守府そんなんあるのか! 映画好きな漣も行きまーす!」

 

 

北上「大井っち、うちらは間宮亭に戻ろー」

 

 

大井「そうですね。疲れました……」

 

 

4 駆逐寮にて

 

 

山風「……お腹減った」ムクリ

 


秋月「山風ちゃん! 目覚めましたか!」

 

 

山風「む、アッキー……は、演習していたんじゃ?」

 

 

秋月「金剛型の方達が来て3回目突入する前に抜けてきましたよ。2回目は漣さんが電さんを煽っての仲間割れから一気に瓦解しました……」

 

 

山風「その手があったか……」

 

 

秋月「お腹が空いたのなら間宮亭が鉄板ですが、実はこの鎮守府はやりたい放題でですね」

 

 

山風「それは、知ってる……」

 

 

秋月「間宮亭は食事処ですが、カラオケ設備ありますし、シックなberもありますね。映画館に、漫画の図書館に、ゲームセンターから、後はコンビニみたいなお店まであります。生活用品に必要なものということで電化製品、スポーツ用品なんかも置いたホームセンターもあります。輸送船に乗ってきた業者さんが持ってきて並べてくれていますね」

 

 

山風「フリーダムすぎだよ……」

 

 

秋月「というかどうしてこの部屋に」

 

 

山風「江風に連れてきてもらった。眠くなって……」

 

 

プリンツ「zzz」

 

 

秋月「山風ちゃん、そのベッド」

 

 

山風「なんか、よく眠れる……」

 

  

秋月「……棟を間違えましたね。ここ、アッシーの部屋です」

 

 

山風「!?」

 

 

5

 


不知火「甲大将が、か、かっこいい」

 

 

陽炎「なぜ女がそこまで上手くocean歌えるのか」

 

 

提督「これが性別行方不明キャラですよ。というか甲大将所属の方達、みんなお上手ですよね……」

 

 

大鳳「サラトガさんとグラーフさんもヤバいですよ。美声……」

 

 

北上「うちら基本的に遊び人が集まったような艦隊だからね。真面目なのグラと大井っち時々江風くらいだよ」

 

 

大井「私とグラーフさんが良心です。ブレーキは絶対に必要なので」

 

 

グラーフ「そうだな。丙少将のところのようなバランスが最も好ましい。公私がしっかりしているからこそ、世間での評判もいいということだ」

 

 

サラトガ「えー、丙少将のところもよく遊びに行くと聞きますが、大鳳さんそこのところどうなんです?」

 

 

大鳳「あ、よく街には遊びに出かけますよ。鎮守府にいる時は真面目な方が多いですね。キッチリしてます」

 

 

大井「見習いたいものですね……」

 

 

陽炎「私達のところは訓練にしても遊びにしても色々とアレよね」

 


大鳳「特殊なところみたいですしね……」

 

 

甲大将「准将、パース」

 

 

提督「む……なら、そうですね」

 

 

北上「お、准将さん、それ洋楽?」

 


提督「そうですね。好きな曲です」

 

  

不知火「意外な1面です」

 

 

サラトガ「!」


 

提督「♪」

 

 

不知火「どこかで聞いたことが……」

 

 

提督「Cheer up, Sleepy Jean.Oh,what can it mean.To a daydream believer And a homecoming queen♪」


 

グラーフ「良いセンスだ」

  

 

大鳳「これコンビニのやつですよねw」

 

 

サラトガ「wonderful! お上手です!」

 

 

北上「めっちゃ陽気に歌いやがるw」

 

 

陽炎「あー、セブンイレブンの曲かw」

 

 

大井「ふふ」

 

 

甲大将「大井を自然に笑わせるなんてなかなかやるなー」

 

 

6

 

 

伊勢「なんか上からコンビニのやつ聞こえてくるw」

 

 

日向「なんだ、ここの2階コンビニになってるのか?」

 

 

瑞鳳「カラオケ設備があるだけですって。提督が歌ってるだけです。すごい上手くて驚いてますけど」

 

 

瑞鳳「全ての設備がフルオープンしてるので色々ありますよー。この間宮亭の他にも映画館にゲームセンターに、berに、漫画の図書館とかホームセンター染みたところも」

 

 

伊勢「噂には聞いてたけど、本当に電ちゃんの王国ってやりたい放題なんだね……」

 

 

瑞鳳「そうですねえ。まあ、人が多い今こそフルオープンすべき機能です。普段はそんなに使っていないですし」

 

 

日向「演習場に残ったのはわるさめと球磨と多摩と木曾と瑞鶴か。それと金剛達、ラチられてきた卯月阿武隈鹿島、江風も来たっけか」

 

 

間宮「皆さんガンバりますね……」

 

 

伊勢「漣ちゃんと6駆は長門さんと映画館行ったって。7駆とゴーヤちゃんイクちゃんはゲームセンターに、berには明石さんと大淀さん、龍驤さんと丙さんもいるみたい」

 

 

日向「なんか雪風と秋津洲が中庭で犬と遊んでたのも見たぞ……」

 

 

瑞鳳「1航戦はここですね」

 

 

加賀「赤城さん、天国ですね」キラ

 

 

赤城「わざわざ来た甲斐がありましたね。間宮さんは相変わらずの腕前、そして嬉しいことに天城さん、瑞鳳さんという伏兵です」キラキラ

 

 

天城「間宮さんから教えて頂いたんですけどね。日々、精進は怠ってはいません」

 

 

瑞鳳「私もなんだかんだで間宮さんに色々教えてもらってたら、上達しました」

 

 

間宮「お二人は飲み込みが早かったです。私一人では回せないので、手伝っていただけるのは助かります」

 

 

日向「赤城さんと加賀は適性率高そうだよなあ」

 

 

赤城「適性云々ではなく、よく食べ、よく寝る。全ての兵法は胃袋から始まるんです」

 

 

加賀「腹が減っては戦が出来ませんから。私は腹ごしらえしたら、あの5航戦を絞めてきます」

 


赤城「あ、それと私は丙少将の鎮守府に異動になりましたのでよろしくお願いいたします」



日向・伊勢・加賀・天城「!」



加賀「さすがに気分が高揚します」


 

伊勢「珍しく加賀さんが嬉しそう」



天城「お二人は仲が良いですしね」



日向「じゃあ赤城さんは私達と一緒に明日に発つので?」

 

 

赤城「そうですが、私にはさん付けですか。堅苦しいですねー」

 

 

日向「そ、そうですね。すみま、すまない」


 

天城「なにかあったんですか?」

 

 

日向「いや、私が新米だった頃、何度も味方艦隊を窮地に立たせてしまって、この人に助けてもらったことが何度もあるんだ」

 

 

日向「その度にこういう風ににこにこと笑っているんだ。なんか色々といいたいことを凝縮しているように思えてきて、怖くなったんだ」

 

 

伊勢「懐かしい。あの頃の丙さんは少年っぽさがあって可愛げがあったなー……」

 

 

日向「明石のやつと似ている気がする」

 

 

伊勢「多分、似てると自覚するから丙さん怒るよ」


 

赤城「まあ、別に怒っているわけではないのに、日向さんはビクビクと震えてましたね。あの時からお変わりになられたのかしら」

 


日向「元帥からの直々の異動命令とはいえ、私達に1航戦を預けるとは、少し心配だな」

 

 

赤城「はい?」

 

 

赤城「そんな弱気な態度でこの戦いに挑む気ですか」ニコニコ

 

 

日向「まあ、こんな笑顔だよ」

 

 

間宮・瑞鳳・天城「なるほどー」



赤城「む、やりますね……」

 

 

赤城「踊らされてしまいました」

 

 

7

 

 

暁「私って、あんなに子供っぽい……?」


 

雷「あんまり変わらないと思うわ。暁も適性率90%越えでしょ。艤装もつけた瞬間からこなれてたし」

 


暁「私はその10%分だけレディーだから」

 

 

長門「あれが純度100%の第6駆逐だぞ」

 

 

響「長門さんにやけてたね。特にあの電は正しく電だ。電、あれが電なんだよ。純度100%電をどう思う?」

 


ぷらずま「『はわわ、ケンカしちゃダメなのですぅ……』」

 

 

ぷらずま「お腹が、あの汚れなき純度、何度見ても片腹痛いの、ですっ」ニタニタ

 

 

暁「電が電を笑ってる……」

 

 

ぷらずま「……ま、戦いに身を投じてあんな風に笑えるのなら、あれが兵士として理想の姿ではあるのです」

 

 

漣「つーか!」

 

 

漣「こんなん飽きるほど観ましたしおすし、せっかくのシアター設備なんだから他の観まっしょい」

 

 

ぷらずま「あんまりないのです。わるさめさんの要望による『ジョーズ』と私が好きな『ローマの休日』と瑞鶴さんオススメの『マイボディガード』と司令官さんが面白かったとかいってた『悪魔のいけにえ』くらいですね」

 

 

漣「なんか全体的に古いんすけどw」

 

 

長門「名作は色褪せないから問題ないんだよ。というか漣、お前けっこう実歳も若いだろ。観たことあるのか?」

 

 

漣「もちろん。こう見えても私は娯楽に秀でてますから。駆逐艦娘の日常は遠征行って飯食って風呂に入ったら映画観ながら爆睡するもんなんですよ」


 

響「駆逐艦のあるある」

 

 

暁「ローマの休日観たい!」


 

響「いつ見ても色褪せない名作」


 

雷「聞いたことあるくらいね。でも、オードリーヘップバーンは観たい!」

 

 

漣「行こう行こう! 白黒映画を映画館で観てみたかったー!」

 

 

長門(あー……来てよかった。駆逐艦に癒され疲れが抜ける……)

 

 

8

 

 

大淀「とのことです」

 

 

明石さん「え゛」

 

 

明石さん「海の傷痕と秋月ちゃんと弟子の家系が?」

 

 

丙少将「……海の傷痕、明石君に接触してくる可能性が高いんじゃねえの」

 

 

龍驤「でもあくまで似ているだけの話やろ。本人とは別やしなー」

 


明石さん「それでも弟子は『Rank:SSS』ですよね?」

 

 

初霜「それいったら私なんて『Worst-ever』ですよ……。よく分からないといった理由です。海の傷痕のそのランクの付け方はどうかと……」

 

 

初霜「……プラスの発想すると私や明石君、秋月さんが海の傷痕に接触すると、なにか情報を引き出せるかも?」

 

 

明石さん「たくましいですねー」

 

 

大淀「危険ですね」

 

 

丙少将「乙さんがなんか土産持ってくるだろ。あの人ならほぼ必ずだ」

 

 

大淀「優先的に出来ることなら『Srot1とSrot4の装備』ですね。それでなくともなにか……」

 

 

龍驤「それも気になるけど、海の傷痕が思いの外、人間らしくて驚いたわ。話聞いていた限り男っぽいけど、女なんかな」

 

 

丙少将「どちらでもない。女になりたがっている。話を聞いている限り、こんな感じだったがな」

 

