響、抜錨!
概要
通り魔に刺された死んだ青年は駆逐艦響になっていた
前書き
初投稿。色んなSSに影響されて描きたくなっちまった
艦隊これくしょん、通称艦これ。2013年にサービスが開始してから大人気のシュミレーションゲームだ。高校生の俺「纏健二」はシュミレーションゲームが大好きだったのでこのゲームはどハマりした。
資材が尽きて困ったり、近代化改修に失敗して萎えたり、イベント海域を攻略したりしてとても楽しかった。
そんな日々を過ごして数年…
2022年3月26日
健二の自宅
健二「よし、みんな今日もお疲れ。」
艦これを始めてもう数年。俺はまだ艦これを遊んでいた。新たなイベント海域を攻略したり新しく登場した艦娘達を集めるのが日課になっていた。
健二「あ、艦これのアニメ二期やるのかー。楽しみだな。」
健二「……あ、腹減ったな……」
現在昼12時。朝飯すら食ってないからいつもより腹が減ってきた。
健二「はあ……行きますか。」
めんどくさがり屋な性格で面倒事を嫌う健二はコンビニへと足を運んだ。
コンビニ店員「ありがとうございましたー。」
カップ麺を買い終えてウッキウキで帰ろうとした健二はダッシュで自宅へ帰ろうとしたその時……
健二「うっ…」
急激に腹に激痛が走る。血が止まらない。
警察「お前!止まりなさい!」
通り魔「うわっ!放せ!」
あの光景を見る限り、俺は通り魔に刺されたらしい。
もう目が見えない、体が冷たい、多分もうすぐ死ぬ……
警察A「大丈夫ですか!?今すぐ救急車を!」
警察B「……分かった!」
警察A「クソッ助かってくれよ!」
健二(警察さん、俺もう助からない。もうほっといてくれ。)
健二は自分が助からない事を分かっていた。
健二(せめて今日建造した艦娘だけは見たかったな…)
健二は艦これの事を考えながら目を閉じた……
???「………き」
なんだ?誰かが俺を呼んでる?
???「……び………き?」
また呼ばれた一体誰だろう?
???「ひ…び……き!」
何回呼ぶんだ……仕方ない起きよう。
重い瞼を開き俺は目を開けた。
健二「んー?何処だ?ここ。」
目を開けると天国ではなく木製のドアに白いカーテン、そしてベッドが大量に置いてあった。
健二「天国にしては……ちょっと古臭い…かな?」
当たりを見回しているとそこには鏡があった。
健二(鏡があるな。ちょっと刺された場所を確認するか。)
俺はベッドから出て鏡に向かって歩こうとした時。異変を感じた
健二(俺の体、こんなに小さかったか?声をなんだか高いし。)
健二「その確認は後でいっか。それより確認だ確認。」
健二はトテトテ走りながら鏡を確認した。驚愕した。鏡に写った自分の姿は予想より違ったからだ。
健二「おいおいマジかよ……」
そこには写っていたのは白く腰まで伸びた長い髪、ブルーグレイ色の美しい瞳、そして黒ニーソ。
響「これって……響か?」
彼は暁型駆逐艦の二番艦・響の姿になっていた。
響「おいおいおいおい、どう言う事だ?俺は通り魔に刺されてそのまま死んで天国にレッツゴーした筈だ。」
焦る元健二の響。ひたすら思考を巡らせて考えた。
響「もしかして夢?そうか夢かもしれない!そうと決まれば誰かにほっぺをつねって貰おう!」
響は布団に置いてあった帽子を被り、ドアを蹴飛ばして飛び出した。
その数分後……
雷「響大丈夫かしら…」
電「心配なのです…」
暁「絶対目を覚すわ!だって私の妹なんだから!」
暁型駆逐艦の暁、雷、電は寝たきりの響の為に果物を持っていこうとしていた。
雷「でもこのまま目を覚まさなかったら……」
電「お姉ちゃん縁起の悪い事言っちゃ駄目なのです。」
二人が話し合っている間に暁が早めに部屋に入った。
暁「響ー、果物取ってきたわよ……って、ええ!?」
暁の叫び声に二人は話し合いを止める。
雷「暁の声よ!どうしたのかしら?」
電「なんだか嫌な予感がするのです。」
二人は急いで医務室へと走っていった。
雷「どうしたの暁!?」
暁「響が……居ない!」
