2021-01-07 15:25:33 更新

概要

平行する別世界の物語  分割版7になります

7.海軍丙事件っぽい?(独自設定添え)……タイトルを付けるとこうなります(泣)

メンテナンス後の保管作業ですm(__)m


前書き

色々あって反省を込めて、サボってました……半年以上たったのでぼちぼちと

需要は相変わらず無いと思いますが、生温かく見てやってください(泣)

チョコチョコ直してはいますが、誤字脱字がな………





千道  「あんた本-----物の大馬鹿者ね!!」


「おまっ!こんな所で本当の事を叫ぶなよ(泣)」


 千道が叫んだ此処は、旧関門坑道…現西日本地区皇国大本営の地下要塞最深部……


「頭に響くだろ(泣)」


千道  「馬鹿は知っていたけど、大規模作戦前に何やっているのよ!」


「痛(泣)耳引っぱりながら怒鳴るなよ(泣)」


千道  「……浜風ちゃん達から口頭で聴いたわよ…裏の作戦どうするのよ?」


「……どうにかするよ…したい……出来るかな(泣)」


千道  「やらかした挙句、後悔するな!……着いたわよ」


 今重々しい扉が開かれた





                         ~~~~~~~~~~~~~~~~







 部屋に入ると左右に分かれて上級将校達が座っていた……正面には会議の議長であろう、あの時のオッサンが座っている


百鬼  「久しぶりだな、千道君」


千道  「はいはい、久しぶり」


 おまっ!……おざなりの挨拶して…しかも躊躇いもなく帝國側に座りやがった!


百鬼  「……一准将も久しぶりだな」


「はい…百鬼大将閣下」


百鬼  「ああ、今回の作戦から階級が上がってね……」


「失礼しました!元帥閣下!」


 げっ!コイツやっぱり元帥になっていやがる(泣)


百鬼  「うむ、まぁ君も座りたまえ」


 当然の様に皇国側の椅子に目線を流される


「はい…失礼します」


  もの凄~~~く千道の視線が痛い(泣)お前は噂のぬいぬい様か!


「……失礼ついでに、もう一つ失礼を重ねますよ」


  ……大体自分はオッサンの流し目なんか趣味じゃない!


「自分は此処に座りますので…」


  部屋の中央にデ―ンと椅子を置いて座ってやった


「失礼しました、会議を始めて下さい」


  やっちまったな……どうにかなるか………したい……出来るかな(泣)






                      ~~~~~~~~~~~~~~~~







皇国中将「なんだ!貴様!たかだか下級将官の分際で!!」


三笠  「大将!彼は我が帝國海軍…艦娘の提督であると同時に貴殿達の将官でもある…立場的にもその位置が妥当ではないか?

     ……ですよね…百鬼元帥殿?」


百鬼  「そうだな…構わん、座りたまえ…!」


  さっすが三笠姉さん、ナイスフォロー!


「あ、ありがとうございます、三笠長官」


  あっあの馬鹿噛んだ……ビビル位なら最初からやるなって……


百鬼  「でだ、一准将…今回の作戦に何か考えでもあるのかね?」


千道  「はいはい!ありますぅ!その作戦で、大和ちゃん達を特攻させるって何なの?挙句に私の雪風ちゃんに徴収命令まで

     出しちゃって!頭に馬と鹿でも飼っているの!?多頭飼いしちゃっているの!?」


皇国中将「煩いぞ!それも作戦上必要だからだ!女子供は黙って作戦に従え!!」


千道  「その女子供の艦娘ちゃん達に頼っているのは誰なんですか?!この中途半端禿!」


敷島  「静まれ!互いに罵り合っては話が進まん!!」


 敷島の姐さんに言われたから黙ってあげるわよ!………なんでアンタが頭を気にしているの?


皇国大将「まぁそれに関しては、鹿屋基地司令の艦隊が、支援艦隊として出るのだから、実質戦力増強に繋がった訳だからな……

     協力感謝するよ」


 うっさい簾禿!あんた等の為に動いた訳じゃないの!………だからなんでアンタが頭を気にしているの?


初瀬  「……小さく…声が出ているわよ?」


 はい、ごめんなさい………良く聞こえたなアイツ………


皇国大将「おかげで、横須賀の精鋭連合艦隊で沖ノ島海域も攻略できるしな」


初瀬  「……意見…具申…戦力分散は避けるべき…かな」


 そうだぞ?有難~い初瀬お姉様の言う事を良く聞きなさいよ?斑禿……だからアンタじゃない!


皇国中将「攻めれる時に攻めるのは当然だ!戦力分散の愚?大湊警備府を空にしている貴女に言われたくはないな!」


八島  「大湊は国後ちゃん達が指揮をとっているし、皇都は富士ちゃんが今もいるし、近海警備もわたし達舞鶴の艦娘でやっているよ?

     …それとも何か困るのかな?北方で?何をやるのかな?」


 ナイスツッコミ!流石八島お姉ちゃん!カツラ禿にお返しね!………流石にアンタが被ってないのは解るから……


皇国大将「……そこまで理解しているのならば解るだろう?貴様達が南西諸島、沖ノ島海域に集中するのだ……当然ながら深海棲艦共も

     そちらに集まる!元々手薄な北方海域が更に手薄になるからな……そこを我々皇国軍が奪取するのだ!」


 ついにゲロッたわね!このつるッ禿!!でもそれだけじゃ無いでしょう!?


「………だからこそ折角集まった深海棲艦達を逃がさないために……北方海域以外の場所の早期撃破もしくは全滅は困りますよね?

 その為の保険……薩摩、安芸両名誉元帥隷下の残存兵力に玉砕命令を出すのですね?」


 よしよし!良く言ったわ!アンタ馬鹿からバカに格上げよ!さぁ禿どもにギャフンっていわせる"転"作戦を言うのよ!


百鬼  「そうだ、それが"天"号作戦の第一号から第四号案だ……よって各人の一層の努力を期待する…なお……」


 あれ?何であんなに余裕なの?………まさかおじ様が?!


