2017-11-21 15:30:37 更新

概要

聖杯戦争、それは勝者のどんな願望も1つだけ叶える夢のような物、聖杯を巡り争うことである。
ラブライブ優勝者を過去の姿でサーヴァントとして召喚し、Aqoursのメンバーがマスターとして聖杯を競い合う。
勝者は1人である、この戦いにAqoursはどんな結末を迎えるのか…
そしてイレギュラーの正体とは?


前書き

ラブライブサンシャイン2期放送記念
ラブライブ!の内容も多く含まれているので
苦手な方はブラウザバックを



ラブライブ サンシャイン2期 放送記念ss


主な内容は概要をご覧ください。


ポ⚫︎モンの育成忙しいので12月初旬まで更新遅くなります。



千歌 SIDE


8月24日 17時00分

果南「過去のラブライブで優勝し英雄となった人を、サーヴァントとして呼び、競わせる…」


ダイヤ「それが聖杯戦争ですわ」


鞠莉「聞いたことはあるけど…まさか

私たちがそれをやる立場になるとはね…」


千歌『そう…私たちの元に突然届いた手紙には「聖杯戦争を開催する。

この手紙が君たちの元に届いてから1日後に開戦の狼煙が聞こえるはずだ、それまでに触媒を手に、ラブライブの英雄を召喚し備えろ。参加の意思がない人間は構わないが、聖杯戦争はマスター9人の命の消失もしくは、英雄の消滅を9体確認した場合にのみ終結する。

この意味を理解した上での行動をおすすめする。勝者にはどんな望みをも叶える聖杯の恩恵を約束しよう。」というデタラメなことが書かれていた。』


曜「こんな手紙の言うことなんかに素直に従う必要あるのかな?」


ダイヤ「私たちが聖杯戦争の参加者として手紙を渡された以上無視はできないですわ。」


梨子「3年生は随分と聖杯戦争とやらに

詳しそうですね…もちろん説明はしてくれますよね?」


鞠莉「別に詳しいわけじゃなくて、過去に聖杯戦争が起きたことを私達は知らされていて…知っていることはこの戦いからは逃げられないってことだけ。」


善子「いつもと違ってずいぶん真面目ね」


ダイヤ「それだけの状況ってことですわよ。」


曜「この手紙英雄を召喚したマスターの命が消失した時に終結って書いてるよ…」


千歌『命が消失って…死んじゃうってことかな。』



ダイヤ「…こうなってしまった以上、ここでこれ以上話しても意味がないですわ。」


ルビィ「お姉ちゃん!?」


果南「ダイヤ…言い方がよくないよ」


ダイヤ「聖杯戦争では甘さは命取りになります。だから…最初に私が宣言します。」


ダイヤ「わたくしは聖杯戦争に勝利します。

その為には手段を選びません。」


曜「!…ダイヤさん本気ですか!?」


ダイヤ「私達3年生は聖杯戦争について説明し、責任は果たしました。

なら、ここからは敵同士という事ですわ。」


梨子「それって言い方変えると

私達を殺してでも、勝利するって言ってるのと同じですよね?」


ダイヤ「言い方を変えるも何もその通りですわよ、梨子さん」


花丸「そんなのひどいずら!」


千歌『今日のダイヤさん 少し様子がおかしい…』


ダイヤ「わたくしはこれで失礼しますわ。

帰って英雄の召喚を行わなければならないので。」


善子「狂気の思考に囚われている、ダイヤをこのまま家に返してもいいの?」


鞠莉「…ダイヤはこうなったら聞かないから…ダイヤなら、放置して大丈夫でしょ。」


ダイヤ「ルビィ 今日からしばらくわたくしは宿を取りますわ、気をつけて帰りなさい。

失礼しますわ。」


ルビィ「…うんお姉ちゃん。」


ダイヤさんはそう言って、部屋を出て行ってしまった。


曜ちゃんはルビィちゃんを抱きしめ、大丈夫?と気遣いながら言葉を発した。


曜「ダイヤさん返しちゃってよかったのかな?」


果南「ダイヤはちゃんとみんなのことをかんがえてるから大丈夫だよ。

それよりもここで話すことはもうないと思うし、今日は解散しよっか。」


梨子「まだ何も方針が決まっていないのにですか?」


果南「方針も何も聖杯戦争は基本的に個人戦で、1人になるまで終わらないんだから

話し合いなんて必要ないんだよ。」


千歌「…果南ちゃんもダイヤさんと同じ考えなの?」


果南「…大部分はね

もちろんみんなを、その…殺すつもりは

ないけど、もし誰かに何かあっても聖杯に願えば全てが叶うんだから、これはチャンスでもあると思うな、私は…」


曜「私はまだ聖杯なんてものを信じてないよ。

だって私達が戦えばなんでも願いが叶う聖杯がもらえるなんて意味わかんないもん。

本当に聖杯なんて物があるなら、私達じゃなくて飢餓に苦しんでる子供たちとかにあげるべきだもん…」


果南「曜ちゃん…それを含めてもチャンスなんだよ。

聖杯は全ての願いを叶える夢のような物だけど、使い方によっては災厄を引き起こす

物にも変わっちゃうの。

それをAqoursのみんなが手に入れれるんだよ。」


果南「つまり、悪用される心配はないんだから、気楽にやればいいんだよ。

私達9人で戦うんだからルールを決めてやれば、怪我をする人も出ないし。」


千歌「そっか!私達9人で戦うんだから、安全だよね!」


千歌『果南ちゃんは、誰も傷つかなくていい方法を考えてくれてたんだ!

ダイヤさんだってきっと…何か事情があったんだよ…』


曜「それなら戦わなくても、誰か一人に勝ちを譲れば簡単におわるんじゃないの?」


果南「ああ、うん。そうだね…」


鞠莉「聖杯に満足のいく戦いを見せないと、聖杯は姿を見せない風にできてるのよ…」


善子「…3年生は聖杯戦争の何を知ってるのか、いい加減話したらどう?」


鞠莉「言ったでしょ、この戦いからは逃げられない。

それしか私達は知らないの。」


梨子「それを何で3年生が知っているかが

問題じゃないんですか?鞠莉さん。」


鞠莉「言葉にしにくいから、困ってるのよ梨子。でもね、私達3年生は味方よ?

