2017-08-29 00:12:25 更新

概要

続きです


穂乃果「……ガッシュベル?」(バトルの感想とリクくれたら嬉しいです)

の続きです


どなたかURLの貼り方教えてください

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



穂乃果「あでっ!」ドサッ


凛「にゃぁぁ!!」ドサッ


穂乃果「うぶっ」


花陽「ピャァ!」ドサッ


穂乃果凛「ぎゃぁぁ!!!」


花陽「そ、そんな叫び声あげなくても……!!!」ガーン


にこ「綺麗なところね」キョロ


絵里「……ここは?」


真姫「神殿?……古い石造の建物……?」


(原作の石版魔物と闘った建物です)


希「ほへー……」キョロキョロ


穂乃果「あれ?海未ちゃんとことりちゃんは?」


にこ「いいえって押したんじゃない?」


絵里「ちょっと勿体無い気もするけどね」


凛「それはそうと……」







凛「真っ姫ちゃ〜ん!!」ガバッ


真姫「ヴェェェェ!!!」


穂乃果「ここって何!?新ステージ?」


希「確かに、気になるやん?」


真姫「………知らない」


花陽「……へ?」


真姫「だから知らないのよ」


にこ「は?それってどういう……








「説明しよう!」





ドガァァァン!!!!!



上空から何かが降ってきた…….


いや、降りてきた



絵里「こいつって確か……」


花陽「……デモルトです。石版の魔物との戦いではボス的なポジションに位置し、あの時点では実力ナンバーワンの可能性もあった超強力な魔物です」


にこ「でもこれ……」


凛「なんかゴツくないかにゃ……?」




「やあやあ君達」ヒョコッ


デモルトの頭にフードを被った男が現れた




「説明しよう!」

凛「二回言ったにゃ」





「………」ゴホン


「ここは新ステージ、だが今までと決定的に違うのは死んでも復活しない。その意味は各自で考えることだ」


「これは余談だが君たちの頭に被せられたヘルメットには特殊な機能が付いていて、君たちがゲームオーバーになった時に作動する」


「幸運を祈る」スゥ


そう言い残した男は空間に溶けるようにして消えてしまった




絵里「なかなか面白いことを考えるわね真姫」


真姫「こんなの……」











真姫「こんなの知らない!!」


真姫「今日の日のためにこのゲームのことは研究し尽くした!このゲームのことならパパよりも詳しいってぐらい……」


真姫「でも、こんなの見たことない!」


花陽「それじゃあ……本当に?」


にこ「ま……まっさか〜!」ガッ


真姫の肩に手を回しながら言う


にこ「そんなことあるわけないじゃない、ねえ?真姫」


真姫「……そうよ、そんなこと法律上できるわけない……」


真姫「何より作ったのはウチなんだから……パパがそんなことするはずない!」


希「そ、そうやんな〜!」

(イヤな感じってこれか……)


穂乃果「とにかく!倒しちゃえば一件落着だよ!」


絵里「そうね、もう時間も遅いだろうし早く倒して終わりましょう」


真姫「………!!」ピッピ


真姫「……そうね、いくわよ」


にこ「!!」


にこ「危ない!!」ドッ


真姫「うぐっ……!」


真姫「なにする……








ドガァァァァァァァァァ!!!!!!









「きゃぁぁぁぁぁ!!!」


穂乃果「みんな無事!?」


花陽「!!にこちゃんが……!!」


真姫「私を……助けて……?」


真姫「今、助けに……」フラ


希「危ない!!」ガシッ


真姫「離して!私なら……!!」

(ゲーム強制終了ボタンが消えてた……まさかと思うけど、最悪の状況もありえる……!!)







ドガァァァァ!!!!


強烈な二撃目がスクールアイドル部部長、矢澤にこを襲う








真姫「にこちゃん!!」



にこ「あ〜……0になっちゃったわ」ボロボロボロ


にこ「あんた達、負けんじゃないわよ!」ボロボロボロボロ


絵里「…なにあれ?体が崩れてくみたいに」


凛「……あんな負け方だったっけ?」


真姫「いや……私がにこちゃんを倒した時は薄くなって消えていくような感じだった……」


穂乃果「じゃあ……本当に?」


花陽「いや……いやぁぁぁぁぁ!!!!!」バッ


花陽はあまりの恐怖にうずくまってしまった


無理もない、まだほんの16歳


死への恐怖が身体中を支配してしまった


デモルト「グオオオオオ!!!!」


絵里「みんな避けて!」


凛「かよちん!!早く……!!」

(ヤバイ………もう、当たーー




「バベルガグラビドン!!」




ドガァァァ!!



デモルトの拳は凛と花陽に到達する前に地面に叩きつけられた


希「凛……ちゃん、早く……花陽ちゃんを……」グググググ


希「腕一本抑えるだけでも……長くは……もたへん」グググググ


凛「うん!かよちん、捕まって」スッ


花陽「ご、ごめんね……」ガクガク

(また……足手まといだ……)


凛「……よし!」ガシッ


ダッ



希 フッ







デモルト「」プルプルプル













ゴギャァァァァァァァァ!!!!!!!!!









ビリビリビリ!!