 

龍驤「うちとしては、その心が隙やと思うんやけどなー。乙ちゃんがなにか持ってくるとしても相手が相手やし、なんか大事ないとええんやけど……」

 

 

初霜「乙中将なら大丈夫ですよ。情報を分析はここの提督のほうが1枚上手だと思いますけど、情報をつかみ取ってくるのは乙中将のほうが得意だと思います。なにかあれば私達だって力になればいいんですし」

 

 

明石さん「そうですね……信じる他ないですね」

 

 

大淀「と、落ち着いたところで、初霜さん、そろそろ行きましょうか」

 

 

初霜「そうですね。早く行って、早く帰って来なければなりません」

 

 

龍驤「行ってらっしゃい」

 

 

明石さん「そういえば初霜さん抜けた後の秘書官って誰がやるんですか?」

 

 

初霜「確かその場合は陽炎さんと不知火さんのお二人ですね」

 

 

丙少将「へー、まあ、あの二人は一時期、俺の秘書官やってくれてたな。あのコンビはけっこう働いてくれるぞ」

 

 

明石さん「なら安心ですね。初霜ちゃんもがんばってくださいね。その研究も乙中将と同じく大事ですから」

 

 

初霜「そうですね。気合い注入のために鉢巻き持って行きます!」フンスッ

 

 

9

 


元帥「……支援施設のほうにいたのか。間宮亭にいたと聞いていたが、いなかったから探していたぞ」

 

 

提督「……すみません」

 

 

元帥「ほれ、もらってきた。まだ冷えているぞ。酒は飲まないか?」

 

 

提督「いただきます。それで自分になにかご用が? ここは広いので館内放送を使うのが効率的かと思います」

 

 

元帥「あー、そんなんあったのか。というか、お前が暗い教室に一人だと幽霊に見えて怖いんだが……」

 

 

提督「特に意味はなく。ただ通りすがりにふとなんとなく座ってみただけです」

 

 

元帥「前の席に失礼」

 

 

元帥「小学校だろ。わしは45年近くも前。お前は15年前だ。その時の思い出はすでに色褪せたか?」

 

 

提督「困ったことに今日に色付いたのです」

 

 

元帥「思い出は綺麗だよなあ」


 

提督「……」

 

 

元帥「浮かない顔だな。まあ、分かるよ。伝えとくか」

 

 

元帥「実はな、海の傷痕の戦闘能力からして今のわしらでは逆立ちしようが『なにをどう策を練ろうが勝利不可能』と結論が出た」

 

 

元帥「要するに何でも出来るとすりゃそうなるわな。世界中に核をばらまくことも出来るなら、艤装どうのこうのの敵じゃねえわ」

 

 

元帥「だが、この戦争に関しての話は別だ。クリア可能に設定されているわけだからな。海の傷が用意するギミックを暴いて、どうのこうので勝てる可能性はあるはず。最もそれも希望的観測だが」

 

 

元帥「それにキスカでも海の傷痕は負けてる。要は勝利の可能性をどうやって引っ張って来るか、だろ」

 

 

元帥「当局のほうは此方love勢で、此方の目的を自分の生存を脅かしてまでも尊んでいる様子だよな」

 

 

丙少将「此方のほうは目的があり、その目的に沿って展開されているのがこの『艦隊これくしょん』だ」

 

 

元帥「ゲームクリア可能に設定されている以上、勝ちの目はあるどころかむしろ高いんじゃねえのってわしは思う」

 

 

元帥「まあ、この戦争が特殊に見えるのは、国家間ではなく、海の傷痕の個人によって運営されているので、一般の戦争と違って物理的な戦いでの勝利が彼女の益となるわけではないのかもしれん」

 

 

元帥「作戦だが、海の傷痕のメンテナンス時間に設定された決戦時刻に、機械的かつ効率的に仕事をするのならば」

 


元帥「【壊:バグ】への接触を優先する戦い方をしてくるかね。その場合は遠隔では直せない故の直接的接触、電、春雨、中枢棲姫勢力は海の傷痕の航行進路を制限する磁石のような役割を持てる」

 

 

元帥「海の傷痕の性格は故人、今人共通で強力な想【今を生きようとする想】により、成り立ち、それは海の傷痕の【今を精一杯生きる】の言動原理と設定されている」

 

 

元帥「古人の想の塊であるが、今を生きる人間から艤装に伝わる想を感知することにより、記録可能。【故人の想:今を未来に繋げる想】による応用。しかし、あくまで艤装が記録した想、であるから、艦娘の想は艤装を媒介とした観察、海の傷痕の個体による分析であり、齟齬が生じることも多い」



元帥「想は基本的にあやふやなもの。海の傷痕の思考能力はあくまで人間レベルであるため、万を越える人間の想の解読に時間がかかる」

 

 

元帥「時間がかかるだけで、未来的には可能。19世紀(過去)の想いが強いため、近代のモノは後回しになっていく傾向を持っており、なおかつゲーム運営管理妖精のため、実装よりもメンテナンスを優先する傾向があるが、海の傷痕には個性も含められるため厳密には【なるべく長引かせたい】が本音だ、と」

 

 

元帥「これが力を貸していただいている方が大本営での会話を分析して導きだした海の傷痕の追加の生態だ」

 

 

提督「……、……」

 

 

元帥「准将、海の傷痕の倒し方に見当がついたから、そんな浮かない顔しているのか。お前、思考癖直らないの?」

 

 

提督「……考えても」

 

 

提督「ぷらずまさんが死んでしまう危険が高い気がして」

 

  

提督「まず確実に海の傷痕は何でも即興で出来る魔法使いではありません。なぜならば目的を持って、この戦争を手段にしているのですから」

 

 

提督「『当局』と『此方』」

 

 

提督「此方は当局の自己に芽生えたものではなく、『当局の肉体』の『艤装が此方』であると思います」

 

 

提督「此方の正体は『本官さんを愛した自分』です。そして当局の目的は『此方を人間の女性にすること』です」

 

 

提督「なぜ当局は艤装に今を生きる人間の想を蓄えるのか。それは当局にとって女性は理屈でしか分からない。我々にも他の動物の気持ちは分からない。『感情を理論的に知ったかぶる』のです。だから、艤装適性者は明石君を除いて、女性オンリーなわけで」

 

 

提督「恐らく海の傷痕の目的は『この最終決戦で艤装適性者の想』を全て回収して『此方を人間の女性として産み落とす』ことです」

 

 

提督「その手段は『当局の肉体と此方の艤装』を利用した『反転建造』だと思われます」

 

 

提督「そうして海の傷痕は『人間殺戮の本能から解き放たれて、人間となる』のです。つまり、海の傷痕は」


 

提督「本官さんを愛して結ばれようとしているこの上ない一途な女性であると思われます。この戦争は」

 

 

提督「恋物語です」



元帥「なるほど。想い人と結ばれるために戦争始めるとか怖すぎだろ」

 

 

提督「ムカつきます……」


 

提督「あいつなら、深海棲艦をまた艦娘に戻せます。なぜならば想を構築し、あのようにフレデリカ大佐の姿を作り込めるのですから。その『艦娘→深海棲艦→艦娘』の輪廻を仕込んでいてくれたのなら、ぷらずまさんが死しても、深海棲艦からまた本官さんが艦娘に戻す仕事が出来るため、海の傷痕を倒す寸前に、わるさめさんとぷらずまさんは元に戻せます」

 

 

提督「そうして綺麗な身体に戻れるのです。中枢棲姫勢力も、です。無い物ねだりですが、策がかなり広がりました。海の傷痕:此方はそこを潰してきている」

 

 

提督「命は一度きり、だと」

 

 

提督「死んだものが甦るのはゾンビ、だと」

 

 

提督「これは現実なのだから、と」

 

 

提督「その現実さえも作り替えて深海棲艦から艦娘への輪廻があれば、ハッピーエンドもあり得た」

 

 

提督「全員生還こそ至高の手になり得ました。なんて綺麗な結末の戦争になり得たのか、と」

 

 

元帥「……それで続きは」

 

 

提督「皆が生きて帰るという意味の全員生還の視点ならば、ここから先が最難関、です」

 

 

提督「ぷらずまさんはわるさめさんとは違って、海の傷痕に直してもらう他ありません」

 

 

提督「普通に消し去るだけでは『ぷらずまさんが海の傷痕に勝利するとともに確実に死ぬ』のです」

 

 

提督「駆逐艦電に戻すためには」

 

 

提督「その場合、Srot3の妖精工作施設を残したままぷらずまさんと接触させなければなりません。妖精工作施設には女神妖精常駐のため、これを早期に破壊することが好ましいです」

 

 

提督「ぷらずまさんをメンテナンスし、駆逐艦電に戻す。これが意味するのは海の傷痕の戦闘能力を残したまま、こちらは最大戦力を失うということです」

 

 

提督「勝利に固執すれば、ぷらずまさんを犠牲に海の傷痕を倒してその他の命を救うことはできるかもしれません。けど、それでは」

 

 

提督「『1/5撤退作戦』と同じだ。大和さんの意思を受け継いだ今、同じ過ちは犯すわけには行かない」

 

 

提督「それをしたら、海の傷痕が腹を抱えて笑う姿が目に浮かびます」

 

 

提督「彼女はそれでもいいと必ず言いますが、自分は絶対に嫌です」

 


提督「確かに海の傷痕の口から発信された情報は鵜呑みに出来ないので、確定情報を軸に立てるのは当然ですが、難しいです、ね」



提督「自分も乙中将に協力するべきか」



提督「……と、そんなこと考えてました」

 


元帥「それが良さそうならそうしていたが、乙中将に任せたんだ。あいつを信用しろ。それでダメならわしがまた指示を送る」



提督「そうですね、自分が関わって変にこじらせては元も子もないです。あの海の傷痕は感情的な面もありましたから……それに自分では海の傷痕から情報は引き出す確定的手段が、思い浮かびません」



元帥「あの場で『殲滅:メンテナンス』の情報を手に入れるのは間違いだ、と?」



提督「そう、ですね。でも、ぷらずまさんのこと考えると間違いではありません。難しいです。少し頭も心もスッキリしておかなければ」



元帥「お前、変わってるようで変わってないよな。電1人が元に戻ったところでそんなに変わるか?」

 


提督「変わります」

 

 

元帥「じゃあそこで止まるな。その穴埋めを考えるのが俺達提督の責任だ」

 

 

元帥「って、丙少将ならいうぞ」

 

 

提督「……そうですね」

 

 

元帥「甲大将と丙少将、乙中将も使えるもんだ。この演習で甲と丙はさらけ出しただろ」

 

 

元帥「甲は、どうも細かいこと考えるのは苦手分野みたいだ。こいつんとこは単純に強い兵隊だよ。丙のやつは支援に回して『全員生還』の役割押し付けてやりゃいい。あいつんところはそれが最も効果的に運用できる」

 

 

元帥「そもそも海の傷痕との戦いは不確定要素多すぎだよな。必然的に現場の情報が錯綜するだろ」

 

