森久保は見た
机の下でひっそりポエムを書いていた乃々。そんな乃々に気付かず事務所を訪れるアイドルたちが繰り広げる愛憎入り乱れるドラマとは…?
どうなる森久保!どうする森久保ォ!!
100%コメディでいきたいと思います。
過度なキャラ崩壊、アイドルには不適切な表現など多々ありますのでご注意ください。
乃々(どうも、森久保です。)
乃々(突然ですが…)
まゆ「うふふ…李衣菜ちゃんは私と愛しあうんですよ。」
みく「こんな女よりみくの方が大切だよね?」
李衣菜「」
乃々「大ピンチですけどぉ」
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...
乃々(今朝事務所に立ち寄ると森久保一人だったので、机の下でひっそりとポエムを創っていたら、とんでもない展開になっていました…)
乃々(このままじゃ出るに出られないんですけど…)
キャビネットカタカタ
乃々「ッ!!?」
乃々(机の下のキャビネットが勝手に揺れ始めたんですけど!)
キャビネットコンコンコン
乃々(中に誰か…いるんですか…?)
乃々「…」キャビネットヲヒラク
凛「ん…おはよう、乃々」
乃々「」
凛「ん~、ふふっ…今日もかわいいね。肩甲骨舐めていい?」
乃々「…嫌ですけど…あの、どうして凛さん がキャビネットの中に?」
凛「こうすれば狭い机の下でも乃々の邪魔をせずに側にいられるでしょ?」
乃々「発想がとびすぎててついていけないんですけど…そもそもキャビネットに高校生が入れるんですか?」
凛「両腕と両脚の間接を外せばね。」
乃々「」
凛「おかげで入ったはいいけど出られなくて、ほんとにたすかっ…乃々待って閉めないで。」
乃々「夢に出てきそうなので出来れば見なかったことにしたいんですけど…」
凛「ここで閉めたら夢枕に立つから。」
乃々「脅し方から既に死の臭いを感じるんですけど…」
ー救出したしぶりんの関節組立中ー
乃々「いつから入ってたんですか?」グイグイ
凛「昨日の晩からかな。乃々を喜ばせようと思って。驚いた?」バキッペキッ
乃々「意識が飛びかけた程度には驚きましたよ。嬉しくはないですけど…」グニグニ
凛「出られないことに気づいたときは焦ったけど、乃々なら見つけ出してくれるって信じてたよ。」ゴリッゴキキッ
乃々「既に机の下に潜って三時間経つんですけど…その信頼はどこから…ん?」グーイ
乃々「じゃあ凛さんは昨日からずっとここにいたんですか?」
凛「そうだよ。」
乃々「森久保が朝来た時からここにいたと?」
凛「そうだね。乃々がポエムを書いて自分で読んでた時も、私のソロ曲を鼻唄で唄ってた時もずっと。」バキッメキャッヨシナオッタ!
乃々「///」プシュウウ
凛「愛らしさに三回はイッちゃったよ。下着の代えあるかな?」
乃々「そう言いながら森久保のパンツを脱がせようとするのはやめてくださいぃ」
凛「それにしても、なんでまゆとみくは睨みあってるの?ただならぬ空気だけど。」
森久保「実は…」
~回想~
乃々「ずっとフーフフン♪そうフーフフン♪あのばーしょへー♪」
乃々(今日は静かですね。最近は机の下のお友だちも増えて楽しいですが、たまにはこういった一人の時間も…)
ガチャッ
乃々(誰か来ました…)「あ、おはようござ…」
李衣菜「話を聞いてってば!」
みく「いーや!今回ばかりは許さないにゃ!この浮気者!」
乃々(!?)
みく「みくという大切なパートナーがありながら…ありながら…」
みく「まゆちゃんと…キ、キスするなんて!」
乃々(キキキ、キス!?)
李衣菜「誤解だってば!まだキスした訳じゃ…」
みく「まだ?」
李衣菜「いや…その…」
みく「言い逃れはできないにゃ!見たんだから!廊下の隅でリーナちゃんがまゆちゃんの顎を持ち上げて覆い被さるようにく、唇を…///」
李衣菜「だからあれは演技で…」
ガチャッ
まゆ「うふふ…李衣菜ちゃん、やっと見つけました。みくちゃに追いかけられていきなり走っていってしまうから、探すのに苦労しましたよ。」
みく「っ!!」
李衣菜「あぁちょうどよかった、まゆちゃからも言ってあげてよ、あれは演技だったって…」
まゆ「さぁ、さっきの続きをしましょう。李衣菜ちゃんが強引に私の唇を奪ってお互いの舌を絡ませながら身体を擦り付け合うところからですよ。」ハァハァ
李衣菜「!??」
みく「…ほう」
乃々(な、ななななななな!?)
