2018-05-13 11:45:30 更新

前書き

ラブライブif主人公 "北河 ひかり" プロフィール


年齢 16才 (高校2年生)
誕生日 2月29日
血液型 A型
身長 162cm
3サイズ B72 W56 H80

好きな食べ物 ない (本当は甘いもの)
嫌いな食べ物 ない (本当は辛いもの)
趣味 テレビゲーム
特技 人の選別眼。目を見ればそいつがどんな人間か大体わかるぞ。
チャームポイント ない、よく男に間違われる。
得意科目 基本どの教科もそつなくこなす
子供の頃の夢 正義の味方、だったかな?
得意料理 日本食なら基本なんでも




備考
高坂穂乃果の唯一無二の幼馴染

冷静沈着な性格の持ち主

外見の第一印象は、花の女子高生と言うよりは、美少年を彷彿させるが、正真正銘の女子高生

相手のことは名字で呼び、心から気を許している相手のみ名前で呼ぶ癖がある

制服姿の際は、ブレザーの前のボタンは開けており、スカートの下にはスパッツを着用

男口調で話し、服装も男物を好むため、プロフィール上のチャームポイントに、よく男と間違われると記している

人の説得に長け、かつ下手な大人の男性よりも力がつよく、「弁解力と力ずくを兼ね揃えている」

彼女の目は常に物事の核心を見抜いている

A-RISEのメンバー、綺羅ツバサ、優木あんじゅ、統堂英玲奈の3人を引き合わせたのも彼女である

幼馴染の穂乃果とは、生まれこそ彼女より遅いものの、彼女の姉のように振舞って同じ時間を過ごしてきた

西木野大病院に投資もしている、北河財閥跡取り候補であり、当主、北河 護皇の孫娘

小学生の頃に両親を失い、一時期は祖父のもとに引き取られていたが、幼馴染の穂乃果の頼みで音ノ木に戻り、祖父の援助を受け、一人暮らしをしている

周りの人間と距離を置こうとしているのには、昔何らかの理由で他人を傷つけてしまったことが原因のようだが、本人は多くは語っていない

中学生時代に活動していたバスケットボール部において驚異的な活躍を見せたことと、その時のユニフォームの番号が4番だったことから、死を司る第四の騎士、"ペイルライダー"という二つ名で呼ばれていた

しかし所属していた部の活動中に、老朽化していたため落下してきた設備から後輩を庇い、自らが下敷きになり左腕を負傷、選手生命を絶たれた

その後彼女は同バスケットボール部の監督を任されるようになる

μ'sというグループが形になったら自らは彼女たちのもとを離れようとしていたが、自分が彼女たちに必要とされていることを教えられ、μ'sの監視役として残ることを決意した

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ガシャアァァァァァンッ!!





希「え・・・!?」





キャー! ワー! ワー!







希「ひ・・・ひかりちゃんっ!!!」



























ひかり「危ない・・・危うく右腕まで潰すところだった・・・」



希「・・・!」



ひかり「東條!そっちは無事か!?」



希「う・・・うん!大丈夫!」









男性1「君!怪我はないかい!?」



希「・・・はい」



男性2「一体何があったんだ・・・?」



ひかり「さっきからここで行われていた工事ですね・・・看板でしょうか?運搬中に落下したようです・・・」



希「・・・・・」



























ひかり「いやぁ、一時はどうなるかと思ったなぁ東條」



希「・・・・・」



ひかり「ったく今日の運勢はよくわからんなぁ、福引が当たったり、タダ飯にありつけたりしたと思ったら、今度は事故に巻き込まれそうになったりーー」


ひかり「お互いツイてるんだかツイてないんだかわからないなぁ東條」























希「・・・違うよひかりちゃん」



ひかり「ん?」








希「さっきの事故で狙われてたのはひかりちゃんで、ウチやない・・・」



ひかり「なんだと?・・・いやいや、あれは事故だっただろう?狙われるも何もないはずだ」



希「違う・・・あんな事故が起きたのは・・・ウチのせいなんよ・・・」



ひかり「一体何が言いたいんだ?東條」






















希「・・・ウチの幸運はーー」







希「周りの人たちを不幸にしてしまうんよ・・・」








ひかり「・・・どういうことだ・・・?」



希「・・・・・」

























♯22 report12 東條 希 追記









ワー! ワー!



ザワザワ





希「・・・・・」



ひかり「・・・・・」











希「・・・ごめんひかりちゃん・・・今日はもう帰るね・・・」



ひかり「え?お、おい東條ーー」







希「・・・ごめん・・・」タタタタタ









ひかり「・・・東條・・・」
























ーー街中ーー





ひかり「・・・・・」スタスタ




ひかり(東條のやつ・・・一体何故そんなことをーー)











この・・・!離しなさい!!





