2018-02-09 05:29:16 更新

概要

やる気マイナス値の青年提督と、艦娘たちの何でもない日常ストーリーです。

(今回は過去作を見ていなくても問題ないストーリー構成となっています)


前書き

※以下要注意

・作者の独自設定&後付け設定(今パートからの新設定)
・艦娘のキャラ崩壊
・地の文的な何か
・中身のないストーリー構成

↑が大丈夫という方だけ、一読してもらえたらなと思います。





いつも執務室にいる人たち



提督(朝神 青人)


横須賀第二鎮守府の青年提督。


背が平均より高い&若干コミュ障なこと以外は、どこにでもいそうな普通のお兄さん。


そのせいか艦娘たちからはいい遊び相手として、よく執務室から引っ張り出されている。


肝心の仕事に関しては中の下。ただ真面目にやればそこそこ使える子っぽい。



叢雲


鎮守府の貴重な秘書艦枠。


基本放任主義。提督が執務をサボろうと何をしようと、よっぽどの事がない限りは干渉しない。


指輪の力を真に発揮することが出来る、色々と規格外な駆逐艦。(駆逐艦とは)



青葉


鎮守府の自称広報担当。


神出鬼没な艦娘だが、提督が名前を呼ぶとどこからともなく現れる。


見かけによらず、仕事も戦闘も中々に出来る艦娘。








1. 夏休みモード



 長かった大規模作戦が片付き、ようやく夏休みモードに突入した横須賀第二鎮守府。

 

 既に8月が終わろうとしているが、各々はそれぞれ短い夏季休暇を満喫していた。 



提督「はぁ……ねむ」ガチャ



青葉「あっ、おはようございます。司令官」



叢雲「川内かあんたは。完全に昼夜逆転してるじゃないの」



※ 現在時刻 PM 5:30



提督「いいんだよ夏休みぐらい」



叢雲「普段の日でも隙あらばゴロゴロしてるでしょうが……」



青葉「司令官、1枚いいですか? その寝癖で爆発した頭、カメラに収めておきたいんですけど」スッ ←カメラ構え



提督「いや無理。撮るなよ絶対」



青葉「えーっ……!」



提督「ん? 何これ」ペラ



叢雲「大本営からの連絡事項と、みんなの外出届」



叢雲「一応全部目通しておいたから。後で受領印押しといてよ」



提督「あー。おけ」



青葉「皆さんやっぱり外出するんですねー」



叢雲「普段あまり遠出できないからね。あんたもどこか行ってくれば?」



青葉「いいですよ青葉は。暑いですし」



青葉「冷房の効いたこの部屋でゴロゴロしてるのが1番です」ゴローン



提督「ニートかよお前」ポン ←受領印



青葉「いやいや、司令官にだけは言われたくないです」






2. 夏休みあるある1位といえば



響(Верный)「出された課題が終わらない」カリカリ



提督「それはあるな」



響「そもそもだよ。休みなのに課題を出すのはおかしいと思うんだ」



響「暁なんて泣きながらやってたよ。さっき」



暁「な、泣いてないわよ! レディーはそんな事で泣かないんだから!」プンスカ



提督「まあ……仕方ない。頑張って終わらそうぜ」



響「司令官、ここ教えて」



暁「あっ、暁もそこ分からない……」



提督「おけ、ちょっと待って。紙取ってくるわ」



響(ふふっ、涙も有効利用しないとね)ニヤ



暁「?」



 終わってない課題を手伝ってくれる、ちょろ過ぎる司令官の鑑 ↑






3. 夏の鎮守府恒例行事



青葉「そういえば今年もやるみたいですよ。バーベキュー」



提督「へー」



青葉「楽しみですね〜。あっ、そういえば新しい水着買ったんですよ」



青葉「青葉は別に興味なかったんですけど、ガサがうるさくてうるさくて」アハハ



提督「ふーん」←興味無



青葉「……あの、少し冷めすぎじゃないですか?」



提督「別に普通じゃね。てか俺行かないし」



青葉「はい出たー、出ましたー。司令官、去年も同じこと言ってましたよね」



青葉「でも結局参加するっていう」



提督「去年はな。今年はもういいわ」



提督(男ほぼ俺1人でくっそ気まずいしorz)



ガチャ



叢雲「あっつ……」パタパタ



青葉「あ、叢雲さん。司令官、今年はバーベキュー参加しないらしいですよ」



叢雲「あら、そうなの?」



叢雲「私、あんたの分も予算に含めちゃったんだけど」



提督「えぇ……まじかよ」



青葉「お〜、流石ですね。司令官の逃げ道を一手で潰すとは」



叢雲「ま、今年は他の職員連中も結構参加するらしいし。男はあんただけじゃないから」



叢雲「そこまで気まずくないでしょ」



 提督の心の内を完璧に把握する、秘書艦娘の鑑 ↑



提督「うーん、でもなぁ……」



青葉「いいじゃないですか。我々艦娘の水着姿を生で見られるんです」



青葉「それだけで参加する価値があるってものですよ」



叢雲「確かに、それ目的で参加する奴もいるでしょうね」



提督(どんだけだよそいつ……)



※ 結局参加することになりました。






4. 波乱のバーベキュー(提督にとっては)



 バーベキュー当日。

 

 天候にも恵まれ、浜辺は多くの艦娘と鎮守府職員たちで賑わっていた。



提督「暑い……」パタパタ



鳳翔「あの、本当によろしかったのですか……? こちらに来てしまって」



※ こちら=海の家の手伝いのこと。



提督「全然大丈夫す。むしろ助かりますよ」



千歳「提督、よろしかったらこちらで一緒に飲みませんか?」



隼鷹「おっ、いいねいいね〜! ほれ、こっち来な提督」ポンポン



提督「いや、俺はいいっすよ。そんな飲めないすもん」



隼鷹「かーっ! そんなんだから弱っちいままなんだよ!」



隼鷹「こりゃ1回酔い潰さないとダメだな。うん」



提督「えっ……」



千代田「あーあ、スイッチ入っちゃった」



飛鷹「大丈夫よ。いざとなったら叢雲が飛んでくるから」



鳳翔「ふふ、いいタイミングですね。提督も少し休憩なさってください」ニコッ



提督「あ、まじすか。あざす」



隼鷹「うーん、ビールってのも芸がないよなぁ……どうするよ千歳」



千歳「そうねぇ……」フフッ



提督(やばい。まじで飲まされそうこれorz)






5. 同志・・・?



隼鷹「ほれほれ、飲んでみ提督。グイッと!」



※ 隼鷹は日本酒【霧島】を差し出した。



提督「いや、流石にキツいっすよこれは……ほろ◯いとかないんすか?」



隼鷹「何言ってんだ。うちらがそんなの飲むわけないだろ」



千歳「大丈夫です提督。もし潰れても私が介抱してあげますから」フフフ ←酔い度 60%



提督(近い……てか酔うの早くね……?)



??「おーおー、うちらの同志が酔っ払い共に囲まれてるで」スタスタ



??「うわっ、見てくださいよ先輩。やっぱハンパないですね……あの胸部装甲」



??「うろたえるな。提督さんは少しも動じてないわ」



鳳翔「あら、いらっしゃい」



??「隼鷹、司令官はもらってくで。そいつは自分で飲み」



隼鷹「ちぇっ、つまんねーのー」



提督(何か来たー……)






6. いわゆるいつメン



龍驤「ったく、あの飲ん兵衛共が。酒弱い言っとるのに、いきなり焼酎出すバカがどこにおんねん」



葛城「あそこにいましたね。約2名」



瑞鶴「危なかったねー、提督さん。あのままいけば確実に潰されてたよ」



提督「怖えぇ……てかあんなん飲めねーよorz」



龍驤「大鳳、司令官に何かあげたり。酒以外にも持ってきてるやろ?」



大鳳「ええ。提督、何飲みます? 色々ありますけど」



提督「じゃあ……とりあえずコーラで」



瑞鳳「えー、 提督も一緒に飲もうよ〜!」



瑞鳳「美味しいよ? お酒☆」ヒック// ←酔い度80%



提督「ちょ、顔あっか! めっちゃ酔ってんじゃん」



瑞鳳「酔ってないっ! 瑞鳳はこの程度で酔うほど、安い艦娘じゃないのれす!」ヒヒッ//



祥鳳「すみません提督、気にしないでいいですから……」



提督「あ、うっす(小声)」






7. 禁止ワード



ワイワイ ガヤガヤ キャーキャー!!



龍驤「ちっ、艦娘がキャーキャー言っとんちゃうぞ。ボケが」



瑞鶴「そうだそうだー! 自重しろー!」



葛城「甲板胸で悪いかー!!」



瑞鳳「うぅ、男なんてどいつもこいつも胸ばかり……」グスン



大鳳「泣かないで瑞鳳さん……私たちがついてるから」ギュッ



 酔いが回り、テンションがハイになる組とネガティブになる組の図 ↑



提督「へー、祥鳳さんも酒弱いんすね。なんか意外っすわ」



祥鳳「はい……よく千歳たちに誘われて飲みに行くんですけど、全然強くなれなくて……」



※ 完全にガン無視の2人。



鈴谷「おっ、提督じゃん。ちーっす!」ヒラヒラ



熊野「ごきげんよう提督」ペコ



提督「うぃっす(小声)」



鈴谷「うわー、何この集まりw こっちまで胸がすり減りそうなんだけどw w」



熊野「まさに断崖絶壁ですわね」フフッ



例の五人「「「「「あ"??」」」」」ギラッ!!