まゆ「さぁさぁ!」
李衣菜「ちょっと待って!壁ドン顎クイからキスのフリだけだって話じゃ!?」
まゆ「うふふ…李衣菜ちゃんから襲ってきたんじゃないですか。まゆの腕を強引につかんで物陰まで連れていかれて…」
みく「…ほんまか?」
李衣菜「設定!そういう設定だから!!」
まゆ「さぁ、余計な邪魔が入りましたけど、気にせずに続けましょう!」ジリジリ
李衣菜「いや、さすがに演技でそこまでは…」
みく「待つのにゃ!」
まゆ「…なんですか?邪魔をしないでもらいたいんですが。」ギロッ
みく「いーや!みくのパートナーに勝手な真似をさせるわけにはいかないにゃ!」
李衣菜「…みくちゃん」
みく「リーナちゃんとベロチューしながら身体を貪りあっていいのはみくだけにゃ!!」
李衣菜「みくちゃん!?」
乃々(し、修羅場ですけど…)
まゆ「うふふふふ…笑えない冗談ですね。」
乃々(本当に、目だけが笑ってません。)
みく「リーナちゃんはみくと一緒にデビューして頑張ってきた相棒にゃ!このみくを差し置いてリーナちゃんとイチャコラするなんて許さないにゃ!」
まゆ「…まゆだって、李衣菜ちゃんとは同じユニットで活動しています。」
みく「*の方が付き合い長いにゃ!」
まゆ「でも昨日の晩に解散してましたよね?」
みく「再結成したの!!」
まゆ「まゆなら、解散なんてことにはならないですから。まゆは李衣菜ちゃんの全てを受け入れられますよ?さぁ、首輪を使ってご主人様とペットの主従プレイの続きをしましょう。」
李衣菜「さっきと注文変わってない!?」
みく「~~~っ!!みくだってリーナちゃんの事は理解しているにゃ!リーナちゃんに喜んで貰いたくてロックの勉強も始めて、ついにはリーナちゃんのにわか知識では追い付けないくらいに見識を深めたのにゃ!」
李衣菜「うん…ほんと複雑だよ…」
まゆ「うふふ…ロックの知識がついたからってなんなんですか?そもそも李衣菜ちゃん本人がほとんどロックを理解していないから意味無いですよ?」
李衣菜「…あれ?なんか私ディスられてる?」
みく「確かにリーナちゃんはロックだロックだって言うだけで、ギターも弾けないし音楽についても知ったかぶりだし…」
李衣菜「やめて」
みく「頭の中はパッションな上に新しい衣装でステージに立つ度にファンの皆から『やっぱキュートだわ』とか言われるなんちゃってクールアイドルだけど…」
李衣菜「ねぇ、ほんとに…」
みく「本物が弾けないから代わりにエアギターを練習してたら肩を痛めちゃってレッスンを休むはめになりトレーナーさんにこっぴどく叱られるくらい一生懸命な子なのにゃ!」
李衣菜「やめろおおぉぉぉ!!」
乃々(南無…)
まゆ「ふふ…さすがはみくちゃん。李衣菜ちゃんを理解しているというのは本当のようですね。」
李衣菜「二人とも私への認識そんな感じなの!?私なんちゃってクールなの!!?」
まゆ「…そもそも李衣菜ちゃんの気持ちはどうなんですか?」
李衣菜「えっ?」
みく「そうにゃ!リーナちゃんはみくとまゆちゃん、どっちをとるの?」
李衣菜「いや、ちょっと…」
まゆ「李衣菜ちゃんの気持ちを…」ジリジリ
みく「聞かせるのにゃ」ジリジリ
李衣菜「ひぃぃぃ!」
乃々(あわ、あわわわわわわ)
~回想終了~
凛「…長いね。」
乃々「張り詰めた空気の中、森久保は出るに出られず、閉じ込められて…」
凛「難しい問題だね。」
乃々「ち、痴情の縺れというやつですけど…」
凛「李衣菜とまゆならどっちがペットなんだろう…」
乃々「今の話で問題になるのそこなんですか!?」
凛「あ、私と乃々なら私がペットかな。」
乃々「む、むぅーりぃー…」
