2021-01-07 18:33:15 更新

概要

平行する別世界の物語  分割版10になります     

10、幻島見ゆ……(前編)………タイトルを付けるならこうなります(泣)

メンテナンス後の保管作業ですm(__)m


前書き

需要は相変わらず無いと思いますが、生温かく見てやってください(泣)

チョコチョコ直してはいますが、誤字脱字がな………





「速い(泣)速過ぎるよ(泣)間宮さん!」


叢雲  「そうね…あのドラム缶の量であの速度……本当に給糧艦にしとくのは勿体無いわね」


「変な考え止めてよね(泣)ここでは数少ないまともな艦娘なんだからね(泣)」


川内  「あー酷いな~…と言う事は、私は数多い、まともではない艦娘なんだね?」


那珂  「川内ちゃんは~太陽が昇るとやる気が下がっちゃうからね~」


川内  「那珂だって、観客がいないとやる気がでないって、いつも言っているじゃない?」


那珂  「私、アイドルですから!」キャハ!


叢雲  「うちの三大馬鹿はほっといて……追いついたみたいね?」


「なんか、一人足りないような……」


叢雲  「アンタの事よ、大馬鹿筆頭さん」


「うん、知ってた……」


叢雲  「器用に穂先で、膝抱えていじけるな!……でも、その体勢なら投げても大丈夫そうね?」


「やめてあげてよね(泣)可哀想でしょ(泣)……よし、この距離なら発光信号でも解る筈…大淀さんお願いします」


大淀  「気付いてくれるでしょうか?間宮さん…」


「駄目だったら一番速力が速い娘に……そういえば誰だろう?」


叢雲  「それくらい把握しときなさいよ……」


「……知っているよ?ただ叢雲を試したかっただけだからね?で、誰かな?」


叢雲  「…やっぱりアンタを投げた方が速いわよね?」


「やめてよね(泣)……正直に言うと、今魔改造タービン積んでいるから誰か解りません(泣)」


叢雲  「そういえば、試験航海した時は、アンタ逃げていたわね……ニムよ」


「えっ!?ニムちゃんは潜水艦だよ?なんで海中にいる娘の方が速いの?」


夕張  「それは私が説明しましょう!そもそも朝日技官が施した魔改造には、多分に相性とかがありまして……」ウンヌンカンヌン…


大淀  「あっ!間宮さん気がついてくれましたね」


「良かった……夕張君の解説が解んなくなる前で…難し過ぎて、危うく寝ちゃうとこだった(泣)」


夕張  「えー…これからが良いところだったのに……」


「後で聞くので…間宮さんの所に行って待っていて下さい」


夕張  「仕方ないですね……では後で五時間程解説しますね」


叢雲  「……三大馬鹿じゃなくて、お馬鹿四天王だったわね……」


「どっちでも良いけれど(泣)……夜も明けそうだし、距離も以外と稼げたし、そろそろ一回体勢を整える便利な所無いかな?」


大淀  「残念ながらこのあたりには無いですね…」


叢雲  「そんな都合の良い場所ある訳無いでしょ?」


川内  「…………丁度この先に行くと、ギリギリ島と言える所があるよ?」


「えっ?あるの?適当にダメ元で言っただけなのに?」


大淀  「海図にも地学的にもなかった筈ですが?」


叢雲  「そうよ?……このあたりは暗礁や岩礁の類もなかった筈よ?」


川内  「それがあるんだよね~……中ノ鳥島って知っているかな?」


「たしか……発見された時と同時に、深海棲艦が出てきたから、未確認な島の名前だった……かな?」


叢雲  「……あそこは確か、最終的には無い事になっていなかったかしら?所謂幻島って奴ね」


「えっ?そうなの?海図には載っていたんだけどな……」


叢雲  「記憶力の無いアンタがよく覚えていたわね…」


「机上演習の時に、千道の補給基地がそこにあったんですぅ(泣)……でもその無い島がなんで今出てくるのかな?」


川内  「中ノ鳥島はこっちの世界では少々特殊でね……似た様な島がこの先にね……まぁいけば解るよ?」


那珂  「え~……あの島寄るの?……那珂ちゃん的には、あんまりお勧め出来ないかな?安全は安全だけど…」


「……もし其処が安全ならば、雷ちゃんも休ませてあげれるし、……それに初霜君も少し気になるしな…」


那珂  「それだったら仕方無いかな?」


「良し!其処に行くか!川内君案内頼めるかな?」


川内  「もうすぐ夜明けだしな……まぁ夜戦の延長と思えば良いか!」


「頼みますよ……本当に(泣)」


叢雲  「流石元祖夜戦馬鹿ね……まぁ良いわ、とりあえず全員と合流してからそこに向かうわよ」





               ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





神通  「……アノ島に行くのですか……」


時雨  「えぇっ……あそこはちょっとね……」


綾波  「……どうなんでしょう?」


夕立  「ぽい?」


「…………なんか二水戦組に不評だけど……そんなに危険な場所なの?」


神通  「危険性はありませんが……その……少々……」


綾波  「なんというか……その~……なんか合わないというか個性が潰されるというか……」


時雨  「安全と言えば安全ではあるけれど……苦手意識のが強くてね……」


夕立  「ぽい?」


暁   「でもでも!そこは安全で体制も整えられるのでしょ?このまま作戦を続行しても不安材料を抱えたままじゃどうにもならない

     じゃない!」


響   「……本当にまれにСправедливоな事を言うんだよね……」


電   「なのです……」


暁   「妹のためなら、お姉ちゃんが頑張るのはレディーである前に当然でしょ!?」


雷   「もう!大丈夫だって!ほら、こんなに元気一杯なのよ!」ブンブン!


26  「あー……そんなにブンブンブンと錨を振り回すと……」


  …………想像通りに錨がすっぽ抜けていき……


「とにかく(スポッと口にホールイン)ムガー!!」


  口を開けた途端、゛へ゛状の錨の先端から、穂先にぶら下がってて上手く曲がってた身体と゛く゛状の食道にナイスイン


叢雲  「ちょ、ちょっと!?」


「むがー!むがむがむが!」


あきつ丸「普段から叢雲殿の酸素魚雷を飲み慣れているから助かった……と言っているのであります」


「ひがうー!(違う!)」


夕立  「ぽい?」


足柄  「もう!話が進まないわ!」


  重巡の力で強引に錨を引き抜こうとするが…錨の爪の返しがそれを許さない!