ひかり「・・・!この声・・・まさか・・・!」タタタタタ




















ーー路地裏ーー







絵里「くっ・・・!」



男1「じゃあさっき俺らにしたこと謝ってくれるのかい?」ニヤニヤ



絵里「誰が謝るものですか!あなたたちが嫌がるあの娘に無理やり手を出していたのが悪いんでしょう!?」



女子高生「・・・!」ブルブル







男2「ふ〜ん・・・まぁいいや、君の方がかわいいしーー」



絵里「なっ・・・!?」



男3「俺らと一緒に来て遊んでくれるなら許してやるけど、どうする?」ニヤニヤ



絵里「な・・・何言ってるのよ!?この変態!!」







男1「ヘッヘッヘ・・・!」ニヤニヤ














ひかり「ふっ!」ドカッ!



男1「がっ!?」ガシャーン!



男2「!?」



男3「何だ!?」







ひかり「・・・・・」スタッ





絵里「ひ・・・ひかり!?」



ひかり「絢瀬!その娘を連れて逃げろ!」



女子高生「・・・・・」ガクガク





絵里「でも・・・ひかりは!?」



ひかり「いいから早く!死にたいのか!?」



絵里「・・・!」








男1「・・・何しやがるんだテメェ・・・!」グワッ!



絵里「・・・!ひかり!!」





ひかり「・・・・・」ガッ!


男1「うおっ!?」グラッ




ひかり「このっ!」ブオォォン!



男1「ぐわっ!」ガシャーン!





男2「このヤロ!」ブンッ!



ひかり「・・・!」パシッ!




ドカッ!





男2「があぁぁっ!!」ドサッ




















ーー街中ーー




希「・・・・・」トボトボ








穂乃果「はぁ・・・!はぁ・・・!」タタタ




希「・・・?穂乃果ちゃん・・・?」








穂乃果「はぁ・・・!はぁ・・・!・・・ひかりちゃん・・・!」タタタタタ












希「・・・ひかりちゃん・・・!?」


















ーー路地裏ーー





ひかり「はぁ・・・はぁ・・・!」



男1「ぐっ・・・うぅっ・・・!」



男2「テ・・・テメェ・・・!」





ひかり「・・・いい加減・・・しつこいな・・・!」



















男3「・・・この・・・!」つナイフ




女子高生「・・・!!」ビクッ!


絵里「ひかり!うしろ!!」




男3「えぇぇぇぇいっ!!」ブンッ



ひかり「しまっーー」







ズバッ!






女子高生「・・・!!!」


絵里「ひかり!!」









ひかり「がっ・・・!くぅっ・・・!」ボタボタ



男3「ざ・・・ざまぁみろ・・・!俺らの邪魔するからだ・・・!」



ひかり「・・・!」キッ!





















