艦娘「提督が怖い」(厳格提督と不思議鎮守府)
いつも怖がられている提督と一部のそれを好きな艦娘たちのちょっぴり変わった物語
いろいろな鎮守府よりもさらに上なのに少し変な感じな鎮守府。
秘密をまだ隠し持っていますよ。最近は中々更新が出来ず申し訳ございません。これからも少しづつですが更新していきます。
皆さん、本当に申し訳ありませんでした。なかなか自分の方の都合が取れず、また話をなかなか考えることができなかったので長い間待って下さった方には本当に感謝しかありません。これからも頑張って更新していきます。
春の心地よい日差しと風が執務室に流れ込んでいる…
金剛「ヘーイ!提督!」バァン
提督「……………」ジロリ
金剛「ヒ……ごめんなさいネ……」
提督「……………」
響「入るよ、提督」ガチャリ
提督「……………」ジロリ
響「あ、金剛。今から提督とやりたいことがあるから退席してくれるかい?」
金剛「は…はーいデス…」トボトボ
提督「……………」
椅子に深く座り込む。
響「君も素直じゃないね、提督」
提督の机の上に腰かける。誘っているような視線で見つめる。
提督「……何の用だ…響」
(響はヴェールヌイまで強化されているが響と呼称する)
響「“深海棲艦のお客さん”が来ているよ」
提督「……………」
響「大丈夫だよ。“いつもの所”にいるから」
提督「……………」
響「じゃ、ヒトヨンマルマルにいつもの所にね」スクッ
提督「」コクッ
響「待っているよ」ガチャリ…バタン
提督「……………」ギシ
提督は恰幅の良い重い自分の体を椅子から起こし、窓に歩いていく。
提督「……多分、最前線の奴らかもな…」
提督「……間宮の飯を食おう……」ドスドス
提督は体が重いため足音が必然的に大きくなってしまう。その足音を聞いてびっくりする者たちもいる。顔は厳格で無表情、口数は少なく、笑っているのを見たことがある者は少ない。(一部の艦娘は表情豊かと言う)恰幅が良い割には筋肉などでがっしりとしている。憲兵たちもある理由で提督のことを尊敬しており、拘束などをしない。そもそも考えたこともないようだ。しかも憲兵と仲がよく、しんみりと居酒屋鳳翔で酒を飲んでいる。(憲兵としてのいる意味が無いが提督の命令で各々の仕事をしている)武器などを個人的に集める物好きな人でもある。過去にあった世界大戦の武器などから現代の武器など様々だ。一部の艦娘とは彼のことや鎮守府のことなどの大部分を共有している…
~食堂~
提督「……………」ドスドス
天龍「!……やば!」ダッ
提督「……………」ボス
間宮「提督……ご飯はどうしましょうか?」
提督「…焼き魚定食を…」
間宮「は…はい!すぐにご用意します!」
提督「……………」腕を組む
不知火「提督、一緒に食べてもよろしいでしょうか?」
提督「……構わん。好きにしろ」
不知火「では、お言葉に甘えて隣に座らせて貰います」ストン
不知火「……この後、“客人”を歓迎するのですか?」モグモグ
提督「……その予定だ。…響と弥生が同伴する」
不知火「……私も同伴…よろしいですか?」
提督「……構わん」
間宮「どうぞ!提督!」ガチャリ
提督「」コクッ
提督「……頂きます」モグモグ
不知火「……木曽さんと大鳳さん、古鷹さんにも言っておきます。同伴の必要は無いことも言っておきますよ」
提督「……頼んだぞ」モグモグ
不知火「……お任せください。三人は“あそこ”に居られますか?…」ボソッ
提督「……あぁ…“居酒屋鳳翔”の中の隅の“隠し扉の先”にいる」ボソッ
不知火「分かりました。この不知火、仕事をしてきます」
提督「」コクッ
提督「……ご馳走さま」カチャ
間宮「…ありがとうございます」
提督「……」スクッ
不知火「……」コツコツ
提督「……」ドスドス
不知火「では、後程」ペコリ
提督「……ヒトヨンマルマルに“いつもの所”だ」ドスドス
不知火「了解」コツコツ
〜居酒屋鳳翔~
不知火「どうも」ガラガラ
鳳翔「いらしっしゃい。不知火ちゃん」
不知火「はい」ペコリ
鳳翔「………三人は“いつもの所”よ」
不知火「ありがとうございます」ペコリ…コツコツ
不知火の向かった所は店の隅でダンボールが積み重なっている所だ。不知火はダンボールを横にずらし、出てきた隠し扉を開けて中に入る。その後、鳳翔がダンボールを元に戻す。出口は別にあるがその話はまた今度。
不知火「……」コツコツ
無機質な金属の階段の道を降りていく。
不知火「……」ガコン…ギィィ
下に着き、重厚な金属扉を開ける。
中は換気扇が回る音と少しだけ匂う酒と煙草の臭い。
木曽「…不知火か。久しぶりだな…」フゥー
大鳳「お久しぶりです。不知火さん」
古鷹「何かあったの?」
不知火「今日、“あの客人”がいつもの所に来ています。私と響、弥生が提督に同伴します。三人は待機で同伴の必要はありません…ということを伝えに来ました」
木曽「わかった。多分、鳳翔と明石、大淀も勘がいいから察するだろ」
大鳳「そうですね。あの三人も私たちと同じですからね」
古鷹「不知火ちゃんが工廠から出ても明石さんなら何も言いませんよ」
不知火「ご理解ありがとうございます。では、私も言って来ます。そういえば大淀さんはどこに居られますか?」
大鳳「大淀さんは憲兵隊の隊長と他の鎮守府の情報交換をしていますよ」
不知火「なるほど、分かりました。では行って来ます」コツコツ……ガコン…
木曽「行ってらっしゃーい」
古鷹「木曽さん、煙草一本下さい」
木曽「あぁ、はいはい」ゴソゴソ…スッ
古鷹「ありがとうございます」
~工廠・隠し扉出口~
不知火「よ……ほ……」ギィィ……
不知火「よいしょっと」ガコン…
明石「あ、不知火ちゃん!どうしたの?」
不知火「カクカクシカジカで…そういうことで言って来ます」
明石「はーい」
不知火「……」コツコツ
弥生「あ…不知火」ピタリ
不知火「弥生さん、今から行く所ですか?」
弥生「」コクッ
不知火「では、一緒に行きましょう」コツコツ
弥生「わかった……」コツコツ