「ひたい!(いたい!)」


叢雲  「ぐりっと錨を押し込んで、その後ひっくり返したら取れるでしょ?」


明石  「釣針を飲み込んだ魚じゃあるまいし……」


「…………(スポーンッ!)こんな時にこんな事している場合じゃないでしょょょよお?」


叢雲  「こんな所で無駄な奇跡を起こしたアンタが悪いの!」


「(泣)……とにかくその島に寄っていくからね?……もしなんかあっても皆なら何とかなる……筈」


雷  「でもでも!私のせいで……他の戦区の皆が……」


「………大丈夫……どっちみち畝傍さんや補給艦さん達と対峙した段階で自分の責任だからね~」


叢雲  「……珍しくまともな事を……普段からその調子なら良かったのに……」


「常にワタクシは真剣に真面目です!……とにかく川内君が寝ちゃう前にその島に行きたいんだけど……」


川内  「……zzZZZ」


「……静かだと思ったら遅かったか……」


神通  「……仕方ありません……私が案内します……」


「頼めますか?」


神通  「はい……ですが……その……必要最低限の人員のが良いと思います」


「…………案内してくれる神通さんと……どうせついてくる叢雲に、那智君と大淀さんに明石さんにあきつ丸君に暁ちゃん達に初霜君…

 …じゃダメかな?」


神通  「……那智さんと大淀さんは厳しいかと……そこの島自体は安全と言えば安全ではありますが、周りは戦術的に危険区域なので

     ……昨晩の事も考えますと……那智さんが残って指揮を執ってもらい、大淀さんで広範囲に索敵してもらうのがよろしいかと

     存じます」


「なるほど……なら本隊は那智君達に任せて二ムちゃんだな……それならどうかな?」


26  「えっ?私も?」


「一番速いって話だからなー……もしなんかあった時には伝令で往復してもらおうかと……単独で動いて一番安全なのは隠蔽性が高い

 潜水艦娘の二ムちゃんだろうしねー」


26  「……あの泳ぎはもの凄く疲れるのに……」


「なの?」


夕立  「ぽい?」


夕張  「では、私が6時間でみっちりきっちりまるっと説明してあげましょう!」


「さっきより説明時間が伸びてるぅ……とりあえずはこれでいいかな?」


神通  「……ですね……大丈夫だと思います……差し出がましい事を進言してしまい申し訳ございませんでした」


「いえいえ、こちらこそありがとうございました」


神通  「そんな……そんなに丁寧な対応して頂いただけで十分ですし……」


「いやいや、数少ない艦隊の常識枠として神通さんにはとてもお世話になっております」


那珂  「数少ない艦隊の常識枠?」


綾波  「……普段はとてもとても良い艦娘なのは間違いないですね~……」


時雨  「まぁ普段はね……」


暁   「オデコぶつけてからの逆落とし……超肉薄連続砲撃……目隠ししての0.5秒毎での魚雷次発装填……逆立ち縄跳び

     しながらのけつねうどん……」ブルブル


響   「そう言えば暁が一番しごかれてたね……スジがいいとかどうのこうので」


雷   「たまーにレディーから漢になっちゃっているからねー……暁ねぇ……」


電   「なのです……」


「………普段どんな訓練しちゃてるの!?」


叢雲  「まぁ……らしいと言えばらしいかしらね……」


神通  「いえいえ……ついつい甘くしてしまいまして……」


初霜  「神通さんお優しいですから」(ニッコリ)


夕立  「ぽい!」


  ……ついていける駆逐艦娘がその3人だけなら訓練内容は相当ヤバいんだろうなー……


「……まぁともかくアノ島にいきましょうか……他に何か気を付ける事はありませんか?」


  ついつい滅茶苦茶な丁寧語になるけれど動揺してないよ?本当だよ?