百鬼  「この作戦は軍令を持って実行される……軍令だ!作戦を阻む行動は、いかなる行動も許されぬ!」


 ………やられた…軍令を出されたら、帝國側だろうと皇国側だろうと関係無い……本物だろうが偽物だろうが………


「……………はぁ(泣)……富士校長ここまで読んでいたのかな(泣)…夢の恩給自堕落御気楽生活が(泣)……」





                      ~~~~~~~~~~~~~~~~






百鬼  「……一准将、何か言ったかね?」


「いえ、なにも?それに軍令には軍人としては逆らいませんよ……ただそれを守るためにいくつか確認したい事がありますが」


百鬼  「……言ってみよ、それで納得してくれればな」


「納得するのは自分ではないのですが……まぁいいでしょう…では一つ目、その"天"号作戦の軍令発布は、自分が皇国海軍准将に任官する

 前ですか?後ですか」


百鬼  「……後からだが、記録上は軍令発布が吉日になっておる……作戦内容の記載上、当然軍令の方が優先度が高いのだから、多少の

     齟齬は無視できるとしても、同時期とみなすな」


「前後約一ヶ月ですね…解りました…ありがとうございます……次に三笠長官…帝國海軍総司令長官に確認します……自分の事をいつ

 知り得ましたか?」


三笠  「……個人的には富士からだな…話しは聞いてはいたが詳しくは知らない……公式には海軍航海士官学校卒業時……つまりは

     卒業生に対して士官階級を付与した時だな」


「海軍航海士官学校卒業時ですね……解りました、ありがとうございます……」


皇国大将(つるっ禿)「それらがどうしたと言うのだ?貴様も軍人ならば命令に…更には軍令には絶対に逆らえないのだろう?」


「……今回のこの軍令に該当しない者もおりますが……それは何者ですか?……あっ、因みに最後の確認です」


百鬼  「……当然軍人以外だが…貴様軍人を辞める気か?そんな事しても無駄たぞ?」


千道  「あんた軍人辞めて、叢雲ちゃん達も捨てて、また逃げる気なの!?」


「両方ハズレ……残念な事に自分は軍人なんだよな(泣)……"陸軍"士官試験に落ちて、替わりに"海軍"航海士官学校に何故か入って

 しまった……陸軍士官不適格者だったんだよね~残念ながら(泣)」


一同  「「「「「「「「「陸軍だと!?」」」」」」」」」」」


「そうですよ?…下士官とはいえ自分は陸軍にも所属してまして……その軍令は"海軍"の天号作戦に対してのみ発布されたものですよね……

 よって…《陸軍としては、海軍の作戦には断固反対である》……と言える訳です」


皇国将官(ハゲヅラーズ)「貴様!陸軍の…しかも下士官の分際で我等海軍を騙したのか!!」


「騙してないですよ?勝手に勘違いなさっただけではないですか?ろくに調べもせずに…将官の階級まで自分にあげちゃって…

 あ~あやっちゃった……ですよ?」


百鬼  「……別に問題は無い…貴様一人が反対した所で、この軍令に従った作戦自体は変わらない」


「そうですか?明らかに"自分"という不純物が入っていた物がですよ?……果たしてそれは陛下の意思に沿っているのか……まさかとは

 思いますけれど……畏れおおくも、それを利用したんじゃないかな~って考えてしまうかも知れません………よね?」


三笠  「……そこまでだ…一准将……もう十分だ…」


「……わかりました……」


三笠  「済まぬが貴様を逮捕する」


百鬼  「まて、そいつは我等皇国海軍が始末する」


三笠  「いいえ……今回の件は我等帝國海軍の不始末で御座います…百鬼元帥殿には迷惑を懸けてしまい申し訳御座いません……

     こやつには我等の軍法会議にかけ、然るべき処置を取らせて貰います」


千道  「不満かな?三笠お姉さんが頭下げているんだよ?不満だったら私が直接おじ様に聞いて来るけれど?」


百鬼  「解った好きにしろ……だが軍令の天号作戦は確実に実施してもらうぞ?」


三笠  「当然だ、より確実な戦果を期待して貰おう……帝國海軍諸君…一准将を捕縛せよ!」





                       ~~~~~~~~~~~~~~~~






千道  「さ~てと!……今から帝國海軍の軍法会議を、はっじめるよ~ん!」ピコピコ!


「うわぁ………一番中立を無視する、やっちゃイケない奴が議長かよ(泣)」


千道  「五月蠅い!(ピコピコ)私が法律だ!!」ピコピコピコ!


「……こんなピOピOハンマーが似合う奴に自分の処遇を決められちゃうのか(泣)」


千道  「五月蠅い!(ピコッ!)尋問はお姉さま達が執り行う……バカはバカなりに正直に答えよ!」ピコピコ!


「はいはい……ううっ弁護士すら居ないなんて(泣)」


八島 「じゃあ私から、貴殿は三箇所の階級を持っているけれどなんでかな?普通貰う時に言うよね~?」


「それは自分は劣等生ですので……複数の階級があれば、一つは少ない額ですが…数があればそれなりに足しになるかと」


千道  「アンタのくだらな~い夢の恩給自堕落御気楽生活ね……まぁそれも潰えたけど」ピコピコ


「(泣)」


初瀬  「…質問……貴方…此処に来る前に艦隊を…朝日ちゃんに預けたわね?……何故かな?」


「預けた訳ではなく、ただ返しただけです……本来ならば彼女達は自分の所に来ては駄目なのは……お分かりですよね?」


千道  「そうね(ピコッ!)身分を偽って~叢雲ちゃん達を騙してこき使ってたもんね」ピコピコ!


「いや、むしろこき使われたのは自分だけど(泣)」


敷島  「ならば、自らの行いを正す為に、全てをあの場面でぶちまけたのだな?」


「そうですよ……元々責任感もやる気も無いのに…今まで無理やりでしたからね……元を言えば富士校長に乗っけられて浮かれて

 いただけですし……」


千道  「確かに気力、体力、根性(ピコピコ)、愛嬌、勤勉(ピコッピコッ)、筋力、知力、(ピコ!ピコ!)すべてにおいて無いもんね」ピコピコピコ!


「少しはあるだろう?余りにも酷すぎる(泣)」


三笠  「……ふむ…ある程度は一貫性はあるな……では"転"号作戦はどうなる?いや、どうするつもりだ?」


「……帝國海軍としては威光に少々傷を負いますが、命さえ助けて貰えるならば単独でやりますよ…後の罪は全部被りますので……」


千道  「なるほどね(ピコッ!)つまりは取引って奴ね」ピコピコ


「そうだ、取引だ……はっきり言って悪く無い筈だけど?上手くいけば丸く収まる、自分が失敗しても、南海区の生き残りを助ける為の

 時間稼ぎが出来る筈」


千道  「………はぁ…やっぱりアンタ馬鹿よね……」


「?馬鹿は自覚しているけれど…何なの?その心底がっかりな感じは?」


千道  「アンタはどう頑張っても"提督"なのよ…残念ながらね」


「いや、だから!散々説明したよね?……自分は駄目だよって?」


三笠  「だがな………一准将は"こちら"の世界で着任した、唯一の"提督"なのだよ?」


「……はい?……いやいやそこに居る千道もでしょ?」


千道  「残念ながら私は提督では無いのよね……こんなにお姉さま達や艦娘ちゃん達が好き好きなのに!!」ピコピコピコピコピコピコピコピコ!!!


「痛…くはないけれどうっとおしい(泣)」

ピコピコピコ!ピコピコピコピコピコ!ピコ!ピコピコピコ!


三笠 「千道司令は余りにも両方の世界の関係が深すぎる……むしろ我々に近い存在なのだよ」


「えぇぇ……色々反則な訳はそれが原因ですか(泣)」

ピコ!ピコピコピコピコピコ!ピコ!ピコピコピコ!ピコピコピコ!


三笠  「そうだな…まぁもっとも一提督は、富士の手助けが無くとも提督になっていたかも知れないが」


八島  「あー確かにね~」


初瀬  「…うん…朝日さんもそう言って…悔しがってた……」


敷島  「まぁ、こちらの世界ではあんまり居ないタイプだからな!」


「……どういう意味ですかな?」

ピコピコピコ!ピコ!ピコピコ!ピコピコ!


