2022-06-15 04:03:55 更新

諫田政一が今度は大本営で後輩と共に暴れる…

先に待ち構える未来は明るいのか?

諸注意は第一作を読んで下さい。

(其処、またかとか言わない。)


ー第一章 引継作業ー


ー十二月十四日 元帥室 07:00ー

吹雪 「元帥、ですか…」

提督 「天皇様の御命令だと…」

龍飛 「…其れで全員を集めたのか。」

提督 「まぁな…引継作業が面倒だがな。」

龍飛 「……然し、何故彼女が此処に?」

早紀 「……」ポロポロ

鳳翔 「…大丈夫ですよ。」なでなで

提督 「死刑には立ち会えないし、墓も無い。」

龍飛 「何だと?」

提督 「酷いだろう…仮に死刑囚でも人間だろうに。」

龍飛 「…其れで彼女は此処で泣いているのか。」

提督 「…これが現実だ。」

龍飛 「少し冷たいな、怒っているのか。」

提督 「あぁ、国が腐っているからな…」

龍飛 「…根本から変えるしか無かろう。」

提督 「…あぁ。」

暁 「…大きいのね、大本営。」

提督 「あぁ…引継が終わり次第岩川に向かう。」

早霜 「…黒い、との事でしたね。」

提督 「あぁ。」

早紀 「…もうこんな事で泣いてられないっすね……

切り替えて仕事しないと…」

提督 「早紀、暫く翔鶴と一緒に休んでろ。」

早紀 「でも!!」

提督 「…家族でも友人でも、人が死ねば傷になる。

傷を癒すのは時間しかない。」

早紀 「…先輩、有難う御座います……」タッ

北方棲妹 「……彼奴、抱え込んでたんだな。」

提督 「…人間は強くない。早紀の様に深海棲艦を

倒せる奴でも中身はまだ十八なんだ、親を両方喪う

悲しみには迚耐えられないんだろうよ。」

北方棲妹 「…付き合わなくて良いのか?」

提督 「今俺が何をしても意味は無い。」

北方棲妹 「…そうか。」

浅葱 「…失礼します。」

提督 「ん?あんたは…浅葱さんか。」

浅葱 「えぇ、御久し振りですね。」

提督 「…何か御用で?」

浅葱 「はい、今日からこの浅葱は貴方の部下として

活動する事になりましたのでその報告にと。」

提督 「ほう…あんたが俺の部下か。」

浅葱 「不服ですか?」

提督 「いや、迚有難い。有能な者が部下に居ると

この先行動を起こし易くなるからな。」

浅葱 「喜んで頂けた様で何よりです。」

提督 「引継が終わり次第階級章を渡す。」

浅葱 「おや…では准尉に?」

提督 「何を言う、少佐で良かろう。」ニヤッ

浅葱 「…元帥殿、顔が悪人の顔です。」

提督 「おや、これは失礼。」


ー第二章 慰めー


ー早紀自室 22:00ー

早紀 「…翔鶴……私はもう駄目っす…」

翔鶴 「…そんな事無いよ。」

早紀 「でも…でも……」

提督 「でもでもだっては通用しないぞ。」

早紀 「…先輩……」

提督 「泣く事が出来るのなら心はまだ壊れてない。

気分転換に海でも歩くか?」

早紀 「…そうっすね……そうするっす。」

提督 「……心が壊れては元も子も無くなる。」

早紀 「…そうっすね。」

提督 「行くぞ。」

早紀 「うん…」

翔鶴 「……寝よう。」

ー海上 23:49ー

提督 「…海が荒れているな。」

早紀 「……」

提督 「だが、月は綺麗に満ちている。」

早紀 「そうっすね……」

提督 「…元気な早紀は月に負けない程に綺麗だ。」

早紀 「え?」

提督 「だが…そんな早紀は暫く見れないかもな。」

早紀 「…先輩、遠回し過ぎて分かり難いっすよ。」

提督 「確かに…だが、伝わったんだろ?」

早紀 「…えぇ。」

提督 「なら、元気になって貰わないとな。」

早紀 「…御父さんが死んでしまったのは辛いけど、

私はこんな事で負けては居られないっす!!」

提督 「おう、帰って仕事するぞ。」

早紀 「了解っす、先輩!!」

ー十二月十五日 元帥室 03:28ー

加賀 「明かりが灯っていると思い入ってみれば…」

提督 「……」zzz

早紀 「……」zzz

加賀 「…立ち直れた様ですね。」

赤城 「然し提督は凄いですね。」

加賀 「少尉が凭れ掛かっても座った儘ですね…」

赤城 「倒れずに居られるのですね。」

加賀 「…毛布を掛けておきましょう。」ファサッ

赤城 「優しいのですね。」

加賀 「私の夫に風邪を引かれては困ります。」

赤城 「あら、デレデレな加賀さんは珍しいわね。」

加賀 「…煩いです。」

白鷺 「…何やってんだよこんな夜中にさ……」

加賀 「白鷺さん、見た方が早いかと。」

白鷺 「…ほう、珍しく表が慰めてたのか。」

加賀 「珍しく?」

白鷺 「表は直ぐに切捨てるからな。」

赤城 「…成程。」

白鷺 「泣いていても[関係は無い]と切捨てて終わる

あの表が慰めるとは何が有ったんだ?」

加賀 「分かりません。」

白鷺 「…まぁ、今日は寝ろ。」

加賀 「えぇ、お休みなさい。」

赤城 「お休みなさい。」

白鷺 「…電気は消すか……good night.」パチッ

…パタン


ー第三章 襲撃準備開始ー


ー07:00ー

提督 「…ん、七時か。」

早紀 「……先輩…朝っすか?」ふわぁ…

提督 「おう。」

早霜 「政一、起きて下さい。郵便です。」チャッ

提督 「…郵便?」ガサゴソ

[元帥の次はお前だ、覚悟しろ。]

提督 「…岩川の彼奴からか。」

早霜 […宣戦布告とは良い度胸だな。]

提督 「…下衆は消すに限る。」

早紀 「…行くっすよ。」

提督 「準備をしなければな。」

早霜 [Kとやら、嘗め腐りおって…]

提督 「落ち着け、先ずは装備を確認しろ。」

早紀 「…装備?」

提督 「お前に此奴を譲る…大切にしな。」つ蒼刀青鷺

早紀 「…有難うっす。」

提督 「構わん…が、折るなよ?」つ黒刀黒鷺

早紀 「了解っす。」

早霜 [……政一、行きましょう。]

提督 「大本営を離れるのは明日だ。」

早霜 「…何故ですか?」

提督 「向こうから来るかを確認したい。」

早霜 「……分かりました。」

?? 「Guten Morgen…」チャッ

提督 「……ん?」

?? 「…Admiralは?」

提督 「…俺に何か用か?話は聞けるが。」

??→レーベ 「…僕はレーベレヒト・マース。」

提督 「…レーベだな、何の用だ?」

レーベ 「…Admiral、マックスが攫われたんだ。」

提督 「何だと?」

レーベ 「僕は逃げられたんだけど…」

提督 「…犯人の特徴は?」

レーベ 「…岩川第八って言ってた。」

提督 「…犯人はK提督か、あの下衆め……」

レーベ 「知っているの?」

提督 「暗殺司令が手元に有るからな。」

レーベ 「…行く。」

提督 「なら準備しな…自衛も出来ない奴は要らん。」

レーベ 「分かった。」パタン

早霜 「…あの子……」

提督 「準備、急げ。」

ー17:00ー

提督 「準備は出来たか?」

レーベ 「うん。」

早霜 「大丈夫。」

早紀 「…良いよ。」

提督 「よし、ならば明日朝六時に出発だ。」

レーベ 「うん。」

提督 「今日は早目に寝なさい。」

早紀 「了解、お休みっす。」

レーベ 「…じゃあね。」

早霜 「…じゃあ、仕事しましょうか。」

提督 「元帥…面倒だ。」

早霜 「有能な人材は下に溜まると聞きますけど…」

提督 「そりゃ有能な奴は楽したいからだよ。」

早霜 「…成程。」

提督 「上に立てば重責が伸し掛るからな。」


ー第四章 岩川の惨状ー


ー十二月十六日 大本営正門前 06:00ー

提督 「…此処から約七時間だな。」

早霜 「…行きましょう。」

ー岩川第八鎮守府 13:40ー

提督 「…着いたか。」

レーベ 「御免なさい、足が遅くて…」

提督 「構わん、行くぞ。」

ー一階ー

提督 「…何だこれは……何なんだこの惨状は……」

早紀 「何でこんな酷い事が出来るんすか…」

早霜 「朝潮に叢雲…川内、霧島に大和まで死んで…」

レーベ 「…そんな……まさか……」

提督 「…生き残りを見つけ次第保護しろ!!」

早霜 「了解。」

早紀 「…レーベ、見ない方が良いっすよ……」

レーベ 「……うん…」

ー二階ー

提督 「案の定二階もか…」

早霜 「今の所生存者は無し…」

早紀 「まだ三階が有るっすよ!!」

提督 「急ぐか…この調子だと全滅も有り得るぞ……」

ー三階ー

早紀 「…三階もっすね……」

提督 「…仕方無い、執務室を落として周囲の探索を

するしか無いな……工廠なら居る可能性が有る。」

早紀 「了解っす。」

ー執務室ー

提督 「…自害したか。」

早紀 「……こんな事になるなんて…」

提督 「兎に角周囲の捜索だ、急ぐぞ。」

ー工廠ー

提督 「…明石と夕張…工廠組も逝ったか……」

早紀 「最期まで皆を治そうとしてたんすね。」

提督 「入渠場も見ないと…」

ー入渠場ー

提督 「…酷いな。」

早紀 「機能が完全にイカレてるっすね…」

提督 「入渠中に襲われて其の儘、か…」

早紀 「……食堂。」

提督 「ん?」

早紀 「食堂なら食糧が有るっす。」

提督 「…行くか。」

ー食堂前ー

提督 「…中から鍵が掛けられているな。」

早紀 「なら蹴破るっすよ。」

提督 「仕方無い。」

早紀 「ノックしてもしもーし!!!!」バコォン!!

提督 「俺の台詞を取るなよ…って、これは……」

早紀 「腐敗臭が凄いっす…」

提督 「電気が止まったか…水道も止められている。」

早紀 「…如何すれば……」

提督 「…居酒屋鳳翔……」

早紀 「え?」

提督 「鳳翔の店ならば居るかも知れない。」

早紀 「行くっすよ!!」

ー居酒屋鳳翔ー

提督 「……空いてる。」ガラガラ

岩鳳翔 「えっ…誰ですか?」

マックス 「…あ……」

提督 「此処に居たか…早紀、戻ってレーベを。」

早紀 「了解っす!!」タッ

提督 「…彼女が戻る迄に説明しましょうか。」

岩鳳翔 「え、えぇ…」


ー第五章 崩壊の理由ー


ー15:49ー

提督 「…という訳でして。」

岩鳳翔 「…遅かったのですね。」

提督 「えぇ…」

岩鳳翔 「…あの御方は壊れてしまわれました。」

提督 「其の様ですね…」

岩鳳翔 「…私は良いのでこの子だけは……」

提督 「大丈夫、大本営で御二方の面倒を見ますよ。」

岩鳳翔 「あら、私もですか?」

提督 「この酷い場所に居たいのですか?」

岩鳳翔 「…いえ、行きます。」

提督 「大本営に居てくれれば其れで良いんです。」

岩鳳翔 「…分かりました。」

レーベ 「マックス!!」ガラガラ!!

マックス 「レーベ…」

提督 「…来た様ですね。」

早霜 「さぁ、大本営に帰りましょう。」

早紀 「…此処には、もう誰も居ないっすよ。」

提督 「…分かった、帰るぞ。」

早霜 「所で、霊は如何する心算ですか?」

提督 「…二人で良い、ラバウルに行ってくれ。」

早霜 「あら、ラバウルにですか?」

提督 「俺が大本営から帰れなくなったとあの子達に

伝えるにはこの子達を使う他無いだろう…」

早霜 「…あぁ、居ましたね……」

提督 「じゃ、宜しく。」

早霜 …では帰りましょう。」

ー元帥室 23:07ー

提督 「はぁ…疲れた。」

暁 「あの鎮守府でクーデターが起きてたみたいね。」

提督 「…何時の出来事だ?」

暁 「三日前みたい…其の次の日に深海棲艦の襲撃が

有ったと記事に書いてあるわ。」

提督 「…奴に従うより死ぬ方が良い、か……」

暁 「艦娘が指示を聞かなくて如何にも出来なくて…

結果自害したってのが有力な説らしいわ…」

提督 「…因果応報か。」

マックス 「…Admiral、居る?」チャッ

提督 「ん?マックス、如何した?」

マックス 「…有難う。」

提督 「マックス、其の言葉はレーベに言いなさい。

私は彼女に手段を与えた、其れだけなのだから。」

マックス 「…そう、分かった。」パタン

暁 「…貴方?」

提督 「私にあの言葉は勿体無いさ。」

暁 「…もう、貴方って人は……」

提督 「こんな人間に着いて来てるのは何処の誰だ?」

暁 「此処に居る私よ、貴方。」

提督 「…愛してるよ。」

暁 「私も。」

提督 「……月が見えれば良かったのだが。」

暁 「…月は私達を底無しの狂気に落とすのよ?」

提督 「だから良いんじゃないか…」

暁 「…貴方も私も物好きね。」

提督 「違いない。」


ー第六章 引抜きー


ー十二月十七日 07:20ー

提督 「…近頃は海も穏やかだな。」

中枢 「貴方が幹部級を引抜いているからよ。」

提督 「…そうだな。」

北方棲妹 「おい、客人だぞ。」チャッ

提督 「こんな朝に誰だい?」

北方棲妹 「大破した重巡、其れ以上の情報は無い。」

提督 「…今直ぐに入渠させろ。」

北方棲妹 「了解。」パタン

中枢 「…随分と懐いたな。」

提督 「姉には逆らえない様で…」

中枢 「成程。」

提督 「…寝るか?」

中枢 「そうだな…」

ー入渠場 12:58ー

北方棲妹 「…古鷹と加古だな。」

古鷹 「…はい……」

加古 「あい…」

北方棲妹 「大本営の中でもウチ等は特殊だからな…

大和型は居たがお前達は居なかった筈だ。」

古鷹 「えぇ…」

北方棲妹 「兎に角、提督を待て。」

加古 「あーい…」

北方棲妹 「では、私はこれで。」パタン

古鷹 「…如何しよう……提督になんて言おう…」

加古 「戻らなくても良いんじゃないかなぁ…」

古鷹 「加古!?」

加古 「だって駆逐の四人死んじゃったんだよ?」

古鷹 「其れは!!」

加古 「あたし達も後少しで死んでたんだよ?」

古鷹 「其れは…」

加古 「もう良いでしょ?」

提督 「邪魔するぞ。」チャッ

中枢 「古鷹型の二人だな。」

古鷹 「あ、どうも…」

提督 「…今の所は大丈夫かな……」サラサラ

古鷹 「あの、私達は帰ります…」

提督 「…駆逐を沈めた上にお前達も沈め掛けた様な

無能提督の所に本当に帰ると君は言うのか?」

古鷹 「其れは…」

提督 「三行半叩き付けて終わらせた方が良いと俺は

思ってるんだけど…君は違うと言うんだね?」

古鷹 「其れは……」

加古 「あたしは戻らないよ、古鷹。」

古鷹 「加古!?」

加古 「あんな奴には従いたくないね。」

提督 「…お前は如何するんだ?」

古鷹 「…私は…其の……」

提督 「此処はブラックじゃねぇよ。」

古鷹 「…お邪魔します。」

提督 「分かった、引抜きって事で処理しとくよ。」

加古 「ねぇ…寝てて良い?」

提督 「月一回は出撃しろよ。」

加古 「あーい。」パタン

古鷹 「もう、加古ったら…」

提督 「別に良いよ、元帥なんて肩書きだけだから。」

古鷹 「えっ…元帥!?」

中枢 「普通はこの反応をするのか?」

提督 「知らなければこうだろうな。」


ー第七章 仕事ー


ー食堂 14:20ー

古鷹 「……」

天龍 「よう、邪魔するぜ。」ギギッ

古鷹 「あ、はい…」

天龍 「…北方棲妹が連れて来たってな。」

古鷹 「…はい……」

天龍 「俺達の提督は仕事が多いからな。」

古鷹 「…仕事?」

天龍 「娘の世話、書類の処理、出撃と嫁の管理。」

古鷹 「……」

天龍 「そしてお前達逃亡者の対応と大本営の管理。」

古鷹 「…逃亡者……」

天龍 「この量の仕事を粗全部一人でやってんだぜ。」

古鷹 「……」

天龍 「俺達は仕事が少ない分彼奴が苦労してる。」

古鷹 「提督さんが?」

天龍 「おう…無理をしてるんだよ。」

古鷹 「……」

天龍 「だから俺達は彼奴の仕事を手伝ってるんだ。

彼奴が死んだら俺達は如何にもならねぇからな。」

古鷹 「……」

加古 「……あぁ…」

天龍 「加古、如何したんだ?」

加古 「…艤装、潰した。」

天龍 「あぁ、そんな事なら大丈夫だ。」

加古 「本当に?」

天龍 「彼奴は艤装の調整技術に長けてるからな。」

加古 「んー…そっか。」

天龍 「…お、卯月じゃねぇか。」

卯月 「…天龍と…古鷹に加古だ。」

古鷹 「…こんにちは。」

加古 「おー。」

天龍 「卯月、彼奴は何やってるんだ?」

卯月 「…政一なら工廠です。溶接中かと。」

天龍 「おう、行くぞ加古。」

加古 「うん。」

ー工廠 15:19ー

加古 「失礼します…」

天龍 「よう、邪魔するぜ。」

提督 「……」パチチチッパチチチチチッ

加古 「……」

天龍 「おい、政一!!」

提督 「…ん?」カパッ

天龍 「聞こえたか?」

提督 「…作業中だが。」

天龍 「艤装の調整はどうだ?」

提督 「…八割。」

天龍 「ほう、八割か。」

提督 「主砲は出来てるから見とけ。」

加古 「…203mm連装砲……じゃない?」

提督 「254mm三連装砲…少し調整してある。」

加古 「…試し撃ちはあの的?」

提督 「おう。」

加古 「……えい!!」ドドドン!!

