エレンとクリスタ「お菓子の家の戦い!」
初投稿です!
あの有名な童話を進撃の巨人のキャラが
やったらどんな話になるかを考えて
勝手にキャスティングしたパロディ作品です。
完結するまで頑張りたいので、
生暖かい目で見守ってくれると嬉しいです。
単行本16巻までのネタバレが入っています。
第一章[捨てられた子ども逹 ]
昔々あるところにウォールマリア国という国があり、その中シガンシナ地方の
とある村に双子の兄妹が両親と一緒に住んでいました。
男の子はエレン、女の子はクリスタといいます。
エレン「クリスター早く来いよ、今日こそ森を探検しよう!」
クリスタ「待ってよーエレン!」
エレン「早くしないと父さん達に見つかっちゃうだろ」
グリシャ「私がいると何かまずいことでもあるのか?」
エレン「だって父さん達に子どもだけで森に行くって言うと怒られるだろ……………。あれ………父さんいつからそこに…………?」
グリシャ「5分ぐらい前からいたぞ」
エレン「いや……これはあくまで例えばもしもの話で………」
カルラ「エレン!ダメだからね!森に勝手に入るなんて!」
エレン「かっ、母さんいつからそこに!」
カルラ「5分ぐらい前からいたわよ!」
エレンとクリスタは優しい両親に見守られて幸せに過ごしていました。
しかし一年前に悲劇が起こりました。
優しかったカルラ母さんが病気で亡くなってしまい
父さんと子ども達は大変悲しみました。
しかしそれだけではありません。
グリシャ「お前たちこっちに来なさい……この人がお前たちの新しいお母さん
になる人だよ」
エレクリ「えっ」
継母「……………」
その日から兄妹の生活は一変しました。
継母「お前達!さっさと水汲みにいくんだよ!」
クリスタ「お母さん………」
継母「あたしはあんたらの母さんじゃないよ!触るんじゃない!」ガンッ
クリスタ「うっ!!」
エレン「クリスタに何するんだよ!」
グリシャ「エレン!何で母さんにつかみかかっているんだ!
母さんに謝りなさい!」
エレン「でも」
継母「まったく野蛮なガキだよ」ドン!
エレン「くそっ…」
それからしばらくたったある日のことです。
シガンシナ地方ではかつてない程作物が取れず大規模な飢饉に見舞われました
ある夜、継母は父親のグリシャに相談を持ち掛けました。
継母「ねぇあんた…」
グリシャ「ん?なんだい?」
継母「このままじゃ私たちは四人共飢え死にしちまうかもしれないよ。」
そうなる前にあの子達を森に置いて来てしまおうよ!」
グリシャ「なんだって!あんなところに置去りにするのかい?」
継母「あの森は深いからね、簡単には帰ってこれまいよ。
だけど別に殺すわけじゃないから運が良ければそのまま生き延びられるかもし
れないよ。このまま全員死ぬよりはいいだろ」
グリシャ「しっ……しかしなあ…」
次の日、グリシャは二人の子ども達を呼び寄せました。
グリシャ「お前たち、今日は昼から森に行くぞ」
クリスタ「昼から?」
エレン「ほ…本当に?……でも…」
グリシャ「どうしたんだ?そんなに驚いた顔をして」
エレン「だって父さん子どもが森に入るなっていつも言っていたじゃないか?
森には怖い狼がいるんだって言って……」
グリシャ「と…父さんと母さんと一緒に行くから大丈夫なんだ」
エレン(あの父さんが急に森へ行こうなんて何か変だな。それに
何で新しい母さんはあんなに嬉しそうなんだ?ひょっとしたら…)
そして昼、時間になってもエレンはどこかに行っていてなかなか戻って来ませんでした。
継母「まったくエレンは遅いね!何をやっているんだい!」
クリスタ「わっ、私呼んで来るね」
タッタッタッ
エレン「父さん、母さん、クリスタ待たせてごめんなさい!」
継母「全く今呼びに行こうと思っていたんだよ」
エレン「はい!本当にごめんなさい」
クリスタ(どうしたんだろうエレン?いつもより素直だ)
グリシャ「二人に昼ごはんのパンを渡しておこう。大事に食べるんだよ」
エレン「………」
エレンとクリスタは両親と一緒に森に入りました。森の中は大きな木が
生い茂っていて昼間でも薄暗く不気味です。
クリスタ「怖い、何か出てきそう」
エレン「この辺はでっかい木がいっぱい生えているからな、村の人達からは
巨大樹の森って呼ばれてる」
グリシャ「さあ、このあたりでいいだろう。父さん達はあっちで木を切って
来るからお前たちはここで待っていなさい。」
エレンとクリスタは言われた通りに待っていると確かに両親が近くにいる気配
がして木を切る音が聞こえてきました。
二人はそのままずっと待っていましたがすることもないのでいつの間にか
眠ってしまいました。
クリスタ「……レン……エレン起きて!もう帰らないと日がくれる」
エレン「……はっ……父さんと母さんは!?」
クリスタ「それが…いないのよ、どうしよう」
回りを見るとほとんど日が沈みかけていました。
もう森は暗くなっていました。