穂乃果「おまわりさん!こっちです!!」




男3「・・・!?」




男1「ヤベッ!警察!?」


男2「逃げろっ!」





タタタタタ











絵里「穂乃果・・・!」



穂乃果「・・・うまく騙せたみたいだね・・・」







女子高生「・・・・・」へタァ・・・







ひかり「・・・ッ!」ボタボタ



穂乃果「ひかりちゃん!!・・・大変!」



絵里「急いで病院に!すぐ救急車を呼ぶわ!」



ひかり「・・・頼む・・・」ボタボタ
























希「・・・・・」






















ーー希の家ーー









スタスタ





ポフッ







希「・・・・・」


















女の子1『ねぇねぇ、あなたのお名前は?』



のぞみ『わたし?東條 希!』



女の子2『希ちゃん!お友達になろうよ!』



のぞみ『いいの?本当?』



女の子1『もちろん!よろしくね!』



のぞみ『うん!よろしく!』



























ピーポー ピーポー ピーポー ピーポー





ザワザワ





男性1『おい?何かあったのか・・・?』ヒソヒソ


男性2『あぁ、小学生の女の子2人が車に轢かれたんだってよ・・・』ヒソヒソ








先生『大丈夫か!?しっかりしろ!』



女の子1『・・・・・』


女の子2『・・・・・』







のぞみ『・・・・・』フルフル





















女の子3『あの子に関わると悪いことが起こるんだって』ヒソヒソ


女の子4『こわ〜い、近寄らないようにしよ』ヒソヒソ



のぞみ『・・・・・』







女の子5『あ、お母さん、ほらあの子だよ』



母親『しっ!近づいちゃいけません!』



のぞみ『・・・!』



























ひかり『で、お前はどうするつもりだ?東條』



希『え・・・?』





ひかり『自分の道は自分の意思で決める、それはお前にも言えることだ』




希『・・・・・』


















希『・・・9人や・・・』





希『・・・ウチを入れて・・・!』ニコッ














希「・・・・・」




















絵里『ひかり!!』





ひかり『がっ・・・!くぅっ・・・!』ボタボタ

























希「・・・・・」ポロポロ








希「・・・今度こそ・・・大丈夫だと思ったのにな・・・」ポロポロ






















ーー翌日 音ノ木坂学院ーー







穂乃果「おはよー!」



海未「おはようございます、穂乃果」


ことり「穂乃果ちゃんおはよー♪」



穂乃果「海未ちゃん、体はもう大丈夫なの?」



海未「も・・・もちろんです!心配をかけましたがもう平気です!」



ことり「ダメだよぉ海未ちゃん、さっきもふらっとして倒れそうになってたでしょ?」



穂乃果「え!?そうなの!?だから無理しちゃダメだよぉ!」



海未「へ・・・平気です!ことりが大げさなだけですよ!」











絵里「おはよう」



にこ「絵里、おはよ」



凛「おはよー!」




真姫「あら?絵里、希は一緒じゃないの?」



絵里「えぇ、おかしいわね・・・?先に来てると思ったんだけどーー」
















ひかり「よぉ」






花陽「・・・!?ひかりさん!どうしたんですかその怪我!?」




穂乃果「・・・!」ビクッ


絵里「・・・!」ビクッ






ひかり「あぁ、これか?昨日自転車に乗ってたら盛大に田んぼに突っ込んだんだよ」


ひかり「なに、大した怪我じゃないさ」





にこ「な〜にやってんのよまったく」



ひかり「ははは」








穂乃果「・・・・・」


絵里「・・・・・」














ガチャッ






希「・・・・・」スタスタ




絵里「あら希、今来たのね」



ことり「希ちゃんおはよ〜♪」





希「・・・・・」スタスタ





にこ「すぐに練習始めるからさっさと準備しなさいよ?」






希「・・・・・」スタスタ





海未「・・・?希?」



凛「希ちゃんどうしたにゃ?」



























希「・・・・・」つ封筒



パサッ




希「・・・・・」スタスタスタスタ




