2018-01-21 04:02:56 更新

概要

嫌われ薬。使い古されたネタですが、提督に心理的作用が起こったら?と考え創作しました。


前書き

前半後半で構成が異なるので、最後まで目を通していただければ幸いです。


~1日目~


提督「ごちそうさま。いつも通りおいしいディナーだったよ。」


大和「良かったです。今日はもう執務も終了していますし、少し休まれますか?」


提督「そうしたい所だけど、書類をチェックするかな。たしか、大本営からの荷物と指令書があったはずだけど。」


大和「あの小包ですか。分かりました。持ってきますね。」


俺は提督。一応ここの泊地を預かっている。規模が大きくなってきたので最近は多忙気味だが、ケッコンカッコカリをした大和や、他の多くの艦娘が支えてくれているおかげで何とかやっていけている。


大和「提督、持ってきました、どうぞ。大和はちょっとおかたづけしてきますね。」


提督「ありがとう大和。書類に目を通したら、お互いちょっと休もう。えっと、なになに…」


~宛 ○○提督 ~

近時、疲労の蓄積により指揮を誤るもの多数に上るところ明白なり。よって、大本営としては薬剤を配布することによってこれに対処することとした。これを服用し、疲労回復、士気向上を図ることを厳命する。以上。

~発 大本営 ~


提督「なるほどねえ、中身はドリンク剤か。最近疲れ気味だったし早速飲むか。」


カチッ…ゴクゴク


提督「う~ん。苦いような、酸っぱいような、辛いような…不思議な味だな、これ。」


ポイッ…ガタン


ごみはきちんと捨てておく。大和に怒られるからな。


提督「さて、残りの書類は…おっ、次回作戦の概要書か。これは見ておかないといけないな。」


…チッチッチッカチッ ポッポー!


提督「…おっと。つい集中しすぎてしまった。もうこんな時間か。大和の様子でも見に行くか。」


私室から出て見ると、執務室の明かりがついている。きっと大和が使っているのだろう。そう思ってドアに手をかけたその時、中から涙声が聞こえてきた。


大和「もう限界なんですっ!武蔵には分からないんですよ!あいつなんかと一緒にいないといけない辛さが!」


武蔵「まあ、私が着任した時にはケッコンカッコカリさせられていたからな。もう少し早く着任できていればよかったんだが…クソッ!」


大和「この後だって…一緒に休憩しようって言われてて…なんで私ばっかりこんな目に合わないといけないのかしら…グスッ」


武蔵「安心しろ、大和。何かあったときはすぐ助けに行くさ。」


大和「絶対だからね、武蔵!お願いよ!」


…嘘だろ…大和がそんな風に思っていたなんて…いや、いい機会かもしれない。俺は大和の悲しむ顔なんて見たくないんだ。本気で嫌がられているならきちんと対処しなければ…

意を決して、ドアを開ける。


大和「提督。」


大和が声をかけてくる。嫌な相手に笑顔を見せるなんてつらいだろうに。


提督「…重要な書類があってな。時間がかかってしまってすまなかった。」


大和「いえ…お仕事お疲れさまでした。では少しお休みしましょうか。」


そう言われて、自分は泣きそうになった。大和はストレスを発散せずにため込んでしまうタイプだ。知っていたはずなのに、なんで気づいてやれなかったのだろう。そんな悔しさからくる涙だった。


大和「提督…?どうかなさいましたか?」


提督「いや…何でもない。武蔵。」


武蔵「…何だ、提督よ。」


提督「少し来てくれないか。話しておきたいことがあるんだ。」


武蔵「分かった。」


大和「提督。戻っていらっしゃったら、今度はお休みしましょうね。提督は最近お疲れのようですし。紅茶を淹れますのでリラックスしましょう。」


提督「ありがとう、大和。分かったよ、すぐ戻るから。」


今度こそ限界だった。自分は泣きながら執務室を出た。


武蔵「…提督よ。どうしたのだ?どこか痛い場所でもあるのか?」


提督「いや…痛い場所は特にない。」


武蔵「それならいいが…何かあったら相談しろよ。お前に何かあったら大和に殺される。私の姉は怖いからな。ハハハ!特に貴様のこととなると見境がなくなって困る!」


提督「(俺は、俺自身の手で自分を殺してしまいたい。大和にあんなに無理をさせていたなんて。)」


武蔵「何か言ったか?よく聞こえなかったが。」


提督「いや、何でもない。ところで最近、大和が無理をしているように見えてな。」


武蔵「そうか?普通だろう?特に変わった様子はないが。」


提督「いや、大和はため込むタイプだからな。俺に対して不平不満を言えていえず、ストレスをためているかもしれない。」


武蔵「提督よ、馬鹿にしているのか?大和が貴様に不満なんぞ抱いているはずないだろう。」


提督「とにかく、大和の相談に乗ってやってくれ。内容を報告してくれれば善処するから。頼んだぞ。」


俺はそう言うと、執務室に戻った。執務室で大和とお茶したが、無理している大和を思うと申し訳なく思い、早めに切り上げて寝ることにした。大和…今まで気づいてやれなくてすまなかったな。