神通  「……多分大丈夫だと思います……一緒に来て貰える方達は……私よりそっち方面に向いている筈なので……」


あきつ丸「では、我が大発動艇で上陸するであります!」





                 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





    ε~ε~ε~ε~ 

         廿

        +[二廿廿廿7…………ササッε=ε=ε=叢雲・・)…………叢雲∥彡サッ

~~~~~~~~~~~~~




叢雲  「…………何しているのかしら?」


「…………いや……いつもどこか上陸するたびになんかひどい目にね……」


叢雲  「だからって私を遮蔽物替わりにするな!」ポカッ!


「いたひ……いいじゃないか…………どうせ徹甲弾が飛んで来ても跳ね返せる胸部装甲なんだし………」


叢雲  「土の上で轟沈したいのかしら?」


「ごめんなさい(泣)…………なんか普通の島みたいだけど……」


 ………なんだろう?朝焼けも何だかこうほわほわした空気が流れている


あきつ丸「海岸の砂は花崗岩でありますな…(´~`)モグモグ……?……これは琉球石灰岩に近いであります…………」


「……海岸の砂の目利きをするために食べないでよ…………」


叢雲  「緯度的にもそんな感じじゃないかしら……でもこんな大きい島なら海図にも載っている筈よ」


神通  「ここは忘れ去られた島なので……雷さんや初霜さんを休ませるなら奥にいけば海軍施設がありますよ」


「海軍施設?なんでまたこんな所に……」


明石  「というか、破棄されたとしてもしっかりと記録には残っている筈なのに……こんな所知りませんよ?」


神通  「はい…幾多の世界から忘れ去られた島ですので…他にも忘れ去られてしまう理由はありますが……とりあえず奥に行きましょう」


初霜  「…………」


26  「ねぇねぇねぇ?どうしたの初霜ちゃん」


初霜  「いえ……さっき、あきつ丸さんが海岸の砂が石灰岩がどうこう言ってましたが?」


暁   「?………そうね、珊瑚の貯まった海岸線だったから星の砂もあったわね」


響   「…………」


暁   「何よ響!どうせ暁の事だから……なんで石灰岩の事を知っているとか言うつもり?レディーならそんな知識が

     あっても当然なのよ!」ドャッ


響   「レディーは置いておいて……ここが南の島だって?………響には北方の薄雲かかった島にしか見えないけれど……」


暁   「え゛っ?…ちょっと響!そんな変な冗談でお姉ちゃんをビックリさせないでよ!」


雷   「そうよ響……いくら暁ねぇがまともな事言ったからって……」


電   「なのです……」


「……ちなみに初霜君にはどんな風に見えているんだい?」


初霜  「そうですね……日本海側の風景にそっくりですね……松や杉も生えてますし」




               ピタッと神通君以外の足が止まる




明石  「ちょっと待って……日本近郊以外の太平洋上の島には…杉は自生していないはずだけど?」


初霜  「えっ?そうなんですか?」


あきつ丸「……見た感じの風景で自分もそう思ったのであります……実際に砂を食べたら、全くの別物でありましたが…」


暁   「って言うか、朝焼けに映えるヤシの木に、レディーに相応しいハイビスカスの花だって咲いているじゃない!」


響   「……苔むした岩場と針葉樹しか生えていないけれど…………これは一体…………」


叢雲  「……ちょっとどういうことなのよ?」


 一人先を歩いていた神通さんがクルリっと振り返り


神通  「……それもこの島が忘れ去られてしまった理由の一つです……ここは記憶や時すらさえも忘れ去られてしまった島ですので……」


「時系列とか空間とか記憶とかがバラバラって事?」


神通  「ごめんなさい…姉さんでしたら上手く説明出来ると思うのですが……ただ艦娘にとっては多分最後に見た風景に見えるかと……」


「………それはどっちの…………いや、いいか……どっちみちキツイのには変わりないか……」


神通  「……足元に気をつけてくださいね……そういう訳で見た目と実際の地形が合わないかもしれませんので……」




 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 蚊を手で撃ち落とし、トリプルエースを取ったところで……島の中腹の開けた場所にやっとこさ出てきた


「幾ら生物学的に女性が相手とはいえ………痒すぎる……(泣)」


叢雲  「良かったわね~3回しかないモテ期の3回目が来て」


「まだ好機があるもん………神通さん、あの建物が海軍施設ですか?」


神通  「……そうですね……」


「………なるほどね……これもこの忘れ去られてしまったこの島の現象か……」



    開けた中腹にはついこないだまでの……とても見慣れた建物が建っていた



暁   「……なんで暁達の鎮守府がここにあるの?」( ゚д゚)ポカーン


響   「Что это такое……門扉工事の時の私たちの手形まであるじゃないか……」


雷   「しかも転んだ電の顔拓まであるじゃない!」


電   「はわわわ…しっかりと隠した筈なのです!」


明石  「これは……こうまではっきりわかりやすいのは……」


あきつ丸「……なるほどであります……そういう事でありますか……」


「多分あきつ丸君には騎兵捜索実験分隊の時の兵舎かなんかかな?」


あきつ丸「そうでありますね……もう跡形もない筈でありますが……」


26  「……二ムには山の中腹なのに、何故か三畳式移動鎮守府の執務机しか見えません……」


「二ムちゃんは……まぁ呉軍港からの付き合いだからね……実際の建物が健在かどうか解らないから慎重に入ろう」


叢雲  「そうね……気を付けながら入るわよ」




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「……一応ここが工廠施設だと思うけれど……どうかな?明石さん」


明石  「……一応触った感覚ですと、まだ使えますね」


(小声)「例の朝日さんばりの時間なんたらで解らないの?」


明石(小声)「…それを使ったら今度はあっちのトラック泊地まで行っちゃいましたよ」


叢雲  「朝日が何ですって?」


「さすが叢雲イヤーは地獄ミミ……やめて(泣)殴らないで(泣)」


叢雲  「なら余計な一言を言うな!…ったく、もう……で、雷と初霜の事はその機械で調べられるのかしら?」


明石  「十分かな……ただ雷ちゃんはともかく初霜ちゃんは特殊すぎるからね…」


雷   「だから私は大丈夫よ!」


暁   「ダメよ!大丈夫というならしっかりと検査して暁達を安心させなさい!……じゃないと安心して一緒にいられないでしょ?」


響   「暁の言う通りだよ…しっかりと検査してもらって大丈夫という信頼を勝ち取らなければいけない」


電   「なのです!」


「そうだよ?はっきりさせないとこれから先も連れていく事ができないからね?……取り敢えず雷ちゃんだけでも診てもらおう」


雷   「……わかったわ…………」


「よし!それじゃぁ明石さん頼みます」