電「ええ!?」
響「何処だ?」
響は執務室を探す為に走っていた。自分が響になっているならまずは提督に会いに行こうという判断だ。しかし鎮守府なんて入った事ないから適当に散策している。
響「この上にあったりして」
一階は割と探索したが執務室らしき部屋は無く、食堂や部屋ばかりだった。
響「男は気合い、行きますか。」
響は階段を登り提督に会いに行った。
しばらく歩いてやっと執務室を見つけた。
響「なんて言って入れば良いんだろう……」
まずい、失敗した。なんて言って入れば良いんだろう……
響「仕方ない、普通に入るか。」
コンコンコンッ
響「す、すみませーん……」
???「入れ」
響「は、はい。失礼しまーす……」
響は内心ビビりながら執務室に足を運んだ。
響「あ、暁型駆逐艦の二番艦、響です。よ、よろしくお願いします……」
???「緊張するな、別に何もしない。」
???「提督、そんな口調だからでは無いのか?」
提督「すまない、自己紹介が遅れたな。私は速水新一だ。」
長門「私が戦艦長門だ、よろしく頼む。」
提督「確かお前は……この前配属された響だったな。」
響「は、はい……」
長門「配属直前に階段にて転倒、一週間目を覚まさなかったらしいな。」
響(そんな事があったんだ。)モジモジ
提督「何だ?何か言いたい事があったのか?」
響「えっと……何も、覚えてなくて……」
長門「何も覚えていない?」
響「目が覚めたら急にここに居て……」
長門「提督、これは……」
提督「なるほど、記憶喪失なのか……」
提督はしばらく悩んだ後、響に言い付けた。
提督「響、君にはしばらく第四水雷戦隊に所属してもらう。」
響「第四水雷戦隊への所属…ですか。」
提督「そうだ。新しく出来た艦隊でな、まだ人が少ないんだ。新人のお前にはそこに入って欲しい。」
響「わ、分かりました。」
提督「第四水雷戦隊の部屋は一階の医務室の近くにある、支度をして急いで行け。荷物は医務室に置いておいた。」
響「了解、分かりました。」
そう言って響は医務室へと走り出した。
長門「提督……本当に良かったのか?」
提督「彼女は……この戦いの鍵になる存在だ。」
静まり返った執務室。長門と提督は響について話していた。
長門「あの駆逐艦がか?」
提督「彼女は特殊だからね、艤装は普通だけど。」
長門「あの駆逐艦の艤装……彼女が意識不明の状態に大本営が勝手に改修したと明石から聞いたが?」
提督「あれ?バレちゃった?」
提督「ま、勝手に改修しちゃった事は謝るとして。」
提督「長門……彼女が選ばれたのは偶然だと思うか?」
長門「……ああ、あの駆逐艦が最適だと感じたからか?」
提督「違うよ長門。響が選ばれたのはね……」
提督「運命って……奴かな。」
響「ここが第四水雷戦隊の部屋か」
響は荷物に入っていた地図を頼りに第四水雷戦隊の部屋を見つけた。
響「すみませーん、新しく配属された響ですけどー。」
??「早く入れ。」
響は恐る恐る入っていった。
響「失礼しまーす……」
響が部屋に入るとそこには二人の少女達が居た。
??「紹介が遅れた。俺は球磨型軽巡洋艦の一番艦球磨だ。よろしく頼む。」
響「球磨の口調違くね?」
球磨「わりぃ……実はだな……」
??「待ちなよ球磨。ちょっと困ってるじゃん。」
??「自己紹介がおくれたね正規空母の瑞鶴。よろしく♪」
響「な、なんかお前ら本当に艦娘か?」
響はつい思った事を言ってしまった。流石にゲームと性格が違うのはおかし過ぎると思ったからだ。
球磨「どうすんだ瑞鶴」ボソボソ
瑞鶴「もしかして彼女も同じかもしれないぜ?」ボソボソ
響「?」
球磨と瑞鶴が何が喋っているかは響には聞こえなかった。
球磨「おい、確か響だったな?お前に質問したい事がある。」
響「な、なんですか?」
瑞鶴「敬語じゃなくてタメ口で良いよ。」
球磨「響、お前には前世の記憶とかあるか?」
響「!?な、なんでそれを!」
なぜその事を知っているか、その事を問い詰めると……