 

元帥「だから、お前だ」

 

 

元帥「丙乙甲が元帥でもお前を選ぶ」

 

 

元帥「1/5作戦、わるさめちゃん襲撃、中枢棲姫勢力決戦、海の傷痕の大本営襲撃、そして今回の演習もそうだ。お前はいつだってそういう海を越えてきた。勝利で、だ」

 

 

元帥「次も同じだ。今更になってびびってんじゃねえよって」

 

 

元帥「やるしかないんだよ」

 

 

元帥「どんな犠牲が出ようが」

 

 

元帥「戦争だ。それも上手く行けば最後の戦いとなる。腹はくくらんとな」

 

 

元帥「まー、乙中将がなにか土産を持ってくる。それが『Srot1』か『Srot4』か『決戦時のギミック』だと助かるんだが」

 

 

提督「そうです、ね……」

 

 

元帥「……」

 

 

元帥「瑞穂ことスイキちゃんとフレデリカと先代の丁の准将についてだが」

 

 

元帥「わしはフレデリカは丁のやつに頼んで『瑞穂を直す手段』を模索していたと考えてる」

 

 

提督「フレデリカ大佐と瑞穂が仲が良かった、という情報ゆえですか。あの女提督はぷらずまさんやわるさめさんに対しても、そうです。表向きは、」

 

 

元帥「フレデリカはお前と本当によく似てる。あいつの末路はお前のifの未来だよ。早いか遅いかの違いだ。お前が早ければ、今わしと喋っているのはフレデリカのやつだったのかもしれないなって、わしは」

 

 

提督「どういうことでしょう?」

 

 

元帥「フレデリカも戦争終結に魂を捧げていた。お前もそうだっただろ。深海ウォッチング、あの作戦は電は死んでもおかしくなかった。この戦争の仕組みを解き明かす腹だっただろ」

 

 

元帥「人体実験でな」 

 

 

元帥「お前は深海ウォッチングの時は海の傷痕の存在に気づかずに『深海妖精に建造をさせないことで引き算していくことでの戦争の終結』を考えていたわけだ。だったら」

 


元帥「研究して、深海棲艦にならないバグ兵士を作りかねん。少なくとも解き明かし、自身が死んでも問題なく戦争が終わるまで禁忌の実験を進め、隠蔽しただろ。そこのところもお前は上手そうだ」

 

 

提督「……、……」

 

 

提督「可能性はあったかもしれません」

 

 

提督「少なくともそうならなかったのはすでに始まりから『瑞穂、春雨、電と中枢棲姫勢力のバグ』と『キスカの悲劇』と『鹿島艦隊の悲劇』が存在していることで『深海妖精発見と同時に海の傷痕にすぐにたどり着けてバグを作る必要がなかったから』ですね……」


 

提督「確かにひとことでいえば『フレデリカ大佐がいたから』です」

 

 

元帥「本当にお前はフレデリカに似ている。丁のやつにも似てるけどな。間宮さんもそういってたらしいし、フレデリカを知ってるやつはみんな1度は思ったはずだ。お前が丁のやつのもとに行ったのも合うからで、フレデリカが丁のやつと親交があったのも合うから、だ」

 

 

元帥「だとしたら、お前が先でフレデリカが後なら今ここで鎮守府(闇)で皆に好かれていたのはフレデリカのほうだったのかもなあ」


 

元帥「そんなこと思ったら」

 

 

元帥「フレデリカは、お前みたいに途中で気づいたんじゃないのかな、と。あいつにとっての瑞穂は、初期官であり、大層に仲の良かった『お友達』みたいだ。瑞穂:バグは、お前にとっての電:バグみたいなもんだったのかもしれん」

 

 

元帥「どうも春雨と電を犠牲にしてまでも異常:バグを研究し、瑞穂を直したかったっていう可能性も浮かんできてなあ」

 

 

元帥「この海に悪いやつなんていないんじゃないかなーとお花畑なことすら思う」


 

元帥「不思議な縁を感じるよ」

 

 

元帥「チューキちゃん達がいたあの場では言わなかったが」

 

 

元帥「鎮守府(闇)は」

 

 

元帥「スイキちゃんと腹割って話し合うことで、フレデリカを受け入れることで、初めてあの頃の闇を乗り越えるなにかが手に入るんじゃないかな」

 

 

提督「……、……」

 

 

元帥「丁のやつはフレデリカに気があったと思うんだよなー。これは大淀と明石ちゃんが言ってたんだけど」


 

提督「……」

 

 

元帥「丙乙甲にはすでに伝えてある。わしはな、わしより若い命に朽ちて欲しくないんだよ」

 


元帥「『生きて鎮守府に帰る』という意味の『全員生還』だ」


 

元帥「海の傷痕との決戦は誰一人として死なせない」

 

 

元帥「ま、異論はないはずだな。そうだろ」

 

 

 

 

元帥「提督の諸君」


 

 

元帥「なんちゃってな」

 

 

元帥「ま、話は終わりだ。わしは武蔵と先に帰る。それと、わしから准将への極秘任務だ。がんばってくれ」

 

 

元帥「とりあえずお前の頭をクリアにするためにスッキリしてきなさい。それじゃな」


 

提督「極秘、任務……?」ピラ


  

『愛とはなにか。友情、家族愛、恋愛。その三項目における想いについて理解を深めてください』


 

提督「」

 

 

10


 

チュンチュン


提督「…………寝落ちて」ムクリ

 

 

漣「キラークイーン提督おはようございます……」

 


朧「夜間警備、任務終わって」


 

曙「6駆に引き継いだわよ……」

 

 

提督「…………」

 

チュンチュン

 

朧「……夜間警備」

 

 

曙「終わったわよ……」

 

 

漣「ハッ、このループはまさか」

 

 

提督「!」

 

 

提督「これが我が第3の」

 

 

漣「バイツァダストきたコレ」

 

 

提督「ということで今度は今から指定する海域に」

 

 

朧・曙「黒っ!?」

 

 

漣「こら、漣達がどれだけ頑張ってたと思ってんだ寝かせなさいお願いします割とマジで!」

 

 

潮「漣ちゃんは寝る時間あったじゃないですか……」

 

 

漣「宴やってる時に寝ていられるかって話だよ」

 

 

提督「ご苦労様です。どうぞおやすみください。まあ、四時間くらい寝れば、甲大将がこの鎮守府から出られるので、護衛任務と洒落こむと思いますが」

 

 

朧「それでそこのソファにいるの電ですか……?」

 

 

提督「ええ」

 

 

提督「寝ていますね。昨日、酔った間宮さんにぬいぐるみのごとく扱われていたようで、助けを求めに来たまでは覚えているのですが、そこから」

 

 

ぷらずま「● ●」スヤスヤ

 

 

曙「眼、ガン開きで寝てるし。怖すぎでしょ……」

 

 

漣「爆発物ですし取扱い注意のステッカー貼っておきますね」ペタ

 

 

曙「そういえばなんか演習場とか色々なところで色々な人達が寝ていたけど……」

 

 

提督「間宮亭にもたくさんいましたね。皆さん、好き放題してそのまま好きなところで寝てくれているみたいでして……」

 

 

漣「あー、最後まで参加したかったなー……」

 


潮「とりあえずお風呂入ろうよお……」



朧「うん。それから」

 

 

曙「寝るわ」

 

 

漣「……」

 

 

漣「せやな」

 

 

2

 

 

間宮「あっ、おはようございます」

 

 

提督「おはようございます」

 

 

提督「これ、ボードゲームにテレビゲーム、皆さんわざわざ娯楽ルームから持ち出してここで遊んでたんですか……」

 

 

明石・丙少将「………」

 

 

提督「丙少将と明石君が死んでる……」

 

 

間宮「皆さんに囲まれて、ゲームに参加させられてましたね。負けたらポッキーゲームとかさせられて」

 

 

提督「この壁にある写真……」


 

間宮「丙少将と明石君がポッキーゲームやらされた時、わるさめさんが明石君の頭を押しまして。その、決定的な場面を卯月ちゃんが写真に」

 

 

提督「なんてひどいことを……」

 

 

間宮「伊勢さんと秋月さんがわるさめさんに制裁を加えてましたが……」

 

 

提督「ああ、だからわるさめさん、魔女狩りみたいに外で吊るされていたんですね」

 

 

提督「まあ、鼻から風船膨らまして盛大ないびきかきながら、気持ち良さそうに寝てましたけど……」


 

間宮「あはは……ずいぶんとにぎやかな夜でしたね」

 

 

提督「そうですね。執務室にいた自分のところまで楽しそうな声が聞こえてきましたよ」

 

 

提督「ところで間宮さんは、こんな早くから皆の朝餉の準備ですか。人数が多いですからねー……」

 

 

提督「寝ていないのでは?」

 

 

間宮「やりたいからいいんです。それに天城さん、鹿島ちゃん、瑞鳳ちゃん、秋津洲ちゃんが仕込みはやってくれていたので、そう時間はかかりませんから」

 

 

提督「手伝います。自分は一人暮らし長かったんで炊事は得意です」

 

 

間宮「でしたら、この具材を……」

 

 

提督「はい」

 

 

提督「……」トントン

 

 

間宮「あ、包丁捌きがお上手ですね」

 

 

提督「……む、そうなんですか。気にしたことなかったです」

 

 

間宮「…………」

 

 

提督「あの、間宮さん」

 

 

提督「手元が狂う恐れがありますので、自分の肩に頭を預けるの止めてもらえませんか……?」

 

 

提督「もしかして酔ってます……?」

 

 

間宮「大丈夫のはずです。ただ提督さんとあの話をしてから、少し確かめたいことが、できまして」

 

 

間宮「やっぱり、そういうことなんですね」

 

 

提督「……」

 

 

間宮「お願い、です」

 

 

間宮「私、今とても幸せなので」

 

 

間宮「なんとかがんばって?」

 

 

提督「……」

 

 

提督「間宮さん」

 

 

提督「とりあえず先程から降ろしていらっしゃるまぶたをあげてみてください」

 

 

間宮「……はい?」パチッ

 

 


 

 

 

 

 

翔鶴「 (〃ω〃)」



翔鶴「本日付で着任してしまいまして」

 

 

翔鶴「本当にすみません……」

 

 

翔鶴「5航戦正規空母翔鶴です……」

 

 

明石さん「ちなみに明石さんもいまーす……間宮さん見てから階段降りるのをためらってました……」

 


 

間宮「~~~~っ!?」

 

 

翔鶴「わ、私は皆さんを起こしてきますね」

 

 

3


 

明石さん「しっかし、ほえー……」

 

 

明石さん「どんな男からすり寄られても、イエスと答えない」

 

 

明石さん「この超身持ちの固い共同財産の間宮さんがねえ、へえー……」

 

 

間宮「…………」

 

 

提督「間宮さん魂抜けてますが……」


 

明石さん「というか、あの弟子と丙さんのキス写真なんですか……」

 

 