花陽「あれ・・・?希ちゃん?」



ひかり「おい東條、どこへーー」






ガチャッ




バタン










ひかり「・・・東條?」



穂乃果「どうしたんだろう希ちゃん?」





































絵里「・・・何よこれ・・・!?」ワナワナ



海未「絵里?」










絵里「待ちなさい!希っ!!」ダッ!



穂乃果「わわっ!?絵里ちゃん!?」










ガチャッ




絵里「希!希っ!!」つ封筒


















絵里「・・・くっ!」つ封筒



穂乃果「・・・絵里ちゃん?」



ひかり「一体どうしたんだ絢瀬?」










絵里「・・・・・」スッ



ひかり「ん?」パシッ





















ひかり「・・・これは・・・!」つ封筒



穂乃果「へ・・・?」





























ー退部届ー









凛「え・・・?」



花陽「なに・・・これ・・・」



真姫「ウソでしょ・・・?」



にこ「・・・・・」









絵里「何よ・・・?何なのよ・・・!?何も言わずにこんなもの置いて行くなんて・・・!」


絵里「何なのよ!一体どういうつもりなの!?また悪い冗談なの!?」ガタン!






ことり「希ちゃん・・・何でこんな・・・?」


穂乃果「何か言ってくれなきゃ・・・何もわからないよ・・・!」


海未「・・・・・」
































ひかり「・・・まさかとは思うが・・・」



真姫「・・・?」


にこ「ひかり?」





ひかり「あいつが何でこんなことをしなくちゃならないのか・・・私は理由を知っているかもしれない・・・」



穂乃果「えっ!?」



絵里「何なの!?ひかり!どうして希はこんなことを!?」







ひかり「・・・それはーー」























ーー数日後 街中 とある駅ーー








スタスタ






ピッ ガタッ










希「・・・・・」




























ひかり「・・・練習サボって1人で電車旅か?」



希「・・・!?」ビクッ!







ひかり「よぉ、また会えたな東條」



希「ひかりちゃん・・・どうして・・・?」



ひかり「もちろんお前を連れ戻しに来た」



希「・・・・・」



ひかり「何も言わずに急に姿を消すなんて・・・みんな心配してたぞ?」
















希「・・・あの封筒の中見てくれた?」



ひかり「あぁ、あれなら確認してシュレッダーにかけたよ」



希「・・・・・」



ひかり「・・・納得できるわけがないだろうが」







希「・・・もうじき学校も辞めるつもりだよ・・・」


希「みんなにもよろしく言っておいて・・・」






ひかり「素直に従うと思うか?」



希「・・・・・」













ひかり「東條、お前は卑怯だ」


ひかり「いきなり退部届を出してきて、そのまま何も言わずに出て行ってーー」


ひかり「何一つ自分のことを口にしようとしないでーー」


ひかり「それでいて私たちにこの状況を納得しろと強要する・・・」


ひかり「できるわけがないだろう?私たちはお前のことを何一つ知らないんだからな」
















ひかり「東條、少しくらい話してくれてもいいんじゃないか?どうしてお前がこんなことをしなきゃならないのかを」



希「・・・・・」
















ザワザワ ザワザワ



希「・・・?」



ひかり「何だ?」










男性「おい、何かあったのか?」


女性「えぇ、なんでも女の子が2人交通事故に巻き込まれたとか・・・」




ひかり「事故・・・?このところ多いなーー」









女子高生1「・・・・・」


女子高生2「・・・・・」




希「・・・!!」






ひかり「・・・あいつらは・・・!」




















女子高生1『キャー♪ホンモノだぁ♪』


女子高生2『あの!えと・・・!もしよければ、サインいただけますか!?』






希『・・・ええよ、喜んで♪』



女子高生2『あ、ありがとうございます!』

















ピーポーピーポー




女子高生1「・・・・・」


女子高生2「・・・・・」












希「・・・!」ダッ!



