メリー「もしもし、私メリー。今あなたの後ろにいるの。」提督「で。」
『メリーさんの電話』を基に書いたものです。
慣れていないので誤字・脱字はご容赦ください。
フタサンマルマル。今日の書類仕事を終えた提督は後片付けをしていた。
すると執務室の電話が鳴った。
提督「まったくこんな夜中に誰だよ。」
提督は受話器を取った。
提督「こちら燕鎮守府です。」
???「…。」
提督「もしもし、聞こえていますか。」
???「私メリー、今正門前にいるの。」
そう告げると電話が切れた。
提督「何だったんだ。悪戯電話なら勘弁してくれよ。」
するとまた電話が鳴ったので受話器を取った。
提督「こちら燕鎮守府です。」
???「私メリー、今玄関にいるの。」
そう告げるとまた電話が切れた。
提督「またか。こんな夜中によくやるなぁ。」
するとまた電話が鳴ったので受話器を取った。
提督「こちら燕鎮守府です。悪戯電話は受け付けておりません。」(怒)
大将「おいおい、一体どうした?ここの鎮守府はそういう対応を取るところなのか。」
提督「兄貴だったか。すまない悪いことしたな。」
大将「まったく、久々に弟の声を聴こうと電話したのに。あと昔から言っているが艦娘達の前では俺を『兄貴』と呼ぶなよ。」
提督「分かっているよ。それでどうした、声聴くだけで電話なんかしないよな?」
大将「何だよ兄貴に対して冷たくないか。」
提督「兄貴から連絡が来るとだいたいが厄介事か飲み会の誘いだからな。」
大将「まぁ合っているがそんなことを言うとはひどい弟だな。」
提督「合っているのかよ。」(笑)
大将「それは置いといて、実はおまえの言う通り厄介事があってな。それで注意してほしくて連絡したんだよ。」
提督「やっぱりか、それで。」
大将「最近ニュースになっていると思うのだがおまえの鎮守府がある町で子供を狙った殺人事件が多発しているのは知っているな。」
提督「ああ、テレビでも毎日やっているし艦娘達の間でも話題になっているからな。」
大将「それでこれは公にしていない情報なのだが、犯人が軍関係者の可能性が高いことがわかってな。」
大将「そうなるとお前かお前の鎮守府の関係者が怪しいと言われれていてな。」
提督「うわぁ~、面倒なことになっているのかよ。」
大将「おまえが犯人じゃないことは上層部を含めて軍ではありえないと言ってはいるのだが、どうも警察関係が怪しんでいてな。」
提督「やっぱり兄貴とやらかしたアレが原因である意味信頼されているのね…。」(遠い目)
大将「若気の至りって怖いよな(笑)。そのあとの母ちゃんの雷はもっとヤバかったからなぁ~。」(遠い目)
提督「状況は分かった。とりあえず疑われないよう気を付けておくよ。」
大将「くれぐれも犯人捜しは絶対するなよ。艦娘達にもよく言い聞かせておくように。」
提督「善処しま~す。」
大将「おい待て、それ全力で犯人を捕まえに行く返事だろ。振りじゃないから絶対するな。」
提督「冗談だよ。それに母ちゃんとうちの鳳翔さんに何されるかわからんし…。」
大将「本当だろうな、俺にもとばっちりがくるから本当に頼むぞ。」
提督「わかってるよ。じゃあおやすみ。」
兄貴こと大将からの電話を終え、後片付けをの続きを始めようとするとまた電話が鳴ったので受話器を取った。
提督「どうした兄貴、何か言い忘れたのか。」
???「…。」(怒)
提督「また悪戯電話か、うちはもう営業を終了したから構ってやれないぞ。」
???「私メリー、今部屋の前にいる…。」(怒)
そう告げるとまた電話が切れた。
提督「まったく本当に何なんだよ。」
気にせず後片付けをさっさと済ませ、部屋から出ようとドアに手をかけた。
提督「あれ。開かない。誰か悪戯したのか。」
ドアノブが回らない。どうやら閉じ込められた様だ。
するとまた電話が鳴ったので受話器を取った。
提督「こちら燕鎮守府です。」
???「私メリー、今あなたの後ろにいるの。」
提督が振りむこうとすると…。
………
……
…
今までの話からこの提督がどうなったかを考えると大抵は死んだかそれに等しい事が起きただろう。