不知火「弥生さん。今回は誰が来ました?」
弥生「……響によると、レ級さんとヲ級さんが来たみたい」
不知火「二人だけとは……何かあったのでしょうかね」
弥生「そのお二人は最前線で戦っているflagship級みたいです」
不知火「……大方、予想がつきましたね…他にも何かあるかもしれません」
弥生「……そうだね…」ゴソゴソ…パカッ
弥生「…そろそろヒトヨンマルマルになるね」
不知火「そうですか……では、急ぎましょう」ダッ
弥生「」コクッ
~いつもの所(出撃用ドックの奥の隠れた巨大倉庫)~
提督「……」ドスドス
響弥生不知火「」ビシッ
提督「……休め」
響弥生不知火「了解」ババッ
提督「……いらっしゃい。レ級にヲ級」
レ級「はい、提督さん!」ビシッ
ヲ級「ここに来させて頂けること、感謝します!」ビシッ
提督「あぁ…休め」
レヲ「了解」ババッ
提督「……」コクッ
響「やぁ、私は響だ。今私が提督の秘書艦をやっているよ」
レヲ「」コクッ
響「今回の用件はなんだい?お二方」
レ級「今回は他の鎮守府が攻撃を仕掛けてきた時の艦娘に変なところがあってね。それの相談に来た」
響「わかった。それで…変なところとは?」
レ級「明らかに人が殴った跡や雑に巻かれた包帯などが目についたし、こちらの駆逐艦すらまともに撃破できていなかったんだ」
響「……提督」
提督「………感謝する。レ級。そこの鎮守府の情報を手に入れてから対応をする……あちらの艦娘に被害を出させたか?」
ヲ級「航空攻撃を牽制に使って強制的に撤退させた。あの艦隊には駆逐艦しか編成されてなかった」
提督「……感謝する。今回はご苦労だった」
レ級「いえいえ、私たちを助けてくれる提督さんには頭が上がりません」
ヲ級「これからもよろしくお願いいたします。今日はこの辺で帰らせて貰います」
提督「わかった。気を付けて帰れよ?」
レヲ「了解!」ビシッ
レヲ「……」ザバァ!
響「……提督。目処は付いているかい?」
弥生「気になるのです」
不知火「………シオイちゃんに偵察を?」
提督「………あぁ…向こうの憲兵隊の報告で怪しいと思ったからだ…」
響「……特殊艦娘歩兵戦闘部隊と特殊武装憲兵隊の出撃許可を……」
提督「………言うと思って大淀が話を付けて来た」ピラリ
弥生「……了解です」
響「……準備ができ次第、報告して出撃します」
不知火「……向こうの艦娘たちはここの鎮守府に避難させます」
提督「………頼んだぞ」
響弥生不知火「了解!」ビシッ
続く
ー2ー
龍驤「……嘘……やろ?」カタカタ
振り返ること数分前…
龍驤「ふんふーん♪」テクテク
龍驤は出撃用ドックの近くを散歩していた。
龍驤「ふんふーん……ん?なんやあれ」ノゾキ
龍驤が見つけたのは出撃用ドックの奥にある巨大倉庫を見つける。
龍驤「森ん中に隠すように建っとるな……よっしゃ!ちょっくら見てみるかいな」テクテク
そこで提督たちが深海棲艦と出会って話しているところを目撃してしまったのだ。
そして、現在に至る。
龍驤「……はぁ…はぁ…はぁ!……」
龍驤(なんなんや!なんなんやあれ!!)
ガタッ
龍驤「!?(しまった!)」アワアワ
響「誰かいるの?」チャキッ
龍驤(チャキッ?……なんや?なんか嫌な予感しか思い付かへん…!)
響「……」バンッバンッバンッ!!!
龍驤「!?(あかん!殺す気や!)」ダッ
響「……誰かいるの!」ダッ……チャキッ!
響「……いない?……いや、違うね」カガミ
弥生「……誰だと思う?」コツコツ
響「分からない。でも、ここの鎮守府の人かもしれない」スクッ
不知火「ふむ」カンガエ
提督「………いずれは知られること。それが早まったと考えればいいだけだ」ドスドス
響「そうだね、提督の言うとおりだ」
提督「………一週間後、予定している任務などを停止。ここで聞いていた者が話を広めるのに時間を与え、私の方にまで説明を求められたらその一週間後に待機所に全艦娘を集め、深海棲艦を数人連れて来て、話し合い、これからのことを説明する…」
不知火「なるほど…それなら提督の作戦に苦情を言っている者も黙るでしょう。提督が深海棲艦は大破まで持ち込み、放置しろという作戦。苦情をあげる輩など排除するというのに……」ギリギリ
響「そうだね、駆逐した方がいいと思うよ」ニコニコ
提督「………俺は今は排除するというのには共感しない…分かったな?」ジロリ
響不知火「はい、承知しました」
弥生「……深海棲艦は誰を連れて来るの?」
提督「………実は、ここの海域の深海棲艦は敵の本当の親玉だったみたいでな……酒を共にしたら仲良くなった…だから、鬼や姫、その他の強い奴らを呼ぶだろうな」
響「水鬼たちも来るのか…楽しみだね」
提督「なぁに。一週間後だ…すぐに来るさ」ドスドス
響弥生不知火「♪」コツコツ
その後、提督は大淀に報告。大淀は書類に記し、機密文書保管金庫にしまった。提督たちは自分のことをよく知っている者には説明をしておいた。なぜなら、彼女たちも深海棲艦と肩を並べて整列するからだ。提督はその日の内に、グラーフに一週間後に強い深海棲艦を連れて来て欲しいと書いた文書を夜間に戦闘機に積んで送ってもらった。ついでに楽になるように通信機の周波数も書いた。結果、届いた数分後に暗号通信で、
「我らはあなたの提案を受け入れます。精鋭たちを皆連れていく」
という暗号通信が届いた。返信で感謝するという旨の通信を送った。
次の日
~食堂~
龍驤「………」
龍驤(なんやったんや…あれ)
隼鷹「?龍驤、どうした?」
龍驤「いや………提督のことなんやけぇな…」
隼鷹「なんかあったのかい?」
龍驤「…絶対に驚かんといてな?」
隼鷹「」コクッ
龍驤「…提督な…深海棲艦のル級とヲ級と話しておったんや。響、弥生、不知火もおったんや…」ボソッ
隼鷹「………え?」
龍驤「疑いたくないんやけど……私達が出撃してよくル級のflagship級に会うやろ?あんの強い奴」ボソッ
隼鷹「おるね」ボソッ
龍驤「そいつが来とったんや」ボソッ
隼鷹「はぁ!?」ガタッ!