三笠  「何、簡単な話だよ、"こちら"の世界に興味を持つ、それが第一の条件だ」


「………ぎゃー!!つまり自分の好奇心が、見事にその条件に嵌ったと(泣)」

ピコ!ピコピコ!ピコ!!ピコ!ピコピコ!ピコ!ピコピコ!ピコ!!ピコ!!ピコ!ピコピコ!ピコ!!


千道  「疲れた……えっと、つまりいくらアンタがどうこうしても、一度"提督"になったら逃げられないのよ?」


「……はい?…いやいや、だって自分、階級もぺーぺーのへっぽこだよ?」


三笠  「"提督"だから関係ない」


「人間的にも色々問題ありまくりだよ?」


初瀬  「…"提督"だから……大丈夫」


「怪我させちゃったり、指揮が拙かったりして、何かしら、しでかしちゃうよ?」


敷島  「我々は武器であり、武人だ!"提督"に着いていくだけだ!!」


「結構色々犯罪者だよ?つんつんして反応見ちゃったり…」


八島「  あ~んまりやって欲しくないけど、"提督"だし~」


「……今、自分の艦隊解散して、居ないけれど?」


千道  「本当に馬鹿ね……アンタが"提督"なのよ?アンタの艦隊はアンタにしか動かせないのよ?」


「………あれ?ひょっとして今回の事って……」


    「「「「全てが無駄だった事、だって"提督"だから」」」」


千道  「ついでに言うと"転"号作戦は"提督"のアンタが発案した作戦だから"提督"であるアンタの艦隊でしか出来ないわよ?」


「…………(泣)…いいもん(泣)……こうなったら(泣)……やってやる(泣)(泣)」


千道  「じゃあ、ちゃんと、叢雲ちゃんに謝りなさいよ?」


「むりりぃぃぃぃい!!肉体的、精神的、提督的に痛めつけられるぅぅぅぅぅうう!!」





                     ~~~~~~~~~~~~~~~~





富士  「ふむ、大分時間が懸かったが、ようやく自覚したか………しかし、だな……」





                      ~~~~~~~~~~~~~~~~






朝日(高速会話)「ま~だま~だだねぇ~、だって、まだコチラノセカイがあるからね~」





                      ~~~~~~~~~~~~~~~~






「誰か!このエンドレスで、メビウスの輪な、無限ループな自分を助けてくれ~~~(泣)」





                     ~~~~~~~~~~~~~~~~





「……で、何時まで監禁する気なの(泣)」


千道  「あんたの督戦艦が来るまでよ」


「……督戦…艦て……そのままじゃないか(泣)」


千道  「何でもこなせる優秀な秘書艦が居てくれて良かったわね?」


「……連絡入れたの千道だろう?…… 叢雲怒ってたかな?」


千道  「………流石に同情するわ………」


「出して(泣)今すぐ出して(泣)死ぬ前にあんな事やこんな事やそんな事をしたいの(泣)」


千道  「五月蠅い!黙って辞世でも考えなさい!」


「……《我が生涯、一片の幸無し》……考えた!考えたから今すぐ出してね(泣)」


千道  「……こんなのが帝國海軍の提督だなんて…恥ずかしすぎるわね……」



       コンコンコンッ



????「失礼するであります!」ドア オープン


「………今だ!」ダッシュ!


あきつ丸「?……おお!分隊長殿!お久しぶりであります」テクビツカミ


「この痛みは(泣)あきつ丸君!なんで君が!?」テクビヒネラレ


千道  「あれ?あきつ丸ちゃんと知り合い?」


あきつ丸「そうであります!陸軍騎兵捜索実験分隊に所属だった時の分隊長であります!」カンセツ キメキメ


「な゛ぁ゛ー!痛い!痛すぎる(泣)」カンセツ メキメキ


千道  「そうだったのね…しかしこいつの扱い随分上手いわね?」


あきつ丸「分隊長殿はよく脱柵しておりまして、それを捕まえるのがあきつ丸達の仕事でもありました」

 ヤメテ! モゲチャウ! ギャァァァァァ!!


「何処に居ても馬鹿はバカだった訳ね……ところで持ってきてくれた?」


あきつ丸「そうでありました!陸軍の軍令をお持ちしましたのであります」

 タイジュウカケナイデ! マジデシンジャウ! ニョォォォォオ!!


千道  「………良し!これで"転"号作戦も発動できるわ」


あきつ丸「"転"号作戦?なんの話でありますか?」

 アイエー?! サソリノー! ノーサソリ! ラメェェェェエ!!


千道  「この馬鹿のために必要なのよ……しかし本当に弱いわね」


「あきつ丸君の間接技をなめるな!?物凄く痛いんだよ?!四十八個もあるんだよ(泣)」 メキメキ


あきつ丸「これも全部逃げる分隊長が悪いのであります!因みに一緒に居たまるゆ殿は、五十二の特効技を極めているであります」 キメキメ


千道  「はぁ…陸軍もこんなバカ飼ってて大変だったのね……あれ?」



    廊下を走ってくる音と共に、



まるゆ 「敵襲です!陸戦経験者は所属問わず九州側に集合です!」ドア バクハツ!


「まるゆ君、お久しぶり」キメラレ


まるゆ 「あっ分隊長?お久しぶりです」バクダン トリダシ


「逃げれないから!条件反射で手榴弾出さないで(泣)」


千道  「挨拶は後にして!まるゆちゃん、敵襲ってなに?」


まるゆ 「は、はい!九州側から深海棲艦が上陸強襲、今、敷島総監が迎撃指揮をとっています!」





                    ~~~~~~~~~~~~~~~~






敷島  「下がれ!応急陣地まで下がれ!」


「敷島総監!!」


敷島  「一提督!それに千道司令にあきつ丸…まるゆも来てくれたか」


「状況はどうですか?相手は?」


敷島  「あいつ等だ…姿形はPT小鬼群に似ているが、魚雷の替わりに小火器を装備しておる」


 硝煙を影に、チョコマカ動いている姿は……確かに小鬼に似ている


「……深海棲艦の内火艇や陸戦隊の類の新型?」


敷島  「恐らくな……出元は貴殿達が相手した新型深海潜水空母からだろう」


「あちゃー(泣)だったら地上火器とか効かないじゃないですか(泣)」


敷島  「そうだ、兵達では刃がたたんし、我の武装では坑道ごと潰してしまう」


「初瀬大将は?……超特化型防空戦艦の水平機銃掃射ならば、威力的にも丁度良い筈ですが?」


敷島  「…初瀬達は本州側だ……百鬼元帥達の撤退援護をしている」


千道  「自分達だけ助かりたい為に、お姉さま達をこき使いやがって!」


「……………」コソコソ


千道  「逃げるな!あなた陸軍でしょ?なんとかしなさい!!」


「無茶言うなよ(泣)……そうだ!あきつ丸君、まるゆ君……アノ小銃を持っているか?」


あきつ丸「当然であります!」妖精型三八式騎兵銃装備!