ダイヤだってみんなのために動いてくれるはずだわ。」


花丸「でも、ダイヤさんは手段を選ばないって言ってたずらよ?」


鞠莉「…ダイヤは真面目な性格だからああなっちゃったのよ、明日にはいつものダイヤに戻ってるわ。

疑問はたくさんあるだろうけど、もう遅いし、今日は解散にしましょう。」


鞠莉さんのその言葉をきっかけに、私達は少しずつ帰りの支度を始めた…

今思えば

多分…鞠莉さんはダイヤさんの異変の理由に気づいていたんだと思う。

私達を笑顔で見送りつつも、手紙からは決して目を離していなかったから。


ダイヤ SIDE


帰り道


ダイヤ「聖杯戦争への招待状にあんな典型的な間違いはありえないですわ…つまりあの内容に間違いはなくて…

急ぐ必要がありますわね。

早急にサーヴァントを召喚しなくては。

取り返しのつかないことになりますわ…!」


8月24日 20時00分

ダイヤ

『とりあえず、宿にありつけて良かったですわ。

とっさに家出宣言して…ルビィも何の準備もしてないとは思ってなかったでしょうに。

はぁ…でも、仕方ありませんわよね。

ルビィと一緒の家に居たらあの子に見せたくないものを見せてしまうかも知れませんもの…』


ダイヤ「よし、とりあえずサーヴァント召喚の儀式をしましょうか…」


ダイヤ「といっても何の用意もないですし、あまりうるさくすると、

折角の宿を追い出されかねませんし…

なかなかうまくいきませんわね。」


ダイヤ「…この時間にサーヴァントを召喚しては迷惑ですわよね。

手紙のこともありますし、

早急な召喚を行いたいですが…

用意もできてませんし、サーヴァント召喚は明日の朝にしましょうか。」


ダイヤ「とりあえず、召喚に必要なラブライブ優勝者を呼ぶための触媒と雰囲気を出す為の魔法陣を書きたいのでチョークなども買い出しに行きましょうか。」


こうして黒澤ダイヤの聖杯戦争開戦前日は終了した。


曜 SIDE

回想


善子「…3年生は聖杯戦争の何を知ってるのか、いい加減話したらどう?」


鞠莉「言ったでしょ、この戦いからは逃げられない。

それしか私達は知らないの。」


梨子「それを何で3年生が知っているかが

問題じゃないんですか?鞠莉さん。」


鞠莉「言葉にしにくいから、困ってるのよ梨子。でもね、私達3年生は味方よ?

ダイヤだってみんなのために動いてくれるはずだわ。」


回想終了

8月24日20時30分


曜『鞠莉ちゃんの言う事は、信じたいけど…

今日のダイヤさんは絶対に変だったよね。

それに、3年生の人達だけ聖杯戦争の事を知ってるのも変だし…』


曜「ああ、もう!

考えれば考えるほど果南ちゃん、鞠莉ちゃん、ダイヤさんを疑っちゃう…

ダメだよね、こんなの…」


曜「でも千歌ちゃんは心配だな…

全然危機感 感じてなかったし。

ルビィちゃんもお姉ちゃんが真っ先に戦う宣言しちゃったんだもん…

精神的に心配しちゃうよ。」


ピコンっ!


曜「あっLINEきた」


LINE内容 グループLINE


Aqours!(9)


黒澤 ダイヤ

フェアではないので聖杯戦争で戦うのに必要な英雄の召喚方法を書いておきますわ。

必要なものは1つ

ラブライブ優勝者に関係ある品物…つまり触媒を用意し、「我、聖杯戦争の名の下にマスターとして、英雄と共に戦う事を誓う。 既読4

聖杯より来たれ英雄召喚!」ですわ。20時34分


曜「ダイヤさん本気なんだ・・・

...警戒をしておくに越した事はないよね…」


私は物入れの中をあさり、あるものを取り出した。

曜「これが触媒になってくれればいいけど…」


触媒を手に私はLINEの内容通りに叫んだ。


曜「我、聖杯戦争の名の下にマスターとして、英雄と共に戦う事を誓う。

聖杯より来たれ英雄召喚!」


部屋の中に雷鳴が響き、目には燃え盛るような光すら見え…次第にその光はうすれていった。


???「痛いわね…なんなのよこれ」


私が見ている世界にはTVの録画やDVDでしか見たことがないスクールアイドルの姿があった。


曜「西木野真姫ちゃん!?」


真姫「自分の名前くらいわかってるわよ

なんで私がこんなとこにいるのかを聞いてるのよ」


髪をクルクルしながら私に状況説明を求めてくる真姫ちゃんに私は感情を隠せなかった。


曜「噂で真姫ちゃんは自分の髪の毛クルクルよくしてるって聞いたことあったけど 生クルクルは感動するなー」


真姫「別に好きでしてるわけじゃないわよ

なんとなく!

それよりはやく説明しなさいよ!」


曜「ああ、うん」


私は状況説明をした。


真姫「ふーんなるほどね…

あなたの名前は渡辺曜っていうのね

渡辺だと長いし、これからは曜って呼ぶわよ?

曜 これからよろしくね」


また髪クルクルしてる


曜「こ、こちらこそ

真姫ちゃん呼びでいい?」


真姫「私って認識できる呼び名ならなんでもいいわよ。」



真姫「…さてと、召喚の反動で曖昧だった記憶も大体戻ってきたわ」


反動なんてあるんだ


真姫「改めて自己紹介してあげるわ

私の名前は西木野真姫 クラスはライダーよ

この天才美少女真姫ちゃんを引けたんだから

あなたの勝ちは確定よ! よかったわね」


曜「う、うんそうだね!」


ダイヤちゃんが何かしてきた時の保険で呼んだなんて言えない…


真姫「それより…私のステータスを見てなんか言う事はないの!?」


曜「え、ステータス?」


真姫「あなたねぇ…はぁ

目をぐっと凝らして私を見てみなさい」


私は言われた通り 目を凝らして真姫ちゃんを

見てみた。


真名 西木野真姫


CLASS ライダー


マスター 渡辺 曜


ステータス


筋力D


耐久B


敏捷A+


魔力A


幸運B


宝具A++


保有スキル ??? ???


宝具 ??? ???


曜「うーんと、これの見方がよくわかんないんだけど…」


真姫「もういいわよ…とりあえず

私は最高クラスのサーヴァントなの!

