2019-03-09 11:56:06 更新

概要

ある男が奴隷市が行われている街で売られていた少女、ライカと出会う話。
無垢であるがゆえに醸し出される彼女の魅力に彼は興奮を覚え、その度に理性で押し殺す。


前書き

序章なので、チェックはつけてますが性的描写はないかな?
執筆中にしてますが、chapter2以降は別枠で投稿予定。


[chapter1 : 出会い ]


ここは奴隷制が残る街、カミン。市では日々、奴隷の売買が行われている。

学校に上がる前の子どもから中年まで、年の幅は広く、それぞれ異なる用途で使われる。例えば私の眼前にある屋台では、


「お客さん、こいつは極上モンだよ!あの没落貴族の末裔、しかもまだ5歳と半年!宿に出せば少年好きの女客が寄ってくるし、10年もすれば軍部から招集を受けたときに高値で売れますよ!」


「ほう、顔つきも良いし、体付きもなかなかだな。いくらだ?」


「将来のことも踏まえて、このくらいでどうでしょ?」


そう言いながら左手を開いて店主は金額を提示する。


「ふむ、少し高い気もするが、後々のことを考えると妥当だな。よし、買おう」


「ありがとうございます、本日の最高値50万クリートが出ましたぁ!皆様この男爵に大きな拍手を!!」


屋台に群がる人々から拍手と歓声が湧き上がる。ちなみに、クリートとはこの街で使われる通貨単位のことである。

このようにして、幼い奴隷たちは富裕層に買われ、長きに渡って精神的、肉体的苦痛を強いられ、結婚することも、子をなすこともないまま若くして死んでゆく。一方、成年の奴隷は彼らの側近として生きるものや、売春宿での使役、工場での労働に昼夜問わず従事するものもいる。

ちなみに奴隷は幼いほど、あるいは階層が高いほど高値になる。


「どうしたものか」


私はそうつぶやきながら別の屋台へと目をやる。そこには、今まで見ていた屋台とは程遠い雰囲気をもち、あまりにも静かな佇まいの屋台があった。道行く人々は興味も示さない。


「こんにちは、ここは向こうと比べて静かですね。しかも、一人しか置いていない」


そう店主に話しかけると、彼はこう返した。


「うちで扱ってるのは価値なしだからねぇ。こんな奴を買ったって使い物になりやしませんよ」


確かに、見てくれはお世辞にも綺麗とは言えない。しかし、その瞳はなぜか輝いているように見え、心のうちに炎を滾らせているような感じがした。


「おじさん、この子、私に売ってくれませんか」


店主「やっぱだめか…って、え?売ってくれって、お代は要りませんよ!むしろこっちが払いたいくらいです」


と、店主は腰を抜かしつつ答える。


「いいえ、この子は逸材です。私には分かるんです。だから、払わせてください。この封筒に私が相応だと思う代金を入れてお渡しします。私があの角を曲がってから、これを開けてください。いいですね?」


そう言って、10万クリート札を5枚入れた封筒を店主に渡した。10万クリート札は流通量が少ないため、店主はおおかた、5万クリート程度に思っているだろう。その方が都合が良い。


「では、ありがとうございました」


そう告げて、私は今しがた購入した少女と自宅へ向かった。


[chapter2: 始まり]


私の名はルークス。貴族の生まれだが、父に「素質」があると言われ、一人暮らしをすることになった。私の家系は、そういう者が生まれるケースがよくあるらしい。


さて、目の前には市で購入した少女がこちらを見つめている。麻布を1枚まとい、くすんだ肌と油まみれの髪はよその奴隷と大差ないが、彼女の眼は他とは違って輝いている。加えて、その頬、唇、肩や腰など、体のあらゆる部分が「少女」とも「奴隷」とも言い難い魅力を備えている。