まるゆ 「騎兵銃は陸軍騎兵捜索実験隊の命です!」妖精型三八式騎兵銃装備!


敷島  「ん?それは……妖精の力が入っているのか?」


「この二人は陸軍騎兵捜索実験隊にいました……その時に妖精さんが作った兵装です」


千道  「だったらあいつらに効くじゃない!私にも貸して!」


「無理だよ……妖精さん作の、人間が使っても有効な銃は一丁しか作られていない」


 ………腰に下げた将官儀礼用の軍刀がやけに重い(泣)


「自分達人間は…深海棲艦には物理的に直接ぶん殴れる軍刀くらいしか妖精さん作は使えない(泣)」


まるゆ 「分隊長はこれを使って下さい」妖精型四四式騎兵銃ヒョイ!


「……これは大佐のじゃないか?なんでまるゆ君が!?」


まるゆ 「大佐の…連隊長の形見です……最後に会った時に頂きました」


千道  「ねぇねぇ…それは深海棲艦に効くの?」


「………効く筈…実際には艦娘である…まるゆ君やあきつ丸君に効くために作られた物だ」


敷島  「なるほど…督戦、処罰用か?」


「そうですね…だから大佐が持っていたのですが……」


敷島  「詳しく聞く時間は無いな…一提督、三人で敵殲滅は可能か?」


「えっ!いや「可能であります!」ちょっと待って「大丈夫です!」くださいよ(泣)」


あきつ丸「さあ今こそ進軍ラッパを鳴らすのであります!!」


まるゆ 「明け方の広野に勝ち鬨を上げるのです!!」


「嫌だ!戦場も戦闘も自分は呼んでいない(泣)」







                          ~~~~~~~~~~~~~~~~






あきつ丸「突撃!突戦!突貫!であります!!」


まるゆ 「爆破!爆砕!爆発!まるゆ、がんばりま~す!」


「だから死んじゃうって!放して!(泣)」

  

あきつ丸「分隊長殿!敵は卑怯にも物陰に隠れているのであります!」


まるゆ 「手榴弾で爆破させますか?火炎瓶で燻り出しますか?そ・れ・と・も」



  運貨筒から複数のダイナマイトと対戦車用の地雷をゴーグルや腰周りのバラストに付けて行く



まるゆ 「爆弾三「やめて(泣)いろんな意味で危なすぎる(泣)」突破ですか?!」


あきつ丸「正に大「だからあらゆる意味での爆弾発言はやめて(泣)」であります!!」


「小銃擲弾出して……自分が撃つよ(泣)」


 ……これ以上二人を喋らすと色々本当に危なすぎる(泣)


「上手くいってくれよ……」



  小銃を構え、息を吐き、錆付いた勘だけで引き金を引く


  撃ち出された擲弾は、瓦礫に弾かれ、コロコロと子鬼が居る物陰に潜り込んで爆発する



あきつ丸「相変わらず判断に困る腕前であります……」ZIP! ZIP! ZIP!

     イ゙イ゙ッ…!イ゙ィーッ……!


「……も、もちろん狙ったよ?」


まるゆ 「とにかく敵を駆逐しましょう!」POW! POW! POW!

     キュゥゥッ キュゥゥ…





                        ~~~~~~~~~~~~~~~~






千道  「あの二人、艦娘ちゃんの動きじゃないわね……」


敷島  「陸軍生まれな為か、大陸の同胞に似ているな……」


守備兵 「敷島総監!千道司令!大変です!」


敷島  「どうした!落ち着いて報告しろ!」


守備兵 「関門海峡上に新たな深海棲艦出現!皇国大本営は真下の関門坑道要塞を爆破放棄し、敵殲滅を狙うそうです!!」


千道  「なんて馬鹿なの!?たかだか数隻の深海棲艦の為に本州と結ぶ補給線を潰すの!?……私止めてくる!」


敷島  「いかん!もう間に合わん!先に負傷者を連れ出し外に出るのが先決だ!!」


千道  「う~~~~~!!負傷者は何処?手の空いている者は手伝いなさい!」


敷島  「こうなっては崩落も気にしていられんな、私も前に出るぞ!」






                          ~~~~~~~~~~~~~~~~







あきつ丸「動く奴は深海棲艦!動かない奴は訓練された深海棲艦であります!」ZIP! ZIP! ZIP!

     イ゙イ゙ッ…! イ゙ィーッ イ゙ イ゙ッ キュゥゥッ キュゥゥ…!イ゙ィーッ


まるゆ 「殲滅!殲滅!!せ~ん~め~つ!!!」POW! POW! POW!

     キュゥゥッ イ゙イ゙ッ…! キュゥゥッ キュゥゥ… イ゙ィーッ イ゙ィーッ !


「……なんか色々溜まっていたのかな(泣)」


敷島  「……どうだ?一提督」


「あ~何と言うか…順調です(泣)」


敷島  「そうか…こっちは色々拙い事がおきてだな……なのだよ」


「カクカクシカジカな感じですか……自分は敷島総監の考えを支持します…残りは敷島総監の主砲で一掃、脱出出来ます」


敷島  「わかった、此処はまかせろ…そちらはどうする?」


「自分は千道達の手伝いに行きます…あの二人は……」


あきつ丸「アハハハハハハハハハハハハハであります!!!」

     ZIP! ZIP! ZIP!ZIP! ZIP! ZIP!ZIP! ZIP! ZIP!ZIP! ZIP! ZIP!


まるゆ 「クックックックックックックックックックックックックッ!!!」

     POW! POW! POW!POW! POW! POW!POW! POW!


「……主砲を打ち込めば止まるかと……というか、止めてください(泣)」


敷島  「わかった、何時爆破が始まるか解らん、前兆があったらすぐに引けよ?」






                        ~~~~~~~~~~~~~~~~

                                                              





初瀬  「……制圧完了………」


大将(斑禿)「ふんっ!北方のチビ姫の相手をするだけはあるな」


中将(中途半端禿)「使えない豆鉄砲も、こうゆう時は使えるのだな」


初瀬  「……………」


八島  「仲間をディスっている暇があったら、とっとと逃げたら?」


中将(カツラ禿)「戦略的避難だ!我々には、新型と思われる深海棲艦を何とかしないといけない」


三笠  「それは私達に任せて貰おうか」


大将(つるっ禿)「……関門地下要塞の爆破破棄をもって敵深海棲艦の殲滅せよ、との命令だ」


初瀬  「……無駄です…それでは大事な陸上補給路を潰すだけ……」


中将(中途半端禿)「もう起爆装置は作動している!これは決定事項だ!」


八島  「ちょっと!中にはまだ敷島達が居るのよ?」


中将(カツラ禿)「既に伝令は出している…今頃脱出しておるじゃろう」


三笠  「…百鬼元帥はどちらに?」


大将(斑禿)「安心しろ、元帥殿は既に脱出されておる……貴様等は我等を守って、作戦遂行を見守れば良い」


三笠  「それが大本営の命令な訳ですね…了解しました」


八島  「三笠!?正気なの?こんな馬鹿馬鹿しい事に付き合うの?」


大将(つるっ禿)「こうなったのは、そもそも関門海峡を警備担当をしていた貴様達のせいであろう!?」


八島  「何なの?長良達は天号作戦の為に無茶苦茶な広域哨戒の時間割りの中、一生懸命警備していたのよ!!」


中将(中途半端禿)「結果は無能な為にこうなったのだ……もしやわざと警備を緩めて我等を!」


初瀬  「……それは絶対ない……そんな面倒くさい事をするならば…直接手を下すのが早い……」


三笠  「やめい!!今すべき事は、敵深海棲艦を倒す事だ!責任の擦り合いではない!」



               腰に下げた、一振りの刀を抜く



三笠  「それとこの刀に刻まれし言葉は我等艦娘達の魂の源だ!邪推で姦智は謹んで貰おうか?」






                       ~~~~~~~~~~~~~~~~

                             