祥鳳「ひっ……!」ビク



提督(あ、やべ。これやべーわ)



 この後すぐ祥鳳さんと避難しました。by提督






8. ビーチバレー勝負



不知火「ラスト、これで決めてください」トス…



陽炎「任せて! とりゃあああああ!!」ズドォン!!



皐月「うわぁ?!」



長月「さ、皐月! くっ、まさか皐月ごと吹っ飛ばすとはな……完敗だ」



漣「試合終了ーっ! 勝ったのは二水戦代表、かげぬいコンビだー!!」←実況役



ワイワイ ワーワー!!



陽炎「よっし! これで次、司令たちに勝てばあたしたちの優勝よ!」



不知火「油断大敵ですよ陽炎。何せ司令のペアは……」チラ



叢雲「適当にボール上げてくれれば後は決めてあげるから。よろしくね」ヒラヒラ



提督「いや、まじ無理なんだけど……何で俺?」



※ 何の説明もないまま、無理矢理連れてこられた模様。



漣「あっ、ご主人様ー! 負けたら二水戦全員に間宮さんの甘味無料券と、夏季休暇1週間延長ですからねー☆」



提督「は?!」



時雨「……何も聞かされてなかったみたいだね」←解説役



青葉「まあいつものことですから。気にしない気にしない!」←解説役②






9. vsかげぬいコンビ①



長門「ルールは今言った通りだ。陽炎、不知火ペアは21点先取」



長門「提督、叢雲ペアは15点先取すれば勝ちとする」←審判枠



提督「? こっちも21点じゃなくていいんすか?」



長門「うむ。陽炎から言い出したことだからな」



陽炎「ハンデよハンデ。あと、何も言わないで景品決めちゃったお詫び」



提督「ああ、おけ」



叢雲「ねえ、本当にいいの? この6点は結構大きいと思うけど」



陽炎「大丈夫大丈夫! ね、不知火?」



不知火「……」キッ ←いつもの眼光



提督(やる気満々やん……まじかよorz)



叢雲「ふーん……ま、あんたたちがいいってんならありがたくもらっとくわ」ヒラヒラ



 以下、実況席 ↓



漣「おおっ! これは早くも火花散る展開ですな〜。お2人はこの勝負、どう見ます?」



時雨「そうだね。艤装を身につけてないとはいえ、陽炎も不知火も日頃の訓練で鍛えられてるから」



時雨「若干、提督の方が分が悪いんじゃないかな」



青葉「青葉も同意見ですねー。まあ、叢雲さんが司令官の分もカバーするでしょうけど」



漣「ふむふむ。要は勝つも負けるも全て、ご主人様次第ってわけですね☆」



提督(いや……皐月でさえ吹っ飛ばされるのに、俺にどうしろと……)






10. vsかげぬいコンビ②



陽炎「不知火!」トス!



不知火「ふっ……!」アタック!!



提督「痛った?!」←吹っ飛ばされ奴



長門「6の18。提督よ、もう少し踏ん張らないとこのまま終わってしまうぞ?」



提督(いやー、キツいっすorz)



叢雲「あらら。大丈夫?」



提督「めっちゃ痛えよ……てか2人とも容赦なさすぎな」



叢雲「あんたも神通に鍛えてもらったら? 1ヶ月もあればその細腕もどうにかなるでしょ」



提督「えっ」



陽炎「あ、いいじゃないそれ。ちょうど休み明けに、二水戦全員で合同演習するらしいから」



陽炎「司令も一緒にやりましょうか」ニコッ



提督「いや……」



不知火「やめてください陽炎。司令が倒れたらどうする気ですか」



陽炎「あははっ、冗談よ冗談。残り3本、ガンガン押していくわよ」



不知火「ええ。初めからそのつもりです」



提督「もうやらなくてよくね……? 腕めっちゃ痛いんだけど」



叢雲「……ねえ、この試合勝ちたい?」



提督「え? まあ……勝てるなら勝ちたいわな」



叢雲「じゃあ勝ちましょ。私も負けるのは好きじゃないから」スタスタ



提督「え、勝てんの?」



叢雲「あんた次第ね。上手くいけば勝てるわよ、多分」



提督(? どゆこと……?)



 以下、実況席 ↓



漣「これはもう勝負アリですかなー。どう思います? 神痛さん」



神通「まだ勝負は終わっていない。と、言いたいところですが……あそこは陸の上です」←ゲスト枠



神通「陸の上ならば、条件は五分と五分。このままいけば恐らく勝てるでしょう」



青葉「まあ実質2対1ですからねぇ……司令官、あの場じゃカモも同然ですし」



漣「確かに、ちょっとハンデが足りなかったかもですね。後で謝っときますわ」メンゴメンゴ



時雨「……やっぱりフェアじゃないね。あれじゃ提督がかわいそうだよ」ユラァ・・・



漣(ファッ?! 大天使殿が怒ってらっしゃる?!)






11. vsかげぬいコンビ③



陽炎「いくわよ2人とも! 最後まで手加減は無しだからね!」ググッ



提督「なんかめっちゃ狙われてる気すんだけど……」



叢雲「落とさないでよ。何でもいいからとりあえず拾ってね」



提督「まあ……頑張るわ」



陽炎(ふぅ、風もちゃんと計算して……よし、今!)バシッ!!



 強烈なサーブが相手コートから放たれた。


 狙いは予想通りと言うべきか・・・案の定、俺目掛けて真っ直ぐボールが飛んでくる。



提督(きた……!)グッ



 すぐさまレシーブの体勢に入る。

 

 が、ボールはどういうわけか俺の目の前で左側にカーブしていった。



提督「まじ?!」ガクッ



叢雲【飛べ!! あんたの腕なら届くから!】



提督「っ!」バッ



 叢雲の怒鳴り声によって、何とか飛び込んでボールを拾うことに成功。


 そして完全に明後日の方向に上がったボールは、叢雲の俊敏な動きで相手コートへと還っていった。



陽炎「うっそ! あれ拾っちゃうの?!」



 咄嗟の俺のプレーに動揺する陽炎。

 試合を見ているギャラリーも、若干だけど騒ついてるのが感じられた。


 実況席の漣に関してはポカーンとさえしている。



不知火「動揺している暇はありません。拾ってください、陽炎」←冷静



陽炎「っ、了解!」



叢雲【ほら、あんたも早く構える!】



提督「いやー、今のだいぶファインプレーだろ。てか叢雲もナイスだわ」



叢雲【次の陽炎のスパイク、ブロックして。あんたの背なら余裕で届くでしょ】



提督「え、それはーーーー」



 と、言いかけたところで、不知火が陽炎にトスを上げた。


 仕方ないので俺もブロックの体勢に移る。(目を瞑りながら)



陽炎「無駄よ! 司令じゃあたしの攻撃は止められないわ!」ズドォン!!



提督「っ……!」



 何やら手に軽い衝撃が走った後、長門さんが笛を鳴らした。



長門「ナイスブロックだ提督。7の18、1点返したぞ」



提督「え? ああ、入ったんだ今の……」



陽炎「ちょ、嘘でしょ?! あれブロックしちゃうの?!」ガーン



不知火「……やりますね」



 再び観客席が騒ついた。


 ていうか、全然気が付かなかったけどギャラリー多いわ・・・軽く30人はいるぞこれ。



叢雲「ナイスブロック。無駄に高い背が活きたわね」



提督「また吹っ飛ばされるかと思ったわ……」



叢雲「その調子でどんどんブロックしてちょうだい。私もその方が楽だから」ヒラヒラ



提督「えぇ……」



 以下、実況席 ↓



漣「えーっと……コホン。申し訳ない、ご主人様の超ファインプレーに思わず見惚れてしまってました」



時雨「その後の叢雲の動きも見事だったね。2人とも息ピッタリだったよ」



青葉「いや〜、意外と様になってますね。なんかムカつきます」カシャカシャ ←カメラ



神通「……私も何だか、身体が火照ってきてしまいました」



神通「この試合が終わったら、ぜひお手合わせ願いたいものですね」ユラァ・・・



漣(今度は神通さんかよっ! オーラハンパないんですけど?!)






13. バーベキューは苦行(確信)



不知火「っ……!」グッ



叢雲【スパイクと見せかけてのドロップ!】



提督「おけ!」レシーブ!



陽炎(読まれてる?! ていうか掛け声もアイコンタクトも無しで、何でそんな連携がとれるのよ!!)



不知火「大丈夫です、落ち着いて対処すれば司令の攻撃なら止められます」



陽炎「分かってる! ここで1点取って実質同点に持ち込むわよ!」



※ 現在スコア、なんだかんだで14の19。提督と叢雲チームのマッチポイントな模様。



叢雲【思いっきりど真ん中打ち抜いてやんなさい。無駄にコースとか狙わなくていいから】トス!