「君、名前は?年はいくつ?」


「名前はない。年は…多分、16くらい」


奴隷として生まれたのか?しかし、奴隷としての名前があってもおかしくはないのだが。


「そうか。それじゃ僕が名前を付けてあげようと思うんだけど、いいかな?」


「…うん、いいよ」


「そうだなあ…ライカ、ってのはどうかな?」


「ライカ…ライカ…うん、いいと思う」


「よし、よろしくな、ライカ。僕はルークスだ」


「分かった。よろしくね、ルー」


ルー、か。そう呼ばれるのは初めてだが、悪い気はしない。


「それじゃ、まずは風呂だ。ライカもさっぱりしたほうがいいだろ?沸いているから、先に入っておいで」


「ルーも一緒に入ろ?」


それを聞いてから、私はしばらく固まってしまった。物心ついてから誰かと風呂に入るなんてなかったのに、異性と風呂に入るのは動揺してしまうではないか。


「一人では入れないのか?」


「ずーっとひとりだったから、一緒に入りたいの。ダメ?」


潤んだ瞳がこちらを見上げる。なぜだろう、この瞳に見つめられてしまっては、断ろうとしても言葉がでてこない。


「もちろんいいよ?さあ、入ろう」


かけ湯をしたのち、つま先からゆっくりと浴槽に入る。いい湯加減だ。

我が家の風呂は独り暮らし用にしては大きい。

4m四方だろうか。浸かると、改めてその広さに感嘆の声が漏れる。

しばらくして、ライカが話しかけて来た。


「ねぇルー、体洗っていい?」


「もちろん。左から順に、ボディーソープ、シャンプー、リンスだから、間違わないようにね」


「うん」


脱衣所では見ないように意識していたが、立ち上がったライカの後ろ姿はとても16歳の少女とは思えぬほどに白さが際立ち、肩甲骨から腰にかけてのびる筋肉の線は私の目を釘付けにさせた。


「きれいだ‥‥」


しかし、あまりに長い間見つめるのも不埒な気がして、目をつむっていた。


「んー、なんでかなぁ…んっ、んーっ」


なにやらライカが手こずっているらしい。もしかして、シャンプーもしたことないのか、この子は。


「ライカ、どうしたんだ?」


「あのね、シャンプーなのに髪がサラサラにならないの。」


と言いながら、ライカはボトルを持って私に見せる。


「それ、シャンプーじゃなくてボディーソープだけど…」


「え?違うの?わたし、間違えたの?ルー、ごめんなさい」


そう言いながらライカは涙目になり、声を震わせる。


「仕方ないさ、僕が洗ってあげるから座ってな」


「うぅ、ありがとう、ルー」


我ながら慣れた手つきでライカの髪にシャンプーをかける。シャンプー越しでも分かる、この髪の透明感と質感。地肌も荒れておらず、本当に奴隷として売られていたのかと疑うほどに程度がいい。


「ライカの髪、ツルツルでサラサラだね」


「そう?ルーに褒められて、わたし嬉しい」


シャンプーとリンスを終え、シャワーを髪に沿って掛けていく。白い泡が流れ落ち、艶のある黒髪が視覚を刺激する。また目をつむり、心を落ち着かせる。


「あとは自分でできるだろう?僕はもう一度浸かるからね」


そう伝えて浴槽に戻ろうとするが、ライカが私の左手を掴む。


「背中は洗えないでしょ?だから手伝って?」


体をこちらに向けたライカの胸が湯気の中でもはっきりと見える。乳房は雪を思わせるほどに白く、淡い桃色の隆起は幼さと大人らしさを同時に思わせる。大きさこそ控えめなものの、美しい形をしており、私の興奮を誘ったのは言うまでもない。