叢雲  「何なの?馬鹿を引取りに来ただけなのに!」


足柄  「噂の新型、強くは無いけれど、数が多いわね!」


陽炎  「もう!また潜った、また爆雷に変えないと!」


那智  「なかなか面倒だな…後、残りはどれくらいだ?」


親潮  「解りませんが、此処にいるのはそう多くはない筈です」


黒潮  「叢雲姉さん達の御蔭で、大分減ったからな~」


神通  「…そうやって油断していると……」


26  「ぷはぁ!大変大変大変!下から子鬼が一杯来たよ!」


那珂  「またまたファンが増えちゃった!」


川内  「多分…北の方にいる長良ちゃん達から逃げてきた奴じゃないかな?」


叢雲  「色々まずいわね…こんな時に!」





                           ~~~~~~~~~~~~~~~

                            





「千道!あれで全員か?」


千道  「そうよ、さっきの人達で最後よ!後は確認しながら隔壁も閉めてきたわ」


「流石だな…伊達に司令を名乗っていないな」


千道  「当ったり前でしょ?さっすが美人で有能な私ね♬♪」



        と、同時に奥から響く爆発音



「……おま…変な事言うから…もう爆発しちゃったぞ(泣)」


千道  「なんでよ!あの大天使古鷹ちゃんすら認める、超絶女神で容姿端麗の完璧美人でしょ?!」



        重苦しい水音と共に、笑い声が響いてくる…

           キャッハハ…キャハハッキャッ……キャハハ………



「……そんな事言ったから……ほら…笑われているぞ(泣)」


千道  「ちょっと!?なんで?!おかしいでしょう!?」


「とにかく逃げるぞ!流石に水の中では子鬼相手でも厳しい…」


千道  「後は頼んだわ!そいつらに私の美しさを教えてあげる名誉をあげるわ!」


「逃げ足早!ちょっと待って?!」キャッハハ!!


   かろうじて、折り畳んだ騎兵銃の刺突型銃剣で受け止め、振り払う


「危な(泣)あれ?これって……」


   足元の海水が徐々に増えていき、それに比例して子鬼の笑い声が増えている…


「……もしかしなくても…自分大ピンチじゃないのかな(泣)」






                          ~~~~~~~~~~~~~~~~          






長良  「だめよ!江風!涼風!さっき深追いして逃がしたの忘れたの?!」


涼風  「てやんでぇー!目の前の深海棲艦は倒せれば良いだろう!」


江風  「そうだそうだ!改白露型の力見せてやるぜ!」


海風  「二人共良い加減にしなさい!その失敗が更なる失敗に繋がるのよ!」


江風  「わりぃ……つい頭に血がのぼっちまったぜ…」


涼風  「すまねぇ…長良悪かったよ…」


長良  「大丈夫よ、まだ挽回できるわよ」


海風  「長良さん!あそこ!」



  始めは新型の深海棲艦が揺れているだけだったが、徐々に大きな渦潮となり、吸い込んでゆく



長良  「あの位置は要塞の所…爆破して深海棲艦を引きずり込む為に爆破処理したの?!」


江風  「あのまま突っ込んでいったら……危なかったぜ……」


涼風  「流石に深海棲艦と心中はぞっとするな…」


海風  「良かった……巻き込まれなくて」


長良  「……!警戒を緩めないで!相手は潜水能力もある新型よ?あれでは圧壊は難しいわ!」






                       ~~~~~~~~~~~~~~~~          







「だぁ~(泣)あの女しっかりと最短距離以外の隔壁を降ろしてやがる(泣)」


  片手で隔壁を開けるハンドルを回しながら、もう片方の騎兵銃で子鬼を威嚇する


「早く早く(泣)来るな来るな来るな(泣)」キコキコキコキコキコ!!


  逃道を間違えた自分!開くのが遅い隔壁(泣)迫り来る子鬼!増えてくる水かさ(泣)


「神様、仏様、八百万神に、後、この場に出しても笑って許してくれる神様達!助けて(泣)」キコキコキバキッ!


  そんな願いは通じず……無常にもハンドルが折れてしまった(泣)