凛「あ……足が……」ガクガク


穂乃果「ファ……イト…だよぉ」ガクガク


花陽「………!!」ガタガタガタガタ


絵里「フーッ……」ポタッ ポタッ


希「くぅ……」ビリビリ














「ディオギコルギドルク」






真姫「……っさいのよ」



ブワァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!



デモルト「グォオ!?」パキパキ


冷気がデモルトを襲い、氷で包まれていく


デモルト「グルォォ」バキバキィ パラパラ


「ゼモルク」










穂乃果「呪文!?あの魔物喋れるの!?」


絵里「いや、あの魔物が唱えたんじゃないわ」


希「おそらくさっきのフードの男がどっかから唱えとるんやろね」


凛「姿見えないにゃー…」











真姫「遅いのよ」バババババッ



華麗に軽やかに、そう、まるで蝶が舞うかのごとく攻撃を避ける



真姫「よくも……よくもにこちゃんを……!!!」



ドスッ!!



パキパキパキパキパキパキパキパキ



ツノで胴体を突き刺し、凍らせにかかる



絵里「!真姫!!危ない!」




デモルト「ゴォォ!!」


ガシッ


真姫「ッチ!離しなさいよ!」グググ






デモルト「グォォォ!!!」ブンッ




花陽(怖い……けど!!)


花陽(真姫ちゃんが死ぬのはイヤだ!!)




「セ、セウシル!!」




ゴシャッ バリィィン!!!


真姫「」ドサリ




辛うじて真姫を包み壁への直撃防いだが、それでも受けたダメージは計り知れず、そのまま気を失ってしまった



花陽「真、真姫ちゃん!!」

(助け……られなかった…)



絵里「ナイスよ花陽、直撃だったらヤバかったかも」



花陽(慰めてくれてるのかな……)


花陽(でも今のは確かにガードしてなかったら死んでたかもしれない)


花陽「助け……られた?」ポツリ







希「敵の興味もこっちに向いてる、あそこから動かさん方がいいかもね」


絵里「固まってたらいい的だわ、ばらけましょう」


穂乃果「うぇえ!?危なくない?」


希「離れててもお互いサポートすることを心がけることやね」


凛「うん……」


絵里「さあみんな!いくわよ!!」


「了解!!」バッ








穂乃果「はぁぁ!!」


「バルバロスソルドン!」



「ラギアントジゼモルク」


ガッ!!


穂乃果「な…!?」

(防御呪文でもないのに防がれた……)


絵里「小技はほとんど効かないわ!単調にならないよう注意しながら上級呪文中心に戦いましょう!」



「レドルク」



凛「にゃにゃにゃ〜!!」


「ロウフォウディバウレン!!」

(目を潰せば…!)


ガッ


惜しくも目には当たらず顔に少し傷をつけただけだった


そして今の凛の状況はというと


凛 ヒュー……


攻撃のために空中に飛び出したため、完全に無防備な状態であった


カチャリ


冷静に凛へラギアントジゼモルクを向けるデモルト


凛(まずい!!)


凛「希ちゃぁぁぁん!!!」


希「わかっとるよぉ〜!!」


「マキシマム」


「グラビレイ」


凛「うぐっ」グンッ


ブゥゥゥン!!!!


凛の頭上を凄まじい威力の攻撃が通り過ぎる


凛「ありがとー希ちゃん!!」


希「早く体制整えや!!」


デモルト「グルルルル……」







絵里「上ばっかり見てて大丈夫かしら?」


「バオウクロウディスグルグ!」


ガシッ グイィ!!


デモルトの足首を掴み、全力で引っ張った


デモルト「グルォ!?」グラッ



「ビドムグラビレイ」


頭に重心を合わせ、デモルトを仰向けに倒れるように地面へと引っ張った





ドガァァァァ!!!


綺麗に仰向けに倒れたところに攻撃を畳み掛ける


希「いくで穂乃果ちゃん!!」


穂乃果「いつでもいいよ!」




「ギャンバギャムソルドン!!」


「バベルガグラビドン!!」

















ドゴォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!















ギャンバギャムソルドンの振り下ろされる力に超重力の相乗効果だ


ただで済むような攻撃ではない


ないはずだった





「ヘデュンゼモルク」






ドゴオォォォォ!!!!!









倒れたところに畳みかけようとしていた凛がこれを真正面から食らってしまう



凛「ウグゥッ…….」ドサッ



凛(マズイ……マズイマズイマズイ……)


凛(ダメージもらいすぎた……)


凛(動け…ない………)


凛(どうしようどうしようどうしよう…………なんか泣けてきた………)グスッ













「サイフォジオ」ファンファンファンファン






凛「助かったぁぁ!!!」ガバッ


凛「ありがとかよちん!!結構ヤバかったにゃ」


花陽「ううん、花陽にはこれぐらいしかできないから……」

(何もできなくて後で後悔するぐらいなら……できることはやっておきたい…!!)


凛「そんなこと…!!」


希「2人とも後ろ!」





「リゴンゼモルク」






ガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!!!



「キャァァァァア!!!」


ただ手に持った棒を振り回すだけという手当たり次第の攻撃に、全員が地に伏す羽目となった







ブゥン!!