みく「そもそもリーナちゃんがハッキリしないのがいけないにゃ!」
李衣菜「私!?」
まゆ「そうですよ。李衣菜ちゃんはいたるところで女の子を誘惑しすぎです。」
李衣菜「そ、そんなことは…」
みく「例えば加蓮ちゃんとか!会うたびに『最近の李衣菜はどうなの?』とか『李衣菜の好きなものは何かな?』とか、李衣菜ちゃんの話ばっかりにゃ。いつの間にたらしこんだのにゃ!」
李衣菜「私そんなストーキング紛いのことされてるの!?」
まゆ「智絵里ちゃんも『李衣菜ちゃんに日頃のお世話として四つ葉のクローバーをプレゼントするんだ』って、もう三日三晩寝ずに土手を徘徊しているんですよ?」
李衣菜「愛が重いよ!誰でもいいから止めてあげてよ!」
まゆ「恋する乙女は盲目らしいですよ?まゆにはわかりませんが。」
李衣菜「…まゆちゃんを見てたら確かにわかる気がする。」
みく「答えるのにゃ!リーナちゃんはいったい…」
まゆ「…誰の彼氏になるんですか?」
李衣菜「いや、私は女なんだけど…」
みく「さぁ!」
まゆ「さぁさぁ」
李衣菜「ひぇぇ…」
乃々(も、縺れすぎてついていけませんけどぉ…)
ガチャッ
凛「誰か来たね。」
夏樹「おう、おはよ…って、お前らなにやってるんだ?」
李衣菜「なつきち!」パァア
みく「丁度いいのにゃ。リーナちゃんに相応しいのはどっちかなつきちゃんに聞いてみるにゃ!」
まゆ「李衣菜ちゃんはまゆとみくちゃん、どっちの彼氏だと思いますか?」
李衣菜「ちょっと!?」
乃々「か、確信に迫りましたね。」
凛「さぁ、どう答える?」
夏樹「…お前ら何言ってるんだ?だりーが彼氏だとかなんとかって。」
李衣菜「そうだよ!私は別に誰かのものとかじゃなくて…きゃっ!」グイッ
夏樹「だりーは『あたしの女』…だろ?」リーナノカタヲダキナガラ
みく・まゆ「「!!?」」
乃々「か、かっこいい…」
夏樹「…だりーが行きたいって言ってた今日のライブチケットが手に入ったんだ。バイク乗せてやるからさ、一緒に行かないか?」
李衣菜「……………はい♥️」キューン
みく・まゆ「「」」
乃々「これは、完全に恋する乙女の顔ですね…」
凛「実際に目がハートになってる人初めて見たよ。」
夏樹「そういうわけでお二人さん、だりーはあたしとデートなんで、失礼させてもらうよ。」
ガチャッ…バタン
乃々「か、肩を抱いたまま颯爽と去っていきました。男前過ぎるんですけど…」
凛「みくもまゆも固まって動かないね。」
まゆ「…ふふ、うふふふ。」
まゆ「さすがは夏樹さん…よほどロックな死に方がご所望のようですね。」
みく「鳥が猫を怒らせるとどうなるか、教えてやるのにゃ。…待てやぁ!このトサカ頭あぁぁ!!!」
ガチャッドタドタドタギャーギャー
乃々「お、鬼のような形相で追いかけていきましたね…怖いんですけどぉ…」
凛「言うまでもないけど私は乃々一筋だから、心配しないで。」
乃々「聞いてないですし、むしろ不安が募るんですけど…」
凛「ともあれ…やっと二人きりになれたね…ふふっ。」
乃々「…もう修羅場は去ったので森久保は失礼したいんですけ…ぴゃっ!抱きつかないで欲しいんですけどぉぉお!」
凛「逃がさないよ。この時をずっと待ってたんだから…キャビネットの中でね。」
乃々「自業自得じゃないですかぁ!」
ガチャッ
乃々(!?)
凛「また誰か来たね。」
菜々「ふ~、事務所に到着しました。おや?誰もいないんですか?」
乃々(よかった、さっきの二人じゃない。)
乃々「別に菜々さんなら隠れる必要もないので森久保は外に…」
菜々「誰もいないなら元の姿になっても大丈夫そうですね。」ピョコン
乃々(!!?)