カカカン!!

加古 「…おぉ、当たった。」

提督 「……そうか。」

加古 「…有難う。」

提督 「構わん。」

天龍 「割と良いな。」

提督 「設計から試作量産まで俺一人だぞ。」

天龍 「…お前働き過ぎだぞ。」

提督 「…かもな。」


ー第八章 最後の生き残りー


ー十二月十八日 大本営軍港 04:07ー

提督 「…煙草も久々だな。」ふぅ…

飛鷹 「…助けて……」大破

提督 「……緊急連絡、大破艦二名…応援求む。」

隼鷹 「…連絡かい?」

提督 「喫煙者に運ばれたくは無かろう。」

飛鷹 「…考えてくれてるのね……」

提督 「…で、何処の所属だ?」

隼鷹 「岩川第八だよ…クーデターの起きた場所。」

提督 「…他に生き残りは?」

隼鷹 「私達は闇に紛れて逃げただけだよ…」

飛鷹 「居酒屋鳳翔は閉めてましたから、もう…」

提督 「分かった。」

暁 「貴方、大破艦って…」

提督 「飛鷹と隼鷹、宜しく。」

暁 「…何が有ったの?」

提督 「クーデターの彼処から逃げたんだと。」

暁 「そう…行きましょう、こっちよ。」

提督 「…任せた。」

ー談話室 11:20ー

提督 「……」zzz…

龍驤 「…えらいお疲れみたいやね。」

早霜 「…無理はしないで欲しいのですが……」

黒潮 「司令はんが潰れたら此処は終わりやで…」

マックス 「Admiral、どの位仕事してたの?」

龍飛 「政一の負担量は常人の十倍は有る。」

マックス 「…そんなに……」

天龍 「馬鹿だよな…無理して寿命縮めてんだから。」

龍田 「…私も、無理はして欲しくないわねぇ……」

隼鷹 「…邪魔するよ。」

龍驤 「邪魔すんなら帰って〜。」

隼鷹 「あいよぉ〜って何でだよ!!」

龍驤 「あっはっはっは!!酒呑みはノリええなぁ!!」

隼鷹 「もう…私は御礼を言いに来たのにさぁ……」

龍驤 「…なんか一人称に違和感有んなぁ……」

隼鷹 「そりゃ素面だからだよ…」

龍驤 「あぁ…呑む気にはならんか…」

隼鷹 「私だって呑まない日も有るよ…」

龍飛 「…私はこれで失礼する。」

隼鷹 「え…鳳翔さん、この後仕事?」

龍飛 「私は龍飛だ。」

隼鷹 「えっ…」

龍驤 「まぁ最初はそうなるわな。」

龍飛 「潮の面倒を見に行く。」

龍驤 「あぁ、もう直ぐ交代やね…宜しく。」

龍飛 「あぁ…私は泣かれるのだがな。」

隼鷹 「…潮が如何かしたのかい?」

龍飛 「…潮が幼児化してるんだ。」

隼鷹 「え?駆逐は子供だろ?」

龍驤 「あー、ちゃうちゃう…ガチの子供やねん。」

隼鷹 「…え?」

潮 「…ふぇぇ……」ててて

龍飛 「潮、大丈夫か?」

潮 「お兄ちゃん…」ペシペシ

龍驤 「…な?」

隼鷹 「…やっばいめっちゃ可愛い……」

龍驤 「……」


ー第九章 潮と卯月と提督とー


ー15:20ー

提督 「……」zzz…

潮 「……」ペシペシ

卯月 「…あまり叩かないで下さい。」

龍飛 「済まないが頼むぞ。」

卯月 「えぇ、任せて下さい。」

潮 「お兄ちゃん…」ペシペシペシペシペシペシ

卯月 「叩いても起きませんよ…」

龍飛 「では任せた。」パタン

提督 「……」zzz…

潮 「…ふぇぇ……」ペシペシ

卯月 「…貴方、起きて下さい。」ゆさゆさ

提督 「……ん…」むくっ

潮 「…お兄ちゃん……」ギュッ

提督 「…寝てたか……首が痛い。」

卯月 「…寝違えましたね。」

提督 「…こんなのでも懐かれるんだな。」

卯月 「貴方が優しいからですよ。」

提督 「…そうか。」

潮 「…遊ぼ。」

提督 「……分かった、遊ぼうか…」

漣 「あ、お兄ちゃん。」チャッ

提督 「…漣か。」

漣 「…潮の改造書、出来たけど……如何する?」

提督 「…行くか?」

潮 「…うん。」

卯月 「今はスラッとしてるけど、改造すれば…」

提督 「…かもな。」

ー工廠 19:39ー

潮(改) 「……えっと…あの……」

提督 「…俺の呼び方なら変えなくても良いぞ。」

潮 「…お兄ちゃん。」ギュッ

提督 「……」なでなで

卯月 「…身長と体重、そして胸囲が……」

提督 「だな…」

漣 「…172.6cm、66.5kg……」

提督 「……」

潮 「お兄ちゃん、今の潮は嫌い?」

提督 「いや、如何すれば護れるのか考えていた。」

潮 「……」

提督 「…今の君は狙われ易いからな……」

潮 「…私、お兄ちゃんが大好き。」

提督 「…そうか。」

卯月 「…政一、彼女は指輪で護れますよ。」

提督 「ん?」

卯月 「基本的に既婚者は狙われません。」

提督 「…分かった。」

漣 「…お兄ちゃん、如何するの?」

提督 「…四の五の言える程の余裕は無いな。」

漣 「…て事は……」

朧 「…あの。」

提督 「ん?」

朧 「私、これでも貴方の事が好きなんですけど…」

提督 「……分かった…朧もだな。」

卯月 「……そんなに好きなんですね…」

朧 「…あの人が居たから私は生きられる。」

卯月 「なら…初夜は今日の可能性が有りますね。」

朧 「……えっ?」

提督 「……」

卯月 「政一なら押せば行けます。」

朧 「…まだ早いよ。」


ー第十章 提督と第七駆逐隊ー


ー十二月十九日 元帥室 10:29ー

提督 「…これが潮の物、これが朧の物だ。」つ指輪

朧 「…有難う。」

潮 「…これが、指輪……」

漣 「…お兄ちゃん……四人とも手に入れた感想は?」

提督 「…幸せだと、言っても良いのだろうか……」

曙 「…言って良いのよ、貴方。」

提督 「……そうなのか…」

潮 「……お兄ちゃん、私は幸せだよ…」

朧 「…私もです。」

曙 「私は聞かなくても分かるでしょ?」

漣 「漣も幸せです…お兄ちゃんは幸せですか?」

提督 「…あぁ、私も幸せだ。」

漣 「…皆集まりましたね。」

提督 「…だな。」

潮 「……」

朧 「…あの、この後如何するんですか?」

提督 「…自由行動かな……」

潮 「…なら、お兄ちゃん……潮と遊ぼ。」

提督 「分かった…で、何で遊ぶんだ?」

潮 「…UNO。」

提督 「分かった…仕事も終わったしやろうか。」

ー政一自室 12:38ー

提督 「…賄いの野菜ラーメン、お待ち遠様。」

潮 「有難う…」

漣 「有難うお兄ちゃん。」

朧 「…これが曙の言ってたラーメン……」

曙 「有難う、やっぱりこのラーメンは最高ね。」

提督 「そんなに良い物では無いがな…」ズルズル

ー14:28ー

提督 「ロン、清一色12000。」

漣 「と、飛んだ…」

曙 「なら私と交代ね。」

潮 「…お兄ちゃん強いね。」

朧 「私達ばかり交代してる…」

提督 「…一度お前達だけでやってみろ。」

朧 「…私は貴方とやりたい。」

提督 「…そうか。」

曙 「…ねぇ、ぷよぷよしない?」

提督 「…分かった。」

ー16:20ー

提督 「…済まない。」

漣 「お兄ちゃん…強過ぎ……」

潮 「ふぇぇ…」

朧 「…完敗。」

曙 「案の定負けたわね…」

提督 「…手加減はしていたのだが……」

川内 「…提督、居る?」チャッ

提督 「ん?」

川内 「しらぬいちゃんが転けたんだけど…」

提督 「…今行く。」

川内 「こっち。」

提督 「悪いが四人でやっててくれ。」タッ

曙 「…分かったわ。」

ー不知火自室 16:38ー

しらぬい 「…御父様……」

提督 「怪我は無いか…足元には気を付けなさい。」

しらぬい 「御免なさい…」

不知火 「御免なさい、私の不注意で…」

提督 「いや、構わない…」

川内 「…良かった、怪我が無くて。」


ー第十一章 夜戦馬鹿とサイコレズー


ー元帥室 21:00ー

川内 「提督、夜戦!!」

提督 「煩い。」

川内 「夜戦?」

提督 「無理。」

川内 「夜戦…」

提督 「今度な。」

川内 「夜戦!!」

提督 「そっちのは今晩予約が入ってる。」

川内 「夜戦…」

提督 「…経費を抑える必要が有るんだが?」

川内 「やーせーんーー!!」

提督 「…そろそろ大人しくしておけ。」

川内 「……」

提督 「これ以上言うと艤装をバラすぞ。」

川内 「はい…」

稲田 「…あの。」チャッ

提督 「ん?」

稲田 「明石が貴方の事を工廠で呼んでいました。」

提督 「…ん。」パタン

川内 「あぁ…夜戦……」

稲田 「夜戦馬鹿の制御が出来るとは…流石ですね。」

川内 「…あぁ……稲田ちゃん…夜戦したいよ……」

稲田 「諦めて下さい。」

ー工廠 22:19ー

提督 「…雷管故障か。」

大井 「…悪いわね。」

提督 「……大井…もう戦場に出なくても良いぞ。」

大井 「は?」

提督 「指輪も捨てて良い…北上と幸せになれ。」

大井 「貴方……確かに私はサイコレズです…けど!!

貴方の事も好きだからこうして此処に居るんです!!」

提督 「…大井……北上もレズビアンだったよ。」

大井 「えっ…」

提督 「相思相愛なら、二人で幸せになれ。」

大井 「……」

提督 「邪魔者は消えるよ。」

大井 「…待ちなさい!!」ガシッ

提督 「…何故?君には愛すべき人が居るだろう?」

大井 「其れは北上さんじゃなくて貴方なのよ!!」

提督 「…君は同性愛者だと言っていた筈だが?」

大井 「レズも糞も無いわよ!!貴方が好きだから此処に

こうして来てるんでしょうが!!北上さんと貴方とは

天秤が違うのが何で分からないのよこの鈍感!!」

提督 「…そこまで言うのか?」

大井 「貴方が変な事を言うからでしょう!?」

提督 「……」

北上 「うーん…今回は私も大井っちに賛成かなぁ?」

提督 「北上か…」

北上 「抑私は準レズだよ?大井っちとは親友だよ。」

提督 「…私とケッコンしてて良いのか?」

大井 「当たり前でしょう!?」

北上 「私達は政一に惚れて此処に居るんだよ?」

提督 「…そうか。」

大井 「だから、さっさと雷管直して下さいね。」

北上 「あ、私の分も宜しくぅ。」

大井 「…これからも宜しく御願いしますね。」

提督 「…分かった。」


ー第十二章 球磨型緊急会議ー


ー球磨型自室 00:28ー

球磨 「…話とは何クマ?」

多摩 「眠いから手短に頼むニャ…」

木曾 「……多摩姉、起きろ…」

大井 「…話ってのは、私達が振られたって事よ。」

球磨 「クマァ!?」

多摩 「ニャッ!?」

北上 「あ、未遂だからそこは安心してね。」

多摩 「あ、焦ったニャァ…」

球磨 「よ、良かったクマァ…」

大井 「…でも、レズの私達が振られたのは事実よ。」

球磨 「…あぁ、北上と大井クマ?」

木曾 「……えっ…北上姉ってレズだったのか!?」

多摩 「…木曾には言ってなかったニャ?」

木曾 「聞いてねぇよ…」

大井 「…兎に角、私達が振られたという事は……」

球磨 「…それだけ球磨達の魅力が下がってるクマ!?」

北上 「かもねぇ…」

大井 「…抑レズである事がマイナスになってます。」

木曾 「…レズって、同性愛者の女性の事だよな?」

球磨 「木曾、そんなのは常識クマ。」

木曾 「…済まん。」

北上 「…如何しよっか?」

大井 「……」

球磨 「…球磨型五人で突撃とか如何クマ?」

北上 「でも政一は今日早霜と呑んでるよ?」

球磨 「…明日の昼に襲撃クマ。」

提督 「煩いぞ!!」バァン

球磨 「クマァ!?」

提督 「…北上と大井、俺の部屋に来い。」パタン

北上 「……酔ってたね、政一…」

大井 「…行きましょう北上さん。」

ー01:25 政一自室ー

提督 「…来たか。」

北上 「…一体如何したのさ?」

大井 「貴方が簡単に酒に飲まれるとは思えません…」

提督 「…君達は本当に私と居て良いのか?」

大井 「馬鹿!!」バチン!!

提督 「…痛いじゃないか。」

大井 「馬鹿馬鹿馬鹿!!大馬鹿政一!!」ボコボコボコボコ

提督 「…何故そんなに殴るんだ……」

大井 「何でそんなに疑うのよ!!私達が嫌いなの!?

嫌いだからそんな事を言うの!?答えてよ政一!!」

提督 「……済まない、嫌いという訳では無いんだ…」

大井 「なら二度とそんな事言わないで!!」

提督 「…分かった。」

北上 「…私も同意見だなぁ……」

提督 「…済まない。」

北上 「…一度、私達の愛情を確認しよっか?」スッ

大井 「…そうですね、一度確認しましょう。」スッ

提督 「…どうしても今なのか?」

大井 「貴方が悪いのよ…」

提督 「…済まない。」


ー第十三章 提督の休日ー


ー08:27ー

提督 「…寝てしまったか……」

大井 「ん…あれ、私寝てたの?」

提督 「そうらしい…シャワー浴びて来い。」

大井 「シャワー室が有るのは便利ね…借りるわ。」

ー09:18ー

北上 「…んにゃ?」

提督 「起きたか…シャワー浴びて来い。」←肌着

北上 「…あーい……」

大井 「…貴方、シャワー浴びてないわね?」

提督 「俺は後で良いし、あの後一度浴びてる。」

大井 「…抜け目が無いわね……」

ー10:35ー

大井 「…貴方の子供、出来ると良いけど。」

提督 「……出来るだろうか…」

北上 「うーん…出来るんじゃないかなぁ?」

提督 「…もし出来たのなら愛し、護るだけだ。」

北上 「…政一のそういう所、好きだよ?」

提督 「…そうかい。」

川内 「提督、昼の夜戦しよっ!!」チャッ

提督 「…何処でする気だ?」

川内 「え?私の部屋で良いでしょ?」

提督 「那珂と神通は如何する心算だ?」

川内 「…あっ……」

提督 「少しは考えろ。」

大井 「…第二回戦、四人でします?」

提督 「…物好きめ。」

大井 「物好きですよ。」

川内 「やったー!!夜戦だー!!」

北上 「お、やる気だね?」

提督 「…体力が尽きそうだ……」

ー19:47ー

卯月 「…臭いが残ってますよ。」

提督 「文句は此奴等に頼む。」

北上 「……」zzz

川内 「くかー…」zzz

大井 「てーとく…」zzz

卯月 「…昼から夜戦とは、お盛んな事で。」

提督 「…呑むか?」

卯月 「…御相手しましょう、呑みたくなりました。」

ー十二月二十一日 00:02ー

隼鷹 「…提督、これ美味しいね。」グビッ

提督 「秘蔵の廿年物だ。」

隼鷹 「…ありがとね、助けてくれて。」

提督 「…戦力は有るに越した事は無い。」

隼鷹 「へぇ…」

提督 「……後輩も成長してきたからな…」

隼鷹 「後輩?後輩が居るのかい?」

提督 「まぁ、元帥だからな…」

隼鷹 「ふぇっ!?元帥!?」

提督 「肩書だけの人間よ。」

隼鷹 「いやいや、あたしヤバい事しちゃってるよ!!