明石  「…………」


「ん?どうしたのかな?」


叢雲  「……アンタそのままここにいるつもり?」


「???………あっ」


叢雲  「アンタまさか…………」




「ち、ちがう!誤解だ!…確かにあの数のワ級達と近代化改修したから、雷ちゃんの胸部装甲がどんだけ成長したのかこの目でじっくり

 

 たっぷりねっぷりどっぷりまったりと確認したいと思うけれど!…けっしてあの時挟まれた感触をもう一度出来るかもしれないっていう

 

 甘い期待も無きにしも非ずなのは否定はしません!むしろ期待大!だって男の子だもん!ひょっとしたらっていう万に一つの可能性が

 

 あるならもうね?それに向けての熱いパッションを抑える事ができるのか!?否!できる訳ないのだ!大体自分に限らず、ある意味男の子

 

 というのは大なり、小なり、微なり、巨なり、上なり、下なり、横なり、こう着物の裾からそっと手を入れて包み込むような程よい

 

 大きさなり…と、お胸様には絶対に逆らえないの!…そもそも太古の昔から発掘される土偶にしてもその姿形から極端にウンヌンカンヌン……」




叢雲  「…………で?」(ニッコリ)


「…………ごめんなさい(泣)」


叢雲  「…………それで?」(ニッコリ)


「…………外で正座して説諭されながら結果を待ちます(泣)」


叢雲  「よろしい…………でも今回は戒告ね?」


「ギャー(泣)説諭でも死にかけてたのに、戒告だと三回三途の川を物理的に渡っちゃうの(泣)」


叢雲  「良いから来なさい!」ズルズルッ


「やめて(泣)渡り賃が後、小銭が18文ちょっと足りないの~(泣)」ズルズルッ


叢雲  「大丈夫よ!川だったら知り合いの熱海と二見が安くしてくれる筈だから!」ズルズルッ


26  「…………うちの提督さんの胸に対する意識が高すぎる……」


明石  「……あれはもうね………さぁ取り敢えずさっさと検査しましょうか?」





  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





初霜  「神通さん……顔色が悪いみたいですが?」


神通  「……大丈夫ですよ……初霜さん」


初霜  「……神通さん……ひょっとして前に来た時と、ここの見え方変わってませんか?」


神通  「…………………」


初霜  「………もし変わっているとしたら……もう沈めてしまった娘も許してくれていますよ?」


神通  「初霜さんそれは……今は姉さんと那珂ちゃんしかあの事は知らない筈なのに……」


??  「…………姉さんの口を借りて言いますが…あれは仕方ない事ですよ?…もっと自分を大事にしてください……」


神通  「!!」


??  「あっちでは上手くいった事が……こっちでも上手くいくとは限らないので……まぁでも、生き残った分、どうにか出来る好機

     ですよ?」


神通  「でも……そのお陰で貴女が……貴女が……」


??  「……別のところで好機があるので大丈夫……神通さんはここで…あの提督と共に…………」


神通  「まって!」


初霜  「……ごめんなさい……妹は再び眠ってしまいました………」


神通  「…そう……あのね初霜さん……私はあなたの妹を……」


初霜  「大丈夫ですよ」


神通  「でも!」


初霜  「大丈夫ですよ……またいつか何処かで会えます」(ニッコリ)


神通  「……」


初霜  「ただ……もし会えたとしても今の状態の神通さんに……妹が納得できるとお思いですか?」


神通  「……」


 ………白い二本線の入った蒼い鉢巻きを手に持ちながら


初霜  「……妹が目指し憧れた第二水雷戦隊旗艦………華の二水戦神通は…何事にも負けない筈ですよ?」(ニッコリ)


神通  「……ありがとう……初霜さん」


初霜  「いえいえ……私はなにも……」



               その時建物を揺らす衝撃破と耳障りな風切り音が鳴り響く



あきつ丸「て、敵襲であります!」





           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





                    時間は少し遡って同島沖





那智  「……よし、残った我々でこの島周辺を警備するぞ」


足柄  「その前に(モグモグ)朝ご飯を(モグモグ)食べてからね」(ゴックン)


夕張  「もう食べ終わっちゃってる………」


足柄  「まぁ勝利を手にするためなら早食いは必須よ?」


那珂  「早…食い……人目をはばからず朝焼けを背に立ち食い……だから女子力が……」


足柄  「?(´・ω・)ん?」


時雨  「あっ」


綾波  「あっ」


まるゆ 「あっ」


夕張  「あっ」


那智  「あっ」


夕立  「ぽい?」


大淀  「?」(索敵に集中)


川内  「zzzZZZ……」


間宮  「あらあら、もう食べてくれたのですね?お粗末様でした……でも急いで食べると消化に悪いですし、喉に詰まりやすく

     なりますから気をつけてくださいね?」( ^^) _旦


足柄  「……ええっと…そうですね……ご馳走様でした」ズズッ


夕張  「……間宮さんのお陰で助かったみたいね……」


時雨  「……上手く気を逸らさせている…さすがは間宮さん……」


綾波  「間宮さんもですが…那珂ちゃんさんの敢えて狼の尻尾を踏み抜いていくスタイルも中々……」メモメモ


夕立  「ぽい?」


那智  「……とにかく島を周りながら警戒をしたいのだが……暗礁とかわかるか?……どうも感覚がいつもと違うような……」


那珂  「あー……アノ島の近くだと確かに感覚が少しずつおかしくなっちゃうからねー」


大淀  「そうみたいですね………偵察機からの情報と視覚からの情報が違いすぎます」


時雨  「把握しているのは川内さん位じゃないかな?……僕たちもここには一回しか来てないしね」


那智  「……ふむ……川内を起こすか、それともこのまま大淀の偵察機だけにしとくか………」


夕張  「……おきるかな……この前呉軍港の工廠のボイラーの上でも平気で寝てた位ですし……」


川内  「zzzZZZ……嫌だな~そんなに夜戦が似合うなんて……照れるな~///」ムニャムニャ


那智  「……ダメだなこれは……仕方がない…大淀の偵察機は島の反対側を、残りは我々の目視で周囲を警戒だな」


足柄  「ここを動かないの?………確かに間宮さんとこのドラム缶群を考えると見えない暗礁とかは恐いわね……」


まるゆ 「一応あきつ丸さんの大発動艇の妖精さんとは連絡と航路はハッキリしてますから……なんかあった時も大丈夫ですよ」


夕張  「もう少し時間があればな~……超特大発動艇どころかハバクック式ドラム缶継ぎ足し巨大艀も作れるのに………」


那珂  「流石に無限にドラム缶は出ないと思うし、輸送艦を作った方が早くて安いと思う………」


夕張  「那珂ちゃん!アイドルなのにハバクックの事を知っているのね!……あの思想と設計理論自体は間違いではなかったのよ………

     そもそもウンヌンカンヌン…………」


時雨  「あっ……また……」