乃々(菜々さんの頭から、う、兎の耳が…!?)
菜々「ふぃ~、耳を隠すのには慣れましたけど、やっぱり元の姿が一番くつろげますねぇ。」
菜々「いけないいけない、ウサミン星から地球にやってきて暫く経ちますけど、菜々が『本物のウサミン星人』だってことはまだバレてませんし、気を抜かないようにしなくちゃ!」
乃々(え、ええっ?、ええええっ!?)
凛「驚いたね。」
乃々「き、驚愕の真実ですけど…」
凛「バレてないと思っていたなんて。」
乃々「えぇ!?凛さんは知っていたんですか?」
凛「前にも耳を出現させたのを見たことがあって、卯月や未央に言っても『そういう設定なんだね』って信じてもらえなくて、ずっと黙ってたんだけど。」
乃々「つまり自分の本性を、キャラとして演じている様に見せることで、正体を隠していたんですか…策士すぎですけど…」
凛「でも私に見られたくらいだし、他にも気づいた人はいると思うんだけど…」
タッタッタッガチャッ
仁奈「おはよーごぜーます!」
菜々「!!」
仁奈「あ、菜々おねーさん!おはよーごぜーます!」
菜々「お、おはよう仁奈ちゃん。」ピョコピョコ
仁奈「あー!菜々おねーさん兎さんの耳付けてやがるですね。ウサミンの気持ちでごぜーますか?」
菜々「そ、そうなんですよ~。これはウサミンに必要なアイテムで…」
仁奈「になもウサミンの気持ちになりてーですよ!貸してくだせー!」ガシッ
菜々「あっ、ちょっと!」
仁奈「あったかくてふわふわだー!…なかなかとれねーですね。」ニギニギ
耳「」ピクピク
仁奈「………ほ、ほんものだあ。」
菜々「」
仁奈「すげーですよ!ほんものの兎さんの耳が付いてやがりますよ!もしかして菜々おねーさんは…」
菜々「ハートウェーブ!!」ピリピリーン
仁奈「ぐがああああああああ!!!」バリバリバリ
乃々(!?)
菜々「ふぅ、見られてしまっては仕方がありませんね。記憶消去ビームは出来るだけ使いたくなかったのですが…」
乃々(ハ、ハートウェーブってそんな物騒な効果があったんですか!?)
凛「なるほどね。気づかれた時はああして記憶を消すことで秘密を守ってたんだね。」
ヒョコヒョコ
乃々「菜々さんの元に何かが…あれは…ヒョウくん?」
菜々「おや、ヒョウさん…」
ヒョウくん「…」
菜々「…いえ、今は二人だけですから、ヒョウ中将と呼びましょうか。」
ヒョウ「ご無沙汰しております、姫様。」
乃々(し、喋ったあああああ!!?)
凛「驚いたね。アイドルですらまだ声帯の実装されてない娘がたくさんいるのに…」
乃々「そ、そういうメタ発言しちゃうんですね…」
凛「今更でしょ?」
ヒョウ「姫様、どうかお気をつけください。室内とはいえ誰がいつ入ってくるか分かりませんので。」
菜々「す、すみません。」
ヒョウ「姫様がこの地球でアイドルを続けられるのも、ウサミン星の存在を地球人に知られないようにという、お父上…ウサミン星の星王様との約束を守ることが条件なのです。」
菜々「…そうですね。アイドルとしてもっと人気者になるまで、まだ地球で頑張りたいですから。」
ヒョウ「…分かっていただけているのならよいのです。これからもウサミン星王室近衛隊の一兵士として御身をお守りさせていただきます。」
菜々「頼りにしていますね。」
乃々「もう話の規模がコスモ過ぎて頭がパンクしそうですけど…ムリくぼてすけどぉ…」
凛「ヒョウくんって結構偉い人だったんだね。いや、人じゃないけど。」
ヒョウ「今回のように思わぬ事故で気づかれてしまった場合は仕方ありませんが、ハートウェーブは出力を間違えれば消す必要のない記憶まで抹消してしまいます。くれぐれも多用は避けられるように。」
菜々「そうですね。茜ちゃんの時みたいになると困りますし…」
乃々「あ、茜さんに何があったんですか!?」
ヒョウ「茜さまが一週間ほど記憶が飛んでいてもさして気になさらない天真爛漫なお方だったのが幸いでしたね。」
乃々「ハートウェーブめちゃめちゃ危ないんですけど…!?」