クリスタ「お父さんとお母さんはいつ来るのかな?」
エレン「もう来ないつもりかもしれないぞ」
クリスタ「ええっ!そんな私達どうしたらいいの?」
エレン「落ち着けよ!大丈夫だクリスタ、月が昇るまで待とう」
やがて真っ暗になった空から青白い満月が昇ると道に何か光る物が落ちている
のが見えました。
クリスタ「あれは小石?」
エレン「俺が家からここに来るまでに道に落としておいた物だよ」
クリスタ「どうしてそんなことを?」
エレン「父さん達にの様子が変だったからさ……ひょっとしたら置き去りに
されるかもしれないと思って、白い石だけたくさん拾っておいたんだ
こうして置けば目印になって迷わないよってこの前友達のアルミンがいってい
たから」
クリスタ「じゃあそれをたどっていけば私達!」
エレン「うん!家に帰れるぞ」
エレンとクリスタが家に帰りつくとお父さんはとても心配していたように飛び出して来ました。反面継母は怒っていました。
継母(何故だ?何故帰ってこれたんだ?忌々しいガキどもめ、もしもこいつらを殺す勇気が私にあったら…)
グリシャ「お前達無事帰ってこれたのかい。良かった、ああ本当に良かった」
継母「やっと帰って来たのかい!?今日は遅いからとっととねちまいな!」
その夜エレンとクリスタは寝たふりをして両親の寝室に耳を傾けていました。
継母「あんた、また子ども達を森に捨てにいこうよ」
グリシャ「もう止めよう。子ども達がかわいそうだろう」
グリシャは疲れた顔で言いました。
継母「あのガキどもは対して役に立たないしこのままだと全員
飢え死にしてしまうかもしれないだろ」
グリシャ「せっかく戻って来たんだからこんなことはやめろと
いう神様の導きかもしれないよ」
継母「何が神だい!あんたは本当に甘いね!」
クリスタ「やっぱりお父さんとお母さんは私達を捨てるつもりなんだ」
エレン「大丈夫、今日だって上手くやったんだ。次もきっと戻れるさ」
エレンは励ますようにクリスタに言い聞かせます
次の日になりました。
グリシャ「さあ今日も森に行くぞ……ん?エレンどうしてそんなに
ポケットがはち切れそうなぐらいにパンパンになっているんだ。」
エレン(や…やべ…昨日たくさんいると思って必要以上に詰めすぎた…)
グリシャ「こんなものは捨てなさい」バラバラ
エレクリ「」
エレンは変わりに昼にご飯にもらったパンをまいておきました。
昨日よりも森の奥まで行くと父さんはこういいました。
グリシャ「お前達はここで待っていなさい」
エレン「父さん…」
グリシャ「ん?どうした?エレン」
エレン「今度は戻って来てよ。俺たちを置き去りにしないでね」
グリシャ「……ああ、もちろんだ」
エレン「……スタ、クリスタ起きろ!」
クリスタ「…んぁ……いい夢見てたのに、もう絶対思い出せない」
エレン「ああそれなら俺もよく見るぞ、なんか変な巨人と
戦っている夢とか…ってそうじゃなくて!
父さん達がまたいないんだよ!」
見ると森の中はすでに真っ暗になっていて月明かりも見えませんでした。
クリスタ「そんなどうしよう。今度こそもうだめだわ」
エレン「何で…何でだよ父さん?父さんは母さんが死んでからおかしくなった
んだ…パンの欠片も見つからないし…とにかくこの真っ暗な中を歩くのは危険
だから明るくなってからまた探そう。」
二人は両親が残しておいたたき火の前で一夜を過ごし朝になったらまた歩き出
しました。
しかし家に通じる道どころかどの方角を目指して歩いたら良いのかすら
分かりません
二人は次第に疲れてきました、二時間以上も歩いたでしょうか。
クリスタ「お腹空いたね…」
エレン「ああ……」
クリスタ「私、もう歩けない…」
エレン「…少し、休もうぜ」
エレンとクリスタは脱力したように座り込みました。
クリスタ「エレンごめんね。私がいなければもっと速く歩けるのに」
エレン「..そんなことねえよ、それに速く歩けたって目的地に行けるとは限らないんだし…」
クリスタ「..私達本当に捨てられたんだね」
エレンは答えに困りました。心のどこかで父親に捨てられ
たのではないと否定したい気持ちがあったからです。
エレン「..……ああ……ん、クリスタ向こうに家が見えないか?」
クリスタ「本当だ!それになんだかいい匂いもしてきた」
二人はさっきまでの疲れを忘れて家まで走って行きました。
そして近くまで来た時に思わず歓声を上げました。
エレン「うわーっすげえ!」
クリスタ「おいしそう!」
その家は壁はクッキーやビスケットやキャンディやチョコレートなどでできているお菓子の家です。
エレン「ちょっとだけ、ちょっとだけ食べちゃおうぜ」
クリスタ「だっダメだってそんなことしちゃあ…」
エレン「ちょっとだから分かりゃしないって!」ボコォ
エレン「うまい!これは本物だ!」
クリスタ(とてもちょっとには見えないけど…もういいや私も食べちゃおう!)
