2017-07-09 10:24:42 更新

概要

中卒提督が過去にとらわれた艦娘たちと成長していくお話・・・


前書き

どうもこっぺです

何とかデータ掘り下げて見つけ出しましたのでアップしました。

前回と内容はほとんど一緒です。


ある朝


山城「私もやっと、着任出来るわ。」


山城「でも、どうせ使われなくなって解体がまってるのよね…不幸だわ。」


山城「…ここが執務室ね。」




コンコンコン…ガチャ




山城「扶桑型戦艦二番艦山城、着任しました‼」ビシッ


提督「よろしくお願いします、山城さん。」


山城(思ったより声が高いのね…若いのかしら?あと、何故下手に出るのかしら?)


提督「私は、この鎮守府を任された川崎少佐です。」


山城(そういえば、なんで椅子が反対なのかしら?私の顔を見たくないということかしら…不幸だわ。)


提督「この鎮守府は試作鎮守府で、各鎮守府に艦娘が1人しか配属されません。」


山城「え…」


提督「嫌なら私の方から転属願いだしますけど…。」


山城(…私1人ということは、解体される心配はないけれど…扶桑姉様に会えないのはさみしいです。)


山城「提督、やはりわたs





くるっ



山城「…。」


提督「どうしました?」


山城「え、いや、その…。」


山城(提督が小学生って…この子も相当不幸なことがあったのね…)


提督「む、無理はいけませんよ?」


山城「無理はしません。私、山城は、この鎮守府で頑張っていきたいです‼」ビシッ


提督「山城さん…ありがとうございます。」


山城「提督、私は何をすればよろしいですか?」


提督「そうですね…まずは鎮守府を案内します。ついて来て下さい。」




工廠

提督「ここが工廠です。」


山城「思ったより小さいですね。」


提督「装備しかつくりませんしね。」





入渠ドック

提督「ここが入渠ドック兼お風呂です。」ハァハァ


山城「異様に広いですね…。」


提督「露天風呂風にしてみました。どうですか?」キラキラ


山城「ま、まあ良いんじゃないでしょうか。」


提督「ありがとうございます‼」にこっ


山城「…。」





食堂

提督「ここが食堂です…。」ぜぇぜぇ


山城「提督、私の歩幅に合わせなくても…いつか伸びますよ。」


提督「…もしかして山城さん、私を小学生と思ってませんか?」


山城「…え?」


提督「やっぱり…はい。」ぴらっ


山城「これは?…って、え〜〜‼」


提督「私は15です。」


山城「ほら、それでも伸びるのはこれからで…。」


提督「去年から身長がかわってません。」


山城「…。」


提督「ほら笑ってくださいよ、こんなチビが提督って、歩幅を合わせられないような男だって‼」


山城「…不幸だわ。」


提督「ふっ、山城さん。今だけその言葉借りますね…不幸だわ。」


山城「…不幸だわ。」


提督「…不幸だわ。」







小部屋

提督「ここが山城さんの部屋です。」


山城「…不幸だわ。」


提督「いつまで言ってるんですか?いい加減にしないと…解体しますよ。」


山城「…‼」




お願いします、解体だけは…解体だけはしないで下さい‼


い、いやっ‼扶桑姉様…扶桑姉様‼


え?解体されたくなければ愛人に…扶桑姉様も返してくれると…。


っ‼なにするんですか‼…いや…初めてだったのに…




提督「冗談ですぶっ‼」どすっ


山城「返して…扶桑姉様…」


提督「山城さん‼ごめんなさい…でも、おちついぶはっ‼」ガシュッ


山城「なぜ…貴方のようなひとが…わたしの初めてを…」どすっ


提督「くっ…」


山城「今度は貴方が不幸になる番です…」



どすっどすっどすっどすっ


提督「…。」


山城「これだけじゃ足りない…もっと…もっと‼」ぶんっ


提督「山…城…さん。」


山城「…。」どすっどすっ


提督「過去の自分に囚われてはだめです…いまは…いまの幸せを…かんがえないと…。」


山城「なんで…なんで死なないの…。」


提督「山城さん‼」





ぎゅっ




山城「…⁉」


提督「あなたは今まで頑張ってきました。」


山城「…。」


提督「今度は…私が守り…ます。」



くらっ



山城「提督…提督⁉」


山城「私は…なにを…。」


山城「⁉血が…こんなに‼」


山城「わ、私が…いえ、それよりも提督を早く医務室に‼」








提督「ここは…何処?真っ暗でなにもないけど…。」


提督「そっか、山城さんを怒らせてしまって…まあ、しかたないよね。」


提督「殺された相手が山城さんでよかったな…あいつらに殺されるのはごめんだしね。」


提督「…どんどん息苦しくなってきたぞ。さよなら山城さん、短い間でしたが、とても…とても…。」








目の前に白い山脈があって、いい香りが鼻をくすぶらせた。あぁここが天国だと思った瞬間だった


提督「…⁉ぷっはっ‼」


提督「ここは、天国で見た景色とおんなじじゃないか?」


提督「はぁ…落ち着くな…。にしても山脈が近づいてるような?」




もにゅっ



提督「柔らかい…さすが天国…もう少し触ってもいいよね。」



もにゅっもにゅっ…んっ、んんっ


提督「…なにか妖美な声が…まさかね。」


もにゅっもにゅっもにゅっ…やめ、てい…く


提督「あぁ、そういえば提督だっなぁ…ん?提督?まさか…」



バサッ



山城「ハァハァ…エッチ…。」


提督「山…城…さん?」ガタガタ


山城「…提督…もっと…しないんですか…。」


提督「…⁉」ガタッ


山城「は、恥ずかしいので、早く…お願いします…。」


提督「山城さん…。」


山城「…はい。」






提督「無理です…。」鼻血ブシュー


山城「…は?」


提督「…。」ばたっ


山城「いや、ちょっと提督…それ以上だすと本当に危険です‼」


提督「…。」ドバーッ


山城「!っ、そうだ、さっきみたいに温めていれば…!」むぎゅー



ザバーッ



提督「」


山城「提督‼」








山城の記憶


また…汚された…


憎い…憎たらしい…


え?、なんで…なんで貴方が…


今度は私がって…やめて!逃げて!


