2017-09-19 22:53:47 更新

私が見上げる最後の空


それは一面を覆う五月雨雲から降りそそぐ、シトシトと重みを含んだ冷たい雨の景色


雨樋を伝う流水はその先にある鎖樋へと身を絡め、ポタリポタリと地上に落ちて染み渡る


心が枯れず、この雨のように涙を流すことができたら私の哀しみは癒されたのでしょうか…


そぞろに離愁を味わいながら窓辺から外を眺めていると、知らず識らずのうちに貴方の名前を曇り窓へと刻んでいました


指先でなぞられた跡をみて物寂しさを感じながら私はそっと呟きます


これから私の身に起こることを知ったら、きっと貴方は怒るでしょうね


ただ、それは私も同じです


私一人を置きざりにして、旅立ってしまったのですから


その言葉を終えると、重なり合った時計の針が鐘の音を告げまた離れていきました


もう時間です


間も無く私は艦娘としての生涯を終えます


でも、自らの選択に後悔はありません


この指輪が導く先には、貴方がいると信じているから


おわり


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