二人はしばらく夢中になって食べつつけました。家の中から人が出て来たのに
も気がつきませんでした。
ロッド「誰だ?人の家をかじっているのは?」
エレクリ「ごぶぉ!」(や…やべっ)
エレン「あ…あの(ゴクン!)僕ら森で迷って…家が見えたから…」ウルウル
クリスタ(あれは多分嘘泣きだろうな…)
ロッド「何かよっぽどの事情があるんだね。まあ中に入りなさい」ガチャ
このお菓子の家はロッドという魔法使いの家でした。
エレン「実は僕たち、かくかくしかじかで…」
ロッド「そうかいわゆる口べらしか、それは大変だったね。
。しかしそれでは家に帰ってもまた捨てられてしまうだろう。
両親の生活が安定するまでこの家にいてはどうかな?」
クリスタ「ここにいてもいいんですか?」
ロッド「ああ」
エレクリ「やったあ!」
その夜は二人は暖かいベッドで眠ることができました。
クリスタ「親切そうな人で良かったね!」
エレン「でも何かうさんくさそうな感じもするんだよなぁあのおじさん」
クリスタ「もうエレンったら考えすぎだよ」
エレン「そうか?何でこんな森の中に住んでいるんだろうなぁ…てクリスタの奴
もう寝ちまってる…俺ももう寝よう」
エレンとクリスタは疲れもあってぐっすりと眠り込んでしまいました……
その夜二人は夢を見ました。奇妙な男が話しかけて来る夢です。
???「お前らは明日何してる。明日も十分な睡眠をとれていると思うか?
隣にいる奴が明日も隣にいると思うか」
エレン「お前は誰なんだ?」
クリスタ「どういうこと?」
???「すぐににげないと大変なことになる」
エレン「おい、それはどういうことなんだよ」
エレンはその男を追いかけて行きました。もう少しで顔が見えるという時に
突然エレンはすごい力で引っ張られ目が覚めました。
エレン「うわあっ?何だ!?」
見ると自分は引きずられてどこかに連れて行かれるようでした。引きずってい
るのは昨日優しかった魔法使いのロッドでした。
エレン「は…放せよ。何するんだ!?」
ロッド「いいからこっちに来るんだ」
エレン「そんなに強く引っ張ったら服が破れちゃうだろ!」
ガチャンッ!
エレン「あーあ少し伸びちまってる。服は貴重なのに」
ロッド「………」
エレン「新しい母さんが来てから服を買ってもらえなくなったからなあ」
ロッド「………おい」
エレン「破れてなくて良かったけど服って伸びても元に戻せるのかな?」
ロッド「…服より自分のことを心配したらどうだ?」
エレン「えっ?」
言われてみて初めてエレンは辺りを見渡しました。エレンは薄暗い部屋の中に
閉じ込められていました。窓と入り口には鉄格子がはまっています。
エレン「ここどこ?」
ロッド「見ての通り地下牢とだけいっておこうか」
エレン「つまり地下の牢屋?……って何で俺をこんなところに入れる
んだよ!早く出せよ!」
ロッド「悪いがそういうわけにはいかないんだ」
クリスタ「エレン!」
いつの間にかクリスタも起き出して来たらしく青ざめた表情で駆け寄
した。
エレン「クリスタ逃げろ!こいつやばいぞ」
クリスタ「何で…どうしてこんなことをするの?」
ロッドは不気味な笑顔を浮かべて言いました。
「まだ分からないのかい?私は本当は悪い魔法使いなんだよ」
エレンとクリスタは驚きに目を見開きました。
「そもそもこの家は」ロッドが続けます。
ロッド「私が子どもを誘き寄せるためにわざわざ作ったんだ」
このご時世皆飢えているし、ましてや子どもは甘いものが好きだからな
まあ例えてみればゴキブリホイホイのようなものだな」
エレクリ(や……やなたとえだな)
エレン「俺らを捕まえて一体どうしようってんだ」
エレンが鉄格子越しに睨み付けながら言いました。
ロッド「…今から随分昔魔女や魔法使いは酷い迫害を受けていた。
殺されることも少なくなかった。」
エレクリ「??」
ロッド「今はそこまででもなくなったものの数少ない魔法使いの家系は今まで
も迫害を受けることが多い。私もそれが元で妻にも逃げられあげく山奥に隠れ
て過ごさなければならなくなった。」
ロッド「しかしこの森では食べられる動物はあまりいない。私は魔法で肉類を
出すことはできない。元素が違うからな。何より人間の子どもを食べれば高い
魔力を身につけることができると言われている」
エレンとクリスタはぎょっとなりました。最後まで聞かなくてもわかりました
とんでもないことになってしまいました。親切そうに見えた魔法使いは実は
恐ろしい人喰いだったのです
かわいそうな二人はどうなってしまうのでしょうか
第二章 籠の中の鳥
捨てられた先でたどり着いたお菓子の家でであったのは恐ろしい人喰いの
魔法使いのロッドでした。ロッドはエレンを閉じ込め、クリスタに家の仕事の
手伝いさせています。しかも時期が来たらエレンを食べる気なのでした。
クリスタ(どうしよう、どうしよう、このままだとエレンが食べられて
しまう。エレンを連れて逃げたい…けれど鍵はロッドが普段は肌身離さず
持っているし…寝る時は部屋にさらに鍵がかかっているから取れない
……唯一外す時は料理する時に台所のテーブルの上に置くときがあるけど……
いや、ダメだ。それを取ったら一目でわかるし台所から地下牢までは遠すぎる…
…失敗したら元も子もない……)
クリスタはロッドの料理や掃除の手伝いをしながら必死に考えていましたが
なかなかここから逃げる良い方々が思い浮かびませんでした。
いや本当はクリスタの頭の中にはもう二つ考えが浮かんでいました。
1つは自分だけ家から逃げて助けを呼んで来ることです。が
正確な帰り道が分からないのでまたさまようことになってしまいます。
その間に、一人逃げ出したことに気がついたロッドはすぐにエレンを殺して
しまうでしょう。
そして……もう1つはロッドと戦い鍵を奪うことです。
しかし、心優しいけど気の弱いクリスタは決心がつきませんでした。
幸いなことにロッドすぐにエレンを食べる気はないようだったのでクリスタは
様子を伺う日々が続きました。
一方エレンもなんとか逃げ出そうとしていました。
エレン「こんなところに閉じ込めて、飯だけは与えて時期が来たら
食べられるなんてまるで家畜じゃないか…ちくしょう!