提督「ふっ!!」ズドォォン!!



陽炎・不知火「「っ……?!!」」



陽炎(ちょ、はっや?! くっ、今のブロック飛んでればよかった……!)



漣「ここで試合終了ーっ! 勝ったのはなんとなんと、ご主人様と叢雲ちゃんチームだー!!」



ワァァァァァァァァァァ!!!!



提督(うわ、めっちゃギャラリーいるやん……)



叢雲「お疲れ。意外と様になってたわよ」



提督「え? まあ……夢中だったからな」



皐月「すごかったよ司令官! 僕たちじゃ手も足も出なかったのに!」



提督「いや、ほとんど叢雲のおかげだよ。俺なんかミスばっかだったし」



長月「そう悲観することはない。司令官にしては上出来だったぞ」



提督「あざーす」



霞「何勝った気でいるのよこのクズ!!」



提督「! えっ……?」チラ



神通「提督、お疲れのところ申し訳ありません」



神通「もし可能でしたら休憩の後。もう一試合、お願い出来ますでしょうか……?」ユラァ・・・



提督「じ、神通さん?! いやちょっとそれは……」



霞「もしかして勝ち逃げする気? 鎮守府のトップとその秘書艦ともあろう者が」



叢雲「へぇ……言うわね。私は別に構わないわよ」



提督(いや、俺が相当キツいんですけど……)



霞「ふふ、そうこなくっちゃ」



霞「あ、言っとくけど。私たちが勝ったら景品はいただくからね」



ハァ?! キイテナイゾニスイセンー!! フザケンナー!!!



神通「あ、あの、私は別に景品なんて……」



霞「うっさいわよ外野! 負けたあんたたちが悪いんでしょ!」ウガー



提督「すげーな。みんなどんだけ景品欲しいんだよ」



叢雲「これまた1から試合やり直した方がよさそうね。じゃないとフェアじゃないわ」



提督「え、まじでやんの? つっらorz」



※ この後、無事また1から試合をやり直す羽目になったのだった。






14. 後日談



提督「あー 身体中痛ぇ……」グッタリ



叢雲「運動不足ね。普段から鍛えてないからそうなるのよ」



青葉「まあそれでも、陽炎さんたち相手に無双してましたけどねー」



青葉「他の方々もビックリしてましたよ? 司令官て実は結構すごい人なんじゃないかって」



提督「それさぁ……ほんと困るわ」



提督「普通に遊ぶ分には全然いいよ。俺も楽しいし」



提督「ただ剣術とか組手の相手役とかさ、まじシャレにならんだろ……」



※ バーベキュー以降、執務室から引っ張り出される回数が更に増えた提督。



叢雲「ふふ、まあそれはそれでいいんじゃない? ついでだから色々と鍛えてもらいなさいよ」



提督「いや死ぬわorz」






15. 秋刀魚祭り



青葉「いやぁ、今年の秋刀魚祭りも大盛況ですね〜!」



叢雲「みたいね。おかげさまで目標漁獲数も余裕で超えてくれたわ」



提督「みんな秋刀魚漁ガチ勢だからな」



青葉「司令官も釣りに行ってみたらどうです? やってみると案外楽しいですよ」



提督「いや、いいわ。やったことないし先ず」



叢雲「そもそも餌つけられないからね。その時点でお察しよ」



青葉「えぇ……それは流石に情けなさすぎますよ司令官」



提督「いいんだよ釣りとか別に。興味ないし」



叢雲「毎年同じこと言ってるわねあんた。少しは他の言い回しも考えたら?」



青葉「青葉は知りませんでしたよ……ていうか餌も触れないって、女子か!」



提督(だってキモいんだもんあれ)






16. 駆逐艦娘たちと秋刀魚釣り



提督「はぁ……結局こうなるんだよなぁ……」スタスタ



※ 叢雲と青葉に言われて仕方なく、鎮守府近くの堤防にやってきた提督。



時雨「あ、提督だ。珍しいね、ここに来るなんて」



村雨「あら、こんにちは提督。提督もF作業しに来たの?」



提督「ん、まあ……様子見的な?」チラ



提督「うわ、結構釣れてるやん。さすが」



村雨「ふふ、F作業なら任せておいて。っと、またかかった!」ググッ



時雨「おお、やるね村雨。これは僕も負けてられないな」



提督「へー、やっぱみんな上手いんだなぁ」



村雨「提督もやってみる? 意外と簡単に釣れちゃうよ、ここ」



提督「いや、俺やったことないから。釣り」



時雨「大丈夫、提督にも出来るさ。僕が教えてあげるよ」ニコッ



提督「お、まじ? じゃあやってみようかな」



 こうして、なんだかんだで提督の初釣り(秋刀魚)体験が始まった。






17. 駆逐艦娘たちと秋刀魚釣り②



提督「……全然かからないな」



時雨「焦っちゃダメだよ。釣りは根気強くやらないと」



提督「うーん……」



村雨「あっ、ごめんなさい提督。また釣れちゃった♪」←本日8匹目



提督「おー、すげえ。さっきからめっちゃ釣ってるやん」



村雨「ふふっ、だから言ったでしょ? F作業なら任せておいてって」ドヤ



提督「いやぁ、頼りになりますわー」ピクッ



時雨「! 提督! かかってるかかってる!」



提督「え? あっ!」



提督「……うっわまじか。逃げられたorz」



時雨「どんまい。次いこう、次」



響(Верный)「やあ、楽しそうだね。私も混ぜてもらえるかな」スタスタ



提督「別にいいけど、ここ全然釣れないぞ。俺が下手なだけかもしれないけど」



響「司令官と違って釣りには慣れてる。問題ないよ」スッ



提督(うわ、めっちゃ釣ってるー!! え、何でみんなこんな上手いの??)






18. 駆逐艦娘たちと秋刀魚釣り③



響「司令官は釣りは初めてなのかい?」



提督「そう。くっそむずいわ……」



響「そうか。それは仕方ないね」



提督「でもなぁ……流石に1匹も釣れないのはダサ過ぎるでしょ」



漣「そうでもないですぞご主人様」スタスタ



提督「ん? 何が?」



漣「今日1匹も釣れてないのは、ご主人様だけじゃないってことよ」



時雨「あれ、そっちはダメだったの?」



漣「ダメダメですね。まあ強情な子なんで、釣れるまでテコでも動かないでしょうなー」



響「ああ。なんか察した」



時雨「まあ……うん。そういう日もあるよ」



提督「? てか先ず向こうって釣れんの?」



漣「釣れますよ。今日は調子悪いみたいですけど」



提督「へー」



村雨「時雨ー! 七輪持って来たわよ〜!」タタタ



時雨「うわ、いつの間にかいないと思ってたら……食べる気満々だね村雨……」






19. 駆逐艦娘たちと秋刀魚釣り④



提督「うーん……ほんとかかんないな」←戦果0匹



漣「場所変えたらどうです? 向こうとか結構よさげですよ」



提督「じゃあそっち行くかー。1匹も取れないのは流石にあれだしな」



時雨「提督、もうすぐ秋刀魚焼けるよ。食べてかなくていいのかい?」



提督「うん、ちょっと行ってくる」



響「じゃあ司令官の分もいただこうかな。いい? 司令官」



提督「ええよ」



響「やったね。スパスィーバ(Спасибо)」



・・・



曙「……」←釣り中



漣「微動だにしませんね、さっきから」



提督「それだけ集中してるんだろ。これ邪魔しない方がいいな」



提督「戻ろうぜ」



漣「ノンノン。それじゃ面白くないじゃないですか」



提督「何を求めてるんだよお前は……」



漣「それに、ぼのたん1人じゃ寂しいかもですし。ここは提督として寄り添ってあげましょうヨ」



提督「いや、絶対そんなことないから。あいつそんなキャラじゃないだろ先ず」



漣「えぇ?! ご主人様、釣りやったことないんですか?!」



提督「! おまっ……!」チラ



漣「ごめんなさいご主人様、わざとなので許さなくても大丈夫です」テヘッ☆



提督(こいつ……)



曙「ねえ、うるさいんだけど。集中出来ないでしょ」キッ!!