「あ、あぁそうだね、分かったよ」


たじろぎながらも私は再びライカの後ろに腰を下ろす。近くで見るとより多くのことに気づく。

肩には女性らしさを思わせる丸みがあり、左右の均整がとれている。この魅力的な背中を見つめている私をよそにライカは無言で自らの体を洗っていく。


「ルー、背中洗って?」


そう言いながら私に泡が盛られたスポンジをよこす。


「う、うん」


私はそのスポンジをライカの背中にあてがい、優しく撫でるように洗っていく。むしろ自分の手を使って洗いたいが、ここは理性で衝動を抑える。


なんとかライカの体を洗い終えた。


「ありがとう、今度はわたしがルーのシャンプーしてあげるね」


「いや、大丈夫。僕は自分で出来るから」


ライカに触られるなんて理性が飛びそうで恐ろしい。年下相手に興奮するのもどうかと思うが、彼女は年下とは思えない魅力を持っているのだからしかたがない。


手早く自分の髪と体を洗い終え、浴室をあとにする。ライカには私が来ていた長めのシャツを着せ、洗面台の前に立たせる。


「ドライヤーかけていくから、前向いて立って」


「うん」


普段使っているヘアブラシとドライヤーでライカの髪を丁寧に乾かしていく。出会ったときは油を塗ったような髪が、乾いていくほどに艶を帯びていく。


「よし、乾いた。僕も髪を乾かすから、少し待ってて」


私は短髪なため、手ぐしでも十分に乾かすことができる。ドライヤーをかけおえ、ライカの方へ向き直る。


日が傾き始め、壁の時計は5時を指していた。少し早い気もするが、ライカに食事を提案する。


「ライカ、少し早いかもしれないけどご飯にしようか。何か食べたいものはあるかい?」


「うーん…」


ライカは首をかしげながら悩んでいる。奴隷は家主に与えられた物しか食べることを許されず、そのほとんどは残飯の類だ。そのため、何を食べているのかも分からない、というのが奴隷たちの常である。


「元気になる食べ物がいい」


とライカは答えるが、なかなか難しい注文だ。


「うん、なるほど。元気になる、か」


少しの間メニューの構想を練る。


「分かった。有り合わせで作ることになるけど、我慢してね」


「うん、いいよ」


ライカの許諾を得たところで、早速調理にとりかかる。


冷蔵庫に入っていたのはウィンナー、卵、ラム肉、そして調味料の類…と、白子が入っていた。別に設けている野菜室の中には隣町の農家から頂いた新鮮な野菜たちがひしめき合っている。


料理は15分程度で完成した。ラム肉を使った野菜炒めと、卵スープ、白子はポン酢と柚子を付け足した。白米に関しては今朝炊いたものが余っている。


「ライカ、お待たせ。食べようか」


「うん!」


ライカは椅子に腰を掛け、足をパタパタと揺らしている。私は出来上がった料理を皿に盛り付け、テーブルの上へと運ぶ。


「いただきます」


の後に箸を動かすわたしを見て、ライカがきょとんとした表情を浮かべながら尋ねる。


「いただきます、って、何?」


そう聞くのも無理もない。奴隷に作法なんて必要ないし、奴隷自身も淘汰される運命なのだから。


「いただきますって言うのは、ご飯を食べるときに言う言葉なんだ。僕達人間は、他の生き物を食べないと生きていけない。だから、彼らの命を【いただく】という意味で、いただきますって言ってからご飯を食べるんだ」


「命…ふーん、何だか難しいけど、いただきます」


ライカは今ひとつ納得が行かないようだが、説明を重ねるよりも、温かい食事を摂るほうが遥かに大切だ。


ライカは相当に腹を空かせていたらしく、野菜炒めを3分の2、白米を3杯平らげた。白子に関しては、声には出さないものの目を煌めかせてかきこんでいた。白子の食感が苦手な私にとって、彼女の食欲には驚くべきものだった。