凛「…ハートウェーブを使えるようになれば、乃々にあんなことやこんなことをしても記憶から消して…合法になる?」ブツブツ
乃々「何怖いこと考えてるんですかぁ!それよりまずいんですけど…。凛さんが菜々さんの正体を知っていることがばれたらあのビームを食らってしまうんじゃ…」アワアワ
凛「例え記憶を消されても…乃々のことは、魂が覚えてるから。」グッ
乃々「いや、ここでそんなかっこいいこと言われても…」
菜々「はっ、そろそろレッスンの時間です!こうしてはいられません。」
ヒョウ「行ってらっしゃいませ。」
菜々「はい!…ウサミン星の姫から、アイドルウサミンへメルヘンチェンジです!行ってきます!」タッタッタッ
ヒョウ「…」ヒョコヒョコ
乃々「ふ、二人とも行ってしまいましたね…気絶した仁奈ちゃんを抱えて。」
凛「小春もウサミン星の関係者なのかな…。他にもウサミン星からやって来た人がいたりして…」
乃々「もう深く考えたくないんですけど…」
ガチャッ
凛「また誰か来たね。」
乃々「もう、これ以上の衝撃展開は、むぅーりぃー…」
幸子「おはよーございます!カワイイボクが帰ってきま…おや?誰もいないんですか?」
乃々「さ、幸子ちゃんでしたか…」
凛「そういえば、早朝からバラエティの撮影があるって言ってたな。」
乃々「幸子ちゃんなら、さっきみたいなトンデモ展開にはならないと思いますし、ずっと抱きつかれて暑苦しいのでそろそろ机から出たいんですけど…」
凛「ん~、あと五時間。」
乃々「そんな『あと五分寝かせて』みたいなテンションで言われても…」
幸子「ふ~ん、誰もいないんですね。」
テクテク ボフッ
乃々(クッションを抱えてソファにうつ伏せになってしまいましたね。)
幸子「…クは……イイ…」
乃々「?」
幸子「ボクはカワイイボクはカワイイボクはカワイイボクはカワイイボクはカワイイボクはカワイイボクはカワイイボクはカワイイボクはカワイイボクはカワイイボクはカワイイボクはカワイイボクはカワイイ…」ブツブツ
乃々「」
幸子「そうです、ボクはカワイイんです。今日の撮影で『公園で捕まえた蛙を自分で調理して食べよう選手権』とかいうどこに需要があるのか分からない頭のおかしい企画にボクが選ばれたのもカワイイボクが映れば蛙だらけの画面が華やかになるからで、けっして世間からの認識が崖っぷちのバラドル幸子になっているなんてことはありません…」ブツブツ
乃々「…幸子ちゃん…朝からそんな撮影をしてたんですか…」ガクガク
凛「アイドルがチャレンジしていいギリギリのラインだね。」
幸子「…前の撮影現場で別事務所のタレントさんから『あの輿水幸子とかいうアイドルウザくない?キャラ作るのに必死になってバカみたいwww』と陰口を叩かれていたのもボクのカワいさに嫉妬してしまったが故の一時的なもので、皆が皆ボクに対してそんな感情を抱いているわけではないんです…きっと…」
幸子「ボクはカワイイから、これからもアイドルとして、ファンの皆さんに…え、笑顔を…グスッ……ウゥ…ウゥゥ……」
乃々(もう見ていられないんですけどぉ!!)
凛「…とりあえずここ最近幸子が共演したタレントから、陰口叩いたやつを炙り出して私から報復しておくよ。」
乃々「もう少し穏便にすませられないんですか!?」
幸子「ゥゥ…グスッ…ハァ…一人で泣いたらスッキリしました。こんなところ他の人には見せられませんからね。」
乃々(バッチリ見ちゃったんですけど…)
幸子「午後からのお仕事は…キンチョールのCM撮影ですか…カワイイボクならどんな仕事でもこなして見せますよ!」タッタッタッ
乃々「」
凛「行っちゃったね。でもよかったね、ウサミン事案みたいな非現実的な話じゃなくて。」
乃々「現実的過ぎるんですけど…」
凛「今度二人で幸子にそれとなくフォロー入れてあげよっか。」
乃々「…はい。」
つづく
未完
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