普通元帥なんて艦娘が会える様な人じゃないよ!?」

提督 「だから肩書だけなんだよ…」

隼鷹 「へ?」

提督 「肩書なんて気にしないで今は二人で呑もう。」

隼鷹 「…あんた口説くの上手だね…女誑しかい?」

提督 「周囲からは女誑しと言われているが…何か?」

隼鷹 「冗談の心算が本当だったよ…」


ー第十四章 提督の休日其の二ー


ー00:28ー

隼鷹 「で、この子は潰れたのかい?」

卯月 「……」zzz

提督 「あぁ、潰れたよ…」

隼鷹 「……あんたよくよく見ると良い男だね…」

提督 「そうか?」

隼鷹 「あぁ、良い男だよ…優しいのが良く分かる。」

提督 「…そうかい。」

ぷらずま 「…邪魔するのです。」チャッ

提督 「……あ、いらっしゃい…何の用かな?」

ぷらずま 「電が愚痴を零し続けてるのです…」

提督 「…そんな時も有るさ。」

ぷらずま 「今は響と暁が聞いてるのです。」

提督 「…そうなのか。」

ぷらずま 「ぷらずまはもう限界なのです…愚痴を

ずっと聞かされるこっちの身にもなれなのです…」

提督 「……そういう愚痴はさっさと流してやりな…

溜め過ぎれば壊れるから人に聞いて貰うのさ。」

ぷらずま 「…確かにそうなのです……戻るのです。」

提督 「気を付けてな。」

ぷらずま 「分かっているのです。」パタン

隼鷹 「…途中から愚痴になってたね。」

提督 「自分が愚痴を零している事に気付ける者は

そう多くない…愚痴は大人しく聞いておくモノさ。」

隼鷹 「あんた一体何歳なのさ…見た目は若いのに

ものすっごい達観してるよ?信じられないよ……」

提督 「…四百と三十余年、この世の移り変わりを

ずっとこの目で見ていた……其の所為だろうな。」

隼鷹 「四百三十年!?嘘でしょ!?」

提督 「…幾度と無く死んでは戻っているからな。」

隼鷹 「えぇ…」

提督 「……常人では無い事は確かだ…」

隼鷹 「…苦労してんだね。」

提督 「苦労無しに手に入れられる物等無い。」

隼鷹 「…だね。」

提督 「……」

隼鷹 「あたしはそろそろ御暇するよ…じゃあね。」

提督 「あぁ…」

ー01:48ー

電 「…電は生きてても意味が無いのです……」

提督 「そんな事は無い。」

電 「でも何の役にも立ってないのです!!」

提督 「役に立ってるから。」

電 「誰の何の役に立っているって言うのですか!!」

提督 「私の妻として隣に居てくれる…其れだけで

役に立っている。何も心配しなくて良いんだよ。」

電 「そんなの唯の言い訳なのです!!」バァン!!

提督 「言い訳じゃない、私の本心だ。」

電 「…嘘なのです……」

提督 「嘘じゃないよ。」


ー第十五章 提督の休日其の三ー


ー02:23ー

電 「うぅ…本当はあの時、凄く怖かったのです……

電は足が無いから解体されると思ってたのです…」

提督 「……」

電 「でも……司令官さんは電を解体せずに鎮守府に

置いてくれたのです…だからこそ怖かったのです…

戦果を挙げなかったら今度こそ解体されると……

でも、電は何も出来なかったのです…だから…」

提督 「…役立たずだなんて言い出したのか。」

電 「でも、司令官さんは何時も優しいから…」

提督 「電は可愛いし、強いから大丈夫だよ。」

電 「…そんな事を言うなんて、狡いのです……」

提督 「電は気にし過ぎだよ。」

電 「司令官さん、甘えても…良いですか?」

提督 「何時でも良いよ。」

電 「…有難うなのです……」

ー03:29ー

電 「……」zzz

稲田 「完全に寝ていますね。」

提督 「…少し話を聞いていたんだ。」

稲田 「…愚痴でしょう?私も聞きましたから。」

提督 「そうか、聞いていたのか…」

稲田 「…私の話も聞いて頂けますか?」

提督 「あぁ…」

稲田 「私の実家は貧しくて、借金ばかり増えて…

其の借金が返せなくて、私は売られたんです……」

提督 「…借金取りにか?」

稲田 「はい…其処で待っていたのは拷問の日々で、

私は家族の為にと耐えていたんです……なのに…」

提督 「…何か有ったんだな?」

稲田 「…売られてから一月経った頃、手紙が私に

届いたんです……其の手紙には、遊び呆けた家族の

写真と共に、[お前はもう用済みだ]って…」

提督 「…捨てられたのか。」

稲田 「私は絶望しました…これまでの努力は全て

無駄だという事実だけが私の手元に残りました……

私はもう耐えられなくて、必死で逃げた先が…」

提督 「…海軍だった、という事か。」

稲田 「はい…海軍に入ってからは名前を捨てて、

駆逐艦吹雪として大本営に編入されました。」

提督 「そしてあの日、ラバウルの私の所に来た。」

稲田 「…正直、羨ましかったです……皆が笑顔で、 口を揃えて貴方は優しいと言っていた。」

提督 「……」

稲田 「でも、あの後私は貴方の手でこうして新たな

艤装を貰い駆逐艦稲田として生きている…」

提督 「…そうだな。」

稲田 「…有難う。そして、愛しています。」Kiss

提督 「…私も愛している。」


ー第十六章 吹雪と元吹雪と提督ー


ー08:29ー

吹雪 「…同じ吹雪だったから何も言えない……」

稲田 「これでもまだ指輪は貰っていませんよ。」

吹雪 「でもでもでも、キスしたら一緒でしょ!?」

稲田 「…キスはキスでしょう?」

吹雪 「この人は結婚する位には愛する仲じゃないと

キスなんて絶対にしない人なんだよ!?」

稲田 「…え?」

提督 「……興奮し過ぎだぞ吹雪…」

吹雪 「だってだって!!」

稲田 「まさか…酒の勢いでは無かったのですか!?」

提督 「俺は素面同然だったぞ…お前は酔ってたが。」

稲田 「…終わった…人生終わりました……」

提督 「…酔って寝た時は如何すべきか迷ったぞ。」

稲田 「…済みません。」

吹雪 「羨ましいです…」

電 「……ん…あれ、此処は?」

提督 「起きたか。」

電 「…はわわっ!?」

提督 「…着替えて来い。」

電 「お邪魔したのですー!!」パタン!!

稲田 「…彼女、少し明るくなりましたね。」

提督 「[自分は役立たずだ]…そういった自責の念が

身体を蝕み崩壊させるんだ……暫くは彼女の精神を

調整し続けて自殺を阻止する生活になるな。」

稲田 「…提督は優しいのですね。」

吹雪 「そう、政一は優し過ぎるの!!」

提督 「冷酷非情と言われていたがな…」

龍驤 「邪魔すんで…えらいそっくりやな!?」チャッ

稲田 「どうも、元吹雪の稲田です。」

龍驤 「おぉ、これはどうも…ウチは龍驤やで。」

稲田 「えぇ、お聞きしております。」

提督 「龍驤、何の用だ?」

龍驤 「あぁせや、なんか提督を名乗る白軍服の奴が

今こっちに無理矢理来とんねん…何とかならん?」

提督 「…分かった、今は応接室で待ってて貰え。」

龍驤 「あーい。」パタン

提督 「…先に稲田の指輪だな。」

稲田 「官給品で大丈夫ですよ…大事なのは愛です。」

提督 「…有難い言葉だな。」

ー来賓室 12:40ー

提督? 「…何時迄待たせる気だ?」

加賀 「元帥は高密度な予定と執務を御一人で熟す

御方です…唯でさえ休憩は疎か食事の時間も削り

会話の予定や執務の時間に回されるのですから、

貴方の為に予定を空ける事が大変難しいのです。

何卒御容赦を…間もなく此方に来られる筈です。」

提督? 「…下らんな。」

加賀 「……」

提督? 「この私が来たというのに…」

加賀 (貴方より政一の方が立場は上よ…)


ー第十七章 冷酷非情の元帥ー


ー13:12ー

提督 「済まない、遅れた。」チャッ

加賀 「お待ちしておりました。」

提督? 「遅いぞ貴様!!この私を何時迄待たせる気だ!!」

提督 「大変申し訳有りません…駆逐艦の二人を説得

するのに少々梃子摺りまして。」

提督? 「この私が誰か知らない訳では無かろうな?」

提督 「存じ上げております、L少将。」

提督?→L提督 「ふん、名は知っているのか。」

提督 「其れで、大本営の一角に何の御用で?」

L提督 「単刀直入に言おう、君の艦娘を十名程度、

我がショートランド第四へと移籍して貰う。」

提督 「…あ?」ブチッ

加賀 「あっ…」

L提督 「どうやら君の所は人員過剰で出撃頻度が

低い故に練度が上がり難いと聞いたぞ。そんなに

艦娘が居るなら此方で引き取ろうという訳だな。」

提督 「…手前に渡す艦娘なんか一人も居ねぇよ。」

L提督 「何だと?」

提督 「手前に渡す艦娘は居ねえ、とっとと帰れ!!」

L提督 「この私に向かって何だその暴言は!!」

提督 「…手前俺が誰か分かって言ってんのか?」

加賀 (あの人の事です、あの人も殺すでしょう……

我が身の為にも今の内に逃げましょう。)そそくさ

L提督 「貴様の様な若造が私に楯突く気か!?」

提督 「貴様こそ元帥に楯突くとは…何様だ?」

L提督 「なっ…元帥!?」

提督 「…貴様……提督、其れも少将であるというのに

元帥が交代した事も耳に入れていないのか?」

L提督 「…申し訳有りませんでした!!」

提督 「…今更媚びようとしても遅い。」

L提督 「……チッ!!」

提督 「もう終わりで良いな?」チャキッ

L提督 「な…なんだ其の銃は!!」

提督 「貴様…まさか私が情報を抑えていないとでも

思っていたのか?貴様が黒いのは知っているぞ。

ウチには隠密行動が得意な潜水艦が居るからな。」

L提督 「くっ…」

提督 「…年貢の納め時だな。」つM1911A1

L提督 「…貴様、私を殺すのか。」

提督 「粛清は必要だ、黒い提督は要らん。」

L提督 「…後悔するぞ。」

提督 「辞世の句は其れで良いのか?」

L提督 「私を殺せば鎮守府の艦娘が貴様を殺すぞ。」

提督 「…其の艦娘が先に自害したぞ。」

L提督 「なっ…」

提督 「貴様は其れだけ嫌われていたんだよ。」

L提督 「…私の、負け…なのか……」

バァンバァンバァンバァンバァンバァンバァン!!

提督 「さようなら、二度と会う事は無いでしょう。」


ー第十八章 血塗れの暗殺者ー


ー休憩室 15:38ー

提督 「……」

M提督 「貴様、よくもL少将を!!」

提督 「…君も消さないといけないのか……」

M提督 「煩い!!貴様を殺してくれるわ!!」

バァンバァン!!

M提督 「…がっ……」

提督 「残念だよ、君は成績が良かったのに…」

バァンバァン!!バァン!!

提督 「…もう会えないのが辛いな。」

N提督 「…そんな……M先輩……」へなっ

提督 「……」

N提督 「…何故……何故殺したんですか!?」

提督 「…こんな物を持って話合いが出来るとでも?」

ドスッ

N提督 「これは…短刀……」

提督 「…悪いが、消す事にした。」

N提督 「…許さない……貴方を絶対に許さない!!」

提督 「…そうか……なら、消すまでだ。」チャキッ

バァンバァン!!

N提督 「…何で……」ドサッ

提督 「…この数時間で三人か……痛いな。」

加賀 「…貴方、何故血塗れに……」

提督 「…少し頭を冷やして来る……」

加賀 「…これは……」

ー外洋 19:44ー

レ級 「……キサマ、ナゼソンナニツヨイ…」

提督 「…頭が冷えねぇ……身体が殺しを求めてる…」

レ級 「…ゼンカンニツウタツ、シキュウテッタイ!!」

ヲ級 「…リョウカイ。」

提督 「…退くか。」

レ級 「ワルイガキサマハワレワレニハツヨスギル。」

提督 「…貴様には負けるな。」

レ級 「ハナシナラキク、キサマチマミレダゾ。」

提督 「…そうか……敵と話す事も大事か。」

ー21:49ー

レ級 「…オマエハキヲツメスギダ、ヤスメ。」

提督 「…そうか。」

レ級 「テイトクヲコロシタコトニツイテハナニモ

イワナイ…テキノコトバナドアテニハナランヨ。」

提督 「…今日は済まなかったな。」

レ級 「オマエトハテイキテキニタタカイタイ。」

提督 「そうか…大本営に伝令役を寄越せ。」

レ級 「…デンレイヤクノショウメイハ?」

提督 「簡単だ…[我敵意無し、伝言有り]と言え。」

レ級 「…ワカッタ、キヲツケテナ。」

提督 「あぁ。」

ー政一自室 23:24ー

提督 「…この軍服は使い物にならんな。」

暁 「政一の馬鹿…」

提督 「…済まない。」

暁 「…少しは私達を頼って。」

提督 「…次からはそうするよ。」


ー第十九章 空母+‪α鍛錬中ー


ー十二月二十二日 弓道場 08:48ー

飛龍 「…せいっ!!」バシュウ!!

カン!!

加賀 「…其処。」バシュウ!!

カン!!

赤城 「…やぁっ!!」バシュウ!!

カン!!

蒼龍 「…ほっ!!」バシュウ!!

カン!!

瑞鶴 「ふふん。」バシュウ!!

カカン!!

翔鶴 「……出来る様になるのかな?」

提督 「大きくなったら絶対出来るよ。」バシュウ!!

カカカカカン!!

龍飛 「……」バシュウ!!

カン!!

鳳翔 「…こうして弓を射るのは久し振りですね……」

龍飛 「だな…懐かしい。」

鳳翔 「鈍っていないか、心配です。」バシュウ!!

カン!!

龍驤 「…ウチは式神やっちゅうのに……」バシュウ!!

カン!!

瑞鳳 「…でも中ったじゃない。」バシュウ!!

カン!!

雲龍 「…えい。」バシュウ!!

カン!!

グラーフ 「…これが日本の弓か。」バシュウ!!

カン!!

グラーフ 「…少し癖が有るな。」

美穂 「そういう物だよ。」バシュウ!!

カン!!

大鳳 「貴女、この距離でよく中りますね…」バシュウ!!

カン!!

宗谷 「…僕は嗜む程度なんだけどな……」バシュウ!!

カン!!

ほっぽ 「嗜む程度ならそんなに中らないよ。」

宗谷 「…そうかな?」

ほっぽ 「そうだよ。」バシュウ!!

カン!!

祥鳳 「……」バシュウ!!

ドスッ

祥鳳 「あれ…お兄ちゃんは中ってたのに……」

ほっぽ 「ほら、嗜む程度ならあぁなるから。」

宗谷 「成程。」

隼鷹 「あらよっと。」バシュウ!!

カン!!

隼鷹 「偶にゃ弓を射るのも良いかもねぇ…」

飛鷹 「かもね…」バシュウ!!

ドスッ

飛鷹 「あっ…」

隼鷹 「ぷっ…酒呑みに負けてやんのwww」

飛鷹 「…笑わないでよ……」

ー12:11ー

提督 「…午前の部はこれで終わりだな。」

翔鶴 「お兄ちゃん、私もしたい。」

提督 「…改造しよっか。」

ー工廠 19:48ー

提督 「…案の定ちっこい奴は改造でデカくなるな。

漣に潮…そして翔鶴もまたデカくなったと。」

翔鶴 「…えへへ。」←169.9cm、体重64.4kg

提督 「…今のお前なら弓を射る事が出来る筈だ。」

翔鶴 「本当に!?」

提督 「あぁ。」

翔鶴 「……えへへ…お兄ちゃん大好き…」すりすり

提督 「…矢張り性格は大して変わらんな。」なでなで


ー第二十章 翔鶴型特別鍛錬ー


ー十二月二十三日 弓道場 04:57ー

瑞鶴 「…お姉ちゃんがお姉ちゃんになってる……」

翔鶴 「瑞鶴、如何したの?」

瑞鶴 「いや、何でもない…」

提督 「…翔鶴、やってみろ。」

翔鶴 「うん…」バシュ

ボスッ

瑞鶴 「…五米飛んでないよね?」

提督 「…四七二。」つ距離測定器

瑞鶴 「…お姉ちゃん?」

翔鶴 「……私、出来ないんだ…」

提督 「八節を叩き込むしか無かろう…瑞鶴。」

瑞鶴 「…えぇ、任せて。」

ー09:48ー

大加賀 「あの。」

提督 「ん?」

大加賀 「今年のクリスマスは如何されますか?」

提督 「クリスマス?」

大加賀 「以前はパーティーを開催していましたが…」

提督 「…今年は無しかな。多分臨時給付で終わる。」

大加賀 「…せめて駆逐艦の子達にプレゼントを……」

提督 「…御免ね、皆の欲しい物が分からないから。」

大加賀 「そう…残念だわ。」

提督 「…新参者は大人しくするが吉だよ。」

大加賀 「…そう、ね……邪魔したわ。」

提督 「…もうクリスマスか……早いな。」

ー13:11ー

翔鶴 「…えい!!」バシュウ!!

