王「魔王討伐中の勇者を全力で引き止める」 賢者「ほう」
王「魔王討伐中の勇者を全力で引き止める」
賢者「ほう」
王「知恵を貸せ」
賢者「この禁断の知恵の実を300000000000ゴールドで譲ってやろう」
王「ただのリンゴじゃねーか」
賢者「お前も王ならたかだか3兆円くらい一括で払ってみせろ」
王「どこの国の通貨単位だよ」
賢者「で、なんでまた本物の自称勇者殿を無理に引き止めようとする」
王「あの勇者に惚れたからだ」
賢者「貴様との縁もこれまでだな。同性に興味があったとは」
王「いや、あの勇者は女だ。間違いない」
賢者「うそん?だって男物の服きてるじゃん」
王「いや、間違いなく女だ。川に溺れていた子供を助けて服を乾かしていたとき、あらわになった胸の膨らみはまごうことなきoπだった」
賢者「ほう。都合の良い場面に出くわしたものだな」
王「ああ。なにせ、あの糞餓鬼を蹴飛ばして川に入れたのは俺だからな」
賢者「そこに直れ。世のため人のため貴様を成敗してくれる」
王「というわけで、勇者どの。今夜はこの国の三大祭りの一つであるどっこい祭りがあるので参加するように」
勇者「はあ。分かりました(スポンサーには逆らえないし、仕方ないか)」
王「あと、この祭りはぶっちゃけたところ男女の清き交際の発展が趣旨のため、女の子の恰好で来るよーに」
勇者「え。僕がですが?」
王「そーです。服の代金はこちらが持つので好きな物を着るよーに」
勇者「……分かりました。けど、王様よく僕が女の子だってわかりましたね」
王「いやいや、一目でわかりますとも」
メイドEX「((昨日あんなにモヤモヤしてたくせに)」
メイドZO「(俺は男に興味を持ったのかと慌ててたくせに)」
王「さああて、そこのメイドゥたちよ、この華麗なる勇者に付き添って服のアドバイスをしてさしあげなさい。君たちも好きなの選んでいいから」
メイドEX&メイドZO「かしこまりました」
王「(そして、あの愚者賢者の行動指示書を破り捨て、メイドたちの不必要な防衛体制を轟沈させ、勇者と二人きりになることに成功したわけだが)」
王「どうですか、勇者。このお祭りは?」
勇者「ええ、とても楽しいです」
王「それはよかった(くう、黒を基調とした服装がなんともいえん)」
勇者「ところで、気になっていることがあるのですが」
王「ん?何かな?」
勇者「王様、僕」
王「(Oh!!いい雰囲気だし、きたこっれ!?)」
勇者「達のところに、大樽を片手に持ちながらお酒を飲んでこちらに近づいてくる異様に目立った人がこっちに」
王「え?」
兄者「よう弟。楽しんでるか?」
王「げ!?兄者なぜここに!?」
兄者「なんでって、そりゃお祭りだからだよ。ん?こちらの人は?」
勇者「はじめまして僕は」
王「俺の彼女さんだ!!」
兄者「なんと!!本当か?」
勇者「いえ、違います」
王「ちぇりお!!」
兄者「ああ!特性の酒樽コップが!?」
王「おおっと、兄者すまない、拳がすべった」
兄者「ああ!そちらの女性が!?」
王「え?」
勇者「ふにゃあああああああ。ひっくん」
王「というわけで、勇者は完璧に酔っぱらってしまって、メイドたちに保護されそのままお開き」
賢者「なんとも貴様らしい落ちだな」
王「五月蠅いやい」
賢者「で?勇者どのは?」
王「二日酔いで寝込んでる」
賢者「さてさて次回までに直るかな?」
王「前回は拳が滑ったせいで勇者を骨抜きにしてしまったぜ」
賢者「そのまま手を出せないところがお前らしいな」
王「というわけで、なにかお詫び品を持っていこうと思う」
賢者「そうか」
王「知恵を貸せ」
賢者「貸してください。お願いします超賢者様、だろ?」
王「自分で言っていて恥ずかしくねーの?」
賢者「餓鬼を蹴飛ばして川に溺れさせるよかは恥ずかしくないな」
王「帝王学というやつだよ」
賢者「(2x+1)+(3x-5)」
王「ちょっち待て。(2x+1)+(3x-5)
=2x+1+3x-5
=2x+3x+1-5
=5x-4。でどうだ」
賢者「ち。正解」
王「さて、見舞いの品であるこの黄金のリボンを購入したのはいいが」
メイドEX「お帰りください。ここは男性禁制の勇者様のお部屋の前です」
メイドZO「お通しするのは真の漢の方のみ。童貞王は一昨日来てください」
王「今度ダンディなおっさん戦士と少年僧侶を君たちに世話してもらおうと思っている」
メイドEX「申し訳ありません。勇者様のお世話に専念したいと思いますので」
メイドZO「辞退したいと思う所存です」
王「なん、だと?君たちホントにあのメイドゥさんたちなのかい?」
メイドEX「勇者様のまっすぐな勇者道に心揺り動かされました」
メイドZO「勇者様が旅立つ時、この城のお金を持ち出してついてゆこうと決心しかけています」
王「ぬう。さすがは勇者。メイドゥをここまで魅了するとは」
王「結局窓から入ることになってしまった」
王「だが、それも感謝せねばなるまい」
王「なぜなら、勇者の着替えを拝謁することができているのだから。」
王「ううむ。あの足の健康さ。とくに太ももからお尻の絶妙な艶と張り。お腹は腹筋が浮き出るほどの引き締まり。oπはさらしに圧迫されていたのかなんともかんともマダンテ級。そして勇者のフェイスがこちらを向く。うむ。やはり胸がときめいて」
勇者「縮地切り!!」
王「王様白刃どり!!」
勇者「王様。泊めていたことには感謝していますけど、これはさすがに看過できません」
王「申し訳ない。見舞いの品を持ってきたのだが、勇者のナイスボディに魅入ってしまった」
勇者「そうですか。では、このまま真っ二つにしますので、腹筋の記憶ごと忘れてください」
王「いやいや。その腹筋もまた実に魅力的だよ。こうしてまじかで君の裸を見ていると死にかけているのも本当にどうでも」
王「賢者が昔言ってたっけ。名探偵とかいう謎解きを主にする職業は、謎を解くとき、さて、から言い始めると」
王「さて、私は勇者とメイドゥたちに体を地面に埋められ、荒野のど真ん中に顔だけ出している」
王「眼前には腹を空かした狼たちが迫ってきている。この状況はなぜか」
王「答え。私が勇者の裸を脳裏に刻みこんだからだ」
狼たち「「「ぐるるるるるるるるうる」
王「死は怖くない。だが死までに苦痛が怖いのだ。だがしかし、男の矜持に悔いは無し。喰らってみせろ!!!犬畜生どもがあああ!!」
狼たち「「「!?きゃおん!きゃおん!!」」」
王「?なんだ、どうした」
兄者「弟よ、いったいそんなところでなにをやっている?」
王「おお。兄者こそそんなでっかい一角獣に跨ってなにしてるのよ?」
兄者「下町の町人母が病気でな。賢者に直すには一角獣の涙が必要と言われたから高き森に行って連れてきた」
王「さよで」
王「というわけで、九死に一生を得ることができた」
賢者「兄者も愚弟には甘いことよの」
王「ま、そのおかげで勇者のあの姿を保持したまま戻ってこれたわけだ」
賢者「好感度はがた落ちだがな」
王「………言うなよ」
賢者「次回も骨が折れそうだ」
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