いや…私が…私が代わりに…




バサッ



山城「ハァハァ…。」


山城「夢…じゃない…夢じゃないわ‼」




執務室


ガチャ


山城「提督、ちょっとお話があります‼」


提督「…わかりました。そして、おはようございます。山城さん。」にっこり


山城「お、おはようございます。」





山城「…私は、日本で作られた最初の戦艦姉妹でした。」


山城「前線をささえ、多くの敵をたおし…いえ、殺してきました。」


山城「その時は嬉しかったです。私を必要としてくれる人がいるって。」


山城「しかし、そんなことは長く続かず、私たちは落ちぶれてしまいました。」


山城「そして、解体させられたくなければ、慰安婦となれ…と。」


山城「私と扶桑姉様は引き離され、別々の鎮守府の慰安婦となりました…。」


山城「私は耐えました。幾度となる淫乱な行為も、度重なる暴力も。」


山城「全ては扶桑姉様のために…。」


山城「ですが、私を支えてくれた娘が1人いました。」


山城「名前は『時雨』です。」


山城「私に何度も励ましの言葉や、密かにお菓子をくれました。」


山城「ですが、私がここに配属が決まった時に時雨が慰安婦となることがきまりました…。」


山城「そして、今日。時雨が、奴隷として売買されます…。」


山城「提督…お願いがあります。」


提督「だめです。」


山城「…っ‼そんな‼まだなにも…」


提督「私がいきます。」


山城「え?」


提督「場所と時間は?」


山城「は、はい!えっと…*○鎮守府の21:00です。」


提督「…わかりました。では、朝ごはんにしましょ。」にこっ


山城「っ‼」


山城(いま、提督の目が…)


提督「なにしてるんですか?食べましょ」


山城「はい、いただきます。」パクッ



こうして、時間は過ぎていき、夜は老けていった…。



提督「では、いってきます。」


山城「ではって…ここから200キロ離れてるんですよ!どうやって…。」


提督「え?走ってですよ。30分あればいけますよ。」


山城「え?」


提督「私がいったら、鍵閉めてくださいね。」


提督「いってきます。」


山城「お願いします。」


提督「では。」だっ



こうして、提督は*○鎮守府へと走っていった。その夜は小雨がふっていた…。



提督の過去


時雨…時雨‼


山城の代わりはお前だ時雨、覚悟しとけよ。


おらっ…おらっ…くっ、少しは泣いたらどうなんだ?あ‼


はっは…今からこの焼けた棒で殴ってやるよ。どうだ?怖いだろ?…は?ふざけんなよ‼


こうなったら山城みたいに女にしてやるよ…あ?なにをする…いってえな‼


もういい…お前みたいなやつは他の奴らに売って金にしてやる…さて、次はどいつにしようかなっと。







やっとお目覚めかい…時雨。


時雨「…。」


…ったく、お前が売り飛ばされる日なんだからよ、もっと悲しい顔してみろよ。


時雨「…。」


そうか、じゃあお前がいなくなったら山城を呼び戻そう。


時雨「…‼」


はっはっ…驚いた顔は滑稽だ。会場でもそんな顔してくれよ。


時雨「…‼」


そう睨むなよ。今から爆弾と鎖をつけにくいじゃないか…よっと。できたぞ、お前が暴れたら爆発するやつだ。


時雨「…。」


おっと、呼ばれてるな。じゃあな時雨。


時雨「…山城。」





20:30 *○鎮守府入口


憲兵「ん?君、なんでこんなところにいるんだい?」


提督「お父さんの忘れ物を届けにきました。」


憲兵「そうかい、えらいな〜。」


提督「ところで、この騒ぎはなんなんです?」


憲兵「さあねー。俺たち憲兵はただ集められただけだからね。」


提督「…そうですか。」


憲兵「まあね。君がお父さんみたいな立派な提督になったら、俺たち憲兵に仕事くらい教えてね。」


提督「はい…では、おやすみなさい。」



ドンッ



憲兵「」


提督「憲兵さんは、生かしておきましょう。何も知らない様ですしね。」


提督「さて、残りの憲兵さんは…50人といったところでしょう。」



ドスッ

ドスッ

ドスッ






提督「憲兵さんはかたずいたので、時雨さんを助けにいきましょう…。」すたすた






21:00 会場


司会者「ジェントルマンの皆さま、大変長らくお待たせしました。」


司会者「これより、奴隷オークションを始めます‼」



パチパチパチパチ…。


司会者「では、商品を出すので、ご注目ください。」




おら、さっさと歩け‼


時雨「…。」


司会者「では、早速始めたいところですが、この商品が頑なに拒んだ処女を誰かにもらってもらいましょう‼」



どれ、私がしてやろう

いいや私だ‼

俺だ‼



スタスタスタスタ…



司会者「おっと以外だ…まさかの小学生の登場だ‼きみ、名前は?」


提督「…。」スタスタ


司会者「おっと、それ以上は挨拶が済んだあとにしてもらえるかな?」


提督「…。」スタスタ


司会者「君…。」


提督「時雨さん…ですよね。」


時雨「…。」


提督「私は、山城さんの上司の提督です。」


時雨「…‼」


提督「あなたを…助けにきました。」



提督の過去2


ほら、さっさと歩け‼


時雨(痛い…やめて…叩かないで‼)


そんなことを思ったって聞こえない思い

。分かっていたけど、叫ばずにいられなかった。


司会者の声が聞こえたのはその直後だった…。そうか、私の初めても取られるのか…ごめんね山城。君との約束、守れなかったよ…。


せめて、優しい人がいいな。いや、いないね。こんなクズの集まるところに、優しい人なんかいやしないんだ。


君かい?私の初めてをとる人は?…他のやつよりはましか。さあ、僕を虐めて、そして、山城と同じ思いをさせて…え?


君が…なんで僕の名前を…え?助けに?山城が⁉君のところにいるの…そっか…


「ありがとう…」


言葉になったかどうかわからないけど、伝わった見たいだった。よかった。


「ちょっと目を閉じててくださいね。」


素直にしたがった。この人なら大丈夫、自分に言い聞かせる必要はいらなかった。




カシャン…カシャンカシャン‼



「はい、もういいですよ。」


目を開いたら、今までかけられた手錠やさっき付けられた爆弾が粉々になっていた。嬉しかった。


「ごめんなさい。少しの間、眠っててもらえますか?」


すると、体の力が抜けて、ゆっくり意識がなくなっていった…。気持ちよかった。でも、一瞬、提督が真っ黒に見えたのは確かだった…。





提督「…よっと。さて、時雨さん、帰りましょう。」



ガチャガチャガチャ‼




クズ「貴様‼何をしたかの自覚はあるのだな?」


提督「えぇ、時雨さんを助けに来ただけですよ?銃を何故構えてるんです?」


クズ「そうか、そんなに死にたいか…望み通り殺してやろう‼ってー‼」





パンッパンパンパンパンッ!