土煙で周りが見えない中、デモルトは迷いなく棍棒を振り下ろした




ガキィィン!!!!




突如巨大な防御呪文が出現した


チャージルセシルドンだ


先ほどの回復を見て、花陽がキーマンだということに気がついたようだ



「オルダゼモルク」



ガガガガガガガ!!!!



それでも割れない、それほどまでに花陽の意思は固かった


花陽は自分の役割をしっかりと理解していた


だからこそここで自分がいなくなったら戦況が苦しくなることもわかっていた


戦い当初はあれほどひ弱だった少女がこれほどまで強くなったのだ


このメンタルの進歩は呪文の強化に比例する



「ラギアントジゼモルク」


「マキシマム」


ドゴオォォォォォォォ!!!!!!


バキバキバキ



盾は半壊し、壊れるのは時間の問題に見えた









が、







スゥゥゥゥゥ



まるで壊れていたのが嘘のようにヒビは跡形も無くなっていた


花陽「ここで花陽が負けちゃんたら、絵里ちゃんが死んじゃいますから」


絵里「うぅぅ………」


そう、花陽の後ろにはダメージを負った絵里がいたのだ


花陽「絶対に……大事な人は傷つけさせません!!!!」


仲間を守る意思が強ければ強いほど盾は効果を増す


「マキシマム」ドゴオォォォォ!!!!

「マキシマム」ドゴオォォォォ!!!!

「マキシマム」ドゴオォォォォ!!!!

「マキシマム」ドゴオォォォォ!!!!

「マキシマム」ドゴオォォォォ!!!!

「マキシマム」ガチリッ



花陽「!!」ババッ


「サイフォジオ」




デモルトが弾切れを起こしたことを瞬時に察し、回復呪文へと移った



スゥゥゥゥゥ



絵里「ん……んぅ?」


花陽「あ、絵里ちゃん気がついたんだね。よかった〜!」


絵里「!!」


「ラウザルク!!!」


花陽「ムグゥ!?」





ドゴオォォォォ!!!!




先ほどまで2人がいた場所が粉々に崩れていた


花陽「ありがとう絵里ちゃん…」


絵里「それはこっちのセリフよ、ありがとう花陽」


花陽「あ、あっちに行ってもらってもいい?」











希「いや〜助かったよ〜ありがと!」


花陽「凛ちゃんは大丈夫そうだね!」


凛「運が良かったにゃー!」


花陽「それで、あの……真姫ちゃんを回復しに行きたいんですけど……」


絵里「ああ、真姫ならあっちに




「うわあああああああ!!!!!」


「サイフォジオ」


サクッ


穂乃果「あ、ありがと花陽ちゃん……」スゥゥゥゥゥ


絵里「穂乃果!!」


穂乃果「は、はいぃ!!」


絵里「今回は助かったから良かったものの……1人で戦っちゃダメでしょ!!」


穂乃果「はーい……」ショボン


希「まあまあ、ところでエリチ」


希「敵さん腕振り上げてるけどどないしよ……」







絵里「ばらけて!」バッ


バッ






ドガァァァァ!!!!!!





「ディオエムルゼモルク」






絵里「足元の地面を狙って!」


凛「くらえ!!」


「ロウフォウディバウレン!」


ガッ!!


デモルト「ァァア?」グラッ


凛の攻撃によって足元を破壊されたデモルトはいとも簡単にバランスを崩す


絵里「ザグルゼム!」


ボフッ


絵里(原作ではこの術で倒した……この通りやればいけるはず……!!)


希「!?うぉぉぁあ!?」バッ


「ディオガグラビドン!!」





ドバァァァン!!!



希「っぐぅ……」ドサッ


デモルト「グルゥゥ……」フラッ


デモルト「!」チラッ



バランスを崩したデモルトの攻撃が運悪く希の方へ向かい、突然の出来事で反応が遅れた希はとっさに攻撃を試みるも、術の威力に押し負け地面に倒れこんだ


デモルト ニタァ



「ゼモルク」


絵里(ここに来てまた速さ優先の呪文!?)


希(間に合わん……!!)バッ




シュバッ!



穂乃果「大丈夫!?花陽ちゃんの所に…」


希「穂乃果ちゃん、惚れそう……」キュン


穂乃果「そんなこと言う暇があるなら余裕だね」


穂乃果「!?」キキッ



ドガァァァァ!!



デモルトが立ちふさがる


どうやら怪我人を花陽の所へは行かせまいとしているようだ


穂乃果「受けて立つよ!穂乃果今日いいとこ無しなんだからぁ!!!」バッ



「ウルソルド!」


バッバッバッバッ


「リゴンゼモルク!」


デモルト「グルゥア!!!」ブンッ


穂乃果「フッ!」バッ


「ジャンジソルドン!」


ガッ!!


デモルト「ガァァ!!」ブンッ


穂乃果「ンッ!!」ヒョイ


希「すっごい……」

(穂乃果ちゃんあんなに強かったんや……)


希(でも……)


穂乃果(無差別攻撃よりは避けれる……けど)




((決定打がない!!!))