漣「ほ、ほらー。怒られちゃったじゃん」←若干ビビり奴



提督「何で俺のせいなんだよ……」






20. 曙さんと秋刀魚釣り



提督(やっぱ戻ろ。俺いても邪魔なだけだし)



曙「別に静かにしてるなら戻らなくてもいいわよ。釣りしに来たんでしょ?」



提督「え、まあ……うん。向こうじゃ全然釣れなくて」



曙「そりゃそうよ。向こうは村雨たちが釣りまくってたし」



提督「あー、そういえばめっちゃ釣ってたな」



曙「初心者には難しいかもしれないけど、こっちでも釣れるっちゃ釣れるわよ」



提督「まじ? じゃあもうちょっと粘ってみようかな」



曙「まあ、釣れるかどうかはクソ提督次第だけどね」



提督「うーん、俺釣りに関してはくっそヌーブだからなぁ……」



漣(意外と仲良いよね、この2人)←蚊帳の外状態






21. 曙さんと秋刀魚釣り②



提督「かからんなぁ……」



曙「何言ってんのよ。竿投げてからまだ5分も経ってないのに」



提督「いや、もっとガンガン釣れるものだと思ってたわ」



曙「今日釣り始めたド素人に釣れるほど、秋刀魚釣りは甘くないから」フン



漣「ド正論すぎて草」



提督「それな」



曙「……あたしだって、今日はまだ一匹も釣れてないのに」ボソッ



提督「! お、これきたんじゃね?」ピク



曙「えっ?!」



漣「どうせまた逃げられてるに一票」



提督「っと……あれ、またいないんだけど」



漣「ワロタw ほんとにいないじゃないですかw w 」



曙「何やってんのよクソ提督。 せっかくかかってくれたのに」



提督「くっそぉ……逃げ足早くね?こいつら」



漣「単にご主人様が下手くそなだけかと。今のぼのたんなら絶対釣れてたもん」



曙「まあね。クソ提督とあたしじゃ、そもそものレベルが違うから」



提督(いや、今日始めた奴と比べんなよ……)






22. 曙さんと秋刀魚釣り③



曙「ていうか、サビキ仕掛けで釣れない時点でセンスないのよ」



提督「サビキ? 何それ」



曙「はぁ? そんなことも知らないの?」



曙「まったく、これだからクソ提督は……」ハァ



提督「だから今日初めてやったんだって。これも時雨の竿借りてるだけだし」



漣「やれやれ。無知なご主人様のために、この漣が解説してあげましょうか」スッ ←釣り竿



漣「えー、サビキ仕掛けというのはですね。このように、枝状に複数本の針が付いた仕掛けのことを言います」



漣「秋刀魚は大きな群れで回遊してくるので、サビキ仕掛けで狙うと非常に効率よく釣れるのです」フンス



提督「へー」



曙「ま、あたしは一本釣りだけどね」ビュン ←竿投下



提督「一本釣り?」



曙「そ。こっちの方が、秋刀魚を傷つけることなく釣れるのよ」



曙「多少効率は悪くなるけど、食べるなら少しでも傷のない秋刀魚の方がいいでしょ?」



提督「確かに」



曙「まあ見てなさい。釣れたらあたしがご馳走してあげるから」



曙「バカ舌なクソ提督に、とびっきり美味しい秋刀魚の塩焼きを」



提督「あ、あざす」



漣「バカ舌ってdisられてますよご主人様。そこはスルーでええの?」



提督「叢雲にもよく言われるからな。今更だわ」



漣「えぇ……(困惑)」






23. 曙さんと秋刀魚釣り④



曙「きたっ!!」ピクッ



提督「おおっ」



漣「いけぼのたん、そのまま引っ張れ! 釣り上げろ!」フレーフレー



曙「黙れ! 集中出来ないから!」クワッ!



漣「あ、ハイ。スミマセンでした」



提督「めっちゃキレられてんじゃん」



漣「やらかしたンゴorz」



曙「よしっ! ほら、釣れたわよクソ提督!」



提督「おー、さすが」



曙「当然よ」フフン



漣(あ〜 ご主人様には素直なぼのたん、ぐうかわなんじゃ^ 〜)ニマニマ






24. 釣果



曙「結局、今日は一匹だけか。あたしもまだまだね」



提督「はぁ……」



漣「ご主人様ダメダメじゃないですか。0匹は流石に草も枯れちゃうよ?」



提督「もう無理だ。俺には向いてないわこれ」



漣「よしよし。漣がナデナデしてあげるから、元気出して」ナデナデ



提督「いいよ別に」シッシ



漣「じゃあギューってしてあげる! おいで、ご主人様。漣の胸の中に」



提督「は……?」



※めっちゃ嫌そうな顔してます ↑



漣「あ、あの、そんな顔されると逆に傷つくんですが……」



曙「慰めるわけじゃないけど、誰にだってそういう日はあるものよ。また明日やってみれば?」



提督「……だな。そうするか」



漣(いや、何で漣のギューより立ち直り早いの? おかしくない??)



・・・



時雨「そっか。結局釣れなかったんだね」



提督「いやー、めっちゃむずかったわ。まあ2回も逃した俺が悪いんだけど」



響「ひょおふぁみれたんら、ふぃふぁふぁらいよ」モグモグ



時雨「うん、先ずは口の中の秋刀魚飲み込もうか」



提督「……めっちゃ美味そうだな」



曙「待ってなさい。もうすぐ焼けるから」



提督「あ、うっす」






25. (お呼びじゃ)ないです



漣「ん〜っ! やっぱ秋刀魚は塩焼きに限りますなぁ〜」パクッ



曙「どう? 美味しいでしょ?」



提督「うん、美味い」モグモグ



響「一本釣りか。難しいのによくやるね」



曙「慣れればどうってことないわよ。慣れればね」



村雨「でも効率悪くない? 普通に釣った方がいっぱい釣れると思うけど」



曙「あたしは効率なんて気にしないから。自分で満足のいく釣りができればそれでいいの」



村雨「ふ、ふーん。そうなんだ」



漣「ひゅ〜ひゅ〜! カッコいいぞぼのたんー!」パチパチ



時雨「釣り師の鑑だね」



響「私は釣るより食べる派かな。時雨、秋刀魚お代わり」



時雨「ダメ。鎮守府に納める分も残しておかないと」



村雨「響ちゃん食べ過ぎー。それじゃ夜ご飯食べられないでしょ」



響「問題ない。こう見えて、結構食べる方なんだ」



磯風「ふっ、そうかそうか。ならばこの磯風の焼いた秋刀魚を、存分に味わうがいい!」



「「「「「誰も呼んでない (よ) (です) (から)」」」」」キッパリ



磯風「むっ……?」



提督(即答かよ。流石に笑うわ)






26. 味見は大事



磯風「ならば司令、試しに食べてみてくれ。頼む」



提督「えっ……」



磯風「味の感想を聞きたいんだ。今までで一番、上手く焼けてるはずだからな」スッ



他五人「……」サァァ・・・ ←退避



提督(おい、みんなどこ行くねん)



提督「え、えっと……味見はした? ちなみに」



磯風「? ただの秋刀魚の塩焼きに、味見が必要なのか?」



提督「そ、そう……だね。確かに」



磯風「率直な感想でいいぞ。不味かったら不味いって言ってくれ」



提督「おけ。いただきま——」



提督「っ!」ピタッ



磯風「……司令? どうかしたのか?」



提督「あ、い、いや……何でもないっす」



提督(ちょっと待って、これまじでやばいぞ……めっちゃ生臭いし、身がわけ分からん崩れ方してるもん)



秋刀魚「」ゴゴゴゴゴ



提督(絶対あかんやつやんこれorz)






27. ザ・神出鬼没



漣「大丈夫かなご主人様。なんかノリで離れちゃったけども」



曙「どう見ても大丈夫じゃないでしょ、あれ」



響「食べたくないなら食べたくないって、正直に言えばいいのに」



響「私なら絶対に言うよ」



時雨「それを正直に言えないのが提督なんだよ……」



村雨「頼まれたら断れない性格だからねー。ま、そこが提督のいいところなんだけど♪」



漣「でも彼女の焼いた秋刀魚を食べた人は、必ずお腹壊して2日3日は動けないって聞くよね」



———シーン



漣「……もしかして、事実だった系ですか……?」



曙「知らないわよ。あたし食べるより釣る派だし」



響「あいどんとのー、だ」



村雨「逆にどんな味なのか気になるわねそれ……」←実は釣るより食べる派



時雨「ま、まあ、心配しなくても大丈夫だよ。もし本当にヤバかったら——」



青葉「おや、皆さんお揃いで」シュタ



他四人「「「「?!!」」」」ビクッ!



時雨「あっ、青葉さん。さすが、仕事が早いね」



青葉「いえいえ、それほどでもありませんよ〜」アハハ



他四人((((今どこから出てきた……??))))






28. 提督の右腕(自称)は伊達じゃない?



時雨「青葉さん、提督のお腹がピンチなんだ。何とかならない?」



青葉「あー、今年も捕まっちゃったんですね……分かりました、ここは青葉にお任せを」スゥゥ・・・



青葉「磯風さーん!」



磯風「む?」



青葉「憲兵の皆さんが今直ぐにでも、磯風さんの焼いた秋刀魚食べたいって言ってましたよー!!」



磯風「なに……? 了解した。直ぐ行く」



他五人(((((憲兵巻き込んだ?!!)))))



