あるかもしれない泊りの一幕
千歌「え、今日、梨子ちゃんの家でお泊り会するの?」
曜「うん!千歌ちゃんも一緒にどう?」
千歌「んー、お家の手伝い終わったら行けるかも!」
曜「そっかー。じゃあ途中から合流ね!」
千歌「おっけー!……って言うかいきなりだね。しかも、梨子ちゃんの家ってことは梨子ちゃんが曜ちゃん誘ったんだよね。……うーん、珍しい……」
曜「なんか、たまには曜ちゃんを、誘いたいんだって!わたしだけ家が沼津だから、気を遣ってくれたのかも」
千歌「もう!曜ちゃんはもっと家にお泊りしに来てもいいのに」
曜「あははっ。気持ちは嬉しいけど、ほどほどにしないと、お母さんも寂しいだろうから」
千歌「むぅ……残念〜。あ、じゃあ私が梨子ちゃんと一緒に曜ちゃんの家にお泊りしに行く!」
曜「うん!それは、いつでもウェルカムだヨーソローっ!」
梨子「2人ともおまたせ〜」
千歌「あ、梨子ちゃん!」
曜「日直お疲れ様!それじゃあ、早速!梨子ちゃんの家目指して全速前進ー!」
千歌「ヨーソロー!」ビシッ
梨子「ええっと……ヨーソロー」ビシッ
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曜「お邪魔しまーす!」
梨子「どうぞ〜。今日はお父さんもお母さんもいないから、ゆっくりしていってね」
曜「えー、そうなの?せっかくだし、挨拶しようと思ったのにー」
梨子「じゃあ、今度は居る時に誘うね」
曜「了解であります!次はいつになるかな♪」
梨子「ふふっ……さて!立ち話もなんだし、先に部屋に荷物置きに行こう?」
曜「ヨーソロー!梨子ちゃんの部屋は初めてだから、楽しみだなぁ♪」
梨子「そ、そんな期待されるものじゃ……」ガチャ
曜「おおー!ピアノだー!」
曜「いいねー!かわいい部屋だねっ、梨子ちゃんっ!」
梨子「よ、曜ちゃん!は、恥ずかしいから」アワワ
曜「このピンクのクッションやベッドが、いかにも梨子ちゃんの部屋って感じですなぁ」ニコニコ
梨子「わ、わたし、飲み物とってくるからぁ!」バタン
曜「あ、行っちゃった。……座って待ってたほうがいいよね」
曜「……うー、でもやっぱり落ち着かないー……あ、そうだ」トテテ
曜「……ここの窓から、いつも千歌ちゃんと梨子ちゃんは話してるんだよね……羨ましいなぁ」ハァ
曜「ううー、私もここでガールズトークしてみたいー!」ウズウズ
梨子「曜ちゃーん!ごめん、ドア開けてもらえないー?」
曜「はーい!了解であります!」ガチャ
梨子「ふぅ、ありがとう。とりあえず、オレンジジュース持ってきたよ」
曜「やったー!いただきまーす!んっくん……ぷはぁ!おいしー!」
曜「あ、そうだ、お家の手伝い終わったら千歌ちゃんも来るって!」
梨子「あ、そうなの?じゃあ、千歌ちゃん来たら3人でご飯作ろっか」
曜「そうだね!それまで何しよっか?……梨子ちゃんの部屋チェックとか?」
梨子「!?だ、だめ!だめだからね!」バッ
曜「えっと……冗談のつもりだったんだけど……そんな反応をされると気になるというか……」
梨子「あ……う……えっと、ち、違うの。見せられないものがあるとかそういうわけじゃなくてね?その、クローゼットの中はあんまり整理してないから……その……ね」
曜「……」ジト-
梨子「あーん!もう!本当にちがうんだってばー」ガシッ
曜「わわっ!わ、わかったであります!だ、だから、そんなに揺らさないでー!」グワングワン
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曜「梨子ちゃん、落ち着いた?」グチャ
梨子「こほん……えぇ、大丈夫よ」グチャ
ピンポ-ン
曜「あ、千歌ちゃん来たのかな」
梨子「かな?ちょっと行ってくるね」
