いつもと違う朝
春香が千早の家に泊まりに来た、その翌朝のお話です
「ん……んん〜……」
小鳥のさえずりを目覚ましに、ゆっくりと上体を起こす。今日は思いのほか、よく眠れた
いつもなら、起きてすぐにカーテンを開けて、陽の光を部屋に入れるのだけれど……
「スゥ……スゥ……」
視線を落とした先にいるのは、私の横で眠っている春香の姿
「スゥ……んっ……」
「ふふっ♪」
こんなに気持ち良さそうに眠っている春香を起こすのも気が引ける。カーテンを開けるのは、春香が起きてからでいい
「先に朝食の準備ね」
いつもはジュースで朝食を済ませるけれど、今日は春香が泊まりに来ている
久し振りに、しっかりとした朝食を用意しようと、私は布団から出てキッチンへと向かった
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「ん……ん〜?」
千早ちゃんの匂いに包まれて眠っていた私の鼻を、香ばしい匂いがくすぐる。これは……コーヒー?
「ちはやちゃん?」
「あら、起きたのね春香」
部屋の向こう、キッチンにいるパジャマ姿の千早ちゃんが、2つのコップを持って微笑んだ
「朝ごはん、用意してくれたの?」
「えぇ。と言っても、ご飯じゃなくてパンだけれど」
「うん。ありがとう千早ちゃん」
お母さんに起こされるのが、私のいつもの朝。でも、今日はちょっと違う
朝食を用意してくれる千早ちゃんの後ろ姿を見ながら目覚める……それだけで、いい1日が始まる気がしてくる
「さっきからボーッとこっちを見ているけれど、まだ寝ぼけているの?」
こちらの視線に気付いた千早ちゃんが不思議そうに私を見る
「ん〜、このまま千早ちゃんの後ろ姿を見ていたいな〜って」
「もう、何を言っているのよ。もうすぐパンが焼けるわよ?」
「うん、分かった。先に顔洗ってくるね〜」
「……その前に、春香?」
洗面所に向かおうとした私を、千早ちゃんが引き止めた
「何?」
「取りあえず先に服を着なさい」
終わりです。こういった所に投稿するのが初めてなので、至らない点もあるかと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました
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