提督「あ、俺さっき飯食べたばかりだからさ。俺の分も持って行っていいよ」



磯風「済まない。司令の分はまた今度、別に焼いてあげるからな」スタスタ



提督「あ、あざす……」



青葉「いやぁ、危ないところでしたね〜」シュタ



青葉「もしあのまま食べてたら、100%またお腹壊してましたよ?」



提督「ほんとだよ。先ず見た目からしておかしいもんあれ」



提督「まじで助かったわ」ハァ



青葉「曲がり形にも、司令官の右腕ですからね。これぐらいのこと、朝飯前ですよ」フンス



提督「お、おう……」



・・・



ー 執務室 ー



提督「はぁ……疲れた」ガチャ



叢雲「おかえり」



衣笠「お邪魔してま〜す!」



提督「あれ、いつの間に」



衣笠「青葉が秋刀魚漁に出た艦隊の取材に行くって言うから、代わりに寛ぎに来ちゃった♪」ゴローン



提督「ああ、そういえばそんなこと言ってたな」スタスタ



叢雲「それで? どうだったのよ、釣りの方は」



提督「ん? 死んだ」←釣果0匹奴



叢雲「ふーん。中々帰って来ないから、てっきり楽しんでるのかと思ってたんだけど」



提督「まあ楽しかったよ。明日もやりに行くわ、多分」



叢雲「あらそう。なら今日の夕食のメニュー変更ね」



叢雲「秋刀魚料理は、あんたが釣ってきた秋刀魚で作ることにするわ」



提督「いやいいよ別に。普通に作ってよ」



叢雲「え〜? どうしようかしらねー」



叢雲「あんたが食べれるように調理するのも、いちいち手間かかるし」



提督「えぇ……今更過ぎるでしょそれは……」






29. 改二祝い



満潮(改二)「はい、改造終了の報告書。明石さんが渡してって」スッ



提督「ん、ありがと」



叢雲「これで八駆は晴れて全員、第二改造完了ね」



叢雲「どう? 改二になった気分は」



満潮「別に、前とそこまで変わらないわよ。まあ艤装の性能はそれなりに上がったらしいけど」



提督「12.7㎝連装砲C型改二……? 夕立の使ってるB型とは違うのかこれ」ペラ



叢雲「多分、B型改二の改修型でしょ」



提督「へー」



満潮「……それじゃ、私これから訓練あるから。報告書、ちゃんと渡したからね」スタスタ



提督「! あっ、ちょっと待った!」



満潮「?」



叢雲「何枚?」



提督「4枚。朝潮たちの分も」



叢雲「了解」カリカリ



満潮「なに? 早く行かないと訓練始まっちゃうんだけど」



提督「いや、これ。改二祝いと……秋刀魚漁頑張ってくれたっていうあれで」スッ ←甘味無料券



満潮「……くれるの?」



提督「うん。3枚は朝潮たちの分だけど」



満潮「そう……ありがと、ありがたく頂いておくわ」ニコッ



提督「あ、うぃっす」



———パタン



提督「ふぅ……なんか、前より雰囲気柔くなった?」



叢雲「改二になると性格が変わる子もいるからね。強ち間違ってないんじゃない」



提督「いやー、でもあの間よ。怖すぎだろ……」



叢雲「それはあんたがコミュ障なだけでしょ」キッパリ



提督「それな」






30. いつになったら来るのか



提督「俺に言われても分からん!」カリカリ



叢雲「なに、また艤装改造の申請書?」



提督「そう」ポン ←判子



提督「まあ気持ちは分かるけど、にしても多過ぎな」



叢雲「陽炎型に白露型……この辺はもう恒例行事ね」ペラ



叢雲「あら? この字、青葉のじゃないの」



提督「あいつも出してんのかよ……」



青葉「そりゃ出しますよ!」シュタ!



提督(いたんかい)



青葉「大本営は一体いつまで青葉を焦らす気なんですか?」



提督「だから知らんて」



叢雲「妖精は気まぐれだからね。ま、そのうち来るわよ」



青葉「因みに、そのうちっていつ頃で?」



叢雲「そ、そのうちはそのうちよ。気になるなら、大本営の工廠に直接聞きに行ったら?」



青葉「あっ、確かに……それいいですね」



提督「いいのかよ……」






31. 体調管理には気を付けましょう



提督「ゲホッ、ゴホッ……あー、だるorz」



青葉「完全に風邪ですね。面白いぐらいに鼻声ですよ、司令官」



叢雲「最近多いわね。鎮守府内でも、職員連中の間で流行ってるみたいだし」



提督「まじかよ。絶対うつされただろこれ」



叢雲「なーに言ってんの。体調管理は自己責任でしょ」



叢雲「ったく、いい歳して。自分の身体ぐらい、自分でちゃんと管理しなさいよね」



提督「すんませーん……」



叢雲「ほら、マスク。後で薬もらってきてあげるから」スッ



提督「あざっす」



※ 面倒見の良過ぎる秘書艦娘の鑑 ↑






32. 優秀な部下を持つ幸せ



提督「ゲホッ、ゲホッゴホッ!!」カリカリ



大淀「あの、大丈夫ですか? 先ほどから咳が酷いみたいですけど……」



提督「まあ熱はないんで。身体は多少怠いすけど」



叢雲「だから休んでればって言ったじゃないの」



提督「いや、流石にこの量の書類を全部任せるのは……ダメでしょ」



※ 月の初めは結構忙しい模様。



大淀「……私も手伝います」スタスタ



提督「え、でも大丈夫なんすか? そっちは」



大淀「はい。今は提督が思ってるほど、こちらは忙しくありませんよ」



提督「へー。そうなんすね」



叢雲「ありがと、助かるわ」



大淀「……」ペコリ



大淀(いつも1人で退屈ですからね。たまにはお喋りしながら仕事をしても、罰は当たらないでしょう)クイ



・・・



大淀「……」カリカリ カタカタ



提督(わー、さすが淀さん。仕事はっや!)



叢雲「やっぱり捗るわね。1人でも手伝ってくれる人がいると」



提督「んな。いつもの数倍楽に感じるわ」



大淀「青葉さんは手伝ってくれないんですか? 今日はいないみたいですけど」



提督「いや、あいつはダメっすね。だいたいゴロゴロしてるだけなんで」



大淀「は、はあ……」



叢雲「あら、でも言えば手伝ってくれるわよ?」



叢雲「あんたが引っ張り出されてる時とか、私結構助かってるもの」



提督「まじで? それは知らんかった」



大淀「青葉さんは広報担当としても、非常に優秀な方ですからね」



大淀「こういったデスクワークに関しては、私以上に御手のものだと思いますよ」



提督「ふーん。全然そうは見えないのに」






青葉「……」



青葉(なんだか出て行き辛いですねこれ……)←聞き耳立て奴






33. 平常運転



叢雲「いい夫婦の日?」



青葉「はい! 本日11月22日は、世間でそう呼ばれてるみたいですよ」



青葉「何でも、パートナーがお互いに感謝の意を示し、より絆を深める日なんだそうです」



叢雲「ふーん。あんた知ってた?」



提督「さっき知った」カリカリ ←作業中



青葉「まあ青葉も、知ったのは今日なんですけど」



提督「なんやねん」



青葉「ほら、お2人はカリとはいえ、ケッコンしてるじゃないですか」



青葉「なので一応お伝えしておこうかなと」



提督(余計なお世話だわ)



叢雲「最近多いわね、そういう語呂合わせみたいなの」



叢雲「この前はポッキーの日?だったかしら。それもあったし」



提督「んな。他にもまだまだあるからね」



叢雲「へー、そうなの」



青葉(完全に平常運転ですね……)






34. 感謝の気持ち



提督「俺も休みてぇー」カリカリ



叢雲「その文書、今日中に処理しないとダメよ」



叢雲「滞納して文句言われるの私なんだから」



提督「へーい……」



コンコンコン ガチャ



大淀「失礼します」ペコ



提督「! うわ、もしかしてそれも追加っすか?」



大淀「ええ、そのもしかしてです。お忙しいところ申し訳ないのですが……」



叢雲「そこ置いといてちょうだい」



大淀「はい、お願いします」スッ



提督「はぁ……了解っす」カリカリ



叢雲「それ終わったら次こっちね。もう目は通したから、判子だけ押しといて」



提督「あいよ」



大淀「……」



大淀「コホン……いつもありがとうございます。提督、叢雲さん」



提督「へ?」



叢雲「? どうしたのよ急に」



大淀「あ、いえ。今日は勤労感謝の日ですから」



大淀「日々鎮守府を支えてくれているお2人に、感謝の意を述べておくいい機会だと思いまして」



提督「いやいや、そんな。こちらこそですよ」



提督「俺なんか淀さんに比べたらクソですからね」



叢雲「そうね。労働時間でいえば、あんたの方が十分働いてるわよ」



大淀「私はこれが仕事ですから。問題ありません」クイ



叢雲「ふふ、いつも助かってるわ」



叢雲「ありがと、大淀」



提督「ほんと、毎日毎日あざっす」



大淀「……」ペコ



大淀(自分から言い出したのに、いざ言われてみると少し恥ずかしいですね……//)






35. 秘書艦と訓練、どっちが楽か



陽炎「ちょっと司令!」バン!