球磨「勘だ!」
呆れた。なんかもっとあったと思ったのに…
瑞鶴「でもこれで確信した。仲間が増えたからね。」
響「仲間?もしかしてお前らも?」
球磨「ああ、俺ら二人も前世の記憶を持っているらしい。」
瑞鶴「そうらしいな、お前も記憶あるらしいね。」
響「ああ、そうだ。」
球磨「俺は前世は極道だった。」
瑞鶴「俺、テロリストだったなー。」
響「え、お前らすげーな。」
球磨「お前には無いのか?」
響「……傭兵だった、あまり言いたく無いがな。」
瑞鶴「君も大概だね。」
響「それでこの艦隊は何をするんだ?」
球磨「まあなんだ、新開発された武装や装備を試す為の艦隊らしいな。」
瑞鶴「それ以外は普通の水雷戦隊と同じらしいけどねー。」
球磨「今、新しい装備が届いたそうだ。お前も見ろ。」
俺は球磨に連れられた。そこには机に置かれてある武器があった。
そこに置かれていたのは
ショットガン、拳銃、ライトマシンガン、サブマシンガンが置いてあった。
響「うわー、いっぱいあるなこれはお前が?」
球磨「いや、これは明石って奴が作ったらしい。」
響「じゃあ俺はショットガンとサブマシンガンにするか。」
瑞鶴「なんでそれを?」
響「傭兵時代に使いまくったから」
瑞鶴は少しキョトンとした顔で響を見た。
球磨「それにしても暇だな。なんか出撃とか無いかな…」
ピーンポーン
『第四水雷戦隊、今すぐ執務室に来い。』
響「提督からだ。なんかあるのか?」
瑞鶴「待ってました!」
ウキウキで執務室に走っていった。
球磨「おい!待てよ!」
響「俺も置いてくな!」
三人は執務室へと走り出した。
長門「提督よ、第四水雷戦隊が来たぞ。」
提督「もう来たのか、早いな。」
二人が話す間にドアが強引に開けられた。
響「第四水雷戦隊、到着しました。」
球磨「なんかあったのか?」
提督「第四水雷戦隊への出撃命令が出た。鎮守府付近のパトロールをしてほしい。」
球磨「出撃命令か。キタァ!」
球磨は出撃命令が出て、少しはしゃいだ。
提督「艦隊編成は夕立、睦月、吹雪、瑞鶴、球磨、響で行く。」
球磨「どういう編成だ?」
提督「お前達以外の三人は練度が高い。配属したばかりのお前達を守ってもらう感じだ。」
球磨「練度上げね。了解した。」
瑞鶴「腕が鳴るなぁ。」
響「よし、気合い、入れて、行くぜ!」
吹雪「特型駆逐艦の吹雪です!」
夕立「夕立、頑張るっぽい!」
睦月「みんな、出撃準備はいいかにゃ~ん♪」
球磨「球磨、出撃する!」
瑞鶴「どんな奴が居るかな、楽しみだぜ。」
響「はあ……」
初めての出撃、陸上ではなく海での戦闘。もしかしたら死ぬ可能性もある……
響は緊張で足が震えた。
吹雪「響ちゃん、大丈夫?」
夕立「初めての出撃だから緊張するのも仕方ないっぽい。」
球磨「響、落ち着け。戦場では焦った奴から死ぬもんだ。」
吹雪「司令官。艦隊、抜錨可能です。」
吹雪が合図をすると提督はすぐに反応した。
提督『よし、艦隊!抜錨!』
提督の合図により艦娘達は水面へと駆け出した。
球磨「球磨、出るぞ!」
吹雪「吹雪、行きます!」
夕立「夕立、行くっぽい!」
睦月「睦月、行くにゃしぃ!」
瑞鶴「瑞鶴、発進!」
響「ふう……」
響は落ち着く為に深く深呼吸をして発進した。
響「響、抜錨!」
抜錨の声により響の背中から艤装が出現し、響は海へと駆け出した。
響「当たれ!」
響はショットガンの引き金を引きイ級に攻撃した。
イ級「イーッ!」
イ級は声を上げながら海の底へと沈んでいった。
吹雪「響ちゃん!大丈夫!?」
響「な、なんとか!」
吹雪「初めてにしてはかなり良い調子だよ!」
響「もうすぐで片付きそうだな。」
二人が戦況について話しているその時。
夕立「吹雪ちゃん!危ない!」
吹雪「えっ!?」
吹雪の顔目掛けてイ級が突撃していたのだ。当たれば中破は免れないかもしれない。
響「クソッ!」
ショットガンを撃とうしたがジャムで撃たなかった。このままでは吹雪が危ない。
ズドンッ!