わかった!?」


曜「ヨ、ヨーソロー!」


私は敬礼をしつつ答えた。


真姫「でも、私一つ気にしてることがあるのよね。」


真姫ちゃんがベッドに座りながら話した。


真姫「過去のラブライブの優勝者を英雄として召喚するって 私以外のu'sのメンバーが召喚されててもおかしくわないわよね?」


曜「確かに真姫ちゃんが呼ばれてるんだから

他のu'sのみなさんがいてもおかしくないですね。」


真姫「u'sの誰かがいたからって私の勝利は変わらないけど…その、ほら私情が挟まると私の完璧な作戦に支障が出ちゃうかもしれないから、

気にしてるだけよ」


???「なるほど、召喚の反応を追ってきてみたら真姫でしたか。」


気配を何も感じないうちに

私の背後には透き通るような声が聞こえた。

この声どこかで聞いたことがあるような。


果南 SIDE

8月24日20時30分


果南「今、私にできることはAqoursのみんなの安全を確保すること…かな」


私達の態度を見て曜ちゃん、梨子ちゃん、善子ちゃんあたりは怪しんでたなー


果南「3年生が怪しいからって危ない行動をする子はAqoursにはいないと思うけど…」


今日の流れを思い出してみる。


果南「まあ、3年生がどう考えても怪しいもんね…事情を言えたらどんなに楽なんだろう」


果南「言っててもしょうがないか…」


ピコンッ

20時34分にダイヤからAqoursのみんなへむけてのLINEが届いた…


LINE内容 グループLINE


Aqours!(9)


黒澤 ダイヤ

フェアではないので聖杯戦争で戦うのに必要な英雄の召喚方法を書いておきますわ。

必要なものは1つ

ラブライブ優勝者に関係ある品物…つまり触媒を用意し、「我、聖杯戦争の名の下にマスターとして、英雄と共に戦う事を誓う。 既読4

聖杯より来たれ英雄召喚!」ですわ。20時34分


英雄の召喚方法を知っている人間が怪しくないはずがない…

最もみんなに聖杯戦争の予備知識を与える為に私たちが選ばれたんだろうけど…


果南「あちゃー…私の家のポストの中に手紙が入ってて英雄の召喚の仕方が書いてたよーって明日言うつもりだったのに」


3年組の中から誰かがこの役をやる必要はあったが…一番みんなからヘイトを貰ってるダイヤが

この役をやるのは あまりに危険だと直感した。


果南「ダイヤはおバカさんだけど、頭はいいからわかっててやってるんだろうな…」


全部自分で背負うつもりだ…


私は部屋を少し片付け

あらかじめ用意していた触媒を置き、

詠唱を始めた。


果南「我、聖杯戦争の名の下にマスターとして、英雄と共に戦う事を誓う。

聖杯より来たれ英雄召喚!」


部屋全体がまぶしく光り、それが次第に収まっていくのと同時に 声が聞こえた。



???「召喚に従って、この地に参上しました♪」


頭がとろける様な、甘い声が聞こえてきた。


果南「南 ことりちゃん?」


ことり「うん♪ 南ことりだよ!

あなたが私のマスター?」


果南「う、うん松浦果南っていうの

果南でいいよ 」


ことり「うん、よろしくね果南ちゃん

私もことりでいいよ♪」


果南「わかったわ、ことりちゃん

ところで、あなたの強さを見たいんだけど、どうやって確かめればいいのかな?」


ことり「私の強さの確認?…ああステータス確認のことか♪目をぐっと凝らして見てみれば見えると思うよ。」


私は首を縦に振りつつ、目を凝らしてことりちゃんを見た。


真名 南 ことり


CLASS ランサー


マスター 松浦 果南


ステータス


筋力B


耐久D


敏捷A


魔力B


幸運A++


宝具A+


保有スキル ???


宝具 ??? ???



ステータスは比較的高め?なのかな…


果南「ことりちゃん ランサーなんだ…

槍持ったことあるの?」


ことり「槍は持ったことないけど…」


ことりちゃんは自分の等身大ほどの縫い針を、何もないところから取り出した。


ことり「手芸は得意で、縫い針の扱いには心得があるから大丈夫だよ♪」


そういう問題なのかな?


ことり「♬でも、縫い針で誰かを傷つけるなんて本当はやりたくないなー…♬」


果南「うっ…頭が」


なにこれ…頭の中が何かにかき乱される感じ。

そこで私は、自分の感情をコントロールできなくなった。


果南「ことりちゃん…

私は誰かをことりちゃんに傷つけさせる為に呼んだわけじゃないから大丈夫だよ!」


ことり「果南ちゃん…」


私の私情でことりちゃんに誰かを傷つけさせない…絶対に


ことり「…果南ちゃんがマスターでよかった♪これからよろしくね♪マスター」


ことりちゃんが握手のために自分の手を私の前にだした。


果南「うん 、よろしく ことりちゃん」


私も握手のために手を出そうとした時、

自分の手の違和感に気がついた。


果南「あれ?手に変な痣がついてる…」


ことり「ああ、それは令呪。

サーヴァントに3回まで命令できる権利だよ♪」


果南「そういえば聞いた覚えがある気がする…」


令呪か…こんなの必要あるのかな?


ことり「果南ちゃん、よかったらそのれい…」


ことりちゃんの言葉の途中で 、空気が震えるようなずっしりとした大きな音が聞こえた。


その音で私は 意識を取り戻した。


果南「あれ、私何してたんだっけ?」


ことりちゃんを召喚したことまでは覚えてるけど…

自分でも少し意識が曖昧だ、今日のことで少し疲れてたのかな?


ことり「…果南ちゃん大丈夫?

途中から様子が少しおかしかったけど…

私を召喚して疲れちゃったかな?」


果南「あ、うん大丈夫だよ!ことりちゃん

少し疲れただけだと思う.

心配かけてごめんね。」


最初からことりちゃんに心配をかけてるなんて私全然ダメだな…

しっかりしないと!


ことり「それは大丈夫だけど…

疲れてるみたいだし、今日はもう休んだら?」


私はAqoursのみんなの安全を確保するために、ことりちゃんを呼んだんだ。


ならやることは一つかな。


果南「それよりも、さっきの大きな音の方が気になるよ…

少し様子を見に行きたいな、付き合ってもらってもいい?ことりちゃん。」



ことり「果南ちゃんが行くなら、私は付いていくだけだよ♪

果南ちゃんはことりのマスターだもん♪」


やっぱりおっとりしてて、優しい子だな…

ことりちゃんは。


果南「ありがとう、ことりちゃん…

行こう!」


私とことりちゃんは音の聞こえた方角に向けて走り出した。


善子 SIDE

8月24日20時30分


善子「夜も更けてきたわ。

今宵の宴はこれにて、閉会としましょう。

次の宴の時もみんなで一緒に堕天しない?」


日課の生配信をいつもの言葉で終わらせ、パソコンの配信を切った。


善子「私、こんな状況でもいつもとやること変わんないのね…」


こういう状況になって、私は堕天使が好きなんだなって改めて感じるわ…


善子「そしてそれと同じくらい、スクールアイドルAqoursのみんなのことも好きだわ…

今は漆黒の儀式に巻き込まれてるから、

みんな、少し変になってるだけよ…

ダイヤだってきっとそうだわ…」


善子「こんな琴線に触れない、古臭い儀式なんて終わらせて、Aqours全員でラブライブに出場して今度こそ優勝するのよ…」


そのためには…


善子「気が緩むと堕天使の顔が出ちゃうけど…聖杯戦争が終わるまで堕天使は封印しないと。」


だって…


善子「ずら丸やルビィは危機感ゼロなんだもの…私がちゃんとしないと。」


だからこそ、

全部が終わってまた…Aqoursでスクールアイドルをやる時に、好きなだけ堕天使ヨハネの力を見せてあげるわ!