明石さん「あ、でも、そっちより間宮さんのほうの話を先にお願いします」

 

 

提督「昨日の話をしてから、といいましたから、恐らくあれでしょうね。間宮さん、話しても大丈夫ですか?」

 


間宮「ええ、どうせすぐに広まるでしょうし……」



カクカクシカジカ

 

明石さん「当事者なのにすごく事務的&客観的に話しますねー。そのお陰で内容はのろけなのに、いらっと来ないという」

 

 

明石さん「まあ、それは好かれても不思議ではないですね」

 

 

提督「…………は、はあ」

 

 

提督「まあ、好意を持たれるのは歓迎すべきことですね。今まで間宮さんには嫌われていた気はしていましたし」

 

 

明石さん「…………」

 

 

提督「この調子で他の皆にも好かれてもらえたらよいのですが……」

 

 

間宮・明石さん「……」

 

 

明石さん「提督も修理必要ですか」

 

 

間宮「間違ってはいないのですが、そういう風に解釈されましたか……」


 

間宮「もしかして私、駆逐艦の皆さんみたいに思われているんじゃ……」

  

 

提督「給糧艦ですよ」

 

 

間宮「いえ、そういうことではなく」

 

 

提督「間宮さん、いくつでしたっけ」

 

 

明石さん「ためらいなく女性に年齢聞いてくるとはさすがですね……」

 

 

提督「というか後ろに手が回るので止めましょう。間宮さん、非常に申し訳ないのですが、自分は鈍くはないので」

 

 

間宮「?」

 

 

提督「ごめんなさい。理由は独身希望なのでそういうのは無理です」

 

 

間宮「」

 

 

明石さん「すごいハッキリいいますね。それはそれでいいんですけど、間宮さんが真っ白に……」

 

 

間宮「……まあ、それでもいいや。なんとなく分かっていたことですし」

 

 

明石さん「まあ、そうですね……」

 

 

提督「自分、寮のほうで寝ている方のために館内放送でモーニングコール入れてきますねー……」

 


4


 

間宮「やってしまった。余計な気を遣わせてしまいましたね……こういうのは避けなければ、と思っていたのに」

 

 

明石さん「今の時期にそうしても難しいでしょうね……」

 

 

間宮「私のなにがダメなのでしょう……」

 

 

明石さん「間宮さんというか、誰でもダメでしょうね。あの提督さんはこの戦いに魂を売り払ってますから、とりあえず終わるまで待ちましょう」

 

 

明石さん「それからなら可能性は、と明石さんは思いますよ」

 

 

間宮「既成事実作ればー、とか専ららしいですけど、それは嫌ですから……」

 

 

明石さん「明石さんも形はともかく、伝えるのは言葉じゃないほうがいいと思いますね。ただ側にいてあげればいいんですよ。いつの間にか心に住んじゃえば勝ちだと思いますので」

 

 

明石さん「必要だから好きと思わせちゃえば、それもまた反転しちゃうもんです」

 

 

明石さん「むしろ提督さんは間宮さんみたいな人にしか落とせなさそう。独身の私がいってもアレですが」

 

 

間宮「……」

 

 

間宮「幸せの形は人それぞれですしね。なんか提督さんは明石さんみたいに楽しく独身ライフを送りたいみたいです」


 

明石さん「確かに独り身でも相当に楽しいですね。趣味さえあれば私は生きていけますし、結婚とか別に……」

 

 

明石さん「難しいですね……」

 

 

5

 

 

瑞鶴「……」ムクリ

 

 

翔鶴「あら、目覚めたのね。おはよう、瑞鶴」

 

 

瑞鶴「…………しょ」

 

 

瑞鶴「翔鶴姉じゃん!」


 

瑞鶴「今日ここに来るなんて提督さんから聞いてねえ。これはなんたるサプライズ」

 

 

翔鶴「本日付で着任したから。それより、色々とそのはしたない格好を直してきなさい。特にズボンとか脱げてるから男の人が起きる前にね?」

 

 

瑞鶴「はーい。つーかジャージ脱がしたの誰だ……」

 

 

瑞鶴「秋津洲か。ジャージから手を離せー……」

 

ホッペグニグニ


秋津洲「痛い、か、かも~……」


 

瑞鶴「みんなあちらこちらで雑魚寝してるなー。結局夜通しどんちゃん騒ぎしてたのかー……」

 

 

瑞鶴「翔鶴姉、聞いてよ。丙少将と」

 

 

瑞鶴「この甲大将の」フミフミ


 

瑞鶴「連合艦隊に勝ったんだ!」

 

 

翔鶴「聞いています」

 

 

翔鶴「瑞鶴も活躍したみたいで、自分のことみたいに嬉しかったです」ニコニコ

 

 

瑞鶴「あー、やっぱり翔鶴姉は女神だわ」


 

翔鶴「なんというか色々な意味ですごい鎮守府ですよね……」

 

 

翔鶴「そして瑞鶴、恐れ多いから甲大将を足蹴にするのは止めなさい?」


 

瑞鶴「いーのよ。こいつら割とフレンドリーだし目覚めるまでが無礼講ってことでー……」


 

翔鶴「全く……」

 

 

瑞鶴「……」クンクン


 

瑞鶴「あ、この匂い、間宮さんの飯の匂いだ。朝飯食ってから、歯は磨くか……」

 

 

翔鶴「そういえば瑞鶴、提督さんのことなのだけれど……」

 

 

瑞鶴「あー、大丈夫。あいついいやつだよ。まだ悪い噂流れてるっぽいから心配するのは分かるけど」

 

 

翔鶴「いえ、そうでなくて……」

 

 

翔鶴「いつから間宮さんと、その、お付き合いをしていらっしゃるのかしら」


 

瑞鶴「んー? そんなのここに着任してからでしょ?」


 

翔鶴「いえ、その男女としての交際、です。その、間宮さんとそのような関係なら、知っておいたほうがお二人に粗相をせずに済むと思うので……」

 

 

瑞鶴「?」

 

 

瑞鶴「提督と間宮さん、なにかしていたの?」

 

 

翔鶴「こう、一緒にお料理をしていまして、間宮さんが提督さんの肩に頭を預けて、幸せですっていってましたので」

 

 

瑞鶴「…………マジで?」


 

翔鶴「はい。えっと、そういう関係、なんですよね?」

 

 

瑞鶴「マジか―――――!!」


 

龍驤「!?」ビクッ

 

 

龍驤「なんやの! うっさいわ!」ムクリ

 

 

龍驤「ん、翔鶴……?」

 

 

瑞鶴「龍驤、聞くけどさ、提督と間宮さんがデキてたの知ってた?」

 

 

龍驤「あるわけないやろ……さすがの瑞鶴もこんなアホやないし……」

 

 

龍驤「なんや夢の中かいな……」

 

 

瑞鶴「ところで龍驤、吹雪並みに小豆色のジャージ似合ってるね」

 

 

龍驤「誰が特型駆逐艦やねん」ビシッ

 

 

瑞鶴「まあ、聞きなさいよ」

 

 

6

 

 

龍驤「まあ、翔鶴が嘘つくとは思えんし、本当なんやろな……」

 

 

翔鶴「その反応は……なるほど、どうやら私の誤解のようですね」

 

 

瑞鶴「でも秒読みじゃん。だって間宮さんだよ。間宮さんから攻められて落ちない男なんているわけが……」

 

 

龍驤・瑞鶴「……」

 

 

龍驤「……それがうちらの」


 

瑞鶴「……提督、か」

 

 

瑞鶴「正直すまんかった」

 

 

間宮「あのー、朝ご飯の支度ができますので、そろそろ起きて……」

 

 

瑞鶴「暁の水平線は遠そうだね。間宮さんファイト」バシン!

 

 

間宮「……とりあえず」

 

 

龍驤「あの手の男は色気とか胃袋とかでは落とせんやろー。詰ませるのが効果的やと龍驤さんは思うで」バシン!

 

 

間宮「ご飯、出来ていますので……」

 

 

翔鶴「す、すみません、こういうつもりでは……」

 

 

間宮「翔鶴さんは悪くありませんよ。私がTPOを弁えなかったゆえですから。というか、この話恥ずかしいのでやめましょう……」

 

 

翔鶴「そ、そうですね」

 

 

《お友達の皆さん起きるのです!》

 

 

間宮「あ、モーニングコールが」

 

 

陽炎「もう朝か……」ムクリ

 

 

不知火「ここで寝落ちてしまっていましたか」ムクリ

 

 

《追加でお知らせです。初霜さん不在なので、帰って来るまでは陽炎さんと不知火さん、秘書官でー》

 

 

不知火「!」シャキッ

 

 

陽炎「ええー、めんど……」

 

 

7

 

 

明石「この人は! 5航戦の見目麗しいほう……!」

 

 

瑞鶴「ケンカ売ってんのか」

 

 

翔鶴「明石君ですよね。瑞鶴からよく聞いています。翔鶴です。よろしくお願いいたします」

 

 

明石「よろしく。この清楚な美人が瑞鶴さんの姉とか信じられねーよなー……」

 

 

瑞鶴「同意するけど、うっさい。翔鶴姉に手を出したらお前の下半身を爆撃するからねー」

 

 

明石「お前らマジでさ、俺と戦う時に下半身を攻撃するの止めろよな。女には金的の痛みがわかんねーからそんなことが出来るんだ」

 

 

木曾「そんな弱点あるほうが悪ィんだよ」

 

 

明石「特にテメーだよテメー。金的さえなかったら昨日は俺が勝ってたわ」

 

 

山風「朝から下品だよ……それにアッシーだって、アッキーの兄とは思えないし……」

 

 

秋月「よくいわれます。アッシーが言葉を選ばないし、空気を読まないからですよ……」

 

 

秋月「でも確かに翔鶴さんは瑞鶴さんと雰囲気が違いますね! 優しそうです!」

 

 

瑞鶴「マジもんの女神だから」

 

 

龍驤「丙ちゃんと甲ちゃんのところは帰る準備しとけやー。朝飯食べたら帰るみたいやでー」

 

 

木曾「えー、翔鶴の着任祝いにもう1日くらいぱあっと騒いでもいいんじゃねえの」

 

 

翔鶴「今ここには戦力集まりすぎですから。深海棲艦は活動していますし、鎮守府に戻らないと」

 

 

龍驤「その通り。真面目なやつが来てくれてなによりやで」

 

 

木曾「色々と世話になったな。次に鎮守府で騒げるのは海の傷痕を消した後か」

 

 

明石「じゃー、すぐだな」

 


秋月「向こうでお兄さんが大将と少将とあいさつしてます。山風ちゃん、私達も行きましょう!」



山風「……そうだね」



瑞鶴「翔鶴姉もいこー」



翔鶴「そうですね。私は皆さんにあいさつして回りましょう」



【2ワ●:フーゾク街にてシャレコウベ 】

 

1

 

提督「……」

 

 

不知火「陽炎」

 

 

陽炎「なによ」

 

 