クズ「へ、餓鬼が出しゃばるからし」




プスッ…ドタッ‼



クズ「」


クズ2「どうしましたか?」


クズ「」


クズ2「死んでる…まだあいつはいき」


ドタッ‼


提督「…殺す。」


クズ3「たっ助けてく」ドタッ‼


クズ4「畜生、なんでドアがあかないん」ドタッ‼


クズ5「憲兵どもはなにをやってるん」ドタッ‼


クズ6「至急至急、応答を願う…くそ、なんで無線が」ドタッ‼







提督「これで最後だな…。」


ドタッ‼


提督「ふ〜やっとあの人の登場ですか。」




ガチャッ



ゴミ「皆さんようこそ。今回時雨を調教させた…なん…だよ。」


ゴミ「なんで皆寝てん…死んでる‼」


ゴミ「はわわわわ…憲兵…憲兵‼クソ‼役立たずどもが‼」


ゴミ「犯人は⁉今すぐ逃げないと、殺される‼」


提督「…動かないでください。」トングシャキーン


ゴミ「ひいっ‼ごめんなさいごめんなさい助けてください‼」


提督「動かないでっていってますよね。」


ゴミ「わかった、金をやろう。それとも地位か?奴隷か?」


提督「…もし正直に答えたらはなしましょう。」


ゴミ「本当か⁉」


提督「えぇ…。ではまず、山城さんを何年奴隷の様にしてきましたか?」


ゴミ「何故山城を⁉…いや、1ヶ」


提督「殺しますよ?」


ゴミ「…3年です。」


提督「次の質問です。時雨さんは、どれくらい?そして、何をしましたか?」ぐっ


ゴミ「時雨は1ヶ月でな、あいつ、俺が何しても無反応だったからな、爪を剥がしたり、ナイフできったり、熱した棒で殴ってやったりな…ストレス発散には丁度よかったよ。」


提督「…次が最後です。山城さんを奴隷みたいにあつかって、どうでしたか?」


ゴミ「あぁ、あいつは最初から嫌がってな、舐めてやったり、思いっきり突っ込んでやったり、そこにいる奴らでヤッたり、楽しかったぜ。」


提督「そう…ですか…。」ぱっ


ゴミ「じゃあな…って、逃げると思ったのか‼」カチッ


提督「…。」


ゴミ「馬鹿が‼お前はここで死ぬんだよ‼」


提督(殺したい…。)


ゴミ「へっ、詰めが甘かったな‼」


提督(殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい…。)


ゴミ「最後に聞かせてやるよ。」


提督(山城さんと時雨さんの代わりに、私が残酷に殺したい…。)


ゴミ「よく聞いとけよ。」


提督(四肢切断しても足りない…その度に精神安定剤をうってやろうか…。)








ゴミ「扶桑は…山城の姉は、俺が殺した。」


提督「神への祈りをやらせる時間はやらん。今すぐ死ね。」ダッ


ゴミ「死ぬのはお前だ‼」パンッ


提督「…。」スカッ


ゴミ「あれ、おかしいな?」パンッ


提督「…。」スカッ


ゴミ「当たらない…なんでだよ‼なんで…なんで‼」パンッパンッパンッ


提督「…。」スカッスカッスカッ


ゴミ「あれ、弾がでない…ひぃ…くるな…くるな‼」カチカチカチ


提督「…。」


ゴミ「ごめんなさい‼助けて‼たすげて‼」じょろろろろ








こんなゴミクズに…山城さんや時雨さん。それに扶桑さんは…ゆるせない。


絶対に許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない…


…私は、何故こんなゴミクズを殺しに来たのだろう?


いや、殺しに来たのではない、助けにきたのらだった。誰を?時雨さんだ。


時雨さんを助けてと頼んだのはだれだ?


「・・・く」「・い・く」

「てい・く」




「提督」





あぁ…全部思い出した…あの提督と呼ぶ姿、夜に見た姿、過去を打ち明けて時雨さんを助けにいって欲しいという姿。


そして、恨みの相手を残酷に殺したことを知った山城さんの姿…


そうか…そうか…答えは簡単だったんた










ゴミ「たすけ」ドサッ


提督「私は、山城さんが悲しい顔をするのが見たくないからここに来たんですね。」




提督の過去3


提督「さて、時雨さんを連れて帰りましょうかn…ん?」


提督「おかしいですね?なぜ、長い髪の毛が?ここには女性は時雨さんしかいないのですか…時雨さんのではありませんね。」


提督「まさか⁉…最後の最後に大きな嘘をついてくれましたね。」ダッ












執務室


提督「ここが執務室ですか…やけに豪華ですね。」ガチャ


提督「ん?ここだけ素材がちがいますね。だとしたらここら辺に…ありました‼」ガチッ




ガガガガガ…



ドンッ!



