夜が嫌いな提督と夜が好きな軽巡洋艦
夜が苦手な提督と川内さんの拙い恋の物語
初めまして、早生あかねと申します。ssを書くことが初めての上艦これ初心者の拙い文章となりますが、それでもかまわない方は読んでいただけるとありがたいです。
あぁ、まただ、また夜が来る。
あの人が、あの人達が、また私を殺しに来る。
父が元恋人が自分の鬱憤を晴らすためだけに私の元にやって来る。
もう、うんざりだ・・・
[chapter1:二人の出会い]
ハッと私は目を覚ました。
そこには見慣れない天井があり、痛む体を抑えつけながらゆっくりと体を起こし辺りを見回してみた。すると、ここが医務室のような場所であるとわかった。何故こんな場所にいるのかわからず慌てていると
「あら、目を覚ましたんですね!いやー、見つかった時は酷い怪我をしていて生きているかも怪しかったんですよー、とりあえず良かったです!」
突然部屋に入って来たピンク髪の女性が話かけて来た。訳がわからず呆然としていると
「あぁ、突然知らない場所に連れて来られて驚いていますよね。ここは鎮守府にある医務室で、私は明石と言います。」
鎮守府?そういえば、最近ニュースで海の化け物に対抗する手段を海軍が見つけただのなんだの言っていたのを偶然聞いたことがある。どうやら私はそこに連れて来られたらしい。
「あの、助けて頂いてありがとうございます。私は、早生(そうせい)あかねと申します。」
明石「いえいえ、怪我人がいたら助けるのは当たり前ですから!それにしても、なんでそんなに怪我だらけだったんですか?」
あかね「っ!!」
明石(ん?)
あかね「いやっ、あのっ、それは 「助けた娘が起きたって本当ー!!!」」
明石「ハァ ちょっと川内さん!医務室に入る時は静かにしてくださいよ!しかも今は私が話ている最中です!」
川内「ごめんごめん明石。悪いとは思ってるからそんな怒んないでよー」ネッ
明石「あなたは、いつもそうなんですから少しは落ちついてください、一応怪我人の前なんですよ?しかもその話誰に聞いたんですか」
川内「青葉からだけど?」
明石「またあの人か、もういっそのことカメラ分解してやりましょうかねぇ」ハァ
川内「そんなことよりさ!この娘のことだよ!」
突然話題がこちらに向いて来た
川内「私は川内!よろしくね!」
あかね「はぁどうも、あかねと申します。」
川内「いやー私が警備で巡回してる時にさ、砂浜で倒れてるあなたを見つけてね、それにしても助かって良かった良かった!」
あかね「あっ!あなたが見つけてくださったんですね。どうもありがとうございました」
川内「いいのいいの、気にしないで!」
どうやらこの人達はとても明るく優しいようだった。そこで実はさっきから気になっていたことを聞いてみることにした。
あかね「あの、突然で申し訳ないのですが先ほどから私の肩に乗っているこの娘は、なんなのですか?」
そう、私が目を覚ましてからずっとそばにいるこの娘、とても小さいが人のような見た目をしていてしかも空中に浮かぶことができる。自分の目がおかしくなったのだと思い聞けずにいたのだが先ほどから話ている二人を見ているとこの娘に気づいているようなので思いきって聞いてみたのだ
明石「えっ!この娘が見えてるんですか?本当に?」
あかね「え、えぇ目が覚めてからずっとそばにいてくれてましたし」(なんかすごい興奮してて怖いんだけどこの人)
明石「この娘は妖精といって、提督になる素質を持った方でないと見えないんですよ」
あかね「では、私の目がおかしくなったわけではないのですね?」
明石「えぇそうですね。だから安心してもいいですよ」
あかね「あなた方も見えているということはあなた方は、提督?ということですか?」
川内「いや、違うよ。私たちは艦娘っていうんだ」
あかね「艦娘?」