善子「堕天使ヨハネは一旦お休みよ善子、

でも安心しなさい

すぐにこんな戦い終わらせてあげるわ…

そして私は堕天使ヨハネにまたすぐ戻るのよ!」


ピコンッ



LINE内容 グループLINE


Aqours!(9)


黒澤 ダイヤ

フェアではないので聖杯戦争で戦うのに必要な英雄の召喚方法を書いておきますわ。

必要なものは1つ

ラブライブ優勝者に関係ある品物…つまり触媒を用意し、「我、聖杯戦争の名の下にマスターとして、英雄と共に戦う事を誓う。 既読4

聖杯より来たれ英雄召喚!」ですわ。20時34分


善子「Aqoursのみんなを信用してないわけじゃないけど…

ダイヤは手段を選ばないで勝利するって言ってたし…

いざという時にAqoursのみんなを守れなかったら一生後悔するわ…」


私は生贄として用意していた和菓子を

そばに置き、詠唱を始めた


善子「我、堕天使ヨハネは、

聖杯戦争の名の下にマスターとして、

リトルデーモンと共に戦う事を誓うわ!

聖杯より我が下に来たれリトルデーモン召喚!」


部屋全体を暖かな光が包み込み、光は次第にうすれていった。


???「聖杯の導きに従い、召喚に応じたよ!あなたが私のマスターかな!?」


正直に言って言葉がでなかった…

どんな英雄が来るのか 色々期待は膨らませてたけど

どの想像も絶する人が来た…


善子「あ、えっと…」


???「? あ、わかった!

名前を聞く前に自分から名乗れって話だよね?ごめんねー 海未ちゃんにもよく穂乃果は

人の話をちゃんと聞きなさいって

怒られるんだー

…あ、えっと海未ちゃんっていうのはね…」


善子「私の名前は津島善子よ よろしく。

園田海未さんでしょ? 知ってるわ」


???「善子ちゃんだね! よろしく!

なんで、海未ちゃんのこと知ってるの? 」


善子「…スクールアイドルにとって

u'sのメンバーは全員有名よ…

あなたは特にだけどね、高坂穂乃果…さん。」



穂乃果「そっか…

この時代だと、私達u'sは有名人なんだ…

なんか嬉しいな!」


なに言おうとしているの…津島善子。


善子「音ノ木坂学院が廃校の危機に陥って、

学院の知名度上昇のためにスクールアイドル

になり、ラブライブで優勝を果たした…

まるでおとぎ話みたいね。」


穂乃果「…そうだよね

おとぎ話みたいに聞こえちゃうよね。」


穂ノ果さんとなら普通に話していれば、仲良くやっていける。

話のネタが尽きることなんてないのだから…

ダンスのコツを聞いたり、u'sのリーダーとしてどうやってみんなを引っ張っていったのか…

ほら、たくさんある。


憧れのスクールアイドルが目の前にいて、こんな話をする必要はないのはわかってる…

でも…


善子「あなた達u'sは

ただのスクールアイドルu'sじゃなくて、

母校の危機を救うために結成されたスクールアイドルu'sなの。」


こんなことを言うべきじゃないのは

自分でもわかってる…

でも、私はu'sのファンであると同時にライバルでありたい。

だから、私が言わなくちゃだめ…


善子「ネットではあなた達u'sに対する批判も

極少数だけど存在するの…

その理由のほとんどは、母校を救うというあなた達u'sのバックグラウンドの話。」


穂ノ果「…善子ちゃん続けて」


善子「u'sがAーRIREに勝利できたのは…

u'sが負けたら音ノ木坂学院が廃校になってしまうと思った、AーRIREファンの同情票が流れたからだってね。」


穂ノ果「…私ね、海未ちゃんにインターネットで、自分達に対する世間の評価とかは調べない方がいいって言われてんだ。

だから、一部の人達にそういう見方をされているのは知らなかった。」


善子「…」


私だってAqoursの評価なんて、インターネットで見れない。


それなのに、u'sに対する悪い評価を一方的に言ってる。


最低だ…


でも、止まれない。



穂ノ果「確かに、負けたら音ノ木坂学院が廃校になってしまうu'sに対する、AーRIREファンの同情票が1票も無かったとは思わない。

でもね…私達u'sはAーRIREとの対決で、全力を出し切った。

そして、AーRIREに劣らないライブをできたと思ってる。

だからね…!」


私は穂ノ果さんの言葉を遮って答えた。

我慢できなかった。


善子「そう…u'sのライブはAーRIREと同等かそれ以上のライブだった。

そんなのは、AーRIREとu's両方のライブを

ちゃんと見ていれば、わかるはずなのよ。」


穂ノ果「え…」


善子「あなたはラブライブに優勝した時の穂乃果さんなのよね?」


穂ノ果「うん、ラブライブが終わった瞬間にここに召喚されたんだよ。」


私は穂ノ果さんの目を見ながら真剣に答えた。


善子「u'sが解散した後、社会に出た後に

一度はu'sに対する今みたいな悪い評価を

聞く機会があると思います。」


穂ノ果「うん…そうだね」


穂ノ果さんも真剣な眼差しでこちらを見てくる…本当に私とは何もかも違う。

この人があのu'sの中で、リーダーに選ばれた理由が今ならよくわかる。


善子「愚かな人間の会話のほとんどは他者に対する悪口で構成されているのよ。」


Aqoursの中で悪口を言う人なんかいない。

だけど、少なからず人を下に見る事で自己顕示欲を示す人間も世界には存在している。


善子「その…私が言いたいのは…

愚か者の人間のことなんて気にせず

u'sが解散した後にu'sの悪い評価を聞いても、

いつもの穂ノ果さんでいて欲しいっていうか…

u'sであったことを後悔しないで欲しいっていうか…」


結局私は何が言いたかったのだろう…

昔u'sに対するネットの悪口を見て、激怒し書き込みをして炎上させた記憶が蘇り、

こんなことを言ってしまったのだろうか?