龍驤「阿保!声が大きいわい!」ペチン
隼鷹「………青葉に言って情報を共有することを推奨するよ」
青葉「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!!!」ババッ
龍驤「うぉ……来よった…」
青葉「隼鷹さん。何か驚いていましたが何かありました?」
隼鷹「………提督が深海棲艦とつるんでいるみたい」ボソッ
青葉「!…そこのところを詳しく…」ボソッ
龍驤「私が見つけたことや。私が説明する」ボソッ
青葉「分かりました。では、龍驤さん。深海棲艦とつるんでいたと言いましたけど…」
龍驤「カクカクシカジカや……そんなことするようには見えんけどな…」
青葉「レ級…しかもflagship級が……あの他の鎮守府の艦隊を一人で全滅させたあれが提督と話していたとは……」
隼鷹「皆に情報を共有した方がいいと思うよ」
青葉「そうですね、明日にはすぐに記事にして貼りつけておきましょう」
…………………
次の日(説明まであと五日)
記事「号外!なんとあの提督さんが深海棲艦と秘密の会合をしていた!」
艦娘たち「ザワザワ」
曙「なによ…これ」
夕立「本当の話………ぽい?」
天龍「おいおい………」
龍田「ちょっと聞いてくるわぁ…」スタスタ
利根「我も行くのだ」スタスタ
暁「雷たちは行かないの?私は行くけど」スタスタ
雷「行かないわ」
電「なのです」
赤城「問いただした方が良さそうですね」コツコツ
加賀「同感よ」コツコツ
~執務室~
提督「」カリカリカリ
響「」ギュー(提督に抱き付いている)
金剛「ヘーイ、提督ー。あの記事はどういうことねー!」バァン!!!
赤城「提督さん。深海棲艦と会合をしていたのは本当ですか?」
提督「」カリカリカリ………コトリ
響「………了解」ウナズキ
加賀「響さん。あなた、何が分かったのですか?」ジロリ
響「君たちが言ってた記事のこと。ね?龍驤さん」ニコリ
龍驤「!な……なんや!」アセアセ
響「出撃用ドックの奥にある倉庫に来たよね?しかも拳銃で撃たれたはずだよ?」
龍驤「」パクパク
加古「本当なのか?龍驤」
龍驤「本当や……私が青葉に言ったんや…銃で撃たれたってのも本当や。響に撃たれたんや…」
赤城「響さん。本当に撃ったんですか?」
響「本当だよ」チャキッ(拳銃を向ける)
赤城「!!」
加賀「!」
提督「……」スッ
響「ん」スッ(拳銃をスカートの中のホルダーに入れる)
曙「あんた、なんでそんなの持ってんの?」
響「…内緒だよ」
北方棲姫「提督ー」ガチャリ
ほぼ全員「!!」
響「あ、ほっぽちゃん。今忙しいから古鷹さんたちと遊んでて」
北方棲姫「わかった!」トテテテ…
天龍「おい、てめぇ。何行こうとして……」
大鳳「行こうとして……なんです?」ショットガン構え(北方棲姫と入れ替わりで入ってくる)
天龍「」(硬直する)
大鳳「危険な人ですね、まったく」
球磨「何してるクマ!」ダッ
木曽「おっと姉さん。そこまでだ」ヒュンッ(抜刀した刀を球磨の喉元につける)
球磨「き……木曽…?」ガクガク
不知火「皆さん、武器を下ろしてください。提督さんの前ですよ」
大鳳木曽「」スッ(武器を下ろす)
天龍球磨「」ペタン……
長門「提督。あの北方棲姫はどういうことだ?正真正銘の深海棲艦じゃないか…」
提督「……五日後に待機所で説明をする」
長門「………な…」
提督「……仕事がある。お前たちにも仕事があったはずだ。知りたいなら五日後以降ならなんでも聞け。以上」スッ
響「」スッ
不知火「…皆さん。自分の仕事に戻ってください。いいですね?」
赤城「…はい」
加賀「し…しかし」
赤城「加賀さん。あれを」
加賀「?」チラリ
不知火が突撃銃を引き金に指をかけながら持っている。
加賀「…!」
赤城「行きましょう…」コツコツ
ほぼ全員が帰り、また静かになる執務室。
響「良かったの?これで」
提督「いいさ。いつかは分かること。それが早まっただけのこと」
不知火「では、五日後までは待ちましょうか」
提督「……あぁ」
続く
ー3ー
四日、三日、二日前と何も変わることはなく艦娘や提督は自分たちの仕事をただこなしていた。
説明がある日の前日……その夜。
駆逐艦寮…ある一つの電気の消えた部屋で、三人の人影が動いている。一人は規則正しい寝息を立てて寝ている。
「私たち三人の特殊作戦部隊が明日までに反乱分子の制圧って大変だよね」
「そうとも言えないのです」
「そうだよ。一応、これも正装だから提督がこの服で説明会に出ろって言ってたから大丈夫」
「それはいいの!制圧のことだよ!」プンスカ
「私達ができるだけの力を持っているから提督さんに任されたのです」
「うん。安心できないなら他の人達が出るから大丈夫だよ」
「………そうね。ま、私達に懸かればすぐに終わっちゃうよ!」
「なのです」
「じゃ、装備の最終点検しよっか」
二人「はーい」
「まずは私から。
戦闘服・ナイトタクティクス仕様。フェイスマスクドクロペイント。コンバットナイフ二本。隠しナイフ十本。護身用拳銃二丁。短銃身散弾銃一挺。防護短盾一個。突撃銃一挺。各種手榴弾二個ずつ。暗視装置改修型一個。防弾服一着。バックパック一個。部隊専用ランタン一個。
こんな感じだよ」
「次は私なのです。
戦闘服・ナイトタクティクス仕様。フェイスマスクドクロペイント。コンバットナイフ二本。隠しナイフ十本。護身用拳銃二丁。短機関銃二挺。半自動型対物狙撃銃一挺。突撃銃一挺。各種手榴弾二個ずつ。暗視装置改修型一個。防弾服一着。バックパック一個。部隊専用ランタン一個。