カン!!

翔鶴 「あ…中った!!」

提督 「中ったなら後は練習だけだな。」

翔鶴 「はい!!」

瑞鶴 「んー…せい!!」バシュウ!!

カカン!!

瑞鶴 「やったわ…次は三条ね。」

ヨ級 「……」スッ

瑞鶴 「深海棲艦!?其れも潜水艦の方!?」

提督 「ん?」

ヨ級 「……」スッスッスススッ

[ワレテキイナシ、デンゴンアリ。]

提督 「…伝令か、御苦労。」

ヨ級 「……」コクコク

提督 「…何処に行けば良い?」

ヨ級 「……」ススッスッスススッススッ

[ナントウサンジュウハチキロメートルチテン。]

提督 「成程、沖の方か。」

翔鶴 「お兄ちゃん?」

提督 「…翔鶴、瑞鶴と一緒に暁を呼んで来い。」

翔鶴 「え?」

提督 「暁に此処へ来る様に言ってくれ。」

翔鶴 「…うん。」

提督 「じゃ、行こうか。」

ヨ級 「……」コクコク

ー沖合 14:22ー

レ級 「…ヨキュウ、ゴクロウサマ。」

ヨ級 「……」コクコク

提督 「随分呼ぶのが早かったな。」

レ級 「…ワルイナ、ウチノヒメサマガアバレテナ。」

集積地棲姫 「……」

提督 「…引き取れと。」

レ級 「…タノメルカ?」

提督 「…仕方が無いな……暁と話をして決める。」

レ級 「…ワカッタ。」


ー第二十一章 引き取り交渉ー


ー15:48ー

暁 「えっ…この子を引き取るの?」

提督 「どうも暴れたらしく手が付けられんと。」

レ級 「…タノメナイカ?」

暁 「そんな事言ったって、如何するのよ!?」

レ級 「…ジツヲイウトモウヒトリイルンダケド……」

暁 「まだ居るの!?」

深海海月姫 「…ァ……ドウモ…」

暁 「此奴も引き取れって!?」

レ級 「タノム、コッチハゲンカイナンダ…」

提督 「……」

集積地棲姫 「…何なのさ、其の目は。」

提督 「……」じー…

集積地棲姫 「…何で見てんのさ……」

提督 「…何が出来る?」

集積地棲姫 「…一応砲撃と資材管理。」

提督 「……」

集積地棲姫 「…何か言いなよ。」

レ級 「…ジョウケンナラアルテイドハノムカラ。」

提督 「…お前、この辺りの海を仕切ってる奴は?」

レ級 「コノアタリハ…クチクコキサマダナ。」

提督 「…彼奴か……分かった、其奴を明日呼べ。」

レ級 「……エ?」

提督 「この辺りの制海権は譲り渡して貰うぞ。」

レ級 「…マジカ。」

提督 「其の程度はして貰わないと無理だな。」

集積地棲姫 「…何?あたし達そんな価値有るの?」

提督 「迷惑掛けんだから多少はな?」

深海海月姫 「…ゴメンナサイ……」

レ級 「…ワカッタ、コウショウシテミル。」

提督 「おう。」

レ級 「ダガ、カクジツニクルワケデハナイゾ。」

提督 「大丈夫、そんな時は爆弾漁で仕留めるから。」

レ級 「…ダイナマイトリョウハイホウダゾ?」

提督 「お前達相手に法律は動かんよ?」

レ級 「…イチオウホウコクシテオク。」

提督 「じゃあ取り敢えず此奴等連れて帰るか。」

暁 「ちょっと!?」

提督 「引き取らんと話が進まんだろ。」

暁 「…少しでも問題が起きたら処分するわよ。」

集積地棲姫 「……はい…」

深海海月姫 「ァ…ハイ……」

レ級 「…ジャ、ホウコクシテクルヨ……」チャポン

提督 「…来て貰おうか。」

集積地棲姫 「あ、はい…」

ー談話室 18:29ー

北方棲妹 「…お前達、追放されたか。」

港湾棲姫 「…何をしたらそんな事になるの?」

港湾水鬼 「……馬鹿だね。」

中枢棲姫 「政一に捨てられたら本当に終わりだぞ。」

集積地棲姫 「…うす……」

深海海月姫 「ァ…ハイ……」

ーー

戦艦棲姫 「角は貰うぞ。」パチッ

加賀 「ふっ…甘いですね。」パチッ

戦艦棲姫 「なっ…飛車を取られた!?」

加賀 「角など眼中に無いのです。」

ーー

ほっぽ 「…空気が重いね、あっち……」

政一 「仕方が無かろう。」


ー第二十二章 死人に口無しー


ー十二月二十四日 沖合 07:58ー

駆逐古鬼 「……」

提督 「…以上、分かったか?」イライラ

駆逐古鬼 「…迷惑を掛けて御免なさい。」

提督 「…こっちも限界近いのさ……分かる?」

駆逐古鬼 「御免なさい…」

レ級 「ア、アノ…モウユルシテクダサイ……」

提督 「……」

駆逐古鬼 「……」ポロポロ

ほっぽ 「政一!!」

提督 「ん?」

ほっぽ 「一緒に帰ろ、其の子と一緒に!!」

提督 「……分かったよ…」

駆逐古鬼 「え?」

ほっぽ 「一緒に行こ?」

駆逐古鬼 「…うん……」

レ級 「…カエルヨ。」

提督 「おう。」

ー談話室 10:44ー

駆逐棲姫 「あ、駆逐古鬼だ。」

駆逐古鬼 「駆逐棲姫ちゃん、何で居るの?」

駆逐棲姫 「…ちょっとね……」

提督 「…何故此処に集まっているんだ?」

加賀 「…深海棲艦の皆様で会議だそうです。」

提督 「…煙草を吸ってくる、少し疲れた。」

加賀 「……身体に悪いですよ?」

提督 「こんな老耄に毒など効かんわ。」

ー軍港 11:21ー

提督 「……」

北方棲妹 「…随分疲れているようだな。」

提督 「あぁ…最近色んな事が起き過ぎてな……」

北方棲妹 「…なら休めよ。」

提督 「そうもいかないんだよな…」

北方棲妹 「…お前が潰れたら終わりだ。」

提督 「……そう、だよな…」

北方棲妹 「少し休め、そして気を抜くこった。」

提督 「そうするよ。」

ー政一自室 18:44ー

提督 「……」zzz

駆逐古鬼 「…寝てる。」

龍飛 「寝かせてやれ、疲れてるんだ。」←看病役

駆逐古鬼 「……」

龍飛 「無理をし過ぎて身体を壊してしまってな……

この調子では早死にしてしまいかねんな…」

駆逐古鬼 「…何か御免なさい……」

龍飛 「構わん。」

加賀 「…看病役交代の時間です。」チャッ

龍飛 「分かった。」

加賀 「…彼はそう簡単には斃りませんから。」

龍飛 「仮に斃る様なら無理矢理にでも彼岸から

連れ戻すから心配は要らんよ…ではな。」パタン

加賀 「…これから宜しく御願いしますね。」

駆逐古鬼 「え、あ…はい……」


ー第二十三章 後輩(妻)と後輩(新)ー


ー談話室 20:11ー

早紀 「…ふい…疲れたっすねぇ……」

浅葱 「そうですね…戦闘に参加出来ないのが……」

早紀 「艦隊の士気は上がるっすよ。」

?? 「…あのー……」

早紀 「ん?何か用っすか?」

?? 「諫田政一元帥は何処に居るんですか?」

早紀 「…分かんないっす……」

浅葱 「私も何処に居るかまでは…」

?? 「そうですか…」

加賀 「…ふぅ……」チャッ

暁 「あら、交代?」

加賀 「えぇ…まだ目は覚めないみたい。」

暁 「そう…無茶をし過ぎたのね……」

?? 「あの…諫田政一元帥は何処に?」

暁 「身体を壊して療養中よ…貴女は?」

??→ターニャ 「私はターニャです。」

暁 「ターニャ…て事はタチアナさん?」

ターニャ 「えっ…そう、ですけど……」

暁 「タチアナさんって事はロシアの人ね。」

加賀 「…何故来たのか聞いても?」

ターニャ 「…お父さんが此処に行けって……」

龍飛 「探したぞ、タチアナ・スタヴィツカヤ…」

ターニャ 「何故私の名を…」

龍飛 「ロシア海軍からの書類を解読するのは非常に

骨が折れたが…貴様は政一の部下として着任すると

書いてあったからな…先ずは準備だろうな。」

ターニャ 「はい?」

龍飛 「その服は日本で着るには暑すぎるだろう。」

ターニャ 「えっと、確かに暑いです…けど……」

龍飛 「政一の部下ならば軍服が良かろう。」

暁 「…でも、女性用軍服なんて在庫有ったかしら?」

早紀 「私のは小さいっすよね。」

龍飛 「…貴様は身長が有るからな……」

浅葱 「私より高く…元帥と同じ位ですかね?」

龍飛 「…恐らくは。」

ターニャ 「……」←173.7cm

提督 「…うあぁ……痛え……」フラッ

ターニャ 「あっ…」

提督 「糞…身体が痛え……疲れを無視し過ぎたな…」

加賀 「政一、大丈夫なの?」

提督 「んな訳ねぇだろ…手洗い何処だ……」

文月 「待ってぇ…」とてとて

提督 「あぁ…糞、手洗い何処だよ……」

ターニャ 「…あの方が?」

暁 「えぇ、政一よ…」

ターニャ 「……」

吹雪 「…軍服、男物で良いのでは?」スッ

加賀 「吹雪、居たのですね…」

暁 「そうね…政一の軍服を流用しましょう。」

ターニャ 「…苦労してるんですね。」

龍飛 「あぁ…政一はよく無理をするからな。」


ー第二十四章 ロシアの無茶振りー


ー十二月二十五日 執務室 08:00ー

提督 「……」

ターニャ 「えっと…」

提督 「早紀、浅葱…説明。」

早紀 「この人はロシアから押し付けられてるっす。」

浅葱 「受け入れを拒否すれば如何なるか…」

提督 「…あの糞ソ連、まだ迷惑を掛ける気か……」

ターニャ 「な、何故あの人は怒っているんですか!?」

暁 「政一はソ連に十八年居たから…ね?」

ターニャ 「……」

提督 「軍服なんざ適当に合わせて着させろ。」

浅葱 「あ、はい…」

提督 「階級は少尉で良いわ、お疲れさん。」パタン

暁 「…疲れてるわね。」

ターニャ 「えっと…其の……」

暁 「心配しないで、普段は優しい人なの。」

早紀 「優しくなかったら私達は此処に居ないっす。」

ターニャ 「…そうですか……」

加賀 「…失礼します。」チャッ

ターニャ 「…加賀さん?」

加賀 「今日は北方棲姫と一緒に居てもらいます。」

ターニャ 「…北方棲姫!?」

ー談話室 08:46ー

提督 「……」zzz

駆逐古鬼 「…つんつん……」

提督 「……」zzz

駆逐棲姫 「…ぐにー……」

提督 「……」ぐにー

ターニャ 「……」

ほっぽ 「気にしないで、大丈夫だから。」

戦艦棲姫 「…くっ……」

中枢棲姫 「残念だったな…私は政一に扱かれて以来

将棋で連勝出来る様になったのだ……流石に政一に

連勝出来る程強い訳では無いがな。」

戦艦棲姫 「…いや、此処だ!!」パチッ

中枢棲姫 「ほれ、詰みだ。」パチッ

戦艦棲姫 「ヴェアアアアア!!!!」

ターニャ 「…何で将棋してるの?」

ほっぽ 「将棋にチェス…後オセロは人気なんだよ。」

港湾水鬼 「…チェックメイト。」コトッ

港湾棲姫 「……負けたわ、残念ね。」

港湾水鬼 「やった、漸くお姉ちゃんに勝てた!!」

港湾棲姫 「これだけ出来れば政一に勝てるかもね。」

港湾水鬼 「いやそれは無いよ。」

港湾棲姫 「…そうよね、あの人強いから。」

ターニャ 「…そんなに政一は強いのですか?」

ほっぽ 「…直近百戦で負けは二回だったかな?」

ターニャ 「そんなにですか…」

文月 「ふみぃ…」ぐでっ

提督 「…重い……」

吹雪 「女の子にその言葉は無いですよ…」

提督 「一人一人が軽くても束になれば重くなる…」

吹雪 「あぁ…納得しました。」


ー第二十五章 メリーさんー


ー10:14ー

提督 「…着替えたか。」

ターニャ 「はい…少し大きいですけど。」←軍服

提督 「そうか…」

Prrr…Prrr…

提督 「ん?」ピッ

[私メリーさん、今東京駅に居るの。]

提督 「んぁ?」

プツッ

提督 「…切りやがったか。」

ターニャ 「…今のは?」

提督 「メリーさんって事は殺しに来たか…面白い。

ならば弄ぶとしようか……何処まで来るかねぇ?」

ターニャ 「…?」

ー名古屋 11:24ー

Prrr…Prrr…

提督 「来たか。」ピッ

[私メリーさん、今大本営の前に居るの。]

提督 「あっそ…俺名古屋だから。」

[…えっ?]

提督 「名古屋で味噌カツ食ってる。」

[…本当?]

提督 「殺したければ追い付く事だ。」ピッ

提督 「さて、食い終わったら新世界にでも行くか。」

ー同刻 大本営正門前ー

メリー 「……切られた。」

メリー 「此処から名古屋って遠いじゃないの!!」

ー大阪・新世界 13:48ー

Prrr…Prrr…

提督 「…奴は名古屋に来たか。」ピッ

[ぜぇ…ぜぇ…私、メリーさん…]

提督 「今居るのは名古屋だろう?」

[…そうよ…名古屋よ……]

提督 「悪いが俺はもう新世界に居るんでな。」

[…新世界?]

提督 「大阪は天王寺のすぐ近く、名物は串カツ。」

[…貴方、嫌い。]

提督 「早く来ないと西に逃げるぞ。」

[待って!!]ブツッ

提督 「…焦って切ったな、何処へ行くかも聞かず。」

ー吉野山 16:12ー

提督 「そろそろ新世界に着く頃か。」

Prrr…Prrr…

提督 「…当たったな。」ピッ

[私メリーさん、今新世界で串カツ食べてるの。]

提督 「そうか、俺は冬の吉野山に居る。」

[何でそんな簡単に逃げてるのよ!!]

提督 「大阪阿部野橋から特急で一時間。」

[うぐっ…]

提督 「冬の山は良いな。」

[そりゃ貴方は良いでしょうね!!]

提督 「早く来ないと吉野口から和歌山に逃げるぞ。」

[待って、調子に乗って串カツ十本頼んじゃった…]

提督 「…食い終わってから来い、和歌山で待つ。」

[うん…御免なさい……]

ー奈良 18:00ー

提督 「…」ピッ

[ひゃっ!?]

提督 「遅いわ、特急に乗れば良かろうに。」

[…特急が居なくて。]

提督 「特急は環状側から出るぞ。」

[嘘でしょ!?]

提督 「後俺はもう奈良に居る。」

[…万葉まほろば線で追い付いてやるから。]


ー第二十六章 撒かれ続けてメリーさんー


ー京都河原町 21:49ー

提督 「…」ピッ

[私メリーさん、各駅停車で漸く奈良に着いたの…]

提督 「王寺から大和路周りの方も有るのに…」

[…知らなかったの……]

提督 「其れと俺は今京都河原町に居る。」

[えぇぇぇえええ!?]

提督 「天王寺に戻り環状線で大阪、そこから阪急。」

[貴方遊んでるのねそうなのね…]

提督 「今日は其の辺で泊まれば?」

[…歩いてでも追い付いてやるわ。]

提督 「そうかい…」

ー十二月二十六日 宇治 01:49ー

提督 「…流石に歩きとなると近いな。」

Prrr…Prrr…

提督 「歩いて河原町に向かえば遅いわな。」ピッ

[私……メリー、さん…今……河原町に……居るの…]

提督 「本当に歩いたのか、御苦労さん。」

[…貴方……何処に、居るの……]

提督 「御茶の美味しい宇治の町。」

[…何で逃げるの……何で消えるの……]

提督 「殺されるのは勘弁だな。」

[…説明するから待ち合わせしようよ……]

提督 「…明日正午、呉軍港にて待つ。」

[…うん!!]