吹雪「え?」
しかし、イ級はいつの間にか脳天を貫かれていた。
球磨「まさか……瑞鶴か?」
球磨は光学センサを起動し、瑞鶴を捜索した。
すると200m先の岩陰にスナイパーライフルを持った瑞鶴を発見した。
球磨「あの馬鹿……」
夕立「吹雪ちゃん!大丈夫!?」
睦月「怪我とかしてない!?」
吹雪「うん、全然平気。」
球磨「よし、敵艦隊は消えたな。帰投するぞ。」
球磨の合図で全員が鎮守府に戻ろうとした時。
夕立「きゃあ!」
睦月「にゃっ!」
吹雪「夕立ちゃん!?睦月ちゃん!?」
二人はいきなり大破してしまった。砲撃を受けた訳でもなく突然。いきなりだ。
響「まだ、何かか居るのか!」
響と球磨は銃を構え警戒態勢に入った。
響「響から提督へ、響から提督へ。」
提督『どうした響。パトロールは終わったのか?』
響「ああ、でも睦月と夕立がいきなりダメージを受けた。」
提督『何?……まさか。』
響「心当たりが!?」
提督『た……ラ…ム…ダ…ド…ライ……バ……』
響「提督!?おい!聞こえないぞ!?」
ジャミングを受けた。これでは連絡出来ない。
瑞鶴「お前ら、新たな高脅威目標接近!」
吹雪「……夕立ちゃん、睦月ちゃん、ここは撤退した。」
睦月「で、でも!」
夕立「仕方ないわ……大破した私達に出来ることは無いっぽい……」
睦月「吹雪ちゃん、無理しないでね。」
そう言った二人は撤退していった。
響「あのタイプの深海棲艦……見た事ない……」
???「フッ……」
瑞鶴「喋った?」
謎の深海棲艦はこちらに向かって走ってきた。
球磨「来るぞ、警戒態勢!」
四人は武器を構えて射撃した。
しかし……
???「……」
全員「「「「!?」」」」
なんと撃ったはずの砲撃は全て"無くなって"いた。
吹雪「嘘っ!?」
響「なんて奴だ……!」
球磨「く、お前の目的はなんだ!?」
???「フッ、聞イテクルノガ遅イナ。」
謎の深海棲艦はこちらに向かって喋ってきた。
???「ナンカ分カンネェケド、テメェラニハ死ンデ貰ウゼ。」
そして奴はこちらに向けて手を伸ばした。
吹雪「きゃああ!」
吹雪が大破した。またあの攻撃。奴のせいだったのか。
吹雪「ご、ごめんみんな…」
瑞鶴「とにかくお前も逃げな。死にたくなかったらな。」
吹雪「う、うん。ごめんね。」
吹雪は三人に謝罪し、撤退した。
響「名前を聞いてなかったな。お前は誰だっ!」
???「教エテヤロウカ?ナラ教エテヤル。」
???「俺ハ新造サレタ対艦娘特化型ノコ級ダ覚エテオキナ。」
奴はコ級と名乗った。白くて長いポニーテール、両腕、両足にはスッとした装甲部品が使われている。そして奴は顔を隠して素顔が見えなかった。
コ級「ココニ俺ト同ジ匂イノ艦娘ガ居ルナァ?居ルヨナァ!」ユビサシ
そしてコ級は響に指を刺した。
響「お、俺?」
コ級「オ前ダヨ、オ前。俺ト同ジ匂イガスルゼ。」
響(奴が俺に執着しているのなら撤退しても轟沈させられるのが目に見える)
響「ここは俺がなんとかする。お前達は先に!」
球磨「おい!お前一人でなんとかできる相手じゃない!」
響「ここでみんな死ぬよりはマシだ。早く行け!」