提督「ここが地下牢への入り口ですね…ここに山城さんや時雨さんがいたと思うと…くっ‼」ダッ





カツカツカツカツ…




提督「空きの牢が多いですね…ん?この匂いは‼」


提督「…やはり、時雨さんの牢でしたか…。釜戸に鎖、それに刃物がこんなに…。」ぐっ




バキッ‼



提督「思いのほか柔らかいですね。簡単に入れました。」


提督「…こんなに血が固まっているのに、掃除すらあいつらはしなかったのか。」


提督「…ここにいつまでもいても仕方ないので、他の部屋にn…これは‼」


提督「スピーカー…しかもまだ繋がっている‼そして有線じゃないですか‼」


提督「ということは壁の向こうには…くっ、すみません!壁から離れてください‼」ぐっ




バキッ‼




提督「…流石に硬いですね。これは腕の一本はいきそうですね…いや、一本でも甘いほうです‼」ブンッ




バキッ‼




提督「まだ…まだ‼」




バキッ‼ドゴッ‼バコッ‼…




提督「あと…一発‼」ブンッ





ドゴッ‼ボキッ…ガラガラガラガラ…





提督「腕かイきましたね。」


提督「ですがあなたと会えて良かったです。」







提督「扶桑さん…。」






扶桑「…貴方は?」


提督「私は、提督です。」


扶桑「そうですか。」


提督「ではかえりまs」


扶桑「提督にお願いがあります。」


提督「何でしょう?」


扶桑「私を…私を殺してください…。」


提督「なぜ…ですか?」


扶桑「…私には妹がいました。1ヶ月前までは。」


扶桑「私たち姉妹は、別々の鎮守府にいると聞かされていましだか、本当は隣の牢にいました。」


扶桑「妹…山城は、毎日暴力や性行為を無理やりさせられていましたが、私はここで大音量で山城の声を聞いていました。」


扶桑「食事も満足になく、妹が食べ物を欲しがる中、私は満足な食事がずっとわたっていました。」


扶桑「そして1ヶ月前に、山城は、凄まじい声をあげ、急に声が聞こえなくなりました。」


扶桑「そしてそのあと、時雨が入ってきました。拷問の中でもずっと静かでした。」


扶桑「そんな中、私は悠々と生きているんですよ‼妹が死んだ世界で‼」


扶桑「なので提督、お願いです。向こうにあるナイフで、私を痛くして殺してください‼」


提督「…。」すたすた


扶桑「ありがとう…ございます。」


提督「…。」ちゃきーん


扶桑「あぁ、山城…私ももうすぐ行くからね…」


提督「…。」カチッ


扶桑「さあ、提督。お願いします。」


提督「…。」ブンッ








パリンッ‼





扶桑「なにを…しているの…。」


提督「私は、貴方を殺すことはできません。」


扶桑「なんで…なんで‼」


提督「山城さんは生きているからです。」


扶桑「山城が⁉…じゃぁ、ますます私が生きる意味がないですよ。」


提督「何故ですか?」


扶桑「そんなの、山城に合わせる顔が無いからに決まっているでしょう‼」


提督「…。」


扶桑「不幸な3年を過ごした妹に、ただ普通に暮らせてた私があったらどう思うかわかるでしょ‼きっと、嫌な顔をされて、恨まれて…私はそんなの耐えられない‼」


提督「…⁉」すうっ






パシーンッ‼






扶桑「…。」ヒリヒリ


提督「あなたは…あなたは山城さんをわかってない」


扶桑「…。」


提督「山城さんはただ、あなたと時雨さんに会いたいだけです‼」


扶桑「でも…わたし…」ポロポロ


提督「でもも過去もありません‼山城さんは、ただあなたに会いたいだけなんですよ。」


扶桑「提督…私…こんなに汚れてるのよ…。」




しゅるり





提督「いいえ、あなたは綺麗です。」





ぎゅっ…





提督「扶桑さん…私の鎮守府に帰りましょう。」


扶桑「提督…あなた、私にきつい道をえらばせるのね。」


提督「えぇ…そうです。」


扶桑「山城…怒らないかしら…。」


提督「えぇ…大丈夫です。」


扶桑「提督。」


提督「はい?なんでs」






ちゅっ…






扶桑「これは、お礼です…受け取ってください。」


提督「…。」


扶桑「ふふっ、私、これが初めてなんですよ。…責任、とってくださいね。」にこっ


提督「…。」


扶桑「提督…?」


提督「…。」鼻血ドバー


扶桑「え、いや、提督、大丈夫ですか?」ゆさゆさ ぷるんぷるん


提督「」ブシュー


扶桑「提督⁉こうなったら、暖めるしか…。」ぎゅっ


提督「」


扶桑「なんとか止まりましたね、提督。

提督…?」


提督「」ちーん


扶桑「提督‼」



魂が抜けた提督が復活するまで、時間はあまりかからなかったという…慣れって怖いですね。




帰り道


時雨、逃げなさい‼


時雨「いやだよ…僕もたたかうよ。」


時雨…あなただけは…


時雨「まってよ、2人は…2人はどうするのさ‼」


さよなら、時雨…


時雨「嫌だ…2人を置いてくくらいならb」






ドカーンッ‼





時雨「扶桑…山城…ごめん…ごめん…」


時雨「絶対に、この戦争で生き残るから…。」









時雨「ん…ここは?」


提督「おや?起こしてしまいましたか?」


時雨「提督…あいつらはどうしたの‼」


提督「…帰ったら、僕の過去と一緒に話します。」


時雨「提督…。」


時雨「なぜ僕はお姫様抱っこされてるんだい?」


提督「片手なので、お姫様抱っこじゃありませんよ。」


時雨「いや、そうじゃなくて…ん?提督、右手を折ったのかい?」


提督「えぇ、まあ。」


時雨「なら、僕はおんぶでいいよ。しがみつくから。」


提督「ごめんなさい、後ろは定員オーバーで…。」


時雨「ん?誰かいるの?」


扶桑「久しぶりね、時雨。」


時雨「扶桑⁉でも、山城と離れ離れになったはずじゃ…」


扶桑「ごめんなさい…実は、あなたたちの隣にいたの…。」


時雨「そっか…でも、こうして会えてるから、嬉しいよ。」


扶桑「時雨…。」


時雨「提督、ありがとう。こうやって、皆に会えて、僕は幸せだよ。」


提督「いえ、私はなにも…山城さんが過去を話してくれたおかげです。」


時雨「…でも、僕は、提督にお礼がしたいな。なんでもするよ。」


提督「お礼なら山城さんに…」


時雨「よし、きめたよ。」


提督「話をきいてくだs」


時雨「僕の初めてをあげるよ。」


提督「…。」


時雨「この一ヶ月守り抜いた、大切な初めてをあげる。」


提督「わ、わた…」


時雨「いやならいいよ…。でも、欲しいなら…僕を、ちゃんと女として見て欲しいな。」


提督「え、えっと…」








扶桑「そういえば、提督には、私の初めてを差し上げましたよね。」






提督「」


時雨「そうなの扶桑?」


扶桑「えぇ、あの密室のなか、提督は激しくて…/////」


提督「」


時雨「扶桑のをもらったんなら、僕のもらってくれるよね。」にこっ


提督「」


扶桑「そういえば、山城とはしたのかしら?」


提督「な、なにをです?」


扶桑「性行為ですよ。」


提督「」




ん…あっ…提督…


するなら、早くしてください…恥ずかしいですから…





提督「さ、早く帰りましょう。スピード上げるので、つかまっててください。」


扶桑「え、ちょっと、提督…きゃぁ‼」


時雨「提督、早過ぎ…ぷっ」



このときの提督は、小雨の中でも分かるくらい鼻血がでていることを扶桑と時雨は見逃さなかった…。









提督の過去4


鎮守府


山城「提督…大丈夫かしら…。」


山城「もし提督になにかあったら…私が殺したんだ‼」


山城「…だめね、艦娘が提督を信じなくてどうするのよ。」


山城「提督は、帰ってくるわ。」


山城「…どんなにボロボロでも、時雨を連れ戻せなくてもいいから…」


山城「帰ってきて…提督。もう一人はいやなの…。」ポロポロ





こんこん…





山城「提督⁉…いや、駄目よ。ちゃんと確認しないと。」


山城「…どなたですか。」


⁇⁇「私です山城さん。開けてください。」


山城「…ちび。」


⁇⁇「…。」ずーん


山城(このドアの向こうから感じる不幸なオーラは‼)