ー呉軍港 12:00ー

メリー 「…居ない。」

メリー 「…あの人嫌い!!何で約束すっぽかすのよ!!」

提督 「誰がすっぽかしたって?」ピトッ

メリー 「熱っ…コーンポタージュ?」

提督 「好みが分からんでな。」

メリー 「…有難う。」

提督 「…殺すなよ。殺したら五十人位はお前の事を

殺しに来る筈だから…」

メリー 「…シフト外だよ。」

提督 「…そうか。」

メリー 「…ねぇ、貴方は何で簡単に撒けてたの?」

提督 「名古屋から新世界へは新幹線と環状線。」

メリー 「え?」

提督 「最寄り駅は天王寺じゃなくて新今宮。」

メリー 「…騙された。」

提督 「吉野山へは説明したから良いとして…」

メリー 「…その先、和歌山へのルートは?」

提督 「話を振っただけで吉野口から王寺経由で。」

メリー 「…また騙したのね。」

提督 「で、最後の宇治までは歩いた。」

メリー 「うぅ…京都は遠かったよ…」

提督 「…仕方が無いな、大本営に行くぞ。」

メリー 「え?」

提督 「大丈夫だ、お前みたいな変梃な奴は他にも

数人居るから問題無い。」

メリー 「…私メリー、貴方が格好良く見えるの。」

提督 「…そうかい。」


ー第二十七章 変わり種には変わり種ー


ー談話室 19:48ー

提督 「……」zzz

メリー 「…格好良く見えたのは勘違いの様ね。」

ターニャ 「勘違いじゃないです。」

メリー 「え?」

ターニャ 「この人は色んな人を上手く纏めてます。」

メリー 「…あぁ、変梃が他にも数人居るってね……」

早紀 「…貴女がメリーさんっすね、私は早紀っす。」

メリー 「あ、御丁寧にどうも…」

早紀 「また政一が連れ帰ってきたみたいっすね。」

メリー 「だって、あの人ずっと私を躱すんですよ…」

早紀 「あー…まぁ、飛べるから撒くのは楽っすね。」

メリー 「……えっ…飛べる?」

早紀 「知らなくて当然っすね、政一には一対の翼が

背中に有って、出し入れ出来るから普段は隠して

普通の人間を装って過ごしてるっす。」

メリー 「…いや、いやいやいや……そんな奴を殺せ

とかあの会社ブラックだったのね…」

早紀 「まぁ、辞めれて良かったっすね。」

ターニャ 「…私、気になるんですけど。」

早紀 「如何したっすか?」

ターニャ 「…あの人、人間ですか?」

早紀 「あー…艦娘の様な吸血鬼の様な神の様な……」

メリー 「うわぁ…絶対殺せないわ私。」

早紀 「まぁ、[唯の]人間では無い事は確かっすね。」

提督 「……んぁ…」ムクリ

メリー 「あ、起きた。」

提督 「…八時前……寝過ぎた…」

メリー 「あの、私メリーです。」

提督 「おう…あぁ、今日は仕事が有るってのに…」

龍飛 「お前は少し気をつめすぎだぞ。」チャッ

提督 「…鳳翔……いや、龍飛か。」

龍飛 「如何した、普段は迷わず判断出来る筈だが?」

提督 「矢張り疲れか…この頃疲れが抜けんでな。」

龍飛 「…暫くの間は新入り二人の相手をしてろ。」

提督 「そうさせて貰うか…」

ターニャ 「…あの、お酒飲みたいです。」

メリー 「あ、私も。」

提督 「…ストックが減っていた筈だが……」

龍飛 「安心しろ、多少は買い足してある。」

提督 「そうか…」

ー政一自室 21:44ー

ターニャ 「…強過ぎです……」

メリー 「うぷっ…吐きそう……」

提督 「…寝てろ。」

ターニャ 「…何故そんなに強いのですか?」

提督 「知らん。」

ターニャ 「…先に寝ます。」

提督 「おう…」

ー22:15ー

提督 「…思ったより酒が空いたな。」

提督 「……片付けて寝るか。」


ー第二十八章 政一と酒の魔力ー


ー十二月二十七日 07:25ー

提督 「…何時だ……」ふにっ

提督 「…ん?ふにっ?」チラッ

ターニャ 「……」zzz

メリー 「……」zzz

提督 「…触ったのは腹か……良かった。」ふぅ…

提督 「ってそんな事は如何でも良いんだよ!!」ハッ!!

提督 「何で雑魚寝になってんだよ…」

ー08:22ー

メリー 「…頭痛い……」むくっ

ターニャ 「…私、お酒には強いのに……」

メリー 「いや、あの人が異常なのよ…」

提督 「おう、水飲んどけよ。」

メリー 「そうするわ…って、何よこの状況!!」

提督 「知らん…酒の魔力とでも言っておくか。」

メリー 「…恐ろしいわ。」

ー10:49ー

提督 「……」zzz

ターニャ 「…フルハウス!!」

戦艦棲姫 「ストレートフラッシュ…」←途中参戦

メリー 「残念だけど、クアッズよ。」

ターニャ 「……嘘よ、こんなの……」

メリー 「ターニャのチップは全没収!!」

戦艦棲姫 「勝ってしまった…訳も分からず……」

ターニャ 「もう一度よ!!」

ーー

メリー 「二枚交換。」

戦艦棲姫 「三枚。」

ターニャ 「一枚で。」

戦艦棲姫 「…スリーカード。」

ターニャ 「フルハウスよ。」

メリー 「ふっふっふ…クアッズ!!」

戦艦棲姫 「ヴェアアアアア!!」

メリー 「今度は私の勝ちね。」

ターニャ 「…叫ばないでよ……」

ー13:48ー

提督 「…んぁ?」

戦艦棲姫 「……」zzz

提督 「…何で此奴が……ん?」ガサッ

提督 「これは手紙か?」ガサガサ

ー酒の魔力とは恐ろしいモノですね。

彼女の抱えているモノが次々と見えました。

其の中に貴方に対する恋愛感情も有りました。

恋をさせた責任、取って下さいね。ー

ーメリーよりー

提督 「…御丁寧に指輪まで。」キラッ

提督 「……渡すのは彼女が起きてからにしよう。」

ー16:48ー

戦艦棲姫 「……う…」

提督 「起きたか。」

戦艦棲姫 「…貴方か。」

提督 「随分飲んだ様だな。」

戦艦棲姫 「…あぁ。」

提督 「そんな君にはコレを渡す事にする。」

戦艦棲姫 「…何だ、この箱は……」パカッ

つ指輪

戦艦棲姫 「……へっ!?」

提督 「君の気持ちに気付けなくて済まなかった。」

戦艦棲姫 「……」

提督 「この先は一緒に生きよう。」

戦艦棲姫 「…あぁ。」

提督 「……酒の魔力とは…恐ろしいな。」


ー第二十九章 新入り雑談ー


ー談話室 19:27ー

メリー 「ふぅ…」

ターニャ 「…メリーさんって、バイトなんですね。」

メリー 「皆が皆バイトじゃないわ、八割は正社員。」

ターニャ 「へぇ…」

メリー 「私の場合日雇いだから日を跨いだ仕事は

出来ないの…だから殺せずに逃げられたんだけど。」

ターニャ 「…でも、殺さなくて正解。」

メリー 「えぇ…今思えばあの会社頭イカれてるわ。

そこらの人を選んで殺せとか…給料良かったけど。

つかあの人殺したら海軍終わるの知らないのね。」

ターニャ 「…私は分かんない。」

メリー 「そりゃあんたは分かんなくて当然よ。」

ターニャ 「…綺麗な金髪。」

メリー 「そりゃそうよ、私アメリカ生まれだもん。

金髪は珍しくないわ。紅眼は珍しいけどね。」

ターニャ 「…何で紅いの?」

メリー 「あのバイトしてると紅くなるんだって。」

ターニャ 「え?」

メリー 「ほら、呪い殺すでしょ?呪いで紅くなる。」

ターニャ 「成程…」

メリー 「そんな貴女も綺麗な銀髪ね…眼も蒼い。」

ターニャ 「ここまで深く蒼い眼は珍しいって。」

メリー 「そうね、まるで深海みたい。」

ターニャ 「…其の所為で虐められてた。」

メリー 「…私もよ。虐めが嫌で日本に逃げたの。」

ターニャ 「…あの人の眼、迚紅くて怖い。」

メリー 「髪も銀だし、まるで吸血鬼の様だったわ。」

ターニャ 「…でも、日本人。」

メリー 「有り得ないわね、純血では無いわ。」

提督 「そうだな、混ざってる。」スッ

ターニャ 「!?」

メリー 「吃驚した!!」

提督 「つっても普通の混ざり方はしてねぇぞ。」

メリー 「…如何いう事よ?」

提督 「半神半妖とでも言うのか…神と吸血鬼だ。」

メリー 「…いや、可笑しいわよ。」

ターニャ 「…有り得ない。」

提督 「天界を追放されて殺され、気付けばこうだ。」

ターニャ 「えぇ…」

提督 「昔は死とか殺しを司ってたんだが…今はもう

殆ど力は残ってないな。」

メリー 「…ん?殆ど?」

提督 「唯一残ってるのが[天の雷]を略式で落とせる

とかいうそこそこ便利な力。」

メリー 「天の雷…」

ターニャ 「其れは何ですか?」

提督 「直接当たれば粗死ぬな。範囲攻撃だ。」

メリー 「…恐ろしいわね。」

提督 「死にたく無いなら私を怒らせない事だ。」


ー第三十章 銃砲製造中ー


ー十二月二十八日 工廠 07:44ー

明石 「…お、お早う御座います……」

提督 「ん、お早う。」パタン

明石 「…何する気なんだろ……」

ー10:22ー

ヨ級 「……エット…アノヒトハ?」

明石 「向こうです、何してるかは分かんないです。」

ヨ級 「…アリガト。」

ー工廠奥の小部屋 10:25ー

ヨ級 「…ナニシテルノ?」

提督 「独自設計の狙撃銃並びに専用弾薬の設計。」

ヨ級 「…アタマガイタクナル。」

提督 「試作模型位ならもう直ぐ出来る。」

ヨ級 「…ワカッタ。」

ー11:29ー

提督 「ほれ。」つ政一式試作狙撃銃零一型(模型)

ヨ級 「…チョットオモイ。」

提督 「実際に撃てる様になるのは少し先だな。」

ヨ級 「…シマッタ、ウッカリワスレテタ。」

提督 「呼び出しだろ?行くぞ。」

ヨ級 「…ゴメン。」

提督 「構わん、此方も時間を食ってしまったな。」

ヨ級 「ベツニイイ、イソギジャナイ。」

ー沖合 14:48ー

レ級 「…スマナイ、マタヤラカシタ……」

提督 「…お前中間管理職か?大変だな……」

レ級 「…タチバトクロウガワカルナラヒキトッテ。」

提督 「あいあい…で、誰?」

リコリス棲姫 「……」しょぼん

離島棲鬼 「……」しょぼん

北方水姫 「……」しょぼん

レ級 「…イチオウヤラカシタジカクハアルミタイ。」

ヨ級 「…オネガイ。」

提督 「分かってるよ…」

ー工廠奥の小部屋 17:14ー

提督 「…狭いなおい……」

リコリス棲姫 「…凄い……」

離島棲鬼 「…設計図…細かい……」

北方水姫 「…御免なさい。」

提督 「良いから取り敢えず試作品の製造手伝え。」

ー22:48ー

提督 「…おし、試作銃と試作弾四十発。」つ試作弾

北方棲妹 「…ちと重くねぇか?」

提督 「故障確率を減らす為に頑丈にしたからな。」

北方棲妹 「…半自動は故障し易いぞ?」

提督 「だから試作するんだろうが。」ジャキッ

北方棲妹 「…10.92×86……デカイな。」

提督 「準対物級だ、変な事が起きなければ。」

ズガァン!!

提督 「…反動が凄まじいな……NATOの対物よりも

酷いんじゃないか…威力もあまり強くはないな。」

北方棲妹 「…なぁ、.408とかに近いんじゃねぇか?」

提督 「…其れより少し強い位か。」

北方棲妹 「…改良だな。」


ー第三十一章 試作品の試験ー


ー十二月二十九日 01:48ー

提督 「…10.92×91の試作弾が完成したな。」

北方棲妹 「…何で10.92なんだ?」

提督 「43口径だから。」

北方棲妹 「…あぁ。」

ー10:28ー

提督 「…ほれ。」つ政一式試作狙撃銃零二型

北方棲妹 「…多少軽くなったな、まだ重いが。」

提督 「一応反動軽減構造を組み込んだが…」

北方棲妹 「…撃ってみろ。」

提督 「……」ジャキッ

ガウゥン!!!!

提督 「…反動が7.62のNATO級だ。」ガウゥン!!!!

北方棲妹 「反動軽減構造は成功か。」

提督 「命中率も悪くないな。」ガウゥン!!!!

北方棲妹 「…下手すりゃそこらの対物よりも扱い

易いんじゃねぇか?」

提督 「あぁ、重量は削れないが調整して量産だな。」

北方棲妹 「…量産型の設計、手伝うぞ。」

提督 「助かる。」

ー19:44ー

北方棲妹 「…遂に完成したな、量産型。」

提督 「あぁ。」つ政一式半自動準対物狙撃銃零一型

北方棲妹 「有効射程は?」

提督 「…約二粁程度から威力がガタ落ちする。」

北方棲妹 「要するに二粁って事か…」

提督 「あぁ…使ってみるか?」

北方棲妹 「…私は身体が小さいんだがな……」

ズガァン!!!!

北方棲妹 「…なぁ、コレくれ。」キラキラ

提督 「おう、量産型だからな。」

北方棲妹 「お前は試作品を使うのか?」

提督 「量産型の数が揃うまではな。」

ブーッ…ブーッ…

提督 「ん?メリーからか…」ピッ

提督 「もしもし?」

[お前の所の娘は預かった。]

提督 「ん?」

[もし返して欲しければ一億寄越せ。]

提督 「…[一億]用意すれば良いんだな?」

[そうだ…明後日までに金を用意出来なければ娘の

命は無いものと思え。]ブツッ

提督 「…単位を言わなかった罰を与えてやるわ……」

北方棲妹 「…同行する。」

提督 「おう、頼むわ。」

北方棲妹 「…お、おい……お前、眼が蒼いぞ…」

提督 「当たり前だ、俺は今非常に腹が立っている。」

北方棲妹 「…そう、だよな……」

提督 「…来い。」

ー政一自室 20:37ー

提督 「これを見ろ。」つユーゴスラビアディナール

北方棲妹 「…超インフレで価値が無い札か。」

提督 「奴等は馬鹿な事に円で指定しなかった。」

北方棲妹 「…成程、一億[ディナール]か。」

提督 「奴等に一泡吹かせてやる…」


ー第三十二章 暗殺者ハ健在ナリー


ー十二月三十日 謎の拠点 08:46ー

メリー 「……」

男1 「見れば見る程良い女だな…」

男2 「お前本当に金髪好きだな。」

男1 「そんなお前こそロシア女確保してんだろが。」

男2 「当然だろ…どうせ殺す前に[マワす]んだから

[一番手]は押さえてたいだろ?」

ターニャ 「……」

男1 「んなこったろうと思ったぜ。」

ーー

コンコンコン

男3 「…誰か来たぞ。」

男4 「見張りの交代には早い…奴が来たか。」

男3 「…見張りの声がしねえぞ?」

男4 「…開けるぞ。」

男3 「おう…」

ギィィィ…

男4 「…誰も居ないぞ?」

男3 「みたいだな…!?」ザッ

男4 「ん?」

ドサッ

男4 「おい、如何したんだ!?返事しろ!!」

[…其奴はもう起きないぞ。]

男4 「誰だ!?」

提督 [もう二度と会う事は無い。]ガウゥン!!!!

ドサッ

ーー

男1 「今の音は何だ?」

男2 「…銃声だな。」

男1 「おい、銃持って来い!!」

男2 「おう。」タッ

メリー 「…これってもしかしなくても……」

ターニャ 「政一さんが助けに来てくれたんですね。」

ーー

北方棲妹 「…狙撃対策が未熟だな。」

つ政一式半自動準対物狙撃銃零一型(消音器装備)

提督 […敵には既に気付かれている筈だ、行くぞ。]

ー謎の拠点内 08:51ー

提督 […長い故の取り回しの悪さが問題だな。]

北方棲妹 「諦めろ、後私の物の方が長い。」

男5 「何だお前等!?」

パシュン

ドサッ

北方棲妹 「…失せろ。」

男6 「お前達は何者だ!?」

提督 [教える訳が無かろう。]ガウゥン!!!!

ドサッ

提督 […行くぞ。]

北方棲妹 「任せろ。」

提督 [ノックしテもしモーシ!!]バコォン!!!!