綾波  「あー……再び地雷を……」メモメモ


那智  「………今回は時間もあるから助けられないな…」


足柄  「?」


夕立  「ぽい?」


まるゆ 「長くなっちゃいそうですね……」


間宮  「………お昼ご飯までに終わるかしら?」


川内  「zzzZZZ……夜明けまでまだまだ時間があるね///」ムニャムニャ




           カクカクシカジカマルカイテウンヌンカンヌン…ナッガーーーーーイ!




大淀  「………これは!?大変です!アノ島に謎の反応が……艦載機?」


那智  「深海棲艦のか?」


足柄  「そんなに大きな島ではないし…あれから日が昇って、むしろ見晴らしはいいのに、ここからはなにも見えないわよ?」


まるゆ 「……大発動艇の妖精さんからもなにもないですよーって……」


夕張  「ひょっとして深海棲艦側の新たな妨害電波とか?」


綾波  「それでしたら大発動艇の妖精さんや沖にいる私達が目視で見つけられるかと思いますね」


那珂  「(なんか助かった)多分アノ島の影響だと思うけれど……視覚だとハッキリしないからねー」


時雨  「……最後にここに来たのは僕たちだけの筈……川内さん以外でここを見つけられるとは思えないけれど……」


夕立  「っぽい」


那智  「……川内を起こした方が早いな……」


川内  「zzzZZZ…さぁ、夜戦の力…見ててもらおうか……」ムニャムニャ


まるゆ 「おきてくださーい川内さん」ユサユサユサッ


川内  「zzzZZZ……夜戦頑張りまーす……」ムニャムニャ


夕張  「ねぇ流石におきてよ」ユサユサユサッ!


川内  「zzzZZZ……色々な夜戦を試してみてもいいかしら?……」ムニャムニャ


足柄  「ちょっと……これ本当に寝てるの?」


川内  「zzzZZZ……次の夜戦はどこ!?夜戦が、夜戦が!夜戦が夜戦を呼んでいるの!……」ムニャムニャ


時雨  「……出た……川内さん必殺の"寝言で夜戦返し"……」


綾波  「こうなるともう……何してもおきませんね……」


夕立  「ぽい!」


間宮  「………川内さん?夜戦に持っていく携行食ができましたよ?兵糧丸でしたっけ?」


川内  「夜戦!?……なんだ……まだ日が高いじゃない……」ネムイ…


那珂  「川内ちゃんが起きた!」


那智  「……大淀の偵察機がアノ島になんか妙な反応を察知しているんだか……何か解るか?」


川内  「ん~………深海棲艦では無いかな……どっちかというと艦娘っぽいけど…………」


大淀  「……送られている偵察機の情報によりますと……あそこに見える建物を攻撃しているらしいのですが……」


那智  「……あの鎮守府に似た建物か……」


まるゆ 「?簡易の兵舎しか見えませんが……」


川内  「…アノ島は忘れ去られてしまう島だからね…見る者が一番心に残っているのを見せられる島だから幻島なんだよねー」


時雨  「……どおりで前に来た時と様子が変わっていると思ったら…」


綾波  「そんな理由があったんですねー」メモメモ


夕立  「でもでも、まるゆちゃん以外は同じあの鎮守府に見えるっぽい!」


足柄  「流石に時期的に、あの鎮守府を見た事ない筈だからね……」


夕張  「なんだかんだで提督さんが信用されている事にビックリよ……」


那智  「……では大淀の偵察機が捉えているのは何だ?」


川内  「うーん…そればっかりは近づかないとねー…ひょっとしたら私達の後から南海区を脱出して来た艦娘かもしれないしー」


大淀  「………相手が艦娘でも…しっかりとお互いに認識しあわないと把握できないという事ですか?」


川内  「そうだね、お互いあった事もない艦娘の記憶は流石にないからね」


那珂  「………艦載機なんでしょ?…だったら空母系の艦娘じゃないかな?」


那智  「!確かドラム缶群の中に南海区に配属された艦娘リストがあった筈!」


大淀  「急いで探してください!私は艦載機を見失わないようにしますので」


時雨  「……今からこの中を捜すのか………」



                               間宮

                               I

 ▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯

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 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~略~一杯!~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

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夕立  「流石に無理っぽい!」


綾波  「そう言えば私の『地味脱却㊙メモ』に(パラパラッ)……ありました!」


夕張  「誰と誰かしら?」


綾波  「……えっとですね……」


大淀  「……ちょっと待ってください……巨大な飛行物体がこっちに来ます!……えっ!?何かを投下?」


那智  「いかん!我々の認識外からの爆撃かもしれん!各艦対爆対処!」




    何かが艦隊の直上を通り、何らかの影が水面に映ると同時に激しい水柱が立ち上がる




足柄  「クッ……皆!被害報告しなさいな!」


川内  「……爆弾の類じゃないよ……でもこんな方法もあるんだね……昼戦も中々面白いかも」



  

    まだ引かない水柱に向かって魚雷を投げつつ、激しく波立つ水面で構える




川内  「来るよ!単艦で洋上空挺降下して来た娘が………ね?」




    水柱で目くらましになっている筈の川内の魚雷を誘爆させながら、その艦娘が単艦突進して来た




??  「私達は絶対に生きて帰る!だからお前たちはこの海域から出ていけ!!」





                 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 



あきつ丸「クッ……制空権は取られてしまったでありますか………」


??? 「………必死に取ってくれたこの制空権………後は純粋な殴り合いかも!」(荒ぶる鷹のポーズ)


あきつ丸「……こやつ出来るであります…だが陸での格闘戦ならこのあきつ丸……負けやせぬぞ!」(地を這う蛇のポーズ)



     ジリジリと互いに間合いを詰めていく……そこには確かに互いの力量を感じるのには十分な時間と間であった



あきつ丸・???「これは……先に動いた方が負ける!!」カモ!






                 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






「……なんか爆発して、敵襲だというから表に出たけれど……誰?結構可愛いのに無理矢理厚化粧しちゃていて、全く戦闘に向いて

 無さげな娘は………」


叢雲  「……アンタ……そのうち本当に誰かに後ろから刺されるわよ?」




「と言ってもね……第一お化粧とかしなくても艦娘達は可愛いか、美人か、愛くるしいか、綺麗か、癒しもあるし、何事にも真剣だし、

 