山城「提督‼」ガチャ


提督「あ、山城さん。ちゃんと確認をしてえらいです。は、ははは…。」ずーん


山城「提督…こんなに血まみれになるまで…。」


提督「これは…まあ、はい。」


山城「ありがとうございます…提督が無事でなによりです。」


提督「山城さん…。」


時雨「僕たちの目の前で見せつけてくれるね、山城。」


山城「時雨⁉いつからそこに⁉」


時雨「最初からだよ…もぅ、少し焼けちゃうじゃないか。」


山城「ごめん…ん?それはどっちに?」


時雨「さあね。」


提督「それと山城さん、この人も…。」


山城「この人って…うそ、姉様…。」


扶桑「久しぶりね、山城。」


山城「姉様…姉様‼」だきっ


山城「うぁぁぁぁ…ねえさまぁぁぁ‼」ポロポロ


扶桑「あらあら、みんな見てるわよ…。」


扶桑「やま…しろ…ぐすんっ…。」ポロポロ


時雨「提督、お花摘みにいきたいな。」

ほろっ


提督「えぇ、案内しますよ…。」










提督「あの、お風呂の準備ができましたので、よろしければお入りになってください。」


山城「姉様、時雨。いきましょ。案内します。」ぱぁぁぁ


扶桑「えぇ、わかったわ。」にこっ


時雨「いまいくよ…っ‼」


提督「どうしましたか‼」


時雨「足を折られてたみたい…。くっ‼」


提督「山城さん、時雨さんをいますぐお風呂に。それと、この入浴剤をつかってください‼」ぱっ


山城「時雨、大丈夫?…よっと。」


時雨「山城…また、迷惑かけたね。」


山城「なにいってんのよ。子供は迷惑をかける生き物だから仕方ないわよ。」すたすた


時雨「提督よりは大きいから子供じゃないよ…。」ぷくっー


山城「…それもそうね。」


時雨「山城?どうしたの?止まってるけど。」


山城「ん?あっ…なんでもないわ。」すたすた


時雨「…提督。」


山城「」ドキンッ‼


時雨「なんて…冗談だよ。」


山城「べ、べつに、提督のことなんて…」すたすた


時雨「まだ僕、何もいってないよ。」クスクス


山城「なっ…/////」かぁぁぁ


時雨「ん?どうしたの、山城?」ニヤニヤ


山城「ん〜〜/////あ、ここよ、ここがお風呂よ、早く入りましょう‼」アセアセ


時雨「うん…解ったよ。」









脱衣所


扶桑「二人とも遅かったわね?なにかあったの?」


山城「姉様…い、いえ、なにも////」


扶桑「?」


時雨「ふふふ…やっぱり山城は可愛いね。」


山城「時雨‼」


時雨「ごめんごめん。」


扶桑「早く入りましょう。私たち、しばらく入ってないのだから臭うでしょ。」


時雨「うん…提督よく臭いって言わなかったね…僕でも臭うのに。」


扶桑「提督は優しいですからね。」


山城「そうですよ。提督は優しいですからね。」キラキラ


時雨「山城は提督のことが「わーわー!」…冗談だよ。」


扶桑「流石にわたしにも分かったわ…。」


山城「べ、べつに、提督のことが好きって訳じゃ…」


扶桑「私は好きとはいってないわよ。」クスクス


山城「もぅ…姉様まで…////」


扶桑「さあ、入りましょう。」






風呂


時雨「ここのお風呂、やけに広くないかい?」


山城「元は大きな鎮守府だ…っ⁉」


扶桑「まずは体をあらわ…っ⁉」


時雨「扶桑、山城どうしt…あぁ。」



時雨の背中には幾つもの火傷や切り傷、打撲、刺し傷があとをたたなかった。


山城「…まずは入りましょうか。」


扶桑「提督にもらった入浴剤混ぜておきましたよ。」


時雨「気にしないでいいよ…ちゃんと洗ってからはい…っ‼」くらっ


山城「時雨っ‼」


扶桑「仕方ありません…山城…せーの‼」ぶんっ




どっぽーんっ‼




時雨「」ブクブク


山城「やりましたね姉様。」


扶桑「えぇ…時雨は頑固ですものね。」


時雨「ばずげで…」ブクブク


山城「時雨、なにをいってるの?」


時雨「ばずげで…」ブクブク


扶桑「…はっ‼時雨が足を骨折してることをわすれてたわ‼」





ザッバッーン‼





時雨「もう、酷いじゃないか2人して。」ぷくっー


山城「ごめん時雨…って嘘‼」


扶桑「時雨、もう足はいいの?」


時雨「あ…ほんとだ、いつの間に。」


山城「見て、傷もどんどん消えてくわ。」


時雨「扶桑、山城…僕、綺麗?」





ぎゅーっ




扶桑「綺麗よ…時雨。」


山城「本当、綺麗よ…」


時雨「ありがとう…ありがとう…」ポロポロ


時雨「怖かったよ…怖かった…。」


時雨「うぁぁぁ…うぁぁぁぁ…。」ポロポロ


扶桑「…。」ぎゅーっ


山城「…。」ぎゅーっ







執務室


山城「さっぱりしましたね。」ほかほか


扶桑「えぇ…。」 ほかほか


時雨「うん…。」ほかほか


山城「姉様、時雨。なにかあったの?」


時雨「う〜ん、あったというより…」


扶桑「緊張がとけて、その…。」





ぐ〜ぎゅゅゅる〜




扶桑時雨「//////」


提督「あ、上がられたんですね。」


提督「丁度良かったです。お腹が空いたのでカレーを作ってまして。」


提督「その匂いでお腹がなってしまって…」


扶桑時雨「提督…。」


提督「よろしければ食べませんか?」


山城「わ、私は…べつに…。」


扶桑「お言葉に甘えて。」しゅたっ‼


時雨「僕も〜。」


提督「山城さんは、食べないんですか?」しゅん


山城「わた、私は…」


提督「そう…ですか…。山城さんの分をいつの間にかついでしまった自分が馬鹿みたいですね…。」ははは


山城「提督、いつまで突っ立ってるんですか?早くみんなのをついでください。食べられないじゃないですか‼」キリッ


提督「分かりました〜。」ふふふ







提督「それじゃぁ、食べましょうか。」


全員「いただきます。」


時雨「はんっ…うん、美味しいよ。」


時雨「こんなに美味しいの、食べたことないよ…。」ポロポロ


提督「時雨…大丈夫です。美味しいものは、これから毎日食べれますから。」ぎゅっ


時雨「ありがとう、提督。」ぐすん


山城「時雨、隣で食べてもいいかしら?」


時雨「うん、狭くなるけど…。」


扶桑「私もいいかしら?」


時雨「扶桑まで?もう…狭いよ。」にこっ


時雨「でも…さっきより、美味しく感じるよ。」


提督「時雨さん、料理の最大のスパイスってなにか分かります?」


時雨「空腹かな…?」


提督「いいえ、違います。正解は愛です。」


時雨「愛…かぁ…確かに提督のカレーは美味しいけど、扶桑と山城が隣に来てからの方が美味しく感じるよ。」


提督「それは、山城さんと扶桑さんが時雨さんを愛してるからです。」にこっ


山城「なっ…私はべつに…。」


扶桑「ふふふ…。私も山城も、時雨のことを愛してるわ。」


山城「姉様⁉」


提督「だ、そうですよ。」


山城「/////」


山城「私も、時雨のことを愛してるわ…。」ボソッ


時雨「ふふ…ありがとう扶桑、山城。」


提督「さて、では早く食べてしまいましょう。」


山城扶桑時雨「はーい。」





提督の過去5


提督「皆さん食後で申し訳ありませんが、ちょとお話したい事があります。」


提督「今日の時雨さん、扶桑さん救出についてです。」


扶桑山城時雨「…っ!」


提督「皆さん知っての通り、あの鎮守府には数多くの憲兵や提督がいました。」


提督「普通に考えるとわたしみたいな中卒でチビではできっこありませんよね。」




提督「武道の達人でないと。」くらっ





艦娘たち「っ‼」


山城(今、提督から暗いやつが…)