「\(ToT)/」


  ………文字通り膝から崩れ落ちる


「……せめて死ぬ前に…叢雲達に謝……あれは?」


  隅っこに転がっているアレは……


「…これはワンチャンスあるかな?」





                        ~~~~~~~~~~~~~~~~          







あきつ丸「敷島殿…主砲は痛すぎるのであります……」


まるゆ 「うぅ~タンコブ出来ちゃった……」


敷島  「済まぬな、だがこれでも大分手加減したのだぞ?」


あきつ丸「大丈夫であります!陸戦で鍛えたこの身体!そうそう壊れないのであります!」


まるゆ 「まるゆも唾をつければ…ほら、元通りです!」


敷島  「むぅ、そうか……あれは千道司令?」


千道  「ゼェゼェ……敷島姐さん!関門地下要塞爆発しました!」


敷島  「千道司令が此処に居るという事は……全員無事だな?」


千道  「あのバカは殺しても死なないから大丈夫でしょう!それよりも深海棲艦です!」


敷島  「……やはり無理だったか?」


千道  「そうですね、現に爆発に紛れて要塞内に入った子鬼達はより活発化している感じでした」


敷島  「ならば海岸に下りて待ち伏せしよう……三笠達にも連絡し、浮いてきた所を十字砲火で仕留めるぞ!」






                      ~~~~~~~~~~~~~~~~          






初瀬  「……三笠…敷島から入電…下で十字砲火するって……」


八島  「やっぱりな~あれだけじゃ駄目だったか~」


三笠  「みたいだな…八島、警備している艦娘達にも伝えておいてくれ…往くぞ!」カタナオサメ


大将(簾禿)「ま、待て我々はどうなる?」


中将(中途半端禿)「そうだ!誰か一艦付いててくれ!」


三笠  「………八島、初瀬、頼む、指揮は任せた」


八島  「解ったよ、三笠の分までやっつけてあげるよ~」


初瀬  「……任せて……」





                       ~~~~~~~~~~~~~~~~          







長良  「……解りました!射撃のタイミングを合わせます!」


江風  「ふふン、いいねいいね!これで反対側にも誰か居れば、完璧なんだけどな!」


涼風  「渦の流れに乗れれば行けるんじゃない?」


海風  「その前に誰か来たみたいですね……陽炎さん達と見慣れない方達ですね?」


長良  「……あれは…一提督の艦隊!連絡いれなきゃ!」






                      ~~~~~~~~~~~~~~~~          






叢雲  「……子鬼達を倒して北上したら…また随分と良いタイミングと合ったわね」


陽炎  「ねぇ叢雲、私達向こうに回っても良いかな?」


叢雲  「そうね…渦もまだ収まりそうもないし、火力も長良達の方が薄そうね」


黒潮  「おおきに叢雲はん、親潮もいくで~」


親潮  「解りました黒潮さん!叢雲さん達も、助けて貰いありがとうございます!」


叢雲  「お礼なんて別に良いわよ、あの馬鹿を迎えに来たついでなんだから」







                        ~~~~~~~~~~~~~~~~          







「……良し!何とか中に入れた……意外と広くて助かった…」


  なんとか近くの子鬼達を追い払い、落ちていたまるゆ君の運貨筒に潜り込む


「酸素も十分あるし、無線機も入ってた…電池もあるな…耐圧水密共に大丈夫な筈だ!」


  …キャッハハ…キャハハッ……キャハハ…キャッ…


「……?なんか…いや!運ばれている?!」


  なんかユサユサと、軽い浮遊感と共に、運ばれている感覚が……


「ちょっと待って(泣)何処に行くの(泣)海の底はいやだ~(泣)」


  …キャッハハ…キャハハッ……キャハハ…キャッ…キャハハ…






                           ~~~~~~~~~~~~~~~~      






八島  「渦が収まってきたぞ~そろそろかな?」


初瀬  「………うん…蜂の巣にして…あげるわ」




                       ~~~~~~~~~~~~~~~~ 




陽炎  「ふぅ、なんとか着いたわね」


江風  「よう!陽炎も間に合って良かったぜ!」


涼風  「なんか、昔を思い出すな!」


長良  「おかえり…陽炎達も早く射線について」


親潮  「了解です長良さん、左舷、砲戦用意!」





                        ~~~~~~~~~~~~~~~~ 






叢雲  「……まだかしら?……深海棲艦よりも、あの馬鹿見つけて撃った方が早かったわね」


那智  「そう焦るな叢雲…提督はいつでも撃てる……だろう?」


叢雲  「それもそうね…まぁ渦も収まりそうだし…そろそろ来るわよ」







                         ~~~~~~~~~~~~~~~~ 







あきつ丸「早く!早く来るであります!」


まるゆ 「魚雷は苦手ですが、手榴弾投擲ならば!」


千道  「渦が収まったわ……来るわよ…」


敷島  「何隻か上がってから砲撃を始めるぞ!」






                           ~~~~~~~~~~~~~~~~ 







「……あれ?何か浮いている気がする……」


  いくら聞き耳をたてても…あれほど煩かった子鬼達の声が聞こえてこない


「何だろう?……こう助かっている筈なのに…助かっていないこの感じは……」


  そう、必死に逃げて、逃げて逃げて、やっと一安心した瞬間に叢雲に見つかってしまう……あの感覚……


「……………(泣)……………」




                           ~~~~~~~~~~~~~~~~ 






千道  「……一……二……三……四?あれはまるゆちゃんの?まぁ良いわ…敷島姐さん!今よ!!」


敷島  「良し!全艦全力射撃…撃てぇー!!」


まるゆ 「皆さんと一緒に!」


あきつ丸「さて、進化したこのあきつ丸、本領発揮であります!」






                            ~~~~~~~~~~~~~~~~ 





長良  「遅い! 全然遅い!」


陽炎  「攻撃よ、攻撃!」


涼風  「がってんだ! 涼風の本気、見せたげるぅ!」


黒潮  「ふっふーん。逃さへんで!」


海風  「よく狙って、てー!」


親潮  「当たった? いける?…そう!」


江風  「ふふン、いいねいいね!やっぱ駆逐艦の本懐は戦闘だよなー、いっくぜー!」





                              ~~~~~~~~~~~~~~~~ 





初瀬  「来た…超特化型防空戦艦の……弾幕から逃がさないよ」


八島  「いっくぞ~!当てるぞ~!沈めるぞ~!!」




                              ~~~~~~~~~~~~~~~~ 




叢雲  「追い詰めるわ、逃がしはしない!」


川内  「砲雷撃戦!よーい、てー!」


那智  「敵は右舷だ! しっかり狙え!」


那珂  「どっかぁーん!」


足柄  「10門の主砲は伊達じゃないのよ!」


神通  「魚雷も次発装填済です…これからです!」





                              ~~~~~~~~~~~~~~~~ 





「……うん……知ってた(泣)」

                      



                                 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 





中将(カツラ禿)「ふん!関門地下要塞を犠牲にして、ようやく殲滅できたか」


  カタッ…


中将(中途半端禿)「まったくだな、そもそも深海棲艦の進入を許した時点で処罰は免れん!」


    カタッ……カタッ…


大将(斑禿)「まあ良いではないか、こうして我々の御蔭で深海棲艦共を殲滅出来たのだ…なあ三笠司令長官殿?」


三笠  「………………」カタカタカタッ


大将(つるっ禿)「何を黙っている?一体どうしたのだ?三笠司令長官殿?」


三笠  「スコシ、ダマッテイテ、モラエナイカ?」カタカタカタッ!!