穂ノ果「善子ちゃん…ありがとねっ!」


そう言いながら、私の手を穂ノ果さんが両手で包んできた。


穂ノ果「私達u'sのライブを見てもいない人の評価なんか気にしないで、

u'sのメンバーである誇りを忘れないでこの先の人生を進め!ってことだよねっ!」


善子「あれ?そんな壮大な話してた!?」


穂ノ果「うん私にとっては凄く壮大な話だよ…多分近い将来 私はu'sの高坂穂乃果っていう

高い壁にぶちあたるんだよね??」


事実だ…

直接言葉にしないようにしてたのに、感じ取られてしまった。


ラブライブの後、u'sは有名になりすぎてしまった

しばらくは、解散した後のu'sのメンバーの目撃情報はインターネットで調べたら随時出てくるほどだった。


そして、u'sのリーダーである 高坂穂乃果さんは

今でも目撃情報が出てくるほどだ。


解散したスクールアイドルu'sの高坂穂乃果さんが、ストーカー紛いの行為にあったという事件はちょっとしたネットニュースになった。


現在の高坂穂乃果さんはどう思っているのだろうか


u'sのリーダであったことを、学院を救ったことを、日本中を共感させたラブライブの優勝を…

u'sの高坂穂乃果であったことを後悔しているのだろうか?



善子「ひとつだけ聞いていいですか?」


穂乃果「うん、なにかな?」


善子「スクールアイドルu'sを結成して、ラブライブで優勝したことを後悔する日は絶対にありませんか?」


この質問はひどく歪だ…

世間一般的にラブライブでの優勝は名誉なことだ。


でも、それによる弊害が存在することを、私は知っている。


もし、私達Aqoursがラブライブで優勝を果たしたら、u'sの様に注目の的になるかもしれない。


そして、その注目には穂乃果さんのような、嫌な注目があることも知っている。


有名になる故の弊害、それを私は恐れている。


有名になってすらいないのに、怖くて仕方がない。


自分がその道を通るかと思うと、足が震えて動かない。


穂乃果「…大丈夫だよ善子ちゃん」


善子「え?」



穂乃果「私は絶対にu'sを後悔しないよ。

どんなことがあっても…

善子ちゃんもスクールアイドルなんでしょ?」



善子「えぇ…」


穂乃果「なら、

安心してラブライブに出場するべきだよ。

私はスクールアイドルu'sをやってて最高によかったってこの先一生言い続ける自信があるよ」


善子「…」



穂乃果「善子ちゃんはどうかな?」


変な儀式、変な言動を唐突にしちゃう私を


受け入れてくれたAqoursを続けていて


後悔する日が来る?


なんだ…簡単なことだったのね


善子「えぇ…私もスクールアイドルAqoursをやってて、最高によかったって一生言い続けられる自信があるわ」


穂乃果「うん、それでこそ私のマスターだよっ!」


覚悟は決まったわ…


善子「煩わしい枷が外れたわ、穂乃果さん私の聖杯戦争での目標を言っていい?」


穂乃果「うん、聞かせてマスター…」


善子「私は誰一人傷つけずに、聖杯戦争に勝利したいの、力を貸してくれない?穂乃果さん」


穂乃果さんは右手を左胸に置き、

膝を曲げながら答えた。


穂乃果「第1のセイバーu's高坂穂乃果の名にかけて、その願いを叶えるために全力を尽くすよ。」


善子「ありがとう、穂乃果さん」


穂乃果「なら、急いで行かないとね」


善子「え、何処に?」


穂乃果「数分くらい前に誰かと誰かが戦いを始めたの」


善子「え、聖杯戦争ってまだ始まってないんじゃ」


穂乃果「私達サーヴァントにも、開戦の狼煙が聞こえるまでに戦闘による脱落者が現れた場合は、倒したサーヴァントとそのマスターを失格にするって言われたんだけど…」


善子「どういうつもりかは知らないけど…

止めないと。穂乃果さん!」


私をお姫様抱っこで抱え、穂乃果さんが家の窓から飛び出した。


穂乃果「急ぐから、しっかりつかまってて!」


私は激しい向かい風の中、必死に穂乃果さんにしがみついた。


数分後


穂乃果「見えてきたよ!」


善子「本当に戦ってる…」


遠目からでも激しい攻防が見て取れた。

戦った痕跡には家屋が倒壊するなどの被害も出ていた。


善子「ちょっと、家とかにも被害出てるじゃない!住んでる人は大丈夫なの!?」


穂乃果「サーヴァントは人払いをしてから戦わないといけない暗黙のルールがあるから、

一般人は誰も怪我を負ってないはずだよ」


それならひとまず…


ん?


善子「壊れた家はどうなるの?」


穂乃果「聖杯に宣誓を行なってる筈だから、サーヴァントの戦いで出た建造物への被害は聖杯で復元されるから大丈夫!」


善子「御都合主義ね」


アパートの屋根の上で、

急に穂乃果さんが足を止めた。


穂乃果「真姫ちゃんだ…」


善子「え、」


私は穂乃果さんが見ている方向を見た。


善子「嘘…

u'sの作曲担当西木野 真姫 ...」


ラブライブ優勝時の映像で見た時と、

何も変わらない姿

彼女も穂乃果さんと同じ聖杯に呼ばれた

英雄?。


穂乃果「もう1人は…!」


穂乃果さんが少し怖い顔をしている



穂乃果「…真姫ちゃん! 海未ちゃん! 何してるの!?」


西木野真姫は少し怪我をした様子だ。

曜と一緒にいるから、彼女が西木野真姫の

マスターなの?


そして西木野真姫と戦っていた もう1人の英雄

園田海未がこちらを向きながら

消えてしまいそうな寂しい顔をしながら 声を発した。


園田海未「やはり…こうなりますよね..穂乃果」


8月24日 20時00分


園田海未 SIDE


ここは何処でしょうか?


念願のラブライブに優勝して、気がついたらここに…


記憶がすこし戻ってきました。


私は聖杯戦争のために呼ばれたのですね...


補完された記憶によれば、マスターと呼ばれる私と共に戦う人がいるはずなのですが…


???『海未さん こんばんわ』


心に直接話しかけられました。


そういえば マスターは遠方の地にいるサーヴァントにも指示を出す為に 、声を発さなくても

サーヴァントの心に直接語りかけられるのでしたね。


海未「あなたが私のマスターですか?」


未だにマスターの姿は見えません。


???『えぇ、今回の聖杯戦争一緒に頑張りましょう』


海未「姿を見せもしない人に、背中は預けられませんよ?」


私は挑発するような言葉で返しました。


???『その他諸々の事情があるんですが

海未さんになら、話してもいいかもしれませんね。 私が戦う理由を』



海未「戦う理由ですか?」


正直私には、この聖杯戦争で勝つ気がありません。


なぜなら、私達サーヴァントが聖杯戦争に勝利して得られる、聖杯の恩恵を1度だけ受けられる権利などに興味はないのです。


私たちu'sがラブライブで優勝した時に、

あそこまで嬉しかったのは、努力があったからこそだと、私は思っています。


だからこそ、

なんの努力もせずに得た結果に意味はありません…


しかし、疑問ですね…


聖杯に叶えてもらいたい、願望がない人間は

聖杯に召喚されません。


では、なぜ私は今回の聖杯戦争に召喚されたのでしょうか?


