しおいに転生
しおいに転生して近代無双
しおいと妖精とレ級と、最後のほうにイムヤ、秋月、Верный追加
なんとか完結、でも続くんじゃ
21/2/15 久しぶりにみたらなんだこれはたまげたなぁという作品になってて消したくなりましたが、とりあえず放置。ある程度のところまでは修正しましたけど大本がダメすぎて途中で断念しました。
初ssでかなりの駄文になっていると思います。その場のノリで書いているので急な展開とかもあると思います。ここもっとこうすれば良くなるなどありましたらぜひともお願いします。m(__)m 転生モノが少ない→書けばいいじゃないということで書いてみました
0-プロローグ
俺は死んだはずだ。
最後の記憶によると、どうやら船に乗っていてそのまま沈没して溺死したらしい。
不思議なことに意識がある。なぜだろうか。
そんなことを考えていると、さっきからうるさい、まるで赤ん坊の泣き声のようなものがきこえる。
どこから出ているのかと不思議に思って注意深く聞いてみると、なんと自分からでてた。
これは俺が赤子になったということか?なぜ?
わけがわからない。
パニックになりそうだ。
少し落ち着いた。とりあえず、現状を理解するのではなく、受け入れる方向で行くことにした。理解するのは明日の自分にまかせることにする。因みに自分の体は女性のものになっていた。自分が未だに生きていることに比べればたいしたことではないが、もはや何が起きているのか訳が分からなかった。
自分が再び赤子になってから暫くしたある日のことだ。
ふと目が覚めると、誰かが話していた。
この世界での父と母の声だ。
「この子が無事に生まれてきてくれて本当によかったわ。でもこの子艦娘の適正があるみたい。この子の将来はどうなるのかしら…」
「艦娘にしたほうがいいだろう。最近は深海棲艦の動きも落ち着いてきた。艦娘になれば給料もいい。そうしてくれたほうが家計にも助かる」
「でも、艦娘なんて…
これ以上は聞き取れなかった。だらしないことに俺の脳みそは眠れと命令してくる。
しかしながら艦娘。つまりここは前に遊んでいた艦これの世界なんだと理解した。
この後判明したのは俺はしおいという名であること、世界としては深海棲艦により制海権が失われ、孤立しているということだ。
その後はすくすくとなにごともなく成長し、小学校に入学した。
0-1
小学校は退屈だった。勉強も大体わかっていることばかりだし、友達もまわりが女子っぽいので話すことはあっても馬が合うやつがいなくて友達と呼べるような奴はいなかった。
そんな退屈な日のなかのある日。
俺は妖精さんとあった。
その日はのどかな春の晴れた日だった。
休日だということで、近所の公園のベンチにすわってうとうとしていたところに現れたのだ。
後で本人になんで姿を見せたのかきいてみたところ、
―相手の思考や記憶を読み取るための実験を行っていたら君の前世とかいうのを引っ掛けたんだ。面白そうだったし、当時すごく退屈だったから、まあ気まぐれで対話を試みたというわけだ。
と語ってくれた。
まあそんなことはどうでもいいか。
「やあ、君は何をしているんだい?」
妖精がいった。俺は暇だったので世にも珍しい妖精と会話をすることにした。
「ただうとうとしているだけですよ」
「ただうとうとしていただけ?なら君はボクと同じ退屈なやつってことだね」
「それで何か用ですか?」
「とくにないさ。暇だったから話しかけただけ。君は前世とか言うのがあるんでしょ?面白そうじゃないか」
「…どこでそのことを?」
「ボクの技術を使ってね。君も使ってみたいと思わない?きっとおもしろいよ?」
「まるで悪魔の取引みたいですね。なら代価としてあなたは何を望むの?」
「実験。ボクが作った作品のお披露目会さ」
「実験」
「そうさ。今更説明はいらないと思うけど、当然ボクたち妖精が作るのは艦娘のためのものだから、君には艦娘になってもらいたい」
ふむ。理由としてはそれっぽいし条件としては悪くない。そもそも艦娘になるつもりでいたのだ。だがすこしきな臭い気もする。
「あなたの言いたいことはわかりました。でもあなた、あまり信頼できなくてよ」
「まあそれは自覚しているさ。でもこれでも一時は軍の兵器開発に携わっていたこともあったよ」
かなり怪しいし、この妖精が軍にいたという確証もない。だがまあ、前世云々を知られてしまっているのだから、この話に乗らないという道はすでにないようなものだ。ならこちらに多少利益がある現状で契約を結んでしまうべきだろう。
「軍にいたというならばいいでしょう。妖精はもともと信頼できる者が多いですし。」
すると妖精がこんなことをいった。
「そんなに信頼が大事かい。なら信頼を得るためにボクの本音を話すよ。ボクはね、暇なんだ。兵器も人類が悪用しても大事にならないようにある程度の制限がある。開発も制限されている。これは妖精側の取り決めでね、破ると工廠の妖精から追放され兵器の開発ができなくなる。今ボクは追放状態でね、設計図はかけても実際には作れない。材料がないからね。でも設計図も技術開発も飽きてきた。新しいことがしたい」
「そこできみを見つけた。君のその完全記憶を持つ頭の中にはいろいろな兵器のデータがある。新しいものも多い。ぜひとも作りたい。そのためのことならなんでもするくらいには。そうだ、君がもしボクに協力してくれるならボクは君に尽くそう。君といればきっと飽きないだろうね。もう退屈なのはこりごりなんだ」
なるほど。つまりは余りにも退屈過ぎて嫌になっていたところに餌が来たというようなものか。退屈は人を殺すともいうし、長い間に渡って退屈なとき、人はどんどんとストレスがたまり、しまいにはそれが解消されるならなんでもすると言う人が出てくる程だしな。
そう思ったあと俺はそれに答えた。
「余程必死なのですね。その退屈から抜け出すのに。いいでしょう。私はあなたに協力します。あなたは大変愉快な妖精のようですしね」
「ふふふ、そうかい?ところで口調も元に戻していいんじゃないかな。ボクには君のまえの口調は丸分かりなんだからね」
「そうか、ならよろしく」
「そうそう、フランクでなきゃ人間気がめいっちゃうからね。まあよろしく頼むよ。しおい」
「ところでお前さん名前なんていうんだ?」
「いやとくにはないよ。ボクたちはみんなまとめて妖精とか呼ばれているからね。」
「それじゃあこれから不便だろう。これからやっていくのにほかの妖精と区別できなきゃ」
「そうか。それなら君がボクの名前を決めるといいよ。正直名前は決めるのが面倒なんだよね」
「そうか、ううむ。瑞雲…に紫電…よし、紫瑞(むらたま)としよう。」
「ボクの名前は飛行機からとるのかい…。まあ問題ないけどね」
「問題がないならいいだろう。それで紫瑞、これからどうやって連絡を取る?」
「この携帯型のデバイスでも使えばいいんじゃないかい。古い奴だけども」
「古くても使えればいいさ。これで連絡手段もできたし、今日はここで一旦切り上げようかね」
「そうだね。そんじゃあまたね。」
そういって紫瑞は帰っていった。
これからが楽しみだ。
そんなやり取りがあった後、俺は紫瑞の暇つぶしという名の兵器開発に協力することになった。しかし、小学生のうちでは特にできることもない。頭の中にある武器の知識を元にして兵器の構想を練ることがもっぱらだ。これはそんなある日の会話録である。
「そういえば俺はどんな艦娘になれるんだ?」
「ちょっとまってね…うん、君は伊401になれるようだ。それならば魚雷の代わりになるものをまず開発してみようか。」
「ああ、それについてはいいものがある。RPGという対戦車用のロケットランチャーだな。歩兵が携帯するやつ。それに時限信管と
水中使用にしたものとかはどうだろうか。」
「でもそれなら魚雷でもいいんじゃないかな」
「でもサブウェポンは大切だろ。艤装が破損してもいいように独立した武器があるといい」
「なるほどね。わかったよ。その方向で後は水中使用と支給された魚雷をRPGの弾に変える技術の開発はやっておくよ」
「その技術ができたら応用で機銃についても強化できそうだ」
「ふうん?ちなみに伊401に標準搭載されているのは25mm三連装機銃三基と単装ひとつだったかな」
「CIWS、近接防御火器システムというものがあるんだが、それの再現のためにレーダーと連携した対空ガトリング砲があるといい。それから一応の保険にM82A2をひとつほしい。でもこっちはあとでいいか。説明が難しい。」
「ふむ、そっちはなんだか面白そうな兵器になりそうな名前だね。楽しみにしておくよ。そっちは思考通話の技術の開発が終わったらじっく
りやるとしようか。んじゃRPGの弾薬についてきこうか。」
「RPGはまずPG-7VというHEAT弾頭が有名だったな。装甲貫通力が高い。知っているとは思うがHEAT弾頭とは円柱状の炸薬の片側を漏斗状にへこませてそこに同じ形の金属板を装着している。へこませた側と反対から起爆させることで爆轟波を発生させて金属板は動的超高圧になって崩壊。液体に近似した動きをするようになる。その結果爆轟波の進行に伴い漏斗中心に発生した圧縮凝固点によって底部から先端まで搾り出されるように液体金属が噴射されて、メタルジェットが起きる。これが敵の装甲を侵食していくという構造のことだな。」
「HEATはやっぱり非常によく考えられている技術だよね。それじゃあまずはHEAT弾頭を設計してみることにするよ」
「それから照明弾、スモーク弾、非致死性化学弾、焼夷弾、破片弾なんかがあるな」
「破片弾、手榴弾と同じ感じかな。まあ簡単そうだしそっちもやってみるよ」
「ついでにRPGを艦で言うミサイル発射管の代わりのものにできないかと思うのだが」
「ミサイルね…。それはこっちにも概念はあるけど当時作ろうとしたら上から禁止されたもののひとつだね。まあミサイル発射管はちょっと手を加えるだけだからたぶん問題ないと思うよ。」
「そうか。それならそっちもよろしく。」
夕方
「それじゃ今日はこの辺で。さよならだな。」
「うん、あしたも新しいものを楽しみにしておくよ。それじゃあね」
こうして放課後のまたは休日の楽しい時間をすごした。
妖精―紫瑞―との出会いからしばらくたって、小学校を卒業した。その後軍学校に受かり無事行くことができた。父は賛成してくれたが、母は反対した。だけれどもどうしてもいかなければならないのだ。母には申しわけないが、とにかく軍学校に入った。
試験は男はペーパーと体力、女子は艦娘の適正の有無で分けられ、あるものは試験の後合格者は特別入学、ないものは男と同じ試験を受けた。
おれはもともと適正があったので楽に入れたのだ。
合格発表の一週間くらい後、入学式が行われその後こんな説明をうけた。
「これからの予定の説明を行う。貴様ら艦娘の適正があるものには、早々から艦娘になって訓練をうけてもらう。その際妖精の技術を利用し、人格の書き換えが行われる。又、それによって作戦時に進軍などの戦術や戦略については提督への服従が強制されるが、本来の人格はきちんと保存され、退役時には元に戻すことができるで安心してほしい。しかし、どうしてもいやだというものは早々に退学したまえ。ここに残るということはこれを受け入れるというものである。貴様らのよい返事を期待している。以上だ。解散!!」
まあこれは予め書類で説明されてたことで今更だ。思うに軍部は、性格をも規格化することで作戦行動やコミュニケーションをより円滑にしようというのだろうか。
とりあえずこのことは紫瑞に相談して、対策を立ててしまおう。
兵器開発に支障が出ないようにするためにも。
「やあ、いきなりどうしたんだい?そういえば前に話してくれたイージスシステムが興味深くてね、それを参考に脳を中央コンピュータに見立てて艤装の管理、照準のサポート機能、仲間との通信機能やその他いろいろなものを盛り込んだブレインコンピュータ、BCと呼べるものを作ってたんだけどその開発が終わったんだ。まあ開発には自分を実験台にしたんだけどね。それでね、これをいますぐに君の脳みそに組み込みたいんだよ。いまからこのカプセルに入っているごく小さい機械、ナノマシーンを体内に入れて君の脳みそをいじるからね。」
「いやいやそれどころじゃないなにするんだや
紫瑞の研究室に入ってすぐに、一方的に早口で捲し立てられた後、機械で拘束されなにかカプセル状をねじ込まれた。
ゲホゲホとせき込みながら、涙目で紫瑞を睨む。
「なんだい。脳みそいじるのに1時間はかかるんだ。まあその間に聞こうじゃないか。なにがあったんだい。」
「……まあいい。んで近いうちにな、艦娘になれることになった。その際に人格を書き換えられるとかで」
「ああ。それか。そんなこともあったね。まあ大丈夫だと思うよ。こっちも君の人格が変わって兵器開発しなくなるおそれもあるからね、対策はするよ。BCにダミーを作らせてそこに書き換えを行わせればいいと思うし。それくらいなら簡単なことだね。あと対外的に怪しまれないように受け答えをダミーにやらせるとかそういうようなことも組み込んでおくかな…。あ、ちなみにBCは普通の人間が使うと脳が焼ききれるおそれもあるんだけど、艦娘になってしまえば特に細胞の損傷を考えなくてもいいくらいには頑丈になるから使えるんだよね。安心して使えばいいよ。ボクが保障する」
「お、おう。そうなのか。あと人格の書き換えにも対策ができるのならこの技術は表に出さないほうがいいな」
「そうだね。いろいろ面倒だと思うし、面倒ごと起こすくらいなら兵器開発やっていたほうがいいしね」
そうしてBCの実装は終わった。
それによって視界にはウィンドウの様なものがみえるようになり紫瑞と会話なしであちらからのメッセージがウィンドウにでるようになった。
これからは機密保持のためにそちらを使うことになった。
―それからなんだけどもうすこしで光学迷彩ができそうなんだよね。艤装展開中かつ戦闘中のときはBCの要領を超えるから無理だけど、ふつうならRPGとライフルサイズなら隠すことができるよ。ボクのBCだとそんなに容量がないからボク自身だけだけどね。
それならば学校でも持ち歩けるか。
―そうだね。肝心のRPGができてないけど。
4年生になったら実戦訓練があるらしいからそれまでのしんぼうだなあ。
―まあ深海棲艦さえあれば資源に変えられるしね。それじゃあ今日はこれでいいかな。
そうだな、学校が寮らしいけど、今日は家に帰れということだし。家に帰るわ。じゃあね。
―それじゃあね。
次の日学校。
艦娘になりたくないというものはどうやらいなかったようだ。
全員が艦娘になるための施術を受けることになった。
段階としては、
1、容姿の改変
2、艦の記憶および規格化された人格の上書き
の二段階らしい。
また艤装は艦娘の一部として自由に展開したり消したりすることができるんだとか。これはかつての妖精さんが何の規制もなかったときに本気で作った代物らしく、改良したりすることが難しいらしい。それなので新しく作るRPGは消すことができないがCIWSは三連装機銃と置き換えて設置するという形で艤装の一部にする予定で一緒に展開できるようにする予定らしいが詳しいことはよく分からなかった。。
閑話休題
さて、今度は俺の番がきた。
台の上に寝るとそのまま容姿の改変が行われていく。
髪は茶髪に近くなり、肌が日焼けの後のように小麦色に変わったが、肌の地は白に近いようである。顔つきはとある絵師特有の芋っぽさと童顔が融合したようなもの、いわゆる伊401の顔に変化していた。
なかなかの容姿である。前では伊401が嫁だったので自分でなれてちょっとうれしかったりはする。
次に記憶と人格の上書きをされるのだが、BCが反応する。
[Alart!! Hackers attempted to change your characteristics.
I make a dummy.../ complete.
Then,I make a new personality overwrite the dummy.........................
/complete.
All processes have finished.
I will finish this program.]
プログラムに使われている英語を翻訳するのが面倒だったのだろうか。
読みづらい。
ただ、無事に終わったようだ。
受け答えがダミーと本人で選べるようになっている。
とりあえずはダミーにしておいた。
ふとほかの連中をみてみるとみんな終わったようだ。
教官が言う。
「貴様ら皆無事に終わったようだな。ではこれより寮へと向かい今日はそこで休養をとるように。部屋の割り振りは寮で発表されているので確認しろ。また、明日から本格的な訓練や授業が始まるので準備しておけ」
そうか、今日はもう終わりか。
では寮に向かうとしよう。
部屋割りは基本的に同型艦、または同艦種で、大体3人でまとめられているみたいだ。
さて俺の部屋・・・どうやら1401号室みたいだ。
同じ部屋の連中は伊19と伊58…。にぎやかになりそうというか頭のネジがふっとんでないといいんだが。
1401号室についたが、どうやら伊19と伊58は先に部屋に行ってたみたいで途中で会うことはなかった。
ドアを開ける。
「んん?だーれ?」
「どうも、ごきげんよう。伊401です。これからよろしくね」
「伊401じゃよびずらいのね。なにかあだなみたいなのないの?」
「それじゃあしおいってよんでね。」
「わかったのね。イクは伊19なの。イクって呼ぶの!」
「ところで伊58は?」
「ゴーヤのこと?それならいま荷物取りにいってるのね。」
「ゴーヤ、ただいま戻りました~」
「戻ってきたのね。こっちは伊401、しおいなのね。」
「これからよろしくね」
「よろしくでち。伊58だよ。ゴーヤってよんでね。」
「それじゃあこれからベッドと荷物の置き場決めちゃうのね!」
「それじゃあゴーヤは一番下のベッドがいいでち。落ちる心配がないでち。」
「じゃあイクはまんなかのベッドなのね!上のベッドの子をいたずらするのね!」
「ほう……ふむ……ふうん……」
「じょ、じょうだんなのね。だからしおい、おちつくのね。」
「そうだよね、じょうだんだよね。」
「そうなのね(こんなにしおいって怖かったの?はじめと比べてなんか雰囲気がちがうのね。)」
「まあまあおちつくでち。それで荷物はどうする?それぞれの机に今から整理しちゃう?」
「そうしちゃおう」
「それじゃあ整理開始するのね」
まずかったかもしれない。
しかし、睡眠は俺にとっての楽しみである。そのため悪戯するなどといっていたのでついつい受け答えを素のほうにしてしまった。
違和感は覚えられたかもしれない。気をつけよう。
ちなみに受け答えは意識するだけで変えることができる。デフォルトはダミーのほうだが。
「整理終わったのね」
「こっちもおわったでち」
「ちょっとまってね。まだおわってないの」
「そんなにいっぱいあるの?」
「ちょっとね。ノートが多めで」
「そうなの。しおいは勤勉なのね」
「そうねぇ。そういうわけでもないんだけど。」
「まあいいのね。残りはイクがダンボールあげるからそこにつめるのね。」
「あ、ありがとー」
「何とか終わったね」
「それじゃあ夕食にいくのね!」
「「おー!!」」
夕食は寮内に食堂があるのでそこで食べることになっている。
「ここ、いろいろあるのね。どれにしよう」
「ごーや、このカレーにするでち。」
「それじゃあ、さばの味噌に定食にしようかなあ。」
「きめたのね!この台湾ラーメンにするのね!」
「それ相当辛そうだよ・・・」
「大丈夫なのね!辛いのは大好きなのね!」
「決めたならはやく注文するでち」
「すみませーん、カレーと台湾ラーメン、さばの味噌煮定食ひとつずつください」
<はいただいまおもちしますねー
「さて、早速きたけど・・・その台湾ラーメン真っ赤・・・」
「だ、大丈夫なのね。」
「おいしそうでち。それより早く食べるでち」
「い、痛いのね。舌が痛いのね…。」
「よくたべきれたね。」
「カレーおいしかったよ。今度からふたりもあれ頼むでち」
「鯖の味噌煮もおいしかったよ。あれもおすすめ」
「台湾ラーメンだけは地雷なのね…。」
「まあまあ、おなかがふくれたならいいじゃない」
「とりあえず舌を冷やすのね…。部屋に戻るの」
「今日はいろいろあったのね」
「そうだねー艦娘になったり、家が寮になったり、」
「きょうはつかれたでち。明日に備えて寝るでち。」
「そういえば制服は?」
「指定の水着なら明日の朝部屋の前においておくっていってたでち。」
「指定の水着・・・」
「なんでも機能的らしいでち」
「べつになんでもいいのね。ほら、さっさと寝るのね。」
「しおいはまだやることがあるから先に寝てて。」
「わかったの」
「おやすみでち」
紫瑞いるか?
―はいよ、どうしたんだい?
今からCIWSとM82の詳細を送りたいんだが。
―ちょっと待っててね・・・。はいよ、準備できたよ。
それじゃあおくるぞ。
[I am sending the information about M134, M82A1 and M82A2..../complete.]
―ん?なんでM82A2だけじゃなくてM82A1も?
艤装の武装をみてみたら14cm単装砲がついててな。そのかわりにできないかと。
―なるほどね。それじゃあA1とA2は同じ武装で変形させて使えるように設計しておくよ。またやることが増えたね。
まいどまいどすまんな
―いいんだよ。君のおかげでボクの生活にも色が戻ったからね。あんな灰色の生活はもうごめんだよ。
そうかい。それはよかった。
―それから光学迷彩のほうだけど明日には終わりそうだからあさってそっちに行ってアップデートしちゃうよ。
そうか。よろしく。
in紫瑞
さて、このファイルを解析しなきゃね。
今回はバレットM82、ミニガンだったっけ。
バレットのほうは・・・。これならすぐにいけそうかな。BCのほうで切り替えができるようにしておけばいいか。
さて、ミニガンのほうだけど・・・。これはちょっと複雑かな。
電源はどうしようか。
艤装をちょっといじって大容量バッテリーを増設しようか。
それくらいならできそうだし。
あとはミニガンの連射速度をいじれるようにしておこうかな。
照準もBCでつけられるようにしておこう。
さて、うん?DU?なんだろう?ミニガンに関連付けられているようだけど・・・。
へえ。DU=Depleted uranium ammunition. 劣化ウラン弾というのか。
もともとのバルカン砲に使われているから使えそうだと。
この弾、タングステンよりも貫通力が高いのか。さらに当たったとき自身の持つ運動エネルギーが熱エネルギーに変わって劣化ウランが融解、装甲を貫通した後に自身の溶解した劣化ウランが飛び散って撒き散らされ、酸素と激しく反応し焼夷効果をもたらすと。これもう爆発といってもいいんじゃないかな。
核兵器のついでに劣化ウランがどうしてもでてくるからそっちも利用しろってことかな。
劣化ウランねえ。プルトニウムの変換に劣化ウランを組み込んでおくかな。
わざわざタングステンに変換するよりも効率がいいとBCのシミュレーションにもでているし、手持ちのプルトニウムが足りなくなったら劣化ウランを変えればいいようにしておくかな。
機銃の弾にもなるしいざというときはプルトニウムにもできる、効率がいいね。
放射能汚染は一定時間後に強制的にウランを崩壊させて出てきた放射線はエネルギーに変換、拡散させるかな。
以前開発したのにそういうのがあったはず。
ああいろいろやることがあってたのしいなあ。
しおいには感謝しなきゃね。
真夜中
俺はずっとノートを書いている
デザートイーグルにM4カービン、L96、テラー・ウラム型、爆縮レンズ、その他いろいろ。
諸元から構造まで、忘れないように。
前の世界ではある種の病気だったので忘れられなかったが、この世界ではどうなのかはわからない。明日には忘れているかもしれない。
だから記録をしておく。
数学、物理、化学、生物。
高校レベルの経済や政治
英語。
職業柄の軍事関連の情報。
いろいろなことを覚えてきたが、この習慣をやめるわけにはいかない。
この世界では自分の知識の補完が難しい。
兵器の知識ならなおさらだ。
少し間違えば事故がおきかねない。
正確に正確に。
今日も書いていこう。
「しおい、おきるのね。」
「んみゅ…あと五分…」
「いいかげんにするのね。早くしないと朝ごはん食べずに授業になっちゃうのね。」
「それだけは勘弁してください…。」
「ところで着替えの制服は?」
「こっちでち。はい」
「スク水…。」
「機能的らしいでち。さっさと着るでち。」
「え、でもこれが制服なんて認められないというか・・・。」
「変なしおいなのね。制服としてなにもおかしいところはないの。イクたちの朝食のためにおとなしくあきらめて着るのね。」
「さあ、さっさときるでち」
(着るしかないのか。しかし、自分の中のなにかが許さないッ)
「もう無理やりきせるのね」
「しかたないね。ゴーヤたちの朝食のためでち。」
「あ、やめ、話せば分かるから、はなせば「うるさいよ」
「そっちおさえるの。イクは上脱がしちゃうのね」
「了解だよ。」
「や、やめよ、ね、それいじょうはいくらなんでもいけないとおもうんだだから
はは、しんだ。おれのなかのなにかがしんだ。最後の防波堤が死んだ。
「いつまで呆けているでち。さっさと注文してね。」
「ああ…。それじゃあ朝食セットで…。」
<はいよー
「朝食もおいしかったでち。」
「イクの朝食は地雷じゃなかったのね。」
「うん・・・。おいしかったよ…。」
「それじゃあさっさと教室に急ぐのね」
「そのまえに部屋に戻って授業の用意をとってこないと。」
「きょうは一日中訓練でち」
「あ、そうなの。」
「そういうことでち。さっさといくでち。」
訓練場にて
教官は艦娘のようだ。
「みなさんこんにちは、これから指導全般を担当させていただく羽黒です。よろしくおねがいします。」
「これから、訓練所の説明をさせていただきます。」
「まず、ここは授業のほかに自主練習もできます。時間は授業後から夜遅くまでできます。」
「弾薬は支給されますし購入も可能です。ただし訓練所以外での発砲は厳重に処罰されます。」
「さて、きょうの授業ですが、ええと・・・水上艦の方は水上移動の訓練と艦砲射撃体験、潜水艦の方は潜水訓練と、雷撃の体験となっています。」
「では水上艦の方はこちらへ。潜水艦の方はあちらへどうぞ」
「潜水艦の訓練ははっちゃんが担当します。」
「ねえ、はっちゃんてだれ?」
「伊8なのね」
「たしか大本営の主力潜水艦のひとでち。」
「そこ、無駄口たたかない。」
「すみません」
「それでは今日は潜水訓練を行った後に魚雷の体験をしてもらいます。」
「了解なのね」
「わかったでち」
「はーい」
「元気のいい返事で大変よろしい。でははじめていきましょう。」
潜水訓練の内容は艤装を展開した後にそのまま水中にもぐり、無音潜航をするというシンプルなものだったが、意外に難しい。
「そこ、艤装の稼動音が丸聞こえ。まだ最初だからいいですけれど、実戦ではすぐに見つかってしまいますよ。」
「しおいの艤装は稼動音が特にひどいのね。」
「伊19、あなたはもっと長くもぐれるように」
「イクの潜航時間はそんなに短くないのね」
「ではあなたは7時間もぐっていられますか?」
「それは…難しいのね」
「ぷはあ潜水艦はやっぱり潜水してなんぼよね」
「伊58、まじめにやりなさい。さっきからまじめにやっている気配がありません。付きっ切りで指導してあげましょうか?」
「そ、それはかんべんしてくだしぃ」
「これ艤装の問題なのかなあ。何回やっても騒音がひどいや」
「伊400型はその広大な航行力の代償に機関部の騒音はひどいものになっています。そのためあなたは特に気をつけなければなりません。」
「まあ、長時間もぐっているのは苦しくないんだけど…。」
「それにあなたは特に晴嵐の扱いも学ばなければならないのですよ。潜水艦のみの作戦においてあなたは索敵の要ともなります。」
「晴嵐さんかあ。たいへんだなあ」
「さあ、話はおしまいですからもう一回潜水します。その後に魚雷訓練にはいります。」
「ようやく魚雷が撃てるのね。うずうずするの!」
「ごーやは普通の魚雷が撃てればいいでち。あれじゃなきゃなんでもいいでち」
「さすがに回天はないとおもうけど…。」
「さあ、無駄話はそこらへんにして、さっさともぐりますよ」
やっぱりうるさい。これは致命的に成りかねないな。
イクやゴーヤ、ハチなんかを見てみると艤装自体もコンパクトだ。稼動音もそんなにしないし、とくにハチは無音潜航に近いものになっている。あれが主力潜水艦の実力の一端なのだろう。
とにかくこんなままで実戦に出たら間違いなく爆雷でお陀仏だ。
爆雷には威力が400kg級のものもある。そんなものが当たれば薄い装甲では大破しかねない。
紫瑞にどうにか成らないかちょっと相談してみようか。
おうい、いるかい
―なんだい、いまようやく完成したところだけど、その催促かい?