提督「へ?」



陽炎「何で二水戦だけ祝日に訓練あるの?!」



陽炎「他の隊はみんな休みなのに!」



提督「いや、それは……」



陽炎「しかもいつにも増してキツかったし……まあこれは、気抜いてたあたしが悪いんだけど」



叢雲「そんなにキツいなら神通に言えばいいじゃないの」



叢雲「訓練に関しては全て、神通に一任してあるんだから」



陽炎「そんな恐ろしいこと出来るわけないじゃない(真顔)」



提督「神通さんなら案外、聞いてくれそうだけどね。優しいし」



陽炎「分かってないわねぇ……あの人、訓練のことになると人が変わるのよ」



提督「まじ?」



陽炎「いっぺん見に来たら? 多分ビビるから」



提督「そんなにか……」



叢雲「訓練メニューは私も目通したわ」



叢雲「ちゃんと練りに練られてて、いい仕法だったと思うけど」



陽炎「はぁ……いいわねえ、秘書艦は」



陽炎「訓練より絶対楽そうだもん」



叢雲「あら、だったらやってみる?」



叢雲「私が代わりに訓練出てあげるから」



陽炎「! え、いいの?!」パァァ



叢雲「いいわよ別に。あんたも、構わないでしょ?」



提督「まあいいけど……」



コンコンコン ガチャ



不知火「失礼します。陽炎がここに——」



陽炎「あ、不知火! 聞いて、あたし秘書艦やることになったから!」



不知火「秘書艦を……? 随分と急な話ですね」チラ



叢雲「なんかね。やりたいみたい」



不知火「は、はあ……」



叢雲「陽炎の抜けた穴は代わりに私が入るから」



叢雲「よろしくね、不知火」



不知火「! は、はい。こちらこそ、よろしくです」ペコ






36. のっけから不安要素満載



青葉「なるほど、それで陽炎さんが秘書艦を」



提督「うん。なんか全然来ないけどな」



※ 現在時刻 AM 6 : 10



叢雲「まったく……引き継ぎがあるから、1時間早く起きるよう言っといたのに」



青葉「寝坊じゃないですか?」



提督「まあしゃあない。そのうち来るだろ」



ダダダダダ!!!!!



提督「あ、来たんじゃね?」



青葉「おや、意外と早かったですね」



叢雲「うっさいねえ、朝っぱらから」ハァ



バタン!!



陽炎「はぁ、はぁ……ごめん、完全に寝坊したわ……」ゼェゼェ



提督「めっちゃ疲れてんじゃん。まだ始まってもないのに」



青葉「おはようございます、陽炎さん」



叢雲「遅いわよ。何時だと思ってんの?」



陽炎「ほんとごめん。マニュアル読んでたらいつの間にか寝落ちしちゃって……」



陽炎「不知火に叩き起こされちゃったわ」アハハ



提督「まあこれぐらいの時間ならセーフでしょ」



提督「今日は朝礼もないし」



青葉「大丈夫ですよ陽炎さん。司令官は朝礼がある日に限って寝坊しかけますから」



陽炎「えっ、そうなの?」



青葉「はい。その度に、叢雲さんに叩き起こされてます」



青葉「ねえ、司令官?」ニコ



提督「いいんだよ俺のことは言わなくて……」



陽炎「もしかして、司令を起こすのも秘書艦の仕事だったりする?」



叢雲「いや、それは別。秘書艦やってる奴の気分次第ね」



陽炎「ふーん。了解」ニヤ



提督「え、なに……?」






37. 業務スタート



叢雲「さてと、それじゃ今日も始めましょうか」



提督「んー」



陽炎「よろしくね」



青葉「よろしくお願いしまーす」



※ 各自、それぞれの持ち場へ移動。



陽炎「へー、結構少ないのね。書類」



陽炎「もっと山積みになってるのを想像してたわ」



提督「多い日はもっと多いけどね」カリカリ



叢雲「こらこら、どこ行くの。あんたはこっち」



陽炎「へ?」



叢雲「ついて来て」スタスタ



陽炎「えっ、どこ行くの??」



叢雲「秘書艦室。あんた専用の部屋よ」



陽炎「! そ、そんな部屋あったんだ……」



叢雲「ま、今は誰も使ってないけどね」



陽炎「ふーん……てっきり秘書艦は、ここで仕事するものだと思ってたんだけど」



叢雲「それも秘書艦やってる奴の自由」



叢雲「ここでやろうが向こうでやろうが、どっちでも構わないわよ」



陽炎「そうなんだ」



———パタン



提督「秘書艦室か。そういえば誰も使ってないな最近」



青葉「基本的に皆さん、ここでお仕事されるのを選びますからね〜」



青葉「あ、でも青葉は時々使ってますよ? 秘書艦室」



提督「使ってんのかよ……」






38. 早くも挫折事案



ー 秘書艦室 ー



書類の山々「」デデーン



陽炎「」←唖然



叢雲「よしっ、やるわよ」スタスタ



陽炎「……これ全部あたしがやるの?」



叢雲「? そうだけど?」



陽炎「いやいやいや、多過ぎでしょ!!」



陽炎「1人じゃどうあがいても絶対終わらない量よこれ!?」



叢雲「だから朝一で少しでも減らしたかったの」



叢雲「恨むなら寝坊した自分を恨みなさい」



陽炎「うぐっ……」



叢雲「ほら、手動かして。朝餉までそう時間ないわよ」



陽炎「はーい……」トボトボ・・・



・・・



※ 作業開始から数分後 ↓



陽炎(何これ、全っ然減らないんですけど!!)カリカリ



陽炎(これ全部1人でやるとか絶対無理! 終わるわけないじゃないの……)スッ



バサバサ・・・ ←机から溢れる書類たち



陽炎「っ、ああもう!!」



叢雲「それ拾ったら一旦切り上げていいわよ」



叢雲「そろそろ朝餉の時間だから」



陽炎「はぁぁ……全然進まないわ……」



叢雲「初めてにしちゃ上出来よ。この調子で頑張ってね」



陽炎「……頑張れないかもorz」






39. 就任祝い的な?



青葉「どうですか陽炎さん。初めての秘書艦は」



陽炎「まさかあんな書類が多いとは思いませんでした……」



陽炎「だいぶしんどいです。既に(真顔)」



提督「はっや。まだ2時間しか経ってないよ」



陽炎「だって処理しても処理しても、減ってる気がしないんだもん」ムスッ



提督「そんなに?」



陽炎「机から溢れそうなぐらい、とんでもない量だったわ」



提督「……まじかよ」



青葉「あー、いつもの就任祝いですか」



陽炎「? いつもの?」



青葉「秘書艦が代わるとですね、各部署から送られてくる書類が一気に増えるんですよ」



陽炎「えっ」



青葉「あれ、叢雲さんから聞きませんでした? 秘書艦交代時の恒例行事なんですが」



陽炎「は? 何ですかそれ。初耳ですよあたし」



青葉「おや。叢雲さんも意地が悪いですね〜」アハハ



陽炎(全然笑えないんですけど??)






40. 行動力に関してはピカイチ



叢雲「ああ、あれね。いわゆる就任祝いってやつよ、あんたの」コトッ ←朝餉の支度中



陽炎「書類の山で祝われたって、あたしちっとも嬉しくないんだけど」ジトメ



叢雲「まあ最悪、訓練関係と出撃関係の書類だけ目通しといてくれればいいから」



陽炎「……他のやつは?」



叢雲「事務方に回すなり、後回しにするなり。あんたのご自由に」



陽炎「え、本当にそれで大丈夫なの? 秘書艦に回ってきた書類なのに」



叢雲「そこはあんたの目を利かすのよ」スタスタ



陽炎「? どういうこと……?」



青葉「つまりですね、優先順位を決めろってことです」



陽炎「青葉さんには分かるんですか?」



青葉「事務仕事はよくお手伝いさせてもらってますからね」



青葉「どこかの誰かさんが引っ張り出されてる時は特に」チラ



提督(俺のことか)



※ 自覚はしてる模様。



陽炎「優先順位ね……なるほど」フム



陽炎「よし、ちょっと続きやってくる!」



青葉「えっ、もう直ぐ朝ご飯ですよ??」



陽炎「先に食べてて! あっ、あたしの分も残しといてよ!」タタタ



———パタン



青葉「ああ、行っちゃった……」



提督「てか陽炎の分もあんの? 朝飯」



青葉「あ、そういえば」



叢雲「あるわよ。一応4人分作っといたから」スタスタ



提督「おお、さすが」



叢雲「戻ってきたら渡してあげて」



叢雲「私この後直ぐ、陽炎の代わりに訓練出ないといけないから」



提督「あいよー」



青葉「了解です!」パクッ



提督「食べんの早えよお前」






41. 漂う出来る艦娘オーラ



提督「訓練て何するん」モグモグ



叢雲「ほら、この前新しい陣形の資料が大本営から届いたでしょ」ペラ



提督「ああ、あったな。そういえば」



青葉「青葉知ってますよ。確か警戒陣って名前でしたよね」



叢雲「そ。警戒陣を使った航行訓練を中心に、出来たら砲雷撃演習まで」ペラ



提督「結構ハードそうだな」



叢雲「そうでもないわよ。昼挟んでヒトゴーマルマルまでらしいし」ペラ



提督「いや、だいぶハードだろそれ」



青葉「さっすが叢雲さん」



青葉「神通さんの訓練をそうでもないなんて、他の駆逐艦の方が聞いたらひっくり返りますよ」



叢雲「そうねえ……体動かすの久々だから、鈍ってないといいんだけど」ペラ



提督「? さっきから何読んでんの」



叢雲「ん? 陽炎の訓練データ」ペラ



提督「訓練データ? なんで今?」



叢雲「いきなりいつもと違う動き方されちゃうと、不知火たちが困っちゃうでしょ」



叢雲「だから少しでも、陽炎の動き方を頭に入れとく必要があるのよ」



提督「あー、確かに」



青葉「あの、それって今見ただけで出来るものなんですか……?」



叢雲「そりゃ多少は違うところもあるけどね。でも、だいたいはリンクさせるつもりよ」



青葉「は、はあ……(困惑)」



青葉(普通ならそんな事、データ見ただけじゃ出来るわけないんですがね……)