???『私が聖杯に託す願いは…』


そして彼女は私達u'sが解散してから

2年後に起こった悲劇について、話始めました。


その話はただただ、残酷で、救いがありませんでした。




どんなに努力をしても手に入らないものを、

取り戻すための聖杯戦争ですか…



???『…だから、私は聖杯を欲っします。

...さっき、海未さんが言った通り

顔を見せた方がいいですか?』


聖杯戦争に勝利しなければならなく、

なってしまいましたね...



海未「いえ、必要ありません。」


この後に及んで、顔を見せなさいと

言えるほど私は強くありませんでした。


どんな顔をして会えばいいのかもわかりません...


???『よかったです。

あまり、見られたくはありませんでしたから』



???『一応自己紹介をお願いしてもいいですか?

顔を見せ合ってる訳ではいので、クラスもわからないので。』


海未「はい。

私の名前は園田海未です。

クラスは第1のアーチャー。

今回の聖杯戦争、必ずあなたに勝利を約束します、マスター。」


???『海未さんがサーヴァントでよかったです。最も、触媒を海未さんのサインにしたんですから、必然だったんでしょうけど。』


私がサインの練習をしていたものですか…


海未「…」


???『さて、海未さん自分のステータスを見てみてどうですか?』



ステータスですか…


真名 園田海未


CLASS アーチャー


マスター ?? ??



ステータス


筋力A


耐久A+++


敏捷A+


魔力C


幸運E


宝具A


保有スキル ??? ???


宝具 ??? ??? ???


海未「なるほど、このステータスなら

聖杯はあなたのものでしょうね。マスター。」


???『そうですね…

海未さん1人で他のサーヴァント全員を

相手にできるほどの強さでしょうね。』


海未「そうかもしれませんが、慢心はしませんよ。どんな相手にも全力で戦います。」


???『さすが、海未さんですね…では

開戦の前にひとついいですか?』


海未「なんですか? マスター」


???『開戦の前に、敵の威力偵察をお願いしたいんです。』


海未「しかし、開戦前に戦うのは禁じられていますよ?」


???『開戦前に戦う事は禁じられていませんよ、海未さん。

開戦前に敵のマスターかサーヴァントを殺してしまうと失格になるだけです。』


海未「なるほど、相手の力を見極めるだけで良いということですか?」


???『そうですね。

ただ、殺さなければルール違反には

ならないので、明日の開戦の狼煙が聞こえるまでに回復することが、難しいほどの

手傷を負わせられれば、ベストですね。』


ルール上は問題無さそうですが...



???『ただ、宝具の解放は認めません。』


海未「宝具も使わずに、敵のサーヴァントに

手傷を与えろと?」


向こうは開戦前だとしても、

こちらが本気だとわかれば 迷わず宝具を使うでしょう。


宝具の力は絶大です。


敵が宝具を使用してくるのに こちらは矢と剣のみというのは舐めすぎでしょう。


???『手傷は 可能ならで構いません。

あくまで、威力偵察が今回の主な内容です。

宝具を敵が使用すれば、それだけで大きな

情報アドバンテージになります。』


威力偵察をしに行くのに、こちらが手の内を晒すというのは愚策ですか...


冷静さを欠いていましたね。


海未「わかりましたマスター。

敵が宝具を使用したら撤退します。」


???『もうひとつ 聞いてもいいですか?』


海未「なんでしょう、マスター」


???『第1のアーチャーとは なんですか?

普通なら ただのアーチャーで構わないと思うのですが…』


海未「今回の聖杯戦争は本来の7人のマスターと7人のサーヴァントで行われるものよりも

規模が大きくなっています。

その為、CLASS被りが存在するのです。」


???『つまり、他にもアーチャーのCLASSのサーヴァントがいるということですか?』


海未「そうなりますね。」


???『なるほど、わかりました。

威力偵察の方お願いします。』



海未「わかりました。町へ偵察に出ます。」


私は 玄関からでて、

足に少しばかり力を込め 走り、夜の街へと向かった。



??? SIDE


???「海未さんの説得にもう少し

時間がかかると思いましたが...

令呪を更に使用する事態にならなくてよかったです。」


私はスマートフォンを眺めた。


そこにはあるスクールアイドルの

グループラインが映っていた。


???「明日以降は黒澤ダイヤが台風の目に

なりますね。」


LINEというのは、顔を見合わせての

会話ではないので 、簡単に信じてくれますね。


だからこそ、付け入りやすいんですけどね。


???「やっと始まる。

あの時からずっと待ち望んでいた聖杯戦争が…」


8月24日 20時25分


海未SIDE


我ながら、甘いですね…


昔からあの子の困っている顔を見ると

放って置けませんでした。


だからこそ、サーヴァントに私を選んだのかもしれませんね。


海未「私は私にできることをやるだけですね」


…もう私は選択した。


海未「敵のサーヴァントかマスターを倒す、それが私の役目ですからね。」


たとえ、u'sのメンバーが相手でも…


穂乃果が相手でも…容赦はしません。


海未「できることなら、u'sのメンバーがいないことを祈りますが...」


私が英雄として呼ばれているのですから、他のu'sのメンバーがいても不思議はありませんよね。


海未「さて、始めますか…」


考えていても仕方ありません。


今は、マスターの指示通りに動くだけです。


海未「聖杯に宣言します。

これより、第1のアーチャー 園田海未は

聖杯戦争の規約に従い、他のマスター及びサーヴァントと争います。

今より1時間の間、周辺住民の避難をお願いします。」


私の言葉と共に周囲一帯は静寂へと包まれた。


海未「これで、何かでかい音があれば

すぐに駆けつけられますね。」


今、この町にはマスターとサーヴァント以外の

人はいません。


そして、サーヴァントを召喚していない人間への開戦前の干渉は禁じられています。


つまり、サーヴァントを召喚している人にしか威力偵察は行えない。


サーヴァントを召喚させれば、ある程度の騒音は発生してしまいます。


辺りが静寂に包まれているなら、私ならすぐに居場所までわかります。


海未「なら、サーヴァント召喚の音が聞こえるまで、待機ですね。」


しばらくして、南東方面から生活音にしては大きすぎる音が聞こえました。


海未「…とりあえず行ってみますか。」


私は、南東方面に向かい走り始めました。


2kmほど先に、音の発生源と思われる家を発見しました。


2人の会話らしき声がします。


これは当たりでしょうね...