時雨(あの時見たやつが…)


扶桑(提督、まさか…)


提督「…皆さんの察しどうり、私は達人です。」






提督「私の家は、さっきょくかでした。」


山城「作曲家…ですか?」


提督「山城さん違います。作曲家ではなく殺極家です。」


提督「殺極家は殺し屋と違い、ただ殺すことを目的とした人たちです。」


提督「しかも家は名家で、私は跡取りでした。」


提督「父と母は才能があると言われた人たちで、その才能は私にも引き継がれました。」


提督「私が3歳のころ、父の指導のもと、初めてひとを殺しました。」


提督「そこから私は人を殺し続けました。いい人も悪い人も関係なく…。」


提督「そして10歳のころ、父と母を超えました。」


提督「それに気づいた父は私に独り立ちをしろと、外に出されました。」


提督「この間まで一人暮らしをしてましたが、ついに父と母が門下生と一緒に私を殺しに来ました。いつ自分が殺されるか不安だったのでしょう…。」


提督「気がついたら、私の周りには死体しかありませんでした。」


提督「いつも通り死体の処理をしようとしたら、ある人に見つかってしまいました。」


提督「その人は前元帥でした。」


提督「私はその人を殺そうとしましたが…できませんでした。」


提督「元帥が私を抱きしめていて、提督になりなさいと言われて来たのがここです。」


提督「・・・これが私の過去です。」


山城「提督は、なぜこのことを私たちに話したんですか・・・。」


提督「それは・・・私の身を守るためです。」


時雨「てい・・・とく?」


提督「・・・今までに殺してきた人たちから私は狙われています。私一人なら何とかなりますが、あなたたちが人質に取られたら私の命が危ないじゃないですか。」


扶桑「提督・・・あなた・・・」


提督「私は提督になる気はなかったのに・・・殺極家で私は生きていくつもりでしたのに。」






提督「なのでこの鎮守府からでていってもらいます。」






扶桑時雨「・・・・・・・っ!!」

山城「・・・・・・・・。」






提督「ここに転勤届けがあります。後は名前を描くだけなので早く書いてくださいね。」


提督「転勤先は信頼できるところなので、安心してください。」


提督「・・・山城さんどうかしましたか?」


山城「・・・提督。」すうっ















パシンッッッ・・・・・!!!!







提督「・・・・痛いです。」


山城「それは、本当に提督がやりたかったことですか・・・・。」


提督「・・・なにをいって」


山城「本当にやりたかったかことか聞いてるんです!!!」


提督「・・・。」


山城「本当にやりたいことだったら私は反対しません・・・ですが、私はこれが提督のやりたかったこととは思えません!!!」


提督「私はみなさんが邪魔なだけで」


山城「なら、私たちを殺せばいいじゃないですか。」


提督「それは・・・」


山城「また、そうやって私たちをかばおうと自分を犠牲にするのですか・・・。」


提督「っ!!」


山城「やはりそうだったのですね・・・。提督は私たちを信じてくれていないのですか・・・。」


提督「ちが・・・そうじゃ・・・」


山城「そう・・・ですよね・・・。出会って間もない私たちを信頼はしてくれていませんよね・・・不幸だわ。」











提督「違うっ!!!!!」バンッ









提督「私はただ・・・ただ・・・あなたたちを・・・守りたいだけなんです!!!!」


山城「やっと、本音を言ってくれましたね・・・提督。」


提督「私の前からいなくならないでください・・・ずっと・・・ずっとですよ・・・。」


山城「分かりました。山城はここにいますよ。」ぎゅっ」


提督「山城さん・・・。」


山城「いまはそれだけでいいです。これから治していけば・・・。」なでなで


提督「・・・。」


山城「でもいつか、本音を隠さず私たちに言えるようになったら、その・・・おねがいしますね。」ぼそっ


山城「それまでは私が・・・」すうっ



すると、山城さんが目を閉じて私の顔に近づいてきていた。1cm、また1cm…ゆっくりと、しかし確実に私の顔に向かってきていた。


提督「やましろ・・・さん・・・。」


触れてはだめだった。もし触れてしまうと、あなたたちをまもることができそうになくなる・・・私は本音しかいえなくなる・・・愛がわかってしまう。


山城「・・・。」すうっ


あなたのお陰でわかってきた関係が崩れてしまう。大切が大切じゃなくなってくる…


山城「てい・・・とく・・・」


残り1cmのところまで来ていた。山城さんの淡い桃色の唇が目の前だった。いい香りがする…ああ、もう、何も考えられない…


山城「・・・。」ぴたっ


急にやましろさんの動きが止まった。そして、心の底でのわたしが何か言っていた…お前を愛する者はいない…かあっ。


…また、いつものように俺を使って人を殺せばいい。別に支配しようとは思わない、お前はおれだからな。


知ってます。支配しようとしてたならいつでも私を乗っ取れていましたからね。


…ああ、お前を助けてやったのもおれだからな。


そうです、あなたがいないと私は人を殺せませんし、殺られていたこともたしかでしょう。


…なら愛を知ってってしまうと俺が消えることもしってるよな?


・・・知ってます。


…そうか。それを知っているならおれは何も言わない。俺はお前だからな。さて、邪魔者は消えるとするか…山城を守れよ。その命に代えてでもだ。


わかっています。本当に心配性ですね。


…お前もな。













ちゅっ…









山城「提督…好きです…。」ぎゅっ


提督「私もです…。」ぎゅっ







扶桑(あら?提督から黒いオーラが…。)


時雨(消えてる・・・・。)


扶桑(それより時雨、私たちはあとどれくらいこのふたりのイチャイチャをみなきゃいけないの?)


時雨(さあ…二人が重なるところまでじゃないかな?)


扶桑(妹と好きな人が重なるのを私に見ろと・・・ふふふ・・・不幸だわ)


時雨(今の山城に似てたね。)


扶桑(時雨は何も思わないの?)