ガランガラン…

男1 「動くな、武器を捨てろ。」つ拳銃

男2 「動けば此奴等の命は無い。」つ拳銃

提督 […中国製トカレフか。]ドチャッ

北方棲妹 「…人質とは卑怯な手を……」ドチャッ

男1 「…金を寄越せ。」

提督 [人命が先だ。]

男2 「何だと!?」

提督 [二人を此方に渡せばこの金は渡す。]ドサッ

男1 「…信用ならねぇな。」

提督 […お前等の所に蹴り飛ばしてやる。]ガッ

男2 「…分かった、三で交換だ。」

提督 [よし。]


ー第三十三章 暗殺者ハ狡猾ナリー


提督 [行くぞ。]

男1 「おう…」

男2 「一…」

提督 「二…」

男1 「三!!」パッ

メリー 「…!!」ダッ

ターニャ 「…!!」ダッ

提督 「!!」ゲシッ

ズザザァ

男1 「よっと…」パシッ

男2 「開けても?」

提督 「おう。」

男1 「…」カチャカチャッ

カパッ

男1 「…なんじゃこりゃあ!?」

提督 「一億[ディナール]だ。紙幣に変わりはない。」

男2 「…ディナールって何だ?」

男1 「インフレし過ぎて価値が無くなった金じゃ

ねぇか!!騙しやがったな手前!!」

提督 「お前達が通貨の指定をしなかったのが悪い。」

男2 「…あっ……俺一億としか言ってねぇ。」

男1 「何やってんだよ!!」

ジャキッ

男1 「なっ!?」

北方棲妹 「二人居る事を忘れるな。」ズガァン!!!!

ドサッ

男2 「あ…あ……」

[…捜し物は何ですか?]ユラッ

男2 「ヒッ!?」

[見つけ難い物ですか?]コツ

男2 「近寄るな…」

[拠点の中も、本部の中も…]コツ

男2 「辞めろ…」

[捜したけれど見つからないのに…]コツ

男2 「頼む…」

[まだまだ捜す気ですか?]コツ

男 「辞めてくれ…」

[其れヨりボクと踊りまセんか?]コツ

男2 「謝るから…」

[夢ノ中へ…[ユメノナカ]ヘ……]コツ

男2 「よせ…」

提督 [ 逝 ッ テ ミ タ イ ト 思 イ マ セ ン カ ? ]ズイ

男2 「辞めろぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

ガウゥン!!!!ガウゥン!!!!ガウゥン!!!!ガウゥン!!!!

北方棲妹 「…井上陽水の名曲も政一が言うと意味が

思いっ切り変わるな…恐ろしい人だ。」ブチッ

メリー 「…有難う。」

ターニャ 「感謝します…」

北方棲妹 「[机と鞄]を[拠点と本部]に差し替えて、

状況に合わせる辺り怒りは頂点ではないな。」

提督 「…送還完了。」フッ

北方棲妹 「戻ったか。」

提督 「…帰るぞ。」

メリー 「うん。」

ターニャ 「…」コクッ

ー談話室 14:29ー

早霜 「…貴女達も攫われましたか。」

ターニャ 「…恥ずかしいです。」

メリー 「…眼の蒼い政一さんは怖かったわ。」

早霜 「…今もあの人は怒ると蒼い眼をするのね。」

北方棲妹 「…まぁ、無事に戻っただけマシだろう。」

メリー 「…そうね。」

ターニャ 「感謝しないと、ですね。」


ー第三十四章 量産品ー


ー工廠奥の小部屋 22:49ー

提督 「…ふぅ。」

ーズラッと並ぶ四十挺の量産型狙撃銃ー

提督 「量産品の試験も済んだ事だし、寝るか。」

龍驤 「邪魔すんでー。」チャッ

提督 「あいよぉ。」

龍驤 「帰れ言わんのかい!!」ズコッ

提督 「…龍驤、コレ持ってみろ。」

龍驤 「何やこれ…ちょい重いな、何なん?」

提督 「俺が製造した狙撃銃、準対物。」

龍驤 「何ちゅうもん作っとるんや…」

提督 「反動軽減構造で撃ち易くしてあるぞ。」

龍驤 「…撃ってええか?」

提督 「あぁ、弾薬は其処に有る。」

龍驤 「…やけにデカい弾やな…」

つ政一式10.92×91mm準対物徹甲弾薬

龍驤 「…コレは徹甲でコッチが普通弾か。」

つ政一式10.92×91mm準対物普通弾薬

龍驤 「…ヤバい、めっちゃ悩む……何方使おか…」

政一 「一通り試せば良かろう、ほれ弾倉。」

つ政一式10.92×91mm弾倉(十発装填)

龍驤 「…五発版と十発版が有るんやね。」ガシャッ

政一 「弾が大きい故にこれ以上増やすと大き過ぎて

邪魔になるからな…十が限界だな。」

龍驤 「したら御好意に甘えて…」ジャキッ

ズガァン!!!!

龍驤 「うおっ!?あんな厚い鉄板がめっちゃ凹んだ!!

而もあんなデカい弾やのに反動ちっさいやん!!」

提督 「反動軽減構造で六割程度に減らしてた筈。」

龍驤 「通りで反動ちっさい訳やわ…」ズガァン!!!!

カゥン!!

龍驤 「…穴空いてもうた……」

提督 「…準対物にも頷けるだろう?」

龍驤 「準やない、マジモンの対物弾や…」

提督 「…徹甲も試してみろ。」

龍驤 「うん…」ジャコッ

ガシャッ…ジャキッ

龍驤 「…徹甲、どんなやろ?」ズガァン!!!!

パコォン!!

龍驤 「え…嘘やん…あんな分厚い鉄板やのに一撃で

抜いてもうた…こっわい弾やわ……」

提督 「補足すると有効射程は約二粁前後。」

龍驤 「…うん、バケモンやな。これ狙撃銃ちゃう。

コレ唯の半自動対物砲やわ。人撃つモンちゃう。」

提督 「主な用途は遠距離不発弾処理や軽装甲破壊…

更には熊やトド等大型獣の狩猟用にも使えるな。」

龍驤 「…万能過ぎやろ……」

提督 「但し口径の関係で猪や鹿の狩猟に用いる事は

出来ないから其処だけは気を付けてな。」

龍驤 「…詰まりアレか、熊撃ち用か。」

提督 「正解。まぁ基本が軍用銃だからな。」


ー第三十五章 害獣駆除の依頼ー


ー23:00ー

龍驤 「…猟銃として使う為に五発弾倉作ったん?」

提督 「あぁ…猟銃の規制が厳しいからな……」

龍驤 「…えらいモン作ったんやな。」

提督 「勿論対人でも一撃必殺だからな。」

龍驤 「…そらそやろ……」

コンコンコン

提督 「鍵なら開いてるぞ。」

不知火 「政一、政府から依頼です。」チャッ

提督 「ん?」

[大型害獣駆除依頼]

提督 「……」ジャキッ

龍驤 「やったろやないか…」ジャキッ

不知火 「…御願いします。」

ー十二月三十一日 山の中腹 07:29ー

提督 「大晦日に狩猟とは…」

龍驤 「ええから行くで。」

ほっぽ 「…彼処、居るよ。」

提督 「…確認。」

ガウゥン!!!!

龍驤 「…ウチのと発砲音ちゃうな……試作品なん?」

提督 「あぁ…量産品を態々使うのも面倒でな。」

ほっぽ 「…熊、来てるよ。気付かれてる。」

提督 「獲物が態々来るか…それは上々。」

熊 「ヴォアアア!!」ドスドスドス

提督 「来い、返り討ちにしてくれるわ!!」ギロッ

熊 「ヴォアアァァ……」ピタッ

提督 「如何した?来ないのか?」

熊 「……」タラー

提督 「…察しが良いな、見逃しても良いぞ?」

熊 「……」スリスリ

提督 「…仕方の無い奴だな。」なでなで

龍驤 「いや手懐けんの早っ!?」

熊 「……」ちょこん

提督 「ほら、山に帰りな…里に来るんじゃないぞ。」

熊 「……」のそのそ

提督 「じゃあな。」

龍驤 「…こんなん絶対真似出来んわ。」

提督 「…帰るぞ。」

龍驤 「あーい。」

ー軍港 14:28ー

提督 「…ふぅ……」

暁 「疲れてるの?」

提督 「まぁ、な。」

暁 「…聞いたわよ、殺さず帰したって。」

提督 「…無益な殺生は嫌いだ。」

暁 「…その熊、もしかしたら人間になって恩返しに

来たりするかもね……」

提督 「…御伽噺は作り話だ、可能性は無いさ。」

暁 「…そう、よね。」

提督 「…其れに、生きている限り死は訪れる。」

暁 「……」

提督 「私は死が訪れる時を先延ばしにしただけだ。」

暁 「…そうよね、御免なさい。」

提督 「別に謝る事では無い。」

暁 「…ねぇ、貴方は平和って何だと思う?」

提督 「…答えも道筋も無い幻想。」

暁 「……」

提督 「平和なんてモノは無い。」

暁 「…かもね。」


ー第三十六章 陸軍の艦ー


ー執務室 19:47ー

提督 「…何だこりゃ?」

加賀 「…陸軍から欠陥品を送るとの事です。」

提督 「欠陥品ねぇ…」

暁 「陸軍が軍艦なんて持ってるの?」

提督 「あきつ丸が陸軍の出だ。」

暁 「えっ…そうなの?」

提督 「強襲揚陸艦ってのでな…陸に兵を揚げる為の

艦として建造された奴だ。」

あきつ丸 「呼びました?」チャッ

提督 「いや、呼んではないが丁度良い時に来たな。

お前の仲間が来るそうだ。」

あきつ丸 「……三式潜航輸送艇…となると来るのは

まるゆでありますな、陸軍の潜水艦であります。」

提督 「…成程……」

あきつ丸 「まぁ、モグラと呼ばれてたりするので、

性能はお察し状態でありますな。」

提督 「輸送用の潜水艦なんだから戦闘は無理だろ。」

あきつ丸 「其れもそうでありますな。」

提督 「まぁ、来るのは明日だ、今日は寝るぞ。」

あきつ丸 「であれば、今晩久々に。」

提督 「…一局だけだぞ。」

あきつ丸 「勿論…今日こそ勝つであります。」

ー二千一年元日 軍港 08:57ー

提督 「…来ないな。」

あきつ丸 「……来ないでありますな。」

提督 「流石に単騎では来ないと思うんだが…」

あきつ丸 「そうでありますな…」

パシャッ

まるゆ 「…初めまして、三式潜航輸送艇です。」

提督 「…一応元帥の諫田政一だ。」

まるゆ 「本日付で海軍所属となりました。」

提督 「…書類で確認済だ。」

まるゆ 「では、これから宜しく御願い致します。」

提督 「…あぁ、宜しく。」

あきつ丸 (あの政一が気圧されているであります…)

まるゆ 「私は戦闘以外出来ませんので悪しからず。」

提督 「そうか、分かった…」

あきつ丸 (普通は逆でありますよ…)