なのです」
「最後は私だね。
戦闘服・ナイトタクティクス仕様。フェイスマスクドクロペイント。コンバットナイフ二本。隠しナイフ十本。護身用拳銃一丁。機関拳銃一丁。短銃身突撃銃二挺。軽機関銃一挺。各種手榴弾二個ずつ。暗視装置改修型一個。防弾服一着。バックパック一個。部隊専用ランタン一個。
だよ」
「準備完了ね」
「他にも装備はあるのですがバックパックに全て入れているのですから安心なのです」
「じゃ、行こうか」
三人は部屋をこっそりと開けて、出ていく。もう一人は気付かず寝ている。
三人は鎮守府の内陸側の倉庫に行く。既に鍵は空いており、扉を開けて入る。最後に入ったのが鍵を閉める。三人の内に一人が灯りを着ける。
三人の正体は暁型の暁を除く三人だ。その三人が来たのは戦車、装甲車、軍用車、自動二輪車などや武器が置いてある倉庫だ。外の壁には第一倉庫と書かれている。
響「今回使う車は軍用車でいいと思うけど…それでいい?」
電「良いのです」
雷「構わないわよ」
響「じゃ、電。運転よろしく」鍵ポイッ
電「分かったのです」キャッチ
雷「電が運転するの久しぶりじゃない?」
電「こっそり車の運転はしていたのです。戦車とかは最近忙しくて出来ていませんのです」
響「そうだね。最近は忙しかったね」
雷「ま、早く行って早く帰って来ますか」ガチャッ…バタム
電「なのです」ガチャッ…バタム
響「了解」ガチャッ…バタム
電「~♪」カチ…カチン……ブンブロロロロ………
雷「あ、響。シャッター開けて」
響「わかった」ピッ(リモコン操作)…ウィィィィン……
電「では、出撃するのです!」ブゥオン!!!
軍用車はヘッドライトを着けながら、夜の街へ向けて走り出す。
~街道~
雷「今回、襲撃するのはどこ?」
響「反艦娘勢力の一つだよ。ここの街で随分好き勝手やってくれたからね」
電「外出していた艦娘を射殺したとかよく声明を出していたのです」
雷「許せないわね。だから、提督が派遣したのね。後処理は?」
響「警察には今回の襲撃のことを話したら、機動隊を出してくれるみたいだし、憲兵隊も万が一のことが合っても大丈夫なように周辺の建物に狙撃班を配置しているみたいだ」
電「電は狙撃班の一つと一緒にいるのです」
響「私と雷が建物に入って一気に突撃する算段だね」
ピピピッピピピッ……
響「通信だ。こちら、特殊作戦部隊913隊………わかった。屋上から偵察して、私と雷が正面から突撃して裏口などから逃げる奴がいたら撃てるように準備しろ。通信アウト」ガチャッ
雷「狙撃班が来たのね。電は少し離れた場所から建物の中の奴らを撃ってね。狙撃班に言えば来てくれるから」
電「わかったのです。対物狙撃銃の弾は徹甲弾にするのです」
響「雷は突撃銃の銃身下に短銃身散弾銃を着けて、突撃。私は軽機関銃で後ろから援護するよ」
雷「わかったわ」ジャキン……ジャコ…
電「そろそろ着くのです。ここらで響たちは降りて、私は狙撃地点に向かうのです」
響「わかった」ガチャッ…バタム
雷「気を付けてね」ガチャッ…バタム
響と雷は歩道に降りて、歩いていく。深夜のため人通りが無い。建物には一部でしか光が灯っていない。
電は軍用車を旋回して、走っていく。
軍用車の対向車線を警察の機動隊の装甲車が走ってくる。
響「来たね」フリフリ(手を振る)
響と雷の姿を確認した警察は響たちの近くに車を停める。そして、一人の機動隊員が降りてくる。
機動隊隊長「どうも。響さんに雷さん。今回の話は聞いております。我々は目標の建物から半径百メートルに交通規制等を敷き、制圧で生き残った者たちを逮捕します」
響「ありがとう。憲兵隊の狙撃班もいるからね。安心して警備して、制圧が完了次第連絡する」
機動隊隊長「はい、よろしくお願いします」
二人は握手する。そのあと、別れて自分たちのやることのために動き出す。
響たちが百メートルほど歩いたら、駐車場付きの少し大きな建物が見えてくる。響たちはそれを確認すると街灯の光などを避けながら一つ隣の建物まで近づく。
響「ここだね」
雷「……この車。中に拳銃を入れてあるわ」
響「確固たる証拠。間違いないね」
響「オールウェポンフリー」
響たちは銃の安全装置を外す。
雷「通信機器って重い…」
背中に背負った通信機器を担ぎ直す。
響「気にしないの、それで電や機動隊と連携するんだから」
ピピピッ……
雷「通信よ。こちら雷」
電「電なのです。目標の建物の裏は広く空いていて、狙撃しやすいのです。近くの建物の屋上から裏口から出てきた奴を攻撃できるように狙撃班が展開しているのです。私の所には一人の観測兵、二人の護衛兵がいるのです。」
雷「了解。私と響は目標の建物の正面玄関まで近付けたわ。フレアをあげるからその光で作戦開始と思ってね」
電「わかったのです。気を付けてなのです」
雷「わかったよ。通信アウト」
響「じゃあ、準備が出来たみたいだから…」チャキ…スッ……バゥン………ウルルルルゥ……バババァァ……(赤いフレアが空高くあがる)
雷「ファイア!!!」
雷が扉を蹴破って、中でトランプをやっていた二人の男をまず、突撃銃で蜂の巣にする。受付の所にいた男には散弾銃の弾をお見舞いしてやる。二階を行き来する階段から防弾服を来た拳銃を持った男が複数降りてくる。
雷「響!」
響「了解。任せて」ジャキン!!!