時雨(僕は・・・提督の幸せが一番だから・・・)ポロポロ


扶桑(時雨・・・。)


時雨(提督がいいなら・・・それで・・・)ポロポロ


扶桑(時雨、我慢しないでいいのよ。ここはあそこじゃないのだから・・・)


時雨(扶桑・・・。)ぎゅっ













山城「提督、あなた黒いなにかが・・・」


提督「・・・やはり見えていたのですね。」


提督「あれは私であり、命の恩人でもあります。」


山城「はあ・・・。」


提督「山城さん。」


山城「はい。」












愛してます・・・・・。









山城「・・・。」


山城「・・・。」


山城「・・・。」


山城「・・・。」


山城「・・・。」



山城「え、ええ~~~~~~~////////」


提督「それだけです。」にこっ


山城「もうっ・・・提督のバカ・・・///」


提督「山城さん?」


山城「知りません!!失礼しました!!」ドアばっっしーん


提督「???」


扶桑「提督、ではわたしも。」


時雨「すぅ・・・すぅ・・・」


提督「え、扶桑さんいつから・・・」


扶桑「最初からです」ドアばっしーん


提督「」












山城「はあ・・はあ・・これ以上は心臓が・・・」


扶桑「心臓がどうかしたの?山城」


山城「姉様・・・はっ・・・まさか///」


扶桑「勿論見たわよ。」


山城「///」


扶桑「で、なぜあなたはここにいるの?山城」


山城「なぜって・・・それは・・・」


扶桑「あなたの行くとこはここじゃないわ。行きなさい。」


山城「で、でも・・・」


扶桑「行きなさい!!これは命令です!!」びしっ


山城「わ、分かりました!!」ダッ





たったったっ・・・・・





扶桑「そう・・・それでいいの・・・」ポロポロ


扶桑「提督、愛してます・・・。」







扶桑と時雨がかわいそうだって…ok愛でよう



山城「提督‼」ドアばーん


提督「」


山城「提督、どうされたのですか?」


提督「山城さん…?なんでここに?」


山城「あ、えっと…その…」


提督「?」


山城「て、提督といっしょに…いっしょに…」


提督「??」


山城「ね、ね、ね…」


提督「???」


提督「山城さん。」


山城「はいぃぃぃ‼」ビクッ


提督「まずは深呼吸をしましょう。すってーはいてー。はいっ」


山城「すー…はー…よしっ‼」


山城「提督、今日は私と」








扶桑「提督、今日は私たちと寝てください。」







提督「…扶桑さん⁉いつからそこに⁉」


扶桑「さっきからです…よね、山城」にこっ


山城「ふ、扶桑姉様これにはわけが…」


時雨「もう提督。僕たち疲れてるんだからはやく寝ようよ…。」


提督「分かりました。着替えるので寝室でまっててください。」がちゃ





執務室


扶桑「提督はいったわね…。」


扶桑「さて山城。どういうことか説明してもらいましょうか」ゴゴゴ


山城「…。」汗だばー


扶桑「はぁ〜。私がせっかくチャンスをあげたのにあなたがヘタレてはなんの意味もないじゃないですか…。」


時雨「そうだよ。僕の大切な人どうしがキスするのを見てるのは辛かったんだよ。」


山城「…返す言葉も御座いません。」


扶桑「まあ、いいわ。だって」


時雨「僕たちが一緒に寝てあげるからね。」にこっ


山城「…提督の隣はいくら姉様や時雨でも譲りませんからね。」ぼそっ


扶桑「はいはい。提督の隣はみんなの場所ですからね…私は左側で。」


時雨「じゃあ僕は提督のお腹にするよ。」


山城「…しょうがないですね。」






寝室


提督「ではみなさん。私は床で寝ますので、みなさんはベットで・・・」


山城「駄目です。」


時雨「そういうと思ったよ・・・。」


扶桑「提督は私たちと寝るのは嫌・・・ですか?」


提督「そんなことはありません。皆さんを仲間だとおもってますよ。」


扶桑「・・・え?」


提督「え?」


山城「私のあの・・・その・・・接吻は・・・」


提督「たしかヨーロッパでは上下関係が成り立つときにすると聞いたことがあります。」


時雨「提督、それは手の甲にするものだよ。唇にするのは・・・ねぇ。」


提督「・・・・?」


時雨「・・・提督、いくらなんでも鈍感すぎるよ。」


山城「もう知りません!!おやすみなさい!!」どさっ


提督「???」


扶桑「提督、とりあえず山城の隣に寝てあげてください。」


提督「はぁ・・・わかりました」


提督「ん?扶桑さんに時雨さんなんだかご機嫌ですね。」


扶桑「そんなことないですよ。」つやつや


時雨「そんなことないよ。」つやつや


山城「・・・嘘つき。」ボソッ


提督「山城さん?どうかしましたか?」


山城「・・・なんでもないです。」


提督「なら、隣いいですか?」


山城「・・・どうぞ。」


提督「しつれいしますね。」


時雨「僕はここにするね。」おなかにぎゅうっー


提督「おっと・・・時雨さんもっと上じゃなくて良いんですか?」


時雨「うん・・・提督が嫌ならあがるけど。」


提督「落ち着くのならそれでいいです。」なでなで


時雨「ん・・・気持ちいよ提督。」


提督「ありがとうございます。」


扶桑「私はここで・・・」提督をぎゅっー


提督「わっぷ・・・扶桑さん・・・このままだといきが・・・」


扶桑「・・・。」すーすー


提督「は、はなし・・・がくっ」すっ













とく・・・てい・・・


提督「・・・ん?なんですか時雨さん。」


時雨「提督、お願いがあるんだけど・・・いいかな?」


提督「いいですよ・・・この状態を解決してくれたらですが。」


山城「ていとく・・・。」ひだりてがしっ


扶桑「提督・・・。」みぎてがしっ


時雨「お安い御用だよ・・・はむっ。」ぱくっ


提督「!?時雨さんなにしてるんですか!」


時雨「ふぇ、ふほうのへをはふほうはほおほっへ(扶桑のてをはずそうとおもって)」


扶桑「ん///あっ///だめ・・・」


提督「・・・。」鼻血たらーり


時雨「よし、扶桑のははずれたから次は山城のを・・・」


提督「はずしましたよ。」ティシュつめつめ


時雨「ありがとう提督。じゃあ僕のお願い聞いてくれる?」


提督「ええ、どうぞ。」


時雨「僕とお花摘みに行ってくれないかな・・・。」もじもじ


提督「え、お花摘みですか?わざわざ夜に行かなくても・・」


時雨「うぅ・・・そういわれると返す言葉もないよ。」


提督「なので明日にしましょう。山城さんと扶桑さんをさそって・・・ってなんでそんな目で私を見るんですか?」