提督 「取り敢えず部屋に案内するよ。」

まるゆ 「了解。」

ーまるゆの部屋 10:27ー

提督 「…で、一通りの説明は終わりかな。」

まるゆ 「分かりました。」

提督 「じゃあ、今日は荷解きしてゆっくり休んで。」

まるゆ 「はい。」

提督 「それじゃ、またね。」パタン

まるゆ 「…姉達と離れてしまったな。」コトッ

まるゆ 「…また会って話をしたいものだ。」ガサゴソ

まるゆ 「其の為にも先ずは此処で活躍せねばな。」

まるゆ 「……姉達が居ないと寂しいな。」カタッ

まるゆ 「…さて、昼餉の確認に向かうか。」


ー第三十七章 戦闘ばかりの輸送艇ー


ー食堂 11:27ー

まるゆ 「…賑やかだな。」

龍飛 「…お前がまるゆか。」

まるゆ 「ん?」

龍飛 「話は聞いている、戦闘以外は出来ないとな。」

まるゆ 「…あぁ。」

龍飛 「別に責める訳では無い。そういう奴が居ても

可笑しくなんてないからな…私が其の一例だ。」

まるゆ 「そうなのか?」

龍飛 「私は龍飛…鳳翔という名を私は使わん。」

まるゆ 「…そうなのか。」

鳳翔 「あら、まるゆさん。」

龍飛 「鳳翔か。」

鳳翔 「龍飛、当番の時間ですよ。」

龍飛 「了解、行って来る。」

まるゆ 「…貴女が鳳翔か。」

鳳翔 「えぇ…あの人とは別人ですよ。」

まるゆ 「…一目では分からんな。」

鳳翔 「そうでしょうね。」

まるゆ 「…詰まり此処は変わり者の集う場所か。」

鳳翔 「えぇ、そうですよ。」

曙 「政一が皆連れて来ちゃうからね。」

まるゆ 「…貴女は曙か。」

曙 「えぇ、そうよ。」

鳳翔 「もう直ぐあの方々が来られますね。」

曙 「驚くだろうけど絶対攻撃しないでね。」

まるゆ 「…如何いう意味だ?」

空母棲姫 「ふぅ…今日も演習疲れたわね。」

戦艦棲姫 「途中で敵が来た時は焦ったな。」

離島棲鬼 「…まぁ、勝ったから良いよ。」

ほっぽ 「そんな事よりご飯!!」

北方棲妹 「姉貴焦んなくても海鮮丼は逃げねぇよ。」

中枢棲姫 「ははは、皆元気だな。」

まるゆ 「…何故深海棲艦が……」

鳳翔 「皆さん政一の部下又は妻です。」

まるゆ 「結婚しているのか!?」

鳳翔 「えぇ、斯言う私も政一と結婚してますけど。」

まるゆ 「…まさか貴女も既婚者とは……」

曙 「私もよ…政一は優しいから。」

まるゆ 「…変わっているのだな、艦娘も提督も。」

鳳翔 「此処は来る者拒まず受け入れる所ですよ。」

不知火 「…お疲れ様です。」

つ政一式半自動準対物狙撃銃零一型

まるゆ 「…狙撃銃!?」ザッ

不知火 「政一から頂きました。」

鳳翔 「あら、もう量産しているのね。」

不知火 「御二人の分も預かっています。」

曙 「あら、なら後で取りに行くわ。」

まるゆ 「…私の分は有るのか?」

不知火 「現在量産中との事です、暫しお待ちを。」

まるゆ 「…そうか。」

鳳翔 「…政一に昼餉を届けてくれるかしら?」

不知火 「既に手配済みです。」

鳳翔 「そう、助かるわ。」


ー第三十八章 改良型ー


ー工廠奥の小部屋 22:49ー

提督 「……漸く完成したか。」

つ政一式半自動準対物狙撃銃零一型改

提督 「…あのまるゆなら扱えるか。」

まるゆ 「邪魔するぞ。」チャッ

提督 「おう、丁度良い時に来たな。」

まるゆ 「…完成したのか?」

提督 「あぁ、其れもお前の為に改良した物だ。」

まるゆ 「…軽いな。」

提督 「量産品に比べ約六百瓦の重量削減に成功。」

まるゆ 「…照準器は二十五倍か。」

提督 「色々と手を入れたからな…」

まるゆ 「…感謝する。」

提督 「まぁ、着任祝いとでも言っておくか。」

まるゆ 「…姉達に見せてやりたいよ。」

提督 「…お前は何隻目のまるゆなんだ……」

まるゆ 「[三十九]隻目さ。」

提督 「…可笑しいな、三十九隻目は居ない筈だが?」

まるゆ 「其の三十九隻目は建造途中…故に武装を

積載し通常の潜水艦に改造したのが私だ。」

提督 「…何とも言えんな。」

まるゆ 「…さて、もう夜遅くだ。」

提督 「あぁ、そうだな…寝るか。」

ー軍港 07:49ー

提督 「……長閑な休日だな…」←有給消化中

?? 「あのー…」

提督 「はい?」

??→夕雲 「夕雲型駆逐艦一番艦、夕雲です。」

提督 「…何か御用で?」

夕雲 「何よ、鈍いわね…」ボソッ

提督 「聞こえてるけど?」

夕雲 「今日から此処で御世話になります。」

提督 「……あー…何かそんな書類有った気がする。」

夕雲 「何でちゃんと見てないのよ…」ボソッ

提督 「だから聞こえてるって…」

夕雲 「其れに、私だけじゃないんですよ!?」

提督 「………ふぁ!?」

舞風 「お早う御座います、舞風です!!」

山雲 「司令さん、初めまして〜。山雲です〜。」

時津風 「司令!!時津風です!!」

提督 「…うむむ……四人か………」

夕雲 「…可笑しいわね、まだ二人居る筈だけど……」

秋月 「申し訳有りません、秋月遅れました!!」

照月 「照月、遅れました。申し訳有りません。」

提督 「……これで全員?」

夕雲 「えぇ、そうよ。」

提督 「…部屋割り如何しよう……」

早霜 「…提督?」

提督 「早霜任せるわ…六人一気に来られても困る…」

早霜 「…天津風と満潮、夕立も呼ばないと…」

秋月 「あの、私達は…」

早霜 「対空駆逐ねぇ…あんまり仕事無いよ?」

秋月 「そんなぁ!?」

早霜 「…いや、冗談だから。」


ー第三十九章 駆逐艦集合中ー


ー談話室 08:26ー

ぷらずま 「…成程、逃げて来たのですね……」

電 「大変だったのですね…もう大丈夫なのです。」

天津風 「時津、来たのね…まぁ、此処ならゆっくり

出来るからまだ良いんじゃない?」

時津風 「本当ですか!?」

天津風 「彼奴とことん甘いから…」

不知火 「舞風もお疲れ様です。」

舞風 「あー疲れたー…暫くは踊れないなぁ…」

黒潮 「まぁしゃーないやろ…休みぃや。」

舞風 「そうする。」

朝潮 「山雲、お疲れ様です。」

満潮 「よく此処に着けたわね…吃驚よ。」

山雲 「正直〜、無理かと思いましたぁ〜。」

霞 「此処は良い所よ、安心しなさい。」

山雲 「そうみたいですねぇ〜。」

夕立 「ようこそっぽい!!」

時雨 「無事に着いて良かったね。」

夕雲 「…そうね。」

早霜 「皆優しいから問題なんて無いですよ。」

夕雲 「…少し安心したわ。」

夕立 「夕立と時雨は、結構古参っぽい!!」

時雨 「まぁ、暁や不知火には負けるけどね。」

夕雲 「成程、だから呼ばれたのね。」

夕立 「後、夕立は駆逐艦寮の副寮監っぽい。」

時雨 「で、僕は駆逐艦寮の寮監補佐だよ。」

夕雲 「…そっちで呼ばれたのね。」

早霜 「寮監は暁さんです、もう直ぐ来られるかと。」

夕雲 「そうなのね…」

島風 「…対空駆逐ねぇ……」

秋月 「…何か問題が有るのでしょうか……」

島風 「提督は[対空要員は重要]って言ってたね。」

照月 「…そうですか、安心しました。」

暁 「御免なさい、遅れたわ。」

島風 「あ、おっそーい!!」

暁 「御免なさいね、政一に呼ばれてて。」

島風 「…そっか、じゃあ仕方無いね。」

秋月 「初めまして、秋月です。」

照月 「照月です。」

暁 「私は暁、第六駆逐隊の一人よ。」

秋月 「そうなんですね。」

暁 「今響は寝てて雷は買い物中、電は向こうね。」

照月 「…貴女は強いの?」

暁 「そうね…駆逐艦の中では二番目に強いかしら。」

照月 「えっ…一番は?」

暁 「一番は不知火ね。日本刀で突貫するから。」

秋月 「えっ…突貫!?」

暁 「私はコレ。」つ政一式半自動準対物狙撃銃零一型

照月 「…狙撃銃ですか。」

暁 「頭を撃ち抜けば一撃よ?」ニコッ

秋月 「…恐ろしいのですね……」

暁 「これでも提督より弱いのよ?」フフッ

秋月 「…提督より、弱い……」


ー第四十章 提督と駆逐艦達ー


ー09:18ー

提督 「よう、多少は仲良くなったか?」

秋月 「あ、提督!!」

夕雲 「そうね、多少は仲良くなれたわ。」

提督 「部屋割りだが暁から聞いてくれ。」

暁 「私が決めるの?」

提督 「悪いが俺は干渉しない方向で行く。」

暁 「…分かったわ。」

提督 「…新入り六人で艦隊を組め、出撃だ。」

山雲 「いきなり出撃なのぉ〜?」

提督 「俺と暁、不知火と瑞鳳で先陣を切る。」

山雲 「…分かりました〜。」

提督 「行くぞ。」

ー沖合 11:48ー

暁 「甘い!!」ズガァン!!!!ズガァン!!!!

レ級 「ガッ!?」バシャン!!

不知火 「斬捨御免。」ズバッ

ヲ級 「ヲッ!?」バシャッ!!

瑞鳳 「嘗めるなぁ!!」バシュッ!!バシュッ!!

ボガーン!!ボガーン!!

提督 「……」バチバチバチッ

ヨ級 「…キキッ!!」スイー

提督 「其処だ!!」バシュゥン!!!!

ヨ級 「グゲッ!?」ボガーン!!!!

提督 「詰めが甘いわ!!」ガウゥン!!!!

リ級 「グゴッ!?」バシャン!!

タ級 「…」ジャコッ

提督 「撃つ前に周りを見ろ。」スッ

タ級 「ナッ!?」

提督 「斬捨御免!!」ズバッ!!