曜「あ、その前に服なおしたほうが……って行っちゃった……」
梨子『千歌ちゃん、いらっしゃい』
千歌『遅くなってごめんねー!高海千歌、ただいま到着……って、その格好どうしたの!?』
梨子『え?…………えっ!?///」
千歌『ま、まさか……曜ちゃーーん!』ドタドタ
曜「はっ!何ボーっとしてたんだろ。は、早くなおさないと」アセアセ
千歌「曜ちゃん!!」ガチャ
曜「あ……」グシャ
千歌「…………」
曜「え、えっと……ち、千歌ちゃん?」
千歌「…………」バタン
曜「千歌ちゃーん!待ってー!」
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千歌「あんまり怒りたくないけど、2人とも危機感ってものを持たなきゃダメだよ」
曜梨子「「はい……」」
千歌「それに、私たちまだ高校生だから、節度を持った清い交際を心がけてね?」
曜梨子「「……はい?」」
千歌「??私、おかしなこと言った?」
曜「えっと……私たちべつに……」
梨子「つ、付き合ってないと言うか……」
千歌「……じゃあ、付き合ってもないのに、そんなことしてたんだ」ジト-
曜(ねぇ、梨子ちゃん、千歌ちゃん、何か勘違いしてない?)
梨子(う、うん……そんな気がする)
千歌「2人がそんな、イヤラシイ娘だったなんて……」ウルウル
曜「あのね!千歌ちゃん、聞いて!り、梨子ちゃんとその……や、やらしいことしてたわけじゃないの!」
梨子「そ、そうなの!ほんとにほんと!」
千歌「じゃあどうして、あんなに2人ともグシャグシャな格好してたの?」
曜「え、えっと……それは……」チラッ
梨子「そ、そのぉ……///」ウルウル
曜(う……梨子ちゃん泣きそうだよぉ〜……ほ、ほんとのこと言えないよね。……よし)
曜「じ、実は、私が梨子ちゃんと仲良くなりたくて、スキンシップとってたんだよ!」
曜「それで、梨子ちゃんが恥ずかしがって抵抗するから、私も意地になっちゃったの。ほんとにそれだけだから!」
梨子「曜ちゃん……」
千歌「……ほんとにほんと?」
曜「ほんとにほんと!ね、梨子ちゃん?」
梨子「う、うん、ほんとにほんとよ」
千歌「うーん……怪しいけど、お泊まり会に免じて、信じてあげましょう!」
曜「ははーっ!ありがとうございます〜」
梨子「ほっ……」
梨子「……曜ちゃん、庇ってくれてありがとう」ヒソヒソ
曜「ううん、全然!……でも、さっき泣きそうになってたところみると、ほんとに何かあるんじゃ……」ヒソヒソ
梨子「……ほんとに何にもないからね?よ う ち ゃ ん」ニコニコ
曜「は、はい……」ビクッ!
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梨子「千歌ちゃん来たから、晩御飯作ろっか。今日は、カレーにしようと思います」
千歌「わーい!カレーだー!」
曜「いえーい!私の得意料理ー!」
梨子「それじゃあ、早速やりましょ」
〜〜〜〜〜〜〜〜
千歌「2人ともやっぱり手際がいいねー」
曜「むむっ!梨子ちゃんには負けないよ!」
梨子「曜ちゃん、危ないからゆっくりやろ?」
〜〜〜〜〜〜〜〜
梨子「あとは、もう少し待ってルー入れるだけね」
千歌「この時間が一番楽しみ!早くできないかなってワクワクする!」
曜「そうだね!早く食べたいな!」
梨子「こーら、落ち着いて。もう、変なところでそっくりなんだから」
曜千歌「はーい♪」
〜〜〜〜〜〜〜〜
千歌「かんせーい!」
梨子「うん!ご飯もちょうど炊けたみたい。さ、ご飯にしよ!」
曜「待ってましたー!早く早く!」
梨子「わわっ、曜ちゃん、落ち着いて」
千歌「いい匂いー♪それじゃあ食べよう!」
曜千歌梨子「「「いただきます!!」」」