こんなところで死ねるか!」
一日中逃げる方々を考えていましたが良い考えが浮かびません
そのうちロッドが牢屋をのぞいてこういいました。
「エレン指を出すんだ、どのくらい太ったか見るから」
エレン(げ!太ったと思ったら俺を喰う気だな
誰が素直に言うとおりにするかよ……そうだ、こいつを使って…)
エレン「わっ、分かりました。」スッ
エレンは指の代わりに食事についてきたストローを差しだしました。
クリスタ(えッ!?いくら何でもそれはばれるんじゃ…)
こっそり二人の様子を伺っていたクリスタはヒヤリとしました。
ロッド「全く太っていないな、いや前よりもやせているようだ」
クリスタ「え」
実は魔法使いロッドはとても目が悪かったので、エレンが指を出していない
ことがわからなかったのでした。
クリスタ「何とかごまかせた…のかな?でも私もこんなところにいるのが
見つかったら大変だ。早く持ち場に戻らないと」
クリスタは急いで地下牢の階段をかけ上がって廊下に出るとどこからか
コンコンと物音がしました。
クリスタ(い、いまどこからか物音がした!?ロッドはまだ戻って
来てないし外からだと思うけど誰かいるのかもしれない!
助けが呼べるかも!)
クリスタは窓に駆け寄ろうとしましたが少しぞっとしました。窓の外から
ちらりと見えたのは明らかに子どもの手だったのです。
クリスタ(あの魔法使いはこの家を子ども逹をおびきよせるために
作ったって言っていた…とすると前にもここで閉じ込められて
殺されて死んだ子もいたのかもしれない)
だとするとその子どもはもしかしたら幽霊かもしれません。
クリスタ「だけど…生きている子だったら逃げるように言わなきゃ」
クリスタはどきどきしながら窓を覗きました。
二週間が立ちました。檻の中のエレンはぐったりとしていました。
エレン(ううっ…一体何日たったんだろう。ストローは今のところ
ばれてないけど時間の問題だ、体や頭が痛いしぼーっとしてきた)
普通の子どもならとっくに参ってしまっているような過酷な
状況ですが心の強いエレンは何とか耐えていました。
しかし緊張と閉じ込められているストレスで疲れはたまっていきます。
エレン(クリスタはどうしているんだろう……)
エレンがぼんやりと考えた時誰かが階段を降りて来る気配がしました。
エレン「いつも夜中にあいつが来ることはないし……
もしかしてクリスタ?」
しかしエレンの予想を裏切り降りて来たのはロッドでした。
ロッド「気分はどうだ?エレン」
エレン「な…何の用だよ」
ロッド「別に今日は何もしない、だが明日お前は食べられる」
ついにこの日が来たか
エレンは頭を殴られたような衝撃を受けました。恐怖で
体が震えるような気がしましたが何とかこらえて、ロッドを睨み付けました。
エレン「このっ、有害な獣め!」
ロッド「何とでも言うがいい、それに私だけを恨むのは筋違いと言うものだ」
ロッドはエレンを見ながらいいました。
ロッド「そもそもお前逹の父親親がお前逹を森に捨てなければ、お前逹が私と
出会うこともこんな目に遭うこともなかったのだよ」
エレン「そ…そんなの言い掛かりだ、父さんを悪く言うな!」
ロッド「言い掛かり?お前の父親は結局のところ自分と新しい妻との生活が
お前逹よりも大切だったんだろう。お前逹は結局のところ不要だったんだ。
そうでなければわざわざ二回も捨てたりしない」
ロッドは続けます。
ロッド「誰からも必要とされない子どもを道具として使おうが、
閉じ込めようが、殺そうが、咎める人間はほとんどいない。
怒ったり悲しんだりする人間がいないからだ。
そしてそんな子どもはこの世界に溢れている」
エレン「……」
ロッド「もしお前が奇跡的にここから逃げ出したとしても、帰る場所など
どこにもないだろう。恨むのならお前を捨てた父親を恨むんだな」
ロッドが去っていた後にエレンはがくりと膝をつき頭を抱えて
うずくまりました。
弟三章 反撃のこうしだ!
次の朝ロッドはクリスタを起こして料理の支度を始めました。
クリスタは今日も反抗的な態度を取ることなくロッドに従っています。
しかし、その顔はうつむき加減で沈んで見えます。
エレンが食べられる事を知っているのでしょうか?
ロッド(この子はあの反抗的な態度の男の子(エレン)と違って
抵抗らしい抵抗を全くして来ないからかえって気味が悪いな…
まあだからこそ仕事をさせてある程度自由にさせている訳だか)
ロッド「お前はかまどの火を見ているんだ。私は地下牢を見て来る」
金髪の女の子ークリスタの目がはっと見開きました。
ロッドの手には包丁が握られていたからです。
クリスタ(いよいよエレンを殺すつもりなんだ!)
思わず手のひらをぎゅっと握りしめました。
クリスタ「あの…」と、クリスタは今日自分から始めてロッドに
話し掛けました。
ロッド「どうした?」
クリスタ「かまどの火の見方が分からないんですけどどうやって
見たらいいんですか?」
ロッド「なんだお前はそんなことも知らなかったのか?私がやるから
良く見てるんだ」
ロッドがかまどの方へ大きく身を乗り出しました。
ーそうだこの世界は残酷なんだー
強い者が弱い者を喰らう親切くらい分かりやすい世界
その瞬間体の震えが止まった。私は自分を完璧に支配できた
なんでもできると思った。
戦え‼ 戦え‼ 戦え‼
戦わなければ勝てない!