タ級 「ガッ…」バシャッ

提督 「…終わったぞ。」

夕雲 「…うん、化け物。」

山雲 「あうぅ…」

時津風 「司令強過ぎです…」

舞風 「…凄い……」

秋月 「…出番が無い……」

照月 「格好良い…」

提督 「さて、帰るか。」

ー工廠 14:28ー

明石 「…本当に化け物ですね。」

提督 「……だろうな。」

明石 「…で、何の御用で?」

提督 「五連装魚雷、宜しく。」

明石 「五連装ですか…」

提督 「六連装は要らないから。」

明石 「…やってみます。」

ー16:29ー

明石 「…六基完成させましたけど……」

提督 「上出来だな、お疲れ様。」

明石 「…有難う御座います。」

提督 「今日はもう上がっていいぞ。」

明石 「…では御言葉に甘えて。」

ー食堂 18:15ー

鳳翔 「…提督……」

龍飛 「今日は仕事で来れないらしい。」

秋月 「あの、掛けうどんを…」

龍飛 「ん?掛けか?」

秋月 「その、お金が無くて…」

龍飛 「此処では金は要らん、自由に頼め。」

秋月 「…では、きつねうどんを……」

龍飛 「あぁ、任せろ。」


ー第四十一章 政一と量産ー


ー一月三日 工廠奥の小部屋 01:48ー

提督 「…これで人数分と予備の量産は終わり……」

中枢棲姫 「…随分と早いのだな。」

提督 「いや、まだ販売分が残ってる。」

中枢棲姫 「何?」

提督 「猟銃として千挺売る事にした。」

中枢棲姫 「弾薬は如何する心算だ?」

提督 「自動生産機を作った。五十発の箱売りにして

供給するから問題は無い。」

中枢棲姫 「…軍用弾を転用した訳では無いんだな。」

提督 「猟銃用の減装弾だな。まぁ熊を仕留めるには

この弾で十分だよ…あんな威力は必要無い。」

中枢棲姫 「…試したのか?」

提督 「十体ほど羆を。」

中枢棲姫 「成程…値段は?」

提督 「所持許可申請手数料込で三十七。」

中枢棲姫 「…弾薬は?」

提督 「まぁ五十発で…千五百円だな。」

中枢棲姫 「一発で三十円か…妥当だな。」

提督 「まぁコレクションが主かなぁ…あと趣味。」

中枢棲姫 「だろうな…売れると良いが。」

提督 「一応広告は全国放送で流してるけど…」

中枢棲姫 「抽選にはならんだろうな…」

ー11:49ー

提督 「…多過ぎるぞ。」ドサッ

中枢棲姫 「打切有りと記載していて良かったな。」

提督 「受付開始から僅か二時間で四千通…」

中枢棲姫 「既に狩猟免許を所持している事が条件

だったのだが…ここまでとはな。」

提督 「…そんなに軍用銃を持ちたいのか……」

中枢棲姫 「…で、この中から千枚か……」

提督 「…そうだ。」

ー演習場 13:29ー

うんりゅう 「……」

しらぬい 「えっと…詰まりこの中から適当に幾つか

抜き取れば良いのですね、御父様。」

あかつき 「…分かった。」

提督 「千枚残れば良いから、宜しく。」

うんりゅう 「……」ぽいぽいぽい

あかつき 「…要らない。」ぽいぽい

しらぬい 「…邪魔です。」ぽいぽいぽい

雲龍 「…選別?」

提督 「いや、乱数抽選。」

雲龍 「考えたのね。」

提督 「子供には意味が分からんからな。」

ー15:28ー

提督 「…其の捨てた山から適当に十八枚頼む。」

うんりゅう 「……はい。」つ五枚

あかつき 「これ。」つ七枚

しらぬい 「…御父様、どうぞ。」つ六枚

提督 「有難う、残ったので遊んで良いぞ。」

うんりゅう 「…やった。」ぐしゃぐしゃ

あかつき 「…折り紙しよ。」

しらぬい 「…遊び方が思い付かない。」

雲龍 「…戻りましょう。」

提督 「おう。」


ー第四十二章 発送ー


ー工廠奥の小部屋16:20ー

雲龍 「…凄い量……」

大鳳 「…これが全部猟銃……」←雲龍に呼ばれた

提督 「…先ずは警察署に書類のデータを送付して、

次に抽選した人の住所と狩猟免許を確認……」

ー18:40ー

提督 「…警察署の許可は取れた、狩猟免許も確認。

後は通達して金取って送ったら終わり。」

雲龍 「…弾薬購入の案内、入れ終わった。」

大鳳 「見直しもしたし問題無いよ。」

提督 「なら問題無いな。何か有れば連絡するように

箱に電話番号も記載してあるから後は送るだけ。」

大鳳 「…格好良いですよね、この銃。」

提督 「五発装填の弾倉しか付けられんがな。」

ー一月四日 08:00ー

提督 「…恐ろしいな。」

雲龍 「もう入金が終わってる…」

提督 「千人全員が当選通達後僅か二時間以内に入金

しているのか…余程この銃が早く欲しいと見た。」

大鳳 「じゃあ送ろう?」

提督 「おう。」

ー17:00ー

提督 「終わったぁ…」

雲龍 「シール貼るの、大変。」

大鳳 「でも、終わると気持ち良いですね。」

提督 「だなぁ…」

ー一月五日 17:48ー

提督 「…千人全員が受け取った様だな。」

雲龍 「そうなの?」

提督 「あぁ、返信が千通…確り確認した。」

雲龍 「…良かったわね。」

提督 「元が軍用銃だからな…申請が直ぐに通って

本当に良かったよ…もう少し掛かると思っていた。」

大鳳 「弾薬の注文が来てます。」

提督 「…早速か、封入分では足らんと……何発だ?」

大鳳 「…五百発。」

提督 「……怪しいな、向かうぞ。」

大鳳 「分かりました。」

ー一月六日 とある男性の家 10:00ー

提督 「…ふむ……」

男性 「…故に、大量に必要なのです。」

提督 「…分かりました、でしたら大本営の射撃場を

半日御貸し致します。鎮守府内で射撃体験会を

開かれるのでしたら弾薬も多少御値引致しますし、

海軍で使う通常弾や徹甲弾も多少値は張りますが

お出しします。如何でしょうか?」

男性 「本当ですか!?有難う御座います!!是非御願い

致します!!あぁ、良かった!!てっきり断られるかと!!」

提督 「善意を踏み躙ったりしませんよ。」

男性 「其れでは一月廿日、御願い致します!!」

提督 「分かりました。」


ー第四十三章 第六駆逐隊と提督ー


ー政一自室 17:48ー

提督 「…何故お前達は此処に集まるんだ……」

響 「私は貴方と親密になりたくてね。」

雷 「だって、私を頼ってくれないじゃない…」

ぷらずま 「あれだけ泣き喚いていた癖に頼れる訳が

無いに決まっているのです、寝言は寝てから言え

なのです。あ、ぷらずまは夫婦だからなのです。」

電 「あの…電は寂しくて……」

暁 「私は久し振りに貴方とお話したくて、ね。」

提督 「…そうかい。」カチャカチャッ

電 「其れは…銃、なのです?」

提督 「あぁ…少し整備をしなくてはならなくてな。」

暁 「あぁ、廿日に射撃体験会が有るって聞いたわ。」

提督 「聞くには猟銃を撃ちたい一般人と軍用銃を

触りたい一般人が居るらしく…」ガシャッ

暁 「なら纏めてやってしまおうって事?」

提督 「私が銃を売り出したのが切掛の様で。」

暁 「へぇ…」

提督 「予備役を使ってしまおうと思ってね…」コトッ

響 「…司令官、一つ聞いても良いかな?」

提督 「ん?」ガチャガチャ

響 「…貸出料金は如何するんだい?」

提督 「手数料込で十五で手を打ったよ。」

響 「…安くないかい?」

提督 「この位にしておかないと弾薬代も入れないと

いけなくなるからね…弾薬代は別請求で行くよ。」

響 「…如何やって請求するんだい?」

提督 「参加者に五発二百五十円でバラ売りする。」

響 「…負担させる訳だね?」

提督 「この程度も出せないなら最初から撃つなって

話だよ…此方は遊びじゃないから。」チャキッ

雷 「…随分整備が早いのね……」

暁 「当然よ、設計から製造まで全部政一が一人で

淡々とやってたんだもの…もう慣れてるわ。」

政一 「独自設計故の利点であり欠点だな。」

雷 「へぇ…」

暁 「実を言うと私もかなり分解が早いの。」

提督 「お前も慣れてきたな。」

響 「…私も欲しいな。」

提督 「お前の分も渡した筈だが…」

響 「……司令官、私の分は届いてないよ…」

提督 「…ならコレを渡そう。」

響 「司令官、有難う。」

暁 「…何だか狭いわね。」

提督 「元から狭い部屋に女の子五人と大人一人が

居るのだから狭いのは当然の事。」

ぷらずま 「…ならば襲えば良いのです。」

電 「はわわっ!?」

提督 「ぷらずま、お前の給料カットするぞ?」

ぷらずま 「其れだけは勘弁なのです…」


ー第四十四章 休暇ー


ー18:44ー

提督 「…あぁ、明日は俺の数少ない休みの日か……」

響 「なら、釣りがしたいな。」

提督 「釣り…釣竿何処に置いたかな……」

暁 「ねぇ、街を歩くのは如何かしら?」

提督 「…良いかもな。」

ぷらずま 「…困ったのです。」

提督 「ん?」

ぷらずま 「…放電が止まらないのです……」バチバチ

提督 「……」

暁 「如何しましょう…」

電 「触れないのです…」

提督 「休暇が潰れたな…」

ー一月七日 工廠 02:44ー

妖精長 「…これは……[壊]現象…」

提督 「…矢張りか。」

工廠妖精 「知っていたんですか!?」

提督 「まぁ、普通の艦娘ではないとは思っていた。」

ぷらずま 「……」

提督 「…駆逐艦電[壊]か……」

ぷらずま 「放電を止めやがれなのです。」

工廠妖精 「…私達には無理だよ。」

提督 「…大人しくしろ。」ポンッ

ぷらずま 「あ?」

バチチチチチチチッ

ぷらずま 「いぎゃあああ!?」

提督 「…本当に面倒だな。」

ぷらずま 「…頭が焼けるかと思ったのです……」

提督 「…深海棲艦との繋がりは?」

妖精長 「…いや、能力が跳ね上がっただけだな。」

提督 「…そうか。」

ぷらずま 「…で、如何するのです?」

提督 「……何もしねぇよ。」

ぷらずま 「…放電が止まってるのです。」

提督 「制御出来れば強くなる、其れだけだ。」

ぷらずま 「……」

提督 「お前がどんな化け物でも、俺は愛するよ。」

ぷらずま 「…有難う、政一。」

提督 「…さて、今日はもう寝ようか。」

ぷらずま 「…うん。」

ー政一自室 10:44ー

提督 「…休みだからと寝過ぎたか……」

利根 「……」

提督 「…何故君が此処に居る……」

利根 「少し聞きたい事が有っての…」

提督 「…何だ?」

利根 「吾輩達の出撃が少ないのは何故じゃ?」

提督 「追放理由を殆ど知らないから。」

利根 「…其れで接触も控えておったのか。」

提督 「そう…」

利根 「…吾輩達は何もしておらん、提督側が何故か

吾輩達を勝手に捨てただけなのじゃ。」

提督 「…そうかい。」

利根 「じゃから、これからはうんと頼るが良いぞ。」

提督 「そうする…」ガサゴソ

利根 「…如何したのじゃ?」

提督 「もう少し寝る、疲れが抜けない…」

利根 「寝過ぎじゃろ御主…」


ー第四十五章 新入り談話ー


ー談話室 15:48ー

秋月 「…此処は良い所ですね。」

照月 「…そうかな?」

夕雲 「そうよ…提督が変梃だけど。」

山雲 「山雲、そうは思いませんけどぉ…」

時津風 「司令は優しいです!!」

舞風 「そういえば司令さん、今日はお休みだとか。」

夕雲 「…あの化け物がお休み?」

秋月 「提督がお休みされているのですか…」

照月 「…何か有ったの?暁さん。」

暁 「…いえ、何も。」

夕雲 「居たの!?」

暁 「えぇ、最初からね。」

秋月 「其れで、お休みの理由は?」

暁 「政一の数少ない休日よ、邪魔しないでね。」

夕雲 「…え?休日?」

暁 「政一が化け物とか言ってるけど、今は人間…

休みは必要なのよ、分かるでしょ?」

夕雲 「…人間?」

提督 「……あぁ…まだ眠い…」コツコツ

卯月 「…取り敢えず手洗い行って来る。」

提督 「おう…」

舞風 「司令さんだ。」

暁 「…少し仕事をして来るわ。」タッ

秋月 「あっはい…」

加賀 「…ふぅ……」ポスッ

照月 「あっ…加賀さん。」

加賀 「照月ね、話は聞いているわ。」

照月 「あの、提督さんは何故お休みを?」

加賀 「…あの人はストレスを溜め込みがちなの。

休日に発散しないと大変な事になるわ。」

照月 「…成程。」

加賀 「…疲れたわね……」

秋月 「加賀さんは何をしてたんですか?」

加賀 「執務代行よ…」

山雲 「そんなに大変なんですかぁ?」

加賀 「通常の秘書艦が熟す量の十倍は有るわ…」

舞風 「うわぁ…疲れて踊る事も出来ないですね…」

加賀 「…正直政一は人間離れしてるわ……」

弥生 「…引き継ぎ終わりました。」

加賀 「そう、なら上がって良いわ。」

弥生 「…お疲れ様です。」

時津風 「…司令大丈夫かな?」

加賀 「そう簡単に死ぬ人じゃないわ。」

長門 「…むぅ……」

加賀 「あら、如何したの?」

長門 「この頃戦況が悪化してな。」

加賀 「…巡回を強化するしか無いわね。」

長門 「…そうだな。」

加賀 「この後政一に報告を御願いするわ。」

長門 「あぁ、分かった。」

時津風 「長門さん!!」

夕雲 「ちょっと、時津風!?」

長門 「ん?」

時津風 「司令はどんな人ですか?」

長門 「…迚優しい人だ、私は感謝しているよ。」

時津風 「そうなんですね!!」

夕雲 「…ロリコンじゃない……」

長門 「失礼な、私はロリコンでは無いぞ。」


ー第四十六章 古参駆逐の会話ー


ー19:27ー

暁 「…終わったわね。」

早霜 「えぇ。」

不知火 「お疲れ様です。」

暁 「政一はもう少し相談を増やして欲しいわ…」

弥生 「…確かに。」

卯月 「私もそう思う…と言うか、政一が壊れそう。」

暁 「そう、其処なのよ…」

不知火 「如何にかなるのでしょうか…」

早霜 「…私の時の様に、ゆっくりと対応するしか

無いのではないかと思うのですが……」

暁 「…困ったわ。」

早霜 「…兎に角、一度突撃するのも有りでは?」

卯月 「あー…有りかも。」

弥生 「…この頃、ずっと放置だった。」

暁 「…突撃決行よ、八時半に襲いに行くわ。」

大鳳 「…なんか怖い。」

雲龍 「触れぬが吉、大人しくしてて…」

ー政一自室 20:30ー

提督 「……」zzz

暁 「…寝てるわ。」

卯月 「えぇ…昼間あんなに寝てたのに……」

不知火 「本格的に回復しようという事ですね。」

弥生 「…如何しようもない。」

早霜 「…お休みなさい。」もぞもぞ

暁 「あ、狡いわよ!!私も!!」もぞもぞ

弥生 「何やってるんですか…」ゴゴゴゴ

卯月 「…弥生、間違い無く怒ってるよね?」

弥生 「えぇ、今回ばかりは怒っていますよ…」

暁 「何でよ!!」

弥生 「そんな事をして政一が起きたら如何す…」

早霜 「…如何、何ですか?」

不知火 「御二方…政一が……」

暁 「え?」チラッ

早霜 「は?」チラッ

提督 「…煩いな……今何時だと思ってる……」ギロッ

弥生 「…御免なさい。」

暁 「あ、謝るわ!!」

早霜 「申し訳有りません。」

提督 「寝かせろ、一人で。」バサッ

暁 「…やったわ……」

早霜 「…如何しましょうか……」

不知火 「皆さん、政一の部屋には隠し部屋が此処に

有ります…今日は此方で寝ましょう。」

早霜 「そんな所が有ったんですか?」

不知火 「政一が改造していました、どうぞ。」

暁 「…綺麗ね。」

早霜 「徹甲弾が置いてありますね。」

弥生 「…私は此処。」

卯月 「私此処で寝る。」

暁 「如何しようかしら…」

不知火 「私は仕事が有りますのでどうぞ。」

早霜 「お休みなさい…」

暁 「…先に寝るわ、お休みなさい。」

不知火 「えぇ、お休みなさい。」

不知火 「…書類を纏めないと。」


ー第四十七章 機械人間襲撃事件ー


ー???ー

?? 「…そろそろ頃合ですかね……」

?? 「…御兄様、覚悟して下さいね。」

ー一月八日 政一自室 08:48ー

暁 「大変よ!!」バァン!!

提督 「何事だ!?」ガバッ

暁 「機械人間が襲撃に来たわ!!」

提督 「人数は?」ジャキッ

暁 「確認済は一体、でも其奴が相当強いの!!」

提督 「武装使用を許可する、案内しろ。」

ー大広間 08:58ー

暁 「此処よ!!」

提督 「…何をしている!!此処は海軍施設だぞ!!」

機械人間 「……アハ。」ニヤッ

提督 「…奴は端から俺が狙いか。」

卯月 「させない!!」

機械人間 「ジャマ。」ドガッ

卯月 「ぎゃんっ!?」ドサッ

提督 「……」

機械人間 「サァ、ケイカクシドウ…」

提督 [ウラァ!!]バゴン!!

機械人間 「グァッ!?」ドガッ

提督 [……]ギロッ

機械人間 「オカシイ…ニンゲンノチカラジャナイ。」

不知火 「政一が激怒状態です、皆さん退避を!!」

卯月 「…くっ……」よろっ

暁 「大丈夫?直ぐに医務室に運ぶわ!!」

卯月 「…情けないね……」

機械人間 「…キサマハイッタイ……」

提督 [俺の質問に嘘偽り無く答えろ、でなくば腹に

対物弾が食い込む事になるからな…分かったか?]

機械人間 「ア、アァ…」

提督 […他に誰か居るか?]

機械人間 「イヤ、ワタシダケダガ…」

提督 [誰がお前を動かしてるんだ?]

機械人間 「…イルエルサマダ。」

提督 […彼奴、遂に機械人間に手を出したか……]

機械人間 「…アンナイスル、イノチダケハ……」

提督 「…奴の所に案内しろ。」

ー14:28 川沿いの廃墟ー

機械人間 「…ココガソウダ。」

提督 「…御苦労。」ジャキッ

機械人間 「ナッ…」

提督 「俺は確かに「嘘を吐けば撃つ」とは言ったが…

[正直に言えば撃たない]とは言っていない。」

ガウゥン!!!!ガウゥン!!!!ガウゥン!!!!

提督 「…さて、奴に灸を据えねばな……」

提督 [ノックしてもしもーし!!!!]バコォン!!

?? 「…待っていましたよ……」

??→イルエル 「政一御兄様。」

提督 「貴様、天使の魔改造では飽き足らず…地獄と

天界を勝手に繋げ……剰機械人間を生み出すとは

不届き千万…流石の私もこの所業は見過ごせぬな。」

イルエル 「……」


ー第四十八章 堕天使対元堕神ー


イルエル 「…御兄様に私の美徳は理解出来ない。」

提督 「美徳?貴様が行っているのは生の蹂躙だ。 嘗て死を司った私には到底許し難い所業だ。」

イルエル 「よく言うわね!!御兄様は呆気無く天界を

追い出された癖に!!私はちゃんと天界に居たわ!!」

提督 「そんな貴様も現に堕天使となっている事実…

気付いておらん訳ではあるまいて…」

イルエル 「私の研究は世界を変えるのよ!!」

提督 「貴様が変えずとも私が変える。」

イルエル 「…この……」ジャキッ

イルエル 「分からず屋め!!!!」ダッ

ガキィン!!

イルエル 「…嘘よ……」

提督 「貴様は馬鹿か?死しては戻り、幾度も戦い、

其の度に生還した私に対して付け焼刃の戦闘法で

敵う訳が無かろう…私の戦闘力を侮る事勿れ。」

イルエル 「この…うあああぁぁ!!!!」ダッ

ギィン!!ガンガン!!ギィン!!ゴン!!ガィン!!!!

…ドスッ

イルエル 「ナイフが…私のナイフが……」

提督 「…この程度であれば紛争地帯の子達の方が

数枚は上手だな……ナイフを扱うには動きが甘い。」

イルエル 「…そんな……私の、負け…なの……」

提督 「二つ選択肢をやろう、何方か一つを選べ。」

イルエル 「え?」

提督 「この研究所を爆破処分して私の元に来るか、

或いは此処で研究結果と共に斃るか…選べ。」

イルエル 「御兄様…」

提督 「慈悲はとうに無い、今直ぐに選べ。」

イルエル 「…研究所を、爆破します……」

提督 「…貴様も命は惜しいのか。」

ー14:39ー

提督 「……」ポチッ

ドガーーン!!!!

イルエル 「あぁ…私の十八年……」

提督 「下らん物に十八年も費やしたか…阿呆が。」

イルエル 「…御兄様……」

提督 「さっさと来い、来ないと置いて行くぞ。」

イルエル 「ま、待って下さい!!」

ー医務室 16:44ー

提督 「卯月、調子は?」

卯月 「……」

医務妖精 「どうも受身を取れたみたいで、怪我は

無いみたいだね…でも、精神的にちょっとね……」

提督 「……済まない…」なでなで

卯月 「…もっと……」すりすり

医務妖精 「これは…ごゆっくり。」パタン

ー談話室 17:28ー

段田 「…御灸、据えられちゃいましたね。」

イルエル 「御兄様に嫌われた…」ズーン

ヤハウェ 「相も変わらず本当に貴女は不器用ね。」

不知火 「…兎に角今は大人しくしてて下さい。」


ー第四十九章 ハードラックとダンスっちまったー


ー一月九日 外洋 10:22ー

提督 「…困ったな……」大破

護衛棲姫 「…アマイ。」

深海梅棲姫 「ソウウマクイカナイノガヨノツネヨ。」

船渠棲姫 「…ウットウシイ。」

提督 「…この調子だと死ぬまで三十分も無いか。」

戦艦水鬼 「サンジュウフントイワズニイマシネ!!」

ドガーーン!!!!

戦艦水鬼 「ナッ…ドコカラ!?」中破

戦艦棲姫 「恩返しよ!!あんなデカいの唯の的だわ!!」

空母棲姫 「全機発艦、対象敵四隻!!」バウゥゥン!!

戦艦水鬼 「ナンデテキニナッテンノヨアンタラ!?」

北方棲妹 「手前に言う必要なんかねぇ、死ね!!」

ドゴゴーン!!!!

船渠棲姫 「ウボァ!?」ドガーン!!

提督 「…済まない。」

レ級 「イイッテ、アンタニハカリガアルカラナ。」

提督 「…先に撤退する、後は頼む。」

レ級 「ハヤクニュウキョシテキナ。」

提督 「あぁ…まさか不運と踊る羽目になるとは……」

レ級 「ハードラックトダンスッチマッタノカ。」

提督 「分かってるじゃないか。」

レ級 「マァナ。」

ー10:38ー

駆逐棲姫 「…沈め!!」ドドン!!

護衛棲姫 「アダァ!?」中破

駆逐古鬼 「えい!!」ドドン!!

護衛棲姫 「ヤメテェ!?」大破

ほっぽ 「……」カチャ

船渠棲姫 「……クッ…」カチャ

ほっぽ 「チェックメイト。」カチャ

船渠棲姫 「ヴェアアアアア!!」

ほっぽ 「勝ったから大本営に来て貰うよ。」

船渠棲姫 「…アイ……」

深海梅棲姫 「……」大破

北方棲妹 「…次は味方として会おう。」ドドン!!

深海梅棲姫 「…ァ……」轟沈

北方棲妹 「…船渠は投降、護衛は大破か……」

戦艦水鬼 「…イヤイヤ、キイテナイキイテナイ。

コイツラガコンナニツヨイトカキイテナイ。」

川内 「提督弱くなったなーよっと!!」バシュウ!!

ボガーン!!

戦艦水鬼 「イテテ…」大破

大井 「…政一を傷付けて……許さないわ。」

北上 「そだね…よいしょっと!!」バシュッ!!

ドガーン!!

戦艦水鬼 「グァッ…マケタ……コノワタシガ…」轟沈

護衛棲姫 「…モウニマイオチテルノ!?」

大井 「船渠棲姫は投降したから三枚落ちね。」

護衛棲姫 「…カテナイ。」

大井 「沈め三下!!」バシュッ!!

護衛棲姫 「グワァッ!?」ボガーン!!

大井 「…轟沈確認、帰るわよ。」

ほっぽ 「はーい。」


ー第五十章 大破帰還ー


ー12:28 執務室ー

提督 「…大和型の二人が大破か……」←入渠上がり

暁 「撤退指示は出してあるからもう直ぐ…」

コンコンコン

提督 「…どうぞ。」

チャッ

大和 「…申し訳有りません提督……」大破

武蔵 「…油断していた、責任は我々に有る。」大破

提督 「…他四名は?」

大和 「長門と伊勢が大破、陸奥中破、日向が小破…

四人は入渠中ですが我々は報告の為先に此処へ…」

提督 「…そうか。」

武蔵 「罰も懲戒も全て受ける、我々の慢心だ。」

提督 「…何か勘違いをしていないか?」ガタッ

武蔵 「えっ…」

提督 「仮に死者が出たのであればまだ分かるが、

六人で生還したのに態々罰を与える必要は無い。」

大和 「然し…」

提督 「私は以前にも言った気がするが…」ガシッ

提督 「君達は六人で帰還した、其れで上等だ。」

武蔵 「…提督……」

提督 「自分を責めるな、誇りに持て。」

[お前達は大切な私の大和型なのだから。]

提督 「分かったら返事をくれ。」

大和 「…はい!!」

武蔵 「…あぁ!!」

提督 「よし、ならバケツ使って来い。」

大和 「了解、失礼します!! 」チャッ

武蔵 「提督、感謝するぞ!!」パタン

提督 「…ふぅ……」

暁 「…貴方は本当に慰めるのが得意ね。」

提督 「自らを無理に責める必要は無い。」

暁 「…なら貴方も気を付けなさい。」

提督 「……善処はする。」

ー15:48ー

ほっぽ 「…政一、御免なさい。」大破

北方棲妹 「…悪い、油断した。」大破

提督 「…他四名は中破か。」

ほっぽ 「……」

提督 「…六人でちゃんと帰って来たな、偉いぞ。」

北方棲妹 「…罰は無いのか?」

提督 「死人が居ないのに罰を与えろと?」

ほっぽ 「……」

北方棲妹 「…いや、忘れてくれ。」

提督 「バケツを使って来い。」

ほっぽ 「…うん……」

北方棲妹 「…失礼。」パタン

提督 「…少し戦力強化が必要か……」

照月 「…あの……」チャッ

提督 「ん?」

照月 「…訓練結果、持って来ました……」

提督 「有難う…うーん……これは…」

照月 「…何か?」

提督 「いや、この調子だと陥落も近いかなって。」

照月 「陥落!?」

提督 「…一月末まで持つかも怪しいな。」


ー第五十一章 裏切り勧告ー


ー一月十五日 執務室 08:48ー

提督 「……」

船渠棲姫 「…状況は悪化するばかりよ。」

提督 「…周辺鎮守府の状況を調べたんだ。」

船渠棲姫 「出撃してないんでしょ?」

提督 「…知っていたのか。」

船渠棲姫 「……ねぇ、いっその事寝返らない?」

提督 「…最低限は戦う……逃げる時は逃げるさ。」

船渠棲姫 「…そう……」

提督 「だが、もう直ぐ限界が来るな…」

戦艦棲姫 「…おい。」

提督 「ん?」

戦艦棲姫 「高速修復材がもう無いぞ。」

提督 「…仕方無い、哨戒に留めるか。」

戦艦棲姫 「…其の方が良かろう。」

提督 「…手厳しい戦況だな。」

ー一月十八日 執務室 08:44ー

提督 「…資材も粗尽きたか……」

暁 「…政一……」

提督 「…こうなっては仕方が無い、逃げるぞ。」

暁 「大本営から逃げるの!?」

提督 「元帥として失格だな…戦況が読めぬとは。」

暁 「政一…」

照月 「大変です、深海棲艦が襲撃に!!」

提督 「…私が出る。」

暁 「政一!?」

提督 「死するなら今以外無い。」

ー廊下 09:00ー

中枢棲姫(深) 「…アナタネ、ウワサノヒトハ。」

提督 「…貴女がこの世界の中枢棲姫……」

中枢棲姫(深) 「…オネガイダカラカタナヲオロシテ。

アナタニキガイヲクワエニキタワケジャナイワ。」

提督 「…貴女と話がしたい。二人だけで。」

中枢棲姫(深) 「ソウ…ワタシモハナシガアルノ。」

提督 「ならば好都合…行きましょう。」

ー応接室 10:22ー

中枢棲姫(深) 「…ツマリカンムスヲホゴシロト?」

提督 「私の命を犠牲にしても構わん、頼む。」

中枢棲姫(深) 「ナラワタシタチノシキモタノムワ。」

提督 「…裏切り勧告か。」

中枢棲姫(深) 「コノカイグンハモウクサッテルワ。

アナタガイルベキバショデハナイワ。」

提督 「……そうか…」

中枢棲姫(深) 「…ワタシタチトクラシマショウ?」

提督 「…分かった、共に生き抜こう。」スッ

中枢棲姫(深) 「エェ、オワルトキマデ。」ギュッ

提督 「…さて、引越し準備だな。」

中枢棲姫(深) 「コチラデカグハソロエテアルゾ。」

提督 「其れは有難いな…」

中枢棲姫(深) 「ジジョウセツメイモシテオクワ。」

提督 「何から何まで迷惑を掛けるな。」

中枢棲姫(深) 「カマワナイワ、アナタノタメナラ。」

ー続くー


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2022-05-02 11:34:48

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