搭載弾数三百発の弾倉を装填した軽機関銃を構える。
男たち「!?」
室内は軽機関銃特有の射撃音と薬莢が甲高い音を立てて落ちる音で満たされる。
上から降りて来た男たちの防弾服は響の徹甲弾の前には紙切れ同然。即刻射殺された。
そのころ、建物の二階では籠城しようとソファ―などをバリケードにして男たちが拳銃を構えていた。
建物は窓張りの建物。狙撃するには持って来いだ。艦娘をすぐ見つけて殺そうと考えて設計された建物がこの瞬間。男たちに牙を向くとは誰も思いもしなかった。
開けた街。目標の建物の周辺もあまり建物が無く、開けている。目標の建物から百五十メートルほど離れた建物の屋上に伏せた姿勢で銃脚を展開した対物狙撃銃を構えた電がスコープ越しに男たちを見つめる。
観測兵「電さん。攻撃準備は出来ていますか?」
電「出来ているのです。二階の奴らを吹き飛ばして、響たちに三階の主力を駆逐して貰うのです」ガチャッ シャコン シャキン
電の対物狙撃銃は銃身を通常型よりもさらに長くしており、遠距離戦で有利になるのだ。
観測兵「分かりました。攻撃を開始して下さい」
電「わかったのです」ガォン!ガォン!ガォン!ガォン!
電が対物狙撃銃で一発ずつ間隔を空けて弾を発射する。弾は男たちの頭を的確に撃ち抜いていく。男たちは撃たれたことを悟り、慌てるが逃げたところで意味が無い。なぜなら電が退路の所にいた男から射殺していったからだ。そのまま連続で男たちの頭が撃ち抜かれ、弾け散る。最後に残った男の頭が弾けとんだ瞬間、二階は静かになる。
電「完了なのです。私は響たちと合流するのです。後は任せたのです」バッ(狙撃銃を置いて屋上から飛び降りる)
兵士たち「お任せください!」ババッ(敬礼)
響「二階が静かになったね」
雷「そうだね。なら三階の頭を潰しましょう」ジャキン(全金属の両手強化クラブ装備)
響「殴り殺すってのはいいね」ジャキン(両手に全金属の棍棒装備)
雷「じゃ、ランタン点けましょ」カチ(腰にぶら下げていた円柱型の金属ランタンが紅いボンヤリした光を放つ)
響「了解」カチ(同じように光を放つ)
響「さぁ。行こうか」コツコツ
雷「了解」コツコツ
二人は三階の扉の前に立つ。
響「そうだ。防弾バイザー下げないと」ギギギ(ヘルメットから顔全体を隠す防弾バイザーを下ろす。ドクロペイント入り)
雷「わかったわ」ギギギ(同じように下ろす)
電「来たのです」コツコツ(防弾バイザーを下ろしている)
雷「あ、お帰り」ナデナデ
電「ありがとうなのです」(鉈の刃を無くし峰に持ち手を着けた鈍器装備)
響「じゃ、行くよ」バゴン!!!
響の両手棍棒で扉が砕け散る。
男たち「撃て!頭を守れ!」パンパンパン!
拳銃の弾が飛んで行くが三人は広がり、側面と正面から襲いかかる。
男「うおぉぉぉ!」パンパン!
雷「甘いわ。提督が甘えて来た時よりも甘いわ!」ブン!ゴチュ!!!(男の頭を潰す)
男「うらぁ!」パンパンパンパン!
響「当たらないね」カキンカキンカキンカキン(棍棒を回して弾を弾き、接近する)
響「終わり」バコン…メキメキメリメリ!!!(男の上半身の骨が砕け散る)
男「うわぁ!」パンパン!
電「私はここなのです」(天井から鉈鈍器を振り下ろす)
男「ぎゃあぁ!!」バキバギバキ!!!
電「完了なのです」
響「さて、頭さん」
頭「う……」タジロギ
雷「喋らなそうね」
響「そうだね。電、尋問よろしく。何してもいいから情報を吐かしてね?」
電「わかったのです。久々にやるのですから解体することになったら雷よろしくなのです」
雷「任せて」
電「そういうことなので」コツコツ
頭「ま…待て…止めろ……やめ」ガクガク
電「嫌なのです」ガシッ(頭の髪を掴み)
頭「うわ…うわぁぁぁぁ!!」ズルズル
電は頭を引き摺って、下まで降りて男たちが使っていた車に載せる。電は腰にぶら下げていた多種多様な奪った鍵から車の鍵を出す
電「では、行くのです」ガチャ…バタム
響たちは既に下に下りていて電を見送る。
響「気を付けてね」フリフリ
雷「また、必要が合ったら呼んでね」フリフリ
車は鎮守府に向けて走っていく。
響「私達も帰りますか」トテトテ
雷「はーい」トテトテ
響たちは軍用車に乗り、鎮守府に向けて走っていく。
続く
ー4ー
鎮守府に向けて白いワゴン車が一台、街道を走って来ている。そして、鎮守府の外壁の検問の所で止まる。憲兵が出てきてワゴン車に窓を開けるように指示する。運転席がスモークガラスだから見えないのだ。運転手は窓を開ける。
電「私なのです。反艦娘勢力の一つの頭を連れて来たのです」
憲兵「あぁ、電さんでしたか。お通りください」スッ
検問の金属バリケードが稼働して道が通れるようになる。
ワゴン車が中に入り、敷地を走っていく。しばらくすると街道から軍用車が四台列を作って走ってくる。外で警備していた憲兵がそれを確認すると、検問所に指示を出す。検問所は金属バリケードを稼働させて道を開ける。そこを雷が運転している軍用車が先頭の車列が中に入っていく。憲兵たちは敬礼をしてそれを見送り、全車が入ったら金属バリケードを稼働させて道を閉ざす。外にいた憲兵も検問所に入る。
~??~