〜〜〜〜〜〜〜〜
千歌「はふぅ……おいしかったー♪」ゴロン
曜「おいしかったねー♪」ゴロン
梨子「2人とも、食べたばかりなんだから、ゴロゴロしないの」
曜「はーい……ふぅ……」
梨子「もう……お風呂沸いたら、順番に入っちゃってね」
千歌「はーい!じゃあそれまでお話ししよっ」
曜「さんせーい!なんの話しよう?」
千歌「じゃあ、この前、梨子ちゃんがしいたけに追い回されて、木に登ってた話を…」
梨子「他の話にしなさい!」
曜(すごく興味あるなぁ)
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曜「ふぅ〜♪気持ちよかったー」
梨子「おかえり〜、曜ちゃん。お布団敷いておいたからね」
曜「ありがとう、梨子ちゃん♪……千歌ちゃんはもう寝ちゃったか」
千歌「zzz」ス-ス-
梨子「お手伝いとかで疲れちゃったのかもね。んんーっ……私も少し眠いかも」
曜「あははっ、じゃあ、早めに休もっか」
曜「あ、そうだ、どうして今日はお泊りに誘ってくれたの?」
梨子「えっと、大した理由じゃないんだけど、曜ちゃんともっと仲良くなりたいなーって……あ、あははっ///な、なんだか恥ずかしいね」
曜「そ、そっか、えへへっ///じゃ、じゃあ、おやすみ!梨子ちゃん!」
梨子「うん!おやすみ、曜ちゃん♪」
曜(うー、梨子ちゃんの顔、見れないよぅ……でも、今日は楽しかったし、またお泊りに来たいなぁ)
曜「……」チラッ
梨子「ふわぁ〜……」
曜(ふふっ、おやすみ、梨子ちゃん♪)
ーー数日後ーー
梨子「…………」ペラッ
りこちゃーーん……
梨子「……?」ビクッ
??「りこちゃーーん……」
梨子「……千歌ちゃん?」ガララ
曜「あ、梨子ちゃん!」フリフリ
梨子「よ、曜ちゃん!?」
梨子「あれ?今日は千歌ちゃんの家でお泊り?」
曜「そうなんだ〜♪」
梨子「へぇ……そ、そうなんだ」シュン
曜「ごめんね、梨子ちゃん。どうしても梨子ちゃんには部屋にいてほしくて……」
梨子「???」
曜「……私のわがままなんだけど、こうやって窓越しに話してみたかったんだ♪」
梨子「な、なんだ、そういうことね」
曜「ほんとにごめんね!梨子ちゃんも一緒が一番だけど、一回だけやりたくて……」
梨子「ふふっ、そういうことなら全然大丈夫よ。どんなお話しようかな♪」
曜「梨子ちゃーん!ありがとうー!」ピョンピョン
曜「それじゃあ、まずはね!……」
曜「それでね、千歌ちゃんがーー」
千歌「…………」ジ-
梨子「ひっ……」
曜「??梨子ちゃん、どうかした?」
梨子「あ、ええっと、う、後ろ……」
曜「後ろ……」クルッ
千歌「……」ジ-
曜「わ!千歌ちゃん」
千歌「むう……」
千歌「ふん!私のことは気にせずどーぞ、ごゆっくり!」プイッ
曜「ご、ごめんて!機嫌なおして〜!」
曜「ご、ごめんね、梨子ちゃん!せっかくお話してたのに……」
梨子「……曜ちゃんは私と話すより、千歌ちゃんを選ぶの?」
曜「え」
梨子「ふーん……そっか、そうなのね……」
曜「ちょ、ちょっと、梨子ちゃん〜!そういうわけじゃ……」
梨子「……ぷっ……ふふっ…あははは!」
曜「わ!ど、どうしたの?」
梨子「もう、冗談に決まってるでしょ。ほら、早く千歌ちゃんと仲直りしてね」
曜「ほっ……こんな時に冗談とは、タチが悪いであります……」
曜「じゃあ、おやすみ!梨子ちゃん」
梨子「はーい、おやすみ、曜ちゃん」
曜「…….あ、そうだ。今度は2人きりでお泊りしようね!」
曜「じゃあねー!」
梨子「……もう///」
梨子(曜ちゃんは少しずるいです……)
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