デモルト「ウガァ!」ブンッ


穂乃果「……」


希「え、ちょ……!?」

(当たる当たる当たる!?)


ボフゥン!


穂乃果の姿は煙となって消えた


希(相変わらずタイミングうまいなぁ)ホッ





デモルト「??」キョロキョロ


穂乃果(千載一遇のチャンス!!)タッタッタッ


穂乃果は幻を目隠しに敵の肩口まで登りつめていた


穂乃果「決める!」


「ヴォルセレオズマール……


デモルト「!?」ブンブン


穂乃果「ひゃあわぁ!?」ヒュー



穂乃果の存在に気づいたデモルトは慌てて体を振り、穂乃果を振り落とした



穂乃果「っく!」ゴロゴロ


辛うじて受け身を取りダメージを抑えた


デモルト「ウガァア!!」ゴォォォ


倒れた穂乃果に殴りかかる


穂乃果「くぅ……!」クラクラ


穂乃果はまだ構えられていない


と言うよりまだ気づいてすらいない


絵里「うちのリーダーはそんなに安く売ってないわよ」


「マーズジケルドン」



デモルト「!?」ピタッ



凛「さっさと離れるにゃー!!」


「ラオウディバウレン!!」


デモルト「ゴギャァァァ!!」ドサァ




絵里「危なかったわね」


穂乃果「結局いいとこなしだよぉ〜!」


花陽「か、かっこよかったよ!」アセアセ


希「そうそううちもうメロメロに……





「ラギアントジゼモルク」



デモルト「アアアアアア!!!!」




「マキシマム!」ガン!

「マキシマム!」ガン!

「マキシマム!」ドゴォ!

「マキシマム!」グシャァ!

「マキシマム!」ガン!





モクモクモクモク



凛「うぅぅ……」ザザザ

(あっぶなかったぁー!!)


ハッ


凛「か、かよちん!!」


凛「みんな、大丈夫!?」





シーーン




凛「み、みんな?」ゾクッ


デモルト ヌッ


ブンッ












「マセシルド!」


ドゴォ


ピシピシ


バキィン!!!



花陽「きゃぁぁ!!」ドサッ


凛「うわぁぁ!?」ドサッ










花陽「凛ちゃん大丈夫!?」


凛「あ、ありがとかよちん……」








凛「……やるしかないよね!!」バッ



花陽「う、うん!」

(心の力がもう結構少ない……大丈夫かな)



「ディオエムルゼモルク」




花陽「任せて!」バッ


「チャージルセシルドン!」


ドッ!


花陽「っ……ぐぐぐぐ!!」


ビキ……ビキビキビキ!


花陽「そ、そんな……」


花陽「ごめん凛ちゃん!今のうちに行って!」


凛「う、うん!」バッ





バキィン!!!!!


花陽「きゃぁぁ!!!」ドサリ


凛「かよちんに何するにゃぁ!!」


「ロウフォウディバウレン!」


右手を構え真っ直ぐ立てに振り下ろす


デモルト「ゴギャ!!」ブンッ


特に効いている様子はない


「レドルク」


間一髪敵の攻撃を避ける


「ガーフォウディバウレン!」


今度は敵の顎目掛けて振り上げる


デモルト「ガフゥ!?」ヨロッ


凛(効いてる!?)


「ディオレドルク!」ゴガァ!!


今がチャンスと考え攻撃を畳み掛ける


それが命取りだった


デモルト ガシッ


凛「え?」












花陽「ま……まって……!!」ヨロッ









ドガァァァ!!!!!!!















花陽「そ、なぁ……」ウルッ


花陽「り……り、ん……ちゃぁ、ん!」ポロポロポロ


デモルト ズン ズン ズン ズン


悲しみにくれる間も無く無情にも敵は迫って来る


「ゼモルク」


「マ………セシルド」


バキィン



花陽 ドサッ

(凛ちゃんが死んじゃったら……私、どうすればいいの?)












ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

凛(かよちんはねー!すっごく強いんだよ!)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



花陽「!!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

花陽(そ、そんなことないよぉ〜)アセアセ


凛(凛がスカート履いてバカにされた時、凛より怖い顔してたんだよ〜!)


凛(こぉーんなに目つり上がってて〜!)


凛(あんなかよちん初めて見たにゃ!)


花陽(そ、そんな顔してないよぉ〜)アワワワ


花陽(それに……結局何もできなかったし……)


真姫(直接的な強さじゃなくても、人のためにそれだけ怒れるっていうのもまた、強いってことなんじゃない?)


花陽(そう……かなぁ…)


真姫(その気持ち、大事にしなさいよ)


花陽(う、うん……)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


花陽「」キッ


花陽(ごめんね凛ちゃん、思い出したよ)


「見てて」















「チャージルサイフォドン!!」















花陽「……にこちゃん」

消える寸前のにこが映し出される


花陽「真姫ちゃん……」

倒れている真姫が映し出される


花陽「みんな……」

傷ついてボロボロの穂乃果、絵里、希が映し出される


花陽「…………………凛ちゃん………」ポロポロ


チャージルサイフォドン ポロポロ

ギシャァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!