不知火「かれこれ一時間くらい、司令が書類を見つめてダンマリです」


 

陽炎「ほっときなさいよ……初霜いわく、執務中はよくダンマリ空間展開するらしいじゃない」

 

 

不知火「いえ、なにか違います」

 

 

不知火「解けない数式に向かい合う学生みたく困っているように不知火には見えます」

 

 

不知火「その、司令」

 

 

提督「……はい」

 

 

不知火「不知火は決して、退屈などしていません。いえ、構いませんよ」

 

 

提督「構います。初霜さんが遠征なので、お仕事ガンバってくださいね」

 

 

陽炎「司令、不知火の話聞いてた?」

 

 

提督「……」

 

 

陽炎「司令!」

 

 

陽炎「無視するな!」

 

 

提督「お二人にいくつか質問してもいいですかね。プライベート的な」

 

 

陽炎「別にいいわよ」


 

不知火「なんでしょう?」

 

 

提督「お二人は年頃の少女であり、青春まっただ中、さすがに兵役についてからは難しいとは思いますが、街にいた頃」

 

 

提督「恋をした経験はおありですか」

 

 

陽炎・不知火「…………」

 

 

提督「あれば始まった時からどのような心情を抱いたのかこと細かく教えていただきたいのですが」


 

陽炎「ホントにどうした司令」

 

 

不知火「職務の一環であるのなら答えるのもやぶさかではありませんが」

 

 

不知火「その書類、と関係が?」

 

 

提督「元帥直々に任務を渡され」

 

 

提督「これなんですが」ピラ

 

 

『愛とはなにか。友情、家族愛、恋愛。その三項目における想いについて理解を深めてください』


 

提督「家族愛なら、なんとなくこの鎮守府の皆さんと照らし合わせて分かるのです。愛情と友情も分からないことはないのですが、まだ自信が持てなくて」

 

 

陽炎「友情……司令の卒アルの寄せ書き、真っ白だったわね……」


 

提督「今だと何人か覚えはありますが、実際どうなのか。はあ、この歳なら一人くらい付き合いの長い友達いても不思議ではないはずなのに」

 

 

陽炎「泣いた」

 

 

不知火「しかし、元帥は一体何のために……」

 

 

提督「教えてもらえませんでしたが、この前にお話した感じ、あのじいさん結構、頭回りますね。この大事な時期に無意味にさせることとは思えず、真面目に取り組もうかと。自分も今ごっちゃで整理するためにも心身ともにリフレッシュしたいですし……」

 

 

提督「最終作戦のためにはなります」


 

提督「まあ」

 

 

提督「なんとなくですが、大事な要素ではあるように思えます」

 

 

陽炎「悪いけど、男友達ならともかく、恋愛経験なんてないわね。男女のそれなんて全く」

 

 

不知火「不知火は知ってます」

 

 

陽炎「あんたまさか街のほうに男いるの……?」

 

 

不知火「お父さん大好きです」

 

 

陽炎「あ、うん」

 

 

不知火「なにか落ち度でも」

 

 

陽炎「いや、ないけど」

 

 

陽炎「駆逐艦に聞くのが間違いじゃないかなー。この鎮守府でその手のことに経験ありそうなのは……」

 

 

不知火「……ありそうなのは?」

 

 

陽炎「そー言えば誰からも聞いたことないわね。寮でもそういう話はしたことあるけど、弾まないというか」


 

陽炎「まさか全員……」

 

 

不知火「交際経験がないのでは」

 

 

提督「まあ、この事は内密に。やはり自分でどうにかしてみます」

 

 

陽炎「どうにかって……まさか」

 

 

提督「どうか内密にお願いします」

 


5

 


提督「明石君、珍しく昼間から自室にいるのですね。ようやく休むということを覚えてくれましたか」

 

 

明石「姉さんに怒られたので。兄さんと違ってあの人は物理で来るので……入渠すると資材も消費しますし」

 

 

明石「お陰で今日は暇ですよ」


 

明石「なにか俺に用ですか?」

 

 

提督「夜の街についてきません?」

 

 

明石「もしかして例のスカウトみたいな? それとも飯の誘いですか?」

 

 

提督「いえ、女性を知りに」

 

 

明石「スンマセン、らしくない言葉が聞こえたんで、念のためにもう1度お願いできますか」

 

 

提督「風俗に」

 

 

明石「あれ兄さん昼間から飲んでます?」

 

 

提督「まさか。上から友情、家族愛、恋愛感情について理解を深めろ、と命令が来たのでそのために」

 

 

明石「なんすかその命令……」

 

 

提督「この時期にふざけているわけでもないでしょうし、なにかしら必要なことなのでしょう」ピラ

 

 

『まあ、行ったことないのなら風俗でも行ってきなさい』


 

提督「本意ではありませんが……」

 

 

明石「周りは可愛い子に囲まれてますしねえ。それに男は俺と兄さんだけですし、俺に声かけてきたのも納得」


 

明石「うーす、ご一緒しましょう。興味はありますからねー」

 

 

明石「正し、極秘事項で頼みます」

 

 

提督「無論です」

 

 

提督「元帥殿から」

 

 

提督「オススメをいくつか」

 

 

明石「あのじいさん確か65くらいだろ。なんで知ってんだよ……」

 

 

明石「まあ、でも助かるな」

 

 

提督「提督青山開扉」

 

 

明石「工作艦明石」

 

 

提督・明石「抜錨します」

 

 

2

 

 

ぷらずま「●ワ●」

 

 

ガシッ

 

 

ぷらずま「待つのです」

 

 

ぷらずま「鹿島さんのスカウト以来の私服ですね」

 

 

ぷらずま「こんな暮の時に司令官と明石君、お二人で街にお出掛けなのです?」

 

 

提督「ええ、少し用事ができまして」

 

 

提督「ぷらずまさん、外も冷えてきたのでお花や虫を眺めるのもそろそろ止めて中に戻ったほうがいいかと」


 

ぷらずま「……、……」

 

 

提督「……」

 

 

ぷらずま「そうですね」

 

 

ぷらずま「行ってらっしゃい、なのです」

 

 

明石(どこに、とは聞かねえのか)

 

 

明石(俺らが出ようとすると外出許可はもちろんどこに行くかも問い詰められんのに)

 

 

明石(兄さん信頼されてんなー……)

 

 

ぷらずま「明石君が誘ったのです?」

 

 

提督「いえ、自分です」

 

 

ぷらずま「あ、そうなのです。苺みるくさんのご飯が切れてしまったので帰りに買ってきてもらえませんか?」

 

 

提督「了解です。それでは失礼」

 

 

明石「ケンカして物壊すなよー」

 

コツコツ

 

 

 

 

 

 

ぷらずま「● ●」

 

 

――――プルルルル


 

明石さん「はーい?」

 

 

ぷらずま「ぷらずまです。工廠の明石さんなのです?」

 

 

明石さん「明石さんでーす。どうかしたんですか?」

 

 

ぷらずま「司令官さんと明石君が今、一緒に街のほうに繰り出したのですが」

 

 

明石さん「仲良いですねー」


 

ぷらずま「聞きたいことがあります」


 

明石さん「なにかあったんですか?」

 

 

ぷらずま「男二人が」

 

 

ぷらずま「シャンプーの香りがするほど体を」

 

 

ぷらずま「綺麗にして」

 

 

ぷらずま「ビシッと」


 

ぷらずま「身だしなみを整え」

 

 

ぷらずま「香水までつけるほど」

 

 

ぷらずま「気合いを入れて」

 

 

ぷらずま「行くところは」

 

 

ぷらずま「どこ、なのです?」

 

 

明石さん「……あ、ははー……」

 

 

明石さん「どこですかねー……明石さんワカラナーイ……」

 

 

ぷらずま「●ワ●」

 

 

ぷらずま「どこだ」


 

明石さん「怖っ!」


 

明石さん「誰かに会う……いや、私達に内緒、男同士でこっそり遊びに行くなら恐らく女の子のお店だと思いまーす……思うだけですよー……」

 

 

明石さん「それでは失礼しまーす♪」


 

ツーツーツー…… 

 

 

ぷらずま「む、女の子の、お店とは」

 

 

ぷらずま「具体的になんなのです……」

 


ぷらずま「女の子の、お店」

 

 

ぷらずま「検索……」

 

 

ぷらずま「…………女がたくさん」

 

 

ぷらずま「分からない単語もたくさん。ですが、分かるのです……」

 

 

ぷらずま「……この時期に」

 

 

ぷらずま「はわ、はわわ!?」

 

 

ぷらずま「女遊び!?」

 

 

ぷらずま「誰! 誰!!」

 

 

ぷらずま「司令官さんをそそのかしたダボは誰なのです!?」

 

 

ぷらずま「50回は大破させないと!?」

 

 

ぷらずま「おっと、落ち着かなければ。まずは深呼吸するのです」スーハー

 

 

ぷらずま「……ま」

 

 

ぷらずま「発信器つけといて正解だったのです」

 

 

ぷらずま「間宮亭でご飯食べるついでに色々と探りますか」

 

 

3

 

 

ぷらずま「金剛さん」

 

 

金剛「ハイ、なんデスカー?」

 

 

ぷらずま「○○とはなんなのです?」


 

金剛「!?」

 

 

金剛「電ちゃん、どこでそんな単語を覚えたネ……!」


 

龍驤「金剛、駆逐艦相手に顔真っ赤にしてどしたん?」

 

 

阿武隈「どうしたんですかー?」

 

 

卯月「面白そうな気配を感じるぴょん」

 

 

ぷらずま「○○とはなんなのです」

 

 

龍驤・阿武隈「!?」

 

 

卯月「?」

 

 

龍驤「これやから駆逐艦にスマホなんて持たすべきやないねん」

 

 

ぷらずま「私は27年生きています。どんな感じかは想像できますが、どの程度のものなのかがいまいちなだけです」

 

 

龍驤「いずれにしろ分からんいうことはまだ電は子供ってことやしー。第6駆にはまだ早い早い」

 

 

金剛「その通りデース! 提督にいって、何とかしてもらいマース!」

 

 

ぷらずま「……」

 

 

瑞鶴「なになに、どしたの?」

 

 

翔鶴「なにやら不埒な言葉が聞こえた気がしますが……」

 

 

ぷらずま「もういいのです。グーグル先生に聞くのです」

 

 

龍驤「待て待て」

 

 

龍驤「どうしてそんなこと知りたい思たん?」

 

 

ぷらずま「司令官と明石君がこういったお店に行くために二人でお出掛けしたみたいなので」

 

 

金剛「信じられまセーン!!」

 

 

瑞鶴「うわー……」

 

 

阿武隈「明石君はチャラそうなので違和感ないですが、あの提督がまさか……信じられません」

 

 

金剛「秋月ー、明石君はこういうお店によく行くノー?」

 

 

秋月「はい?」

 

 

秋月「どうなんでしょう。アッシーの全てを把握しているわけでもありませんし……」


 

秋月「でもお兄さんが、まさか。なんか色々とショックですね……」

 