ひかり「お・・・おい東條!」ダッ!

























タタタタタ





希「はぁ・・・!はぁ・・・!」タタタ



ひかり「待て!東條!」ガシッ!



希「いやっ!離して!!」


希「もう私に関わらないで!放っておいてよ!!」



ひかり「落ち着け東條!お前は一体何が言いたいんだ!?」




希「いやっ!いやあぁぁっ!!」



ひかり「東條!!」


















ひかり「・・・!」



希「・・・・・」ポロポロ









ひかり「・・・東條、教えてくれ、一体何がお前にそうまでさせる?何がお前をそうまで苦しめている?」






希「・・・違うよひかりちゃん・・・私は何も辛くなんかない・・・私はずっと幸せだよ・・・」ポロポロ



ひかり「・・・今のお前の顔を見せてやりたいところだったがな、鏡を持っていないのが残念だよ」


ひかり「本当に幸せな奴がそんな顔をするか?」














希「・・・ひかりちゃん・・・その体の怪我はどうしたの・・・?」



ひかり「・・・これか?この間自転車に乗ってたら盛大に田んぼにーー」





希「・・・暴漢に切られたんだよね・・・?ナイフで・・・」


希「・・・えりちを庇って・・・」



ひかり「・・・見てたのか?」



希「・・・・・」コクッ



ひかり「・・・命まで取られたわけじゃない、気にするほどのことじゃないさ」







希「やっぱり・・・私に関わったからだよ・・・」


希「私に関わった人たちは・・・みんな不幸になっちゃう・・・」ポロポロ







ひかり「まだこの間のことを気にしてるのか?事故に巻き込まれそうにはなったがお互い無事だったんだ」


ひかり「それにあんなものはただの偶然だ、東條が気にすることじゃない」



希「ううん、これは今に始まったことじゃないし、偶然なんかじゃない・・・」


希「ずっとそうだった・・・昔から私に関わる人たちは、みんな不幸になっていったの・・・」







希「小学生の頃、友達になろうって声をかけてくれた子が、事故に巻き込まれて学校に来れなくなったりーー」


希「会いに行った親戚はみんな病気になったり不仲になったりーー」


希「・・・私がグループに入ったら・・・みんな不幸な目にあったり・・・」



ひかり「グループ?」


ひかり「・・・μ'sのことか・・・」



希「そう・・・私が入ってから、みんな不幸な目にあってる・・・」


希「学園祭のライブで穂乃果ちゃんが倒れたり・・・真姫ちゃんが交通事故に巻き込まれたりーー」


希「入る前ですら、えりちをあんなに追い詰めることになったり・・・」








ひかり「・・・それが全て自分のせいだと?」



希「・・・うん・・・」



ひかり「なるほど・・・周りの人間が不幸な目に遭うたびにお前が肝を冷やしていたのはそのためなのか」


ひかり「あの堅物(絢瀬)の説得に失敗した時も、お前は泣き崩れていたな」



希「・・・・・」








希「だから私は決めたの、せめて私のわがままで周りの人を不幸にしないように、頼まれたことは全部聞くようにするって・・・」



ひかり「じゃあつまりこの間の放課後のことはーー」



希「頼みを断ることであの子たちを不幸にしたくなかったから、ウソをついていたと知ってても引き受けたの・・・」



ひかり「それはそれは、お前は全く報われないことだな?東條」



希「私はいいの・・・私のせいで人を傷つけるよりはよっぽどマシだから・・・」






希「・・・それで私の罪が消える訳じゃないけど・・・」



ひかり「"罪"だと?」




希「そう・・・私のせいで不幸になった人たちへの罪・・・」


希「それだけ罪を重ねておきながら、自分だけが幸せな思いをしてーー」


希「ホント・・・最低だね・・・私・・・」グスッ




















ひかり「・・・私にはそうは見えないがな」



希「・・・・・」



ひかり「お前の周りにいた人間が偶然不運に見舞われただけだろう?そしてそれが立て続けに起こっただけ、それは東條が気にすることじゃない」






希「・・・それが普通、何回も、何日も、何年も続いたりする?そんな偶然なんてあると思う?」




ひかり「全てが偶然だと断言しよう、東條と関わることで不幸になることに、何の根拠もないからな」
























希「・・・・・」クルッ



ひかり「・・・どこへ行く?」



希「・・・これから行きたいところがあるの」



ひかり「行きたところ?」





希「・・・ひかりちゃんも来る?」



ひかり「・・・・・」































スタスタ





希「・・・着いたよ」



ひかり「ここは・・・」








ーー墓場ーー




希「・・・・・」スタスタ



ひかり「お、おいーー」













希「・・・ただいま、いい子にしてた?」





ー東條家之墓ー




ひかり「東條・・・これは?」





希「私の弟だよ、生まれつき体が弱くて・・・3才で死んじゃったんだ・・・」



ひかり「・・・そうか・・・」












希「・・・ごめんね・・・来たのがお姉ちゃんで」なでなで


希「お父さんもお母さんもお仕事が忙しくてね・・・お姉ちゃんで我慢してね・・・」


希「あ・・・そうだ、お水・・・」スタスタ



ひかり「・・・・・」












希「・・・・・」サパーッ



ひかり「東條・・・まさかとは思うが、弟が死んだのも自分のせいだとか言うんじゃないだろうな?」














希「・・・今思えばそうだったのかな・・・」



ひかり「・・・・・」



希「この子にも不幸が移ったんだろうね・・・私の弟だったばっかりに、不幸にも弱い体で生まれてくることになってーー」



希「・・・きっと恨んでるよね・・・私のこと・・・」








ひかり「その話・・・信じる根拠は?」



希「根拠・・・と言うと違うかもしれないけど・・・今までの自分の行いがね・・・」







ひかり「・・・東條が一体何をしたと言うんだ?」



希「それは散々言ったでしょ・・・?私は今まで色んな人を不幸にしてきた・・・」


希「友達になろうと声をかけてくれた人は事故に遭いーー」


希「側にいてくれた人は何もかもうまく行かずに、心も体も追い詰められーー」


希「同じ時を共有した仲間たちは、次々と様々な不幸に見舞われてーー」





希「・・・私のことを心から気遣ってくれる大切な人は暴漢に襲われて大怪我してーー」グスッ









希「私だってこんなの嘘だって信じたい・・・でも、嘘だってこんなに何度も続けば本当になるものなんだよ・・・」



希「私と関わると不幸になる・・・だからきっとお父さんとお母さんも私の側を離れたの・・・」



ひかり「・・・なんだと・・・?」





希「お父さんもお母さんも仕事が忙しくて全然家に帰ってこなかったってことになってるけどーー」


希「多分、私から離れる口実だったんだと思う・・・」



ひかり「・・・それはお前の両親、本人がそう言ったのか?」



希「・・・そういう訳じゃないけど・・・それが一番辻褄が合うんだよ・・・」


希「弟が死んじゃった後、2人でずっと揉めてたし・・・」


希「・・・2人も・・・なんだか仲が悪くなっていって・・・」









希「・・・私みたいな不幸を呼ぶ存在は、親にも見捨てられるってことだよね・・・」


希「それはそうだよ・・・自分から進んで不幸になりたい人なんているわけない・・・」グスッ


希「だから・・・大切なμ'sのみんなを・・・そしてひかりちゃんを不幸にしないために、私は学校を辞めるの・・・」


希「それが・・・みんなのためだから・・・」グスッ



ひかり「・・・そうか・・・」





希「私はみんなが言うような幸運の女神なんかじゃない・・・人を不幸にするーー」ポロポロ























ひかり「クソったれ!!」



希「・・・!」ビクッ!