しかし、この提督の場合は斜め上にいく展開になっていた。
提督を襲った者は何故か正座させられていて頭にたんこぶができている。
提督はその者の前で腕を組み仁王立ちしていた。
提督「で。」
???「…。」
提督「何がしたいの。」
???「…。」
提督「俺じゃなければ確実に仕留めれたが相手が悪かったな。」
???「…、ありえない。」
提督「何が?」
???「私達を相手にして無事でいられるなんて。」
提督「おまえが誰だかは知らんがこれが現実だ。」
~回想中~
提督が振りむこうとした瞬間に誰かが後ろから襲ってきた。
しかも相手が持っている得物は振りむき終わる前に提督に届くくらいの速さで向かっていた。
次の瞬間、鈍い音が鳴った。
そして得物で仕留められそうになった提督は傷一つなく立っていて襲った相手は頭から床にダイブしていた。
~回想終了~
そして今の状況に至る。
犯人は金髪のロングヘアーの少女だった
???「あなた人間なの?もしかして私たちと同類なの?」
提督「人を後ろから容赦なく仕留めようとする奴と一緒にするな。あと人間だから。」
???「絶対嘘よ、あの速さの攻撃を躱すだけでなく反撃できるとかありえないから。」
提督「こちとら自慢じゃないが死と隣り合わせの訓練や制裁(主に母ちゃん&鳳翔さんから)を食らってきたんだ。」
提督「あの程度の攻撃くらい躱せないととっくの昔に死んでいるわ。」
???「何それ、制裁ってバカなの死ぬの。こんな奴に私は負けたの。」(怒)
提督「うるせぇ、負けた奴が勝った奴に文句言ってんじゃねぇ。」(怒)
???「ありえない。こんなバカに負けたなんてありえない。」(怒)
提督「いい加減現実を見ろ。」(怒)
執務室のドアを誰かがノックした。
そして提督が許可を出す前にドアが開いた。
そこに居たのは顔は笑っているが人を簡単に殺せそうな程の殺気を放った鳳翔さんだった。
鳳翔「提督、今何時か分かりますか。」(満面の笑み)
提督「ほ、鳳翔さん…。」(ガクブル)
???「あわわわわ…。」(ガクブル)
鳳翔「夜遊びも程々にしないと私怒っちゃいますよ。」(満面の笑み)
提督「ハイ、申し訳ありませんでした。」(全力土下座)
???「申し訳ありませんでした。」(全力土下座)
鳳翔「それとその隣の女の子は誰ですか。誘拐でもしたのですか。」(ハイライトオフ)
隣からどうか穏便に済ましてくれと目で訴えられる。
自分も危ない状況なので仕方なく助けることにした。
提督「ええっとですね、最近この辺で事件が起きていまして彼女が一人で夜道を歩いていたので軍人としての責務を果たすため
保護しました。」
???「わ、私は塾の帰り道でこの方にここに案内されて親が迎えに来るまで待とうとしたのですが、急に親が来れなくなったので
今からこの方に家まで送ってもらうところでした。」
提督「それで世間話をしていたら盛り上がってしまいつい…。すみませんでした。」(全力土下座)
???「騒いでしまいすみませんでした。」(全力土下座)
鳳翔「もう、そういう事でしたらちゃんと言ってくれればよかったのに。深夜ですから二人とも静かにお願いします。」(ハイライトオン)
二人「ハイ…。」
鳳翔「では提督、おやすみなさい。ちゃんとその子を無事に家へ送ってくださいね。」
提督「ハイ…、おやすみなさい。」
???「お気遣いありがとうございます。」
鳳翔「礼儀正しい子ですね、では。」
そう言って鳳翔さんは帰っていった。
そしたまた二人きりになった。
二人「はぁ~。」
???「もしかして制裁ってあの人が?」
提督「あの人だけなら良かったんだが…。鳳翔さんはまだ情けがあるからなぁ…。」(遠い目)
???「ちょっと待ってよ!あの人以上がいるの。」(驚)
提督「世界は広いということだけ言っておくよ…」(白目)
???「何それ、滅茶苦茶怖いんだけど。」(ガクブル)
提督「話を戻すぞ。何故、俺の命を狙った。」
???「それは私達が生きる為に必要なことだからよ。あんたを恐怖させ殺せば私は満たされるのよ。」
提督「何だそれ、まるで人を殺す事がおまえの食事になると言うのか。」