薄暗い比較的大きな部屋に向けて、誰かが歩いてくる。そして、扉を開け電気を点ける。電気を点けたのは電だ。そして、この部屋は電が提督に頼んで作ってもらった専用の拷問部屋だ。
警備兵「電さん。頭を連れて来ました!」ズルズル…
頭は気絶したままだ。
電「ありがとうなのです。あそこの中央にある椅子に連れて行ってください」ユビサシ
警備兵「了解です!」ズルズル…ドスン
警備兵「椅子に載せました!」ババッ(敬礼)
電「ありがとうなのです。退室して構わないのです」
警備兵「はい!」
警備兵は走って部屋から退室する。
電「さて…始める前に着替えるのです」トテトテ
電は更衣室の扉を開け、中で拷問にいつも使っている白いエプロンを着る。服は長袖、長ズボン、長靴、手袋、防弾マスクを着ている。
電は扉を開けて部屋に戻る。
頭はまだ気絶している。電は椅子にある手首足首を固定する枷を閉める。
電「起きるのです」(脛を蹴る)
頭「……!?ぐわぁ!」(目が覚める)
電「よくもまぁ眠れたものですね」
頭「な…なんだここは!おい、離せ!」
電「うるさいのです。お前は捕まっているのです」ハァ…
頭「この化物が!お前らなど人間などではない!」
電「うるさいのです。さっさと黙るのです」ドスン!(頭の太腿にナイフを突き刺す)
頭「うわぁぁぁぁ!」絶叫
電「うるさいのです」バキッ(顔を殴る)
頭「う!」
電「質問に答えるのです」イライラ
頭「!」コクリ…
電「やっと黙ったのです。では、質問するのです。お前の部下は艦娘たちを殺したことがあるのですか?」
頭「………ある」
電「次の質問です。どこの鎮守府の艦娘ですか?」
頭「……ここから少し離れた小さな鎮守府の艦娘だ」
電「そこの鎮守府は今、艦娘の扱いが最悪と評価されていますか?」
頭「……世間だとそうなるが俺たちからすれば当然だと思う」
電「質問です。お前は私が誰か分かりますか?」
頭「……艦娘としかわからん」
電「ありがとうなのです」
頭「……解放してくれるのか?」
電「…なに寝惚けたことを言っているのですか?お前は用済みなのです」ガコン
頭「……お…おい……それはなんだ?」ガクガク
電「錨も知らないのですか?」
頭「……ま…まさか!」
電「…うるさいゴミは嫌いなのです」スッ……
頭「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
部屋に断末魔が響き渡るがそれを聞いた者は誰もいない。
~憲兵待機所~
憲兵A「なぁ」
憲兵B「ん?どうした?」
憲兵A「電さんっていつも反対勢力の親玉とかを連れて来て、部屋に連れていっているけどあの部屋はなんなんだ?」
憲兵B「あれは電さん専用の拷問部屋なんだ」
憲兵A「え!そうだったのか?」
憲兵B「そうだ。提督が作ったしな。余程信頼されているようだ」
憲兵C「あの三人は提督が鎮守府に来た時の秘書艦とその後すぐに来たここの鎮守府一番の古株だ。しかもあの三人は特殊作戦部隊として提督の裏の命令を実行する主力部隊だからな」
憲兵A「うおぅ!びっくりした。突然出てくるなよ……というか本当なのかそれ?」
憲兵C「本当だ。お前はまだここに来て日が浅いからな」
憲兵B「特殊作戦部隊の第一部隊って話だったが……本当とはな」
憲兵C「まぁ、本当に提督の信頼が厚いんだろうな」
~暁型の部屋~
響「暁。今日のヒトフタマルマルから説明会があるから早めに起きて」ユサユサ
現在マルロクマルマル。
暁「うぅぅん………」ムニャムニャ
雷「ほら、早く!」ユッサユッサ
暁「………は!」
暁「点呼に遅れる!」バッ
響「今日の点呼は無いよ。各部屋の代表が提督に報告したから」
暁「あ…そうなの……って誰!?」
響「あぁ。そうか、私は響だよ」(ドクロペイント入りバイザーをあげる)
雷「私は雷」(同じようにする)
ガチャリ
赤黒い染みがこびりついた白いエプロンを着た防弾マスクを着けた人が入ってくる。(手にはノコギリ)
暁「ひぃ!」ガクガク
雷「あ、電。暁がびっくりしているから…」
電「ごめんなさいなのです。今日はこの格好で参加するのです」
響「そうなのかい?わかったよ」
暁「……い…電…?」
電「そうなのです。暁」
暁「あ、そうなんだ」
電「おはようございます」
暁「う…うん、おはよう」
雷「朝ご飯食べに行こ」
響「そうだね」
暁「うん、行こっか」
電「行くのです」
四人は食堂に向けて歩いていく。
続く
~食堂~
ガヤガヤワイワイ
暁「いつも以上に賑やかだわ」
響「しょうがないと思うよ」
グラーフ「む、913部隊の副隊長の響殿ではないか」ババッ(敬礼)
響「あぁ、今はそんな畏まらなくていいよ」
グラーフ「了解です」スッ
暁「………響ってすごいんだね」
響「本当は暁も仲間にする予定だったんだけど提督が暁に危険なことをさせると俺の精神が磨り減るって言ってたよ」
暁「………あなたたちが出ているのは精神が磨り減らないの?」
響「一応、実績があるからね。たまに電に甘えているけど…」
暁「なら、私もお願いすれば仲間になれるの?」
響「実は、今回の説明の後皆を部隊に組み入れることになるの。だから、同じ部隊として活動できるよ」
暁「やった!」ピョンピョン!