大将(つるっ禿)「み、三笠長官!そ、その目は!?」


三笠  「……!す、すまない…だが、まだ終わっていない…!」



  鍔鳴りする刀と、内なる衝動を押さえ込む



三笠  「我々は関門…いや、馬関海峡で戦っては行けなかったのだ…これは完全に我等の誤りだな…」






                      ~~~~~~~~~~~~~~~~ 







千道  「流石にこれだけ打ち込めば、いちころでしょ?!」


敷島  「………クッ!」


千道  「敷島姉さん?!」


敷島  「わ、ワタシは大丈夫だ、ダガ、艦娘達を急いで下げさせろ!」


千道  「えっ?なんで?だって深海棲艦達はさっきの一斉射撃で…」


あきつ丸「千道殿!アレはやばいであります!」


まるゆ 「まるゆ達は長良さん達の所に行きます!」


千道  「なによ……なにが起きているのよ?」



   徐々に





                          ~~~~~~~~~~~~~~~~ 






初瀬  「……あれは…あの娘と同じ…駄目!!」


八島  「確かにヤバ目だね~…ちょっとしくじったな~」



       硝煙が……




                           ~~~~~~~~~~~~~~~~ 





26  「やだやだやだ!もう、ミナゾコニ、帰りたくないの!」


足柄  「!?ニムちゃんだいじょ……なに?わたしが眩暈?」


那智  「これは…皆、気をしっかり持て!」


神通  「目が…ナンデ…こんなにマブシイの?」


那珂  「ナカちゃんは、あいどる…路線変更シナインダカラ…」


川内  「二人共しっかり!もう此処は、あの場所じゃないよ!」


叢雲  「…………………………」



             引いて行く……





                           ~~~~~~~~~~~~~~~~ 






千道  「………あれは…なんなのよ!?」


敷島  「場所が悪かった……ここはかつて、馬関戦争の古戦場だった……」




            十字砲火後の……硝煙の引いた海上には、深海棲艦の肉片を集めて盛った、塊があった




敷島  「……アレに名前を付けるとしたら…沿岸砲台古鬼だな…出来損ないだが…奴らが出る条件の一つを揃えてしまったな」







                          ~~~~~~~~~~~~~~~~ 






「……うん、流石にこうなるとは、知らなかったよ」ミシッ


  外の様子は、無線機越しに大体解ったけれど……


「えっとつまり、凄い砲音と衝撃がしたけれど、何か無事で……」ミシッミシッ


  運貨筒が嫌な音がしている……


「多分、運貨筒と自分が居るから、新型鬼級が完全体にならなくて……」ミシッミシッミシッ


  徐々に音が強くなる……


「不完全な為か、周りの艦娘もその影響を受けて……」ミシッミシッミシッミシッ!


  騎兵銃と自分の身体で、運貨筒を内側から支える……


「……つまり、この状況は……」ミシッミシッミシッミシッ!!


  良し…状況が解ったぞ!


「みっともなく泣き叫ぶ場面だな!…無線機電源良し!…圧壊までは…まだ大丈夫!」ミシッミシッミシッミシッ!!


  我ながらテキパキと……


「出来るか(泣)なんで自分がこんな目に(泣)なんでもするから誰か助けて(泣)」


  無線機に叫んでいた(泣)

 




                          ~~~~~~~~~~~~~~~~ 





叢雲  「……そこに居たのね?」

     いつもより、落ち着いた声が出ている



那智  「叢雲?…ソノ身体ハ?…大丈夫なのか?」



叢雲  「……ええ、大丈夫よ…聞こえなかった?アイツの声」

     私が聴き間違える筈の無いアイツの声



川内  「ノイズが酷くて、聞き取リヅラカったけれど、……」



叢雲  「……間違いないわ、あんた達はそこに居なさい」

     あのナカにアイツが居る、絶対に間違えていない



足柄  「叢雲…あなたは、コノ影響はナイの?」



叢雲  「……そうね、少しアレが煩わしいけれど、無いわよ」

     影響?そんなの関係無い、だって…



叢雲  「やっっっっっっっっと!あの馬鹿を見つけたわ!!」

     私はそんな事よりもずっと、怒っているのよ!!




叢雲「とりあえず、アレから馬鹿を引き摺り出して、メッタメッタのギッタギッタのバッキバキのボッコボコにしてやるんだから!」






                         ~~~~~~~~~~~~~~~~ 






 身体が文字通り、羽の様に軽く

 叢雲 「あの時も、こんなに動けていたら!」

 

 砲弾を、かわし、こちらの砲弾を放つ

 叢雲 「今の私には邪魔にもならないわね!」

 

 取舵をきりながら、魚雷達を放ち

 叢雲 「そんな中途半端な身体には、良く効くでしょ?」


 面舵にきり直し、一気に間合いを詰める

 叢雲 「残念ね、此処ではあなたより、わたしの方が格が上なのよ?」


 右手の愛槍を、寄せ集めている核部分を貫く

 叢雲 「生まれた時と場所と相手が悪すぎたわね……また海の底に沈みなさい!」




                 巨塊はバラバラに沈んでいき、替わりに歪んだ運貨筒が浮かんできた




叢雲  「………………そこね」






                           ~~~~~~~~~~~~~~~~ 






「開け!開いて!開いてくれ(泣)」ガンガンカ゚ン!!


 さっきの耳慣れた砲音!魚雷音!!そして、目の前に突き通ってきたあの鋒先は(泣)


「死にたくはなかった!何でもするって確かに言った!!だけど(泣)」


 アカン!叢雲だけはアカン(泣)


 関東者が、アカンって使って怒られてしまう以上にアカン(泣)


 黒潮さんの言葉回しで、ビクビクして書いていた時よりもアカン(泣)


「だから開いて(泣)とにかく開いて~(泣)」


 祈りは、天空の神に通じ、希望の扉が開かれた!


叢雲  「………………………」(^-^)


 祈りは、水底深く潜り、今絶望の扉も開かれた(泣)


「ごめぇぇぇんなさぁぁぁぁぁい!!」


叢雲  「………………………」(ニコニコ)


「そんな、天使の様な笑顔はやめてぇぇぇぇえ(泣)」


叢雲  「………………………」(クスクス)


「ぎゃゃゃゃああ!自分が悪かったですぅぅぅぅぅう!!」


叢雲  「………………………」(ニッコリ)


「せめて!せめて何時も通りに怒ってよおぉぉぉぉおお(泣)」






                       ~~~~~~~~~~~~~~~~ 






千道  「……あの馬鹿には一番キツイかもね…たま~に、私の五月雨ちゃんと龍田ちゃんもやるけれど…破壊力が違いすぎるわ……」






                        ~~~~~~~~~~~~~~~~ 






三笠  「ふぅ……何とかなったみたいだな……ん?」


皇国将官「「「「……(気絶)……」」」」チーン


三笠  「情けない……いや、むしろ当然か?やはり一提督が特別なのだな」



 初期艦である叢雲に対し、土下座している一提督を見る



三笠  「瘴気の真ん中にいても変わらず、この地に特効を持つ叢雲をも引き寄せる……よほどの将器を持っているのかもな」







                         ~~~~~~~~~~~~~~~~ 







千道  「やれやれね……やっと落ち着いたわね」


「ひょうだにゃ、…うにょけぇるにょは、ひぶんにゃちだけぇだったからにゃ」


あきつ丸「…《そうだな、動けるのは、自分達だけだったからな》と、言っているのであります」


叢雲  「……あんた良く解るわね」


あきつ丸「分隊長殿は良く、処罰を貰っていましたので…これ位いつもの事でありました」


叢雲  「この馬鹿は、陸軍でも治らないって事ね」


「ひょ《処罰していたのはあきつ丸君達でしょ(泣)その前に此処までボコボコに酷くやる?泣くよ(泣)》」デアリマス!


叢雲  「説諭で済ませてあげたんだから、感謝しなさい?」


「にゃ《あれが説諭だったら、それ以上になると、精神的にも肉体的にも無くなっちゃう(泣)》」デアリマス!


千道  「もう喋らない方が良いじゃない?すべてあんたが悪いんだから」


「《(泣)》」デアリマス!


三笠  「叢雲悪かったな…わざわざ来て貰ったのに、後始末までやらせてしまって」


叢雲  「別に構わないわよ、私はこの馬鹿を引き取りに来ただけ……それに動けたのは私達だけだったからね」


三笠  「そうだな…アレを出させてしまったのはこちらにある、済まなかったな」


叢雲  「別に三笠長官のせいじゃないから…私に謝らないでよ」


「にゃ《アレ…仮称、沿岸砲台古鬼でしたっけ?なんで出た時に、ほとんどの者達が動かなくなったのですか?》」デアリマス!