「お腹いっぱいだよ、ルー。それで、ご飯を食べたあとは何か言うの?」


口の横や頬に野菜炒めのタレをつけたまま、ライカは尋ねる。


「ごちそうさま、だな。この意味は正直なところ分からないけど、いただきますとセットで言うことになってるらしい」


「そっかー。ごちそうさま!」


「ライカ、待って」


立ち上がろうとするライカを止め、ティッシュで口の周りの汚れを取ってやる。


「んー、んっ」


ティッシュに入る力に応じてライカも口を閉じながら声を出す。


吹き続けていると、やはりライカの魅力に嘆じてしまう。


透き通るような、それでいて今にも色彩を放ち見た人々を吸い込みそうな血色のよい白い頬、淡いピンク色を帯び、潤いに満ちたその唇。食事による油分がもつ艶であることを差し引いても、ライカは"女性"と呼ぶに相応しい顔立ちをしている。


ライカに対して集中力を使うと、それが高いほど彼女に吸い込まれそうになる。このままこの状態が続くと意識を失いかねない。現に今、失いそうだ。


「ルー、大丈夫?」


ライカの声ではっと我に帰る。


「あ…あぁごめん。ちょっと考え事しちゃってた」


考える余裕なんてなかったが、咄嗟に思いついた嘘で誤魔化す。


「そう?わたし、お腹いっぱいになったら、眠くなってきた」


ライカは目をこすりながら話す。


「もう8時すぎか...ライカも疲れたもんな、寝ようか」


ライカには歯を磨かせ、その間に床の支度をする、が、ふと気になった。


「ライカー、布団はあるけど、どうする?」


16才の少女になんという愚問をかましているのかと自分を殴りたくなるが、ここでも意外な反応が帰って来た。


「えー?ルーと寝たいな」


やはりと思うべきか、なぜだと思うべきか、ライカは異性と肌が触れることをいとわないらしい。異性と見られていないとしたら、それはそれで男として悲しいものではあるが。


「そ、そう...分かった。一緒に寝よう。ライカは先に布団に入っているといいよ」


そう伝えて私も歯を磨き潤いを持たせる乳液を顔に塗る。

肌のケアに関しては同年代の男よりも気にしていると自負している。


電気を消してライカが既に入っている布団に体を滑り込ませる。


「ルー、あったかいね」


ライカはこちらを向いている。温もりを帯びた息が耳をくすぐる。


「ん、そうだね。これからよろしくな、ライカ」


「うん、よろしくね、ルー。ところで...」


話が長続きすると興奮が私を覆い尽くしてしまう気がして、私は早く眠れるようにライカを遮った。


「それじゃ、おやすみ」


「お、おやすみ...」


ライカは何やらもぞもぞしていたが、気にしない。気にしたら負けてしまう、そう思ったからだ。


目を閉じて、間もなく瞼の内側も暗闇に覆われる。今日という1日が終わる。


後書き

読んでくださり感謝。
次の章では、なぜライカに興奮を覚えてしまうのか、明らかに(?)なるかも?


このSSへの評価

1件評価されています


柔時雨さんから
2019-03-05 22:44:40

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柔時雨さんから
2019-03-05 22:44:42

このSSへのコメント

3件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2019-03-03 17:48:12 ID: S:txBp31

期待して待ってます!

2: 柔時雨 2019-03-05 22:48:26 ID: S:hDTdis

どうも!作品を読ませていただきました。

あ~……駄目ですわぁ、俺がルークスさんと同じ状況に置かれたら、理性を保てるか……自制心がヤバいことになりそうだ。
ライカ、恐ろしい子!

今後、この2人の物語がどう進んでいくのか、楽しみに応援させていただきます。
がんばってください!

3: クロード 2019-03-05 22:55:37 ID: S:DYHIsZ

名無しさん、柔時雨さん、コメントありがとうございます!

名無しさん、
ご期待頂きまして私嬉しい限りです。「弐」もご覧くださいませ。

柔時雨さん、
応援、励ましの言葉を頂き感謝しております。
正直なところ、私も理性を保てるかは推測(妄想)の域を超えません。体験してみたいです(爆)


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