川内「そう、艦娘。海から来る深海棲艦って奴らを倒す兵器のような存在なんだ」
あかね「えっ!とても可愛らしい人達だと思ってたらそうじゃなかったんですか!?」
川内「可愛っ///「ゴホンゴホン」あっ、いやっ、そ、そうだよ私たちはそこにいる妖精達によって作られているんだ」
あかね「そう、なんですか。でも、やっぱり同じ人間に見えますよ」ニコッ
川内「わ、私、次の任務があるからもう行くね!明石後は任せた!」
明石「あ、ちょっと、もう仕方ない人ですねぇ」
あかね「あんなに顔を赤くして、何か失礼なことを言ってしまったのでしょうか」ハァ
明石「大丈夫だと思いますよ。多分急いでやらなければならないことでも思い出したのでしょう」
あかね「そうなんでしょうか」
明石「そうですそうです。あっそれと急いで上に報告しなければならないことができたので私も行きますね。何かあればその妖精に伝えてください」
あかね「わ、わかりました。あ、後それと何度も言うようですが、助けて頂いてありがとうございました」
明石「いえいえ、お気になさらず、では」
そう言って彼女は部屋を出て行った。残ったのは私と妖精だけ、とりあえず私は体力を回復させるために眠ることにした。ここには、夜の魔物が来ないことを願って・・・
[川内視点]
私が海上の夜間警備をしている時、砂浜に何か動くものが見え、不審に思い近づいてみるとどうやら人のようだった。
夜間に一人でこんな場所に居ることが気になり様子をうかがっていると、突然前のめりに倒れたので慌てて助け起こすことにした。
顔は長い髪と暗さのせいでわからなかったが、全身に酷い痣があり、危険だと判断したので急いで抱えて鎮守府に帰ることにした。
到着してすぐに明石のもとに向かった。
川内「明石いる!?」
明石「なんですか!こんな時間に叫ばないで下さいよ!」
川内「砂浜で倒れてる人見つけたんだけどみてやってくれない?」
明石「は!?」
川内「ちょっと提督のとこ報告に行って来るからよろしく!」ノシ
明石「ちょっ!もう少し説明してから行ってくださいよーーー!!」
とりあえず怪我人は明石に押し付け、私は提督の元へと向かった。
ドア 「コンコン」
「こんな時間に誰だ、それと何の用だ」
川内「川内です。報告に来ました」
「ん?帰って来るにはまだ早いが。まぁ、いいか。いいぞ入って来い」
川内「失礼します」ガチャッ
「どうした、なんかあったのか?」
川内「夜間警備中に倒れている人を見つけ、その状態が危険だと判断したので、任務を切り上げて報告しに参りました。」
「ハァ、ここにあまり面倒ごとになりそうなものは、持ち込まないでほしいんだがなぁ」
川内「すいませんでした」(チッ)
この人はこの鎮守府の提督で、私は正直気に食わない。
私たちの扱いは俗にいうブラック鎮守府ほど酷くはないが、それでもやはり良い扱いはされていない。
それは、この人は自分の評価しか気にせずそれ以外は無関心で、自分にとって『有益』か『害悪』かでしか判断しない。
よって私たちは多分『有益』だと判断されたのだろう、ストレスの捌け口にはされないが必要最低限しか接することはなく、ただ自分の評価を上げるための道具として使われている。
提督「まぁいい、で、今そいつはどうなっている」
川内「明石に引き渡して治療中です」
提督「連れて来てしまったのは仕方ないが、私はその件とは無関係としてもらう。何かあった場合はそちらで責任をとってもらうぞ」
川内「わかりました」
提督「では、もう下がっていいぞ」
川内「失礼しました」ガチャッ
提督への面倒くさい報告も終わったので明石のもとへ様子を見に行くことにした。
書いている途中で夜嫌いという設定が自分のなかでめちゃくちゃ難しいと知りました。
とりあえず頑張ります。
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