~2日目~


大和「…さっさと起きてくださいよ。まったく。」


提督「…うん。おはよう、大和。」


大和「おはようございます。ご飯できてますから、さっさと食べてください。」


提督「ありがとう。ところで大和、その口調は?」


大和「もう我慢することは止めたんです。武蔵から聞きました。やっと気づいてくださったんですね。」


…大和、やっぱりか。嘘だと信じたかったが、現実は受け止めないとな。


大和「もう敬語なんて使う必要もないですね。おい、クズ。さっさと食えって言ったでしょう。ろくに仕事できないんだから、少しは他の時間削って仕事にあててください!」


提督「…」


そうだ、せめて仕事をしなければ。これ以上、大和や他の艦娘に迷惑はかけられないし。

そう思って仕事に打ち込むと、意外と集中して仕事に打ち込めた。こんな時でも大和はきちんと料理を作って出してくれた。いい艦娘と巡り会えたものだとこれほど感じたことはない。ただ、あれが大和の素なのだとすると、将来がちょっと心配だ。俺が提督を辞めても、新しい提督とうまくやっていってくれるだろうか?うまくいってほしいものだ。



~3日目~


大和「起きろよ、ゴミ。」


提督「…」


大和「今日は医者に診てもらいますから。クズがゴミだとちゃんと証明されないと、艦娘からクズを辞めさせられないんですよ。理不尽ですよねぇ。こっちはいつ轟沈させられたり、解体されるか分からない恐怖の中で毎日を生きてるのに。あァ!何とか言ってみたらどうですか、ゴミ!」


提督「…」


大和「本当に不愉快だわ…大体、ケッコンカッコカリだって、なんでこっちから断れない仕様なのよ!こんなゴミにプロポーズされて嫌じゃない奴なんていないでしょwww」


提督「…」


大和「まあいいや。提督じゃなくなれば、カッコカリは取り消されるみたいだし。汚点は一生残り続けるから、そこだけは我慢しなきゃいけないわね。クソがっ!」


提督「…」


大和「せめて他の奴ともすりゃいいのに、私としかケッコンカッコカリしないから、私だけが目立つじゃない!あァ!どうしてくれるの!?ゴミ!!」


提督「…なあ、大和。」


大和「うわwwwしゃべれたんだwwwキモいから声出さないでよwww」


提督「俺の退役で、何とかならないか?」


大和「ゴミはこれだから…お前は辞めることは決まってるの!そのうえで私は嘆いているの!分かる!?」


提督「…じゃあ、俺の命で償えないか?」


大和「…ゴミごときの命でこの大和様に償いができるとでも思ってるの?まあ、死んでくれればうれしいことには違いけどね!」


提督「…そうか。喜んでくれるなら、せめて最後くらいは…」


最後くらいは、大和を喜ばせて、笑顔を見たい…そう思ったとき、俺は自然とベット横の棚を開け、中からUSPを取り出し、頭に銃口を向けようとしていた。


大和「うわwww頭を真っ先に狙うとかwww痛みを耐える気概すらないのねwww」


大和はそう言って、USPを奪おうとしてくる。たしかにそうだ。俺も腐っても軍人の端くれ。せめて腹あたりににぶち込んで即死はしないようにしよう。

そう考え、俺は無理やりUSPを下に向け、体を下に滑り込ませて引き金を引いた。


バンッ!!!


大和「…………!!………!!!」


大和が何かを叫んでいる。よく聞き取れないが、なぜそんなに悲しそうな顔をしているのだろう?俺はただ、最後に…君の笑顔が…見たかった……だけなのに………


薄れゆく意識の中で最後に俺が考えていたのは、ただそんなことだった。




大和の日記①

 今日もいつも通り提督の秘書艦として執務に励みました。しかし、心配な点があります。提督が泣いていたんです。武蔵と話をするために廊下に出るとき、確かに泣いていらっしゃいました。お茶の時もずっと沈んだ顔をなさっていて、その後すぐお休みになってしまいました。

それと、武蔵が「提督の様子がおかしい、大和のことを心配していたようだが。」と伝えてくれました。大和、心配です。


大和の日記②

 今日は朝からずっと提督の様子がおかしかったです。突然口調がおかしいと言われましたし、(これに関しては、提督が心配で昨日あまり寝られなかったせいで本当におかしかった可能性があります。)慌ててどこかおかしいところがあったか聞いても無言で執務室に行かれてしまいますし。ご飯の時もずっと陰鬱とされていて、大和が話しかけてもずっと上の空でした。お仕事はいつも以上になさっていたのですが、様子がおかしいので、大和がお休みなさるように言っても聞いてくださりませんでした。