 そうかと思うと強さの中にも細やかな愛情が溢れているし、と言ってもたま~に見せる心の弱さ?ってのも見せて庇護欲を満たして

 

 くれたり、かと思ったら全てを包み込んでくれる母性も兼ねそろえてる……………………えっと……なんかごめん叢雲………」



叢雲  「…………なんでそこで私に謝るのかしらねぇ?」


「ぴぃ(泣)ごめんなさい(泣)」


??? 「新手!……中々卑怯かも!でもそんな事には負けないかも!」


あきつ丸「分隊長殿!これは艦娘同士の闘いであります!……手出し無用でありますよ?」


「いやいやいや………君達艦娘でしょ?何でお互い徒手空拳で決闘みたいになっているのかな………」


26  「ちょっとちょっとちょっと!今そんな事言っている場合じゃないでしょ!」


叢雲  「二ム、明石達はまだ出れないの?」


26  「雷ちゃんの総点検に時間がかかるって!さっきの衝撃で機械が一回ストップしちゃて今暁ちゃん達と治しているよ」


叢雲  「……余計な手間を……秋津洲!アンタ何て事をしてくれるのよ!」


秋津洲 「五月蠅いかも!第一あんた達の事情なんて知らないかも!」


「…………何で叢雲が……あの娘を知っているの?」


叢雲  「書類にあったでしょ……今から征く南海区の残存未確認艦の一人よ」


あきつ丸「……その生き残りが何故自分達と敵対するでありますか?」



秋津洲 「………………信じられるのはあの地獄で一緒に闘った仲間と沈んだ仲間と……今は飛鷹と朝潮だけかも!」





            叫ぶと同時に予備動作無しでいきなり自分に襲いかかってきた!






秋津洲 「特にあなたみたいな人間の司令官は絶っっっ対に信じられないかも!」







   妙にゆっくりと秋津洲君の手刀が近づいてくる………






   艦娘の中でも特に非力と聞いていた彼女だが………






   普通の人間である自分なんかそれこそ一瞬なんだろうなー…………






   しかし本当に間際ってこんなにもゆっくりと時が流れて…………






   叢雲……そんな悲痛な顔で手を伸ばしてくれても間に合わないんだよな…………






   もう眉間に爪先が食い込みはじめて…………アレ?なんだろう?この影は?……………













神通  「私達の提督に手を出させませんよ」


        




   

                      …………そして再び時が動き出す







秋津洲 「かも!?」


神通  「…………お忘れですか?秋津洲さん…私言いましたよね…ねいるあーと?はこうゆう時に不利ですと…」


秋津洲 「…神……通さん……?」


神通  「……もしやるなら爪先を剣の様になるまで鍛えないと……最後の最後でこういう失敗に繋がりますよ…それに……」



 二本の指だけで爪と指先を挟んで止めてた眉間に刺さっている爪先を折り、その回転力を手首に掴み直して伝えながら足を払い、

 秋津洲君自体を回転させながら片手で手首を極めながら、押さえ込み、片手の指の間隔を少し広げて、指の根本だけ曲げたまま、

 中指を眉間に触れた



神通  「……手刀は揃えて急所の一点だけではなく、こう指先一本一本で、眉間、両目、人中、鼻腔と、骨や皮や血で滑っても刺さる

     ようにした方がいいですよ」


秋津洲 「………これは間違いなくあの神通さん……かも」


あきつ丸「…………凄まじい力量であります…………正に武神…………」


初霜  「いいえ……単なる華の二水戦旗艦なだけですよ」(ニッコリ)


26  「なになになに?一体何がおきたの?なんかビューってきて、ダーってなって、ズドーンと、なんなの!?」


「気持ちは解るよ二ムちゃん……ところで秋津洲君の爪先がオデコに刺さったままじゃないかな(泣)」


26  「うん……しっかりと刺さっているね」


「……抜いてください(泣)今になって、とてもとてもとーーーても!怖くなっちゃったよー(泣)」


叢雲  「今そのまま抜くと……多分噴水みたいに出血するわよ…少し我慢しなさい」フゥー…ヨカッタワ…


「はい(泣)…………神通さん取り敢えず彼女を開放してくれませんか……このままだとお話ししにくいので」


神通  「しかし……」


「大丈夫大丈夫……もしなんかあってもしっかりと皆で作戦を継続してくれる筈」


神通  「…………わかりました…」


秋津洲 「…………かも?」


「ありがとうございます、神通さん……秋津洲君だったかな?信じてもらえないと思うけれどちょっと自分の話を聞いて欲しい」


秋津洲 「………………」


「今、艦隊の仲間がちょっと体調不良でね……工作艦の明石さんとその姉妹艦に見て貰っているところなんだ……」


秋津洲 「………………」


「………まぁ本当は帰港して、詳しく調べて欲しいところだけど……今は君達南海区の艦娘達の救出作戦中なんだよね……」


秋津洲 「………………」


「正直言って色々と危なすぎる橋も渡っているのも事実だし、自分より他の娘達を優先しすぎちゃう娘でね……」


秋津洲 「………………」


「ただ、その娘だけじゃなく、ここにいる娘達は同じ仲間を救いたいと思っているし、そこは信じて欲しい……」


秋津洲 「…………かも」コクン


「……ありがとう………後もう一つ……取り敢えず怪我をしていると思う飛鷹さん?だっけ?……は何処にいるんだろう?」


秋津洲 「……なんで飛鷹が怪我までしているか解るのかも?」



「それは……外で警戒していてくれた、あきつ丸君の制空隊は、機種が違うとはいえ精鋭の松山飛行隊の妖精さんだからね……


 その妖精さん相手に制空権を取れるのは、更に上の技量を持つ熟練妖精さんか、搭載量が多い航空母艦だけど…先制爆撃と制空


 争いしかしなかったのがおかしい……もし本調子だったら、秋津洲君だけ単艦突出させずに、十分な航空支援をするはずだし、


 出来ないから結構無理している筈……かな?」



秋津洲 「…………これは尋問?」


「尋問ならオデコに爪刺さったまましないし、解放もしないよ(泣)…ただ自分より重症と思う娘を優先したいだけ」


秋津洲 「…………わかった……かも……だけど多分私より激しく抵抗すると思う……かも」


「……それはなるべく穏便にしたいかな……取り敢えず説得しなきゃなー……できるのかな(泣)」


叢雲  「するのよ提督さん………今度こそしっかりと守ってあげるわ」


「頼みますよ……雷ちゃん達も気になるし、色々と大変なんだよな……(泣)」


初霜  「ところで……朝潮さんは?……なんか沖の皆さん方が騒いでらっしゃいますけれど?大丈夫なんでしょうか?」


秋津洲 「あー!大艇ちゃんにぶら下がって、あの艦隊の足止めに行っちゃったかも!」


「大艇ちゃん?……二式大型飛行艇もあるのか!………ぶら下がってって事はまさか……単艦で空挺降下したの?」


秋津洲 「…………かも」


「まじゅい!あそこには餓えた狼さんやらソロモンの悪夢やら鬼神やらアイドルやら変に血の気が多い娘ばっかりだー(泣)」


秋津洲 「朝潮ちゃんも猪突猛進過ぎるから早く止めないとかも!」


叢雲  「…………ダメね……既に交戦状態に入ってて誰も無線にでないわ!」