チャージルサイフォドンは術者の怒りに呼応する呪文


だが、本来ここまで強大になることはない


この呪文の威力はそのまま花陽の心の悲鳴でもあった





花陽「あああああああああ!!!!!」ブンッ



デモルト「ォ……グォア!!!!!」バッ












ドゴオォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!















花陽「ッハァ……ハァ……」フラッ


もう歩く気力すらない


全てをぶつけたその攻撃はきちんと敵へと直撃した


花陽「…………なんで?」ヘナヘナ


デモルト「グルルルル」ズン ズン


ツノは両側とも折れ、体も傷だらけではあったが未だ倒せてはいなかった





デモルト「ガァァ!!」ブンッ


花陽「こんなの……もう……」














「無理だよ……」ポツリ














「ゴライオウディバウレン!!!!」


デモルト「ガァァ!?」ドサッ










花陽「……………」


花陽「……凛……ちゃん?」


凛「か〜よちん!よく頑張ったね」ナデナデ


花陽「凛ちゃん凛ちゃん凛ちゃん……」


花陽「凛ちゃん……」ダキッ


花陽(凛ちゃんだ……ほんとのほんとに……)


花陽「う……うぇ……ふぐぅぅぅぅ……-!!!」ポロポロポロポロ


花陽「あぁぁぁぁぁ………!!」ポロポロポロ


花陽「よかった……!よかったよぉ……」ギュゥゥ


花陽「そうだ!早く回復しないと……」パッ


凛「今回は死ぬかと思ったにゃー………」スッ


花陽「じゃあいくよ!」



「サイフォジ




ゴシャッ



凛「………は」



















突如振り下ろされた右腕、それに全てが奪われた














凛「か、かよち〜ん!」


凛「かくれんぼかにゃ?」


凛「も〜!今そんな場合じゃないにゃ〜!!」


凛「………」





ズズズズズ


ゆっくりと腕が持ち上げられていく






凛「ねぇかよちん」






ズズズズズズ






凛「もーいーかい」





ズズズズズズ





そこにあったのは





凛「…………………」





…………そこには何もなかった





凛「かよちん………」


凛「さっきまで一緒にいたのに……」


凛「さっきまで抱きしめてたのに……」


凛「さっきまで………」


凛「笑ってたのにぃ……」ポロポロポロ


凛「うぇ………ああぁぉぁぁ………!!」ポロポロ


凛 キッ








凛「あああああああああ!!!!!!」ダッ


凛「お前が!!」ゲシッ


凛「お前のせいで!!!」ボコッ


凛「返して!!!」バキッ


凛「返してよぉ……!!」ポロポロポロ








ドガッ








凛「うぐっ……!」ドサッ


凛「…………」


凛「………なんか」


凛「………もう」


凛「どうでもいいや」










「ラオウディバウレン」











デモルト「ゴギャァ!」ドサッ


デモルト ガバッ


「オルガゼモルク」




「レドルク」シュババッ



ガガガガガガガガ!!!!!





凛「」タッタッタッタッタッ


タッ


敵の目の前へと飛んだ




「ゴライオウディバウレン」



デモルト「グギィ!!」グググググ


凛の呪文と取っ組み合う形になるがわずかに押されているようだ


凛「ぐ……ぐぅぅぅぅぅ!!!」グググググ




デモルト「グゥゥ……!!」プルプルプル



凛 「あああああああああああ!!!!!!!」






ドガァァァァ!!!!!!!!














凛「はぁ……はぉ……はぁ……」




デモルト「グゥゥ……」パラパラ







「リゴンゼモルク」



デモルト「グアアァァ!!!」ブンッ


すくい上げるように振り抜いた




「レドルク」


タッ


凛「!?」


ドゴオォォ!!!!



ダンッ!!! パラパラパラ



デモルトの呪文によって後方の壁へと叩きつけられた



凛「な、なんで……」

(術が発動してない……!!)


ズシン



凛「あぁそっか……」



ズシン



凛「心の力が切れただけか……」



ズシン



凛「………もう直ぐ凛もそっちにいくよ…」



ズシン



凛「…………かよちん」



ズン












絵里「凛!!!」ザッ


希「凛ちゃん!!」


穂乃果「凛ちぁん!!!」




凛「みんな……」




絵里「希!やるわよ!」


希「任せて!」バッ


穂乃果「穂乃果も!」バッ















「やめて!!!」














凛「やめて………」





絵里「………凛?」









凛「かよちんね………死んじゃったの………」





絵里「!!」


希「そん…な」サァ


穂乃果「う……そ」ウルッ




凛「だからもういいや」



絵里「何バカなこと言ってるの!!希!いくわよ!」


希 ガタガタガタガタ


絵里「希!?」




普段の言動からしてわかりにくいが、彼女は本来繊細で臆病なのだ


大切な友人を再び失ったことにより、死の恐怖に陥ってしまったのだ




凛「助けなくていいから…最後にこれだけ……」







デモルト グググググ














「穂乃果ちゃん、μ'sに誘ってくれてありがとう」


「凛ね……………
















世界でイッチバン幸せだった!」ニコッ






ドガァァァァ!!!!!!

