ひかり「・・・とでも言っておこう」



希「・・・?」









ひかり「・・・希がそんなくだらないことに長年苦しめられ続けてきたのかと思うと、そう言わずにはいられなかった」



希「苦しめられ続けて・・・?違うよひかりちゃん、人を苦しめてきたのは私の方で・・・」


希「それにくだらないなんてーー」



ひかり「くだらないだろう?希がありもしない不幸を呼ぶ存在だなんて呼ばれてーー」


ひかり「しかもそんなくだらないことで周りから気味悪がられて傷つけられるだなんて、クソったれとしか言えん」




希「どうして・・・?どうしてそんな簡単に言えるの・・・?」


希「私がどれだけの人を不幸にしてきたか知らないから・・・?どれだけの人の命を奪いかけたか知らないから・・・!?」





















ひかり「そもそもの大前提がおかしいからだ」



ひかり「希が人を不幸にする存在だなんてーー」


ひかり「そんなもんクソったれな連中が、お前と関わった後に偶然酷い目に遭ったから、当て付けでそんなことをでっち上げただけだ」


ひかり「そもそも人を不幸にしたって言っても、お前が直接手を下した訳ではないだろう?」


ひかり「自分の不幸を希のせいにすることで、少しでも楽になりたかったんだよ、そいつらは」



希「でもそれは今に始まったことじゃない・・・私はずっと・・・関わる人全てを不幸にしてきた・・・!」


希「友達も、両親も、弟も、仲間も・・・大切な人も・・・!」


希「それが全部偶然だって・・・嘘だって言うの・・・!?」







ひかり「あぁ、全て偶然だ、全て嘘だ」



ひかり「全部が希の周りで"偶然"不幸なことが起こっているだけ」


ひかり「もしも私が東條と関わったあとに命を落とそうとも、その考えが変わることはない」









希「・・・滅茶苦茶言うね・・・ひかりちゃん・・・」


希「私がずっと悩んできたことなのに・・・」



ひかり「さっきから滅茶苦茶言われてたのは私の方だよ」


ひかり「人を不幸にする存在だなんて、そんな迷信を信じられるはずがないだろう」















ひかり「それにその迷信を信じていないのは私だけではない」



希「え・・・?」


















ーー数日前 音ノ木坂学院 アイドル研究部部室ーー


















ひかり『あいつが何でこんなことをしなくちゃならないのか・・・私は理由を知っているかもしれない・・・』



穂乃果『えっ!?』



絵里『何なの!?ひかり!どうして希はこんなことを!?』








ひかり『・・・それは、あいつが不幸を呼ぶ存在だからだ』




にこ『は・・・!?』



ひかり『前にあいつと2人で話した時に言っていた、"自分の幸運は、周りの人間に不幸をもたらす"と・・・』



真姫『何よそれ・・・?』







ひかり『おそらく、今までμ'sの周りで起こっていた不幸を、自分の責任だと言って背負いこんでしまったのかもしれん』





穂乃果『そんなのーー』




絵里『・・・・・』スタスタ





ひかり『絢瀬ーー』




絵里『・・・ッ!』ガッ



ひかり『・・・!』










絵里『・・・あなた、それ本当なの?希がそう言ったの?』グイッ



ひかり『・・・・・』コクッ



絵里『あなたはそれを信じてるの?』


絵里『もしそうなら許さないわよ・・・!』グイッ













ひかり『まさか、そんな迷信を信じられるはずがない』


ひかり『そう言うお前たちこそどうなんだ?』


ひかり『東條に不幸にされたと思っているやつはこの中にいるか?』
















にこ『はぁ!?何言ってんのよ!?そんなこと思ってるようなバカがこの中にいる訳ないでしょう!!』







穂乃果『そうだよ!いつもどんな時も優しくしてくれる希ちゃんをそんな風に思うなんてひどいよ!』




ひかり『・・・お前たち・・・』











真姫『・・・私がみんなとスクールアイドルとして活動するように背中を押してくれたのも希よ、恨むどころか感謝してる』



にこ『私だってそう、μ'sに入る前、スクールアイドルの結成に失敗して途方に暮れてた時、希だけは私に優しく接してくれた・・・』



海未『希は今のμ'sが結成する前からずっと私たちのことを気にかけ、協力してくれました』


ことり『希ちゃんがいなければ、μ'sとして私たちが揃うことは無かったよ!』






凛『・・・みんなで遊びに行った時も優しくしてくれたしーー』


花陽『・・・みんなの輪の中に入れずにいた私に、優しく手を差し出してくれたりーー』




ひかり『・・・・・』










絵里『・・・私は、みんなよりも前から希と一緒にいたからよくわかるの』


絵里『周りに当たり散らして、敵ばかり作っていた私だけどーー』


絵里『そんな時でも、希だけは私の味方でいてくれた』



ひかり『絢瀬・・・』



絵里『私のやりたいことを問われた時も・・・あの時は自分がどうしようもなくて、希に当たってしまったけどーー』


絵里『今はそのことを希に感謝してる、あの時希に言われたおかげで私はμ'sにいられるんだから』




絵里『今希がそんなことに苦しめられているなら、今度は私が希の助けになる番』


絵里『だから希を見つけたら真っ先に言うわ』




絵里『あなたは不幸を呼ぶ存在なんかじゃないって!』







ひかり『・・・・・』ニコッ
























希「・・・・・」



ひかり「あいつらも、お前のせいで不幸になったなどと思ってはいない」


ひかり「あいつらはお前がそんな理由で出て行ったことに納得していない」



希「・・・でも・・・私・・・」



ひかり「・・・・・」
















ひかり「・・・よぉ坊主」



希「え・・・?」






ひかり「お前も・・・お前のお姉さんが不幸を呼ぶ存在だと思っているのか?」



ー東條家之墓ー



希「ひかりちゃん・・・?何をーー」





ひかり「お前はお姉さんを恨んでいるのか?自分の命を奪った存在として」


ひかり「自分を不幸にしたのはお姉さんだと、そう思っているのか?」
















ひかり「・・・・・」


希「・・・・・」





















ひかり「・・・やっぱりな」



希「・・・?」



ひかり「"お姉ちゃんは不幸を呼ぶ存在なんかじゃない"」


ひかり「"短い間だったけど、お姉ちゃんは一緒にいてくれた時、ボクにたくさんの幸せをくれた"」


ひかり「"そして、今もこうしてボクに会いに来てくれる"」



希「・・・!」





ひかり「"そんなお姉ちゃんが、ボクは大好きだよ"」