???「正確には恐怖や絶望を食べて生きているんだけどね。でもあんたは恐怖するどころか反撃してきたから台無しよ。」
提督「知るか。おいそれと殺されるようなやわな奴じゃねえからな。」
???「それに関してはさっきの人で何となく分かる気がする…。それとさっき怒られた影響で自分の恐怖を
食べることになるなんて…。」(ガクブル)
提督「恐怖させるどころか恐怖することになったからな…。」
???「結局あんたと私の恐怖で一か月くらいは何も食べなくてもいいぐらい満腹になったんだけどね…。」(白目)
提督「ずいぶん素直に質問に答えると思ったらそういうことか。てか鳳翔さんに怒られ続ければいいんじゃね。」
???「それ消される未来しかないよね。絶対に嫌よ。」
提督「そもそもお前は何なんだ。人間じゃないとしたらもしかして深海棲艦か?」
???「私はそんなやわな奴らとは違うわよ。そうね、本当は違うのだけど似たような存在で表わすならこの国の『化物』もしくは
『妖怪』といったら分かるかもね。」
提督「オカルトな存在だってか、信じられんな。」
???「まぁそうなるわね。私達を目撃したら大抵は死かそれに等しい状態になるのだから。偶に生き延びて私達の存在を
伝えようするけど大体はオカルトとして片づけられるから意味ないんだけどね。」
提督「ならおまえにまつわる話とかあるのか?その場合名前とかあるのか?」
???「あるわよ。この国なら『メリーさんの電話』って話で伝わっているわ。」
提督「ということはお前の名前は『メリー』ってことになるのか。」
メリー「そうよ、正確には電話を使って恐怖させるのが上手くいったからその方法を続けていたらいつの間にか名前がメリーになったの。」
メリー「私達は最初名前を持たず生まれるから人間たちが付けた名前を自分の名前として名乗るのが私達の掟。」
メリー「ちなみに人形の設定は私からしたら後付けなのよね。」
メリー「さっき話した生存者が私達の存在を伝える話で自分に名前を付けさせるためわざと生かす奴もいるわ。」
メリー「そして噂が広がるとその話を聞いて恐怖する人間がいるとその恐怖を全てではないがその恐怖を食べることが出来るの。」
提督「今の話しだとドラマとか映画、書籍の題材になったら一生遊んで暮らせそうだな。そこは人間と変わらないのか。」
メリー「イメージ的には合っているけど私達の場合は人間と違って物理的には死なないの。」
メリー「存在が忘れられる事が私達にとっての死になるわ。」
メリー「だから私達はこの世界から忘れられないように認識を強くするため人を恐怖させ存在を広めるの。」
提督「物理的には死なないのに何でさっき鳳翔さんに怯えていたんだ?」
メリー「死なないは死ねないとも取れるのよ…。あとは分かるわよね…。」(遠い目)
提督「あ…。」(察し)
提督「とりあえず状況は分かった。だが俺の命を狙った事は許せることではない。」
メリー「言っておくけど私を殺そうとしても無駄なのはさっきの話で分かるはずよ。」
提督「なに、物理的に苦痛を与えることが罰ではないからな。」(手ワキワキ)
メリー「ちょっと、その手は何!?待っt…。」
メリー「イヤァァァ~。」
………
……
…
提督「よく似合っているじゃないか。」(満面の笑み)
メリー「もうお嫁にいけない…。」(しくしく)
提督「ここに新たな艦娘が誕生したな。」
メリーは無理矢理提督に白露型の制服を着せられた。
提督「白露型駆逐艦メリーというところか。白露たちに見せたいな。」
メリー「この変態!いきなり少女の服を脱がすとか何考えているの。」
提督「うちの鎮守府に所属する駆逐艦のほとんどは一緒に風呂入る仲だからな。」
提督「服着せてと頼む娘もいるからその感覚でついやってしまった。」
メリー「幼女趣味なの?身の危険を感じるわ~」(白い目で見る)
提督「心配するな、駆逐艦とは親子のように接しているし俺は子供体型には全く興味ないかry」
メリー「誰が貧相な体だゴルァー。」(怒)
その後言い争っていたら案の定鳳翔さんにシバかれました。