クリスタは勢いを付けてかまどに身を乗り出しているロッドの背中を
思いっきり押しました。
その頃金髪の女の子は地下牢へ続く階段を必死でかけ降りていました。
そうそれはあのクリスタです。………あれ
クリスタはさっきロッドと料理の支度をしていました。
ではこの女の子は一体誰なのでしょうか?
話は二週間前にさかのぼります。
窓の外を恐る恐る覗いたクリスタは思わず声を上げました。
そこにいたのは幽霊よりも最も意外だったからです。
「ミカサ‼」
それは町に働きに出ていた長女のミカサだったのです。
クリスタは話したくてたまらなかったのですが、昼間話すのは
あまりにも危ないので、「夜中にまた話そう」と小声で言って
その時は持ち場に戻りました。
そして真夜中、クリスタはこっそり外に出ていきミカサと話しました。
ミカサ「クリスタどうしてこんなところにいるの?」
クリスタ「実はかくかくしかじかで…私が逃げるとエレンの身が
危ないから私だけ逃げる訳にはいかないの。鍵を手にいれないと…
でもミカサよくここがわかったね」
ミカサ「私が、家に帰って来るとお父さんとおばさんがとってもそわそわ
していたので家からこっそり食料と地図とコンパスを持って行ったの。
でも家の生活がそんなに困っていたなんて知らなかった。
家に十分仕送りをしていたはずなのに」
ミカサはしばらく考え込んでいましたが、
ミカサ「わかったあと一週間ぐらい待てる?私が町へ行って
憲兵団のおじさん達を呼んでくる!必ず戻って来るから
それからこれも」
とミカサはナイフを渡し「もしその間何かあったらこれで身を守って」
といいました。
それからミカサは町へ出掛けていきました。
しかし随分日にちが立ってもミカサは戻って来ません。
こうなったら自分が…とクリスタが決心した時、朝早くまた外に
気配がしました。
やっとミカサが帰って来たのです。しかしミカサは泥だらけで
よろよろしていました。
クリスタ「どっ、どうしたの?ミカサ?憲兵団の人達は?」
ミカサ「それが、子どもの冗談だと思って取り合ってくれなくて…
今は町も治安が悪化していてそれどころじゃないっていわれて」
ミカサは唇を噛み締めて
ミカサ「でも落ち着いて。作戦を考えて来たから」と出したのは
金髪のかつらでした。ミカサが考えた作戦とは…
ミカサ「私がこれをかぶってクリスタに変装するの。」
クリスタ「えっ でもそれってばれないかな」
ミカサ「相手はストローと指の見分けがつかないぐらい眼が悪いから
気が付かれない可能性が高いと思う。私が彼の気を引き付けている間に
クリスタは鍵を取ってエレンを救い出すの。」
ミカサは続けます。
ミカサ「それだとクリスタがそのままいて私が隠れて鍵を取っていった
方がいいって考える方かもしれないけど、この家の見取り図を良く知って
いるのはクリスタの方だし、最後に逃げなければいけないのは
魔法使いのそばにいる人だから私がクリスタの振りをする方が
いいと思う」
クリスタ「うん……わかった。ミカサはそれでいいの?」
ミカサは頷きました。
こうしてミカサとクリスタはお互いに服を交換しミカサがクリスタに
成り済ましたのです。
ロッドは全然気づきませんでした。
クリスタはテーブルの下に隠れているのをミカサが確認すると
わざとお皿を大きな音を立てて落としロッドが注意をそちらに引き付けて
いる間にクリスタはテーブルの上にあった鍵を掴みこっそり部屋を出ていき
ました。
従って牢屋の前にいるのが本物のクリスタなのでした。
クリスタは鍵を差し込みました。焦っているのでなかなか回りません
でしたがついにガチャっと音を立てて鍵が回りました。
やった!やっと自由だ!
クリスタ「エレン! 逃げるよ!」
クリスタは言いましたがエレンの気配があるのに出てくる様子がありません。
クリスタ「エレン!早くしないと食べられるんだよ、そのままだと」
クリスタは中に入りエレンの手を取って外に連れ出そうとしました。
しかしエレンは座り込んだままうつ向いて動こうとしません。
エレン「……駄目なんだよ。ここから逃げても」
クリスタ「えっ」
エレン「ここから逃げてどうやって生きていけばいい?俺達は捨てられたんだ。
捨てられたんだよ。」
エレンはうわ言のように呟きました。
クリスタ(ひょっとしてあの人に何か吹き込まれたの?…)
エレン「俺達だけじゃきっと生きていけないよ……だけどクリスタ
お前は家に戻れよ。俺が死んで食いぶちがひとり減ればお前だけは
養ってくれるかもしれな……」
最後までエレンが言わない内にクリスタはエレンの頭を殴っていました。
クリスタ「うるさい馬鹿!泣き虫黙れ!」
エレン「な…」
クリスタ「あんな人の言いなりになるなんてエレンらしくもない!
私がいままで逃げなかったのはエレンと一緒に帰りたいからだよ!
私だけじゃない、ミカサだってエレンを助けるために頑張っているの!」
エレン「……!」
クリスタ「生きては駄目だなんて、そんなことかってに決められて
いいわけがないじゃない!死んだお母さんだってエレンがそんな考え
をすることを望んでいないはずだよ!