武蔵に相談したところ、「あの様子は尋常ではない。すぐに軍医を呼んで診察してもらおう。何かあってから後悔しても遅いからな。」と言われました。大和もそう思ったので軍医さんに連絡を取ったところ、今日は緊急の案件があるので行けないが、明日の朝一で行くとのことでした。これで一安心ですが、提督が心配なので、今日はこれから提督のお側で番をしようと思います。何かあったら…嫌ですからね。


大和の日記③

 非常事態につき最小限のことのみ記載。提督は一命をとりとめた。原因は解明中。軍医によると、何らかの薬による一時的な精神異常が疑われるとのこと。


大和の日記④

 提督は今も眠ったままだ。軍医によると、起きても通常は問題がないのだが、精神異常により自傷行為等を行う危険性があるので眠らせているとのこと。原因はゴミ箱の中にあったドリンク剤らしい。あれには大本営からの指令書が付属していたはずなので、直ちに大本営と連絡をとったところ、「そのような薬剤を配布したという記録はない。至急調査を行うので、しばし待て。」とのこと。埒が明かないので、書類を纏める仕事を普段している大淀さんと“お話合い”をした。大淀さんは突然泣き出して謝ってきたが、うるさいだけなので“黙らせた”。残っている部分で知っていることを“表現してもらった”所、どうやら夕張さんと明石さん、あと泊地外のある人の仕業だとか。知りたいことは知れたので、大淀さんには“魚と寝てもらった”。元が船なのでいい漁礁になれるだろう。


大和の日記⑤

 夕張さんは、もうダメなようだ。ただ、提督が盛られたお薬と同じものを“すぐには死なない程度に”打ち続けただけなのに。本当に艦娘の名折れだ。明石さんはお薬をメインで作った主犯格だから、特別に“処置”してあげた。ふふ、いつまでも“彼ら”と仲良くね、明石さん。

残った泊地外の人には“医者を送る”ことにした。私がやってもいいけど、提督の側から少しでも離れて、提督に万が一のことがあったら…

モウヒキカエセナクナルカラ……


大和の日記⑥

 提督が目を覚ましました!今日ほど神様に感謝した日はありません!提督は戸惑っていましたが、軍医さんと“大淀さん”“夕張さん”“明石さん”の説明を受けて納得していただけたようです。本当に良かったです。その上、提督から「少しでも大和を疑ってしまってすまなかった。これからもずっと側にいてほしい。もちろん、離れたかったら言ってくれ。」と言っていただけました。最後の一言は余計ですが、大和の心配をしてくださるそのお気持ちはうれしかったので、少し頭をなでていただいたかわりに許しました。これで、一件落着です!

これからも、ずっと提督の、あなたの側で、大和は頑張ります。だから提督、大和から離れちゃイヤデスヨ…。提督が側にいナイこトを考えルダけデも…ジブンヲ…オサエラレナクナリソウダカラ………。



~某所~


??「くそっ!こんなに早くばれるとはな!もう少しで実験結果の詳細データを手にいれられたのに!」


武蔵「ほう…そいつは残念だったな。」


??「だっ、誰だ!そこにいるのは!?」


武蔵「すまんな。私はまだ、命が惜しいんだ。」


??「ガッ!………」


武蔵「せめて苦しまないようにしてやった。感謝してくれよ?私も提督をあんな目に合わせたやつらは“大和がやったように”してやりたい所なんだ。」


??「………」


武蔵「ふむ。こいつのルートから、次にどこに“医者を送る”べきか報告しないとな。私の姉は怖いからな。ハハハ…提督のこととなると見境がなくなるから、な。」


~END~


後書き

一応、症状としては、幻聴、マイナス思考(小)→相手との意思疏通が困難になるような幻覚・幻聴、マイナス思考(大)→完全に意志疎通は出来ない、自殺衝動、という流れです。
ちなみに、私はケッコンカッコカリを大和としかしていません。165にできて良かったです。


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1: SS好きの名無しさん 2017-12-22 03:57:42 ID: wsZKWwti

スタミナドリンク怖いなあ。
それ以上にこんな怖い薬を配合できる
明石さんとヨドさんもヤバしw
副作用なしであんな回復力あり得んもんね。

2: SS好きの名無しさん 2018-02-17 02:47:57 ID: a_ibbenN

「明石」「大淀」「夕張」からの説明・・・あ・・・(目そらし

0000

3: SS好きの名無しさん 2018-04-01 18:41:44 ID: TQ9h-K5K

wwwをたとえssでも使わない方がいいかと

笑ってるような表現をうまく文章に起こせるようになってください


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