サーヴァントとマスターの確認をして、仕事を始めましょうか。


〜渡辺 曜 家〜


真姫「過去のラブライブの優勝者を英雄として召喚するって 私以外のu'sのメンバーが召喚されててもおかしくわないわよね?」


曜「確かに真姫ちゃんが呼ばれてるんだから

他のu'sのみなさんがいてもおかしくないですね。」


真姫「u'sの誰かがいたからって私の勝利は変わらないけど…その、ほら私情が挟まると私の完璧な作戦に支障が出ちゃうかもしれないから、気にしてるだけよ」


1人目からu'sのメンバーですか…


海未「なるほど、召喚の反応を追ってきてみたら真姫でしたか。」


曜「園田海未さん!?」


隠密に近づいていたので、マスターの方はかなり驚いていました。


真姫「海未 他の人の家に入るときは

チャイムくらい鳴らしなさいよ。」


海未「失礼しました。

戦う相手とはいえ、礼儀を欠いていました」


曜「え、戦うって…」


海未「そのままの意味ですよ。

真姫のマスター。」


真姫「海未、聖杯戦争のルールを聞いてなかったの?

開戦前の戦闘は禁じられているはずよ。」


海未「さあ、どうですかね...」


私はそう言いながら、弓を取り出し矢を構えました。


真姫「...!曜私の近くに。」


真姫が大きめな声で叫び、私は矢を放ちました。


真姫 SIDE


海未には迷いがなかった。


失格にならない、自信があるってこと?


開戦前に脱落者が戦闘によって出たら失格のはず…


失格にせずに弱らして、開戦してからとどめを刺すってこと?


私は曜を脇に抱え、海未の矢から逃げながら

海未の狙いを考えていた。


曜「私の家がぁ…」


曜の家は海未の矢の一撃によって木っ端微塵になっていた。


真姫「聖杯で復元されるから大丈夫よ」


曜「そういう問題じゃないよ...

というか、ママは!?

ママリビングに居たよ!!」


真姫「海未が人払いしてたから心配ないわ」


曜「よかったよー」




海未は私たちを追撃してきているけど、ある程度の距離はとってるわね。


アーチャーの自分が最も強いと自覚している距離でのみ戦う、海未らしいわね。


海未は手加減も慢心もしないでしょうし、

厄介ね...


マンションの影に隠れるなど、海未の視線を塞ぐ形で逃げているけど長くは持たないわ…


真姫「仕方ないわね...あまり手の内を晒したくないのに。」


私は魔力であたり一面に煙を発生させた。


海未「魔法も扱えるのですか、さすがですね真姫。」


そして私と曜は煙に紛れて近くの建物の中に入った。


〜廃ビル〜


真姫「はぁはぁ...疲れたわね。」


曜「真姫ちゃん大丈夫?」


真姫「…曜、聖杯戦争をする覚悟がないなら

いますぐ、私に自害を命じなさい。」


曜「え...真姫ちゃんそれって…」


少し厳しいのはわかってるけど、曜には聞いておかないとダメだわ。


真姫「聖杯戦争では、こんな襲撃日常茶飯事よ。

人払いをしないサーヴァントがいたら犠牲者もそのうち出る。

その中にあなたのお母さんがいても、何もおかしくないわ。」


曜「…」


真姫「だから、今の内に決めなさい。

聖杯の権利を捨てて普通に生きるか、私と聖杯を手にいれるために戦うか。」


曜「そんなの急に言われても...


真姫「聖杯を手に入れればどんなのぞみでも1つだけ叶えられる。

でも、負ければ全てを失う。

負けたら、あなたの大切な人が聖杯戦争で死んでしまっても…生き返らせることができないのよ。」


曜「…誰かが死んじゃうことは確定なの?」


真姫「理想は誰も死なない事ね。

でも、現実問題私達は命の奪い合いをしてるの。

そこから、目を離しちゃダメよ。」


曜「私達Aqoursはそんなことしないよ...」


曜もスクールアイドルなのね...