ガラッ

 

わるさめ「うーす、腹へった腹へったー飯寄越せ飯ー」

 

 

わるさめ「ん?」

 

 

瑞鳳「皆さん一ヶ所に集まってどうしたんです?」

 

 

卯月「司令官と明石君が二人で風俗に行ったみたいだぴょん」

 

 

わるさめ「●ω●」フム

 

 

わるさめ「新鮮なネタ仕入れてるね」


 

瑞鳳「そういうのは可哀想ですからそっとしておいてあげましょうよ……」

 

 

龍驤「うちも瑞鳳と同意見」

 

 

わるさめ「お前ら、ムカつかないの?」

 

 

わるさめ「逆に言えばわるさめちゃん達はどこの誰かも知らねー女どもより魅力がないということだ☆」

 

 

翔鶴「それとはまた違うのでは……」

 

 

瑞鶴「翔鶴姉のいう通り。あの提督のことだし、私達に手を出さないため、と考えたほうが自然じゃない?」

 

 

ぷらずま「断言します。明石君はともかくあの司令官さんが女体に興味ある人だとは思えないのです……」

 

 

阿武隈「それはそれで酷いですね……」

 

 

間宮「…………」

 

 

翔鶴「間宮さんが先程から微動だにしていません。口から魂が抜けているように見えるのは幻覚ですよね……」

 

 

龍驤「ドンマイ……」

 

 

瑞鶴「仕方のないことなのかもね……」


 

間宮「いえ、あの提督さんが、と」

 

 

間宮「電ちゃんと同じで、意外でしたので……」


 

間宮「逆に言えば可能性はあるのかなあ、と」

 

 

龍驤「! そこに気づくとは!」


 

ぷらずま「それはそうと」

 

 

ぷらずま「なぜ背筋を伸ばして」

 

 

ぷらずま「汗をかいているのです。陽炎さんと不知火さんは」

 

 

陽炎「あ、え? なんでもないから」

 

 

不知火「……ええ、なんのことか全く分かりません」


 

陽炎「不知火あんたお口チャーック!」

 

 

わるさめ「もう遅いっス……お前らなんか知ってるなー」

 

 

陽炎「陽炎、休憩入りまーす」

 

 

ガシッ

 

 

わるさめ「逃がさないゾ☆ 確か二人は留守にしているはっつんの代わりに秘書官やってたんだっけ」

 

 

陽炎「二人はもう出掛けたんでしょ。今更知ったところでもう帰って来るのを待つしかないわよー」

 

 

ぷらずま「なにか匂ったので、お二人には発信器をつけておいたのです♪」

 

 

陽炎・不知火「」

 

 

金剛「大丈夫。私達はそんなに理解のない女ではないから安心して話してくだサーイ」

 

 

ぷらずま「まあまあ、私と陽炎さんの仲ではないですか。なので、知っていることをお話するのです」

 

 


 

 

ガラ

 

 

榛名「えっと、皆さん! 提督がどこにいるか知りませんか!」

 

 

金剛「榛名、そんなに慌ててどうしマシター?」

 

 

榛名「乙中将から、れ、連絡がありまして、兵力を大至急、貸してもらいたいとのことで……」

 

 

龍驤「落ち着け。なにかあったん?」

 

 

榛名「う、海の傷痕が情報を賭けて乙中将とその艦隊のみなさんと街中で戦いを始めるそうです!」

 

 

瑞鶴・翔鶴「」

 

 

翔鶴「ま、街中で戦う?」



瑞鶴「警察とか陸軍にいいなさいよ……まあ、陸軍はそんなフットワーク軽くないか」

 

 

陽炎「そんなことより、どうするのよそれ。洒落にならないでしょ」

 


不知火「その通り、街中で戦いを始めるなんて乙中将の判断とは……」

 

 

榛名「鬼ごっこ、みたいです。海の傷痕を日が沈むまでに捕まえる、と」

 

 

陽炎・不知火「」

 

 

ぷらずま「●ワ●」ホウ

 

 

わるさめ「●ω●」フム

 

 

ぷらずま「海の傷痕の位置情報を確認したのですが、司令官さんと明石君がそちらのほうに向かっている模様。嫌な予感がするのです……」

 

 

わるさめ「なにそれ。言い出しっぺは海の傷痕っぽいよね。タイミングにも意味があったら、海の傷痕の企みがあるかもしれないじゃん」

 

 

金剛「……乙ちゃんですし、だから救援を求めてきたと思いマース。ですが、この鎮守府(闇)から近いのも気になりますネー……」

 

 

わるさめ「司令官が使えねーと思ったの初めてだわ。こんな時に女遊びとか一生の不覚じゃんw」

 

 

間宮「間が悪いですね……」

 

 

卯月「こーいう時の龍驤だろー。早く指示出せし。電の様子見るに司令官とは繋がらねーみたいだぴょん。あの男二人は後でしばくとして」

 

 

龍驤「榛名、他には?」

 

 

榛名「鎮守府(闇)から6名の助っ人が許可されたようです。詳しいことは移動しながら、て。トランスタイプ一人と、手が空いていて鬼ごっこが得意な5名を貸して欲しい、とのことです」


 

龍驤「電は?」

 

 

ぷらずま「この間に街に行った時に改めて分かったのですが、体力には自信ねーのです……」

 

 

龍驤「わるさめは」

 

 

わるさめ「けっこう自信あるよ。任せろ。前のぶらり旅の件を挽回させろー!」

 

 

龍驤「金剛も体力あって卯月は走り回れるやろ。念のため、瑞鳳、こっちとの連絡の仲介&常識人枠としてゴー」

 

 

瑞鳳「はい、了解です」

 

 

金剛「私が常識人枠でないのが心外デース!」

 

 

龍驤「金剛も割と自制心ない時あるからなあ。覚えあるやろー?」

 

 

金剛「ぐ、提督の自宅に突撃した1件ですネー……」

 

 

卯月「ゴーヤを通信入れてこっちに送れ。あいつはめちゃんこ足が速いし、体力もべらぼうにあるぴょん」

 

 

ぷらずま「最後の一人は響お姉ちゃんがいいと思うのです。体力もあって、足も速いです。鬼ごっことかくれんぼは得意なのです」

 

 

龍驤「じゃあゴーヤと響やな」

 

 

龍驤「瑞鶴翔鶴と陽炎不知火、秋月は提督と明石君探しやな。こっちからも定期的に連絡入れるけど、どうも繋がらんみたいやし。見つけて酔ってたらボコってええから目を覚まさせてこい」

 


瑞鶴「おっけ」

 

 

秋月「分かりました。兄二人のため、私が挽回しなければなりません」

 

 

陽炎「がんばりますか。確か書面上でピックアップしてた店の名前もちらっと見て覚えているし」

 


不知火「今は私達が秘書官ですしね」

 

 

翔鶴「ねえ瑞鶴、ここはいつもこんな風にトラブル起きているのかしら」

 

 

瑞鶴「割と。翔鶴姉がいくら女神でも容赦ないと思うよ。そこら辺、合同演習時とあんまり変わってないから」

 

 

翔鶴「なるほど、ならば適応するために精進しなければなりませんね」

 

 

陽炎「まあ、足使うのは得意だし、がんばりますか」

 


不知火「今は私達が秘書官ですしね。責任を果たしましょう。司令と明石君を必ずや捕まえてきます」

 

 

ぷらずま「……皆さんお分かりかと思うのですが、海の傷痕は意味もなくこんなことするとは思えません」

 

 

ぷらずま「私が海の傷痕に陸で敗北したのをお忘れなきよう。気を付けるのです。特に新参の翔鶴さん」

 

 

翔鶴「……大丈夫です」

 

 

ぷらずま「では私は寮から響お姉ちゃんを連れてくるのです」

 

 

ぷらずま「わるさめさん、お分かりかと思いますが、図に乗ってはダメなのです。私を秒殺する相手、戦って勝てるとは思わねーことです」

 

 

わるさめ「分かってるから」

 

 

ぷらずま「では私は寮から響お姉ちゃんを連れてくるのです」

 

 

瑞鳳「抜錨ポイントで待ってますね」

 

 

卯月「艤装で行くのかー?」

 

 

瑞鳳「そのほうが早いですし、向こうの辺りにも抜錨ポイントはあるので、そこで艤装は外したほうがいいかと。今回は兵は神速を尊ぶってやつです」

 

 

龍驤「せやな。そのほうが速いわ」

 

 

翔鶴「では私達も参りましょうか」

 


瑞鶴「あの提督さんらしくないミスだけど、人間味が出てきたのかなー」

 

 

秋月「ちょっと嫌な人間味ですね」



不知火「まあ、半分くらい珍妙な任務を渡した元帥のせいですが、今更です。龍驤さん、外出の書類は頼みます」

 

 

陽炎「いざフーゾク街へー」

 


【3ワ●:海の傷痕:鬼ごっこ】

 

 

1 街中にて

 

 

海の傷痕【貴方達はずっと当局に付きまとって一体なにをしようというのだ。自由に街を散歩するのに付き添いが要るほど、当局は幼くはないぞ?】

 

 

山城「うるさいわね。これが任務なのよ……」


 

乙中将「本当はやりたくないよ。だから、なんか情報ちょーだい」

 

 

海の傷痕【貴方とオープンザドア君は1を渡したつもりが、どれだけぶんどられるか分かったものではないのである】

 

 

山城「鎮守府(闇)のほうに近いわよね。かれこれ4日は歩いているわよ……早く白露一同と見張り交代したいわ……」

 

 

海の傷痕【まあ、鎮守府(闇)といえば昨日に甲丙連合軍が敗北したのである】

 

 

山城「あのゲスの極み乙女艦隊が丙少将と甲大将に勝ったですって……?」

 

 

海の傷痕【かなり恥ずかしい内容の試合であるな。どいつもこいつも恥ずかしげもなく過去の傷を吠えおって】

 

 

乙中将「そういう趣旨の戦いだしね」

 

 

乙中将「というか、もう拉致が明かないから」

 

 

乙中将「大本営では深海棲艦と瑞穂とフレデリカのことについて意図的に隠したことがあるよね?」

 

 

乙中将「それなら答えてくれる?」

 

 

乙中将「ちなみにロスト空間がどんなところかは初霜さんの情報から分析して割り出せそう。丁准将とフレデリカ大佐は懇意だ。先代の丁准将は瑞穂:バグとの意思疏通でロスト空間を探っていた可能性がある。初霜さんと丁准将の違いは、時間的なこと」

 

 

乙中将「そして青ちゃんからの言葉が連絡来てる。海の傷痕の目的は『決戦で女性の想を艤装に溜め込み、反転建造システムにより、此方を産み落とすこと』だとさ」

 

 

乙中将「だとしたら、海の傷痕は『勝つ気がない』と僕は考える。だって、女性の想を回収するためにはわざわざ決戦をする必要はなく、電ちゃんを完封できるその力でどうとでも回収できるはず。やり方に確実性がないよね」

 


乙中将「青ちゃんがいう目的の他にもなにかある。それを踏まえると『決戦』という手段を設定しているんだと」

 

 

海の傷痕【……】

 

 

海の傷痕【それについて当局がなにか答えたところで信じるのか?】

 

 

乙中将「本当みたいだね。意外と顔に出る」



海の傷痕【……だから貴方は嫌いなのだ。プレイヤーでなければ消してやれるのだが】



海の傷痕【そうだな】



海の傷痕【情報交換ならば、当局が欲しいものはそちらになし。ならば勝ち取る他なかろうて。まあ、当局も無用に街にきたわけではない。決戦のための仕事に来ているのである。そうだな、先程手っ取り早くといったな】

 

 

海の傷痕【貴方はこのテーブルになにを賭けられる。金貨の類を乗せても当局は無反応であるが】

 

 

乙中将「想を乗せろってこと?」

 

 

海の傷痕【命】

 

 

山城「無理に決まってるじゃない!」

 

 

乙中将「いや、いいよ。正し」

 

 

海の傷痕【貴方とその部下以外だ】

 

 

乙中将「っ」

 

 

海の傷痕【ホームからだらだらと絶えず流れ出ている赤の他人の命にしようかな。少なくとも二人。それと引き換えにしてまで情報が欲しいというのならば考慮してやってもいいぞ?】

 

 

海の傷痕【●∀●】

 

 

乙中将(……、……なんで二人?)