絵里「り………!!あ……ああぁぁああ!!!!」ボロボロボロボロ


希「い、や………いやぁぁぁぁ!!!」ガタガタ


穂乃果「あり、が……と、って……」ポロポロ


穂乃果「こっちのセリフだよ……」ポロポロ













(ふむ、思ったよりも時間がかかるな……)



(少しペースを上げるか)







ブゥン



穂乃果「…………」ズビッ


穂乃果「!!」ハッ


穂乃果「あいつは!」






フード「だいぶお疲れのようだね」


希「………」


目から光は抜け落ち、体を小さく丸めて座っていた







絵里「早く私たちを解放しなさい!!」


フード「そう急かさなくとも……」チラッ

(時間がないな………)





フード「君たちには申し訳ないが、仕上げに入らせてもらう」


穂乃果「仕上げ?」


絵里「何をする気?」





フード「こうするのさ」







「ギルガドムバルスルク」




デモルト「グ……グァ……ァァァ……!!」



メキメキメキメキメキメキメキメキ!!














デモルト「アアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」ビリビリビリビリビリビリ













三人「!?」ビリビリビリビリ

(今までにない威圧感……)




絵里「これは……禁呪ね……!」


フード「最初は使う気などこれっぽっちもなかったが少々予定が狂ってな」


フード「行け、デモルト」スゥ




そう言ってフードの男は消えていった









希 ガタガタガタガタ


絵里「希……は無理そうね……」


絵里「穂乃果!行ける?」


穂乃果「行けるよ」




デモルト「あとはお前達だけだな」





穂乃果「んん!?」ビクッ


穂乃果「び、びっくりしたぁ〜……」


絵里「やっぱり……話せるのね」






デモルト「たった三人で何ができる」ブンッ



絵里「よけて!」





バッ





穂乃果「!!希ちゃん!!」


絵里「な……!?」

(あの子避けようともしない気!?)


(今から助けに……いや、もう私は飛んでしまってる)


(何か……なんでもいいから希を……)













(駄目、間に合わない……!!)











ドンッ





「まったく……面倒な人ね」














希「な……んで……?」ドサッ







絵里「真姫!!」


穂乃果「真姫ちゃん!!」









真姫「がんばんなさいよ」ヒラヒラ




ドガァァァァ!!!!

















ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

訳がわからなかった


今まで一緒に頑張ってきた仲間達が次々と死んでいった


今まで友達らしい友達がいなかった自分にとってみんなのことが宝物のように大事だった


そんな宝物がもう半数近く壊れてしまった


友達を失う苦しみとはこんなにも酷いものなのか


それとも彼女達だったからなのか


もう、どっちでもよかった


いっそ楽にしてくれ


次の攻撃で死のう


そう決めていた


だから避けようともしなかった


【ああ、これで終わる】


安堵にも似た感情が全身を包み込む


そんな私の前に突然現れたのは随分と丸くなった一年生の一匹オオカミ


西木野真姫


正直


好かれてはいないだろうなと思っていた


それを承知でちょっかいをかけたり、お節介を焼いたりした


その度に返してくれるそっけない反応が少しづつ柔らかくなっていくのが、壁がなくなっていくのが嬉しかった


それを指摘してやるとまた拗ねたようにそっぽを向く


そんな可愛くも面倒臭い後輩が命をかけて自分を助けた


世の中に自分の命より赤の他人の命を取る人が何人いるだろうか


自分にはそれほどの価値があったのだろうか



真姫『がんばんなさいよ』



あんなにみっともない姿を晒しても迷わず背中を押してくれた後輩が眩しかった


【このままじゃ終われない】


自然と出てきた言葉に思いの外スッキリした



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



デモルト「まだ生きていたか、あの子娘」


デモルト「まあはじめに1人突っ込んできた時同様大したことはなかったがな」


デモルト「他に葬った三人のようにお前達もすぐに葬り去ってやろう」ハッハッハッ!!









「あんまり喋ると舌噛むで?」










「アイアングラビレイ」





デモルト「ガッハッハッハ……ベハァ!?」ガチン


デモルト「アアアアアア!!!」ブシュゥ









「ザグルゼム!」



ドォン!