そういえば、マスターはスクールアイドルの経験がある人間じゃないとなれないって

事前情報として教えられてたわね。


真姫「海未に私達を襲わせたのは

多分…マスターよ。」


海未が独断でこんなことするとも思えないし。


曜「それって…」


曜「園田海未さんが 襲って来たのは…

私達9人の中の誰かの命令・・・

そんなの...!ダイヤさんだ。」


真姫「私はAqours? の人のことを

知らないから わからないけど

その子は聖杯を手に入れるためなら

手段を選ばないような子なの?」


曜「違うけど…

今のダイヤさんは こんなことをしても

おかしくないかも…」




曜「その…聖杯があるなんて言われたから、

ダイヤさんはちょっと気が動転してるだけで…」


曜は仲間思いね。



少し、にこちゃんに似てるかも知れない。


憎まれ口を叩かない、にこちゃん。


曜はパーフェクトにこちゃんね。


でも…憎まれ口を叩かないにこちゃんなんて

にこちゃんじゃないから、そういう意味では全然似てないのかもね。


にこちゃんか…


もしかしたら今回の聖杯戦争で

戦うことになるのかも知れないのよね。


海未がいるんだもの、いてもおかしくないわ。


真姫「ま、覚悟はしておいたほうがいいわね…」


私にこの戦いで、勝利する以外に道はないんだから。


曜「真姫ちゃん?」


真姫「なんでもないわよ…

そのダイヤさんて人が

本気で曜を殺しに来たらどうするの?」


曜「…説得したいよ。」


真姫「・・・説得が失敗したら?」


曜「…みんなを傷つけさせない為に

聖杯戦争が終わるまで拘束するよ。」


真姫「聖杯戦争の終了は勝者以外のサーヴァントとマスターのどちらかが全滅した時よ。

この意味わかるわよね?」


この戦いにhappy endはありえないのよ曜…


曜「サーヴァント…

真姫ちゃん達は死んだらどうなっちゃうの?」


真姫「安心しなさい。

私達サーヴァントはあくまで聖杯戦争のために一時的に過去から呼ばれただけ。

私が死んでも現実の西木野 真姫に影響はでないの。

だから、私は。」


そう、現実の西木野 真姫に影響はないそれは事実よ。


そして、曜に酷い嘘をついた…



真姫「聖杯戦争に興味なんてないのよ。

というか、早く元の世界に戻りたいから

私を海未に差し出してもいいのよ?曜。

そうすれば あなたは元の生活に戻れるから」


曜を私の願いのために巻き込めない。


私達サーヴァントはこの戦いで勝ち残らないと道はない。


だからこそ、他のサーヴァントも命のやり取りに躊躇しない。



聖杯戦争は本来7人の歴史上の英雄と

7人の魔法使いのマスターで行うもの。


なんで今回の聖杯戦争はこんなにも歪んでいるの。


サーヴァントに選ばれるのは ラブライブ優勝の名誉を持つ英雄…


そして、マスター達に選ばれたのはラブライブ優勝を夢見る少女達…


聖杯戦争の本来の姿とは全然違う。


わからない・・・なんで曜達が選ばれたのか。


こんな戦い


本当に…意味わかんない。


海未 SIDE


周囲から音が消えました。


声を発しても、声が聞こえません。


私の耳に真姫が何かをしたのでしょうか。


これでは、真姫達の場所を音から特定できません。


やってくれますね…真姫。


英雄 園田海未には獲物を遠距離から仕留める為に 遠視と超聴力が与えられています。


遠視は建物に隠れていることから不可能。


超聴力は音を消されている状況では不可能。


そして 私の魔力適正はC極めて低め。


魔力を用いた探知などは不可能ですね。


となると、真姫達を探し出す手段は一つですね。


一つ一つ周辺の家屋を破壊する。


これが確実です。


真姫 SIDE


真姫「… そろそろ海未が何かしらの手を打ってくるでしょうね。」


私達の場所がわからないからって大人しく帰ってくれるタイプじゃないでしょうしね。


曜「…」


真姫「そろそろ決めてくれる?曜

聖杯の権利を捨てて普通に生きるか、私と聖杯を手にいれるために戦うか。

私のオススメは聖杯の権利を捨てる方よ。」


曜「…聖杯を使えば世界をもっとよくできるかな?」


真姫「・・・使い方によってはできるんじゃない?」


曜「なら、聖杯戦争に本気で勝つよ。」


真姫「…覚悟はしたみたいだけど。

ちゃんと自分の命と聖杯の権利を天秤に掛けて考えた?」


曜「よく考えたよ。

よく考えて、こんな機会もう一生ないと思ったんだ。」


真姫「世界をよくしたいだっけ?」


確かに聖杯を使いでもしなきゃ実現できないでしょうけど…


曜「でも、私の願いは本当に世界をよくするかわからない。

多分自分を正当化したいだけなんだ。」




真姫「サーヴァントとしてマスターに尋ねるわ。あなたが聖杯に託す願いは?」


曜「うん。わたしは誰も死なない世界が欲しい。」


真姫「本気?」


曜「うん、本気だよ。」


曜は揺るぎない目で私を見た。


誰も死なない世界…


幻想ね。


確かに、聖杯を使えばその願いは叶えられる。


でも、その後が問題よ。


人口の供給は止まらずに、人口の減少は存在しない。


誰も死なない世界なら食料問題とかはないのかしら。


何も食べなくても生きていける体に人類が進化するのかしら。


そして、細胞分裂によってテロメアが短くならない。


つまり、細胞分裂の可能回数が無限になるってことかしら。


死なないってことは事故なんかで心臓が止まるほどの傷を受けても生きてる。


トータルすると。


何も食べずに生きていけて、細胞分裂の回数に限りがなくて若いままの姿を維持できて、

重症の傷を負ってもすぐに再生できる人間。


ここまでくると人間なんて呼べないでしょうけど。


要約すると、これが曜の願いね。


本人は そこのところ わかってるのかしら。


他にも、地球側の寿命の問題とか色々あるけど。


まず聞かなきゃいけない話があるわね。


真姫「あなたの友達や親族が、この戦いの犠牲になったらその願いじゃ救えないわよ?」


曜「そこはAqoursのメンバーのみんな…

主にダイヤさんと話し合うよ。

私達の聖杯戦争に犠牲がでるのはやめようって。」


犠牲なしね…


聖杯戦争を行い勝者は聖杯を手にする権利が与えれる。


なんでスクールアイドル Aqoursを聖杯戦争の参加者に選んだの…


聖杯戦争の主催者は誰なの?


聖杯なんて 誰もが喉から手が出るほど欲しいもののはずなのに…


それを主催者側が黙って見ているものなのかしら。


主催者も聖杯は欲しいはず。


聖杯を手に入れるために必要な儀式が聖杯戦争。


なら…


Aqoursのメンバーの中に主催者がいる?


だとしたら、海未のマスターが断トツで怪しいわね。


開戦前にサーヴァントを動かすなんて、素人にしては準備よすぎだもの…


真姫「ダイヤ?って子以外で

聖杯戦争に前向きな姿勢の人っている?」


曜「今日話した限りじゃいないと思うけど…」


真姫「ならそのダイヤって子を抑えれば、

ルールを決めた聖杯戦争ができるんじゃな

い?幸い今回の聖杯戦争は内輪だけで行われてるんだから。」


曜「うん、果南ちゃんもそう言ってた。

でもダイヤさんだって

そのくらいわかってると思うのに…」


真姫「…とりあえず、この場をくぐり抜けたら、Aqoursのメンバーに話し合いがしたいってメッセージを飛ばしてみたら?」


曜「そうだね。

明日にでもAqoursのみんなと話し合うよ。」


真姫「なら、とりあえず海未をどうにかしましょうか。」


後で、曜の願いについては言及しないとだけど。


とりあえず、海未をそろそろどうにかしないとね。


私は制服に入れていた、宝具を取り出した。


曜「真姫ちゃん それってオルゴール?」


真姫「ええ、私が持っている宝具の一つ。

旋律・禁断の箱

『メロディー・パンドラボックス』よ。」


曜「宝具?って何?」


真姫「私達サーヴァントが持っている必殺技みたいなものよ。」


曜「へぇー。普通のオルゴールに見えるけど・・・」


真姫「見た目は普通だけど、こう見えて凄いものなのよ。

録音した音をあらゆる音よりも上書きして、対象者に聞かせる能力。

それがメロディー・パンドラボックスの能力の一つなの。」


曜「うーんと、録音した音を他の人に聞かせる能力…。最近のオルゴールだと録音機能は珍しくないんじゃないの?」


真姫「あらゆる音を上書きすること。

能力の対象者に強制的に聞かせる。

この2つがこの宝具の強さなの。」


真姫「海未はアーチャーなんだから、耳と眼は特別優れているはず。

建物に隠れている今なら、眼は頼りにならないわ。

そして、一番厄介な耳を今この宝具で潰してるのよ。」















...To Be Continued



誤字がございましたらご報告いただけると幸いです。


〜 聖杯戦争 招待状 〜

「聖杯戦争を開催する。

この手紙が君たちの元に届いてから1日後に開戦の狼煙が聞こえるはずだ、それまでに触媒を手に、ラブライブの英雄を召喚し備えろ。参加の意思がない人間は構わないが、聖杯戦争はマスター9人の命の消失もしくは、英雄の消滅を9体確認した場合にのみ終結する。

この意味を理解した上での行動をおすすめする。勝者にはどんな望みをも叶える聖杯の恩恵を約束しよう。」


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2018-07-17 22:42:08

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1: NISHIT 2017-10-15 20:26:01 ID: aGQkI-DY

斬新な設定で面白い
まだ序盤なので星はあまりつけませんが
これからに期待です

2: SS好きの名無しさん 2017-11-23 08:38:01 ID: qAjVPvSQ

最初は少し無理ないかと感じたけど最後までスラスラ読めた。続編待機


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