響「活動できると言っても…どこに配属されるか分からないからもしかしたら一緒になれないかも…」
暁「何言ってるのよ!私はあなたたちと一緒のことができるのが嬉しいのよ!それくらい平気だわ!」
響「それを聞いて安心したよ」
雷「早く座りましょ」
暁「そうね。あれ?もうご飯が置いてある」
雷「鳳翔さんは私達側の人だったから…今日は間宮さんたちと交代して早めに朝食を準備して出したの」
暁「あ、そうなんだ」
電「遅れたのです」
暁「電、お帰りなさい」
電「ありがとうなのです」
四人は朝食を食べる。普通の焼き魚定食だ。
不知火「教官殿。おはようございます」ビシッ(敬礼)
電「おはようなのです。今日の午後までは普通に接してくれていいのです」
不知火「わかりました」
電「ごちそうさまなのです」
雷「私もごちそうさま」
響「ごちそうさま」
暁「ごちそうさま!」
暁たちは他の艦娘たちよりも早く食べ終わった。
響「…そろそろ“あっち”側の人が来るね」
暁「“あっち”?」
暁が不思議そうに首を傾げた瞬間、暁の後ろの入り口の扉が開く。
扉を開けて中に入って来たのは、
飛行場姫だった。
食堂にいた艦娘の戦闘服を着ていない者たちだけが驚愕の表情を浮かべる。
飛行場姫「教官殿。おはようございます」ビシッ(敬礼)
電「おはようなのです。あそこに朝食があるのです」スッ(指差し)
飛行場姫「わかりました、ありがとうございます」カツカツ
暁「」呆然
響「おーい、暁ー……ダメだね」
飛行場姫が座ったのは空母が座っている机の所だ。目の前に加賀がいる。
加賀「あなた……飛行場姫よね?」
飛行場姫「見れば分かるだろう」
赤城「それに…電ちゃんを教官と言っていたのはどういうことですか?」
装甲空母姫「そのままの意味だ。私達、特殊作戦部隊の最高指揮官兼戦闘指南教育教官なんだからな」コツコツ(黒い戦闘服着用)
飛龍「あれ、おっひさー」
装甲空母姫「久しぶり。元気だった?」
飛龍「最近、裏仕事無くてね。元気だけど暇なの」
防空埋護姫「昨日、教官たちが反艦娘勢力の一つを潰したそうだ」
飛龍「え!そうなの!?」
防空埋護姫「えぇ、たった3人で30人程の奴らを皆殺しだそうだ」
大鳳「やはり教官の皆様はお強いですね」
装甲空母姫「電さんは久々にあの狙撃銃を使ったそうよ」
飛龍「うわぁ…見たかったなぁ~」
加賀「……どういう事ですか?」
飛龍「え?簡単な事ですよ。反対派の人達を抹殺しただけですから」
赤城「…え……?」
大鳳「教官はお強いお方ですから」
ー『???』ー
提督「……ふむ…」
その部屋には巨大な長机が置かれており、その周りを12個の椅子で囲んでいる。部屋には煙草や葉巻、煙管などの臭いが漂い、窓を換気の為に開けているがそれも幸をなしていない。
椅子には、誰も座っていない席が幾つかあるが数人は座っている。
提督「…」ハマキヲハイザラニオシツケ
武蔵「…」キセルクワエ
夕立「…」カチッ…シュボッ……
戦艦棲姫「…」キセルスイ
木曽「…」カミン
古鷹「…」リボルバーイジリ
欧州棲姫「…」コウチャヲノミ
瑞鳳「…」クロスボウセイビチュウ
南方棲戦姫「…」アシヲクミ
今、座っているのは9人。提督を筆頭に長机の先端の椅子に座り、その机の両端を残りの艦娘5人、深海棲艦3人で座っている。しかし、提督に近い3つの席は空いたままだ。
提督「……報告を」
戦艦棲姫「分かったわ。私の方で出している前線偵察艦隊からの報告で提督の話に出ていたと思われる艦隊と交戦、その戦闘において確認出来た限りでは駆逐艦クラスの艦娘だけで編成されており、装備も良いものとは言えなかったわ」スクッ
古鷹「…その子達の鎮守府が所謂ブラック鎮守府でしたか」ガチャガチャ
南方棲戦姫「…提督。情報源は?」
提督「……友人、そして潜水隊だ」
武蔵「…Codeseriesは?」
提督「…Code[GLAY]…」
夕立「シオイちゃんの所なのね、安心できるっぽい」
提督「……まぁいい。部隊の再編をしなければならない。いいな?」
一同「「了解」」ガタガタ
提督「………おい」
大淀「なんでしょうか、提督…いえ、《元帥閣下》」
提督「…《例のアレ》の準備は出来ているのか?」
大淀「出来ております………しかし…的はどうされますか?」
提督「……[深海棲艦の反人類派]でいいだろう」
大淀「分かりました。運用人数が多いモノですので……」
提督「それはこちらで対処する」
大淀の気配が消え失せる。
提督「………」ペラリ
提督はある1枚の『計画書』を見る。その計画書には「陸戦型戦闘娘(仮称)開発計画」及び「フェアリーソルジャー(仮称)開発兼配備計画」と書かれている。
ー??工場ー
明石「ふむふむ。だいたい数を揃えることが出来てきましたね」ペラリ
大淀「そうですね、この数をまとめて動かすというのは大変そうですが…」
明石「そこら辺はまた対策するしかないよ、まだまだ作りたてのプロトタイプだから」
大淀「『あちら』の方はどうなっています?」
明石「艦娘とそんなに変わらないからもう実戦投入できる程までのレベルにすることが出来たわ」
大淀「上々ね。提督には言っておくから『こっち』の方の整備をよろしくね」カツカツ
明石「お任せあれ〜」ヒラヒラ
明石「さ、『妖精兵』の一日でも早い配備を目指しましょうか」
明石「まぁ、『こっち』の方が先だと思うけれどね?」
明石が見つめる格納庫の先には全長1㎞もある巨大な漆黒の箱。材質は鋼鉄や艤装の素材でできており、多くの妖精が整備をしている。その箱のある格納庫の天井にはクレーンにぶら下がった2門の大口径の主砲がある。また、箱の先頭と思われる場所には椅子のような物がついている。
明石「『試作型深海棲艦専用大規模戦闘型艤装』ね、提督もすごいものを考えるね」
明石はそのまま部屋の電気を消して歩いていった。
明石が廊下を歩いていると憲兵の1人と出会う。
明石「あ、どうもです」
憲兵「はっ!どうされましたか?」ビシッ
明石「あなたはあの「試作型」のことは聞いたことがある?」
憲兵「私ですか…そういえばあれと似たような物が何処かの海域に出現しただとかで大本営が慌てていましたね」
明石「え?それは本当?」