絵里「よし!」


絵里「希!もう大丈夫なの?」


希「うん、多分大丈夫」


希「ごめんなぁ迷惑かけて」


穂乃果「早く倒しちゃおう!」


穂乃果「希ちゃんがいれば百人力だよ!」


絵里「あら〜?それは私じゃ頼りないってことかしら?」


穂乃果「い、いや………!そ、そういう訳じゃないんだよ絵里ちゃん!?」アセアセ


希「あっはっは!2人はこんな状況でもいつも通りやね」


絵里「とまあ冗談はこの辺にして、希」


希「ん?」


絵里「理想としてはあと2,3発ほど当てたいんだけど……」


希「そういうことか……うん」


希「そういうことならウチにも考えがあるんよ」


穂乃果「???」キョトン

ナンノハナシヲシテルンダロウ


絵里「頼もしいわね、副会長」クスクス


希「もう……ちゃかさんと!」


希「でもその前に……大事なこと聞いてもいい?」


絵里「?ええ……」


希「これができなかったらこの作戦は成立せん」


絵里「………」ゴクリ


希「エリチ………」
















「ジェットコースター乗れる?」




絵里「………は?」


穂乃果「………?」キョトン







穂乃果「あ、わかった!」


穂乃果『この戦いが終わったら一緒に遊園地にいこうぜ』


穂乃果「ってやつでしょ?」


普段より低い声色ですっかり役になりきっている


絵里「希、気持ちは嬉しいけど今はそれどころじゃないのよ………」


絵里「ごめんなさい……」


希「なんでウチが振られたみたいになってるん?」







希「じゃなくて!激しい上下運動大丈夫か聞いてるんよ!」


絵里「は、激しい上下運動!?////」ビクッ


穂乃果「希ちゃん……いくら切羽詰まってるからって今するべきことじゃないよ……」


希「おいエセロシアとほのまん」


穂乃果「ほのまんは悪くないよ!?」ガビーン





絵里「コホン……つまり気分が悪くならないかってことね?」


希「そうゆう事」


穂乃果「なぁんだ!最初からそう言ってよぉ〜」


希「ウチはずっとそのつもりやったけどね」





絵里「そういう事なら大丈夫よ」


絵里「昔亜里沙と一日中グルグルバットしてたから」


穂乃果「あ〜、やるやる」


絵里「亜里沙の初ハラショーはその時だったわ………」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


亜里沙(地球が回ってるよ……助けて……お姉ちゃん……)フラフラ


亜里沙(お姉ちゃん……もうだめ………)


亜里沙(ハラショォォォオオロロロロロ!!!!)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


穂乃果「私もそれでめちゃめちゃ気分悪くなったんだよね……」


穂乃果「今じゃバット見ただけで気分悪くなるし」


希「ごめん、話戻すな?」








希「で、話戻すけど」


希「ウチがエリチを重力で攻撃当たらんように操作するからその間にアレを当てて欲しい」


希「だいぶ上下左右に振られると思うから頑張ってな」


絵里「なるほど、そのためのジェットコースターだったわけね」


希「そういう事」


絵里「そうだ希」


希「ん?」


絵里「この戦いが終わったら一緒に遊園地行きましょ」


希「なんでわざわざフラグ立てたん?」







穂乃果「ねぇねぇ穂乃果は?」


希「穂乃果ちゃんはエリチに攻撃ができるだけいかんように邪魔して欲しいんよ」


穂乃果「囮って事?」


希「まあ言い換えると………」


希「でもウチもしっかりフォローするから!ね!」アセアセ


穂乃果「信じてるよ、希ちゃん!」


穂乃果「それで、帰ったらほのまん一緒に食べようね!」


希「………頭痛くなってきた……」





希「それじゃあ敵さんも落ち着いてきたみたいやし行こか」


絵里「任せて」ダッ


穂乃果「行くよ!」ダッ




























目が覚めた


ああ、私吹き飛ばされたんだなと思い出した


ゲームだから痛みはない


違うところがズキズキ痛む


失ってからそのものの大切さがわかると言うが


今まさに痛感しているところだ


やたらと私に突っかかって来る小さな先輩


小さいくせに言うこと態度は大きくて


見かけによらず大人びていて


でも私にとってはその辺にいるアイドルより輝いて見えた


「…あなたは私にとって大切な人だったのね」


もちろんμ'sメンバーはみんな大切だ


抜け殻だった自分を


最後の悪足掻きのように音楽を捨てきれない私を拾ってくれた


大切な人たち


もちろん、口には出さないけどね


『グォォォォォォォォ!!!!!!!』


突然の咆哮に驚いて振り向くと


明らかにバージョンアップしたデモルトがいた


手を振り下ろそうとしてるのにただ1人、動こうとしていない人がいた


怯えている?


いや、諦めている


「まったく、あなたが死んだら誰が穂乃果と絵里を助けるのよ」


……2人?


凛と花陽は?


………ギリッ


歯を食いしばったって何も変わらない


私じゃあいつを倒せない


サポートならあのスピリチュアルな先輩の方が向いている


ならばすることは1つだ


今から向かってもギリギリだろう


死ぬかもしれない


それでも


もともと動くマネキンのように過ごすはずだった高校生活


もう十分楽しませてもらった


悔いはない


「ゴウギドルク」


ダッダッダッダッダッ


間に合う


でもやっぱりギリギリ


どちらかは助からない


私が止まれば私は生き残る


『真姫ちゃんはめんどうな人やなぁ〜』


どっちが


後輩にここまでやらせるなんて…….


ありがたく思いなさいよ


いつも人を小馬鹿にした態度をとるくせに


ふとした瞬間、寂しそうに目を伏せる


………ほんっとうに


「まったく………めんどうな人ね」


ドカッ


思い切り突き飛ばしてやった


今まで見たことがないような顔をしていた


「………、………?」


何か言っているようだがよく聞こえなかった


「……!!」


「………………!!!!」


遠くからも何か聞こえる


聞こえない


聞こえない


手が振り下ろされてくる


当たる


死ぬ


私は死ぬ


怖い


死にたくない














にゃーんにゃーんにゃー!


真姫ちゃん!