 

 

海の傷痕【これは貴方の尻拭いであると気付いているかな。電やオープンザドア君を合同演習のままにしておけば、ここはすぐに頷いたのである】

 

 

海の傷痕【乙中将、貴方の余計なお世話によるところが大きい。乙中将、深海ウォッチング作戦で庇わなければ】

 

 

海の傷痕【いや、こういおうか】

 

 

海の傷痕【あなたが鎮守府(仮)の有用性にいち早く気付いておきながら、中途半端に肩を持ったせいだ。フレデリカと先代丁准将のようになれば】

 

 

海の傷痕【もう戦争は終結していた可能性が非常に高い】

 

 

乙中将「……」

 

 

海の傷痕【もう1つつけ加えるのなら丁の准将は戦争終結のために動いていた。魂を悪魔に売ってまでも、だ】

 

 

海の傷痕【犠牲を恐れて戦争が出来るものか。貴方達は軍学校で武器の扱い方を教えながら、人道を説く。それが正しいと証明もできないままで】

 

 

海の傷痕【百救うために一を切り捨てられないのは結構だが、時には理想論を掲げながらも、悪魔に魂を売り払ってみせたまえよ】

 

 

海の傷痕【さて重課金の乙中将】

 

 

海の傷痕【廃課金の領域に踏み込む】


 

海の傷痕【想はお持ちかな?】

 

 

山城「全く、『● ●』の顔が出来るやつの煽り性能は総じて半端ないわね」

 

 

山城「やってやるわよ」

 

 

乙中将「山城さん!?」

 

 

山城「それが任務ですから。賭けのテーブルといった以上、犠牲が出るのは勝負に負けたらの話です」

 

 

山城「勝てばいいだけですから」

 

 

海の傷痕【うむ、その通りである】



山城「鎮守府(闇)だけに美味しいところ持って行かれていますしね」

 

 

山城「あなたにはお世話になりましたから、ここらで山城はあなたに恩返し致します。勝たせて差し上げますよ」

 

 

山城「このどぐされ外道に」

 

 

乙中将「……そっか」

 

 

乙中将「この場所、山城さんの故郷だよね。海の傷痕が、ここに来たことにも意味があるはずだ。どんな勝負?」

 

 

海の傷痕【やるのだな?】

 

 

乙中将「うん」

 

 

海の傷痕【では、この銃を3丁くれてやろう。手を加えてある」

 

 

海の傷痕【ペイント弾だが、8発装填されている。ほら、ご丁寧に取扱説明書もつけてやるのである】

 

 

山城「なにをする気なの?」

 

 

海の傷痕【やれやれ、貴方は肝が座っているな。ヤンキーとはそういうものなのか、貴方が特別なのか】

 

 

山城「うるさいわね。人の黒歴史をつつくんじゃないわよ……」

 

 

海の傷痕【勝負の方法だが】

 


海の傷痕【『鬼ごっこ』である】

 

 

海の傷痕【当局が逃げるから、それを捕まえろ。直接的に身体で触れるか、その銃で撃ち、当てるか、で成功するとしよう。ペイント弾の補充はなしだ】


 

海の傷痕【鬼ごっこの範囲はここから三キロ以内だ。前はあそこの海の砂浜、後ろはあのデパート、右はあの鉄塔だな。左はあそこの20階建てのマンションまで。そして当局は攻撃はせず、想の力も使わずに、ただ逃げるだけだ。単純な鬼ごっこであるな】

 

 

海の傷痕【そうだな、山城のいう通り鎮守府(闇)は近いのである。そこから人数を借りてもいいぞ。6名、までだ」

 

 

海の傷痕【制限時間は暇潰しも兼ねて大サービスである。日が完全に沈むまで】

 

 

乙中将「いつから始める?」

 

 

海の傷痕【スタートしたら当局は逃げる。その15分後に追いかけてこい】

 

 

乙中将「分かった。それでなにを教えてもらえるの?」

 

 

海の傷痕【神に打ち勝つだけに相応の情報であるとだけ。対深海棲艦海軍にとって、オープンザドア君の削ぎ落としたネジクラスの価値だ】

 

 

乙中将「……了解」


 

乙中将(夕立と時雨は先の地点で待ってるか。それならあの二人と飛龍蒼龍も、参加してもらうかな……)

 

 

海の傷痕【まあ、貴方は最も相手にしたくないのだが、余興としては大変宜しい】

 

 

海の傷痕【1つアドバイスだ。この場所には様々な運命がたむろしている。それをかぎ分けて活用するといい】

 

 

海の傷痕【自然に愛された子よ、アイヌの狩猟民族の歴史を背負い】

 

 

海の傷痕【深海棲艦を誰よりも多く沈めたその牙と、よく利く鼻を持って、見事に獲物を狩ってみせるといい】

 

 

海の傷痕【決戦への序章である】

 

 

海の傷痕【●∀●】

 

 

 

 

 

【4ワ●:海の傷痕:鬼ごっこ 2】

 

1

  

乙中将「瑞鳳さん? 夕立が追ってくれているから、山城さんは飛龍に銃を1つ渡しに行くから、飛龍から受け取ってね」



乙中将「他の都合のついたメンバーは誰?」


 

瑞鳳「卯月さんと響さんゴーヤさん金剛さん、私とわるさめさんです。すみません、今、提督と連絡がつかなくて龍驤さんは出払えなくて。翔鶴さん瑞鶴鶴さん陽炎さん不知火さん秋月さんのメンバーで提督の捜索に当たっています」

  


乙中将「榛名さんは分かりませんって答えたんだけど、青ちゃんどこにいるの?」



瑞鳳「……大変申し上げにくいのですが、明石君と成人指定のお店に。連絡をシャットアウトしているのはこちらから完全に逃げ切るためだと思います。でも提督に電さんが発信器をつけたみたいで、場所はわかります」

 

 

乙中将「ええー……青ちゃんなにしているんだよ。いや、このらしくない感じはもしかして元帥さんの差し金か……?」

 

 

瑞鳳「みたいです。奇遇なことに、提督と明石君はその辺りのところに向かっているらしく」

 

 

乙中将「……分かった。それじゃ伝えたことをそっちのメンバーによろしく」 

 

 

神通「あの、白露夕立時雨には海の傷痕のことを伝えましたので、私も向こうと合流しますね」

 


乙中将「うん。一丁渡すけど、慎重にね。一応、龍驤さんに頼んで大淀さんに事情は伝えたけど、街中でこんなもの使うと大騒ぎになるからタイミングには気を付けて。海の傷痕は衛星監視されてるけど必ず尾行すること」

 

 

乙中将「以上の情報を踏まえて、監視も及ばず、人混みに紛れて身を隠しやすいあの大きなショッピングモールとか駅の地下辺りに入るかなー」

 

  

神通「了解です。それでは」

 

 

山城「乙中将、私もまずは飛龍のほうに向かいますね」

 

 

乙中将「うん。ところでここら辺は山城さんの故郷だよね。なんかさ、ここらで元帥さんが好きそうな風俗のお店知らない?」

 

 

山城「は? なに?」

 


乙中将「怖い顔しないでよ……ちょっと青ちゃんが遊びに出かけて、連絡もシャットアウトしているみたいで」

 

 

乙中将「山城さんがなにか知ってたら向こうの提督捜索隊に教えようって」

 

 

山城「そんなの私が知るわけないでしょ?」

 

 

乙中将「ですよねー……でも」

 

 

乙中将「山城さん、男の友達多いよね。扶桑さんと山城さんの後援会の名前がいかにも族っぽかったし、その辺のコネで探れないかな?」

 

 

山城「扶桑お姉様を連れて来るべきでしたね。故郷の交遊に関しては扶桑お姉様のほうが顔が利きます」

 

 

乙中将「扶桑さんは一番鎮守府の仕事できる人だから、仕方ないよ」

 

 

神通「それに山城さん、そんなことをいっている場合ではない上に時間も限られています。乙中将は向こうの提督に用があるから探すわけで、乙中将がそこらの街頭で聞き回る手間も省けます」

 

 

乙中将「……そうそう神通のいう通り」

 

 

山城「ああ、もう! 分かったわよ!」

 

 

神通「でもそういうのって、ネットのクチコミとかで探して当たればいいのでは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当てにならないんだよ。


 

 

 

神通「……乙中将、けっこう女遊びの経験がおありで?」

 

 

山城「不潔だわ……」

 


乙中将「そんな目で見ないで! 僕も元帥さんと丙さんに誘われて行ったことあるだけだよ! 男である以上は仕方のないことなんだよ!」

 

 

乙中将「というか元帥さんのススメってよく分からないんだよね。アブノの趣味は僕にはないから。丙さんは取っつきやすいところ連れてってくれるけど」

 

 

神通「……知りませんよ。語り始めないでください」

 

 

山城「聞きたくないですしね。それ以上その話を広げると蹴りますよ」

 

 

乙中将「スミマセン」

 

 

山城「そんなことより、海の傷痕を捕まえる作戦に時間を割くべきです」

 

 

神通「向こうは攻撃してこないんですよね。ただ逃げるだけです。それと情報も調べるとなると、私的に気になるのはトランスタイプ特有の再生能力の度合いです。わるさめさんと電さんにも違いがあっはずで、電さんのほうが再生能力は高かったはずです」

 

 

乙中将「……まさか」

 

 

神通「海の傷痕が逃げるのみの抵抗なし。私が確かめます。必要ならば骨を何本か砕いて、眼球もえぐります」

 

 

神通「そして大本営で海の傷痕は怒りかけたと聞いていますので、少し煽りもしてみます。冷静さを失えばなにか情報を口走るかも、です」

 