エレンはただ辛い現実から逃げたいだけなんだよ。
でも私はそうはさせないから。だって私はエレンの味方だから!」
エレンの虚ろな眼に少し光が宿ったような気がしました。
彼は自力でよろよろと牢屋の外に出て大きく息を吸い込みました。
そして顔をあげると勇敢な少年の顔に戻っていました。
エレン「わかったクリスタ ミカサを助けに行こう」
ミカサはじっとその場から動きませんでした。
クリスタが鍵を取って部屋から出て行っても一向に二人が逃げて
行く気配がなかったのでミカサは焦りました。
そのうちロッドが牢屋の様子を見に行くと行いその手には包丁が
握られていたのでミカサは大きく動揺しました。
このまま牢屋まで行かれたら大変な事になります。
いやその前に鍵がないことに気がつきます。
とっさにミカサは暖炉の火の見方が分からないと言って相手をつきどばし
相手が火傷している間に包丁を取り上げ逃げようと思ったのですが
ロッドは顔をかまどに突っ込んだまま声もたてずにそのまま
動きませんでした。
ミカサ「死んでしまったの……?」
いくら悪い人間とはいってもさすがにひどい死に方だと思いました。
その時扉が開いてエレンとクリスタが入って来ました。
エレンは途中で見つけた鎌を武器として手に持っていました。
ミカサ「エレン……クリスタ……逃げなかったの?」
エレン「俺達を逃がすために協力してくれたお前を置いていけないよ」
クリスタ「あの人は?」
ミカサはだまってかまどを指差しました。
エレンとクリスタは一瞬黙りましたがすぐに状況を理解しました」
エレン「ミカサありがとう……お前が手を汚していなければ
俺達はきっと生きていられなかったよ」
エレンがうつ向いて言いました。
クリスタ「ミカサありがとう……ごめんね」 これは仕方のないことだった
でも良いのか悪いのか暗い雰囲気は長続きしませんでした。
???「なるほどな…大人しそうな女の子だと思って油断したか」
エレン「は?」
大人の男の声でした。 まさか……
クリスタ「えっ…えっ…?」
かまどの中からロッドがおきあがったのです。しかも顔が燃えている
のに火傷一つしていません。
ミカサ「生きていたの……?」
ロッド「ははは…私の一族は炎に耐えうる術を身に付けたのだよ」
エレン「てめえ!よくも俺達を長い間閉じ込めてくれたな!」
エレンはいつもの威勢をいくらか取り戻して叫びました。
ロッド「ははは…これからもお前達が自由になることなどできない」
ミカサははっと気がついてドアを開けようとしました。開かない。
しかも何か熱い。部屋の温度がどんどん上がっていくようです。
ロッド「どうした?早く何とかしないと蒸し焼きになってしまうぞ?」
エレン「うおおお!」
エレンは鎌を持って勢いよくロッドに飛びかかっていった……
のは良かったのですが長い間閉じ込められていたせいか途中で勢いよく
転んでしまいました……
ロッド「ああ、哀れな子どもだ。慌てて死に急ぐ必要もなかったのに」
ロッドはため息をつき、鎌を取り上げエレンの髪を掴みそのまま首を切ろうとしました。
エレン「あっ熱!」
クリスタ「ああああ!」
その時クリスタが走り出しミカサからもらって隠しもっていたナイフで
ロッドの右腕を切りつけました!
ロッド「ぐあっ!」今度は本当に不意うちでした。
ロッドが思わず勢いよく手を振り払ったのでクリスタはぶっ飛び
壁の向こうに頭をぶつけてしまいました。
でもそのすきにエレンはロッドの手から逃れ壁の端へ逃げました。
ロッド「何て逞しい子ども達だ。……だがまあいい。
もう打つ手はないだろうし、お前達は袋の鼠だ。この刃物で刺しても
いいのだが、それだと痛いのが一瞬ですんでしまうだろうからな。
いままでのお礼も含めて、お前達が長いこと苦しい思いをするのを
見させてもらうぞ。」
と恐ろしいことを言っています。
温度がどんどん上がっていきます。息も苦しくなってきました。
三人はもう立つ力もなく座り込んでしまいました。
ミカサ「あの子達はとうとう来なかったな……」
ミカサが呟きました。
エレン「は?」
エレンは聞き返そうとしました。ミカサがついにおかしくなったのか?
と思ったその時です。
ガリガリバリバリとどこからか物音が聞こえて来ました。
ロッド「なっなんの音だ?」
ロッドは思わずエレン達を見ましたがエレン達も何が何やらさっぱり
わかりません。
ガリガリ、バリバリ、物音がなおも続き家全体がぐらぐらと
揺れだしました。
その時エレンははっと気がついて叫びました。
エレン「あぶない! 伏せろ!」
そう叫んだ時天井が崩れて来ました。
気がつくと辺りはお菓子の瓦礫だらけになっていました。
始めに気がついたのはエレンで、その次はクリスタでした。
エレン「クリスタ、しっかりしろ」
クリスタ「エレン……ミカサは?」
ミカサは瓦礫の中に埋まっていました。
二人は協力して瓦礫を取り分けてミカサを助け出しました。
エレン「ミカサ、大丈夫か?」
ミカサ「大丈夫……今度は私が助けられた。ありがとう。二人とも」
クリスタ「良かったあ」
その時三人とは別の声がしました。
???「あれーミカサじゃねえか」
???「良かったーやっと見つけました。」
坊主頭の男の子と髪を一つ結びにした女の子が口々に叫んでいます。
エレン「誰だよ、お前ら」
男の子「コニースプリンガー!ウォールローゼラガコ村出身です!」
女の子「サシャブラウス! ダウパー村出身です!」
エレン「いや住所までは良かったけどさ……それよりどうしてここに……」
ミカサ「エレンその話はあとよ。あいつはどうしたの?」
エレン「!ああ……」
ロッド・レイスは瓦礫に埋もれて気絶していました。
目覚めたロッドはびっくりしました。目の前にエレンが立って
いたからです。
しかもエレンは笑っているようですが眼がとっても怒っていました。
三人のうち一番酷い目に遇わされたのがエレンですから無理もありませんが
子どもとはいえ恐ろしい凄みがありました。
エレン「おじさん、どうやら俺達の勝ちのようだね」
ロッド「お……お前は」
エレン「なあおっさん、一つ質問いいかなぁ?さっきクリスタが
お前に切りかかっていった時にお前すっげー痛がっていたよな?