※ 絶対に出来ないとは言っていない。



提督「てかわざわざ叢雲が行かなくてもさ、黒潮とか今フリーの子たち入れとけばよくね?」



叢雲「もう全員断られた。『訓練がしんどそうだから』って」



提督「えぇ、まじかよ……」






42. 要領よくこなすタイプ



ー 秘書艦室 ー



陽炎「これは訓練関係だからこっち。これも出撃と遠征関連だからこっちでっと」テキパキ



陽炎「ふぅ……お腹減った。これ持って行ったら1回戻ろ」



書類の山「」



陽炎「まったく、何が着任祝いよ。ただ面倒な事務仕事を押し付けてるだけじゃない」フン



コンコンコン



陽炎「どうぞー」



黒潮「うわ、ほんまに秘書艦やってるやんww」ガチャ



不知火「どうやら、サボってはないみたいですね」



陽炎「むっ……何よあんたたち。何か用?」



黒潮「別に用はないで。暇潰しに覗きに来ただけやからな」



不知火「不知火は演習場に行くついでに」



陽炎「演習場って。方向真逆なんですけど」



黒潮「うはー、何やこの紙の量。これ全部秘書艦の仕事なん?」



陽炎「弄らないでよ。今やっと仕分けが終わったところなんだから」



黒潮「ほーん。案外ちゃんとこなしてるんやねぇ」



不知火「マニュアル読み耽って寝坊した甲斐がありましたね」



陽炎「んもう、邪魔しに来たんなら出てってくれる?」キッ



黒潮「おー、怖い怖い。これは戦艦クラスの眼光やわ」ケラケラ



陽炎「はぁ……ていうか黒潮。あんた暇なら、あたしの代わりに十八駆入りなさいよ」



黒潮「叢雲にも言われたなぁそれ。もう断ったけど」



陽炎「そこは断らないでよ……」



不知火「因みになぜ断ったのですか?」



黒潮「だって、二水戦の訓練とか超しんどいやん」



黒潮「ウチそんなん耐えられへんもん」



陽炎・不知火「……」



※ 沈黙は肯定(定期)



陽炎「さ、さてと。ついでだし2人共、ちょっと手伝ってちょうだい」



不知火「あまり時間がかからない事なら」



黒潮「何のついでか分からへんけど……しゃあない、ウチも付き合ったるわ」



陽炎「ありがと。やっぱり持つべきものは優秀な妹たちね」スッ



陽炎「この書類を分担して、下まで運んで欲しいの」



書類の山「」デーン



不知火「これ全てですか?」



陽炎「そう。全部」



黒潮「え、これ全部処理済みやったん??」



陽炎「まさか。ざっと目通しただけよ」



陽炎「でもいいの。ちゃんと優先順位決めたから」



不知火「は、はあ……」



黒潮「単に自分でやるのが面倒くさいだけやろ(確信)」



・・・



陽炎「失礼しましたー」ガララ



陽炎「ふぅ、これでやっと朝ご飯食べられるわ……」



黒潮「何や、まだ食べてなかったん?」



陽炎「食べる前にどうしても片付けたかったのよ」



黒潮「ほーん」



不知火「しかしこの時間だと、食堂はもう昼まで開かないはずですが」



陽炎「叢雲が作ってくれてるから。それ食べる」



不知火「なるほど」



黒潮「なあ、ウチもこれから執務室行ってええ?」←唐突



陽炎「? 何で?」



黒潮「え、暇やから」



陽炎・不知火「……」



※ 若干イラっときてる模様 ↑



不知火「そんなに暇なら黒潮も、不知火と一緒に訓練受けてください」



黒潮「それは勘弁やわ。あの人の訓練は冗談抜きでしんど過ぎるもん」



陽炎「だからって執務室来ないでよ」



※ ぐう正論。



黒潮「ええやんか別に。司令はんなら絶対いいって言ってくれるよー?」



陽炎「……」



不知火「言うでしょうね。間違いなく」



陽炎「はぁ……」



不知火「不知火はそろそろ訓練の時間なので。これで失礼します」



陽炎「ん、頑張ってね」



不知火「陽炎も秘書艦業務、頑張って下さい」スタスタ



黒潮「大変やねえ、2人とも」



陽炎(後で十八駆に叢雲じゃなくて黒潮を入れるよう、司令に頼んでみよ)






43. 謎の安心感



ー 演習場 ー



叢雲「二水戦の訓練てやっぱ厳しいの?」



霞「厳しいなんてもんじゃないわよ。あの人、訓練中は一切容赦ないから」



霰「実戦の方が楽に感じるレベル……」



叢雲「へー、そんなに」



不知火「叢雲は神通さんの訓練は初めてでしたか」



叢雲「ええ。訓練は基本、受ける側じゃなくて教える側だからね」



不知火「た、確かに……そうでしたね」



霰「頼もしい……」ボソ



※ 漂う謎の貫禄。



霞「ふん、どうだか」



霞「ずっと執務室に篭ってて、体も鈍ってるんじゃないの?」



叢雲「それは否定出来ないわね。ここ最近ずっと書類整理に追われてたし」



叢雲「まあでも、多分大丈夫よ。多分」



霞「いや、多分じゃ困るんだけど」



不知火・霰「……」



不知火(何でしょうか、この謎の安心感は)



霰(やっぱり頼もしい……陽炎よりずっと……)



※ 陽炎をdisってるわけではありません。



・・・



神通「皆さんおはようございます」



二水戦s「「「おはようございます!!」」」ビシッ!



叢雲「おはよ。今日はよろしくね」



神通「いえ、こちらこそ」



神通「叢雲さんに満足していただける訓練が出来るよう、精一杯努めて参ります」ペコ



叢雲「別に普段通りでいいわよ。私も疲れちゃうし」



神通「またそんな、ご冗談を」フフフ



二水戦s「「「っ……」」」ゾクッ・・・



※ 嚮導艦の笑顔に、思わず身の毛がよだつ駆逐艦娘たちの図 ↑






44. いつもの執務室



陽炎(うっ、何か急に寒気が……)



陽炎「し、司令。これも後でハンコ押しといて」スッ



提督「んー」ポチポチ ←携帯弄り中



陽炎「……ねえ、さっきからずっと携帯弄ってるけど」



陽炎「司令の分の書類、まだ残ってるわよ?」



提督「うん、後でやるよ」



陽炎「後でって……」チラ



青葉「〜♪」カチャカチャ



黒潮「」zzZ



※ お気に入りのカメラを整備する者と、ソファーの上で爆睡する者の図 ↑



陽炎(何これ)



陽炎(これ絶対秘書艦の方が楽じゃないの。訓練でこんなこと考えられないんだけど)



※ あまりにも緩すぎる光景に、思わず言葉を失う秘書艦。



提督「? 何この申請書」スッ



陽炎「ああそれ。黒潮を叢雲の代わりに、十八駆に編成して欲しくて」



陽炎「別にいいでしょ?」



提督「あー……でも断ったんじゃなかったけ」



陽炎「訓練がしんどいっていう理由でね。黒潮も元は二水戦なのに」



提督「うーん、どうしようかな」



青葉「司令官的には、叢雲さんが側にいてくれた方がありがたいですよね」



青葉「仕事も捗りますし」カチャカチャ



提督「まあ……」



陽炎「むっ……あたしだって慣れればあれぐらいこなしてみせるわよ」ムッ



提督「おお、頼もしい」






45. いらぬ心配



陽炎「ていうか、あたしより叢雲の方が大変なんじゃない」カリカリ



提督「なんで?」ポン ←判子



陽炎「秘書艦業は慣れれば仕事も早く出来るようになるけど、訓練はそうはいかないもの」



提督「まあ……そうだね」



青葉「いやぁ、それこそいらぬ心配ですよ」カチャカチャ



陽炎「? どうしてですか?」



青葉「そりゃあもう、くぐり抜けて来た場数が違いますからね」



青葉「それに陽炎さんだって、叢雲さんの練度はご存じでしょう?」



陽炎「はい。特に大きな実力差は感じませんでしたが」



青葉「おっ、中々言いますね〜」カチャリ



提督(いつまでカメラ弄ってんだよ……)



・・・



※ 訓練開始から数刻後 ↓



ザァァァァァ



不知火「つ、次です。両舷前進第一戦速!」



叢雲「了解」



霞「霰、今度はちゃんとついて来てよ……」ゼェゼェ



霰「っ、ちょっと厳しい……かも……」フラ・・・



不知火「! あ、危なっ——」



バシャーン!!



霞「ちょ、あんたたち何やって……!」



叢雲「あらら。また派手にやったわね」



不知火・霰「……」ポタポタ



神通「はい、そこまでです。十八駆逐隊はこれより、10分間の休憩とします」



神通「次、第八駆逐隊」



朝潮「は、はい!」



不知火「っ……霰、怪我はありませんか」



霰「大丈夫……でも疲れた」ガクッ



霞「だ、だらしないわよ……たかだか2時間弱の、航行訓練ごときで……」



※ たかだか× 2時間も◎



叢雲「ほら、とりあえずこれで拭きなさい。そのままだと風邪引くわよ」スッ ←タオル



不知火「あ、ありがとうございます」



霰「……」グデー



叢雲「はぁ……霰、その帽子とって。拭いてあげるから」



霰「……感謝」



霞「他人の心配? 随分と余裕あるじゃないの」



叢雲「まあね」ゴシゴシ



霰「叢雲は疲れないの……?」



叢雲「疲れないわけないでしょ」



霰「えっ」



不知火「しかし不知火の目には、全く疲れてないように見えるのですが……」



叢雲「それは表に出してないだけ。本当はかなり疲れてる」



霞「いや、ちっともそうは見えないんだけど」



霰「やっぱり凄い……」



不知火「流石です」



霞「ま、まあこれぐらいやってくれないとね。他の艦娘に示しがつかないし」



叢雲「だから疲れてるってば(まだ余裕はあるけど)」






46. 尻上がりで辛くなる



陽炎「なんか、意外と楽ね。秘書艦の仕事って」カリカリ



提督「そう?」



陽炎「うん。訓練側だったら今頃、魚に餌あげてたかも」



提督「出たその言い方。おもろすぎだろ」



※ 通じる人には通じる言い回し。



陽炎「ほんと冗談抜きでキツいのよ。肉体的にも精神的にも」



陽炎「今日の訓練なんか特にそう。航行訓練はあの人、超真剣にやるからね」



提督「真面目だもんなぁ、神通さん」



陽炎「多分、今日はみんなヘトヘトで動けないんじゃないかしら」



提督「そんなにか……」



青葉「秘書艦の仕事もそんなに甘くないですよー、陽炎さん」カチャカチャ ←カメラ(定期)



陽炎「ええ、もちろん分かってます」



提督「いや、お前が言っても説得力なさすぎるわ」



コンコンコン ガチャ



大淀「失礼します、っと」



提督「あっ、お疲れっす」



陽炎「?!」



陽炎「あ、あの……もしかしてそれも……?」



大淀「はい。処理していただきたい書類の追加分です」ドサッ



書類の山「」\デーン/



陽炎「」←唖然(2回目)



提督「うっし、そろそろやるか」



大淀「お願いします。就任初日の陽炎さんには少し、荷が重いかもしれませんが……」



提督「大丈夫っすよ。最悪、青葉に手伝わさせるんで」



青葉「何で青葉が手伝う前提なんですかね……」






47. 何事も見極めが重要



ザァァァァ・・・



不知火「もし一発でも当たれば追加訓練ですからね。各自、死ぬ気で避けてください」



霞「ちっ、つくづく貧乏くじね……さっきからこっちばっか狙われてる」←下編成



叢雲「これも警戒陣の特徴ってわけね」←下編成②



※ 警戒陣は下に編成された艦が狙われやすくなります。



霰「……」グッ



不知火「霰、叢雲に寄りすぎです。もう少し離れてください」



霰「っ……ごめん」



ドンッ ドンッ!!



霞「ちょ、どんだけ私の方狙ってくんのよ!!」



叢雲「へえ、あの距離から夾叉弾か。さすが八駆、いい狙いしてるわね」



霞「感心してる場合じゃないんですけど?!」



霰(やっぱり叢雲の近くにいて正解……)



ヒュルルルル



霞「っ、このクズが!!」サッ



叢雲「おー、ナイス回避」



不知火「やりますね」



霰「……」パチパチ ←無言の拍手



霞「はぁ、はぁ、何で私ばっかり……」ゼェゼェ



スゥゥゥゥ・・・



叢雲「おっと、危ない危ない」サッ ←miss



不知火「! 酸素魚雷……いつの間に……」ゾク



霰「全然気が付かなかった……」



霞「わ、私も全く見えなかった。よく気が付いたわね今の」



叢雲「……」チラ



神通「……」ニコ



※ 無言の会話(矛盾)



叢雲「はぁ……確かにおっかないわね。あんたたちの嚮導艦」



他三人「「「??」」」






48. 駆逐艦とは



神通「流石ですね叢雲さん。あれに気が付くなんて」



神通「私なりに本気で撃ったはずなんですが」



叢雲「ったく、勘弁してよ。訓練用だって当たれば痛いんだから」



神通「申し訳ありません。つい身体が火照ってしまいました」フフフ



叢雲「はぁ……」



他三人「「「……」」」ポカーン



霞「あ、あの魚雷……神通さんのだったのね……」ゾワッ



不知火「なるほど。道理で不知火たちでは見えないはずです」



霰「でも、叢雲だけは見えてた……やっぱりすごい」



不知火「ええ。流石としか言いようがありません」



霞「……駆逐艦て何だっけ」



※ 各々の想像にお任せ致します。by提督






49. 能ある鷹は爪を隠す?



陽炎「……」ポカーン



青葉「すみません陽炎さん、そちらの書類取ってもらってもいいですか?」カタカタカタ ←高速タイピング



陽炎「へ? あ、はい。どうぞ」スッ



青葉「ありがとうございます」



青葉「司令官、今月の資材の収支報告書です。後で判子押しといてください」



提督「あ、うん。あざす」



陽炎「すごい、どんどん書類が減ってく……」



提督「これ夜までに普通に終わりそうやな」



青葉「青葉のおかげで」



提督「まあ……だな」



陽炎「青葉さんてこんなに仕事の出来る人だったんだ……」



陽炎「いつも執務室でだらけてるイメージしかなかったんだけど(ド直球)」



青葉「何ですかその勝手なイメージは……」



※ ほぼ合ってます。



陽炎「そっか。いつも執務室にいるのはこうやって、司令のお手伝いをするためだったのね」



青葉「あー……まあそれもありますね」



提督「いや、嘘乙だわ。俺がいる時は常時ゴロゴロしてるやんけ」



陽炎「えっ」



青葉「そ、それはあれですよ! 能ある鷹は爪を隠すってやつです!」



提督「何やねんそれ」






50. 中間報告



陽炎「はぁぁ……疲れたぁ」ゲンナリ



叢雲「あら、意外と進んでるじゃない。もっとペース遅いと思ってたんだけど」



陽炎「青葉さんが手伝ってくれたからね……ほんと助かったわ」グデー



青葉「司令官が新しいカメラを新調してくれるって言うので、致し方なく」



提督「おい、言ってねーぞ」



叢雲「ふーん……まあこの調子なら、手貸す必要もなさそうね」ペラ



提督「普通に終わるよ。てか訓練どうだったん?」



叢雲「ああ、案外楽しかったわよ。久しぶりに身体動かせたし」



提督「へー」



陽炎(神通さんの訓練が楽しいって、どんな感性してんのこの子)



※ 超真顔 ↑



叢雲「あんたたち昼餉は? もう済んだ?」



提督「いやまだ。さっきまでずっと書類整理してたし」



叢雲「了解。午後練まで時間あんまないから、昼餉はサンドイッチね」スタスタ



提督「うぃー」



陽炎「え、昼も叢雲が作るの?」



叢雲「? そうだけど」



青葉「あっ、青葉も手伝いまーす!」タタタ



提督「俺卵抜きでよろ」



陽炎「……」



陽炎(駆逐艦て何だっけ……?)



※ 各々の想像にお任せ致します(2回目)






51. 姉としての威厳



陽炎「ねえ、そっちは訓練どこまで進んだの?(このサンドイッチうっま)」モグモグ



叢雲「航行訓練はひと段落で、午後は砲雷撃訓練だって」



陽炎「へー、もう砲雷撃やるんだ」



陽炎「てっきり午後も航行訓練だと思ってたのに」



叢雲「あんたがいないから、気使ってくれたんじゃないの」



叢雲「私あくまでも臨時だし」



陽炎「うーん、ありがたいようなありがたくないような……」



青葉「司令官! 青葉こういうカメラが欲しいです!」スッ ←カタログ



提督「だから知らんて……」



黒潮「……んあ? 何やいい匂いが……」クンクン



黒潮「って、うちも食べる!!」バッ



叢雲「あ、起きた」



青葉「おはようございます。随分長いお昼寝でしたね」



黒潮「いやぁ、日頃の疲れが溜まってたもんで。ついな」アハハ



陽炎「……」ゴゴゴゴ ←無言の圧力



提督(うわー、めっちゃキレてるー)



・・・



黒潮「んっ、めっちゃ美味しいわこのサンドイッチ!」モグモグ



黒潮「これ全部叢雲が作ったん?」



叢雲「卵が入ってないやつは私」



青葉「入ってる方は青葉が作りましたー!」



黒潮「はー、2人とも料理上手やなぁ。磯風とは大違いや」



陽炎「あれは料理以前の問題でしょ」



提督(それは分かる気がする)