ひかり「・・・だそうだ」



希「・・・・・」










希「・・・ふふっ、慰めてもらっちゃったね・・・」



ひかり「そんなんじゃない、本当に聞こえたんだ」



希「ありがと、ひかりちゃん」




















ひかり「希、私は一つお前に宣言する」


ひかり「お前は自分が関わった人間が必ず不幸になると言った」


ひかり「もしそれが本当ならば、私が希のそのクソったれな運命を変えてやる」


ひかり「自分が不幸をもたらす存在だなんて思えなくしてやる」








希「・・・もし変えられなかったら・・・?」



ひかり「その時は・・・その手で私を焼くがいい」













ひかり「そして一つ頼みがある」



希「・・・なに・・・?」









ひかり「決心がついたらでいい、一度両親と話をしてくれ」



希「え・・・?」



ひかり「きっと両親も、希が不幸をもたらす存在だなんて思ってはいないと思うんだ」


ひかり「それなのに、お互いに誤解をしたままだなんて悲しいだろう?」


ひかり「弟もきっと、希には両親と仲良くいてほしいと思っている」




希「・・・・・」







ひかり「・・・そうではなかったら・・・そんな親なんざクソ以下だ」


ひかり「どんな理由があろうとも、子を見捨てる親はもはや親でも何でもない」





ひかり「もしそうなったら私のところに来い、好きなだけ慰めてやる」



希「・・・ありがとう、ひかりちゃん・・・」


希「慰めだったとしても・・・私、嬉しいよ・・・」









ひかり「さぁ帰ろう、あいつらも希のことを待っている」



希「・・・・・」



ひかり「・・・希?」










希「ひかりちゃん、お願い」


希「私のせいで不幸になる人を・・・これ以上増やさないで・・・!」



ひかり「・・・クソったれな運命は私が変えてやると言ったろう?任せておけ」







ひかり「それと・・・頼みを一つ増やしていいか?」



希「え・・・?」














ひかり「話し方をいつも通りに戻してくれ、どうも落ち着かないんだ」



希「・・・・・」











希「・・・うん♪そうやね♪」



ひかり「ふっ」























ーー駅ーー



ピッ


ガタッ




ピッ


ガタッ









ひかり「戻ったらまずあいつらに謝らないとな」



希「うん・・・」






希(ホントに・・・これでよかったのかな・・・?)














女の子「えへへ♪ママ〜♪こっちこっち〜♪」タタタ



母親「こら、走ると危ないわよーー」





ガッ




女の子「あ・・・?」グラッ



母親「・・・!!?」

















キャー! キャー!







希「・・・?」



ひかり「騒がしいな・・・」









男性1「おい!女の子が線路に落ちたぞ!!」



ひかり「何だと!?・・・どこだ!?」


希「・・・!ひかりちゃん!あそこ!」バッ!











女の子「うぇぇ・・・怖いよ・・・ママ・・・!」グスッ




母親「いやあぁぁぁっ!ウチの子がぁぁ!!」ガクガク





ひかり「・・・ッ!」







女性1「どうすれば・・・!もうすぐ電車が・・・!」



女の子「ママぁ・・・!」ポロポロ



母親「駅員さん!!誰か!!ウチの子を助けて!!」ガクガク





男性2「誰か!非常停止ボタンをーー」




プワァァン


ガタンゴトン ガタンゴトン



女性2「ダメ!間に合わない!!」



母親「いやあぁぁぁっ!!」ガクガク








希「・・・っ!」ダッ!



ひかり「待て!希!」ガッ!



希「!?ひかりちゃん!何をーー」










ひかり「・・・私が行く」ダッ!



希「え・・・!?」






タタタタタ




希「ひ・・・ひかりちゃん!!」









ひかり「ふっ!」バッ!



スタッ



ひかり「・・・!」タタタ






男性3「お・・・おいちょっと待て、あの子・・・!」



女性3「ダメよ!危ないわ!!」




ひかり「・・・・・」タタタ






希「ダメ!!やめて!!ひかりちゃん!!」







プワァァン


ガタンゴトン ガタンゴトン






ひかり「ふっ!」ガシッ


女の子「わっ・・・!?」







希「いや・・・!いや!やめてぇっ!!」




ガタンゴトン



キキィィーーッ!!





女の子「ひっ・・・!」


ひかり「・・・ッ!!」

















キキイィィィィィィーーッ!!!









希「いやあああぁぁぁぁぁぁっ!!!」





































男性4「お・・・おい・・・どうなったんだ・・・?」


女性5「女の子が2人・・・電車に轢かれて・・・!」ワナワナ



母親「・・・ウチの子が・・・ウチの子が・・・!」ガクッ




男性6「お・・・おい!大丈夫か!?返事をしてくれ!!」



女性6「助かるわけないでしょ!?あんなの!」




ザワザワ ザワザワ
















希「・・・・・」ポロポロ











希「・・・ひかりちゃん・・・」ポロポロ












希「やっぱり・・・ダメだったよ・・・!」ポロポロ












































・・・い・・・ぉーい・・・!






女性7「待って!今声が!」



母親「・・・!?」



希「え・・・?」ポロポロ









・・・おーい!誰か聞こえるか!?





希「・・・!!ひかりちゃん!!」ダッ!









ひかり「早く電車をどけさせてくれ!女の子も無事だ!」


女の子「ふえぇぇぇっ・・・!」ポロポロ




希「・・・!」
























ひかり「・・・よぉ」


女の子「・・・!」ギュッ



希「・・・ひかりちゃん・・・!」















母親「ありがとうございます!ありがとうございますっ!!」ペコペコ




ひかり「・・・・・」ニコッ



希「ひかりちゃん・・・でもどうして・・・?」



ひかり「線路のレールとレールの間の地面から、電車の底までの隙間って、伏せていれば人1人なら入れるくらいあるんだよ、この間テレビで見たんだ」


ひかり「ホントとっさの判断だったよ」











ひかり『ふっ!』ガシッ


女の子『わっ・・・!?』







希『いや・・・!いや!やめて!!』




ガタンゴトン



キキィィーーッ!!