                 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





朝潮  「私達は絶対に生きて帰る!だからお前たちはこの海域から出ていけ!!」


夕立  「ぽい!?」


那智  「いかん!迎撃しろ!間宮さんは沖合に!!」



  指示を出しながら、誘爆された魚雷に紛れて打ち出された朝潮の魚雷と、ドラム缶群の間に無理矢理身体をねじ込む



那智  「ぐっ…………?」



  必殺になりえる駆逐艦の魚雷の衝撃に備えたが、思ったより衝撃が少ない



那智  「……中破で済んだか……不発か?」


足柄  「無茶しないで那智姉さん!」


朝潮  「…………」


川内  「違うよ!それはドラム缶群を狙った囮の普通の魚雷…本命の酸素魚雷は…………そこ!」



  私に駆け寄った足柄の足元に爆雷を投げ込む



川内  「……と……私にもか………」



  投げ込んだ爆雷に誘爆させるのと、川内の身体が爆風で飛ばさるのが同時だった



那珂  「川内ちゃん!」


川内  「……中々やるね………夜戦の時に相手したかったかな…」



 辛うじて爆風に乗って飛んだみたいだが……傍から見ても、



那智  「クッ……川内が一発で大破か……奇襲で先に弱い所を狙うと見せかけて……戦闘指揮艦と思わしき艦を狙うとは……」


夕立  「よくも川内さんを!」


足柄  「!これでもくらいなさいな!」


朝潮  「無駄です!」



 手にした爆雷をそのまま爆発させて、足柄の砲撃を相殺させつつ、夕立に向かって魚雷を打ち込む



朝潮  「ッ!でも、左腕ならまだ安いです!」


夕立  「そんな直線的な魚雷なんか恐くない!!」


時雨  「ダメだ夕立!後ろ!」



 必要最低限のステップで躱した筈の魚雷が、何故か向きを変えて夕立の後ろの艤装に接雷する



夕立  「ぽい!?!」



 前しか見ていなかった為に、完全に不意打ちで艤装もろとも吹っ飛ばされてしまう



朝潮  「……三人目!」



 朝潮の目の前まで飛ばされ、うずくまる夕立に対し、動く右腕の砲で止めをさそうとする



時雨  「させないよ?」



 夕立の後から追いかけていた時雨が間に入り込み、砲口に自分の砲口を差し込む



時雨  「これで君も打てないはずだろ?」


朝潮  「……なら四人目です」



 躊躇なく引き金を引き、互いの砲を暴発させる



時雨  「き、君は……」


朝潮  「武器ならまだあります!」



 負傷した筈の左手で掴んだ゛高速深海魚雷゛を時雨のお腹に叩きつける



時雨  「グゥっ……」


那珂  「……良かった……今度こそ不発みたい」



 更にその後を追ってた那珂に、艤装を摑まれ強引に二人共曳航され、ひとまずその場から離れる



朝潮  「……次は五人目!」



 両腕の破損した砲塔を、腕を振る力だけで大淀に投げつける



大淀  「えっ!?……きゃ?!」



 撃ち落とすか避けるかの一瞬の迷い中に、元々破損していただけに、片方が空中で爆発してしまう



まるゆ 「危ない!緊急せんこー!」



 破片を浴びながらも、まるゆに強引に海中に引きずりこまれ、二個目の直撃を避ける事はできたが



まるゆ 「ぷはぁー……大淀さん、大丈夫ですか?しっかりして下さい!」


大淀  「……」



 破片による艤装の損傷と、それによる緊急潜航の浸水で大淀は気絶してしまう



夕張  「……あっという間に5人が中大破……しかもあの魚雷は深海棲艦のチ級の?」


川内  「…………助けに来てくれたのはありがたいけれど……余り固まらない方がいい……狙われちゃうよ?」


那智  「……と、言われてもこっちも動くに動けないな……最低限、間宮さんだけでも安全範囲まで逃げさせなければならん」


足柄  「それに、中大破しているあなた達をこのまま置いて置けないでしょ?」



 考える少しの時間も許さないような…朝潮の魚雷が、動けない5人+aに容赦なく扇状に打ち出されていく



足柄  「もう!聞こえてるのかしら!」


那珂  「みんなちょっと動かないで!…………今!」



 那珂が時雨と夕立を助けにいきながら、巻いておいた爆雷が、魚雷と接触して爆発する



那珂  「ふぅー……川内ちゃん風まきびし爆雷が上手くいってた……」


川内  「……ナイス那珂……やっぱり夜戦猛訓練は無駄じゃなかったね……」


那珂  「こんな時でも夜戦夜戦……本当に夜戦バカなんだから!」


時雨  「……でも、次の攻撃が来たら…動けない僕たちを置いていって欲しい……足手まといは嫌だよ……」



朝潮  「!!」

朝潮  「…………」

朝潮  「……それでも……」

朝潮  「………………それでも……!」

朝潮  「それでも朝潮は!!……………」




 背中の艤装から゛深海30.5cm三連装砲゛を取り出す



朝潮 「何をやっても絶対に私達は帰らせてもらいます!!」


夕張 「ちょっと!あの娘駆逐艦でしょ!?なんで戦艦タ級の大口径主砲を持っているのよ!」


那智 「……南海区の生き残りだからか?……鹵獲装備で……しかも無理矢理使ってでも生き残る為に……」




 ……そこまで……そこまで激しい戦地なのか?……そんな所を我々は……





綾波  「……はぁ~………いくら何でもここまで接近出来ちゃうなんて……やっぱり地味で個性と存在感が無いのかしら……」


朝潮  「なっ!」


綾波  「まぁ……あの神通さんが最盛期の時に鍛えに鍛えられた娘の相手が出来るから……これはこれでありですね~♬」





             ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





26  「…………なんかもの凄---く嫌な予感がするのだけど…………」


叢雲  「……この艦隊で一番速いのは二ムよね?」


26  「ダメダメダメ!泳がないと最高速度なんて出せないよ!………陸上だと私、逆に遅いし」


叢雲  「……つまりは海面までいければいいと…初霜?」


初霜  「はい」(ニッコリ)


叢雲  「……さっきの…この馬鹿を助ける為に神通をこっちに飛ばした技……アレで艦娘一人ぐらい下の海面まで届かないかしら?」

   

「さっきの……というかあの技か……」



   畝傍さんとの時に暁ちゃん達が使ってた超級レディーなんたら……艦娘を空中に放り出すある意味人間カタパルト……



「…………健闘を祈るよ二ムちゃん」(´;ω;`)ゞ


26  「やだやだやだやだ!」


初霜  「…………出来るとは思いますが…流石に距離が遠いので……艦娘一人では軽くて逆に届かないかと思いますよ?」


26  「なら提督さんも一緒に!ほらほらほら!秋津洲さんみたいに説得もしないと、ね?ね?ね!!」




「やめて(泣)ただでさえ第一話で海軍史上単独最長飛距離非公認記録所持士官になっているの(泣)その後も第五話の大本営で那智君と

 

 餓えた狼さんの二人がかりで記録更新しちゃっているの(泣)しかも自分は海では泳げないの!飛んで落ちて溺れちゃうの!」