球磨「……分かった、でも一つだけ約束して欲しい。」
瑞鶴「……死ぬなよ!」
球磨「生きて帰ってこい!」
瑞鶴と球磨は響を見送り、撤退した。
響「……」
コ級「別レハスンダカ?」
響「いや、お前を倒して俺は帰還する!」
コ級「フン、減ラズ口ダゼ。」
響「さあ……来い!」
コ級「サア来イヨ!」
響は無口のままショットガンを敵に向ける。
響「お前、なんか俺に隠して無いか?」
コ級「鋭イナ、ナンデソウ思ッタ?」
響「砲撃が喰らわないのはおかしいからな。バリアか何か張ってるよな?」
コ級「ソレナラ体デ試サセテヤルヨ」
コ級は何処からかナイフを出し、こちらに向かって走り出した
響「クソッ!」
響は腰に付けていた単分子カッターを取り出し、コ級に向けて突き刺した。
コ級「オソイッ!」
コ級は響を蹴飛ばし、響は水面に叩きつけられた。
響「まずい、この…ままじゃ…死ぬ、死んじまう!」
絶体絶命。その時、ジャミングが解除されたのか提督から連絡が来た。
提督『響?大丈夫か?生きてるか?』
響「あ?提督か!?おせーんだよボケが!」
提督『やっとジャミングを解除できた。大事なことを二つ伝えたい。』
提督『今、支援部隊を送り出した。金剛四姉妹と一航戦が来る。』
響「ええ、それで?あと一つは?」
提督『君の艤装は少し特殊でね。』
響「特殊?」
提督『君の艤装にはラムダ・ドライバが積んであるんだ。』
響「ラムダ・ドライバ?なんだそれ?」
提督『まあ、なんだ。考えた事を実現出来るシステムだ。』
響「考えた事を実現する?そんなシステムはナンセンス過ぎないか?」
提督『攻撃衝動を物理変換する機械だ。』
響「て、提督?」
提督『心の中の強いイメージが形になるんだ。』
コ級「……」
コ級は先ほどの力を使った。
響「ヒッ……!」
その時、響の艤装から放熱板が展開した。
そして響は防御行動を取った時。響に与えられた攻撃は無くなっていた。
響「これは?」
提督『それがラムダ・ドライバだ。相手は君をバラバラにしようとしただけど出来なかった。』
提督『あの敵を撃破するんだ。逆襲だって出来る、気合を入れろ、一瞬に込めろ!』
響「ッ!」
響も口に咥えていた対艦載機用のダガーを取り、防御態勢に入った。
激しいナイフのぶつかり合いは響が少し押されていた。
響「こんなんで、力場なんて出るのか!?」
コ級「コウ使ウンダ!」
コ級は衝撃波で響を押し出した。
響「チッ…!」
響は近くに落ちたショットガンを手に取り発砲した。
コ級「無駄ダヨ、オ前ハ装置ノ使イ方ガ分カッテ無イ、ソロソロケリヲツケヨウゼ。」
コ級はすぐさまショットガンの弾を消し飛ばした。
提督『いいか響、大切なのは集中力だ。』
響「そうは言うが……」
提督『なら想像しろ!』
響「えっ!?」
提督『君が負けたら鎮守府に居る艦娘はみんなグチャグチャに殺されるんだぞ?その光景を思い浮かべてみろ。』
響は鎮守府にいる艦娘達がコ級に殺されている光景を思い浮かべた。
人と同じ色の血、死体、そして血塗れのコ級を浮かべた。
紛争地帯で見てきた子供達の死体、泣き叫びながら助けを求める人と同じ……これ以上……犠牲は出したくない!