初瀬  「……あの娘は…不完全だったの……だから"建造"された時に…周りに瘴気を……」


「ひょ《ちょっと待ってください!今、"建造"って言いましたか?》」デアリマス


八島  「そうだよ~ん、あれは一種の"建造"だね~、色々手順と条件が滅茶苦茶だったけど」


敷島  「我々艦娘や深海棲艦は色々似ていてな…あれも一つの"建造"手段だったのだよ」


初瀬  「…不完全に深海棲艦化……瘴気の類の拡散して…私達にも影響が出た」


「こにょ《この国に、どれ位そうゆう場所があるんですか?鬼とか姫級とか出て来られると、天とか転号作戦とか言っていられない

 ですよ(泣)》」デアリマス


三笠  「安心しろ、鬼、姫級がでる類の場所は無い……遇ったとしても今回の様な事にはならない、何故ならば……」


   腰の刀を引き抜く


三笠  「我々は…この国の想いで、こちらの世界に生まれたのだ……今回みたく人為的に操作されなければ……我等と同じ艦娘と

     なるだろう」







                     ~~~~~~~~~~~~~~~~ 







「《解りました……正直色々引っ掛かりますが…確実に面倒くさいのでこれ以上聴きません(キリッ)》」デアリマス


千道  「あんた……流石にそれはあんまりじゃないの?」


叢雲  「どうせ色々言っても馬鹿だから、丁度良いわよ」


千道  「それもそうね」


「ひにょ《酷い(泣)》」デアリマス


千道  「まあ、とにかく"転"号作戦が詰めれるわね」ゴソゴソ


三笠  「そうだな、丁度皇国海軍もいないしな」カタナオサメ


千道  「それに、こうして陸軍軍令も、持ってきてもらったし!」バーン!


「ひょ《それ、本当の本当にやるの(泣)》」デアリマス


千道  「や・る・の・よ!そもそもこの作戦を考えたのはあなたでしょ?」


「あにょ《あの時は色々事情があってだな……》」デアリマス!


千道  「言い訳言わない!ね~?叢雲ちゃん」ピラピラッ


叢雲  「そうね、その軍令には、私がアンタの督戦艦になっている事になっているのよ?」


「ひょ《そうでした(泣)つまり自分には拒否権どころか、生存権すらないと(泣)》」デアリマス!


叢雲  「存在権なら許してあげるわよ?」


「《(泣)》」デアリマス!


八島  「まぁとにかく、舞鶴からはこれ以上厳し~かな?新型の出どこが解ったけど、長良達の負担が大き過ぎるね~」


敷島  「五島列島付近だったな……あそこは色々と面倒だから、佐世保が受け持とう」


初瀬  「まだ…来れていない娘が…いそうだしね…だけど…そうすると他に……回せなく…なるよ?」


千道  「そうですよね…南西諸島方面は大和ちゃんと私達の鹿屋の連合艦隊で、沖ノ島海域には横須賀と大湊と教導隊の連合艦隊……」


三笠  「逆に、一提督率いる挺身艦隊に欲しい戦力はなんだ?誰が必要なんだ?」


「…《…作戦の肝となる、速度と隠密性と索敵性に優れ、尚且つ打撃力と兵站性に富んだ編成にすべきなので……》」デアリマス


叢雲  「なら…いらないわね、私達で十分じゃない?」


「いにゃ《いやいや無理だって!此処はわざと多く見積もって、戦力的に無理って言って、作戦を諦めさせる所でしょ!》」デアリマス!


千道  「やっぱり正真正銘の大馬鹿だわ…ま~だ逃げる方法考えているわね……」


叢雲  「無駄なのにね…」


三笠  「多少なら融通は効くが…本当に大丈夫なのか?」






                         ~~~~~~~~~~~~~~~~







叢雲  「速度の方は、朝日達が機関部魔強化しまくったから、潜水艦娘や夕張ですら40ノット位でるわ……装備満載でね」


八島  「魔強化か~朝日ならば可能だね~」


「ひん《信用しちゃうの?確かに出来そうだけど(泣)》」デアリマス!


叢雲  「隠密性は数が少ない方が良いのは当然よね」


千道  「そうね…大艦隊組んで行ったらあっという間にばれちゃうもんね」


「そにゃ《それはそうだけど、命の危険が(泣)》」デアリマス


叢雲  「索敵はニムと大淀がいる上に、うちには初霜もいるし」


三笠  「確かにあの娘の察知能力は高かったな…」


「あにぇ《あれ、不思議だけど、確かだね(泣)》」デアリマス


叢雲  「夕暮れ時に突入するし、更に言うとあの二水戦がいるしね」


「そにぇ《それ言っちゃ駄目(泣)》」デアリマス!


初瀬  「…華と言われた…二水戦……南方海域を…生き残った娘達…」


叢雲  「兵站は明石と間宮さんで十分ね、特に間宮さんの運搬能力は、ドラム缶千個を通常速度で運べるわ」


敷島  「ほう…その力量……給糧艦にするのは勿体無いな」


「にゃ《何故間宮さんだけさん付け?意味は解るけれど…》」デアリマス!


叢雲  「以上よ……何?不満なの?」


「…《…まだ甘いな!叢雲様よ!》」デアリマス


叢雲  「……どういう意味よ?」


「それは《あきつ丸とまるゆ殿も連れて行きたいそうであります!》にゃんにゃの(泣)」


叢雲  「……なんなの、突然」


「ちょ《あと必要なのは、南海区に入った後の強襲揚陸!であります》いってぇにゃい(泣)」


叢雲  「確かにそうね……基地なり泊地を作る時に必要ね」


「にゃ《それに、まるゆ殿は陸戦隊として働けますし、自分も多少ならば飛行機も使えるのであります!》にゃー!(泣)」


千道  「航空戦力に陸戦隊……戦力追加には好条件ね!」


叢雲  「あんた確か、新編した陸軍皇都防空飛行隊長でしょ?大丈夫なの?」


「しょ《大丈夫であります!実は鳳翔殿が全部面倒見てまして…ちょうど暇だったのであります》にょー!(泣)」


叢雲  「まぁあんた達が良いなら別に構わないわ」


あきつ丸「ありがとうございます!であります!」


三笠  「良し!決まりだな、"転"号作戦をこれより発令する!各人の一層の努力に期待する!」


「くぁwせdrftgyふじこlp(泣)UYUYQ@9BYUK3YJLQ@(泣)」


千道  「なに言っているか解らないけれど…凄い気迫ね?」


叢雲  「やっと、やる気になったのかしら?そんな男じゃ無い筈だけど」


 なんなの?自分が居るのに、なんで勝手に決まっちゃうの?


叢雲  「ほら、帰るわよ……皆一応アンタの事心配していたんだからね?」


   …………はい、帰ります(泣)




後書き

黒い歴史がまた一ページ……


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