提督「さて、遊ぶのもここまでにして真面目な話をしようか。」(ボロボロ)
メリー「その格好で真面目と言われても。」(げんこつ怖い)
提督「これからどうするんだ?」
メリー「どうっていつも通り恐怖を集めるだけよ。」
提督「それ放置したらまた人殺しますよと言っているようなものだろ。」
メリー「生きる為に必要なので。」
提督「やっぱり鳳翔さんに…。」
メリー「それは本当に勘弁して。」(ガクブル)
提督「困ったなぁ~。」
提督は考える。自分や周りに危害が出ずにメリーが生活できる方法はないものかと。
そして自分の着せた白露型の制服が目にはいる。
提督「なぁ、恐怖する相手が人でなければいけない制約とかあるのか?」
メリー「恐怖するのだったら別に人間じゃなくても大丈夫よ。実際に今自分の恐怖で満たせてし。」(遠い目)
提督「だったらこういうのはどうだ?」
………
……
…
翌日 燕鎮守府食堂
朝、提督によって食堂に艦娘達が集められた。
艦娘「今日は何の集まり?」
艦娘「今日付で新しい娘が配属するからその紹介だって。」
艦娘「艦種は?何型?」
艦娘「それが昨日の夜に急遽配属が決まったから情報がないそうよ。」
提督「静粛に、急だが新しい仲間が配属されたから紹介する。」
提督の隣に昨夜提督を襲ったメリーが立つ。
提督「試験用艦娘として建造されたメリーだ。急な話で艦種や型式等はまだ分からない状態なのだが皆仲良くしてやってくれ。」
提督の出した答えはメリーを艦娘としてこの燕鎮守府におき、戦闘で発生する両陣営の恐怖を食べさせようとする作戦である。
私メリー。今日から艦娘になったの。
終
人物紹介
メリー
謎の存在。この作品の主人公の一人で提督を殺そうとして返り討ちに遭う。
見た目は金髪ロングヘアーの少女(人形の設定が後付けになった理由がこの容姿だったため)である。
恐怖や絶望を食べて生きている。食べると表現しているが恐怖が無くなるわけでなく対象の恐怖を感じることで満たされる。
対象の恐怖をさらに増大させようとするため対象が最終的には『死かそれに等しい状態』になると語っている。
どんなことをしても物理的には死なないが、世界が自分を認識しなくなる事(主に存在を忘れ去られるなど)が彼女や同胞達の死となる。
提督
燕鎮守府の長でこの作品でもう一人の主人公。階級は中佐で約30人の艦娘を従えている。
電話してきた大将とは実の兄弟で次男である。昔兄と深海棲艦に対して白兵戦で勝利したことがあるが、
母親と鳳翔の前では兄共々頭が上がらない。
緊急時でない限り仕事をさぼってのんびり艦娘達(特に駆逐艦や軽巡)と戯れているがその日の仕事はその日のうちに
終わらせるので意外と有能。
堅苦しいのが苦手なのでフレンドリーな鎮守府を作ろうとしている。
鳳翔
提督の補佐役。実は燕鎮守府の所属ではなく中央から監視という名の世話係として派遣された艦娘である。提督や大将の母親と
深く関わりがあるらしいが…。
普段は優しく頼りになる母的な存在だが、劇中の説明通り怒らせてはいけない強さで提督と大将はもちろん艦娘達(特に戦艦・空母勢)の
恐怖の対象である。
軽空母なので普段は艦載機で戦うが深海棲艦相手に殴り合いして倒したこともあり、深海棲艦からも要注意艦娘とされているほど。
他の鎮守府の鳳翔と違い家事全般はしっかりこなせるが料理だけ壊滅的な味音痴なせいで下手である。
ここでこの話は一旦終了します。
続編は書くかは気分次第なので分かりません。
メリーさんの羊
サバゲーマンです
初めまして更新、おめでとうございます。「メリーさん」かたしか都市伝説の一つでしたね。あれ?学校の七不思議どっちだっけ・・・まぁ、良いかこれからの更新楽しみにしています頑張ってください。
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続いたらよっぽどやないと
蛇足になりそう
うまくまとまってるし
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