秋津洲 「……なんか今までにいないタイプの提督さんかも?」


神通  「自らの身体をはって指揮官前線を具現化されている方ですから……」


あきつ丸「……まぁ……良い方に取れば結果的にはそうではありますが……」


叢雲  「……そう言えば……勘違いしたままだったわね…そう言えば………」


「(泣)……自分からは見えないけれど…那智君達を信じて任せておこう……那智君なら的確に状況判断してくれる筈だし、今からでは色々

 と時間がかかりすぎちゃう……」


初霜  「……………」


「……やっぱり飛鷹さんを先に…かな……上手くタイミングが合えば雷ちゃんと入れ替えで、怪我している筈の飛鷹さんを明石さんが

 診てくれるし入渠させれるし…それに神通さんと秋津洲君がいなければ説得にも時間がかかりそうだし……」


叢雲  「それでも連絡が付かない以上、誰かしら那智達の方に行かせないと……その朝潮って娘もいるのよ?」


「……いや、だからこそかな……秋津洲君の話ぶりからすると、多分相当無茶しそうなのは飛鷹さんの方だと思う………」


秋津洲 「……なんでそこまで解るかも?」




「……正直言って秋津洲君は元々艦娘の中ではそんなに強い方ではなかった筈……だけど三人一緒にここまで逃げて来たんだろう?

 

 ……見たところ秋津洲君はそれほど損傷とかはしていないし、多分朝潮さんも那智君達のところに突っ込んでいったのを見ると同じ筈…

 

 ……ここの島は川内君達の話によると幻島だから君達がここを発見したのも偶々な筈………ないと思ってた島だから………ここにくる

 

 までなるべく君達を遠く、無事に逃がす為に、後先考えずにしなければここまで無傷に近いままこれなかった筈……航空母艦で君達水上

 

 艦をほとんど無傷でここまで来させるのは相当心身ともに、それこそ命を削るくらいしないと出来ないのは自分でも解るかな……」




秋津洲 「…………かも……」


「そんな彼女が君達が捕まったり、何らかになったとしたら…ね?…考えるだけで怖い……更に今までの事を考えるといや~な予感が……」


神通  「……深海棲艦化ですね……きっかけは多少違うかもしれませんが、雷さんと畝傍さんみたいな可能性が……」


「なのです(泣)……しかも馬関海峡要塞の時の沿岸砲台古鬼(仮)とも似ているんです……だからあえて那智君達を信用してその間に……」


叢雲  「それならとっとといくわよ!ほら、秋津洲も早く案内しなさい!」


秋津洲 「……なんか解らないけれど、わかったかも!」






                 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






朝潮  「なら、六人目になって貰うだけです!」


 振り向きながら゛深海30.5cm三連装砲゛の砲身で綾波を薙ぎ払おうとする


綾波  「おっと……危ないです」


 屈んで躱しながら、近距離で魚雷を射出し、その反動と膝の伸ばしを利用して後ろに下がる


朝潮  「当たりません!」


 自分で振り回して空振りした、大口径主砲の遠心力に逆らわず、横にすっ飛びながら綾波の魚雷を躱す


綾波  「……ではこれはどうですか?」


 着水と同時に、まだ空中にいる朝潮に向かって砲撃、と同時にまたもやその反動も利用して反対側に飛ぶ


朝潮  「!ならば!」


 空中で手にしてた゛深海30.5cm三連装砲゛を足場にして、元の位置に飛びながらも果敢に魚雷を放つ


綾波  「う~ん……その魚雷攻撃は、さっき夕立ちゃんので見ましたよ?」


 酸素魚雷とは違う、派手な航跡が出ている魚雷群の上を通り再び距離を縮めていく


綾波  「真っ直ぐ射出するように調整しなければいけない魚雷を、あえて逆走させる調整は中々ですが……

     バレちゃうとこんな感じで利用されますよ?」


 迫る綾波か、自分の射出した魚雷かで選択を迫られた朝潮が取った選択は


朝潮  「ならば受けて立ちま……」


 綾波を迎撃しようと構えた瞬間後ろから接雷される


朝潮  「……ぐっ!ま、まだ魚雷は帰ってきてないのに!」


綾波  「一度見せたのがいけなかったですね~……それと相手も同じ手を使うことも」


 朝潮の逆走魚雷を処理しながら再び距離を取る


綾波  「………でも、まだまだやれますよね?」


朝潮  「……当たり前です!」





                ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






夕張  「ちょっと!あの娘……もう中破どころか大破に近いじゃないの!?あのままじゃ轟沈しちゃう!」


川内  「…………そこからが怖いところなんだよね……綾波ちゃんはよく覚えているみたいだけど……」


那智  「…南海区は我々の想像以上の激しい戦地というわけか………」


川内  「……まぁね……それよりも今のうちに警戒した方がいいかな……特に空」


 夕張に肩を借りながら立ち上がり空を見上げる


川内  「……さっきまで旋回してた……でっかいのがいなくなっている………」


那智  「足柄……対空準備を頼む……夕張と那珂はそのまま川内達を援護しててくれ……まるゆは何とか提督達と連絡出来る位置まで

     島に近づいて欲しい」


足柄  「ちょっと!ここは私達に任せて姉さん達は下がってて」


那智  「ダメだ……ここをわざと一人で抑えてくれている綾波の邪魔をする事はできん……」


足柄  「姉さん!」


那智  「それにまだ私は動ける…まぁ私達も変に動けないが邪魔にもならない筈だ……だからしっかりと私達を守れ……どうせ足柄も

     アレに参戦したかったのだろう?」


足柄  「うっ……」


夕張  「……バレちゃってるみたいですね」


時雨  「……まぁ確かに足柄さんは夕立以上に好戦的だからね……」


夕立  「………むやみに突っ込むと痛い目に会うっぽい……」


那珂  「夕立ちゃんも気がついたか……大丈夫かな?」


まるゆ 「それはいいのですが……私の速力だと時間もかかりますし、すぐにみつかっちやうかと………」


夕張  「それならまるゆちゃんに、二ムちゃんの泳法を教えてあげるわ」




後書き

黒い歴史にまた1ページ………

ついでに分割の分割という暴挙に(泣)…………

??の所の娘が実装されたので少し訂正……


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ぴぃすうさんから
2020-04-28 01:47:40

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ぴぃすうさんから
2020-04-28 01:47:41

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1: ぴぃすう 2020-04-28 01:49:57 ID: S:GFxwUE

こんばんは~♪

いやぁ♪別世界ワールドが広がりますな( ̄▽ ̄)ウッシッシ

分割の分割…いいじゃないですか(笑)


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