時雨「提督・・・このことを女の子に言わせるの?」


提督「どんなことです?」


時雨「お花摘みはトイレに行きたいってことだよ。」


提督「え・・・?」


時雨「もう・・・提督が気づかないからもう・・・もれそう・・・ん///」もじもじ


提督「ごめんなさい!!・・・ってそれよりもしっかりつかまってください。」


時雨「え・・・なんd・・・きゃっ!!」おひめさまだっこー


提督「いきますよ・・・っ」


時雨「提督・・・そんなにゆらすと・・・もう・・・ん~///」











かぽ~ん


提督「ごめんなさい。いそぎすぎてつい・・・。」


時雨「もういいよ。一人で行かなかった僕も悪いし・・・一緒にお風呂に入ってくれたし。」


時雨「できればこっちを見てくれると嬉しいんだけど・・・」


提督「それは無理です。」


時雨「・・・提督、いい加減そのくせ治さないと・・・デキないよ。」


提督「何をです?」


時雨「エッチなことだよ。」


提督「・・・。」鼻血どばー


時雨「もう・・・そんなことだったら一生デキないよ。」


提督「私は別にしたいとは・・・。」


時雨「提督も男の子なんだから我慢しないほうがいいよ。」


提督「・・・。」


時雨「ふぅ~今の話はこれで終わりにするね。」


提督「お願いします。」


時雨「・・・提督。提督はどうやって強くなったの?」


提督「・・・。」


時雨「僕は弱いままじゃいやなんだ。」


時雨「扶桑と山城を守りたいんだ・・・。」


時雨「そのためなら何でもするつもりだよ。」


時雨「だから提督、教えてくれないかなぁ。」


提督「・・・。」


提督「時雨さん、僕は強くなんかないです。」


時雨「何を言ってるのさ提督、提督は強いじゃないか。」


提督「・・・こんなのは強いとはいえません。私はただひとを殺すだけの兵器・・・使い方を間違えて自分の心を殺してしまった私は強いとはいえません。」


時雨「じゃあ提督、強いってどういうことなのさ。」


提督「私は心だと思います。」


時雨「こころ?」


提督「えぇ・・・その人のことを思って何ができるか、どうすればいいのかがわかることだと思います。」


時雨「でもそんなのじゃみんなを守れないじゃないか。」


提督「・・・。」


時雨「僕は守られっぱなしは嫌なんだ。ぼくがまもらないと・・・」






ぎゅっ・・・・




提督「守れますよ、少なくとも私は。」


時雨「提督・・・。」


提督「それでも不安なら私に任せてください。山城さんたちには指一本も触れさせませんよ。」


時雨「ふふっ・・・提督が言うと安心しちゃうな。」


提督「それは光栄です。微力ながら頑張らせって頂きます。」


時雨「そういうのを素でいってしまうから扶桑も山城も堕ちるんだよ・・・。」ボソッ


提督「何か言いましたか?」


時雨「何も言ってないよ。」


提督「そうですか・・・あっそうだ、明日から演習をしますか?」


時雨「本当に!やろう、絶対に。」


提督「わかりました。では明日から鎮守府起動ですね、楽しみです。」


時雨「そうだね・・・。」


時雨「提督気づいてるかい?」


提督「何をですか?」


時雨「僕の胸、触ってるよ//////」


提督「」


時雨「扶桑や山城くらいじゃないからわかりづらいと思うけど・・・提督?」


提督「」ぷかー


時雨「提督!!今すぐ引き揚げなくちゃ・・・ひぃゃっ!!」





ぷらーん・・・・・




時雨「これが提督の・・・うぅ…まだ無理だよ。」ちらっ


時雨「・・・よっと。よし、なんとか運べた。」ちらっ


時雨「・・・今度山城に聞いてみようかな。」














次の日


扶桑「あら、提督はどちらに?」


山城「提督は朝ごはんを5時に起きて作っていますよ。」


扶桑「そう、じゃあこれからは私たちも5時におきなきゃいけないわね。」


山城「それは不要ですよ姉様。」


扶桑「あらどうして?」


山城「姉様が来る前にやったところ、手伝う暇があれば寝ててといわれました。」


扶桑「・・・ほんとうにいい人ね。」


山城「えぇ・・・ではそろそろご飯を食べにいきましょう姉様。ほら、時雨も起きて。」


時雨「ん~提督・・・ん?ここは?」


山城「おはよう時雨。夢では提督と随分仲がよさそうだったわね。」


時雨「うん、楽しかったよ。」にこっ


扶桑「時雨、あんまり山城を茶化さないの。山城もすねない。」


山城「すねてません。」





コンコンコン



提督「おはようございます。朝ごはんができたのでみなさん来てください。今日から鎮守府活動開始ですからいそがしいですよ。」


山城・扶桑・時雨「はいっ!!」




時雨の涙


さぁぁぁぁ・・・・・


ここの鎮守府の提督になって早くも1カ月が過ぎました。


最初の頃は不安だった皆さんとの関係も問題なく、順調にいっています。


・・・・・の、ですが最近


提督「時雨さんご飯できましたよ・・・・」


時雨「ごめん、僕ちょっと今はお腹いっぱいなんだ。後で食べるよ」


だったり・・・


提督「時雨さん、ケーキ焼いたんですけど試食を・・・」


時雨「ごめんね、ちょっと今手が離せなくて・・・・」さっ


などと避けられていまして・・・・


提督「どうしたらいいでしょうか?」


山城「やはり男の人を避けてるのかもしれませんね。」


扶桑「時雨の傷、まだ背中や手に残ったままなのでやはりもう少し時期が必要かと思います・・・」


提督「そう・・・ですか・・・」


時雨さんがどれだけのことをあの男にされたかは山城さんに聞くだけどもどんなにむごいかわかる。


内出血や切り傷、やけどまで負わされても我慢して反抗したのがどんなに勇気がいって、どんなに怖かったことか・・・・


でもそんな生活から解放されても時雨さんは未だ戦ってる中で私はなんて無力なんでしょうか・・・・


提督「はぁ・・・・どうしたらいいんでしょう・・・・」


山城「あまり深く考えない方がいいですよ。」


扶桑「そうですよ、ここは私たちに任せて提督は時雨が何かしたいときのためにずっしりと構えていてください」


提督「ずっしりとですか・・・・」


扶桑「ええ、それも提督としてのお仕事ですよ」


仕事と言われると何も言えませんね・・・・性に合いませんけど






後書き

ご視聴ありがとうございました。

この話の続きは近いうちに前回と変えてお送りしますので、ゆっくりと待ってください。

それとコメントや評価を頂けると嬉しいです。


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