女の子『ひっ・・・!』


ひかり『伏せろッ!!』




バッ!


女の子『わっ!』ドサッ!


ひかり『・・・!』ドサッ!





キキイィィィィィィーーッ!!!



















ひかり「・・・ってな」



希「ひかりちゃん・・・!」





女の子「・・・・・」ギュッ


ひかり「おい、もう駅であんなことしちゃダメだぞ?お母さんの言うことをよく聞いて、いい子になるんだぞ?わかったか?」



女の子「・・・うん」コクッ



母親「本当に・・・ありがとうございました!」ペコッ



ひかり「はい、お気をつけて」





スタスタスタスタ















希「・・・行っちゃったね」








ひかり「・・・希」



希「・・・?」





ひかり「見たか?運命なんてものはその気になればこうも簡単に変えられるものなんだ」



希「・・・!」



ひかり「今まで希の周りで不幸に見舞われた奴らは、その運命に抗う意思が無かっただけ」


ひかり「その意思さえあれば、運命だなんて薄っぺらいものは幾らだって変えることはできる」





ひかり「希も、自分の運命の言いなりになどならずに抗って運命を変えてみろ」


ひかり「お前にならできるはずだ」









希「・・・頑張って・・・みる・・・」


希「・・・みんなの想いも、ひかりちゃんの想いも・・・無駄にしたくないから・・・」



ひかり「それでいい」









ひかり「・・・さぁ、行こう」








希「・・・うん♪」





























ーー翌日ーー






ひかり「・・・・・」スタスタ













ひかり「・・・ん?」











希「・・・♪」ギュッ



希ママ「・・・♪」なでなで



希父「・・・♪」なでなで






ひかり「・・・・・」











希「・・・♪」フリフリ




希ママ「・・・♪」フリフリ


希父「・・・♪」フリフリ



スタスタ










ひかり「・・・・・」ニコッ













希「えへへ・・・♪」



ひかり「よぉ」スタスタ



希「あ・・・ひかりちゃん!」



ひかり「・・・決心がついたんだな」



希「も・・・もしかして、さっきの見てたん・・・?」



ひかり「あぁ」



希「あはは・・・恥ずかしいな・・・///」



ひかり「ふふっ♪」









ーー後で希から聞いた話だがーー



ーーやはり希の両親が転勤族になったのは、希から離れる口実だというのは、希の勘違いだったそうだーー



ーー弟が亡くなった後に両親がもめていたのは仕事の話でもめていたらしいーー



ーー幼い希を1人置いて2人で共働きをするか否かで言い争いになっていたそうだーー






ーーそれとあの駅での出来事以来、自分の周りの人間に不幸なことが起こらなくなったと、希はそう言っていたーー



ーーそんなに格好の良いものだと私は思わないがなーー













ひかり「せっかく慰めてやる場所を用意しておいたのに、無駄になってしまったな」



希「ふふっ♪ありがと♪」






















希「あ・・・あのね、ひかりちゃん」



ひかり「ん?なんだ?」






希「ウチから、これ・・・受け取ってくれない・・・?」スッ



ひかり「これは・・・あの時希がもらっていたペンダント、黒のほうか?」



希「・・・うん」



ひかり「いいのか?私がもらってしまって?」



希「・・・ひかりちゃんに持っててほしいんよ、・・・ダメかな?」









ひかり「ありがとう希、大切にしよう」



希「よかった・・・♪」



ひかり「ふふっ、今希がつけている紫のほうのペンダントも、よく似合ってるじゃないか」



希「あ、あはは・・・ありがと・・・///」











ひかり「よし、行こう希、あいつらが待ってる」



希「うん♪そうやね♪」









希「・・・・・」




ー東條家之墓ー





希「・・・お姉ちゃん・・・がんばるよ・・・!」










スタスタ



























"・・・お姉ちゃん"



希「・・・!」クルッ














"ずっとボクのことを想ってくれてありがとう"



"そんな優しいお姉ちゃんが、ボクは大好きだよ"



希「・・・!」



"がんばってね!ボク、ずっとお姉ちゃんのこと、見守ってるから・・・!"






希「・・・・・」








希「うん・・・!」ウルッ


希「お姉ちゃん・・・がんばるよ・・・!」ツーッ








ひかり「希?どうした?」





希「・・・ひかりちゃん、嘘でも慰めでもなかったんやね・・・」



ひかり「何がだ?」



希「今・・・確かに聞こえたんよ・・・弟の声が・・・」


希「ずっとウチのこと、見守ってるって・・・」ウルッ





ひかり「・・・そうか、そうだよな」



希「えへへ・・・♪」ポロポロ






















ひかり(ま・・・希の弟だっていうならそう言うだろうと思っていたよ)













ひかり(・・・私も別に実際聞こえたわけじゃなかったんだけどな・・・)



ひかり(たまにはいいよな?希のためなら、これくらいの嘘をつくのも・・・)




















希「・・・・・」ニコッ

















♪ エンディングテーマ もしもからきっと ♪





♯22 report12 東條 希 追記「幸せになった女神」fin


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