過負荷のヒーローアカデミア
初ssです。亀更新。
過負荷のヒーロー「球磨川禊」が雄英で活躍したらしなかったり。
放課後、安心院さんに呼び出された僕はマイナス13組の教室を訪れた。
ロクなことが起こらないことは既に分かっていたが、行かなかった場合もっとロクなことにならないことも分かっていた。
『やぁ安心院さん、こんな時間に呼び出すなんて告白かい?僕は年上で好きになる人は瞳先生だけと決めているんだけど?』
「ようこそ、球磨川君。僕が君に告白をするなんて事は天地が100回ひっくり返ろうが有り得ないことなんだぜ?
まぁ冗談はこの辺にして、君はジャンプの新連載漫画、『僕のヒーローアカデミア』は知っているかい?」
いきなり安心院さんの口からジャンプなんて言葉が出たもんだから困惑したが、直ぐに今回はかなりマズイ事が起きるという考えに至った。
『当たり前じゃないか、僕はジャンプを50周はする男だぜ?どんな漫画が有るのかはもちろん、作者コメントも暗唱できる。』
「わっはっは。それは重畳。まぁなぜ君にこんな質問をしたかというとだね、『とても面白かった』からだよ。」
この『とても面白かった』がどんな意味か、僕は瞬時に理解できた。
『そうなんだ!僕もその漫画が好きで単行本も全部揃えてるよ!なんなら今貸そうか?いや、貸してあげるよ!だから単行本を取りに家に帰るね!』
「その必要はないが嘘を憑く必要もないんだぜ。
どうせその漫画が好きっていうのも単行本を持っているというのも嘘だろう?後は存在だけ知っていて読み飛ばしているも追加かな?まぁそんな事はどうでもいい、球磨川君、君を今からその世界に転生させる。」
…とうとう此処まで来たか。
『僕を転生させても「大嘘憑き」で大抵の敵とかボスは倒せるし、なんなら1日で組織を壊滅させて帰ってくることもできるんだぜ?パワーバランスが漫画が舞台でも無理があるだろ。』
「君からそんな自信溢れる言葉が出てくるなんて驚いたな。これもめだかちゃんの影響かな?さて、パワーバランスなどに関してだが僕の一京分の一のスキルの内の一つ、『正統口力』である程度の辻褄は合わせられるようにしといたよ。いきなりボスが倒れる漫画なんて読みたくないからね。で、そのスキルで君の『大嘘憑き』に対して施した設定を説明するからよく聞いてね。」
・個性の名前は「虚実」
・現実で君が使っているように螺子を操れる。
・手で触れたもの、或いは螺子で触れたものをなかったことに出来る
・自分の死後は自動的に発動し、蘇生する。
・生物も消せるが3分間だけ。3分経てば元の場所に復活する。
・無かったことにしたことを無かったことにできる。
・螺子でダメージを与えることはできないが刺した相手が人間であればトラウマをフラッシュバックさせることが出来る。
『…ずいぶんと細かくなったけど、それを上回る能力じゃないの?「無かったことを無かったことにできる」なんて反則だろ。』
「その反則を未来の君はやってのけてるんだぜ。
まぁ見ただけでは派手だが、使うと何かと不便かもしれないぜ?取り敢えず説明は理解できたかな?」
『パワーバランス云々がどうでもいいってことは分かったよ。要は安心院さんの望み通りの展開を演じればいいわけだろ?』
「わっはっは、ご明察。よく分かってるじゃないか。そんな球磨川君にご褒美をあげよう。」
あ、これ『口区間』のパターンだ。恐らく異世界転生のスキルも混ぜてるんだろうなぁ。
「何をするか理解したようだね。なら話は早い、話しはいらない。行ってらっしゃい。逝ってらっしゃい。」
こうして、僕の意識は途絶えた。
読んでくださった方々、ありがとうございます。
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