……という事はやっぱり刃物は効くわけだ。」
ロッド「ギクッ」 エレンの手にはいつの間に拾ったのかさっきの
ナイフが握られています。
ロッドは体が殆ど埋もれていて身動きが取れません。
ロッド「ま……待ってくれ!私が悪かった許してくれ!」
ミカサ「仕方ないでしょ、世界は残酷なんだから」
エレン「だよな……見逃したらまた俺達の命が危ないし」
クリスタ「他の子ども達も狙われるかもしれないしね」
ロッド(とんでもねえガキどもをいれちまった……)
ロッド「わ、わかった。お前達の事はもう襲わないと約束するし、
他の子ども達も絶対に襲ったりしないと約束するよ」
エレン「うん……ありがとうおじさん。もうわかったからさ
死んじゃえよクソ野郎!」
エレンは勢いよく刃物を振り上げました。とその時です。
もう1つの手がエレンの腕をガシッと掴みました。
エレンはびっくりして後ろを振り返りました。そこにいたのは大人の男です。
えらく鋭い眼光の男で、その男は呆れたように言いました。
???「おい……ガキ共、これは一体どういう状況だ?」
第4章自由の翼
ロッド「あ……あんた達憲兵団か?助けてくれ、この子達を捕まえてくれ
こいつらは 私の家に強盗に入ろうとして……」
???「黙れ、豚野郎。いまはこいつらに話しているんだ」
ロッド「はい……」
ミカサ「あの……おじさ……いえお兄さんは誰ですか?」
???「俺はリヴァイという名前だ。調査兵団に所属している
お前らを助けに来たんだ。
ミカサ「調査……でも大人は皆私の話を信じてくれなかった。」
リヴァイ「それは憲兵団のやつらだろ。あいつらはなかなか
動こうとしねぇ……いやガキにまだその話は早えか……」
リヴァイは一端言葉を切ると、
リヴァイ「俺はそこらを調べてみる、そこの……」
とミカサを指差し
リヴァイ「黒髪のガキの話は憲兵から聞いているが証拠がねえとな
お前らはしばらくそこで待ってろ。」
と言って他の調査兵団と共に瓦礫を調べ始めました。
エレン「ところでさ……」
エレンはサシャとコニーを指差し
エレン「お前らはミカサの友達か?なんでこんなところに来たんだ?」
サシャ「私達もあなた達を助けに来たんですよ!」
コニー「そう!俺達が町で仕事を首になった時に……」
回想
キース店長「おい……貴様らここにおいてあったパン50個どこへやった?」
サシャ「ふぇふぇまへんよ」(知りませんよ)
コニー「みへまふぇん」(見てません)
キース「嘘をつくな!口の中に何が入っているんだ!
この前の肉がなくなった時だって貴様らだっただろうが
だいたい50個もよく食べれたな。お前らがいると大人の
15人分食費がかかってしょうがない」
コニー「それは違います!店長!50個のうち33個はサシャが食べました!
俺は17個しか食べてな……」
キース店長「ああ!わかった!もういい、ただでさえ最近は不景気なんだ!
これ以上赤字にするわけには行かない!お前達は田舎へ帰れ!」
コニー「はあ……また首か」
サシャ「どうしますか?田舎へ帰りますか?私なんかまともな
人間になるまでは帰って来るなって言われてるんですよ」
コニー「ああ……田舎の方が生活が苦しいって言われてるしな
酷いときには親が子どもを捨てるって言われてるし……
俺の母ちゃんはそんなことしないと思うけど…
あ……おい憲兵団と子どもがいい争ってるぞ」
サシャ「あ……あれミカサですよ!」
ミカサ「お願いします!私の兄弟が悪い魔法使いに捕まっているんです!