憲兵「えぇ…ですが、それの対処は『第1派遣鎮守府』とかいう場所に任されたそうですが……」
明石「いえ、提督に聞いてみてそれが何か聞いてみるわ」
憲兵「はっ!」ビシッ
明石は急ぎ足で提督がいるであろう食堂に向かっていく。
〜食堂〜
提督を含め、話し合いをしていた9人が食堂に入る。
全員が豪華な装飾が施されたコートを肩にかけ、黒い軍服に身を包んでいる。その後ろには武装憲兵隊が護衛として歩いている。
その光景は圧巻であり、事情をまだ知らない艦娘達は驚きが隠せていない。
また、戦闘服を着ていた艦娘達は立ち上がり敬礼をする。
武蔵が提督の方を見て、アイコンタクトをした。
武蔵「休め、食事を続けて構わない」
武蔵の言葉を聞いた戦闘服を着ていた艦娘達は座り、食事を再開する。その後に他の艦娘達が再開する。
提督が向かったのは奥の席で、12人座れる大きなテーブルの場所であった。
提督達も食事を始め、他のテーブルではいろいろな話がされている。
伊19「食堂って禁煙だったっけ?」ガタ
伊8「確か違ったはずよ。でも、あそこに喫煙スペースのマークがあるからあそこらへんよ」
伊58「行くんだったら私も行くでち」ガタ
伊19と伊58は席を立ち、喫煙スペースまで歩いていく。喫煙スペースは外に行ける扉があり、2人はそこを開けて外に出る。
すでにそこには先客が何人かいた。
憲兵隊の大隊長と武装憲兵隊の大隊長、伊勢、日向、伊401が煙草を咥え新しく入ってきた伊19と伊58を見る。
憲兵大隊長「おや、お客さんですか…」スゥッ
武憲大隊長「はっはっはっ。今日は説明会ですが、ここには『事情』を知っているものしかおりませんからな」
伊19「お久しぶりです、大隊長さんたち。最近はどうです?」
憲兵大隊長「大本営の暗部からもらった仕事がやっと終わったのでね、こちらにいるんですよ」
伊58「伊勢さんと日向さんはなにしていたでち?」
伊勢「ん?あぁ、仕事があってね。ついさっきまで大本営にいたのさ」プハァ
日向「提督の『友人』にあってきたんだよ、なかなか強そうな方たちだったよ」スゥッ
武憲大隊長「私も伊勢殿と日向殿に同行しておりましてね…関東方面の元帥によろしく頼むと言われましたよ。あの方たちの配属は関西でしたな」
伊401「私はやっと偵察任務が終わったからなぁ…疲れたよ〜」ムギュゥ(伊58に抱きつく)
伊58「お疲れでち、シオイちゃんの偵察していた鎮守府はどうなるんでち?」
憲兵大隊長「私は知りませんな…」
武憲大隊長「提督の友人方に変わるそうですぞ、憲兵大隊長殿。しかし、九州方面の元帥は我々の『計画』を知らないらしいそうですな」
伊勢「『計画』か。それは確か『深海棲艦側に渡した量産兵器の試作型』だったかな?九州方面と四国・中国方面の元帥が慌てたとか噂で聞いたな…」
日向「そもそもがその話自体、関東・関西・中部方面しか知らないはずだ」
伊401「東北・北海道地方も知らないよ。ただ、怪しんでいる節はあるみたい」
伊19「今日の説明会はなにをするんだろう?」プハァ
伊58「時間にならないとわからないでち、でも響さんが言っていたのだと部隊の再編があるらしいでち」プハァ
伊勢「ん…?そろそろ終えた方がよさそうよ」グシャリ
日向「わかった、戻るぞ」
憲兵大隊長「おう、よっこいしょっと…」ギィィ
武憲大隊長「うぃ〜…」ギィィ
伊401「よっと」スタッ
伊19「でち、吸えた?」
伊58「満足分はしっかり吸ったでち」
伊勢「提督はと…」ガチャ
提督は食堂のホワイトボード付近の椅子に座っており、机の上の報告書や書類に目を通している。その近くには武装憲兵が2人立っている。
提督「…ん?あぁ、憲兵大隊長と武憲大隊長ではないか」チラリ
憲兵大隊長「はっ!提督殿、お久しぶりでございます!」
武憲大隊長「はっ!提督殿、ご無沙汰です!」
提督「休んでいいぞ、聞きたいことがあってな…」
憲兵大隊長「なんでしょうか?」
提督「大阪の鎮守府に配属された私の友人達から報告書を貰ったが……向こうの憲兵たちはダメなようだ」
憲兵大隊長「おや、それはいけませんな」
提督「そこでだが…そこの憲兵たちをここの鎮守府から派遣した特務部隊で一掃する計画だが……どうかね?」
憲兵大隊長「いいと思われます、あちらの方面隊にも牽制は入れておかなければいけませんし」
武憲大隊長「あそこの鎮守府はダメですからね……これを機に改革しましょう」
まだまだ大変拙い部分があります。少しずつ更新していきます!コメントなどを多くくだされば改善などをしていきます!この作品の艦娘や深海棲艦は原作と異なる所があります。ご了承ください。
前書きにも書いたように申し訳ありませんでした。これからはもっといいものを書けるように頑張ります。また、別の大樽提督と特殊戦略鎮守府という話を同時に更新しましたが、これは厳格提督と同じ世界の話であるため、妖精兵などの単語があったとしてもなにも問題はありません。また、今もう一つの鎮守府の話を考えていますがこれも同様であることをご了承下さい。
古鷹が、煙草なんて(T^T)
何があったんだ~?
古鷹ちゃんは元気に過ごしています。大鳳ちゃんは煙管派ですぞ~
サバゲーマンです
すごく面白かったです。提督も良い人なのかな?まだ途中しか読んでいないから~・・・たぶん、ブラック鎮守府から艦娘達を助ける物語かな?・・・まだ、艦娘の仲間居るような感じがする
では、次の更新頑張ってくださいね。応援しています。
応援ありがとうございます!次も楽しめるように頑張って更新します!
なんだか、暁が知ったら倒れる面子で制圧したなぁ。てか、ssでほとんどのところが暁ハブがおきてる気がする・・・
なるほど……
サバゲーマンです
更新ご苦労様です。やっぱり、雷、電は、仲間だったかうんうん面白いこの先、頑張ってください。応援しています。
ありがとうございます!
電さんの天井から鉈鈍器を振り下ろした光景に疑問を持った人っています?
続きが気になります!
更新頑張って下さい。応援してます。
サバゲーマンです
更新、おめでとうございます。一時もう更新しないか心配しましたよ。これからの更新を楽しみにしています。