いんや、艤装の稼動音についてなんだが
―うーん。一回艤装を消してみて。
こうか。ちょっと苦しいな。
―艤装は潜水の手助けをしているからね。きみはもともと伊401だから艤装なしでも他の潜水艦がやるよりかは長時間いけるはずだよ。
そうか。艤装なしなら動きもスムーズにいけるし音も気にしなくていいな。
―ただね、そのままで爆雷なんかの直撃をもらうと君気絶しかねないよ?
へ?
―艤装と支給されているはずの制服はね、ダメージから艦娘本人を保護するためにあるんだ。傷を肩代わりしてくれるんだよ。当然艤装なしで傷を負えば制服ではダメージを抑えきれないに決まっている。つまりその方法には相当のリスクがあるんだ。だから普通は学校では教えてないはずだよ。
そうなのか。この世の中うまい話は早々ないってことだな
―そういうことだね。それと今夜そっちにいくよ。予定よりかなり早く完成したからね。これで当面の技術開発は終わりだからこんどはそっちに拠点を移すよ。
そうか。それなら寮の部屋は1401だ。
―それじゃあね。
今回の紫瑞の会話からベストと思われる潜航方法は静止するときは艤装展開、移動は艤装なしと結論付けられるな。
さて、実際にやっt「なにをしているの」
やばい。ハチに見つかったようだ。
「いちど伊401はあがりなさい」
「了解です、教官」
「はっちゃんは”艤装を展開して”潜航しなさいと指示をだしましたよね」
「ええ」
「なのになんで艤装を消していたのですか。」
「稼動音が煩いならば艤装を消してしまえばいいじゃないといいますか」
「非常に危険ですから以後禁止します。いいですね。」
「了解です」
「今回は初めてですから口頭注意だけにしますが次からは罰則がつきますからね」
「了解です」
「さあ、次は魚雷の訓練に移りますよ。」
「やったのね」
「早く撃つでち」
「それじゃあ魚雷を配給します。」
「魚雷5発、いきわたりましたね。」
「早く撃たせるのね」
「はいはい。それでは潜水の後、標的に向かって魚雷を発射してください。」
横ではイクがすでに魚雷を一発撃ったが目標から大きく外れたようだ。
目標は100m先の的で、それに魚雷をうまく当てるというものだ。
的は水面に固定されていて船底を再現している。
次はゴーヤがうつも、右50cmのところを通り過ぎていく。
さて、まずはBCなしで撃ってみようか。
とりあえず一発うった。
軌道が大きく右にずれていく。
どうやら水流が左から右へと流れているようだ。
次にイクが撃つ。と見事に目標に命中。爆発する。
こっちにむかってイクがVサインをしてくる。
こっちもおめでとうと返しておいた。
ゴーヤも当てたようだ。
こいつらはもうすでに魚雷の軌道を修正したようだ。
ううむ。どうしたものか。
とりあえずは左目に撃っておこう。
魚雷発射管を構えて撃った。
おっ見事に命中。
案外いけるのかもな。
横目でイクを見てみる。
今度はど真ん中か。
ゴーヤも上達が異常に早い。
おまえら天才過ぎんよ。
その後のこりの魚雷を撃ちつくして訓練を終了し、今日の授業は終了となった。
明日は座学らしい。
眠くないといいなあ。
夜
今日は第二次世界大戦についての知識を復習していた。
艦娘の元となった艦船が出てくる分野である。
何か役立つかもしれないからこれも覚えておく必要がある。
―着いたよ。君の部屋の前にいるから開けてくれないか。
今開ける。
―君も勤勉だね。わざわざノートにまとめるなんて。ん?これはハンドガンの設計図かい?
そうだな。昨日書いたデザートイーグルという拳銃だな。
―これマグナム撃てるんだね。こんなに詳しい設計図があるならついでに今日作っちゃおうか。改良ならすぐに済みそうだし。
いいけど資源は?
―演習場でもらえるじゃないか。弾薬があればそこから金属を取り出してこれくらいならつくれるよ。
いま金はそこそこあるから大量に弾薬買っておくか。
―そうしてくれるとうれしいね。さて、本来の目的の光学迷彩いれるよ
よろしく。
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I am being updated.........../complete.]
更新が終わり、光学迷彩のウィンドウが新たに増えた。
ここには何を隠すのか、または何をどうごまかすのかを打ち込んで起動させるみたいだ。
―さて、では演習場にいこうか
演習場
昼間に潜水訓練を行ったところではあるがいまは夜中だけあって誰もいない。
まずは弾薬を1000ほど買ったがそこから800を使ってデザートイーグルを元にしたハンドガンを作ったみたいだ。
ハンドガンはレラーと命名した。
元ネタのレラージェは召還者の前に弓矢を手にし、緑色の服を着た狩人の姿で現れ、戦いと争いを引き起こし、矢によって敵に壊疽傷を与えることができるとされている悪魔だ。
ぶっちゃけ合うような名前がこれしか思いつかなかった。
弾薬は実際のデザートイーグルとは違い、深海棲艦にも利くようにした.50AEを使うみたいだ。
誰もいない演習場で実際に撃ってみた。
BCの弾道のアシストもきちんと出る。
第1射
的を大きく吹き飛ばした。真ん中に命中したようである。
第二射
今度は一般的な深海棲艦の装甲と同じ硬さとされている的に撃つ。
見事に貫いたようだ。
そのまま穴が開いた。
今日の試射はこのくらいでいいだろう。
―大体あと70発は用意できるからなくなったら言ってね。重巡クラスくらいならそれでも利くから、接近されたらそれを使うといいよ。マガジンは予備が3つあるからね。
そうか。ありがたい。
―どうしても狙撃中心だと接近されたときが心配だからね。かさばらずに威力のある近接武器が必要になってくる。それをかんがえるとそれはとてもいいものだよ。
近接戦ねえ。
―こればっかりは避けられないだろうし後で戦闘技術なんかも学んでおくといいかもね。
そうするか。
―ああ、それと寝るときに艤装は出しておいてね。ミニガンの換装もやるから。明日はそっちの試射もやらないとね。劣化ウラン弾の威力も見てみたいし。劣化ウラン弾はさっきの弾薬100を変換して200発用意できたから。
わかった。それじゃあ戻るか。
―了解
寮の部屋
―拠点は君の机の周りに置くかな。普段は隠しておくから安心してね。
ん、わかった。
―それじゃあお休み。しおい
おやすみなー紫瑞
次の日、イクにたたき起こされ水着を着て授業に向かう。
そして現在、授業を受けているのだが…。
とにかく眠い。
頭に入ってこない。
ええと、今何やっているんだっけ?
―なにを授業で扱うかの説明だよ。戦術、戦略、武装、一般教養だってさ。
そうだった。
―戦術論なら後でボクが教えることもできるけど、一応授業は聞こうか。テストでどこが出るか位はメモしておこうね。
うん、そうだな。
―とりあえずこのオリエンテーション終わったら戦術論の授業だから、寝ないようにね。
善処します。
「艦隊戦においては、まず航空機による制空権確保の後、航空支援を受けながら敵に肉薄し、砲撃や、雷撃を行うのが一般的な形であります。しかしながら、甲標的を用いた雷撃は敵の射程圏内に入る前に行うことができ、今一般的になりつつあります。ですから…
戦術論の授業は主に現場での判断とかに役に立つものを教えていく授業みたいだが、殆どがすでに知っていることで暇である。
だいたいいまの戦術はかつて日本が想定していた艦隊決戦に近いものになっている。
深海棲艦には硬いものも多く艦載機ではなかなかダメージを与えることができない。
そのため、かつての日本軍の想定した艦隊決戦がなかなか有効であるという。
また戦艦は前の世界では廃れてしまったが深海棲艦の硬さゆえにここでは重要なダメージリソースになりうる。
そのため、はじめに敵のやわらかいものからどんどんと削り、なるべく硬いものに戦艦が砲撃をできるようにすることが重要みたいだ。
まあ、今日の授業をまとめるとこんなものである。
今日は初めてということで授業は戦術論、一般教養でおしまいみたいだ。
一般教養は数学、理科、国語、英語などなど要するに普通の中学、高校であつかうものを取り扱うみたいだ。
知っていることばかりなのでその時間はミニガンの設定をいじっていたり、レラーの昨日のデータ分析を行っていたりしたが。
その後はいわゆる帰りの会などをやって寮に戻ることになる。
だいたい一週間の流れとしては訓練と座学を交互に行い、寮で生活するというような流れになるみたいだ。
さて、このあとはどうしようか。
―そうだね、とりあえず寝たら?
そうしよう。
―また夜中になったら起こすからね。あと、今日の試射は劣化ウラン弾の威力とミニガンの命中率を見たいからイ級あたりを相手にしてもらいたいんだけど。抜け出すなら光学迷彩で簡単にいけるしね。
不安ではあるけれどまあ一応魚雷とレラーをあわせてもっていけば大丈夫かね。んじゃ夜中いこうか。
―それじゃあそれにあわせてこっちも調整しておくよ。
よろしく。んじゃ寮に行ってひとまず寝るか。
―そんじゃいこー
―さあて。いくよ。
ただいま時刻は2200である。
―レーダー起動。南東30Mに艦影ありだね。
光学迷彩を使用した後に寮から抜け出し、現在正面海域にて、索敵を行っている。
―そういえば君は晴嵐は使わないのかい?
いんや支給されていない。
―まだ教えられていないからかな。まあいいや。移動しようか。ここからおよそ30M(海里)南東に行ってみよう。
ここからだと何分くらいだ?
―君の航行速度がおよそ19ktだから、90分もあればつくよ。
そうか。往復で大体3時間、いろいろやって寮には4時間後にはもどれるか。
―だいたいそうだね。それじゃあいこうか。
南東30M地点にて
―レーダーに艦影あり。あとソナーからこれはフラホ2、イ後期4の水雷戦隊のようだね。
随分と詳しくわかるな。
―まあね。急ぎで間に合わせたんだけど、案外いけるよこれ。まあボクが戦闘で役に立たないのなら索敵くらいは担当しようと思ってね。
それはありがたい。それで、どうするかな。予定にはないし、敵は確かソナーやら爆雷やら持っていてはずだが。
―イ級を相手にする予定のはずだけどもねえ。でもこれしとめられればRPGの完成は可能になるし見逃すのはもったいないというか。敵にそういう機械類があったほうが貴金属の取り出しやプルトニウムの合成がほかよりも楽になるんだよね。
ううむ。RPGは早く完成させたいしなあ。仮にやるとしてどういく?
―奇襲かな。確実に魚雷でフラホを仕留めておいたほうがいいかも。
ううむ。魚雷は一応20発持ってきたが・・・。
―一度に8門だっけ?斉射してみれば?
やってみるか。
―それじゃあちょっとまってね。レーダーによる弾道割り出しを行うから。
それじゃあ魚雷の準備に入るぞ。
―すぐに打てるようにしておいてね。
―割り出し完了。そっちに同期させるよ。この位置に潜航してこの角度で雷撃を行って。
わかった。今から潜航する。
所定の位置に到着した。いまから雷撃を行う。
―これがRPGなら必中にできるんだけどもね。まあ贅沢いってもしょうがないか。はじめちゃいましょー
魚雷を同期したレーダーの情報の通りに一斉射する。
発射した8つの魚雷のうち2発が大きくそれていったがホ級にはそれぞれ二発ずつ命中し大破炎上。
イ級後期には二体に1発ずつ命中し撃沈した。
―ソナーの電波を逆探したよ。敵はこっちの位置に気づいたようだね。
しかし敵も気づいた。爆雷の投射を開始したようだ。
水面から爆雷が降ってきて周囲で爆発する。
―一度浮上しようか。このままだと爆雷に直撃するね。
ミニガンも用意しておくか?
―そうしようか。起動はこっちでやっておくよ。
爆雷の合間を縫いながら浮上していく。
浮上した先には目測50m先にイ級後期一隻がいた。
―ミニガンの用意はできているよ。視界のサークルで照準を定めて射撃、連射速度は可変で残段は左下に見えるようにしておいたから。サークルは視線の方向に、連射速度はあとで教えるよ。連射をはじめたいと思えば連射が開始されるよ。終了したいときは連射をとめることを考えてね。
説明を読んでいる間にもイ級後期は5in連装砲を撃ってくる。
回避行動をとりつつ視線をイ級後期に定めた。
するとサークルがイ級後期と重なる。
イ級後期が砲撃後で口を開けっ放しだ
連射を開始した。
ミニガンは一発の音が聞き取れないほどの連射速度でイ級後期の口の中に当たる。
口の中で劣化ウランの火花が散る。夜の暗闇の中でとてもきれいだ。
そのままイ級後期の頭が吹き飛び、沈黙。
残りの劣化ウラン弾は逃げ出そうとしていた大破炎上中のフラホにあて、沈黙させる。
残りはイ級後期一隻。
レラーを太もものホルスターから抜く。
と後ろから至近弾をもらった。
振り向きざまにレラーを2発撃ったがすべて回避される。
なかなか早い動きでこちらに撃っては回避行動をとってくるので、レラーが当たらない。
10発うち、マガジンがひとつ切れてしまった。
―マガジンはこっちによこして、新しいのをわたすよ!
切れたのは紫瑞のほうに投げ、寄越されたマガジンをレラーに叩き込む。
敵も5in連装砲を撃ってくるが夾叉だ。
そのまま連装砲のある口にレラーのマガジン内10発をすべて撃ち込んだ。
それらはどうやらイ級後期の口腔を破壊して脳髄に到達したらしい。
そのままイ級後期は沈黙した。
やっと終わった。
戦闘後の高揚感が心地よい。癖になりそうだ。
―さて、それじゃあ残骸の回収をしようか
今回イ級後期が2体沈んでしまったが、フラホ2にイ級後期2の残骸がある。
残骸を回収し、紫瑞が資源に変換する。
―これだけあればRPGは完成しそうだよ。それじゃあ戻ろうか。
寮にて
イクもゴーヤも寝ているようだ。
ばれずにすむかな。
―さて、それじゃあRPGつくっちゃうからね。君が起きたころには完成しているはずだよ。
そうか。それじゃあお休み。
―おやすみ。
朝
―おはよう。早いけど起こしにきたよ。
んぅ?なんのようで?
―RPG
ああなるほど。それで、光学迷彩か?
―そういうこと。理解が早くて助かるね。
はいはい。さっさとやっちゃうからな。ん、ほい。
―これでひとまずは武装の配備は完了かな。
いやまだ対物ライフルあるだろう。
―あれ作るのに戦艦の大型電探から部品をいくつか拝借しないと作るのに余計な手間がかかるからあとでね。
戦艦級?RPGでいけるんじゃないの?
―少なくともル級改の持つ電探から拝借したいんだ。品質とか耐久性の問題で。
確かにまだル級改は無理だな。
―ということでしばらくあきらめてね。
残念。
―それと昨日の残骸から得られた資源で劣化ウラン弾1000、.50AEを20作っておいたから、報告しておくよ。
わかった。
「あれ、珍しくしおいがおきているのね」
「なにいじってるでち?魚雷?」
「ああうん、ちょっと信管の調整をしようかなーって」
あぶないあぶない。
レラーの掃除をしていたらイクとゴーヤが起きたので慌てて魚雷に偽装したが間に合った。
「信管はまだいじらないほうがいいと思うの」
「まだはじめて撃ったのにそこまでする必要もないでち」
「そうかな。まあ今から片つけちゃうから先に着替えてて」
「わかったでち」
今日は訓練の日ではあるが、昨日の戦闘を考えるとどうしてもぬるく感じてしまう。
「伊401、どうしたのですか。訓練に身が入っていませんよ。」
「すみません。教官」
「これくらいの生活で疲れてしまったのですか、それだと今後きついですよ?」
「いや大丈夫です。」
「そうには見えませんが、まあいいでしょう。訓練に集中するように。」
「今日の訓練はここまでです。皆さんお疲れ様でした。解散です」
「そういえば昨日しおいはどこにいってたのね。夜中トイレに行ったらしおいの姿がみえなかったのね。」
「ちょっと散歩に行っていただけだよ。夜中の復習は結構飽きるからよく散歩するの。」
「そうなの。」
「そうだよ。それじゃあ先に部屋に戻っているね。」
「わかったのね」
あーつかれた
―おつかれさま。そういえば近々敵泊地が見つかったみたいだよ。
ああ、そんなこと朝言ってたな。なんでも大規模な攻略作戦にでるとか。
―まあボクたちには関係がないけどね。
まあ4年生なら後方支援とか残党狩りなんかに狩り出されるみたいだけどなあ。
―実践慣れしろってことかな。
まあそういうことだろう。
―実践といえば今日はいくかい?
まあRPGの弾薬の調達やらやらんとなあ
―とりあえず今ある魚雷のうち半分は変えておいたよ。5発だけ弾頭は空だけど、破片弾5、HEAT弾頭15は用意してあるよ。
そう、ありがと。
―そういえば昨日のミニガンのデータの解析は終わったけれど、弾道の予測とのずれは予測の範囲内、劣化ウラン弾の威力も軽巡クラスには効くことがわかったよ。戦艦クラスにはさすがに厳しいみたいだけどね。
ま、現状は十分だろう。
―さて、話はこれくらいにしようか。それじゃあ準備しておいてね。
りょ。
イクとゴーヤが寝た後、昨日交戦した南東30M地点にきた。
―ここら辺はよく出没しやすいのかな。また艦影を確認したよ。これは・・・新型の軽巡洋艦?
新型軽巡?ツ級か?
―ツ級?ツ級なんて聞いたことないよ。なんだいそれ。
モデルがアトランタ級とかなんとかっていう深海棲艦。武装は前の知識がここでも当てはまるなら5inch両用莢砲2つに深海ソナーmark2,深海棲艦偵察機のはず。
―ソナーつきで観測射撃にも対応かあ。厄介そうだね。二隻いるけどこいつら狩るのはやめておこうか
それが無難だろうなあ
それにしてもこんな海域になぜツ級が?泊地と関係があるのだろうか。ここらの比較的近いところにあったはずだが。
―今度はイ級4へ級2だね、ここら辺水雷戦隊が多いなあ。
こっちにとっちゃうれしいことだけどな。んじゃいくぞ。
RPGを用意する。
―弾頭はHEAT弾頭、ホーミング機能は今回はないけど後で搭載予定だよ。んじゃあいってみよー
発射。
バシュウとへ級に直進していき直撃、爆発する。
よし、HEAT弾頭は無事に船底に突き刺さって爆発したな。
―一応計算上ならフラル改にも突き刺さるようにはしたからね。まあ無事に機能してよかった。
雑談をしている間にも次弾を装填してもう一隻のほうにも当てる。
―命中率も問題なさそうだね。あとは巡航ミサイルやらの開発だねえ。材料がないから作れないしこっちも保留かな。
そういえばあれはどうした?
―プルトニウムの量が圧倒的に足りないよ。水雷戦隊をいくら狩ったところでたかが知れているし、それこそ戦艦を含む主力艦隊丸ごとひとつ狩ってようやく100gできるような感じだね。
LiDのほうは?
―そっちはすぐに溜まるから今のところはつくってないよ。
そうか。
―それよりもとっとと残りのイ級を片付けたらどうだい?
言われなくともやりますよ。
狙いを定めて発射という行動を4回繰り返して残りのイ級も撃沈させた。
今回は使ったRPG分は回収できそうだ。
―うん、大体こんな感じの武装で大丈夫かな。
現状はこれが精一杯だろう。
―理想を言うなら対物ライフルと核武装までもっていきたいけどね。
なんもかんも資源がないのがわるいんじゃ
では今日のノートまとめは水爆についてにしようか。
水素爆弾、というのはいわずとも知れた核融合を利用した核兵器。
初期のころは比較的クリーンな核兵器であった。この理由については後述する。
使うのは起爆装置に爆縮レンズ(よく使われるのはプルトニウムである)、それから容器と核融合燃料である。
核融合燃料にはLiD、重水素化リチウムを使用する。容器には鉛かウラン238または235を使用する。弾殻には放射線の反射材として機能させるためにベリリウム、ウラン、タングステンなどを使用する。今作りたいのは3F爆弾と呼ばれるものでよって弾殻にはウランを多く使用する。弾殻と容器の間にはポリスチレン等を詰めておく。
構造としては一端が丸い円筒形や回転楕円体をした弾殻内の丸い側や焦点に原爆を置き、円筒部か、もう一方の焦点には核融合部分を置く。
核融合部分は外層に圧縮材としてウラン238を起用する。中間層にはLiDをおき、中心に更なる熱源としてのプルトニウム239をおく。中心は俗に言うスパークプラグと呼ばれるものである。
爆発のプロセスを以下に記す。
第一段階
爆縮レンズの起爆
起爆された爆縮レンズは核分裂反応を起こし、強力なX線、γ線、中性子線を放射する。
X線がスチレン重合体を瞬時にプラズマ化し、高温高圧となって核融合部分を圧縮、ウラン238がLiDを中心に圧縮するのと同時に中央のスパークプラグが中性子線を浴びて核分裂しさらに中央からも圧縮される。
第二段階
やがてローソン条件を満たしたLiDが核融合反応を開始する。
第三段階
核融合で放たれた高速中性子がウラン合金製の容器にあたり、核分裂を開始させる。これを最後にケーシングは完全に消滅、核爆発が発生する。
ちなみに初期のころは第三段階の核分裂がなかったため放射性物質の飛散量も3Fに比べてすくなかった。そのため3Fは汚い水爆とも呼ばれる。
※リチウムは三重水素を生み出すのに必要である。この三重水素と重水素をもって核融合反応が起きる。
※ローソン条件とは核融合炉でエネルギーを取り出すのに必要なプラズマに対する条件。1億度の高温を1㎥あたり10^18個の密度で1s間維持すること。
こんな風にかなり複雑だが構造の効率がいい核兵器である。
いつ実用化できるかはわからないが。
三ヵ月後
授業、訓練、実戦をこなしていく日々をすごして、はや三ヶ月がたった。
この間に授業や訓練では特にこれといったことはないが、実戦ではツ級を沈めることに成功した。
戦艦級?おいしくいただきました。ものすごく多い鋼材が得られてうまうま。
また、明日は終業式で、夏休みがあさってからくるのである。
いろいろとできそうだ。
それとここ三ヶ月間で腐るほどの資源を手に入れることができたので、本土から遠く離れたところを休日をつぶして見つけた無人島を拠点化して保管場所としたのだが、一ヶ月間紫瑞が魔改造を行った結果、高速中性子炉の建造に成功、ドッグと倉庫を増設していた。核燃料については変換を劣化ウランから濃縮ウランにするだけなのでそんなに手間ではなく、その廃棄物で劣化ウラン弾はできるのでそちらの材料のほうも問題ない。
無人島の開発は5月ごろ行って、6月からはプルトニウム239を高純度で得られる燃焼を止めるタイミングの研究をしていた。
ある程度のデータは俺が持っていたのでその割り出しも一ヶ月で終了し、本格的なプルトニウム239の生産に着手した。
また、今後は高速増殖炉の建造も予定している。ある程度プルトニウムが集まらないと作っても無駄だけれども。
それからこの島の防衛設備だがバルカン砲50基、40連装ロケットランチャー30基、である。島のメインコンピュータがレーダーで周囲100kmの海域に存在する艦影および飛行物体を把握、判定して島に攻撃を仕掛けてくると思われるものにはこちらから許可を出して迎撃するといった物となっている。まあふだんは光学迷彩用のコンピュータで隠しているけれど。
輸送船は一隻作り、資源運搬用にした。
護衛は俺だけだがまあ襲ってくるのが戦艦級とかおいしいのばかりだったしある程度沈めてやれば撤退していくので楽だった。休日はそれでつぶれたけれどもね。
こんなところがここ三ヶ月間の変化である。
―結果プルトニウム239:99.99% プルトニウム240:0.01%。今日も問題なしと。
定期報告が紫瑞から送られてきた。最近は紫瑞はあちらの島で研究三昧をしている。
―プルトニウムの保管量がいよいよ50kgを突破したよ。
それならもう原爆の製造に取り掛かるか。
―ん?原爆?それならもう10発のRPGの弾頭に詰めてあるよ
仕事が速いようで。というか勝手にプルトニウムを使うなと。
―君が前にボクに爆縮レンズの話をしてくれたじゃないか。あとはそれを兵器にするだけなんだから待ってもいられなくてね。報告漏れはまあすまなかったとおもっているようん。
まあいいや。それじゃあ次はトマホークをもとにして熱核弾頭巡航ミサイルを作るか。
―3ヶ月前には資材不足で作れなかったやつだね。
まさかこんなに速いペースで溜まるとはおもわなかったしなあ
―戦艦クラスが楽に狩れるようになったのは大きいけどね。
まああれは手順が確立したから楽だったけどな。
―いまだに空母は楽には狩れないけどね。
あれは艦載機がうざいからなあ
―ミニガン操りながらRPGで沈めるなんて大変だよねえ
人事見たく言いやがって。
―まあひとごとだし。
んまあいい。それで、どれぐらいで作れそうだ。
―材料自体はこっちにいっぱいあるから今日中にはいけるかな。
それじゃあおれも式が終わり次第そっちに向かう。データは先にそっちに送るからやっておいてくれ
―ほいよー
終業式後
「イクたち特にやることないから寮に残るけど、しおいはどうするのね?」
「実家に帰ろうかなあって」
「まじめでち。実家に帰るとうるさくて溜まったものじゃないでち。」
「まあそうだよね。」
「まあしおいもきをつけるでち」
「うんじゃあね」
「また休み明けにねー」
さて、出発しようか。
武装はRPG、ミニガンは増設して二基、近接にレラー、弾薬もOK.
ソナーとレーダーを起動しておこうか。
よし、周囲50kmに何も見られず。
そのまま進もう。
島までは最短でおよそ25hはかかる。
その間は索敵と武装の点検をして暇をつぶし、たまに送られてくる紫瑞のメッセージに返信しながら航行していた。
と、途中で大量の深海棲艦が停泊している島を発見した。
急いで潜航し、ソナーをつけながらレーダーを止め、なるべく遠ざかるようにした。
おそらく敵泊地だろうか。
ここ数年でまた深海棲艦の活動が活発になり制海権を失っているといっていたがまさかこんな近くにまで泊地建設を許すほどとは。
事態は思ったより深刻なのだろうか。
これだと輸送船の護衛もきつくなるな。
どうしたものか。
about 20 hours later...
無人島停泊所にて
―長旅お疲れ様。トマホーク型は大方完成、あとは生産だけだよ。
ああ、ありがとう。仕事が速くて助かるよ。
―これくらいしかやることないしね。水素爆弾はどうするの?
とりあえずは使うやつがいないからなあ・・・。
―んじゃ保留ってことでいいかな。設計とかはトマホーク型の弾頭部分を使えばいいからそんなにたいした手間ではないしね。それでこのミサイルの名称はどうする?
トマホーク型の熱核巡航ミサイルはアンドラスでいいか。
―それじゃあ、このアンドラスの核出力は10Mtから5ktまで可変にしておくよ。
わかった。
―核分裂型弾頭のRPGの弾だけど、そっちは100ktから5tまで可変にしておくからね。
了解。
無人島核研究所内
それでなあ敵泊地が途中にできててな、輸送船の護衛についてなんだが
―何か案があるのかい?
ああ。そのためにちょっちサーモン海海域の詳細はあるか?
―まあ一通りはあるね。一般に公開されているものから最近目撃されている新型深海棲艦の情報まで。
そいつはいい。んじゃ早速確認して新規の護衛案をたてようか。
うん、だいたいこんなもんか。
―どんなものだい?
まあ送っておくから後で確認しておいて
―わかったよ。それで、出発はいつごろだい。
後三日後かそこらには
―それじゃあ急ピッチで生産しちゃうからね。予定はアンドラス30発、核弾頭RPG15の予定だよ。輸送手段はどうしようか。
輸送船は使えるか?
―光学迷彩をボクの頭が痛くなるけど使うよ。ついでに電波のほうも何とかしてみるよ。いつもはこんなことボクの頭が馬鹿になるからつかえないけどまあ、今回くらいなら大丈夫だとは思うし。
すまんな。それじゃあこっちで劣化ウラン弾とかの詰め込みはやっておくから、あとはよろしく。
―あいよ
another three days have passed...
さて、それじゃあ出発しようか。
―核兵器、通常兵器、生活物資ともに不足はなし、それじゃあ光学迷彩をはじめるよ。
こいつを母艦としてこれから使うのもいいか
―うっ・・・ッたいねえこれ・・・。
大丈夫か?
