【ミリマス】オカマPのアキラちゃん
美咲「事務所に所属するプロデューサーさん。小俣 晃(おまた あきら)さんは優秀です」
美咲「物腰柔らかく、パリ帰りのお洒落さん、いつもほのかにいい匂いがして、スーツにはシワ一つありません」
美咲「たった一つ変わってるところがあるとすれば」
美咲「オカマさんです」
美咲「おはようございまーす」
P「あら、美咲ちゃん。おはよう」
美咲「おはようございます。小俣(おまた)さん」
小俣P「もう!いつも言ってるでしょ!オマタじゃないわ!アキラちゃんって呼んで!」
美咲「あ、ごめんなさい。つい」
小俣P「うふ、いいのよ。別に怒ってるわけじゃないんだから。丁度コーヒー淹れたんだけど美咲ちゃんもどう?」
美咲「ありがとうございます。いただきます」
恵美「おはようございます」
小俣P「あら、恵美おはよう」
恵美「よかった!アキラちゃんいた!ちょっと手貸してよ~」
小俣P「何よ、どうかしたの?」
恵美「ほら、昴。こっち来なって」
小俣P「ちょっと昴?!どうしたのよあんた!泣いてるじゃない!目も真っ赤っかで!」
昴「うううううう、オッちゃ~ん」
小俣P「その呼び方やめなさいって言ってるでしょ!オッちゃんじゃなくてアキラちゃん!」
恵美「アキラちゃん、今それどころじゃないんだって」
小俣P「ったく。で、何がどうしたの?」
昴「オッちゃん。オレ、もうアイドル辞める・・・」
小俣P「はぁ?急に何言い出すのよ。あとアキラちゃんって呼びなさい」
恵美「実はさ・・・、SNSで昴の悪口が書かれてるのをたまたま本人が見ちゃったらしくて」
小俣P「それで絶賛ダダ凹み中ってわけ?」
恵美「これがだいぶ重症でさ。レッスン出るのも嫌がってたんだけど、とりあえずアキラちゃんに話聞いてもらおうって連れてきた」
小俣P「で、その悪口ってのはどんなの?」
恵美「・・・・・・これ」
小俣P「ふむふむ。『男みたいな顔で女の声で歌うのキモい』『菊地真の二番煎じ』『』。まぁまぁ、ありがちねぇ・・・」
昴「言われなくっても分かってるよ。オレに可愛いの似合わないのなんて・・・。でも、ちょっとでも可愛くなれるように努力して・・・なのに・・・」
小俣P「やるじゃない。昴」
昴「へ?」
恵美「ア、アキラちゃん?」
小俣P「いい、昴。恵美も一緒に聞きなさい」
小俣P「10人に好かれる人間はね、『偽善者』って言うの」
小俣P「逆に10人に嫌われる人間は、『悪党』って言うのよ」
小俣P「5人に好かれて、5人に嫌われる。これが本物よ」
小俣P「アイドルは沢山の人に見られる仕事よ。だから色んな事を言わるわ」
小俣P「嫌われるのを恐れて、すり寄っちゃダメ。嫌われたからって、応援してくれる人に背を向けてもダメ」
小俣P「はい、これ。昴宛のファンレター」
昴「こんなに・・・。全部、オレ宛?」
小俣P「そうよ。好きな人も、嫌いな人もいる。永吉昴は、間違いなく本物よ」
昴「ほんとに?」
小俣P「信用なさい。アタシが何年女の偽物やってると思う?本物を見分ける目は確かよ」
昴「・・・オレ、どうしたらいい?」
小俣P「ファンレター読んで、気合い入れなおして、レッスン行ってきなさい」
昴「・・・うん」
小俣P「その前にまず顔洗ってらっしゃい。今のあんた、涙でグシャグシャで超絶ブサイクよ」
昴「ひっでー!オッちゃん言い過ぎだよ!」
小俣P「アキラちゃんって呼べって言ってるでしょ!この小娘!」
昴「へへ、恵美行こうぜ。ごめんな心配かけて」
恵美「ホントだよー。めちゃくちゃ心配したんだから。じゃあ、アキラちゃん。行ってくるね」
小俣P「いってらっしゃい。はりきり過ぎて怪我するんじゃないわよ~」
美咲「765プロは、今日も平和です」
~おしまい~
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