提督『嫌だろ?』
響「ああ……」ピキ
提督『頭に来るか?』
響「そうだな……」ピキピキ
提督『あいつはそうしようとしてる、許されると思うのかお前は!?』
響「ゆ゛る゛せ゛ん゛!!」
提督『なら奴に銃を向けろ!』
響は提督の言う通りショットガンを構えた、弾道が傾かないように両腕でガッチリと持った。
コ級「ソレデ終ワリカ?ガッカリダゼ」
響はイメージを固め、集中する為に深呼吸をした。
響(イメージを頭の中に浮かべろ、奴をぶん殴る感じで……)
響「今だっ!!」
響「クッ……!!!」
響はコ級にショットガンをぶつけ、コ級は響に単分子カッターをぶつけた。
ラムダ・ドライバにて出来たバリアは響を守り、ショットガンでバリアを貫いた。
ショットガンの先端は砕け散ったが、弾は発射された。
二人の空間が徐々に圧縮され、そして大爆発を起こした。
赤城「あの爆発……」
コ級と響との戦闘で出来た火柱は半径100メートル、高さ2000メートルまだ登っていた。
加賀「きっとあの駆逐艦のせいでしょうね。」
霧島「あの爆発、先程の戦闘にて起きたようです。」
比叡「大丈夫かしら……」
榛名「響ちゃん…もしかしたら…」
金剛「榛名!嘘でもそんな事言ったら駄目デス!」
赤城「まだ、轟沈した可能性は無いから……」
加賀「ッ!!」
加賀の艦載機が何かを発見したようだ。
加賀「赤城さん、爆発地点から10メートル程離れた場所に何か居ます。」
金剛「もしかしたら響かもネー!」
六人はすぐに爆発地点まで向かった。
比叡「あ、あれ!」
榛名「響ちゃん!」
火柱が立っている少し先に響は立っていた。
少し服がボロボロで血だらけになっているがなんとか生きていた。
金剛「大丈夫デスカ!?」
響「……」ガクッ
響は先の戦闘で力を使い切ったのか倒れてしまった。
加賀「大丈夫ですか?」
赤城「響ちゃん、しっかり!」
響はボソッと何かを呟いた……が、皆には聞こえていなかった。
響「……肯定だ。」ボソッ
響「ここは……」
響が目を覚ますとそこは医務室だった。
暁「ひ、響?生きてる?ゆめじゃない?」ナミダメ
暁は目が覚めた響に飛びつき泣き出した。
暁「うわぁぁぁぁん!よがっだよぉぉ!」
響「だ、大丈夫か!?暁!?」
球磨「目が覚めたか。」
響「球磨と瑞鶴。」
そこには球磨と瑞鶴がいた。
球磨「よくやったな響。よく生きて帰って来れたな。」
瑞鶴「お前がぶっ倒れた後。三日間も寝てたんだぜ?」
響「そうか三日間も……」
球磨「暁がずっと看病したたんだぞ?後で感謝しとけよ?」
響「肯定だ。それよりコ級は?」
瑞鶴「さあ?沈んだんじゃねぇの?」
響「そうだといいが……」
球磨「提督が呼んでたぞ。歩けそうなら来い。」
響「了解した。すぐに行こう。」
三人は執務室へと向かった。
暁はそのまま寝てしまった
暁「ZZZ…」
提督「無事で良かった。おかえり響。」
響「些細な事だ。生きて帰れと友に約束されてな。」
瑞鶴「よく無茶を聞けたよな。」
響「俺は約束は守る!」キリッ
そこに居た響以外の四人は少し呆れた。
球磨「なんか邪魔そうだし帰るわ。」
瑞鶴「帰って寝る。」
そう言って二人は出て行った。
提督「そ、それよりも今日のMVPは君だ、それに未確認の深海棲艦も撃破したらしいじゃないか。何かプレゼントは欲しく無いか?」
響「それならあれが欲しい。頼めるか?」
提督「なんでもいいぞ?無理な物は無理だけどな。」
響は提督の耳に小さな声で喋りかけた。
提督「け、結構マニアックなんだね……」
響「じゃまた頼むわ」
響は執務室から出て行った。
提督「まあ、なんとかなったから良いか!ハハハ。」アセアセ
長門「提督……汗を拭けよ……」
後書き
pixivでも投稿してるのでよろしく
提督めっちゃ怪しいな