―大丈夫じゃないよ。これじゃあもって二週間だね。
二週間ならこの輸送船で行って帰っていろいろやって十分だろうけど
―そうかい。それならよかッつぅ・・・。
こっちでもある程度やろうか?
―いんや君のほうでソナーとレーダーをお願いするよ。非常時には君が出なきゃなんないし、そう無理はさせられないからね。
わかった。航行はどうする?
―そっちは自動航行にしておくからあッ、安心していいよ。
本当につらそうだな。
―心配する前に、はやくソナーとレーダーやっておくれッたい
りょ、了解。起動。
[Alert!! If you control this program with BC for a long time, your brain may be injured. Will you really start it?]
こんなもの、紫瑞に比べれば屁だろう。yesだ。
[starting the program...
Be careful, the pain is coming soon.]
「痛っ」
急に痛みがきたため驚いて声を上げてしまったが痛みはそうでもない。
しかしこれで索敵のほうは半径100kmの球形の空間は大丈夫だ。こんなもの普段は使えないが。
さて、いよいよ出発だ。
4日後
サーモン海域への道中にて
敵水上打撃部隊と思われる艦隊を発見した。
―光学迷彩、電波欺瞞装置全力展開って、何回やればいいんだようもう・・・。
俺も手伝いたいが索敵のほうに集中していてできない。ここ4日間でサーモン海に近づくほど敵に遭遇し、そのたびに負担を強いられている紫瑞はかなり精神的にもまいってきている。
―てきのようすはどうだぃ・・・。
こちらにはまだ気づいていないようだが、戦艦3にヲ級…なんじゃこりゃ改じゃねえか!他にはネ級elite2にツ級elite1だな
―ここら辺にたしか敵の主力艦隊がいるとかって話だったけどそれかなぁ・・・。
核でヤッチマウカ?
―口調がまるで深海棲艦のヨウになッテいるよ。君も参ってイルンジャなイかい?
紫瑞もな。
―まあいいよ。核は温存しておきたいからスルーで
あいよ。
無事にやり過ごし、その後は2,3回敵と遭遇したがいずれも無視して主力艦隊との遭遇から17時間あまりたってようやくサーモン海域の目標地点に到達した。
―ふーっ到着。それじゃあボクは少し休むよ。光学迷彩と電波欺瞞はししょうがないていどには残しておくから動かなければまず発見されないはずだよ。
何から何までありがとうな。
―今回ばっかりは疲れたね。それじゃあお休み。
お休み。
紫瑞が寝た後、おれは水中で潜み、輸送船のレーダーをつかってひたすらあるものを探した。いや、正確には新しく発生するあるものだ。既にできているものに用はない。
7時間たって艦娘たちと深海棲艦が交戦しているところをレーダーで捕らえた。どうやら前の5-5相当のことをやっているようだ。
そのまま敵艦隊は全滅、艦娘たちも大破して撤退していった。
よし、急ぐか。
アンドラス1Mt、10kt2発、核弾頭RPG1kt3発、500t5発、PG7VL9発、レラー、ミニガンと武装は大丈夫だ。
とある学者の手記より
深海棲艦の発生にはおおよそ2つ考えられる。
一つ目には沈んだ艦が何らかの形で深海棲艦となってしまう現象である。これは先刻発見された南方棲戦姫と大和との関係から見出すことができる。
二つ目には沈んだ深海棲艦がもう一回発生する現象である。
実際、深海棲艦が発生する瞬間を見たという例が数件ある。
また、このときの深海棲艦はこちらへの敵意はあるものの、はじめは戸惑いが見られたという。
しかしながら、数分もすればその戸惑いもなくなりこちらに攻撃を仕掛けてきたとのことだ。
おそらく、この数分の間に理性が完全に崩壊したか、それでも崩壊したとするならなぜ姫級はひとの言葉を話すのか。
もしかしたら姫級は理性が崩壊しても知性としての部分は残っているのかもしれない。
このへんは推測でしかないが…。
という手記を以前紫瑞が発見して教えてくれてから、ずっと考えていたことがある。
深海棲艦を、もしかしたら、本当に可能性は少ないにしろ、戦力に引き入れる、または仲間に、いや、それ以上になれるのではないかと。
こちらの世界に転生してから本当に気の許せる仲間は紫瑞ただ一人である。
家族やイク、ゴーヤもいいやつらばかりだが、秘密の漏洩という点から見たら前のことなぞ話せるわけもない。
結局、一線をひいてしまう。
気の許せる仲間が一人でもいるだけまだましだ、とも思う。
ただ、それではあまりにも窮屈ではなかろうか。
一人よりも二人いたほうがいいに決まっている。
三人でがやがやなんてのもいい。
いまよりもっと楽しくなるはずだ。
まいろいろいってきたが。結局俺はこっちにきてから寂しいのかもしれない。
表には出さなくても深層心理ではそうかもしれない。
たった一人だけの秘密の共有者以外には嘘をつき、一線を引き、それ以上の関係になれない自分が寂しいのかもしれない。
これは別に紫瑞のことやその会話が不満だ、ということではない。事実、紫瑞との会話がなければここまで楽しい生活が送れるはずもない。
しかしながら打算的ではあるがもう一人いたらこの寂しさもさらにまぎれるのではないのだろうか。
そう思わないでもないわけだ。とくに最近紫瑞がそばにいないことも多く、寂しさもより感じるようになった。
自分ながら情けないとも思う。少々紫瑞に頼りすぎなのも否めない。
寂しさくらい自分でどうにかしようとも思うがどうにもどうしようもない。
こんなことで紫瑞に負担をかけるわけにも行かない。
そして今回のこの機会である。
動機としては十分すぎる。あとは機会があればそれを実行して試してみるだけだ。
そんな考えでいまさっき戦闘があった主力艦隊のよく出るポイントに向かっていた。
5-5サーモン海域主力部隊
「ヲッ…。ヨウヤク復活シハジメタカ…。」
「え?わたし生きテ…いヤ、チガウワタシハもともと艦娘でシズンデ艦娘ヲコロシタクテドウナッテイルノコンナノワタシジャナイチガウ私艦娘コンンンンナ深海棲艦ジャナイドウナッテイルノチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼アァァァ・・・ァ?」
「コワレタカ。。。マア駆逐艦ナラソノテイドシカモツマイテ。他ノ駆逐艦ノ方モ…壊レタカ。ソレニシテモ戦艦ノ方ノ復活ガオソイナ」
「ヲ?ナニカトンデキテ
突然にあたりを閃光が塗りつぶす。
火球から出た閃光だ。
熱線があたりを焼き、そこに存在していたものを一瞬で蒸発させる。
海中からもものすごい衝撃波とともに巨大な水柱が上がる。
当然その近くにいたヨ級も消滅。
轟音も鳴り響く。
そして、衝撃波があたりを満たす。
空には、キノコ雲が出現していた。
初めて深海棲艦に核が使用された瞬間である。
ふむ、さすがに威力過剰。
ヨ級には500t、主力艦隊にはアンドラス10ktで対応した。
観測機器でずっと映像で様子を伺っていたが駆逐艦がやはり最初は戸惑っていて、次にもだえるような仕草をとり、やがて大人しくなった。
あれが壊れていく過程なのだろうか。
そう思うと恐怖と若干の憐憫を感じて、核で消滅させてしまった。
消滅する過程は一瞬で痛みもなかっただろう。
南無。
では放射線被害は気になるがまあ後で入渠したらいい。
急いでいこう。
レ級がまだ復活してなければいいが。
あんなふうに壊れさせるわけにはいかない。
5-5被爆跡
さすがに放射線が強いな。
水中に潜んでいたほうがいいか。
そういえば敵の破片も残らずに消滅したか。
資源確保の面から言ったら核の使用はよろしいとはいえないな。
まあデータだけ取っておいて後で分析すればいいだろう。
いまはレ級だ。
すると、何か黒い塊が形を作り出しはじめ、やがてレ級の姿となった。
「ふぇ?なんなの?え、なにこれ!?」
現れたレ級は突然驚きだした。
やがて頭を抱えてうずくまる。
「艦娘殺せってなん・・・で?わかんない!わけがわかンないよお!なんで殺さなキャなんナいの!?ワタ、私、艦娘だったのに!」
はい?艦娘だった?艦娘からどうやってこんな化け物ができるのかはなはだ疑問だがとにかく今はこの娘の崩壊を止めることが先決だ。
「だいじょうぶかい?」
「だ・・・れ?艦娘?わたし、ドウシタラいいのかなあ?あナタを殺せばいいの?」
「いやあ、それはよくない。」
「なラ、どう・・すれば・・イイの?ワタシ、もうとめられそうにないノ…。」
「殺したくてタマラナイノ。コロシタクナい。コロシタイノ・・・。タス・・・けて」
そういって助けを求めて手を伸ばしてきたがその目にもはや光がない。
一刻を争う事態だ。
急いでカプセルを喉に押し込み、嚥下させる。
そのまま無言でBCのあるプログラムを起動した。
それは彼女の中にいま取り込ませた簡易型のBCをこちらで遠隔操作するものだ。
そのまま簡易版人格書き換えのプログラムを起動し、深海棲艦のその執念とも呼べる衝動を書き換えた。
衝動は何になるのかは知らない。取敢えず無効化するように書き換えたのだ。
そうして深海棲艦の本能を完全に消し去る。
こうすることで崩壊を止める。
そのまま、睡眠薬をもってしてレ級を眠らせ、輸送船に帰還した。
レ級をそのままベッドにねかせてやり、ずっと頭をなでていたら紫瑞が来た。
―お疲れ。検査結果だけど、衝動の書き換えの結果は君への偏執。恐らく目の前の君への興味をBCが利用して偏執に書き換えたんだろうね。
いくら最適なものへと書き換えるプログラムを積んでるとはいえ、かなり危険性が高かったな。
―君への偏執が二人以上にやれば手に負えなくなるという予測結果も出てるよ。おそらくもうこのプログラムは使えないだろうね。
そこらへんはわかっているさ。ま、それじゃあ他の深海棲艦の鹵獲は無理だな。
―そうだね。あきらめなよ。
―それとこっちで見せたいものがあるんだけどいいかな?
ああ、かまわないが。
―それじゃあちょっとついてきて。
そして立ち上がろうとしたが、スク水の上に来ているセーラー服を引っ張られた。
―どうやらその娘は離れてほしくないようだね。こっちの件は後でもいいから、今はその娘のことをみてて。
お言葉に甘えることにした。
そういえば尻尾のところが消えているが。
―きっと艤装と同じなんじゃないかな。君のと同じく任意で消せるっていう。
そうなのかね。
―そういえばここのところ君は寝ていないようだけど大丈夫かい?
いんやまったくもって。ものすごく眠い。でもこの船にベッド二つじゃん。
―それじゃあその娘の横で寝たら?その娘は君への偏執で危険なことはしないだろうし。
まあそうだろうな。んじゃおやすみ。
―おやすみ。
レ級に背を向けるようにしてベッドにもぐると後ろから抱きつかれた。
なので向かい合って頭を抱いてやることにした。
まあ、とりあえず、おやすみなさい。
結局俺は次の日の昼まで寝てたみたいだ。
起きると、隣でレ級がこっちをじっとみていた。
「いかがなされたので?」
「いやなんでも…。なんだか自分でもよくわからないけど、なんだかこう見ていたくなると言うか・・・。」
おそらく書き換えの影響だろうか。
しかしながら、突然に変な行動を起こすとかそういうのはなさそうだ。
こちらも初めての試みだったので予測が立てられなかったが、これならまあ、当分は大丈夫ではないだろうかとは思う。
―やあ、起きたんだね。
ああ、おかげさまですっかり疲れが取れたよ。
―それじゃあ見せたいものがあるっていったけど、それをもってくよ。
ああ、頼む。
―入るよ。
はいよー
―これが見せたかったものだよ。新装備の4連装ランチャーと、アンドラス1Mtのセット
わざわざみせにこなくってもいいだろうに。
―これの画期的なところはね、レ級の尻尾に載せられるということだよ。
早速作ったのかよ・・・。あきれる早さだ。
―とはいってもね、もともとの戦艦の艦娘の装備サイズをちょっと弄ったものだけどもね。
それでも十分だろう。
「ねえ、あなたたちはさっきから無言で何をやっているの?あと、あなたたちは誰?ここはどこ?」
「ああ、こりゃ失礼。俺はしおいっていうんだ。こっちは妖精の紫瑞」
「よろしくね」
「それでここは、補給艦の内部だ。いまは俺らの母艦として使っている。」
「現状はこの中にいれば敵に襲われることはないよ。」
「それで、無言で何をしているかだが。おまえさんの、って名前なんていうんだ?」
「うーんと・・・。だめ、思い出せない。艦娘だった、ていうことはわかるんだけど、肝心のその記憶がないの。」
「それはお気の毒に。んじゃお前さんはレインでいいや。」
「レイン?なんで私に名前をつけるの?」
「作戦時とかにレ級なんて呼んでいたらこっちが混乱するし、他の敵のレ級と区別するためだ。」
「なるほど。わかった」
「そんで話を戻すとレイン、視界に何か出てない?」
「うん、なにかウィンドウみたいなのが出てる。」
「そこに思考を使って文字を入力していくと他のやつとコミュニケーションを秘密裏にとることができる、とはいっても今はまだ誰にもつながっていないけど。」
「それなら今つなげちゃおうか。」
「それがいいかもな。レイン、今から接続作業に入るから何かメッセージが出たらYesを押してくれ。」
「うん」
「それじゃあ始めちゃうからね。」
「はい、完了。」
「使い方はそっちに送る。」
「送るって・・・あ、何か表示された。」
「どうやら無事に使えるようだな。今送ったのはマニュアルだから読んでくれ。」
R:こう、かな?
S:そう。
M:ちなみに表示形式も三人に増えたから変えたよ。
R:それで、無言でやっていたのはこれなの?
S:そうだな。主にレインの装備についてだが。
R:私の装備?
S:アンドラスというまあ核ミサイルだな
R:核ミサイル?
S:まあ今はすごい兵器とだけ、あとで詳しく説明する。
R:そう。ところで、私の中のあの変な気持ちが消えているのだけれど、なにをしたの。
S:あー、簡単に言えば、艦娘を殺すことへの偏執を、その時点では最適なものに書き換えた。深海棲艦の本能を消すのにな。因みにその結果は俺への偏執だった。
R:あなたへの偏執ってつまり?
S:俺への興味が無性に高まる、などが予測されている。
R:深海棲艦の本能を消すって、どうして?
S:レインの理性を保護するためだな。理性の崩壊はその本能が原因と予想されるため。ちなみにあのままいくと理性は崩壊して普通のレ級・・・というかレインの周りがなんか赤いしおそらくレ級eliteか、になっていた。人の言葉なんて話せなくなっていただろうよ。実際書き換え直前のレインは理性も言語も崩壊しかけていたからな。
R:頭まで深海棲艦になっていた?わたしたちの敵に、わたしが?わたしが「わたし」でなくなるなんて・・・イヤ・・・。それだけは絶対にイヤ・・・。
S:まあまあ、もう理性の保護は終わっているし、精神崩壊はないから安心しなよ。あと、勝手に書き換えたのは悪かったよ。嫌なら別のに書き換えるが
R:いや、大丈夫…。むしろありがと。しおいは私の恩人だね。「わたし」っていう存在を守ってくれてありがと。
S:どういたしまして。といってもほとんど紫瑞のおかげだけど。
R:そうなの、ありがとね紫瑞。
M:まあ礼には及ばないよ。
M:さて、次の話題に移りたいけどいいかな?
S:おう。
R:うん、いいよ。
M:レインの装備について何だけど、
R:私の今の装備?ちょっとまって。
S:へえ、そうやって尻尾を展開するのか。
R:うん。艤装の代わりにこうやって出せるみたい。それで、今の装備だけど、16inch三連装砲、12.5inch連装副砲、深海烏賊魚雷、飛び魚艦爆180機。
S:こいつはたまげたなあ・・・。核兵器いらねえか?
M:いや、副砲をおろしてその代わりにアンドラスを導入したほうがいいと思うよ。
R:副砲を降ろすの?
M:うん、かわりにこれをつけてみて。
R:うん。あ、だいぶ軽くなった。
M:回避性能の向上も図れると思うよ。その尻尾のサイズならアンドラスは最大で20発積めるかなあ。とりあえずは今は10発積んでおいて。
R:うん。
S:それからミニガンは積めそうだな。
M:そうだね。サイズ的にも一基くらいなら問題はなさそうだね。
R:ミニガンって?
S:やたら連射速度の速い機銃。威力もそこそこあって駆逐艦や軽巡位ならそれだけでも狩れる。
M:飛び魚艦爆は、一機貸してくれるかい?
R:いいけど・・・。
M:ありがとう。これに核爆弾とミニガンの換装と・・・。夢が広がるねえ。
R:ねえ、なんでそんなに装備のことになると興奮するの?
S:うーん。今回は特にやりがいがあるから?
M:素でこんなに強いなら改装すればどんなに強くなるか楽しみだね
S:ところでこの16inch三連装砲はどうする?
R:改装はできるの?
S:確か51cm連装砲か20inch連装砲があったはず
R:51cm連装砲?
M:現状公開されている中では最大級の威力を持つ主砲だね。
S:それで、つくれるのか?
M:もちろん。でも今は手持ちの資源がたりないから島に戻ったらね。
S:なら少し主力艦隊でも狩って来るか。
M:それでもいいとは思うけど・・・。それならレインの改装をできる限りやってからのほうがいいんじゃないかい。
S:飛び魚艦爆か。
M:まあ改装自体は二日あればできるから、その間は補給艦内でなんかやってて。
R:ならわたしはしおいといる。
M:まあ、変なことはしないようにね。
ううむ。なにをしたものか。
紫瑞が開発のために自室に引きこもってから沈黙が場を支配している。
「ねえ、私以外の深海棲艦は助けられないの?」
唐突にそんなことを聞いてきた。
「無理だな。今回使った方法でしか理性の崩壊は止められないし、二人以上の偏執を向けられるとかなりリスキーだという予測が出ているから、今回レインに使ったプログラムは俺への偏執に書き換わる可能性があるから使えない」
「そんなに危険?」
「まあ、いろいろあるんだよ」
「ふうん。そうなんだ。」
「まあ、そうだな。」
「それじゃあわたしは幸運だったんだ。」
「まあ偶然助かっただけそうなんだろうなあ」
「それじゃあその偶然と助けてくれたしおいには感謝しなきゃね。」
「うん、まあどういたしまして」
それから二日後・・・
M:できたよ。
S:いよいよか。
M:さすがに核爆弾はアンドラス5発からしか流用できなかったけど、180機分のミニガンと、戦闘機への改造設計図は完成したよ。
R:それじゃあ残りの艦爆も出すから改造よろしく。
M:ふう、完了。ついでにこれも積んでおいてね。ミニガンだよ。
S:いやはやたまげたなあ。
M:飛び魚艦爆改、制空力はあの震電改をも上回り、投下装置はB61を使えるものを参考にしてあるから核爆弾も問題なく搭載可能、従来の爆弾は積むと若干機動力が落ちるから制空力は烈風改並みにはなるけれどもそれでも十分だとは思うよ。
S:これにアンドラスは積めるのか?
M:うーん、ちょっと難しいかな。専用のを開発すればいけるとは思うけど。
S:まあそっちは島に戻ってからだな。
R:ところで島って何?
S:俺らの拠点だな。核関連施設やドック、資源保管倉庫なんかがある。防衛設備も完備してあるから、おそらくレインはそこにいることになるだろうな。
M:学校に連れて行くわけにも行かないしね。万が一ばれたら軍部に何されるかわかんないから。
R:へえ。そんなところがあったんだ。軍部はさすがにそうよね。まあこれからそこでお世話になります。
M:いえいえ
S:まあレインにもいろいろやって欲しいことはあるからそのときに説明するな。
R:うん、わかった。しおいの頼みなら。
M:さて、それじゃあこれで今日のやることは終わりだから、寝ようか。
R:早過ぎない?
S:いつ寝られるかわからないから、寝られるときには寝ておいたほうがいいんだよ。
M:ボクも徹夜続きで少し頭が痛いしね。それじゃあおやすみ。
S:ああ、お休み。
R:わたしはどこで寝ればいいの?
S:あー、ここにはベッドがここと紫瑞の自室にふたつしかないからなあ。まあいいや、レインはそこのベッドに寝てて。
R:え、でもそれじゃあしおいはどこで寝るの?
S:どっかそのへんで雑魚寝でいいだろう。
R:え、でもそれはだめ。逆に疲れちゃう。うーんと、そうだ、私と寝れば解決。
S:え、ちょ、ま、
R:それとも深海棲艦と寝るのは嫌?
S:いやそういうわけではないんだが、まあいいか・・・。
R:さ、寝るんなら早く寝よ。
S:うんまあいいや。
「それじゃあおやすみしおい」
「んあ、おやすみ」
chapter:omake
現在の装備確認
紫瑞 妖精
レーダー
BC
非常用手榴弾
しおい 伊401
レーダー
ソナー
RPG(PG7VL13/20)(核弾頭7/20)
レラー40/40
ミニガン5000/5000
ミニガン5000/5000
アンドラス10/10
魚雷発射管(現在荷物入れ)
晴嵐格納塔(同上)
レイン レ級elite
16inch三連装砲??/??
四連装アンドラス発射機
アンドラス10/20
深海烏賊魚雷??/??
飛び魚艦爆改180/180(核爆弾搭載5/180)(純戦闘機60/180)
ミニガン5000/5000
深海棲艦泊地
ヲ級「ヲッ・・・。暗号ノ解読ガ終ワッタ。」
泊地棲鬼「ソウカ、近々コノ泊地ヘシカケテクルノカ。戦艦棲姫ニ連絡シロ。増援ヲヨコセト。マアコノ泊地ニハイクラモ遣サナイダロウガ・・・。」
ヲ級「ヲッ了解」
戦艦棲姫「ソウ、泊地棲鬼カラ増援ヲ遣セト連絡ガアッタノ。」
戦艦水鬼「ソレナラ、サーモン海域ノ主力艦隊ヲ送ッテヤレ。アイツラダケデタリルダロウ。」
戦艦棲姫「ソレデケデハタリナインジャナイカシラ。近海カラモアル程度出シマショウ。」
戦艦水鬼「マア、スキニシロ」
戦艦棲姫「アラ、主力艦隊ノ反応ガナイワ。」
戦艦水鬼「チッ。オオヨソ、艦娘ニヤラレタノダロウ。ガラクタドモメ。」
戦艦棲姫「ナラ、近海カラノ寄セ集メト、レ級トソノ艦隊ノ派遣デゾウエンハイイカシラ。」
戦艦水鬼「アア、ソレデイイ。」
戦艦棲姫「ソレト、至急サーモン海域ニハ主力艦隊ノ派遣ヲシテオクワ。」
朝
S:それじゃあ軽く狩って帰るか。
M:そうだね。
R:敵はどこにいるの?
S:ええと、ここから北におよそ50Mだな。
M:それじゃあこの補給艦で全速力で行っておよそ1.25時間だね。それじゃあ出発するよ。
S:それじゃあ俺らは装備の最終確認をしておくか。
R:うん。
「はいこれ、通常弾頭のアンドラスⅡ。」
「いつの間にこんなの作ったの?」
「うんまあ島でな、通常弾頭もあったほうがいいってなって30発程度作ったんだ。」
「ふうん、ていうことは今回は核弾頭のアンドラスは使わないの?」
「まあ、今回は資源の獲得が目的だから、核で消滅させるわけにはいかないんだよなあ。」
「それじゃあ全部おいていく?」
「いや、非常事態のために10Mtを1発と、5kt2発を常備しておいて。」
「わかった。」
「まあ俺のほうはこのPG-7VLがあるから基本的にアンドラスⅡは使わないんだけどね。」
「てことはこれ使うのは私だけってことでいいの?」
「ああ、でもいまは在庫があまりないから基本的に主砲と艦爆で対応してくれ。」
「了解」
5-5 E地点付近
M:目標地点到達。
S:艦影確認。戦艦レ級、重巡リ級、雷巡チ級、軽巡へ級、駆逐艦イ級2、この海域だからいずれもelite以上と推測。陣形は単縦陣。
R:それで、いつでればいいの?
S:もうすぐに出る。
M:補給艦は迷彩を施すからしばらく見えなくなるよ。注意してね。
S:まあ必要があれば連絡はするさ。
R:それじゃ出撃する。
E地点海上
S:レ級はどっちがやる?
R:それじゃあわたしが。
S:OK.それじゃあまわりの随伴は俺が殺っておく。
潜航完了。
さて、でははじめるか。
敵は単縦、後ろから襲っていくか。
それとも、雷巡から沈めるか。
雷巡からやるか。
RPG装填、発射。
そのまま装甲を貫通し、爆発。
中破に追い込んだ。だが、当たり所が悪かったのか敵の装甲を破壊したにすぎない。
二発発射。
人体部分爆散、敵雷巡沈黙。
沈めずに沈黙させなければ資源を得られない。
そのため最近はずっとそうしてきたせいか慣れた。
次はどいつにしてやろうか。
アア、タノシイナア。
わたしが敵のレ級eliteに向かっていると突然チ級が爆発し、人体部分が消し飛んだ。
突然のことで驚いたけど、おそらくしおいがやったのだろうと推測をたてて、こちらは艦載機を全てはなった。
敵のレ級もこちらに気づいたが不思議そうに見ている。わたしがなぜ艦載機を出したのかわからないのだろう。この機を逃すわけがない。
しかしレ級に向かって急降下爆撃を仕掛けるが、とっさに動いた重巡にかばわれた。
そのまま重巡は沈んでいくが本命のレ級が無傷で残っている。
そして、レ級もこちらを敵と認識したのか飛び魚艦爆を放ってきた
その数は180機。
数の上では互角だ、だが敵はあくまで艦爆、こちらは戦闘機も混じっている。
上空では異質な、深海棲艦の艦載機同士の大規模な空中戦闘が行われようとしていた。
飛び魚艦爆が背後をとる。
そのまま機銃掃射で、飛び魚艦爆改に、致命的なダメージが入り、墜落していく。
しかし、飛び魚艦爆は意識をそちらに傾けすぎた。
後ろから純正の戦闘機「飛び魚艦戦改」がミニガンを掃射する。
飛び魚艦爆の機関部に劣化ウラン弾が貫通し直撃、爆発した。
深海棲艦同士の艦載機がドッグファイトをしているというはたから見れば意味が分からない戦闘。
そんな光景を捉えている艦隊が一個。
この近海に存在していた。
サーモン海域E地点より西に70M、通称C地点にて
「彩雲より入電、次目標地点にて大規模な空中戦が行われています。」
「どういうことだ。この海域には私たちしかいないはずだぞ」
「わかりませんが、どうやら深海棲艦同士が空中戦を行っているようです。」
「深海棲艦同士で?どういうことだ」
「言ったとおりの意味です。艦載機がわたしたちのものと違いますから。」
「しかもかなり大規模な空中戦のようです。私の彩雲からも巻き込まれるおそれのあるため一時離脱すると電報がきました。」
「いったいなにが・・・。一応提督に連絡しろ。」
よし。
敵の艦爆が撃ち落とされていく。
こちらの被害も無視はできないけど、これで艦爆はわたしに構っていられなくなった。
残るはレ級、あなただけだよ。
この手で終わらせてあげる。
せめてものわたしができることだ。
あー、なんだかトリップしてたみたいだ。
ついつい楽しくなるときがある。
そのときにトリップしてしまうわけだが、致命傷につながるからな。
自重しよう。
さて、あのあと重巡が沈み、駆逐艦も一隻沈黙させた。
残りは駆逐艦と軽巡のみ。
しかし、さっきから爆雷がうざい。
ボコッ
「だっ、FUCK!!軽巡の癖に!」
また直撃をもらった。
おとなしく撃たせてもらえそうにないな。
のこり二隻なら水上戦で仕留めるか。
そう思って浮上を開始。
水上へとあがった。
うん?しおいの気配がする。
何であがってきたんだろう。
まあいいや。
わたしは目の前のレ級を屠るだけ。
しおいのことはまあ、大丈夫。
「さあ、はじめよう。」
「ナンデオマエハオレラヲコウゲキスルンダ?オナジ深海棲艦ジャナイノカ?」
「わたしは、違う。あなたたちのような深海棲艦じゃない。」
「ワケガワカラナイ。オマエハレ級、ソコニナンノチガイガアル。艦娘ヲ、人類ヲ殺ス。ソレダケダロウニ。」
「わたしはレ級じゃない。レイン。貴様らとは違う!」
その言葉とともに16inch三連装砲を一斉射、魚雷を放つ。
「ヤルノカ、ソウカヤルノカ、オマエハテキダ、テキハコロサナイトナア!」
全弾かわされた。
爆撃も織り交ぜようかな。
いまだに上空ではドッグファイトが行われている。
20機だけ飛び魚艦爆改を戻してみる。
制空拮抗にはなったがこれで爆撃が使える。
まずは機銃の斉射。
それから16inch三連装砲を斉射せずに時間差で撃つ。
「イイゾイイゾ、ソウコナキャナッ」
敵も16inch三連装砲を斉射してくる。
直撃しても一発くらいなら平気だろうけど、あたって大事な兵装が壊れても困る。
全弾回避するが、
「ソコソコソコォカカッタナ!」
はめられた。
「サア、オナカイッパイクライナ!」
敵にも魚雷はあったんだ。
すっかり失念していた。
どのコースをいってもあたるように緻密に撃たれた魚雷がこちらに迫ってくる。
「ちっ、一発くらいなら!」
そして
ドゴーンと
魚雷が爆発した。
「まったくあぶねえな畜生め」
当たる直前に爆発した。
「オマエナニシニキタンダ、ソンナボロボロナカッコウデ」
確かにぼろぼろだ。
スク水は切れているし、顔には黒いオイルのあとがついている。
「いや、気を引くくらいはできるだろ、てかぼろぼろなのはお前んとこの軽巡とか駆逐艦とか、しつこく爆雷投げてくるからだろ、くそ!」
「ソレハキタオマエガワルイ。トリアエズシズメ。」
ドンとレ級が12.5inch連装副砲をしおいに撃ち込む。
「あっ」
あれ、でも爆発も煙もない…。
そうか、潜っていったのか。
「センスイカンハメンドウダナ。艦爆隊航空爆雷用意。」
「そうはさせない!」
16inch三連装砲を相手に叩き込んだ。
「ウルサイナア、ソンナコウゲキジャ中破モシナイヨ!」
そうしているうちに敵の航空部隊が爆雷の投射を開始した。
それと同時に海面から突然何か飛んできてレ級に当たった。
「イタア、ナンダコレ!装甲ヲ貫通シテキタ!」
そういえばアンドラスⅡを積んでいたこと忘れていたなあ…。
四連装発射機を起動させてアンドラスを発射する。
「ナ、ナンダソレ!」
次々とアンドラスⅡが着弾、爆発する。
「クソクソクソクソ!ミンナシズメ!」
急に不利になったことに敵のレ級がやけを起こして魚雷を全弾発射、主砲と副砲の一斉射、爆弾、爆雷の一斉投下を行った。
これをどうにかアンドラスⅡとミニガンで相殺できないかと思い立ち、魚雷を敵の魚雷に当たるようにはなち、回避のためのコースを確保、アンドラスⅡとミニガンで命中すると思われる爆弾を消し飛ばす。
「さあ、沈んで。」
そのまま主砲と魚雷、爆弾、ミニガンをフルバーストで叩き込む。
「アア、マタシズンデイクノカ。」
「そう、沈むの。あなたはもうこれ以上その深海棲艦の本能に囚われなくていいんだよ」
「ソウカア。ツギハ、モットマシナ存在ニ生マレタイナア」
「きっとそうなるよ。それまでおやすみ…。」
そのままレ級は沈んでいった。
胸の中にはなんだか物悲しいような、言葉ではうまく言い表せない感情が渦巻いていた。
どうやら終わったようだね。
残りの艦爆はどうしようか。
よし、40連装ロケットランチャーと500t弾頭RPG弾一発で一掃しようか。
連絡を入れようか。
M:これから敵艦爆の掃討に入るから速やかに撤収離脱してね。時間はあと三分、それ以上待つと敵に逃げられるよ。
S:りょ。
R:了解。
飛び魚艦爆改と飛び魚艦戦改を撤収後、全速力で補給艦に向かう。
S:ついたか?
R:後もう少し。
と、うえから風きり音が聞こえる。
どーんと爆発した。
「いてて」
やっぱり油断はよくないなあ。
残敵の艦爆かな。
適当にミニガンをばら撒いて全速力で補給艦に向かう。
補給艦の近くに着いた、と三分たったのか迷彩がとかれていく。
S:おおアブねアブね、間に合った。
R:全員付近に非難してきたよ。
M:それじゃあこれから残敵掃討にはいるよ。
と、同時にロケットが次々と放たれていった。
おお、ずいぶんとやるきだな。
うん?あれ、500tのRPG弾じゃないか。
本命を大量のロケットの中に隠したのか。
S:レイン、急いで補給艦の中に避難しろ。
R:なんで?
S:いいから、俺も急いで補給艦内に入らないと。
R:ふうん、わかった。
S:できるんならそのまま艦橋に行ってみな。面白いのが見られるから。
R:うん。
艦橋にて
三人で外を見ている。
M:そういえば、ずいぶんと速かったね。
S:そりゃあ外が危険だからな。
R:それでおもしろいものって?
と、衝撃波が補給艦を揺らした。
M:敵艦載機全滅、残敵掃討完了。
R:まぶしかった。
S:うまくいったか。
M:そうだね、それじゃあ資源の回収に行こうか。
R:ねえ、さっきのはなに?いまだになんか変な雲が立ち上っているけど。
S:核兵器。その雲はキノコ雲なんて呼ばれているものだ。まあ放射線を持っているからそいつのちりが落ちてくる前にとっとと死骸の回収に行くぞ。
R:うん、わかった。それにしてもすごい爆発だったね。熱がこっちまで伝わってくるようだった。
S:あれでヲ級改を蒸発させることもできるくらいには威力は高いな。
M:でも資源回収には深海棲艦の死骸が必要だから、資源回収目的の戦闘なら使えないよ。
R:へえ。
S:さあ、そういうこったはやくいったいった。
資源の回収がおわり、無事に補給艦に撤収した。
今回の資源で51cm連装砲を作る予定だ。
M:まあ、これくらいなら三時間くらいでできるからそれまで出発はしないからね、傷の応急処置なんかしてるといいよ。
S:それじゃあ救急箱を取ってくるか。
R:その怪我だいぶいたそう。
S:そうでもない。艤装のほうにダメージがいったから生身のほうは見た目ほど損傷が酷くないんだよなあ
M:でも艤装のほうはだいぶ痛んでいるから島で直すまでは出撃しちゃだめだからね。
R:わたしの尻尾はどう?
M:細かい傷はいくつか見られるけど、まあ大丈夫だよ。ただレインコートのフードがぼろぼろだから島についたら二人で入渠だね。
R:そう、わかった。
M:それじゃあごゆっくり。
R:今回はありがとね。
S:いきなりどうした。
R:ほら、魚雷を
S:ああ、あれか。
R:それから、援護射撃とか。
S:あんときは大変だったなあ。爆雷が上から落ちてきやがって。頭を狙ったのにかなりずれた。
R:まあ、あのロケットがきっかけでレ級も撃沈できたから、結果オーライ?
S:そうだな、それとこっちこそレ級を引き受けてもらってありがとな。おかげで随伴に集中できたし資源も手に入れることもできた。
R:なんだかしおいに感謝されるのは新鮮。
S:あってからそんなに日もたってないから感謝するような場面もそんなになかったからな。
R:うん、そうだね。そういえば救急箱取りに行かなくていいの?
S:ああそうだ、とりにいかなきゃな。レインは頭とか大丈夫か?
R:最後に爆弾が一発直撃したけど平気。
S:ははは…。頑丈だな・・・。
S:いてて、しみる
R:我慢我慢。
S:はあ、腕にも頭にも包帯巻かなきゃな・・・。
R:手伝う?
S:ああ、頼む。
このあと、できあがった51cm連装砲を換装し、島に帰還した。
こうしてサーモン海域での夏休みは終わった。夏休みの残りは島で過ごすことにした。
時間はさかのぼり・・・。
「どうやら戦闘が終わったようです。」
「そうか。それにしてもなんだったのだ。提督には相手にしてもらえず、疲れたのかと逆に心配されたぞ。」
「あんなもの、直接見なくては信じられませんよ。」
「それから、艦娘の姿も確認できました。」
「だれだ?」
「伊号潜水艦の、髪型がポニーテールで茶髪とのことです。」
「おそらく伊401だろう、とはいえ、色々な鎮守府にいるから誰がとは特定できないが・・・。」
「新型の兵器も確認しました。とはいっても普通では考えられない大爆発を起こしたのを確認しただけですが。」
「いったいこの海域で何が起こったというのだ。まったく、頭が痛い・・・。」
「今は考えてもしかたありませんから主力艦隊の撃滅に参りましょう。」
「そう、だな。第一艦隊、このまま目標地点へ向かう。」
「島」にて
S:嗚呼ようやく到着ー
M:うう、頭が痛いよ。寝る。
R:大丈夫?
M:寝れば直ると思うよ。あ、それとドッグはあっちだからね。直るまでゆっくりしててね。
R:わかった。
S:さてどんぐらい入っていればいいんだか・・・。
inドッグ
S:くううしみるー
R:ここ気持ちいい。
S:そりゃ療養施設だからな。
R:ふうん。ん?2:00:21てなに?
S:そんだけ入れば完治するっていう時間だな。どんくらい損傷うけた?
R:爆弾一発とあと細かいのをいくつか。
S:爆弾がなけりゃ1時間とかからずに出られたろうに。
R:慢心油断だめ、絶対。今回学んだ。
S:戦闘の基本だな。さて俺のほうは・・・げ、3時間20分か。
R:どうしてそんなになるまで無茶をしたの・・・。
S:ちょっち軽巡にむかついてレラーで屠りました。反省はしているが後悔はしていない。
R:そんなにうざかった?
S:うえから爆撃されるのを想像してみ。
R:・・・うん、かなりイラつく。
S:そんな感じでイラついて水上戦に持ち込んだら思いのほかかわされて、そっちに気をとられてたら後ろの駆逐から直撃もらってな。
R:たかだか駆逐艦でしょ?
S:潜水艦ってのはやたらと装甲が薄くてな・・・。駆逐の直撃でも致命傷になることがあるんだよ。
R:へえ。
S:深海棲艦のはやたら頑丈なのもいるらしいがな。ソ級とか。
R:それじゃあそのソ級に遭遇したら集中的に爆雷を落としたほうがいいの?
S:場合によるとしか・・・。そうか、爆雷の代わりに核爆雷か対潜水艦ミサイルか魚雷の開発をしてもいいな。
R:魚雷ならわたしの深海烏賊魚雷に使えると思う。
S:そっか、それじゃあ魚雷の開発もいつかやるかなあ。
R:そういえば艦爆が15機くらい撃ち落されちゃったけど
S:またつくればいいさ。でもあの状況でよくもまあ艦爆15機で済んだものだ。
R:改修されて優秀になったから。私だけの自慢の装備。
S:そうか、たいせつにしなー
「だから今回の報告はすべて事実だ。」
「いやだけどもありえねえだろ。深海棲艦同士で争っていた?大爆発が起きた?いったいどうなっていやがるんだ。」
「実際にそれが起きている、赤城や加賀からの報告でそれは信用に足りる情報だ。それは提督もわかっているだろう」
「だが大爆発はともかく深海棲艦どうしで争うなぞ聞いたことがないんだ。」
「やつらの生態なぞ不明なところが多いのは提督もわかっているだろう」
「だが、仲間割れ?深海棲艦が?・・・まあいい、とりあえずは争っていたということは認めよう。」
「ようやく認めたか。」
「いまだに半信半疑だがな、上にも報告できやしないが。それで、大爆発のほうは様子はどうだったんだ?」
「そちらについてはわたしが、ところで工廠の妖精を呼んできてくださいませんか?おそらく新兵器の可能性が高いので、そちらは専門を交えたほうがよろしいかと。」
「そうだな」
「ソレデ、ナンデヨバレタンダッケ?」
「新兵器についてです。」
「シンヘイキ?ソンナモノワレワレサイキンツクッテナイヨ。」
「いえ、あなたたちのではなくサーモン海域にて新たに確認された、正しくは新兵器と思われるものについてです。」
「ムフ、フムムフフ?」
「サーモン海域において、私たちの兵器では到底ありえないような大爆発を確認しました。」
「アリエナイ?ダイバクハツ?」
「ええ、その後、残存していた敵航空機は全滅しました。」
「ワレワレノギジュツデモアリエナイバクハツ・・・ソレハシンカイセイカンカカンムスガバクハツシテモエテイタモノヲミマチガエタノデハナイネ?」
「ええ。」
「ウウム、タシカニアルヨ、セイゾウハオロカカイハツスラキンシサレテイルモノハ。ソノナカノバクハツトイウテンニチャクモクスルト、ヤハリカクヘイキガイチバンアリエル。」
「かくへいき?」
「なんでそんな軍事機密の兵器が作られているんだ、人類でも机上の空論なのにそれを対深海棲艦用にするだって?」
「デモリロンテキニハツクレナイコトモナイヨ、ワレワレハキンシサレテイルケドネ。」
「そういえばなぜ禁止されているんだ?」
「ジンルイガワデモ、ヨウセイガワデモ、ソノテノタイリョウハカイヘイキハジンルイノソンボウカライッテコノマシクナイカラ、キンシサレテイルンダヨ。イッパンニハコウカイスラサレテイナイ、マサニヒミツヘイキ」
「なるほどな。」
「ダレガツクッタノカキニナル。ヨウセイナラコンナモノツクロウトハシナイ。…・・・・・・ア、ムカシイタナミサイルトカイウノヲツクロウトシテツイホウサレタノガ、アイツナラツクレルカモシレナイナ、トウジイロイロナモノヲヒミツリニツクッテイタミタイダカラ。」
「だれだそれ。」
「ヨウセイニナマエハトクニナイケド、ソイツノツクルソウビハドレモイッキュウヒンデ、ウエモアイツノコトハアルテイドヨウニンシテイタケド、アルヒカクダントウミサイルヲツクロウトシテイタノガバレテツイホウサレタ。」
「そんな危険なやつがいるのかよ、妖精ってのはもっとこういいやつなイメージがあったが。」
「ソイツダケトクベツ、フツウノヨウセイナラマズソンナコトシナイ。」
「そうか。とりあえず、核兵器の使用の可能性があると。」
「それから提督、伊401と思われる艦娘が当該海域で戦闘しているのを確認しました。」
「かなりの鎮守府に伊401はいるはずだぞ。」
「ですが、それらの鎮守府の記録を調べても、当時サーモン海域には出撃していません。」
「はあ、所属不明の伊401に核兵器、おまけには深海棲艦同士の戦闘、こりゃ上に報告しても信じてはもらえそうにないな。」
「イチオウコッチデハホウコクシテオクヨ、カクヘイキノケンハムシデキナイ」
「では会合をはじめます。」
「今回の議題はなんだ?」
「なんでも核兵器が確認されたそうな」
「なんだと、それはどういうことだ。」
「ご静粛に、今回の議題は51cm連装砲の一般開発に関するものでしたが、急遽核兵器についてとなります。」
「詳細はお手元の資料に」
「概要をさらっというとサーモン海域において核兵器の使用が疑われるものが確認された。」
「ただいまサーモン海域には特別の調査艦隊が向かっております。」
「結果は一週間後、そのときにもう一度この会合を開く。」
「それで、対応はどうするのだ。」
「それが、核兵器を使用したと思われるものたちの姿をロストしてしまったとのことです。」
「ただし、伊401、戦艦レ級eliteがともにいた模様」
「そのものたちが核兵器を使用したと思われるとのことです。」
「それではそのものたちを発見しだい速やかに捕縛するということでいいのか?」
「いんや、ここはそのものたちを泳がせ、拠点を割り出し、襲撃すればよいのでは」
「たしかに拠点を潰さないことには他のものに見つかって利用される恐れもあるか。」
「ではどうする、潰すときには虎の子の大本営第一艦隊をだすか?」
「それがいい、核兵器を使うような奴らだ、何をしでかすかわからないからな。」
「第一艦隊ならば戦力不足ではないだろう。」
「そうだな、バックアップに第二、第三艦隊も出させよう。」
「では、拠点を発見しだい大本営第一、二、三を出すということでよろしいでしょうか。」
「ああ、だがしかし肝心のターゲットが見つかっておらんぞ。」
「それは全鎮守府に偵察させればよかろう」
「ならば任務にだしておくか。」
「そうしよう」
「では概略が決まったようなのでまとめますと核兵器を使用したと思われるものたちは発見しだい追跡、拠点割り出し後、大本営の艦隊をもってして拠点を撃滅、対象は捕縛し、尋問ということでよろしいでしょうか。」
「そうだ。核兵器は製造を禁止しておるのにそれを作り出す奴らだ、それくらいの罰が当然だろう。」
「では、この会合はこれでおしまいです。」
ああ平和だね。
兵器開発に専念できて、一人ぼっちの生活から逃れられて、とてもめぐまれている環境だよ。
願わくばこの平和が壊れませんように。
M:おきたかい?
S:ああ。
R:どうしたのいったい?
M:今回のサーモン海域遠征での消費資源だよ。
燃料5000
劣化ウラン弾20000
鋼材4000
貴金属 300
S:これは収支か?
M:そう。
R:だいぶ派手につかったね。
S:劣化ウラン弾は腐るほどあるからまあ問題はないだろう。
M:鋼材は君の修理とミサイルに使ったよ。ミサイルは相当の資源を食うからちょっと注意が必要だね。
S:んじゃあ資源を集めるときはミサイルも使用するのは控えたほうがいいのか。
M:まあ、ボクが開発していたときよりも相当燃費はよくなっているけどね。
R:紫瑞は前にも開発していたの?
M:まあ、軍でちょっとね。
R:へえ、意外。
M:ま、そんなことよりも、ボクからちょっといいかな。
S:ん?なんだ、紫瑞から珍しい。
M:いや、いままでも思ってたけれども、ボクたちだけじゃ人手があまりにも足りなさ過ぎないかい。
S:そうでもないな。
R:わたしはしおいがいるから十分
M:君たちはそうは思っていなかったのかい・・・。人がいたら効率的に資源も集められると思うよ。
S:まあ、そりゃそうだな。そんで、人を増やすったってどうするんだ?深海棲艦からはもう引き抜けないぞ?
M:別に深海棲艦を利用しようとはしないよ。艦娘を利用するんだよ。
S:艦娘?んなもん建造か軍学校からしか手に入らんだろう。
M:いや、前々から艦娘のドロップという現象が確認されているんだ。
S:ドロップ?突然現れるってか?
M:そうだよ。深海棲艦との戦闘のあと艦娘が現れるんだ。
S:それって深海棲艦の出現時と似ているな。
R:わたしのときもそうだったの?
S:ああ、突然暗いものが集まって形を成したと思ったらそこにいたのがレインだったな。
R:へえ、そんなことがあったの。
S:それで自分が艦娘だったと言うもんだから驚いたがな。しかし艦娘と深海棲艦にはなにか深い関係性があるのか・・・。
M:まあ、話を戻すとドロップを今回は狙いたいんだよ。
S:それで艦娘を増やしていくのか。
M:まあ機密保持のためにそれらの艦娘にはある程度の制限はするけどね。
S:まあいいんじゃないか?
R:しおいがそれで楽になるのならそれでいい。
M:それじゃあ決まりだね、といっても君の夏休みはあと1週間のはずだったけど。
S:うーん、そうだな、それじゃあドロップの件は俺の目途がついたらと言うことで。
M:そうだね。
S:そういえば今回の遠征で思ったのが補給船内に修理の施設とかもっと資源用倉庫とかあったほうがいいんじゃないかと。
M:資源倉庫はまあ、いまの倉庫を大きくしてこの島の資源を入れることができるくらいには大きくできるけど、ドッグはさすがにきついかな。
S:ドッグなんてたいそうなものはいらないからせめて艤装の修理ができるようにはしてくれないか?
M:まあそれくらいならできなくはないとは思うよ。それじゃあ補給艦はそんなように改修しておくね。
S:よろしくたのんだ。
M:あと一週間で完成させては見るよ。
さて、艦娘をドロップで狙う、といっても具体的にはどれをねらうか。
まず俺が考えたのは艦娘を各役割に特化させ、相互にフォローしあうという案。
しかし、これでは一隻でも機能不全に陥った場合が怖い。
ならばと次に考えたのが特化はさせるがある程度の迎撃能力を持たせるという案。
例えば、対潜特化だが、対空も普通の艦娘と同等以上に行うことができる、といった具合だ。
三番目に考えた案は、オールマイティにできるようにするという案。
これならば一隻が機能不全に陥っても危険は第二案よりも少ない。
しかし、特化型の特化した能力にはとうてい及ばないだろう。
それを考えると特化型と汎用型を混ぜたものがいいか。
しかし現状では監視にも限度がある。
なるべく少ない艦娘でいくとして。
特化型のほうがはっきり言って楽だ。
それに特化させるだけでいいのだから、大規模改装も汎用型よりは面倒がなくていい。
汎用型は各兵装の割合などを実戦で確かめねばならない。
まあ、いまは余裕もあるから汎用型も一応考えておこう。
汎用型に適していると思われる艦娘はまあ、特に考えなくてもいい。
どんな艦娘でも汎用型にはできる。
ただ、特化型ならば適しているものを選ぶ必要がある。
現状資源を節約したいという点も考える必要がある。
対空ならば秋月がもっとも適しているか。
秋月は防空駆逐艦として開発された大型の駆逐艦だ。
当時のFCSである91式高射装置を備え、ハリネズミのような対空火器のオンパレードであった。
その代わりに魚雷発射管は一基のみであったが。
沈没はレイテ沖海戦のうちのひとつエンガノ岬沖海戦で酸素魚雷に誘爆などの説がある。
エンガノ岬沖では文字通り旧日本海軍機動部隊の壊滅といってもいい被害だった。
まあ話がそれたが、こちらの資源にも限りがあるので、機銃の換装をするにしても新設するよりか断然楽で、艤装も長くしてみたりとかそんなことをせずにすむのでハリネズミの秋月はうってつけということだ。
対空は秋月にしよう。
ではつぎに対潜。
Верный、五十鈴、北上などか。
ううむ。迷う。
Верныйならば近代兵器、五十鈴ならば対空もできるだろうし、北上ならば雷撃もできる。
だが改装に一番手間のかからないのはВерныйだろうか。
艦載砲はまあ、Mk.42にかえてもいいだろうし、魚雷発射管も戦後の533mmに対応している。
ただ魚雷の改装案をどうするか。
ああそうか、魚雷にもミサイルと似たようなものを組み込めばいいか。魚雷にシーカーとしてアクティブソナーをつけて、ホーミング魚雷にでもするか。
あと短魚雷ならば仲間を誤射する危険も酸素魚雷と比べて少ないし、誘爆の危険性も少ないか。
魚雷に詳しくないとは紫瑞にいったが基本的なことは抑えてある。
ただ当時は技術的に無理だろうと思ってああいったが。
まあいまは技術的に可能だ。まあいい、閑話休題。
爆雷はそのままにして、アスロックを37mm連装対空機関砲4基の代わりに換装、25mm三連装機銃はCIWSにするか。
FCSがよくわからん。
なにを積んでいるんだか。
いっそBCに置き換えようか。
対艦はまあレインがいるからいいや。
こんな感じでいいか。
S:そういえば艦娘を集めたとして指揮系統はどうするんだ?
R:しおいじゃないの?
M:ボクは技術者であって指揮を執るような妖精ではないよ。
S:おまえらなあ
M:この三人の中じゃ君が一番適任ということだよ。やることは資源管理、入渠の指示、艦隊指揮、遠征・・・は今のところ無理だね。
R:ということでけってー
S:はぁ・・・。
暇だな。
資源集めも輸送船が改装中で使えないし、弾薬の製造でもするか。
S:なあ突然で悪いけど弾薬の製造ってどうやるんだ?
M:なんだい突然?
S:あまりにも暇すぎてな。弾薬製造の手伝いでもしようかと
M:ああなるほどね。んじゃデータ送っておくからその通りに開発室にある機械を持って行って動かしてね。
S:おーわかった。
開発室
この機械は手のひらサイズだが…。本当にこの機械でできるのか?
ああ、持ち運びは手のひらサイズ、使うときに展開するのか。
倉庫
展開したはいいがでけえな
さすが妖精クオリティ、有り得ないことも可能にする技術だ。
さてさてこいつに資源を入れて起動。
制御にはBCを使うと。
作れるのは
[PG-7VL
Andrus
AndrusⅡ
.50AE
16inch shell
DU
Nuclear PG]
まあ今回は浪費した劣化ウラン弾を作るか。
さて劣化ウランとその他もろもろいれて、作動開始。
すぐに出来上がる。
次々入れては作動を繰り返していく。
まあ暇よりはましだ。
さて劣化ウラン弾20000を作り終えて次は核弾頭PGとアンドラス、Ⅱをつくるか。
これは拡張パーツを機械にセットしてと。
拡張パーツはシーカーなどの精密機械を作るためのものらしい。
さて肝心のプルトニウム、200㎏を突破していた。
生産効率がなんかあがったらしいが。
まあいい。起動して資源をいれて、作動開始。
その後一週間弾薬製造を行った結果、劣化ウラン弾は100000、アンドラス100発、アンドラスⅡ10000発の製造に成功した。
M:作りすぎだよどうみても。改造用の資源は残っているのかい?
S:まあ燃料20000に鋼材25000、貴金属類は10000、プルトニウム2㎏残っているな。
M:だいぶ浪費したね。前は100000超えていたはずだけど。
S:大変気持ちよかったです。これで当分武器には困らないはずだ。
M:消費した分だけ作ればいいと思うんだけど。プルトニウムはまあいいよ、一週間で50㎏新たに作ったから。
S:んで、これ積める?
M:問題なくいけるね。まだまだいけるよ。資源の詰め込みもやっておくかな。
S:ん、わかった。
M:機械はどこにおいてある?
S:開発室に戻したぞ。
M:よかったよかった、それじゃあそっちも詰め込んでおくよ。
「調査結果はどうだ。」
「海底のウランの濃度が通常よりも高かったとのことです。プルトニウム濃度は通常と変わらないとのことです。」
「ではウランを用いた核兵器を作ったのか。ならばあやつらの技術力もそうはたかくないか。」
「しかし、鉛の濃度が異様に高い、との報告が気になりました。」
「鉛?なぜ?」
「鉛はウラン、プルトニウムが崩壊する際の最終過程で生まれてくるものです。それから、放射線量も通常とさほど変わらないというデータも出ています。」
「ではやつらは崩壊させて無害化する技術を持っているとでも言いたいのか。」
「はい。通常ウランやプルトニウムは半減期がとてつもなく長いものです。それを一週間で線量がゼロに近くなるまで崩壊させることは普通ありえません。」
「ううむ、これは厄介になりそうだ。」
「こんな技術は我々でも開発しておらんはずだが。」
「一体誰が・・・。」
M:それじゃあ気をつけてね。
S:ああ。
R:わたしもいっしょにいきたいけど我慢する。
S:まあ週末とかは護衛で一緒になれるとは思うけどな。
R:ん。護衛がんばる。
S:そんじゃまたなー
頭の上でぶんぶんうるさいな。
なんでこんなに偵察機ばかり出ているんだ?
念のため光学迷彩を使うか。
到着。
さてさて、始業式に間に合うといいが。
しばらく光学迷彩で隠れながら寮へと向かう。
寮へとついたら光学迷彩をとき1401号室へとむかった。
「あ、しおいがかえってきたのね。」
「ただいま、まだ始業式は始まってなかったの?」
「これからだよ。はやく準備するでち。」
始業式後
「今月から実戦形式の模擬戦がはじまるんだって?」
「たしかそうなのね。」
「爆雷怖いよう」
「そんなに怖くはないよ、多分。」
「爆雷にやられる前に敵をスナイプするの、そうすれば怖くもなんともないのね。」
「形式はどんなんだろ?」
「駆逐艦の同学年の艦娘との合同らしいでち。あっちは対潜、こっちは雷撃の合同訓練ってあつかいらしいよ」
「駆逐艦の子達とは話したこともないなあ。」
「授業ごとかに話さないの?」
「寝ていたり復習したり、話はしてないね」
「まじめすぎるからそうなるのね。」
「もっと話したほうがいいでち。」
「色々と聞けて勉強になるのね。」
(とはいっても話すことでなにか得られるものが・・・。ああ、駆逐艦の不満点を聞くことで改装の参考にはなるか。)
「そうねーそれじゃあだれかとはなそうかな。」
「明日は訓練であさってから授業なのね。そのときにさがすの。」
朝。
比較的早く起きた。
最近は弾薬製造ばかりやっていたから早寝早起きの習慣がついた。
まあいい。
レラー、RPGを艤装から取り出してベッドの中で点検する。
問題なし。
まさか使うことはないだろうが近くには敵泊地があるのだ。
いつ敵襲が来てもいいようにしておく。
そういえば久しぶりに魚雷発射管も使うのか。
中を点検すると、ほこりがだいぶ溜まっていた。
掃除しなきゃ。
ふう終わり。
魚雷もホーミングが使えればいいのに。
そういえばホーミング魚雷のデータを紫瑞に送ってなかったな。
送っておこう。
M:で、これを作るのかい?
S:いやただ送っただけだ。どうしようが好きにするといいよ。
M:それじゃあ早速作るよ。魚雷の改装はできないって昔言っていたけどしっかりできるじゃないか。
S:まあ、あんときはこれくらいあんだろうなと思っていたからな。
M:なるほどね。さあてかいはつかいはつ~
今回送ったのはMk.50。
アメリカの対潜短魚雷で、誘導方法は探信音発射と音響受信を組み合わせたものだ。
閉サイクル蒸気タービンで液体金属燃料のリチウムと六フッ化硫黄を閉鎖空間で燃焼させ、魚雷外への排気を不要としている、ようするに雷跡が見えないというものだ。
弾頭がHEATでまあそっちはもとからある技術だから新たに開発する必要はない。
アスロック用にちょっと調節してやる必要はあるだろうがまあそっちも問題はない。
すでにアスロックのデータは送ってあるからそっちにあわせるだろうし。
アスロックは核爆雷と魚雷の両方に対応しているから一番使いやすい。弄る必要もないし。
あとはMk41か、小型化しないとコッチはきついな。秋月ならMk48でもいいだろうが。
それとも新しい駆逐艦改装計画に組み込んでおくか。
まあそのときになったらでいいか。
対空ミサイルにはESSMを採用するか。
もともとアンドラスの元のトマホークは対空用のミサイルではなく対地対艦用だ。
たしかに現在の深海棲艦の艦載機程度ならばあれでも十分なのだが大空襲のときに命中率や効率を考えると対空ミサイルが必要になってくる。
核を使うという案もあるのだがそれでは中近距離のときにつかえない。
CIWSのみでは撃ち落せるものにも限度はあるし弾切れは心配だ。
さらに敵がミサイルを使用してきたときを考えると対空ミサイルがいる。
まあ、現状はアンドラスで十分だが敵がもしミサイル、特に空対艦ミサイルを使ってきたときという現状最悪の状況を考えると早めに対空ミサイルの実戦データを集めて最適化しておいたほうがいいだろう。
対艦にはアンドラス、対空にはESSM。
対空にはより高速度で高命中機動力も高く、レーダー部分の簡略化も資源の面から図りたい。
ESSMはアンドラスよりも高速で機動力もあるのであとはレーダーを多少弄っておわりだ。
さてこっちのデータもとっとと送っておかねば。
「あ、おはよー」
「おはようなのねしおい」
「おはやうでち」
「今日の実戦訓練の相手は決まっているの?」
「確か現場で決めるのね。」
「ちなみに来月は四対四のチーム戦でち」
「今月は個人技能のまとめと現場判断、来月は戦術判断の訓練といったところなのかな」
「さあ、あんまり詳しいことは考えてもしかたないのね。」
「チームは自由に組めるみたいだよ」
「そうなんだ。今から考えておかないとなあ。」
訓練場
「では本日の対潜合同訓練を開始します。潜水艦側は伊19、伊58、伊401。駆逐艦側は暁、響、雷、電。双方演習弾での実戦形式訓練です。説明は以上です。それぞれ開始位置についてください。」
相手は第六駆逐隊の面々だった。
響はドロップを狙っている艦娘のうちのひとりだ。
とはいっても改装後のВерныйにしなければならないがまあその分の活躍は期待できるだろう。
ソ連とUSAのハイブリット、夢がある。武装はだいたいアメリカだがね。
閑話休題。
武装がいつものRPGではなく、533mmの魚雷である。装備によっては610mmだったりするが。
こちらの開始位置は深さ40m、相手との距離は500(m)
まあ訓練ならこれくらいなんだろう。
てか魚雷であたんのかこの距離。いまいち自信がない。
まあいいや当たって砕けろで。
「では訓練を開始します。はじめ!」
さて先ずはソナーから。
アクティブソナーで敵の正確な位置を検出、艦首8門を開いて発射。
一発は命中。残りは掠ったり、どっかいったりで当たらない。
「無駄使いしすぎなのね」
イクにたしなめられた。
敵の様子が知りたかったので潜望鏡で確認する。
ペイントがべっちゃりとついたのはどうやら雷のようだ。
普通なら大破してもおかしくないあたりだったようだ。
「なにやっているでち。さっさともぐるでち」
なんでこんなに注意されるんだろう。
ちょっと浮かれているのかね。
きょうは戦艦狩りをやっている。
同属?そんなことはない。
深海戦艦は敵。そして資源の源。
R:やっとノルマの10隻終わり。今から戻る。
M:気をつけてね。
そういえばさっきから偵察機が飛んでいるけどなんだろう。
まいいか。もどろ。
彩雲パイロット
「レ級elite発見。なぜこの海域に」
『いまお尋ね者の深海棲艦をおそうやつだろ』
「さっきもル級flagshipをおそっていたぞ」
『わけわかんねえな』
「艦砲と魚雷であっという間だ」
『追跡するにしても気をつけろよ。敵さんはとんでもねえ艦載機を持っているって話だ』
「ああ。いまから追跡を開始する。」
「どんだけいくんだあいつは」
『応援呼ぶか?』
「ああ、このままだと燃料が切れそうだ」
『了解。んじゃ俺が後はやっとくから先戻ってな』
「すまないな」
大本営
「提督、レ級elite発見の報告がきました」
「ああこの間のか。ったくサーモン海域で第一艦隊が出会って以来こいつを追ってきたわけだが、会議ではやつらの本拠地をたたくってことでいいんだな」
「はい。妖精からの決定です。」
「あいつらも人使い荒いだろ、妖精はいいやつばっかじゃないのかよ」
「提督、上層部は一般の妖精とはだいぶ違いますから」
「はあ・・・。第一、二、三に出撃命令だ。一回で終わらせて来い。目的は敵拠点の撃滅と敵の捕縛だ。」
島にて
着いたけどさっきから何なんだろうあの偵察機。
といきなり島から多連装ロケットランチャーが出てきて偵察機を撃ち落した。
M:何しているんだい!
R:どうしたのいったい
M:いま島の光学迷彩は働いていないって話をしたよね
R:うん。
M:別に気をつければばれないって言うことでプルトニウム増産のために島のコンピュータをプルトニウム制御にまわすって。
R:そうだね。
M:きみは天然なのかいあほの子なのかいそれともただの馬鹿かい!
R:べつにそこまでいわなくても
M:いまので完全にここがばれたよ。どうなるかはわからないけどとりあえず母艦にすべての資源を避難させるから手伝って!
R:わかった
はあだるい。
魚雷があたらねえ。
残りは8発か。
小出しにするか。
完全に見つかってんもんなあ。
いっくらうっても回避される。
爆雷も先日ではないにせようざい。
M:詰め込みはおわったかい?
R:うん。
M:次はプルトニウムの製造を止めて中のを取り出してこれも詰め込まないとね。核はいまは貴重なんだから1mgも無駄にしちゃいけないよ!
「偵察機からの信号、途絶えました。」
「敵本拠地の場所は割り出せたのか。」
「はい。問題なく。」
「それではこれより我々は敵本拠地の撃滅および捕縛のためそこへと向かう。」
「ここからおよそ20時間かかります。」
さっきから魚雷を小出しにはしているがもうそろそろ尽きる。
浮上して艦砲で仕留めようか。
「なに浮上しようとしてるでち。浮上したらあっという間に12.7cm連装砲でやられるよ。」
「イクもそう思うのね。」
「でももう魚雷も尽きるし・・・。」
「どうしてそんなに早く尽きるのね・・・。」
「見つかっているのに撃ってもあたらないのはあたりまえでち」
「近距離なら当たると思ったんだけどね。見事に魚雷がつきたけど。」
「それで艦砲でやるつもりだったの?」
「うん、そういうこと。」
「うーん、ならどうせなら相手がしおいにかまっている間にイクたちは相手のソナーから消えるってのはどう?」
「まあもう魚雷もきれるし、それでいいんじゃない?」
「敵のソナーから消えたら雷撃するでち。」
「まあしおいごとやってもかまわないから」
「さすがに味方に当てるほどイクたちも下手じゃないのね。」
「それじゃあ始めるでち」
レラーが使えたらどんなにいいことかとは思うがないものねだりをしてもしょうがない。
レ級戦の軽巡のときは気持ちよかったなあ。
砲撃をよけながら相手の頭部に弾丸をぶち込むのはもうたまらない。
さて、浮上しようか。
艦砲を使うのは初めてだな。
演習弾は装填済みだ。
おおっとあぶねえ。
あっちが艦砲を撃ってきた。
「潜水艦って基本的に浮上してこないんじゃなかったの」
「きっと魚雷が切れたんだね」
「爆雷のペイントもついてないのです」
「まあいいじゃない。狙いやすくなったんだから」
さてイクたちから気をそらせたのだろうか。撃沈判定が最も出しやすい雷から狙う。
問答無用で14cm単装砲発射。魚雷は残り2発なので温存。
「そんな攻撃当たると思ってんのかしら」
当たるとも思ってない。いまのならイ級でもよける。いや、あたるか。まあいい。
次々と単装砲をうつもまああたらない
なめすぎてたか。だいたいイ級後期と同じくらいだろう。
「・・・あたらないなあ」
「だいたい駆逐艦にそんなので当てようとしているほうがどうかとは思うけど」
いつのまにか囲まれていた。
「やばっ」
急速潜航。
再度浮上して出たのはラッキーなことに雷の背後だ。
艦砲を撃つ。
『雷に撃沈判定です。』
「あらっやられちゃったわ」
「敵はとるのです」
「暁にまかせなさい」
二隻同時に相手とかどんだけ鬼畜よ。
暁と電の12.7cmが火を吹く。
「いたたたた」
一発が命中した。ペイントで制服に色がつく。
とりあえず急速潜航しよう。
ついでにレインにでも艦砲と魚雷でのやり方を聞いてみるか。
いまのままじゃジリ貧だしな。
S:艦砲と魚雷でいつもどうやっているの?
R:ええと、同時斉射?
S:いま魚雷二本しかないんだが。
R:それなら艦砲で注意をひきつけて魚雷二発でしとめるかなあ。
M:なにだべっているんだい。プルトニウム製造は止めたから早く運び出すよ。
R:わたしとしおいの会話邪魔するな
M:大体きみが偵察機連れてきたからここがばれたんだよ!
R:16inchうつぞー
M:やってみるといいさ。ミサイルがきみに飛んでくるから
S:・・・お前らなにしてん?
M:簡単にまとめるとここがばれた。
S:状況は?
R:念のために島中の資源を母艦に詰め込み中。
S:んじゃ口論している暇があったらさっさとやったほうがいいと思うが。
M:そうだね。じゃあいくよ
R:あいー
島のことはさておき今はこっちだ。
浮上。
「これできみも終わりだね」
「暁もやればできるんだから」
「いい加減し ず む の で す 」
おはようじょ
ろりこんにちは
なんて現実逃避しても仕方ない。
「あばばばばばばば」
次々と撃ち込まれる12.7cm砲弾
体中ペイントだらけだ。
あのあとはまあ俺が撃沈判定もらった直後にイクとゴーヤが俺を囲んでいた三人に向かって魚雷を発射、命中させて撃沈判定を出していた。
「最後は一体なにがしたかったのね・・・。」
「あれで一網打尽にできたからいいでち。」
「あはははは・・・」
俺は決してドMではない。ロリコンの気はまあ伊401を嫁にしていただけ大いにあるといえるが。
今はその伊401になっているんだから笑えない。
「あ、響」
「なんだい?」
「ええとその駆逐艦の不満点とかってあるのかなーって」
「別に他の姉妹に聞いたっていいじゃないか」
「響が一番冷静に分かっていそうだから」
「そういうことか。そうだね、不満点、まず魚雷かな。」
「魚雷があたらないのは潜水艦も一緒だね。」
「そうだね。次に艦砲の威力不足」
「戦艦にきかないとか?」
「まあ。あとは対空射撃」
「早い航空機を撃ち落すのは大変だからねえ」
「それから耐久」
「それは潜水艦も悩まされているようん」
「そうか、わりと潜水艦と悩みどころが同じところもあるんだ」
「そうねー」
「あ、もうそろそろいかないと、それじゃあね」
「じゃあねー」
M:ふう、全部運び終わった。
R:つかれた
M:きみにはまだやってもらうことはあるんだからね。
R:えー
M:自分で責任くらいとりなよ。
R:むーわかった。殲滅すればいいんでしょ。殲滅すれば。
M:そんなことして全鎮守府を敵に回す気かい?
R:じゃあどうすればいいの。
M:大破させて帰ってもらう。そのあとこっちから大本営に電報を打つから。
R:誰の案?
M:しおいからだよ。もし相手が攻撃してきたらそうしろだって。
R:しおいの案ならやる
M:君は本当に・・・。まあいいや。こちらからは絶対に先制攻撃しないことだってさ。
R:なんで?レーダーで正確な位置が把握できているなら先制してやったほうがいいじゃん
M:なんでも自衛権とかいうものを発動して戦う口実にするみたいだよ。
R:口実?
M:あとあと批難を浴びないようにとかそのための理由。
R:ああなるほど、面倒だね。
M:まったくもってそうだよ。さてこっちも警戒態勢に入らないとね。
夜、1401号室にて
「あれ、今日は早く寝るの?珍しいのね」
「うん、ちょっとつかれちゃったから」
「さすがにあれは厳しいでち」
「あのときのしおいの姿はすごかったのね。」
「ペイントですごかったでち」
「あははは・・・。まあおやすみ」
「おやすみでち」
「おやすみなのね」
S:さて、これから対策を本格的にねるぞ。
M:だいたいはあれでいいんでしょ?
R:自衛権を口実に戦闘するだっけ?
S:そうそう、国連憲章にもある自衛権、まあ俺らは国家でもなんでもないけど。
M:もうこの際国家樹立でもする?
S:冗談じゃない、めんどくさい。
R:国連憲章?
S:国際連合の憲法みたいなものっていっても通じるのか?
M:この世界には国際連合なんてないよ。
R:この世界?国際連合?
S:ああそういや説明してなかったな。
R:驚き。そんなことがあるなんて。
S:いま積んでいるミサイルや核兵器は俺の過去の知識から作ったものだ。
M:まあいまそんなことを議論している場合ではないけどね。
S:まあそうだな。
R:それで、どうするの?
S:敵艦載機は飛び魚艦戦改で対応、飛び魚艦爆改で急降下爆撃をしかける。
M:核はどうする?
S:いや今回は使わないでおこう。核を使えば一瞬だが全世界を敵に回すのは間違いないし、消し飛ばしたところで深海棲艦に有利になるだけだし。
R:今回は通常兵器のみ、ミサイルの使用は?
S:そっちは大丈夫だろう。許可する。
M:それで、航空戦の次は?
S:レインをどうするかな。
R:わたしが前に出て敵をひきつける。そうすれば紫瑞にはあまり被害がいかない。
M:まあボク自身じゃ戦闘力は皆無だし母艦のほうにもあまり被害は出てほしくないね。
S:だが相当危険そうだが。
R:わたしなら大丈夫。
S:そうか・・・。ならば任せるがあまり無理はするなよ。
R:うん。
S:島は敵艦載機の迎撃、敵艦隊への攻撃を仕掛ける。
M:まあこっちを攻撃するならまちがいなく島を狙ってくるだろうからね。
S:通常弾頭のミサイルは装填済みか?
M:問題なく。いつでも発射できるよ。
S:ならばバルカン砲はファランクスにしておいてくれ。基本的に迎撃に使うように。
M:敵攻撃時はオフ、迎撃時はオンにするんだっけ?
S:そう。まあ実際のファランクスはレーダーを自前で持っていて射程内の目標を自動で撃ち落すやつなんだが、まあレーダーは島のがあるしな。
M:コンピュータも島のメインで済ましちゃってるしね。ただ自動で撃ち落すだけって言うのが普段とは違うけど。
S:さて、概要はそんな感じだな。あとは現場判断で。特にレイン、危なくなったらすぐにひけ。
R:うん。
M:まあ願わくばこちらを攻撃してこなければいいんだけどもね・・・。
「敵本拠地までのこり10時間です」
「武装の最終点検をすませておけ。」
「こちらの作戦の最終確認をしておきたいのですが。」
「そうか。ならば確認するぞ。」
「まずは第一艦隊の航空隊で敵艦載機を迎撃、敵本拠地に空爆をしかける。」
「基本的に艦攻は爆装しておけ。」
「レ級eliteが出てきた場合、第一艦隊の私と大和で対処する。空母は後ろに退避。」
「レ級捕縛もしくは撃滅後、島に艦砲射撃を開始する。場合によっては第二艦隊の戦艦4人には先に行ってもらう。」
「潜水艦には第三艦隊の駆逐艦3隻に対応してもらう。」
「以上だ。」
「はい、ありがとうございました。」
朝だ。
今日はいよいよ島で戦況が動くはずだ。
「おはようなのね」
「おはよーでち」
「おはよう、今日は授業だよね」
「ついでに言えば来月はテストでち。テスト後は一ヶ月くらい休みがあってそのときに泊地襲撃をするみたいでち」
「へえ、いよいよ動くのかあ」
こりゃいい。
遠出するにはぴったりだな。
昼間、島にて
M:レーダーに反応あり、三艦隊からなる艦娘たちと確認。
S:ったくこっちは授業中だぞ
M:敵さんにそんなものは関係ないけどね。
S:大まかな指揮はこっちでとる。授業?そんなものくそくらえ。なんとかごまかす。
M:りっぱな不良艦娘だね。
R:おしゃべりはいいから。敵艦載機の様子はどう?
M:まだ・・・だね。引き続き警戒するよ。
S:了解。
R:一機偵察機を出しておく。
「もう十分か。」
「ええ、空襲を仕掛けている間に艦砲の射程圏内に入るかと。」
「ではこれより作戦行動を開始する。敵に電報をうっておけ」
「わかりました。」
M:ん?電報?
S:電報なんかあったんか。
M:一応ね。内容は、
『核兵器製造の咎により貴様らを捕縛する。おとなしく降参されたし。さもなくば攻撃する』
S:うるさいなあ。怒るんじゃない。
M:なんかあったの?
S:教官に寝てたら怒られた。ごまかしてただけなんだけど。
M:ああそう、それじゃあ迎撃体制に入るよ。
S:ああ。
R:戦闘機出す?
S:一応出しておいてくれ。ただしあっちから仕掛けてくるまではなにもするな。
M:バルカンファランクス待機状態、敵航空機もうすぐ島につくよ。
M:いきなり空爆かい、被害は幸い何もないところだけど。
S:敵に電報、これより自衛権を発動すると。
M:わかったよ。
「敵より電報です。これより自衛権を発動すると。」
「自衛権?なんだそれは?」
「さあ、ですがこれはなんらかの合図では?」
「そうか、ならば各自より警戒しろ」
「さあ、いって。」
飛び魚艦戦改全機と飛び魚艦爆改120機を飛ばす。
さあ、わたしも出よう。
M:これからファランクスを起動するね。
R:わかった。
「今度の獲物はしまひとつかい」
『ずいぶんとでけえ獲物だろ』
「艦船じゃないのは久しぶりだな。」
『ははっ』
『爆弾投下するだけだろ、ちょろいもんだぜ』
「油断していると落とされるぞ」
『ただの島だろ、どこにも機銃なんて、なんだ急に弾幕がグアアアアア』
「おいっ大丈夫か!返事をしろ!」
『だめだ、撃ち落されたぞ』
「機銃程度で撃ち落されるようなやつじゃなかったはずだぞ」
『そんなことしらねえよってわりいちょっときるわ』
「なっどうした」
「一体どうしたのだ、そういえば弾幕があつくなってきたな。回避はしておく
M:敵撃滅、どうにも未来予測とずれるみたいだね。
S:そんなに酷いか?
M:予想だと殲滅に30秒かからないはずなのに1分かかったよ。
S:・・・敵の様子を大出力で精査してくれないか?
M:いいよ。
M:結果が出たよ、なるほどこれなら予測と狂うわけだよ。
S:どうだった?
M:大本営だね。特徴的なのはこの艦隊、大和、武蔵、長門、陸奥、赤城、加賀だね。
S:どういうことだ?
M:こいつらは大本営の主力艦隊だよ。
S:まためんどくさいのが出てきたな。
R:大本営直属なら相当錬度も高いはず。
S:なんで知ってんだ?
R:なんとなく覚えていただけ。
S:それ以外は忘れているのにな。
R:本当に自分でも不思議。
M:とりあえず気を抜かないでね。
R:わかってる。
M:ミサイル10発行くよ。
「対空電探に反応あり。高速で接近中」
「三式弾装填、斉射、てーッ!」
ミサイルに三式弾の子弾が降り注ぐ。
衝撃で3つのミサイルが爆発した。
「よしよし、その調子だ」
「次撃ってみるとしようか、全砲門、開けっ!」
大口径の三式弾が炸裂し、次々とミサイルが爆発していく。
「たわいもないな」
「フッ。相変わらずの腕前だな」
うん?全弾落とされた?
んじゃ次は20発いってみようか。
「対空電探に反応あり。先ほどのものと同じです。」
「敵も懲りないな」
「長門よ、どちらが多く落とせるか勝負しようじゃないか」
「いいだろう。負けんぞ」
「ここからは大和も迎撃に入ります。」
「数が多いのか?」
「ええ、さっきの二倍です。」
「それはおもしろい。」
「全砲門、斉射!てーッ!」
M:冗談だよねこれ
S:どうした?
M:ミサイルが全弾撃ち落されたよ。
S:まあ敵もハリネズミだろうし。
M:違うよ!ただの主砲で全弾撃ち落されたんだよ!
S:は?
M:やっぱり相手の腕が普通とは違う。甘く見てたね。でもそうかい、せっかくここまでうまくいってたのにまたボクの邪魔をしたいのかいあのじじいどもがっクソッ!
Rジジイ?そんなに紫瑞が取り乱すなんて珍しい。
M:あとで説明はするから、いまはとっておきで対処してあげる。
S:おいおちつけ
M:ボクはいたって冷静さ。
R:どう見ても異常
M:うるさいよ。
S:・・・。しょうがない、紫瑞の好きにしろ。
またあのジジイどもはボクの邪魔をするのかい。
まあ完全に私怨だけれど、あのジジイどもへの伝言としてあれを使うとしようか。
秘匿回線
どうした?
―きみのBCの要領を貸してくれないかい?
いいけど何に使うの?
―大丈夫、痛くはならないから、でもさきに謝っておくよ。
そうか。失神でもするのか?
―きみの安全のためにね。
まあいいよ今昼休みだし。寝ているってことにすれば。
―すまないね。ありがとう。
昼休み
さて、いつくるのか。まあ紫瑞のことだ、信頼している俺の友達だ。変なことはしないだろう。
ああ、なんだか意識が遠くなっていく
おやすみ。
「BC、安全装置解除」
「あとは艦娘用の高速修復剤を弄ったものと痛覚麻痺のプログラムを起動してと、弾頭もいくつか変えて。」
「さて、ジジイ自慢の艦娘たちをめちゃくちゃにしてあげる」
「一度ならず二度までもボクの開発の邪魔をするんだから当然だよね。くそじじい」
[ALERT!
IF YOU START THIS PROGRAM
うるさい。
M:飽和攻撃のあとは任せたよ。島からの援護はなくなるけどもなんとかやってね。
R:一体何をするの?
M:もしなにかあってもしおいがなんとかしてくれるよ。
R:いつもの紫瑞じゃない。どうしたの?
M:ボクはね、開発の邪魔をするやつは許せないんだ。ボクの存在意義の開発を禁止するようなやつは一度痛い目を見るといいんだよ。
R:いちどおちついて
R:ねえきいてる?ねえ?ねえったら!
さあ、ミサイル1000発の一斉射およびバルカン砲50基による射撃、耐えられるものではないよね?
あのジジイどもご自慢の艦隊が無様に敗れ去っていくのはどう思うんだろうねえ
さらには隠し味に焼夷弾頭もいれてあるからまるで原爆のあとみたいなやけどになるんだろうねえ
くふふふふふふ。
そんな艦隊のさまを見て阿鼻叫喚とするジジイたちの姿、想像するだけで興奮するよ。
「それじゃあはじめるよ」
島から残りのミサイルが次々と発射される。
ミサイルはすべて個別に紫瑞のコントロールをうけ、対空砲火を次々よけていく。
上空で300、焼夷弾頭がはじける。
火花が次々と降り注ぎ海面が燃える。
退避しようとする艦娘たちにはミサイルが突っ込んで爆発。足が壊れ、航行不能に陥るものも多かった。
そしてさらに焼夷弾が炸裂し、燃える。艤装も何もかも燃える。
艦娘を殺すには足りないがその場から離れることもできずに燃える。
言い表すならば灼熱地獄だった。
大本営の艦隊が燃えている?しかもあんなに?
さっきのは明らかに手加減がされてて、死なないギリギリで悶え苦しむように調整されている。そんな攻撃だった。
確かに殺してはいないけどあまりにも酷い。
「地獄・・・。」
そう呟くほどには。
あまりにも非人道的すぎる。
これでは世論もなにもあったものじゃない。
まだ無傷の艦娘があの地獄をみている。
どうしよう。たしかに無力化しろとはいわれたけど。まだこの上追撃をかけるの?
どうすればいいの?わたしハどウすればいいノ?
誰かがこちらにきづいたみたい。
「レ級!?砲雷戦用意!」
雷巡の、だれだろう、わからない。
雷巡が魚雷を放ってくる。
回避しないと。
でもあシが動かない。
ドウシテ?
どーんと爆発する。
主砲が使い物にナラなくナッタ。
デモテキノコロシカタハ分かる。
でも殺す気になれない。
「どうすればいいの?ワタシハアナタヲドウスレバいいの?」
だんだんわからなくなってきた。
「何言ってるんだこいつ?!」
誰かが叫んでる。
何をドウスレバイイノ?
ドウスレバイイノ?あそうか。
アアソウカ、シオイニ従えばいい。
シオイが全てだトホンノウはイウ。
「そうしたらきまりだね。」
わたしはコワレタ。ソンナきがした。
「あははははは」
深海烏賊魚雷斉射、敵艦隊を大破させる。
しおいがやれっていたことだもんやれば喜んでくれるよね
だからはやくやって
おわらせよう
M:いてててて
S:だいじょうぶか?
M:うん、まあやりすぎたよ。
S:・・・。なにをした?
M:焼夷弾で艦娘たちを殺さない程度に焼いて重症をおわせたよ。
S:まったくなんでそうもまあ世論を敵に回すことを・・・。
M:ボクの復讐さ。あのじじいどもには散々拷問されて、何日も寝ることもできずに結局ボクの当時の技術をほとんどもっていったよ。
S:技術を持っていったくらいでそんなに
M:ボクから技術を奪っていったんだ。本当なら死んでも足りないくらいさ。
S:ふうん
M:あのジジイどもの思い上がりには終止符を打たなきゃならないんだよ。まあとは言っても大本営にずっと目を付けられるのも面倒だし、なにか落としどころは探ってみるよ。
S:そうしておいてくれ。
S:そういやレインの反応がないな
M:そうだね珍しい。
S:なにやってんだか。
M:そういえばこの島はどうする?
S:廃棄するしかねえだろ。ばれているし。
M:そうだね。それじゃあ別のところは探しておくよ。
S:そうしてくれると助かる。
M:廃棄方法はどうする?
S:島一個消し飛ばす。
M:そこまでやらなくてもああでも技術の流出は避けたほうがいいね。
S:そういうこった。やるのはレインのアンドラス10Mtだな。
M:肝心のレインだけどレーダーにすら反応がないよ。
S:本当にどこいったんだか。
夜。
今日は激動の一日だった。
レインが行方不明なのがきになるが。
「たいへんでち、近海にレ級eliteが出たでち!」
「いまここの教官たちがいったからだいじょうぶなのね」
いや、大丈夫なはずがない。
レインだったら大変なことになるがでもあのレインがやらねえだろ。
『防衛ラインを突破されました、みなさん避難してください』
おいおいどんだけだよ。レインがいるはずないから普通のだとは思うが教官だけで十分だろ。
R:ねえどこどこどこどこ
S:どうした?
R:しおいがみあたらないのさっきから艦娘たちがうるさいのだから早く出てきて、じゃないと沈めちゃいそう。
S:・・・絶対にしずめるなよ。
R:うん
海上にて
「しおいのにおいだ」
うれしい。
脳内が歓喜で満たされる。
はやくいこ。
「あ、しおいだ。」
きてくれたきてくれたよひさしぶりのしおいだようれしいよ
だからとびついた
「やったあしおいだ、なまのしおいだあ」
S:いったいどうした?
「やだやだめっせーじなんてやだあ」
「どうした?かなり変だぞ?」
「うん?おかしくなんてないよ?」
うれしさでとんじゃいそう。
ああこれいい・・・。
いきなりのことであたまが追いつかない。
なぜこうなったのか。
見たところ主砲が折れ曲がり、レインコートもあちこちやぶけている
だが一番おかしいのはレインそのものだ。
まるで別人になっている。
どういうことだ。
積極的に艦娘を襲わないはずなのになぜ。
いや、うるさいからといったか。
つまり邪魔だから、だから襲った。
なぜそんな短絡的に?
もっと考えて行動していたはずだが。
「なにがあった?」
「うん?ええとね、炎がぼーってなって地獄みたいだったよ。それがどうしたの?」
「その地獄絵図をみてどうだった?」
「ううんとね、わかんない。そんなことよりしおいだよ」
だめだ。これは完全に壊れている。
さらに深海棲艦の本能がこうさせているのだろう。
S:レインを発見、保護した。
M:どうだい?
S:完全に壊れている。
M:どういう風に?
S:精神崩壊だ。
M:それはやっかいだねえ。
S:なおせるか?
M:むりだね。深海棲艦の思考回路なんて知らないし、下手に弄ったら植物状態だよ。
S:そうか・・・。
「むー紫瑞とばっかり」
「いま大事な話をしているから」
「わたしよりだいじなものがあるのそう、ならばしおいがわたしがいちばんだいじになるようにしなきゃね」
だめだ、かんぜんによめない。
「いや、レインが一番大事だよ」
「それならわたしだけみればいいの」
どうしようか。学校に持っていくわけにもいかない。
「なあ、学校にそろそろもどらないと」
「やっぱりわたしよりそっちのほうがいんだ」
「いやそうじゃなくてだな、今後一緒に過ごすにしても、平穏に過ごすためにはレインにも色々やってもらわないといけないんだよ」
「わかった」
「まずは光学迷彩はつかえるか?」
「うん、こうでしょ」
「そうそう、それだと俺が見れないからここをこう調節して」
「こう?」
「そうそう、それで常に過ごすこと、迷彩を解くのは人気のないところでな。」
「うん」
「俺の望みは平穏に過ごすことだからな、あとレインがみつからないこと」
「わかった、しおいの望みだもんね。」
「よし、いい子だ」
「むーわたしこどもじゃない」
「おおすまん」
とりあえずはなんとかなりそうだ。
学校にもどった。
「しおいどこいってたのね」
「うん?ちょっとね、見学に」
「あぶないでち、でももう避難指示が解除されたでち。」
「なんで?」
「レ級が消えたのね。」
「だからもう大丈夫だろうって」
うしろにその本人のレインがいるのですがねというかやめてくださいうしろからてを握らないでつぶれちゃうから
「しらないおんなとたのしそうにはなしてる・・・。しおいはレインのなのに。」
とっさに手を後ろに隠した。
「そうなんだ、それじゃあ先にへやにもどるね。」
「わかったのね」
「あのねえ手を握りつぶすのはやめてもらえませんかねえ」
「でも平穏には過ごせたでしょ」
「まあそうなんだが」
「んじゃこれからわたしと手をつないでて。そしたらゆるす」
「はいはい」
それにしてもなぜここまで壊れている?
そういえば焼夷弾のあたりのことをはなしていたな。
でも地獄くらいではレインは精神崩壊は起こさないよな。
ではなぜ・・・?
「あ、そういえばなんか大本営の艦娘が残っていたから大破させたよ」
惨状を直接は見ていないが、追い討ちをかけたのか。
「ね、しおいのいうとおりにしたでしょ」
だからほめてといった。
これはほめるべきなのだろうか。
わからない。
後日
敵ながらにこれはあんまりだ。
紫瑞に頼んで惨劇の画像を送ってもらい、さらに大本営に帰った艦隊の被害状況の画像を送ってもらったが、ひどい。
皮膚は焼け爛れ、艤装は焦げている。
艦娘はたしかに直せる。それこそ何事もなかったかのように。
だがこれだけの傷を受けても直る艦娘とはいったいなんなのだろう。
わからない。
レイン襲撃から一夜。
一晩中考えた。
前に呼んだ小説とか、いろいろ思い出して対応を考えた。
小説も案外馬鹿にできないものは多い。
「おはよ、しおい」
どうやら寝てしまったようだ。
「おはよう。」
横にはレインがいた。もう抱き枕見たく抱きつかれていた。
「おおよしよし」
「えへへ」
結論、レインをネコかなにかとして考えることにした。
「今日は訓練だがどうする?」
「いっしょにいく」
「だよなあ」
どうしたものか。
どうして、猫のように扱うのか。
予測不可能なのが猫だ。つまりそのようなものとして扱えばいいのだ。
人間は拒絶や理不尽、不満を感じたりするからストレスを感じるのである。
自分の納得いく理由さえあればストレスはさほどでもない。
案外こういうことって大切、大切。
「あ、しおいがおきたのね」
「おはようでち」
「おはよー」
R:このおんなはだれ?
S:メッセージを使うのか、意外だな。
R:だって、わたしは軍に見つかってほしくないんでしょ。
S:まあそうだが。
R:だからこうしたの。それで、あのおんなたちはだれ?
S:髪がピンクが伊58、通称ゴーヤ、髪が水色のほうが伊19、通称イク。どちらも俺の寮の同室のやつだよ。
R:おぼえた。
「はやく着替えて、朝ごはんにいくの!」
「それともまた強制的に着替える?」
「いや、かんべんしてくだしい」
「そういえばレインは大丈夫なのか?燃料とか。」
「残り少ないけど大丈夫だよ」
「そうか、でも燃料がないといざというときに困るからなあ。」
S:燃料って今ある?
M:あるよ、どうしたんだい?
S:レインの修理と燃料弾薬の補給をどうしたものかと
M:ああそれじゃあ母艦でそっちに向かうよ。
S:そうか。ありがとな。
「なあ、提案があるんだが。」
「なに?」
「俺が訓練に行っている間に、入渠してこい。」
「やだ。しおいとはなれるなんて絶対にヤダ。」
「場所はここな」
「やーだ」
「訓練中にあえるわけでもないし、時間の効率のいい使い方がこれなんだが。」
「効率なんて知らない」
「んじゃ入ってきたら訓練後は一緒に散歩にでも行くってのはどうだ?」
「しかたない。そうする。」
うまくいったか。
朝ごはんはいつもの定食を食べている。腰の辺りになにかが抱きついている感じもするが、まあいい。
「やっぱりさばの味噌煮はおいしいのね。」
「秋刀魚定食のほうがおいしいでち」
「む、さばの味噌煮なのね!」
「さんまでち!」
「鮭っておいしいよねー」
「ん、わたしにもちょうだい」
「はい」
「うん、おいしい」
前二人は論争で気づいていない。
朝から何をやっているんだ。
なんか変なのもいるけど気にしない。気にしない。
うん?でもさっき鮭をくれっていってきたときは普通のレインだったよな。
どうなっているんだかわけがわからない。
「ごちそうさま」
「あれ、もう食べ終わったの」
「ふたりが言い争っているうちにね」
「あれはゴーヤが突っかかってくるからいけないのね」
「イクもいいかえさなければいいんでち」
「まあまあ、それよりも早く食べたら?」
「そうなのね」
「そうでち」
「んじゃ先に戻っているね」
S:結局、誰も大本営の惨劇を知らない。
M:でしょ。あんな失態をじじいどもが晒すわけがないからね。
R:まだ大破させたの、褒めてもらってない。しおいのためにやったのに。
M:君もようやく出てきたのかい。
R:しおいの頼みだから。
M:そんなに変わった様子はないね。きみへの依存が高まったぐらいかな。
R:わたしは普通。どこもおかしくない。
S:変わった様子がない?このメッセージも抱きつきながらやってんだぜ?
M:わーお、お熱いようで。
R:ん。
S:んなこたあどうでもいい。レインの壊れた原因はあとで考えるとして
R:だからわたしは普通
S:大本営の被害を晒さなきゃこっちに仕掛けてくるやつらもでてくるんじゃないか?
M:それならあのじじいどもが禁止するから大丈夫。電報も送っておいたよ。手を出すのなら同じ目にあわせてやるってね。
S:あれでよくPTSDにならないよな。
M:まあ、大本営だから。地獄は見慣れているはずだよ。一度資料室で調べてみるといいよ。
S:秋月のことも調べなきゃなんないしな。
R:ほかのおんな・・・わたさない。
S:はいはい。艦娘の秋月がどこで沈んだのかとか
M:そういうのは資料室にあるはずだよ。
S:そうか。あとでまとめて調べるか。
M:そうしな。鍵はたしかここにあったよ。
S:お、わかった。
訓練は午前中で終わり、午後は自由時間、ということで今、資料室から戦没の記録と大本営の戦歴を借りて調べることにした。
その前に散歩だ。レインがおこるからな。
平和だ。
今日の海は静かである。
「きれいだね。」
「ああのどかだなあ。」
「昨日のあの光景が嘘みたい」
「帰ったら反省会もしなきゃなあ。」
「今はそんなこと忘れて」
「ああはいはい」
ああのどかだ。
入学してからはじめてだな。
ここでのんびりするのは
それにしてもレインがこうなった理由・・・。
記憶が覗ければなあ。
あ、そうだよ
S:ひとの記憶を見るやつって持ってなかった?
M:うん?もっているけど。
S:あれを使えないか?
M:まあ、君と会ったときよりは精度も段違いにはあがっているけど深海棲艦に使ったことなんてないよ?
S:物は試しで。
M:わかったよ。こっちの片付けも今日で終わるから、明日には出航するよ。
S:りょうかい。
「さて、もうそろそろもどるぞ」
「うん、たまにはここにこようね」
「ああ。」
島ひとつを吹き飛ばす実験
実際に行われたものではキャッスル作戦ブラボー実験、アイビー作戦マイク実験などが有名である。
マイク実験では10.4から12Mtの史上初のテラー・ウラム型多段式核融合兵器で、核融合燃料には液体重水素を用いたものが爆発した。
マイク実験装置は冷却装置などが必要で73.8tもの重量があったという。
爆発した結果、直径5kmの火球が出現、キノコ雲は最大で高さ37km、幅161kmにも達した。
この結果エルゲラブ島は地図から消えた。
残されたのは直径1.9km、深さ50m(資料によって異なる)のクレータのみである。
ブラボーでは15Mtの乾式水爆(液体重水素でなくLiDを用いたもの)の爆発実験が行われたが、実験前の計画では6Mtであり、予測を大幅に上回る核出力で予測よりも広範囲が放射線物質で汚染され、結果彼の有名な「第五福竜丸」の被爆が起こった。
実験を行った島は消し飛び、深さ120m、直径1.8kmのクレーターが残った。
つまり島をひとつ消し飛ばすには大きさによるがそれくらいの核出力が必要である。
残りの時間で秋月の戦没記録を調べた。
そこで興味深いところがあった。
レイテ沖で数人、沈んでいるのだ。
これはねらい目だろう。
現在レイテ沖は深海棲艦がうじゃうじゃいる。
しかも最近の攻撃計画で、レイテ沖を目標にしたものはないらしい。
これは大本営の戦歴を調べる中で分かったことだ。
過去にレイテ沖で行われた深海棲艦との戦闘ではどれも深海棲艦の物量に押され断念。
最近は近海の制海権を保ちながらちょこちょこ他の深海棲艦を削っていっているようだ。
秋月はあまりドロップの報告がないが、レイテ沖は他の鎮守府の手がつけられていない。つまりドロップする可能性も他の海域よりあるといえる。
戦没した艦娘が深海棲艦になるのはレインの件で確認した。
ならば艦娘のドロップに深海棲艦が関わっているなら、戦没した艦娘がドロップするということも十分考えられる。
さて、テスト休みにはレイテ沖で狩るかな。
S:さて、それじゃあはんせーかい
M:うえーい
R:いえーい
S:今回の戦果は大本営艦隊の無力化。
M:被害はレインの精神異常?
R:むー
S:めんどうだからちゃちゃをいれるな。
M:そうだね
R:そんなことより被害は?
M:まじめになった。
R:はやくおわらせてしおいと寝るの。
S:はいはい。今回は事前に立案した手順がまったく役に立っていない。
R:それは紫瑞の暴走
M:悪かったね。
S:あれで勝てたからいいが、失敗していたら間違いなく負けていただろうな。
M:負けるはずがないよ。ボクがひとつひとつミサイルを制御したんだから
S:むちゃをするなあ。
R:そんなことして非効率的。
M:いやああれは容量がかなり危なかった。
S:危険極まりないな。まあ、あのとき許可を出したこっちにも非はあるが。
R:しおいはわるくない。悪いのは紫瑞
S:はいはい。
M:以後作戦を乱さないようには注意するよ。
S:ほんとうにそうしてくれ。
M:それからファランクスの質も向上したよ。
S:そうか。
M:めったに取れない大本営の艦載機の動きのデータだからね。
R:そういえばわたしの艦載機はどこ?
M:母艦に積んであるよ。ああ、それから前に話のあがっていたアンドラスの戦闘機版のⅢの開発と120発配備しておいたからね。
R:飛び魚艦戦改?
M:そうだよ。弾頭は核と通常といつも通りだよ。
R:そう。
S:さて、そんじゃあお開きとしますか。
M:そうだね、じゃまたあとで。
R:はやくねよー
さてどうするか。
人工衛星、GPSを使うには必須のものだ。
いきなりなんでこんなことを言い出したか。
今回の作戦ともいえないが戦闘では物量で押したが、それではこの先生き残れないだろう。
つまるところ、質を高めなくてはならない。
兵器の面についてはESSMがまだだが大分充実してきた。武器システムもBCをイージスシステムのように改造すればいけるだろう。イージスシステムがもとだからな。
だがまあ、そちらの性能向上も図りたいところではある。
GPSと仲間がどこにいるのかの確認のためのマップ。
レイン襲撃のときを考えると今後必要になってくるだろう。
それから各員の情報を一点でまとめる機能、COPほどとは行かないだろうが戦場の情報をすべてまとめるマップ。
レーダーの本格的な開発。
GPS誘導でのミサイルの命中率向上もはかれるか。
まあ、どうするにせよ、今後イージスシステムは取り入れようと思うし、そのための人工衛星が必要だ。
ついでに通信衛星ともすることでメッセージのやり取りもより長い距離でできるようになるだろう。
たとえば地球の裏側とか。
まあ、何個か打ち上げたいところである。
だが打ち上げる方法がなあ。弾道ミサイルの弾頭を人工衛星に変えるだけだが、資源の問題もある。
打ち上げたところでばれるとこれまた厄介だし。
どうしたものか。
「はやくねるのー」
「ああはいはい。まったく、ネコみたいな気分屋になったなぁ」
まあいいや。明日紫瑞に相談してみるか。
「ネコ?そんなものじゃない。わたしはしおいのもの」
「はいはい」
「またしおいの寝顔が見れる」
「はいはい」
まどろみながら適当に返す。
「わたしはしおいの番」
「はいはい」
……
「お嫁さん…」
いきなりの肯定。あまり実感がわかない。
でも、お嫁さんなら、二度と離れなくてもいいんだよね。もっとしおいを感じていられる。
さらにしおいはわたしのもので、わたしはしおいのもの。
もっともっとしおいを求めてもいいんだよね。
それじゃあ手始めに
あたまのうしろに手をまわす。
そこからはひといきに
唇をあわせた。
でもそれだけじゃものたりない。
舌をしおいの口の中にいれる。
でも歯が邪魔。
しかたないから歯茎をなめていく。
「んぅ?」
しおいがおきたみたい
「んぶ!」
おどろいてあたまをうごかそうとするけど、無駄。
しっかりあたまはおさえてる。
「フフ」
おきたんならつごうがいいや
そのままはをこじあける。
しおいの舌おいしぃ
くちのなかをめちゃくちゃにする。
なんだかきもちよくなってきた。
しおいものってきたあ
わたしのしたにしおひのひたがかりゃまっていいぃこれいいのぉ
俺は今は女だが、中身は男のままである。
でなければレインが嫁だなどと言えるわけがない。
何が言いたいか。
つまり俺はレズではない。
大井×北上のようなレズではないということだ。
でもあれって結局どうなんだろ。
大井のひとりだけがレズなのか、両方がそうなのか。
まあいいや。後々鎮守府に着任したらわかるだろう。
閑話休題。
一晩中口の中を舐め回され、口の中がカラカラである。
まさか昨夜のような行動に出るとは思わなかった。
「フフフ…。」
レインのほうは顔がいまだに火照っているようだ。
よくもまあ疲れないものだ。
まあいい。
食堂が始まる時間だし、着替えて朝食でも食べに行こう。
ひとりめしもたまにはいいものだ。
レインは部屋に置いてきた。
たまにはひとりになりたい。
なんだか我ながらに中年くせえな。
R:きづいたらしおいがいない。どこ?
S:食堂。
ああ、いとしのぼっちのじかんよ
さらばだ。
「ムフフフ」
いつも通りのこととなった。
レインが抱き着き、飯を食うという光景。
たまにねだってくるものをあげたりする。
「モムモム」
レインが耳たぶを甘噛みしようが
「ンム」
首を噛んでこようが
「ペロペロ」
耳の裏をなめようが
気にしたら負けだ。
「くちうつしー」
「不衛生なのでダメです」
なんだろう。
より甘えてくるようになったというべきか。
「あ、しおいもうさきにたべてたのね」
「珍しいでち」
「む」
「今日は珍しく早く起きたからね。」
あれ、昨日と違ってレインがなにもしてこないか。
「それでね、きょうはゴーヤの寝癖がすごいことになってたのね」
「そ、それは言わない約束でち」
「イヒヒッ、誰に言わないとはいってないのね」
「そ、それは、そうだけど」
「はいはい、ごはんもう食べ終わっちゃうよ?」
「先に戻るの?」
「うん。」
「それじゃあイクたちもはやく食べちゃうのね。」
「そんなにあせらなくても」
「そういえば今度のテストはしおいはどうでち?」
「まあ、赤点はないんじゃないかな。」
「それじゃああとでおしえてくだち」
「うん、いいよ」
「やったのね」
「ごちそうさま。じゃあ先に戻るね。」
「わかったのね。」
R:やっとしおいと話せる。
S:なにもしてこないなんて珍しいな。
R:わたしはしおいのお嫁さん。ならしおいはわたしのものでわたしはしおいのもの。過敏に反応しなくてもしおいはほかの人のものにならないから大丈夫。
S:ああ、なるほど。
R:それにお嫁さんならどんと構える。これるものならこい。
S:勇ましいもので。
R:しおいはだれにも渡さない。誰にも。
M:ついたよ。
S:お、んじゃちょうどいいや。今いく。
M:そういえば秋月、響の件はどうするんだい?
S:秋月はレイテ、響も同じところで戦没者が出ている。
M:レイテ…。面倒なところだね。
S:敵の情報はもっているか?
M:古いけど、空母17、軽空母18、戦艦12、重巡11、軽巡15、駆逐69だね。
S:そんなんで物量で負けたのか。
M:これがやってもやっても減らないんだよ。
S:おうふ
M:どうやって増援が来ているのかわからないんだ。
S:意地でも深海棲艦がレイテに固執する理由なあ。
M:昔はトラックとかにも泊地があったんだけどもレイテが占領されてから分断されたね。
S:ああ、そういう戦略的な理由か。
M:まあ今回はドロップしたら退避すればいいからその分成功する見込みはあるけれどもね。
S:増援をどうにかできれば…。ん、そういえば西方海域はまだ解放してないんだっけ?
M:そうだね。
S:んじゃそっから来ている可能性もあるな。
M:まあ、もっと粘ればよかったのかもしれないけどその時はそれ以上の損耗はできなかったんだろうね。全軍に撤退命令が出たよ。
S:そのころは艦娘の黎明期だったらしいからな。
M:いまやるとどうなるかはわからないけど、大本営もなるべく損耗は出さないために未だにレイテ攻略はしないね。
S:戦略的にも大事だろうに、何をしているのか分からん。
M:ははは、ボクにもあのジジイどもの考えはわからないよ。
M:さてと、それじゃあ修理を始めちゃうよ。
R:ん。
S:それからあの機械持ってきたか?
M:ああ、そっちはねあそこにあるよ
S:あいよ。
R:なにをするの?
M:修理ついでに君の記憶をのぞこーということをするの。
R:~~~~!
M:あべし!
S:ひでぶ!
R:ぜったいにだめ!
M:おとなしくねていなさい
S:わーお強引
M:瞬時にねる睡眠薬、これが効かないのは余程薬剤耐性が強い人だね。
S:さてと早速先日の戦闘を見ていきますか。
M:ボクはこっちで修理しながら見るとするよ。
M:うーんきみも大胆だねえ
S:わが人生に一片の悔いなし
M:それはさておき、どうしてここで壊れたんだろう。
S:うーん、火柱のそばの大本営の艦娘をずっと見ていたのが気になるな。
M:それから木曾改二だっけ、それとの会話で壊れていたね。
S:もう一度みれるか?
M:データ化してあるからきみのほうに送っておこうか?
S:ああ、頼む。
S:『わたしはあなたをどうすればいいの』か。
M:そこがきになるのかい?
S:ああ。『わたし、どうしたらいいのかなあ』と前に言われたことがあってな。
M:いつ?
S:出会ってすぐだな。そのまま崩壊しそうな・・・まてよ、これは深海棲艦が精神崩壊するのと同じプロセスなのか?
M:なるほどね。でも今回は本能と理性のぶつかり合いというのではないでしょ。
S:ああ。だが深海棲艦の場合と似ているとすれば、何か矛盾したものが原因とも考えられる。
M:んー、んー、だめだね。これ以上はわかんないや
S:うーん、もう一回見てみるか。
S:ここか?
M:ん?どこだい?
S:ほら、この艦娘を見つめているここ。
M:ここがどうしたんだい。
S:いや、あまりのことに艦娘たちが呆然と「ばつじゃー」
M:うわあいきなりびっくりするねえ、ってここでやるのかい・・・。
S:いやほんとにここではかんべんしてくださいでーぷなのはほんtkんべんしtくdsい
「ひとの記憶を勝手にのぞくやつにはばつじゃー」
S:いやhんとそこ弱いんでかんべんsあーーーーーー
M:(-人ー)
S:ほんとおがんでないdたskてあーーーーー
M:(ー人ー)ご愁傷様です。
S:た、たひけんぐ
M:きみの勇姿は忘れない・・・。
「」
「ふいー」
M:うわあきらきらしているよ。
「」
「おいしかったあ」
M:(アカン、いつの間にこんな変態チックに)
S:それといままでに考えた今後作るべきものな
M:確かに受け取ったよ。
R:もうそろそろいかないと
S:ああ、そうだな。またあとで。
M:いってらっしゃーい
「ハム」
S:歩きながら耳たぶを噛むのやめてくれませんかねえ
毎回授業は暇だ。
ねよ。
M:ねえ、このレーダーはきみの持っている知識のなかにあるのかい?
S:ああ。SPY-1ていうやつで「ぺろ」ああああああ
M:どうしたんだい
R:しおいは首と口が弱い。
M:あ(察し)
S:教室でやるなと。ばれたらどうするんだ。
R:・・・。あとでそのうるさい口をふさいであげる。
M:がんばってね・・・。
S:同情するならたすけてくれえええ
M:データは送っておいてよ。
S:今送る。このレーダーは響、秋月にとりあえずは搭載予定だ。
M:なるほどね。余裕があったら母艦にも積むってことでいいかな?
S:ああ。
お昼。
特にやることがない。
飯も食った。
ああ、機関部の改修案送るの忘れてた。
送ってと。
ああへいわじゃ。
海辺でちょっと寝るか。
「わたしからは、にげられない」
なぜだ、なぜみつかった
さっきでーぷをするとか宣言していたからすぐに昼食を食って光学迷彩でにげたのに
「もっと、きつい、おしおきをしなきゃね」
あ、そこはだめ、そんなところをいじるなやああああああ
「」
「ふー」
「」
「ついでに足でも折ろうか」
「」
「えい」
ボキッ
「あああああああああああああぁ・・・。」
「これでわたしから逃げられないよね」
M:いきなりきみから助けを呼ばれたと思ったら、これかい。
「」
「なにしにきたの?」
M:念のためバケツを持ってきたけど正解だったね。
バシャッ
S:ううっすまねえ
M:思うにきみはもう逃げないほうがいいよ。
S:まさかこれほどとはおもわなんだ
「じゃまをしにきたんだ、へえ」
M:なんだかすごい殺気が飛んでくるから後は頼んだよ。
S:へ?
「これで夫婦水入らずの時間だね。」
S:またか、またなのか
あのあとのことは思い出したくない。
とにかくすごかった。
うっ頭が・・・。
夜。
母艦にて。
レインは寮で寝ている。
S:さてと。昼の続きだ。
M:それで、呆然とした艦娘たちだっけ?
S:ああ。
M:そういえば襲うのをためらっている、というような感じにも捉えられるね。
S:それならば襲わなきゃ、ということと襲ってもいいのかということが矛盾しているか。
M:『わたしはあなたをどうすればいいの』こういうことだろうね
S:おそわなきゃ、ということの原因はおそらく俺の作戦だろう。
M:襲うのをためらうことの原因がいまいち分からないね。動かない敵ならそのままやればいいのに。
S:いや、俺でもこれはためらうわな。でも原因が分かったからといってどうこうできる話でもなさそうだな。
M:まあね。それで、どうすればいいかわからなくなって本能に従った結果、ああなったと。
S:深海棲艦の精神崩壊とあわせて考えるとそうだな。レインも深海棲艦だから、そうなりやすいのかは分からんがね。
M:普段接していると深海棲艦だということをついつい忘れるけどね。
R:いまどこ?
S:母艦のなかだ。ちょうどいい。艦載機をとりにきてくれ。
R:わかった。
R:これの仕様は?
M:改装前も含めて
飛び魚艦戦改
360°旋回可能ミニガン一基
レーダー
アンドラスⅢ二発
特殊仕様
+B61
飛び魚艦爆改
360°旋回可能ミニガン一基
レーダー
各種航空爆弾(アンドラスⅢ三発)
R:大改装。
M:一番の特徴はそれに積んであるレーダーが新開発のものだってことだね。
S:いつの間にそんなものを?
M:きみのデータがあればわりと早く開発はできるよ。
S:いつもより早くないか?
M:そりゃもう全力でやりましたから。スペックはスキャン範囲120°、最大探索距離240km。
S:索敵にもつかえるな。
R:ん。これからは艦隊の目。
S:艦隊とは言ってもまだ二人だけどな。
M:これからは母艦を中心に四人が輪形陣というのが基本になるね。
R:単縦陣ではないの?
S:母艦を基本的にまもりきりゃこっちの勝ちだからな。
R:でも輪形陣だと火力が
S:基本的に現代の海戦だとミサイルの撃ち合いだからな。主砲は対空の手段になっている。
R:ミサイルの撃ち合い?おそろしい。
S:まあ、場合によっては他の陣形をとるけど、基本的に現状一隻が二個艦隊相手にできるから各方向の相手はそれぞれでもいけるはず。
M:ん?でも特化型を作る予定なんだよね。
S:ああ、まあミサイルなら全方向に対応可能だから。魚雷もセンサーついてるから仲間にあたんねえだろ。
M:まあ、そんなへまする兵器は作らないけどね。
R:まあ、なるほど。
M:ああ、ついでにこれ渡しておくよ。
S:お、Mk.50できたんだな。
M:324mm魚雷発射管は新しく拡張艤装としてつけるよ。
S:ああ、頼む。
M:ええとそっちの日本では68式3連装短魚雷発射管だっけ?
S:そうだ。Mk.32ともいう。
M:まあ、すぐにおわるよっと、はい。
S:ありがとう。
R:なにこれ?
S:対潜短魚雷。
R:対潜?普通の対艦じゃないんだ。魚雷って対潜はできないはずだけど。
S:この短魚雷にはソナーがついている。さらに磁気信管だから直撃しなくても爆発する対潜専用の短魚雷だな。
R:へえ、進んでいるね。
M:詳しいデータさえあればあとはボクが再現するだけだからね。簡単なものだよ。
R:ふつうできない事のような気もするけど。
S:まあ、普通の妖精ならそうかもしれないが、まあ紫瑞だしな。
R:まあ、そうだね。
M:なんだい、ボクにもできないことはあるよ
休日。
対潜魚雷のテストと、資源回収をかねて近海の対潜哨戒にでている。
貴金属類の確保のため、レインはF地点周辺での狩りだ。紫瑞もそっちに同行している。
そっちは快く引き受けてくれた。
代償に夜があれだが。
今回はレイテへの準備としてドロップの条件を調べることも行う。
さて、どれだけ殺せばいいんだか。
R:早く終わらせてしおいとむふふ
M:はあ、きみは本当にどうしようもないというか、間違っても沈めないでよ。
R:そんなへましない。しおいにがっかりされるのはや。
M:はいはい。それで敵は?
R:この先53M。
M:あと2時間てところだね。
R:すぐに空爆で終わるけど。
M:資源の回収に面倒だから。
R:そういうこと。
いままでドロップを確認したことがない。
これはかなり異常らしい。
どの司令部でもドロップは日常茶飯事らしい
まあ艦娘はそんなこと知らなくてもいいので学校では教えないみたいだが。
そんなわけで俺も知らなかった。
まあいい。
いままでドロップがない、ということは確立もさることながら、条件を満たしていないことが考えられる。
ではその条件とは。
俺らと普通の鎮守府の相違点を考えようか。
まず指令系統。これはまあおいといてもいいか。
使用する武器。普通第二次世界大戦なのに大して俺らの使用するものは戦後、冷戦、現代の兵器である。
あと大きく違うのが核兵器の使用。
補給もちがう。
普通の鎮守府は遠征や報酬、配分される資源などを使うが、おれらは深海棲艦を変換したものだけである。
ううむ。
どうしたものか。
とりあえず狩るか。
索敵用にレインから借りた飛び魚艦戦改がある。
飛ばすか。
今回は頭を吹き飛ばしたりするのではなく、ただただ沈めればよいので時間当たりの効率が非常によい。
もう潜水艦も30隻は沈めた。
Mk50から逃れられるような敵潜水艦はいなかったので非常に有効であると結論。
次は50隻だな。
よし、47隻。
ん?
海上になにか漂流しているようだ。
さっきまでなにもなかったのに。
確認するか。
艦戦を近づけて。
S:艦娘だ。
M:成功したのかい?
R:やったの?
S:ああ、成功だ。
M:で、だれだい?
S:前の記憶が正しければ伊168だ。
M:同じ潜水艦かい。
R:運用が難しそう。
S:まあ、改装はそうりゅう型に準じたものにすればあるていど使えるんじゃないか?
M:そうりゅう型ね、ちょっと待ってて今ファイルを開くから。
R:そうりゅう型?
M:前に作るものリストにあったやつだよね。機関部とかのデータがリストに添付されているよ。
S:そうだな。俺の艤装の改修案としてそうりゅう型の機関部やC4I、レーダー、ソナーを取り入れようかと。
M:それは君の艤装だからできるのであって伊168だと機関部がせいぜいだね。
S:そうか。まあ今回の狩りでリチウムなんかは大量に手に入っただろう。
R:そっちは問題ない。
M:まあ、改装くらいなら2日あればできるよ。機関部の開発をして搭載するだけだから。
S:レイテまでには艤装の改修も済ませておきたいしな。
R:わたしの機関部は?
M:さっぱり。
R:使えない。
M:きみねえ。どうやって動いているのか解剖してもいいんだよ?
S:はいはい、とりあえず伊168をそっちに運び込むぞ。
R:りょうかーい
M:はいよ。
母艦内部
S:いつのまにこんな部屋作ったんだ。
M:君の部屋を改装するだけだったから4時間くらいかな。かかったの。
R:そんな短時間でふつうはできない。
M:資源も潤沢にあるし君たちの兵器を作るよりよほど楽だよ。
R:これ島でつかってたやつだ
M:家具なんかはそうだね。
S:島はいまどうなっている?
M:完全撤去完了。ただ、処分の必要はないと思うよ。何も残さずにきたし、プルトニウムもなるべく節約したほうがいいと思う。
S:そうだな。
もはや執務室となった母艦の俺の私室。
紫瑞からこれがなきゃねと渡された白い軍服と帽子があるが、あついので軍服はしまってある。
あいつはなにを考えているのだか。
窓を開けると潮風が少々心地がいい。
脚を組んで机の上に投げ出し、椅子の背に寄りかかって帽子を顔にかぶせてうとうとした。
この椅子もまたパソコン用の椅子のようにやわらかい座りごごちのいいものだ。
ああもう学校に戻りたくない。
明日はどうするかな。
戦艦を狩るか。
最近は泊地の影響でここいらの戦艦の量も多いし。
しばらくして、扉をノックする音が聞こえた。
誰だ。レインや紫瑞はノックをするわけないし。
「失礼します。」
ああそうか、保護した伊168か。
「ええと、司令官はどこにいるの?」
「一応俺がここの司令、なんだっけ」
帽子を取りながら答えるがだらだらしたままだ。
「え、どうみても伊401じゃない」
「そうだ。伊401だな。」
「司令官が艦娘ってどうなっているの?」
「まあ大本営に正式に認めてもらった司令部でもないちょいと複雑なところではあるな」
「どういうこと?」
「まずここにいる艦娘は伊168と俺。それから技術課担当妖精紫瑞、深海棲艦レ級eliteレインが所属している。」
「深海棲艦?そうしてそんなものが」
「その辺はあとでまとめて説明する。大本営とは核兵器についてやりあったがその後は知らない。」
「もしかしてここってとんでもないところ…。なんだか大変なところにきちゃったかも」
「さて、詳しい説明は以上だ。それから紫瑞のところはここだからそこで携帯端末を受け取ってくれ。」
「わかったわ」
「ではこれからよろしく。改めて自己紹介する。海軍学校第1学年所属伊401、しおいだ。」
「海軍学校1年?そうはみえないけど。私は伊168、イムヤってよんでね。」
M:大本営から電報だよ。
S:ああ?
M:『今回の件誠に申し訳ない。願わくば講和交渉をしたいので貴官らの指定する日時と場所を送るように。』
S:で、出所はどこだ?
M:妖精の上層部からだね。
S:いいだろう。来週土曜日、場所は島だ。
M:わかった。そういうように返しておくね。
翌日
S:イムヤの兵装についていいか
M:なんだい?
S:どうも艤装にそんな余裕がなさそうだからMk48の533mm潜水艦用長魚雷でも使わせようかと。
M:また新しいやつだね。
S:まあ、今後一週間で機関部と兵装の開発が間に合うと理想なんだが。
M:まあ、いけるんじゃないの
S:それから今後Mk45とMk41の開発もしなきゃなあ。
M:寝る暇がないね。
S:前から思ってはいたんだがその開発を俺がやることは可能か?
M:うーん、やってみる?
S:ああ。
M:それじゃあ、電子回路と部品をあらかじめ用意したプログラムがあるからそれを送っておくよ。
S:なるほどな、BCでまず仮想的に作ると。
M:そうだね。BCができてから開発が格段に早くなったよ。あ、それから前に言っていたCOPね、あれデータが膨大になるから母艦にメインコンピュータを設置してそこで処理するから。場所はまあBCから位置を知らせるような機能をつければいいかな。ただレーダーの範囲外に行くとマップから消えるからやっぱり人工衛星とGPSとかいうのが必要だよね。それでGPSはまあおいといて、とりあえず知りたいデータを母艦のコンピュータから取り出すという形でいいかな。
S:だな。光学迷彩と電波欺瞞はそれように使っていた島のコンピュータがあるからそれを使えばいいか。
M:そうだね、今あるよ。今日はそっちやるかい?
S:そうするか。
M:それじゃあプログラムはボクがやるから機材を運ぶのはそっちでやってよ。
S:設置場所はどうする?
M:母艦の中心でいいんじゃないの?
S:りょ。
「ここに来て最初の仕事が荷物運びって・・・。」
「文句言わない。」
「これが重いから艦娘じゃないと運べないんだよな」
「終わったらイムヤはボクの部屋にきてね。BCをセットアップするから」
「なにそれ」
「説明が面倒だからあとでね。安全性はそこの二人で実証済みだから。」
「面倒くさいって・・・。ここの人は変わったのしかいないのね」
「なにをいまさら。艦娘の司令に妖精、深海棲艦でもとから変なのしかいねえよ。」
「まあじきにイムヤもまともな艦娘ではなくなるけどね。」
「何をする気?」
「近代化改修という名の大改造兵装から機関部まで」
「強くなれるの?」
「そうだな、今とは比べ物にならないくらいには」
「いい加減にはこんだら」
「ああはいはい」
運び終わったしMk48長魚雷の開発でもするか。
S:んじゃプログラム送ってくれ。
M:はいよー。
送られてきたな。
注意書きは要約すると「容量に注意」だった。
まあ大丈夫だろう。
さて、まずは弾頭からだな。
弾頭の概要をサンプルからとりだして改造する。
292.5kg高性能爆薬、磁気信管に変更。
それから機関を斜盤機関とウォータージェット推進にして。
誘導方式は有線誘導と魚雷自身のソナーで行う。
そのためにコンピュータを積んで。
まあ、おおよそ覚えている通りにやればいいんだが。
これなら大体今夜中には終わるか。
6日後。土曜日だ。
島に久しぶりに戻ってきた。
現在母艦に搭載してある40連装ランチャーとバルカン砲3基はいつでも迎撃できるようにしてある。
さらには飛び魚艦戦改を少数偵察にだし、残りの艦戦と艦爆は島の上空で待機させている。
イムヤは改装が終わり、機関部はそうりゅう型と同じディーゼルエンジン2基分と電動機1基、リチウムイオン蓄電池、兵装はMk48長魚雷又はMk45核魚雷、Mk45潜水艦用VLS1基を背中に背負って常にアンドラス、Ⅱを計7発装填してある。レーダーとソナーは俺と同じものだ。
島にいるのは俺とレイン、母艦には紫瑞、島周辺海域にはイムヤをそれぞれ配備、講和交渉でおかしなことをすればすぐに撃滅できる戦力を備えた。
R:大本営第一艦隊と思われる艦隊が接近中。
S:兵装は大丈夫だな?
I:Mk45核魚雷だよね
S:そう。第一艦隊に照準を当てておけ。
R:いつでもB61いける。アンドラスⅢも通常弾頭、核弾頭どっちもいける。
S:そのまま待機。
M:レーダー照射、バルカン砲、40連装ランチャー起動済み、いつでも当てられるよ。
S:ついでに第一艦隊から護衛は2人だと電報打っておいてくれ。
M:わかったよ。
どうやら相手の護衛は大和、武蔵のようだ。
妖精からは一人派遣されてきたようだが。
「ではいまから講和会議を始めましょうか。」
妖精が言う。
「私は妖精上層部代表です。といってもつい先日”会議の消毒”をいたしまして、代表になったばかりですが。」
「俺が大本営元帥、艦隊司令官の木村葵という、が決して女ではないので安心するように」
「個性的な自己紹介どうも。この艦隊の、とはいっても人数は少ないがね、司令のしおいだ。所属は海軍学校第一学年だ。」
「レイン。深海棲艦といっしょにしないでね」
「こりゃ驚いた。司令のお嬢さんは海軍学校の生徒さんかい。」
「ああそうだ、で、どうする?分かったところで手を出すか?」
「いや、そんな馬鹿な真似はしない。」
「賢明な判断だな。ちなみに俺に何かあった場合は」
S:一発アンドラス10Mtを40km先に撃ってくれ
R:うん。
カッドゴガガガガガガガガガガ
「こういうことになる。」
「こりゃまたすげえな」
「我々はこれをもって日本各地に攻撃することができる。」
「これが核兵器ですか。理論上の話でしたがやはり禁止して正解でしたね。」
「横須賀、佐世保、呉、舞鶴、大湊、東京、仙台、札幌、京都、福岡、大阪、那覇、これくらい潰せば日本は壊滅するだろう」
「そうだな、どうも過激なお嬢さんだ。」
「そうさせたのはどちらだ?こちらは手を出されたから自衛権を行使したまでだ。」
「その件でこちら会議は大変だったんですよ。責任を取らせてやめさせようにも抵抗して内乱を起こそうとするから処刑して、おとなしく辞めたのにも監視をつけたり」
「そんなのは知らん、が紫瑞が喜びそうだな。」
「そうですか。ところでですね、こちらから提案があります。」
「そちらからか」
「ええ。あなたたちを大本営直属の艦隊に指定しようかと。」
「大本営指定ねえ・・・アハハハハ」
「負けたのによくもまあそんなことを」
「そんなにおかしいですかねえ」
「まあいい。それで、指定してどうするんだ?」
「いっても形だけだな。」
「ええ、こちらも攻撃されないという確約が欲しいだけですので。」
「そうか。だがこちらへのメリットはなにがある?」
「具体的には資源の供給、建造の解禁など、要するに普通の鎮守府の機能を追加するということです。それから拠点の用意もしましょうか。」
「んで、その拠点で飼い殺しにするか?」
「はい。そうしたいですね」
「プッ・・・クハハハハハハハハハハハハ、アハハハハハハハハハハhahahaha・・・そうか、面白い、その話うけた。」
「そうですか、ですがそんなに笑うところでしょうか」
「いや、素直すぎてな、最高に面白い」
M:そいつは昔からそんなやつだったね。
S:裏はないと。
M:まったく。まあそいつが代表ならいいんじゃないかな。
S:そうか。
「それからそちらの艦隊にいらっしゃる妖精を上層部に組み込みたいんですよ。いま人手不足でして」
M:これはおどろいたね、昔追放したやつを組み込むのかい、笑えるよ!最高に笑えるね!本当にどうなるか分からないね、人生は!
S:少し落ち着け。
M:おっと、失礼。
「核兵器を作ることは倫理的にどうかとは思いますけど、その技術力は確かですし。」
M:いいよ、いまからそっちにいくよ。
「んじゃ本人が来るからちょっちまち」
「久しぶりだね、No.12」
「これは驚きましたよ、まさかあなたとはね、No.1998」
「なにをいっているんだこいつらは」
「通し番号かなんかだろ、大本営はそっちの管轄だろうが。」
「んで、そっちが大本営の司令官さんかい」
「そうだ、木村「葵」・・・名前はいいだろいわなくても」
「そうかい、ボクは紫瑞、この艦隊の技術開発をやっているよ」
「あなたなまえがあったのですか。No.1998」
「そうだよ。とはいっても最近だけどね。」
「では紫瑞、上層部への参加を要請します。」
「本当に君は昔から面白いね、いいよ、参加するよ」
「それから昔に行った非礼を詫びます。申し訳なかった。」
「ジジイどもが死んだんでしょ、それならもういいよ」
「それはありがたい。正直老害どもは頭が固かったのでどうしようか困っていたんですよ」
「ボクたちも人間に比べたら十分老人だけどね」
「なあ、もうそろそろいいか」
「これは失礼、葵」
「もういいだろ!」
「そっちも大変そうだな。」
「では、今回の交渉をまとめますと、互いの交戦の禁止、そちらの艦隊を大本営直属とする、こちらは拠点を用意すること、そちらを鎮守府相当の待遇とすること、紫瑞の上層部参加ですかね。」
「あ、追加で新規の響と秋月をくれ」
「それくらいお安い御用です。響はВерныйにでもしておきますか?」
「そうしてくれると助かる」
「ではそうしておきます。拠点はパラオでどうですか。」
「レイテ付近じゃねえか」
「いえ、機雷封鎖してあるので大丈夫ですよ。それにそこらへんは制海権は取ってあるので。」
「そうか。」
「まああと空爆はあいてはなぜかしてこないのでそっちも大丈夫です。」
「ん、わかった。」
「それでは以上でよろしいですね。」
「そうだね。それじゃこれからよろしくね」
「こちらこそな」
「それじゃあ早速パラオに向かってもらいます。」
「学校はどうすんだ?休みか?」
「そっちは大本営の知り合いから手伝いをさせられているということで」
「なるほど、了解した。」
「それから来月の泊地強襲は参戦していただきたいのです。」
「核は使用していいのか?」
「いいえ、まだ機密にしておきたいのと周りへの影響から、なるべく通常兵器でお願いします。」
「わかった。パラオ泊地は好きに改造していいか?」
「ええ、それはかまいません。任務に関しては自由ということで。」
「わかった。」
道中レイテ沖に深海棲艦がいるのを確認したものの、ばれることはなく、とはいっても島と同じ規模での光学迷彩と電波欺瞞をしているのだから当然か、パラオ泊地へとついた。
状態を確認したところ規模としても問題なく、施設もしっかり使える状態だ。
S:そういや今はアメリカやロシアはどうなっているんだ?
M:君の言う第二次世界大戦後期に突然深海棲艦が現れて世界中の海軍は全滅したはずだよ。それから30年、外国の情勢はいまだに入ってこないしどうなっているのかは正直分からないね。
S:でもドイツとは交流があるんだろ?
M:過去数回だけだね。こっちからは艦娘の技術を、あっちからは情勢やあちらの艦娘や装備を交換したけれどね。
S:ところで連合国には艦娘の技術は流出はしてないんだな?
M:どうだろうね。あちらさんも持っているとすれば深海棲艦を殺しつくしたところでまた第二次世界大戦の続きだよね。
S:あとアメリカは核兵器は持っていないのだろうか。
M:深海棲艦に通常兵器は効かないよ。当然役に立たない核兵器なんて予算を回さないだろうし妖精がアメリカにいたところで核兵器は作らないし、結局あっちはもってないんだろうね。
S:俺らの核は効くのにか?
M:ボクがかかわっているからね。深海棲艦に効く兵器にするのはまあ簡単じゃないけどできなくはないし、他の国が知らない核兵器の設計図も持っているからあとは妖精が作ればいいだけだからね。
S:まあ、将来的にはあちらも核を持つとして考えておいたほうがいいか。
M:深海棲艦が全滅したらの話だとは思うけどね。こっちも深海棲艦を殺しつくすと資源の供給元がなくなるからやっぱりほどほどにやったほうがいいんじゃないかな。
S:そんなもんかね。
「さて、あちらはもう着いたころですかね。」
「そうだな。」
「ではこちらも秋月とВерныйの準備をしなくては。」
「秋月はすぐにできんだろうが、響のほうはなあ」
「それなら試作の設計図があるのでそちらを試そうかと。初めから響ではなくВерныйとして建造するためのものです。」
「そんなもんがあんのか。」
「とはいっても確実に決まったものを建造できるような設備がないとこれは使えそうにもないものですが、今回は大本営の設備がありますからそちらは大丈夫でしょう。」
「それだと公開するにも面倒なことになりそうだな。」
「ええ、そんな設備はここだけですからね。他からの不満も出てきますし、今まで死蔵していたものでもあります。」
「へえ。まあ、工廠に許可は出しておくからさっさとやってくれ。」
「わかってますよ」
「結果、無事に秋月、Верныйの建造に成功、両名はまだ覚醒しておりませんのであちらでしてもらうようにしてあります。」
「ごくろうさん、んじゃ送るとするか。」
「あちらにも電報を打っておきますので。」
「おう。」
M:大本営から電報だよ。できたって。
S:んじゃこっちからも迎えにいくとするか。
R:わたしはどうするの?
S:バルカン砲と40連装ランチャーの設置を頼む。イムヤもそっちにまわってくれ。
R:わかった。
I:最近雑務しかやっていない気がする・・・。
S:バルカン砲とランチャー、後で設置予定のミサイル垂直発射装置、Mk60 CAPTOR魚雷、91式機雷、場合によっては核機雷を設置するが、これだけやることがあるんだ、あと3日はかかる。
I:はあ・・・。
大本営
「マリアナが陥落したそうです。」
「なっ、あそこらへんは大規模な敵艦隊は確認されていなかったはずだぞ?」
「それがどうも夜襲をかけられた形でこちらの艦隊は全滅みたいですよ。」
「そうか。第一艦隊に夜襲に注意するように伝えてくれ」
「了解した。」
M:またまた電報マリアナ陥落ー
S:ああん?ほっとけ。一応91式機雷の敷設とB61搭載飛び魚艦戦改を泊地上空に待機させておけばいいだろうし。
M:イムヤに近海の警備でもしてもらうかい?
S:そうだな。
I:はあ、人使い荒いでしょ
R:核武装しておいてね。
I:このバルカン砲任せてもいい?
R:うん。あとはわたしがやっておく。
R:偵察隊かな?水雷船隊を発見、沈めちゃっていい?
S:いいぞー
R:はいどーんしゅうりょー
S:何使った?
R:普通に飛び魚艦爆改の500lb爆弾10発かな。
S:そうかそれならいい。B61は使う前にこっちに確認してくれよー
R:んー
「テイサツタイハゼンメツシタノカ」
「敵泊地マデトオイニモカカワラズ飛び魚艦爆ト思ワレル編隊ニシュウゲキサレタダトサ」
「レ級カ・・・ダガ裏切リ者ガデタノカ、シンジラレナイナ。」
「ホンライアリエナイハズダガマアイイ」
「ソレニテキノサクテキノウリョクモアナドレナイ、コレイジョウノ侵攻ハイマハアキラメヨウ。」
「ソウダナ」
R:あとは機雷の敷設だっけ?
S:倉庫においてある91式機雷を港湾入り口と近海に艦載機でばら撒いておいてくれ。
R:わかった。満遍なくやっておく。
R:機雷封鎖完了。
S:お疲れ。
R:んじゃまたイムヤ手伝ってくる。
S:そうか、そういえば最近は落ち着いてきたか。
R:夜があるし。
S:ああはい。さいですか
M:合流地点はここらへんだね。
S:んじゃ外に出て待機するか。艦戦飛ばしてどこにいるのか確認もしておくか。
M:そうだね。
「お待たせしました。提督からの命令で秋月、Верный両名の引渡しに参りました。」
「お疲れ様です。元帥殿によろしくお伝えください。」
「ではこちらのドラム缶の中に入っているのでお確かめください。」
「ドラム缶って・・・。」
「敵の目を欺くのと運搬にもっとも効率がよかったので。」
「まあわざわざタンカー出すわけにも行かないかって寝ているんですかこれは」
「まだ覚醒していない状態ですね。作りたてです。へたに起こしても、敵にやられて簡単に沈んでしまいますから。こうして運搬したほうが安全なんです。」
「へえ。まあとにかくお疲れ様でした。こちらに燃料がありますので補給していってください。」
「ありがとうございます。帰りの分もあるんですけど、正直お腹が減っていたんですよね。」
「そ、そうですか」
「ではお気をつけて。」
「ではまた」
S:ようやく手に入った。
M:んじゃ島に着いたらさっさと起こして改造するかね。
S:SPY-1レーダーどうする?
M:そっちはまあ今日中に何とかするよ。
S:んじゃ俺も徹夜で手伝うか。
M:正直そうしてくれると助かるね。
S:あ”------
M:うあーーーーーーー
S:グフッ
M:ガハッ
R:なにやってんのそれからしおいはきのうのよるどこにいっていたのばつとしてきょういちにちかくごしてね
S:あ”----(逃げ
R:ニガサナイ
S:あ”------
ズルズルズルズル
M:ゴメンナサイワタシハモウゲンカイデス。
さてと執務室から「やめてくださいもうゆるして「ゆるさない」あ”-----らめえええへんなのくりゅうううううう」とか聞こえてきてカオスだけどこっちはできたてのSPY-1レーダーを取り付ける改造を行おうかね。
ドラム缶から二人の艦娘を出してと。
「ええと、司令官はどこにいらっしゃいますか?」
「今は立て込んでいるから「た、助けて」なんだい逃げられたのかい」
「ニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイ」
「ヒイイイイイイイィィィィィィィ」
ズルズルズル・・・
「ええと、今のは・・・。」
「いまのがここの司令でしおいだね。」
「あとさっきの深海棲艦ですよね?」
「そうだね。ふつうの深海棲艦じゃなくてしおいにべったりっていっても最近はそれほどでもないか、レ級eliteレインだね。」
「レ級ってなんですか?」
「まあ説明はあとでね。まとめてするよ。とりあえずこのカプセル飲んで艤装をこっちに、改造しちゃうから。」
「はあ・・・。」
「私はどうすればいい?」
「ああ、きみも艤装をこっちに、このカプセルを飲んでおいてね。」
「了解。」
「ところでさっきのが司令官ですか・・・。」
「さっきのを見て不安に思うのは分かるけど普段はそうそう変なやつでもないから」
「はあ・・・。」
S:ほんとうにたすけてください
I:いったいどうしたの?
M:ほっといってかまわないよ。ていうか邪魔したら間違いなくレインに沈められるから。
I:そう、ならほっておくわ。
S:ほんとうにたすけ
R:うるさい
S:あ”----(ビクンッビクンッ
執務室
「昨日は見苦しいところを見せたな。本当にすまない。」
「いえいえ、そんなに気にしてないからだいじょうぶですよ」
「そうか、そうしてくれるとありがたい。では改めて、このパラオ泊地提督のしおいだ。」
「補足を入れておくとここは大本営と同じ扱いだけどね。」
「んじゃ階級は元帥か?」
「そうだね。」
「げ、元帥ですか」
「うんわかるよ昨日のを見たらそうだとは思えないだろうけどこれでも元帥らしいです。」
「ですから昨日のは気にしてないです。」
「さいですか」
「私も話していいかな?」
「どうぞ」
「私はВерныйだ。信頼できるという意味の名なんだ。」
「そういえばもともと響だったんだっけっか?」
「いや、私は元からВерныйとして建造された。」
「大本営の試作かな。まいいか。響といえば暁型2番艦、もとは第六駆逐隊所属で、そのなかで唯一終戦まで生き残った艦だったか。」
「そうだね。」
「それからソ連に賠償艦として引き渡され、近代化改修を受けてB-2LM、85-K、553mm5連装酸素魚雷、37mm連装対空機関砲、25mm三連装対空機銃、432mm対潜迫撃砲、爆雷投射機を積んでいたらしいということだが。」
「まあ、この世界の話じゃないからね。」
「そうか。ソビエト社会主義連邦、それからアメリカ合衆国、この両国で世界を二分した冷戦なんて誰も知らないだろうしな。」
「・・・なんでそれを知っているんだ?」
「1945.8.6広島に同9日長崎に、新型爆弾、我々の使っている核兵器の初期の原子爆弾が投下され両都市は壊滅、15日ポツダム宣言受諾、終戦。」
「なつかしいな」
「1951.サンフランシスコ講和条約、日米安全保障条約を結ぶ。新安全保障条約は1960だが。それから神武景気、岩戸景気、東京オリンピック景気、いざなぎ景気をへて日本は高度経済成長をとげる。それからバブルと崩壊を経てアメリカに次ぐ経済大国となった。その間に冷戦、米ソの対立があったわけだが。」
「私のいない間に日本はそうなっていたのか」
「そうだな。」
「それで、なぜそのことを知っているんだ?」
「簡単だな、そこからきたからだ。」
「・・・何をいっているんだ」
「さあ、俺にもわからん、船が沈没したと思ったらいきなり赤子になっていて育ってそのまま艦娘になって。幸い記憶がそのまま残っていたからこうしていられるわけだが。」
「嘘をついているわけでもなさそうだね」
「信じられないなら倉庫を見てくるといい。アンドラスとはいってもトマホークを弄ったものだが、それからバルカン砲、ミニガン、PG7VL、B61、それから君たちの艤装につけられたSPY-1レーダー、すべて俺の記憶から紫瑞が再現して対深海棲艦にも使えるようにしたものだ。まああとで見に行くといい。」
「了解。」
「ええと、話がついていけません」
「まあこっちの話だ、気にせんでいい。」
「そうですか・・・。ええと、秋月型防空駆逐艦、一番艦、秋月です。艦隊の防空はお任せください」
「うむ、CIWSましましで対空ミサイルガン積みにしておいたから防空は一手に任せた。」
「司令官、それはやりすぎじゃないか?」
「なにを、25mm三連装対空機銃はすべてCIWSと換装、艦砲は二基降ろしてMk41垂直発射システム搭載、艦橋もいじってSPY-1を四方八方見渡せるように搭載、610mm魚雷発射管をMk32とMk50短魚雷に換装して対潜も一応できるようにしただけだろう。」
「もはや原型を留めていない」
「もともと秋月自体が対空特化だからこれでもほかの艦を改修するより楽だ。」
「そうなのか」
「このあと艦砲をMk45 5インチ砲とオート・メラーラ127mm砲のどちらかに換装して一応改装は終了だ。」
「なんだかもうよく分かりません」
「奇遇だね、私もそうだよ。」
M:ふいー、かいそうかんりょー
S:お疲れさん。
M:次はMk45と127mm砲だね。
S:そうだな。
M:こっちは一晩あればいけるね。ミサイルとかレーダーとかよりよっぽど楽だよ。
S:すまねえな、たのんだ。
M:一晩いないだけで昨日みたいになるからねえ。
S:昨日・・・レイン・・・貞操・・・ヒィッ
M:(本当にアカン)
これからのパラオ大本営支部の汎用型艦娘の標準装備について(案)
1.戦艦級
16インチ三連装砲2基
アンドラスⅠ、Ⅱ
ESSM
Mk41 61セル1基
アスロック
SPY-1レーダー
アクティブソナー
CIWS
2.正規空母、軽空母
飛び魚艦戦改
飛び魚艦爆改
CIWS
ESSM
ESSM8連装発射機
3.巡洋艦
ESSM
アスロック
Mk41
CIWS
アンドラス
オート・メラーラ127mm砲2基
SPY-1レーダー
4.駆逐艦
ESSM
アスロック
アンドラス
Mk41
CIWS
Mk45 5インチ砲mod4またはオート・メラーラ127mm砲
アクティブソナー
S:てなかんじでどうだ?
M:こんなものかね
S:ここにあるのは開発し終わっているし、すぐにでもいけるな。
M:でもこれ以上は機密保持から言ってあんまり増やしたくないよ
S:そうだな。んじゃこれは当分お蔵入りで。
M:だね。
「ええと、これがこの秋月の艤装ですか・・・。」
「私のも見事に変わっているね。」
「機関部はガスタービンエンジン、秋月のほうは背中にMk41 32セル、ESSM積み、それからCIWS4基、オート・メラーラ127mm砲、Mk32 1基、SPY-1レーダー、アクティブソナー」
「ヴェルのほうが主砲は85mm連装砲をMk45に変えておいた。それから魚雷発射管をMk32 2基、CIWS2基、対潜迫撃砲の代わりにアスロック8連装発射機2基にしておいた。」
「見事なまでの特化だね。」
「ついでにSPY-1レーダーと、アクティブソナーはつけておいた。」
「秋月が対空、私が対潜、てわけだね」
「そういうこと、さてでは早速実戦訓練にいってみるか。」
「いきなりすぎませんか!?」
「目標はエンガノ岬沖に展開中の敵機動部隊、潜水艦もうろうろしているからついでにいいだろう」
「エンガノ岬沖ですか・・・。」
「こちらの戦力は重雷装航空戦艦レイン、潜水艦伊168、伊401、駆逐艦秋月、ヴェル、それから母艦、あっちの戦力はまあ現地についてからだ。」
「たったそれだけでいくのかい?」
「ただの威力偵察兼実戦訓練だからな。防衛は外にある核ミサイルとバルカン砲で何とかなる。」
「了解。」
「分かりました、艦隊の防空はお任せください!」
S:ところでだな、なぜ二人はメッセージを使わないのかと。
M:教え忘れてた。
S:説明書送っといて
M:あいよー
「でんぽうですよー」
「今度はなんだ」
「『エンガノで実戦訓練するからよろしくー』だそうです。」
「どこから?」
「パラオ大本営支部からです」
「好きにするよう返してくれ、あいつらなら大丈夫だろう」
「そうですか。」
M:そういえば秋月の艤装に元からついていた長10cm砲ちゃんだっけ
A:ええ。
M:それに自走機能とAIを搭載しておいたから、自分の意思である程度動かせるよ。
A:ありがとうございます。
M:んじゃ君の部屋に送っておくからね。
A:分かりました。
数日後
S:それじゃあ出航すんぞー
В:了解。
A:準備大丈夫です
R:光学迷彩よし電波欺瞞よし
I:バルカン砲、40連装ランチャーよし
M:COP起動完了、みんなつないでおいてね。
S:今回の目的はエンガノ岬沖にて展開中の敵機動部隊の撃滅だ。横槍が入ったら無理をせずに撤退する。沈んだら何も意味がないからな。
R:でもこれだけの戦力を導入すれば一気に殲滅できるんじゃないの?
S:戦場では何が起こるかわからないからな。今回はあくまで訓練が目的だから、殲滅は二の次でいい。
R:ん、わかった。
A:ここまで敵に気づかれずにこれましたね。
S:まあステルス機能を相当つんでいるからな
В:これは私たちにもつまないのか?
S:レーダーで居場所がつかめなくなったりするから電波欺瞞ではなく光学迷彩だけは積んであるが、戦闘中は要領を他にまわすからステルスは交戦中はむりだな。
M:もうそろそろ到着するよ。準備しておいてね。
M:とうちゃくー
S:んじゃ出撃だ。秋月はレーダーで敵を捕捉、ヴェルは対潜警戒、イムヤは対艦ミサイル準備、レインは航空機で制空権奪取、陣形は輪形陣、中心にイムヤ、先頭にレイン、右にヴェル、左に俺、最後尾に秋月とする。
A:前方200Mに敵艦隊発見、空母水鬼1フラヲ改4、フラヌ1の機動部隊とレ級2、フラル2、ネ級2、ツ級3、イ級後期型20、駆逐棲姫1の護衛艦隊と思われるものを発見
S:COPに反映しておけ。
A:反映完了しました。
S:これはこれは、空母水鬼に駆逐棲姫がぴったりと寄り添っているねえ。それから空母水鬼とその護衛、フラヲ改2とその護衛、フラヲ改2フラヌ1と護衛、制空取れるかねえ
R:たぶんぎりぎり。
S:うーん、とりあえずアンドラスⅡで敵駆逐を殲滅、できればツ級とネ級もいきたいけどここはツ級を優先、アンドラスⅢでヌ級とフラヲ改をなるべく殲滅しておいてくれ。レ級には2000lb爆弾をたらふくお見舞いしてやるといい。
В:空母水鬼はどうするんだい?
S:あいつはレインの16インチと深海烏賊魚雷でやる。たぶんミサイルでも数発必要だろうから、そっちでやったほうが資源にもやさしい。
S:それじゃ作戦開始だ
A:敵との遭遇まであと100Mです。
S:第一波、アンドラスⅡ26発、飛び魚艦戦改60機、艦爆改120機、GO!
M:アンドラスⅡ初弾敵命中まであと12分、それまでは暇だねえ
R:たぶんあと5分で敵上空に着く。
S:今のうちに次弾装填しておくか。
A:ええとCIWSは自動迎撃にしておきますか?
S:いや、今は手動にしておいてくれ
В:うん?ソナーになにか反応がある。
S:形はわかるか?
В:形から言ってソ級、数は5、こちらに気づいているのか?近づいてきている。
S:魚雷を撃たれる前にアスロックで迎撃、撃たれたらMk50短魚雷で迎撃。
В:了解。
A:司令官、敵艦載機来ます、数は追いきれません!
S:まだ100Mある。40M圏内の敵艦載機はESSMで迎撃、近づいてきたやつは片っ端からメラーラで撃ち落せ。
M:これはもうカオスだね。敵は完全にこちらに気づいているのかな。
S:だろうな。母艦はステルス機能を全開にしておけよ
M:言われなくともやるよ
R:もうそろそろ敵艦全体がアンドラスⅢの射程圏内に入る。
S:射程圏内のものから撃て。
R:了解、発射する。
M:ヒューみごと、敵艦は大破炎上だね、ここからでも煙がみえるよ
В:ついでにこっちにくる艦載機は半分撃墜してもまだ350機残っているよ
S:CIWSを自動迎撃に、ESSM用意しておけ。
A:敵機おそらく20分後にこの上空に到達すると思われます。
S:んじゃその間に少し休憩しておけ。警戒は怠るな。
В:さっきからいるソ級が止まったね。
S:さっさと撃たんかい
В:アスロック発射
「ふう、戦ってないのに疲れたなあ。」
「あら、もうつかれたの?」
「あ、イムヤさんですか、いいんですかもぐってないで?」
「今のところ何もすることないし」
「んじゃ敵の懐に突っ込んでみるか?」
「あ、司令官、ちょうどいい暇つぶしになりそうね」
「もうそろそろ敵駆逐艦とツ級は全滅するだろうし」
「あ、全滅しました。全弾命中です。」
「んじゃ決定だな。そんじゃ艦隊前進だー」
M:敵被害状況、駆逐およびツ級全滅、ヌ級撃沈、フラヲ改2隻撃沈、レ級1撃沈、フラヲ改1中破、1小破、ネ級無傷、レ級1中破、空母水鬼無傷、駆逐棲姫無傷、残り敵艦載機は350機
S:艦隊前進、イムヤは単独で潜航、空母水鬼にMk48長魚雷を叩き込め。ヴェルは対潜警戒を引き続き、秋月はレーダーとこれから来る敵機をESSMとCIWSで撃ち落せ。
S:んにしてもあの駆逐棲姫離れねえな。
I:確かに邪魔ね
A:まるでエンガノ岬沖海戦のときの瑞鶴さんと秋月みたいですね・・・。
S:んじゃこっちはさながら連合軍か、アメリカの兵器を用いてこれから殲滅するからな。
A:なんだか複雑です・・・。
A:敵、ESSM射程圏内です。
S:すぐにメラーラとMk45の射程圏内に入るだろう、用意しておけ、ESSM発射
A:ESSM発射、ついでメラーラ用意します。
В:Mk45準備完了。
R:空爆はどうする?
S:ちょっと空母水鬼にちょっかいかけてみてくれ
R:うん。ついでにレ級も沈めちゃう。
S:のこりの2000lbはすべて使っていい。
R:わかった。
A:ESSMにより敵機50撃墜、残り300です!
В:敵射程圏内Mk45発射開始
A:メラーラ発射開始
S:これでどれだけ落とせるか
A:すごいです・・・。
S:だいたい命中率90%といったところか、残りは200、CIWSと艦砲で対応。
R:私もやる?
S:手元の艦戦はいくつだ?
R:20
S:おとせ
R:了解
R:大体100おとした。
S:CIWSでだいたい一人25だな。やるぞ。
A:秋月は50いけます!
R:張り切りすぎてミスしないでね。
M:まるでハリネズミだね。
I:そうなの?海の中からじゃよく分からないわ。
M:そうだろうね。ああそのまま直進して、あと40分かな
I:案外かかるわね
S:敵機あとどれくらいだ?
A:あと9ってキャッ
ドーン
В:間に合わなかったね。敵機直上、どうする?
S:CIWSと艦砲で対応しろ、敵機は残り9機だ
R:艦戦間に合えッ
M:あーあ、こりゃ間違えたかな
I:どうしたの?
M:いや、秋月轟沈寸前だから
I:大変じゃない!早く助けないと
M:イムヤはそのまま前進だよ。これはしおいからの命令。
I:さっさと終わらせるわよ
S:なんとか敵機殲滅完了か
В:秋月はどうするのってあれ、どこいったんだろう?
S:ちょっと潜ってくる
S:案の定沈みかけていたか
R:息はある?
S:ある。あとはバケツで何とかなるか。甘く見すぎていたか、クソッ
В:それで、作戦はどうするんだい?
S:レイン、ヴェルはそのまま空母水鬼を撃沈して来い。俺は母艦にそのまま秋月を収容後速やかにそちらに向かう。
В:司令官が来るころにはもう終わっていると思うよ
R:とりあえずさっさと終わらせて帰ろう
I:到着したわ
M:もうすぐレインとヴェルが着くよ
R:同じく到着
В:敵潜水艦は見られず
M:着いたんだね。それじゃあヴェルが駆逐棲姫、イムヤとレインで空母水鬼を相手しようか。ヴェルは艦砲とアスロックを応用して時間稼ぎ、レインの艦砲とアンドラスⅡ、それからイムヤのMk48魚雷で速やかに撃沈して。そのあと駆逐棲姫を片付けて今回の訓練は終了だよ。
I:残りはどうするの?
M:しおいが母艦からアンドラスⅡを撃ったからそれで撃沈する予定。
В:確かにあと1分で着弾予定だね。
M:着弾と同時に動き出してね。
В:敵艦隊に突っ込み、駆逐棲姫との分断成功
R:無茶するね、早く終わらせるよ。深海烏賊魚雷20連発、主砲斉射、アンドラスⅡ8連発発射。イムヤも魚雷でとっとと決めて。
I:了解。魚雷装填、さあいってらっしゃい
「クッココマデカ」
「やっと終わるね、空母水鬼」
「ナゼシンカイセイカンノキサマガワレワレヲオソウ」
「答えるのも面倒、ジャアネ、バイバイ」
ドンッドンッ
ドドドドドドドド
ドゴーン
「ふう、早く帰ってしおいの様子も見なきゃ。どうしているかな」
「ナッ、クウボスイキガ」
「戦闘中に余所見とは余裕だね」
ドンッドンッドンッドンッ
「ガッ・・・クソッヤッパリマタマモレナカッ・・・タ」
「ほう、ちなみに私も色々なものを守れなかった。暁、電、雷、皆沈んだ。大日本帝国も敗戦して日本国になった。」
「オマ・・・エモオナ・・・ジカ。ダガワタシハナニモ・・・マモレナイ・・・ノカ?」
「それは分からないよ。君の問題だし。でも私ならもうなにも失いたくはない。だから私は私の居場所と周りを守りたい。」
「ソウ・・・カ、ナラ・・・バゼッタイニ・・・マモリキ・・・レヨ。ワタシノヨウニ・・・・・・ナル・・・ナ」
В:駆逐棲姫撃沈
R:空母水鬼撃沈
I:同上
M:意外だねえ駆逐棲姫を一人で沈められるなんて
В:これくらいの実力がないと何も守れない
M:なにかあったようだね。まあいいよ、其のまま帰還して。
В:了解
R:んー
I:わかったわ
執務室
「今回は本当にすまなかった」
「そんなに謝らなくても大丈夫ですよ」
「いや、俺が敵の戦力を過小評価していた。そのせいで秋月は沈みかけた。本当に申し訳ない。」
「ですから大丈夫です。それに少しうれしいんです。艦隊の防空がしっかりできるってわかったんですから」
「そうか。本当に今回はすまなかった。改善策は即急に立てる」
R:かんたいきとー
S:執務室に集合、今回の訓練の総括をしたいと思う。
В:了解
「今回の訓練、成功した点からまずいこうと思う。対潜、これは文句なしだろう。それから対艦も現状で問題ないだろう。」
「だけど対空は問題だね」
「そうだ。今回は艦戦と艦爆両方を対艦にまわした。さらにこれだけの対空装備があれば350機程度なら大丈夫だろうとたかをくくった結果、艦隊に被害を出した。」
M:でも今回は核を使ってないから一概に対空ができないと決め付けるのはどうかとは思うよ
「2週間後の敵泊地攻略では核を使うなといわれている」
M:ああなるほどね、今回ので敵機をどれだけ撃ち落せるかをテストしたんだね。
「それもある。対空の件については早急に案を立てるとして、では今回の訓練を終了する。今回の失態は申し訳なかった。」
S:対空の件についてなんだが
M:うん、なんだい?
S:今回撃ち落しきれなかったのはESSMの弾数の不足と長距離での迎撃手段がなかったことだ。
M:長距離なら艦戦で対応すればいいんじゃない?
S:それもそうだが航空支援が使えないときのことも考えたほうがいいだろう。
M:それもそうだけどねえ
S:案としては考えてはある。
M:そう、なら送ってもらえるかい?
S:今送る。
M:ほう、昔作ろうとして今まで忘れていたやつだね。
S:そうだな。発射装置をバレットM82にして、弾薬をロケット推進式127mm弾にしたものを開発したいんだが。
M:バレットM82はもうすでに開発は終わっているからあとは弾薬のほうだね。
S:すぐに開発できるとは思うが。
M:でもなんでわざわざバレットM82をつくるんだい?
S:ECM、EPM対策とそれから秋月に搭載予定だが、艤装にもう余裕がないだろうし、主砲で使うと弾の交換が面倒だろ。
M:そういうこと。
S:それからESSMはあと70発は増やせるだろう
M:もう入らないんじゃなかったっけ?
S:1セルに4発入るはずなんだが
M:道理でスカスカだったわけだよ。
S:あれ、言わなかったっけ?
M:言われてないね
S:・・・ほんとに今回は俺のミスが祟っているな。
M:泣きっ面に蜂、だね。
Mk45相当の威力にして、ロケット推進の無誘導弾とする。
まあ必要ならSALH誘導でもつけるか。
人工衛星もいい加減に打ち上げねえとなあ
ついでにLJDAMとMk80シリーズでもつくるかな
弾薬の射程120km、信管は近接信管。
こんなものでいいか。
M:ということで、M82ベースの改造対物対空ライフルだよ。
S:スコープもついているんだな。
M:さすがに無誘導弾をスコープなしで撃つのはきついんじゃないかな
S:そこはBCで
M:まあ銃口をここに向ければ当たるよっていうような機能も作れるけど、命中精度に難があるんだよね。それでスコープを覗きながら標準をつけるっていう形にしたんだ。
S:まあ連射ができないから確実に当てていきたいしな。
M:だね。
S:んでマガジンひとつに10発か
M:それとドラム缶を装備してその中にマガジンとか弾薬とか入れるっていうアイディアもあるんだけど
S:それいいな。採用しよう。
M:まあドラム缶に簡単な敷居と防弾強化するだけなんだけどね
S:すぐにもできそうだな。
S:秋月は開発室に来てくれ。
A:はい、ですがいったいなんですか?
S:新兵器の対空対物ライフルだ。説明は開発室でする。
A:わかりました
M:はいこれ。名前は自分で決めてね。面倒だから。
A:は、はあ。
S:仕様と拡張プログラムはまとめて送る。
A:わかりました。
「名前、といっても何をつけたらいいんだろう」
「どうしたんだい?」
「あ、響さん」
「私はヴェールヌイなんだけど」
「あ、失礼しました!」
「いいよ響でも、それで何か悩んでいるようだけど」
「ええ、この対空ライフルに名前をつけろと言われまして」
「それならдикобразというのはどうかな」
「ディカブラース、ですか?」
「そうだね。意味はヤマアラシだよ」
「ヤマアラシですか・・・。物騒な名前ですね・・・。」
「秋月の装備は対空特化でハリネズミというよりもはやヤマアラシだからね。」
「はあ・・・。」
A:名前決めました
S:んー。
A:ディカブラースです
S:いいんじゃないの。採用。
数日後、パラオ泊地執務室にて
「ふー、今回の訓練の報告書と今日の分の書類はおしまいと」
「とはいってもそんなになかったと思うけど」
「んなこたあどうでもいいんだ。んじゃねる」
「それじゃあわたしのひざの上で」
「そりゃいい。んじゃお休み」
「失礼します、て司令?」
「今寝ている。静かに」
「は、はあ。」
「それで何か用?」
「訓練所の使用許可を取りに参りました」
「それなら大丈夫だから好きに使って」
「はい。わかりました」
「用はもう済んだんじゃないの?」
「あいえ、司令もお疲れだなあと」
「そうね。ここのところ大本営から送られてくる資料に目を通していたみたいだから。」
「何かあるんですか?」
「敵泊地強襲作戦があと一週間で行われるみたい。その準備だとか。」
「大規模作戦ですか」
「対空は秋月に任せるともいっていた。」
「そうですか。たしかに艦隊の防空には自信がありますが」
「わたしも艦戦でなるべく落とすからよろしくね」
「こちらもよろしくお願いします。」
「でも寝ているとかわいいですよね」
「それは同感」
「普段は男みたいな感じなのに寝ていると普通の女の子ですよね」
「まあね」
「そうだ、クルージングしよう」
「いきなりどうしたの?」
「この間の訓練で相当弾薬を使ったからそれを補うためにやろうと」
「場所は?」
「オリョール海だな。」
「それじゃあわたしもいく準備しなきゃ」
「いや、いくのは俺とイムヤだな。」
「・・・・・・。おしおき。」
「その分夜に相手してしんぜよう」
「そう、たのしみ」
S:んじゃいくぞー
I:急に呼び出されたと思ったらオリョクルなんて・・・。
S:普通の鎮守府だと日課みたいなもんらしいがな。
I:ここじゃやらなくてもいいとおもったのに
S:なに、10回くらい敵艦隊を沈黙させたら十分な資源は得られる。
I:そう、だいぶ楽ね
S:沈めずに沈黙させるのは難しいがな
I:魚雷とミサイルを駆使すれば楽だわ
S:敵水雷戦隊発見
I:魚雷Mk48、いってらっしゃい
S:ふう。見事に全艦沈黙。お疲れい。
I:私にかかればこんなもんよ
M:んじゃ母艦に死体を収容してね
I:深海棲艦を資源に変えるのね
S:これが俺らの主な資源供給源だな。
M:仕組みとしてはそんなに複雑じゃないよ。深海棲艦を艤装とみたてて解体するという作業だからね。
S:他のところじゃできない技術ではあるがな。
S:敵と遭遇しないときは本当にクルーズだな。
I:南国の海を航行する、文字にしてみればまるで観光よね
S:実際海がきれいだし、時々見える島もサンゴ礁も、海中もきれいだからな。
I:こういうの、偶にならしてもいいかも
S:そうだな。敵も強くないし、資源もうまいし、風景はきれいとまできた。いい海域だここは。
S:ただいま
R:おかえり、さあ早速
S:まだ報告書書いてないのであとで。
R:そう。
夜
「ふふ、ひさびさのしおい独占、ふふふ」
「あの、非常に怖いのですが・・・。」
「さあはやくとなりに、hurry, hurry hurry hurry hurry hurry hurry HUURY!!!」
「アッハイ、ヤサシクシテクダサイネ」
オイシイ・・・
フア・・・あっ・・・イイ・・・
「司令官、話ってなんだい?」
「ああ、この銃をお前にあげようとおもってな。」
「なんだいこれ。ただのハンドガンにしかみえないけど」
「デザートイーグルベースの対深海棲艦ハンドガン、レラーだ。まあ対人にも対艦娘にも使えるがな。」
「へえ、そんなものがあったんだ」
「弾薬は専用.50AEをマガジン1個に10発、重巡程度の装甲なら簡単に貫通する。」
「意外と強そうなものだね。」
「ただ至近距離まで持ち込むことが前提だし、使いづらいものだがな」
「それを含めても十分だね。」
「そうか」
「ところでこれ新品じゃないね。ところどころ傷が入っている」
「ああまあ、もともとは俺の近距離専用の武器として開発したからな。」
「もらってもいいのかい?」
「ああ、俺が持っていてもそいつをあまり使ってやれないしな。」
「そうか。ありがとう、たいせつにする」
「気に入ってもらえたようでなによりだ。」
バン
「なかなか使いやすい」
バン
「片手でも十分だね」
バン
「二丁拳銃でもやってみようかな」
M:それで、レラーをもう一丁作ってほしいと
В:頼める?
M:すぐにできるよ。ああ、ちょっとそのレラーもってきてくれないかい?改造したいから。
В:了解
「はい、完了」
「どうも。」
「改造点としてはBCとのリンクで視界に照準がでるようになったのと、弾薬を劣化ウラン弾に変更しておいたよ」
「ちょっと撃ってもいいかい?」
「どうぞ、そこの壁は撃っても壊れないから」
「そうとう穴が開いているけど」
「どうしても開発中はいちいち訓練場で撃つのが面倒なんだよね。それでそこに撃っているんだ」
「へえ、それじゃ射撃するね」
バアン
「反動が強くなったね」
「でも片手であつかえるでしょ」
「まあ、なんとか」
「あとこれがもう片方の銃、名前は例のごとく好きに決めて」
「そうだね、どうせなら秋月にでも決めてもらおう」
「どうしてだい?」
「わたしが秋月のライフルの名前をつけたからな」
「そうかい。まあ好きにするといいよ」
A:拳銃の名前ですか・・・。
В:そう。
A:なら薊はどうでしょうか。
В:あざみ、なんでだい?
A:司令に見せてもらった花の様子が血の飛び散る様子に見えたので
В:なかなか秋月もいいネーミングセンスしているね
A:この間のヤマアラシのお返しです
В:ふふっそうかい
「それじゃレラーに薊、よろしくね」
「久々のさんぽ、楽しい」
「だなあ。ここ最近は色々あったからな。」
「あ、ハイビスカスだ。これを摘んで、どう?」
「おお似合っているぞ。頭にハイビスカスか」
「ふふっうれしい」
「南国って感じでいいねここ」
「そうだな。ここをゆっくり楽しむ余裕なんて最近はなかったからな。」
「その原因の大半はしおいにあるとは思うけど」
「まあ自分でやりたいことやって、最近は充実しているな」
「そう、よかった」
「ふう、Mk84とLJDAM、それから飛び魚艦爆改のイルミネーター搭載完了っと」
M:GBU-31開発完了。
S:お疲れ
「さて、しばらくぶりの外にでも行くかね」
「海はいつもどおり穏やかだねえ。平和だ。」
「なんだ珍しい。こんなところにくるとは」
「君もめずらしいね」
「資料関係がイヤんなってちょっと休憩にな」
「願わくばこの平和な生活が続きますように」
「なんだいきなり」
「好きに開発できて仲間と楽しく過ごすこの生活が崩れないように祈りたくなったのさ」
「平和かどうかはともかくとして楽しいのは確かだな。」
「そうだよ。楽しいんだ。本当にね。」
To be continued.
ここまでお読みいただきありがとうございました
二部も書きます。願わくばこれからもよろしくお願いします。
駄文をここまで読んでいただきありがとうございました。細かい修整なんかもちょくちょくやる予定です。基本的に24か25時更新したいです。それ以外の更新は基本的には気に入らない所の推敲をやっています。ごめんなさい自分自身が暗いの嫌いでついついたわいもない話をかいてしまうorz雑ですみませんすみません。ああもうやだスマホだと押し間違いが多発する。
お久しぶりです。軽く編集行いました。20180214
401ってオトコだったのか。
正直興奮します。
興奮します。
>>1ええといわゆるTSものを書きたいと思っていますね。コメントありがとうございます。
こういう話は大好物なので頑張ってくだち
応援コメありがとうございます。なるべく毎日更新したいですね
in? inch?
>>5 アメリカに行ったとき見かけたインチの記号がinなのでin表記にしました。
とてもおもしいです!
主さんは、兵器とかとても詳しそうで、知識量に驚かされます…‥
>>ラインさん
コメありです。知識なんかはWikipediaとかネットで仕入れたものばかりでそんなに詳しい訳ではありませんよ。
ヲっ、レ級ちゃん捕獲だと?うちにも一人レ級ちゃん欲しいのですが、どうすれば捕獲できますか><
>>9
鹵獲システムを実装してレ級捕獲とか…
ということで運営さん実装オナシャス
そう言えば・・しおいちゃんやレインが深海棲艦を倒したら、ドロップの扱いはどうなるんだろうな・・・?
>>11
今のところはドロップはあまり考えていませんが…まあ、おいおい出そうと思っています。
・ワ・ <こうしんをたのしみにしています?
いい感じに不穏な雰囲気がもりあがってまいりましたなw
この手のSSは大好物ですので、無理をなさらない程度にがんばってください~♪
>>13
コメありです。
楽しんでいただけているのなら幸いです。
お、おもしろい!
武器のとこ飛ばしても読めるのがいいね
>>匠リフォームさん
コメありです。武器の所はまあ補足説明のようなものですからね。
今日始めて読んだが、一気に読めてしまうほど集中して読めたのはこのssが初めてだわ
更新楽しみに待ってます。頑張ってください。
>>17
応援コメありです。
更新は毎日目標に頑張っています。
ぜひご覧下さい。
一気に読みすぎて目が痛い・・・けど面白いです。
これからもがんばってください!応援しています!!
>>連装砲提督さん
コメありです。この文量を一気に読みますか・・・。目に気をつけてこれからもよろしくお願いします。
お疲れ様です!
第二部も楽しみにしてます!
>>しらたきさん
コメありです。最近疲れて更新か滞ってしまっていますがこれからもよろしくお願いします。