凛、花陽………



そうよね




私たち一年生


可愛い可愛い後輩がやられたっていうのに諦めるんじゃないわよ


……あとにこちゃんも


…………


最後なんて言おう…….


ありがとう?


楽しかった?


死にたくない?


フフフ


残った人にかける言葉なんてこれしかないわよね


「がんばんなさいよ」


ウルッ


マズイ


泣けてきた


もう限界かしら


じゃあね


……………幸せ……だったと思う



ゴシャァ















希「エリチ後ろ!」


絵里「わたったぁ!?」バッ


希「穂乃果ちゃん足元!」


穂乃果「うん!」



「ジャンジソルド!」


ドガァァァァ!



デモルト「!」グラァ



デモルト「ウガァァァ!!!!」ブンッ



「バベルガグラビドン!」


ズンッ


デモルト「グルゥゥゥ………!!」グググググ


デモルト「小賢しい!」バッ




希「きゃっ!」ヒュッ


ドガァ


呪文を破られた衝撃波で壁へと吹き飛ばされる



デモルト「まずはお前からだ」ズンズン


希「く……あぁ!!」ググ


穂乃果「させないよ!」バッ


高速で壁を駆け上がり敵の目前へと迫る


「ギャンバギャムソルドン!」


デモルト「フン!」ガシッ


穂乃果「はえ?」


バキバキバキ


まるで枯れ木のように穂乃果の上級呪文を握りつぶした


希「穂乃果ちゃん!」


「ボルツグラビレイ!」


穂乃果「私の呪文〜……」シクシク


デモルト「逃がさん!」バッ


希(くっ……!!敵も重力を利用して…)


希(追いつかれる……!!)


絵里「かしこいかわいい?」









「エリーチカァァァァァ!!!!!」ガシッ



ドゴォォォォオ!!!!



デモルト「ギャァァァ!!」


あともう少しで捕まるというところで敵の攻撃を阻んだのは絢瀬絵里の相棒、バオウ………….…の右手だった


穂乃果「すっごい……」ヒュー


ポスッ


希「おかえり穂乃果ちゃん」


穂乃果「あ、ありがとう希ちゃん……」


穂乃果「もう一回行ってくる!」ダッ


希「うちも!」ダッ



敵がパワーアップしたとしてもかなり順調だったと思う


エリチと穂乃果ちゃんが常に敵を挟むように動いて、ウチは正面から指示と攻撃


「エリチ足首!」


「穂乃果ちゃんおっきいの来るで!」


「ディオガグラビドン!」



絵里「はぁ!!」


「ザグルゼム!」


ドガァ!



希「一旦退き!」


「ボルツグラビレイ!」



希「順調やね……」ハァハァ


絵里「ええ、五発程かしら」


絵里「まだ行ける……!」バッ



エリチが攻撃を仕掛け、敵はそれを正面から受け止め、反撃へと切り返す

うちの掛け声が遅れたこともあって致命傷を避けたものの大きなダメージを負ってしまったので、うちと穂乃果ちゃんで時間を稼ぐ


「ニューボルツマグラビレイ」


ウチらに被害がこないように敵の目の前で発動したにもかかわらず


バンッ!!!


手で粉々に潰すというチート技を平然とやってのける敵


この狭いステージだと破壊力のあるうちの呪文は味方を巻き込む恐れがあるからやりにくい…….


「ボルセン!」「ウルソルド」「ボルセン」

「ボルセン」「ウルソルド」


幻と移動呪文を巧みに使い分け敵の額へと駆け上がる


(ここっ……!!)グッ


「ジェルドマソルド!」


ズバッ


デモルト「アアアアアア!!!!」


穂乃果(浅かった……)


デモルト「クソガァ!!」ドガァ


片目を抑えながら近くの壁を殴りつける


不運も不運


その礫の一つが穂乃果ちゃんは頭に


ウチは避けようと頭を下げたら死角になって隠れていたもう一つがクリーンヒットしてしまい、意識は闇の中へ





穂乃果「う……あぁぅ」グラングラン


決して骨折などしないゲームの中といえどダメージによる体への影響には逆らえない


景色が3つ、4つに分かれてはくっついてを繰り返していた


そんな中でもひときわ目を惹く金色の髪


彼女の体は本人の意思と反して持ち上げられていた


憎たらしい笑みを浮かべるあいつに


「いかなきゃ」(体動かないや)

「助けなきゃ」(できるの?)

「いける!」(間に合わないかも)

「死ぬ?」(死ぬかも)

「死にたくない」(死にたくない)

「助けられる?」(無理……)

「死んじゃうね」(ね、)


穂乃果「」フルフルフル




自らを鼓舞しようと発する言葉は全て置き換えられていく



穂乃果(……絵里ちゃん………!!)





『奢りのジュースはおっいしーいな〜!』


『うぅ…』


『先輩禁止♪』


『う……ぅ絵里ちゃぁん!』


穂乃果「え、絵里ちゃ……ん」ズズ


穂乃果「死なせない……」ズズ


穂乃果「絶対!」バッ



ガシッ




穂乃果「…え?」


体が前に進まない、と言うよりも身動き一つ取れない


見ると金色の巨大な手でしっかりと体を掴まれていた




絵里の呪文だった





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