 

乙中将「神通、君ってやつは(震声」

 

 

神通「やりたいわけではありませんし、勝てないと乙中将が判断した場合、せめて、の手段です。任務上、ぶんどれるだけぶんどるべきですが」

 

 

山城「金剛も来るんですよね。あいつもこっちのほうにください。身体能力なら私より上ですから」

 

 

乙中将「そのつもり。あまり派手にやってはダメだよ。リスクある言動はなるべく避けて。攻撃してこないといっても信用できるかは微妙だし、身を守るためになにかしてくるかもだから気を付けて」

 

 

乙中将「鎮守府(闇)には伝えたけど、もう1度だけ。捕まえるのが無理そうならせめて指定の位置の辺りまで追い込んでね」

 

 

乙中将「艤装つけてる瑞鳳さんには教えてないし、待機している飛龍蒼龍はまだ艤装をつけさせてないから、海の傷痕には分からない」

 

 

乙中将「なんとか海辺付近の目的地に追い込んで」

 

 

乙中将「『艦載機で攻撃して隙を作る』」

 


山城「なるほど、よくもまああなたはこの短時間で奇策を思い付きますね」

 

 

乙中将「あ、二人とも、海の傷痕が二人犠牲にするっていったよね。なんで二人か気になったんだけど」

 

 

乙中将「ここが、肝だ」

 

 

 

乙中将「――――、――――」

 

 

山城「……」

 

 

神通「了解です。時雨さんには伝えますね」

 

 

神通「そろそろ時間です。山城さん、参りましょう」

 

 

山城「いいんですね?」

 

 

山城「例え人を見殺しにしても、この勝負に勝つ気なのですね?」

 

 

乙中将「……うん、ここから先の覚悟が、青ちゃん達のいるステージだ」

 

 

乙中将「戦争は、終わらせるさ」

 

 

2

 


海の傷痕【む、もう終わりか? 全速力で10分といったところである】

 

 

夕立「ぽ、ぽいぃ~……」グテ

 

 

白露「時雨ー、夕立と海の傷痕があそこにいるけど、どうする?」

 

 

時雨「このまま尾行するよ。夕立の身体能力であれじゃ真正面から無策で追いかけても無駄に体力使うだけだと思う」

 


白露「あたし達は艤装つけてないし、位置はバレないよー? 通りすがりに建物の影からすぱっと不意をついてタッチするのは?」

 

 

時雨「いいと思うけど、タイミングだよね。先回りしないといけないし」

 

 

時雨「山城さんと神通さんが来るから地図を見て道を制限してから袋小路にしよう。あえて逃げ出せるスペースを作るんだ。追い込み地点の方角に、ね。その上で罠を張ろう」

 

 

白露「うん、分かったよー。山城さんと神通さんも後2分くらいで合流するって!」

 

 

時雨「それじゃ尾行を再開。夕立、大丈夫? 立てるかい?」

 

 

夕立「うん。けど、海の傷痕、呼吸も乱れていないっぽい。フレデリカ大佐は運動能力ないって聞いてたのに……」

 

 

時雨「容姿はフレデリカ大佐だけど、運動能力とかは先代の准将なんじゃないかなあ。あの人、すごい体力あって頭もキレる文武両道で有名な人だったし」

 

 

時雨「それと現海界は建造システムによるもの。その素質に加えて僕達みたいに身体能力に強化がかかってるのかもね。まだ時間はあるから、そこまで読めただけでも収穫だよ」

 

 

夕立「役に立ったなら良かったっぽい……」

 

 

3

 

 

海の傷痕【む、三叉路である。後方から神通夕立。左前方から山城、右前方には白露か】

 

 

夕立「今度は! 捕まえるっぽい!」

 

 

神通「……逃がしません」

 

 

山城「こっちに来なさいよ」

 

 

海の傷痕【ま、神通と山城から殺気を感じるな。白露が案牌である】

 

 

白露「あたしの横は抜かせない! さー、張り切って行くよ!」

 

 

海の傷痕【……】

 

 

白露「正面から向かってくるんだね!」

 

 

白露「まいどありー!」

 

 

海の傷痕【そら、口を開けておいた】

 

 

白露「ゴミ袋投げてきた! 汚いっ!」

 

 

カサカサ

 

 

白露「な、なんか服に入ってきた……!」

 

 

海の傷痕【G君である】

 

 

カサカサ

 

カサ

 

カサカサカサ

 

 

G君「 癶(´益` 癶)癶」チャオ

 

 

白露「……」

 

 

 

 

 

 

 





 

 

きゃあああああああ!



 

 

 

 

 

海の傷痕【フハハ! 抜けたぞ!】


 

時雨「こっちに隠れておいて正解だね」


 

海の傷痕【む、猟犬のほうがそこの路地に隠れておったのか】

 

 

時雨「タッチさせてもらうよ!」

 

 

海の傷痕【甘いな! 連続バック転回避!】

 

スカッ

 

時雨「くっ! でもそのくらいなら追撃で!」ジャキン

 

パンッ


海の傷痕【とう!】

 

 

時雨「バック転からのジャンプで壁の上に乗るなんてなかなかデタラメだね……」

 

 

海の傷痕【当局がイッチバーン! である。おっと、壁に当たったペイント弾と散らかったゴミの掃除は任せたのである】

 


時雨「逃がさない……」

 

 

おばちゃん「あんた達なにしてんの! そこの落書きと、散らかしたゴミも片付けなさい! 後、その子泣いているじゃないか! 仲良く遊びなさい!」


 

時雨「く……この状況……」

 

 

乙中将「追い付いた。僕の出番だね」

 

 

時雨「乙さん、なにか作戦が……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お片付けは任せろ!

 

 

神通「お願いします。心に傷を負ってしまった白露のことも、です」

 

 

山城「見ているこっちですらトラウマモノでしたから」

 

 

夕立「鬼ごっこー♪ 次こそ捕まえるっぽい!」

 

 

乙中将「夕立だけ純粋に鬼ごっこ楽しんでるね……」

 

 

時雨「調達してきたモノは、その袋に?」



乙中将「うん。かなり無理いってカツラも。時雨、後は任せたよ」



時雨「了解。白露のことも、お願いするね」



乙中将「うん。白露、大丈夫?」

 


白露「」

 

 

乙中将「屍じゃないか……ほら白露、G君は取ってあげたから」

 


G君「 癶(´益` 癶)癶」

 

 

白露「……」ブワッ

 

 

おばちゃん「いじめんな!」

 

ゴツッ

 

乙中将「そんなつもりじゃ……僕も泣きそうだよ……」


 

4

 

 

飛龍「とまあ、状況はこんな感じだね」

 

 

卯月「ぷっぷくぷw」

  

 

伊58「あっははー! 娯楽に乏しいど田舎で育ったゴーヤの得意分野でち!」

 

 

響「クウガ、モデルガンかな? 任せて欲しい。砲撃よりも銃撃のほうが得意だ」

 

 

響「しかし、なかなか出来がいいね。想の力はここまで再現できるのか」

 

 

金剛「作戦に従わなきゃだめデース。妙な方向に逃げてしまえば、面倒なことになりマース」

 

 

わるさめ「私がトランス攻撃で隙を作るからそこを撃つんだぞー。トランスするまでは探知されないから、不意打ちか拳銃砲撃で足を狙い撃つ」

 

 

蒼龍「瑞鳳さんは私達と一緒に追い込みポイントに待機で。艤装はギリギリまでつけないから」

 

 

瑞鳳「了解です。金剛さん、そっちの現場のことはお願いしますね」

 

 

金剛「海の傷痕の程度を測ってやりマース!」

 

 

4

 


神通「っ、見失いました」

 

 

山城「近くにいるはず。地下駅に潜り込んでも鎮守府(闇)の連中も出口に待機し始めたみたいだし、逃げ口は浜辺のほうの出口のみ、よ」

 

 

山城「しかし、足が速いわね……」

 

 

神通「……、……」

 

 

神通「……あそこの売店から出てきました、ね。突撃します」

 

 

山城「あいつ、お金も作れるの?」

 

 

海の傷痕【うむ。しかし、そんなこすいことはしないのである。先程、白露のポケットから、これをな】

 

 

神通「お財布をすったんですね……」

 


山城「十分こすいじゃないの……」

 


神通「ここで仕留めます」

 

 

海の傷痕【来たか。ま、ここらで少し相手をしてやるのである】

 

 

神通「……」

 


ドガッ

 

 

海の傷痕【んー、残念。拳を受け止めたのは電話帳なのでセーフである】

 

 

山城「それはどうかしら、ねっ!」

 

 

海の傷痕【!?】

 

 

海の傷痕【拳で電話帳を貫通させるなど、なんという馬鹿力……】クルッ


タタタ

 

神通「また失敗……耐えるのは得意ですが、さすがに自分が情けないです」

 

 

山城「足が速すぎ……あんたいちいちナイーブになるの悪い癖よね。早く追いかけないとまた見失うわよ」

 

 

山城「見失わなければいいのだけど、危ういわね……」

 

 

神通「乙中将の読み通りならば……」

 

 

山城「大丈夫よ。この駅のカメラ映像と私の昔馴染み連中も気取られないように海の傷痕を追跡してるし、出口にも張ってもらっているから。それに」

 

 

神通「どうも、変装してバレないように後を追いかけている時雨さんには気付いていない様子ですね」

 

 

5

 

 

海の傷痕【……】キョロキョロ 

 

 

海の傷痕【さて】

 

 

コツコツ

 

 

海の傷痕【●∀●】

 

 


 

 

 

 

 

 

 

時雨「……、……」

 

 

時雨(……消え、た)


 

時雨(乙さんが、ルール違反はしてくるはずだ、といっていたけど)

 

 

時雨(ロスト現象、かな)

 

 

……………………


……………………

 

……………………

 

 

 

海の傷痕【いいか貴方達、先程伝えたことを、忘れないで欲しいのである】

 

 

時雨(……アライズ現象)

 

 

時雨(しかも……)

 

 

時雨(……3人、いる?)

 

 

時雨(海の傷痕と、誰と誰だろ、う)

 

 

時雨(一人は男性かな……コートの帽子を被っていて顔が見えない……)

 

 

時雨(3人が、別々の出口の方向に……)

 

 

時雨「……、……ま」

 

 

時雨(指示された任務は完遂できた、ね)

 

 

………………

 

………………

 

………………

 


神通「時雨さん、こんなところにいたのですね。見失いましたか?」



時雨「バッチリだよ。ただ海の傷痕はロスト空間に飛んで、人間と思われる人を二人、連れて戻ってきた」

 

 

神通「……読み通りではないのですね。でもこれは+の誤算です、ね。乙中将は街にいる人間二人を資材に建造すると思っていましたから」

 

 

時雨「誰も見殺しにする結果にならなくてよかったよ」

 


神通「それで時雨さん、その3人の姿は?」

 


時雨「僕らが追っていた容姿の海の傷痕が一人」