早くしないと殺されてしまいます!」
憲兵団1「しかしねえ、お嬢ちゃん。そんな遠いところまでお嬢ちゃん
一人の証言だけでいけないよ、誰か大人の人は……」
憲兵団2「まあ待て、子どもの作り話だろう試しに……お嬢ちゃん
その子達が閉じ込められてる家はどんな家だって?」
ミカサ「えっと、お菓子でできた家で……」
憲兵団2「はははそらみろ、 おじさん達は仕事で忙しいんだ。
ほら向こうへいったいった」
ミカサ(だめだ……全然相手にしてくれない……)
コニー「おーいミカサ!」
ミカサ「!?」
サシャ「憲兵団と何話してたんですか?」
ミカサ「あなた達仕事は?」
サシャ「ああ、あれ首になっちゃいました」
ミカサ「えっ もう」
コニー「なんてったってこのところすごく不景気だからな、
そう社会が悪い!」
ミカサ(それだけじゃないと思うけど……)
コニー「それよりどうしたんだ?すごく顔色悪いぞ」
ミカサ「実はかくかくしかじか……」
コニー「まじか!最悪だなお前の母ちゃん!」
サシャ「それにしてもよくミカサは捨てられませんでしたね」
ミカサ「お前は平凡な子ども10人分の働きがあるって言われてたから……」
コニサシャ「……」
ミカサ「二人はこの地図にかいてある森にいるの、
お願い一刻を争うの、力を貸してくれない?」
コニー「でもなあ……」
ミカサ「じゃあ、とにかく私は先に行くね!」
サシャ「まっ、待ってくださいよ!ミカサ〰」
サシャ「はあはあ……ミカサあっという間に見えなくなっちゃいましたね」
コニー「歩き続けもうくたくただぜ、やっとミカサの言っていた森に着いた
けど……よく考えたら森のどこだよ」
サシャ「ミカサってせっかちですよね」
コニー「まあ、ぼんやりしてたらエレンって奴が食われちまうから
急がなきゃいけないのは分からんでも無いけど……
あーそれにしても腹へったー」
サシャ「もう何日もまともなご飯食べてませんしね……あれ何かいいにおい
がします。お菓子みたいな……」
コニー「サシャ、こんなところにお菓子があるわけないだろ、バカに
だってわかるぞ」
サシャ「ほんとですこっちこっち」
コニー「うおーすげー本当にあった」
サシャ「それだけじゃありませんよコニー、悪い魔法使いはお菓子の
家に住んでるって言っていました!」
コニー「じゃ、ここがそいつのアジトか!」
サシャ「そうです!この家を壊せば敵は大ダメージ!ということで
食べちゃいましょう!」
コニー「…………お前ただ食いたいだけじゃない?」
サシャ「ちっ違いますよ!作戦です!じゃ、まず屋根から食べましょう!」
ガブッ
コニー「でもこんなでかいの俺達で食いきれるかな…………」
サシャ「ムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャ……」
コニー「…………心配なさそうだな」
クリスタ「それで屋根がいきなり崩れて来たのね」
エレン「だけど下手したら俺達だって埋まっちまうところだったぞ」
サシャ「まあまあ助かったから良かったじゃありませんか」
エレン「そりゃそうだけど……」
リヴァイ「おいガキ共、ちょっといいか」
エレン「は……はい」
リヴァイ「黒髪のガキがいったこと、どうやら本当らしいな。
地下の牢屋を初め様々な証拠品が見つかった。後は加害者
の証言だけだが……多少痛めつけてでも引き出させる」
皆(この人も割りと怖いな……)
リヴァイ「それとこの中にイエーガっていう名字のやつはいるか」
エレン「俺達ですけど……」
リヴァイ「お前らと血のつながっていない母親が逮捕されたらしい」
皆「えっ」
リヴァイ「どうやらこの女はいろいろな男と結婚して財産を巻き上げては
逃亡していくことを繰り返していたらしい」
ミカサ(だから私が仕送りしても家が超貧乏だったのか……)
リヴァイ「それからな……」
といった時リヴァイの目の奥が少し優しくなったようにミカサは感じました。
リヴァイ「奴には必ず罪を償わせる。だけどお前らはどうする?
またわかだまりもなく父親と暮らせるか?」
エレン「それは……」
リヴァイ「お前の父親を悪くいいたくはねえ。が、現に二回も捨てている
そこでだ、調査兵団はお前らを引き取りたいんだ」
皆「ええ!」
リヴァイ「お前らはほとんどの俺らの助けを借りずに敵をたおしちまった
並みのガキにはできることじゃねえ。見込みがある。
全員10歳になるかならないかってところだから数年は下働き
してもらう だが衣食住は保証するし大きくなって別の仕事に
就きたくなっても、勝手につけばいい」
エレン「ホントにいいんですか、俺達で」
リヴァイ「ああそうだ」
サシャ「あの〰私たちも?」
リヴァイ「ああお前らもだ」
皆「やったああ」
ハンジ「……リヴァイもなかなかやるねえ」
リヴァイ「なにがだ」
ハンジ「あのかわいそうな三人の子達を引き取るには建前がないといけないか
調査兵団にするって表向きにはするわけだ」
リヴァイ「なにいってやがる」
リヴァイはとても不機嫌そうになりそのあと
リヴァイ「…………まああいつらの気持ちは分からんでもねえ
俺も子どもの頃は孤児だった。自分の居場所を見つけるため
足掻いていたな……」
と消えるよう呟いたのをハンジはしっかり記憶しました。
サシャが走って来ました。
サシャ「兵長!重大な質問があります!」
リヴァイ「なんだ?」
サシャ「もう現場検証は終わったんですよね?残ったお菓子、
皆食べていいんですか?」
リヴァイ「……好きにしろ」
フリーダ「……こうして子ども達は調査兵団に引き取られそれぞれ
優秀な団員になりました」
ヒストリア「ああ、面白かった!」
フリーダ「そう、それはよかった」(……なんか私が昔読んだ話と
大分内容が違ったような…………ま、いいか)
フリーダ「ヒストリアもこの子達みたいに強くて逞しい子になってね」
ヒストリア「うん!」
おしまい
長い時間がかかりましたが完結です。
ロッドが原作以上に屑になってしまいました。
全国のロッドファンの皆さんごめんなさい
続き書けよクソが
ロッドのファンなんて絶対にいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいないいない