モバP「ちひろさん、この私がモテていると!!寝言は寝てから言って下さい」
拙い文章(台本形式)ですが、最後までお付き合いください。
モバP(以下P)「ちひろさん、この私がモテていると!!寝言は寝てから言って下さい」
ちひろ「冗談ではありません。プロデューサーさん(以下P)、これは警告です」
P「 ・・・マジですか?」
ちひろ「女の勘です!!」キラ
P「どこに自慢できる要素ありますか?」
ちひろ「凛ちゃん、加蓮ちゃんそれに奈緒ちゃんが好意をよせています。それも親愛を超えた感情を」
P「無視ですか、その上爆弾発言・・・笑えないジョークですよ」
ちひろ「今人気急上昇中のユニットがPさんのせいで解散するかもしれません」マジトーン
P「そんなことは絶対にありえません。三十路が近いおっさんを彼女たちが相手するはずないですよ」
ちひろ「 Pさんは自分を過小評価し過ぎです」
ちひろ(・・・私もその被害者の一人なのに)
P「でも、実際のところ、ここ20年誰とも交際していませんし」
ちひろ「それはPさんの思い込みです。付き合う、付き合わないで人の価値は決まりません」
P「・・・すみません。論点をずらして」
ちひろ「変に優しくするのもやめた方がいいですよ。みんなが期待してしまいますから」
P「・・・気をつけます」
これらは仕事帰りにちひろさんと飲みに行ったときの会話だ。この先はお互いに仕事での愚痴や文句で花が咲き、やけ酒気味だったのでここに書くのも野暮だろう。それはそうとあの三人が・・・まさか。あの出来事以降、自分勝手に生きて自分でもこんな奴と付き合いたくないと思うレベルの色々ヤバい男だと確信していたのに。もう少し、人の意見に耳を傾けてみよう。杞憂で済むことを切に願う。
凛「プロデューサー、おはよう」
P「渋谷さん、おはようございます。今日も事務所に来るの早いですね」
凛「まぁね・・・」
P「新田さんとアナスタシアさんが談話室にいらっしゃいますよ」
凛「私がここにいたら迷惑?」
P「・・・そういうわけではありませんが」
加蓮「おはよー、プロデューサー!凛も来ていたんだ」ドアガチャ
凛「加蓮がこの時間にいるのは珍しいね。いつもは30分遅いのに」
加蓮「偶々、早起きしただけだよ」
P「北条さん、おはようございます」
加蓮「プロデューサーはいつも表情と言葉遣いが硬いー肩の力抜いた方がいいよ」
P「すみません。どうにも性分でして」
凛「でも、そこがプロデューサーの長所であり欠点だよ」
加蓮「トライアドプリムスが人気でたのもプロデューサーのおかげだし、もっと胸張りなよ。プロデューサー!」カタヲタタク
奈緒「トライアドプリムスが何だって!?プロデューサーさん!」ドアドーン
P「神谷さん!?ど、どうしたんですか?」
加蓮「奈緒おはよー」
凛「奈緒・・・朝からうるさい」
奈緒「加蓮、凛おはよう・・・そんなことよりトライアドプリムスって単語が聞こえたけど・・・何かあったのか?」
加蓮「私たちへの挨拶より重要なことショックー」
P「特に何もありませんが・・・」
凛「ただ三人で談笑してただけだよ」
加蓮「単にプロデューサーがネガティブになっていたから励ましていたんだー」
P「これはどうも性分でして・・・なかなか直せません」アタマヲカク
「さっきも同じこと言っていた・・・なんか様子が変だね」
P「何もありません。ただ・・・」
「プロデューサーさんが硬いのはいつものことだけど、顔色悪い気がするなー」
「私たちで良ければ相談に乗るよ!」
「プロデューサーとは一蓮托生だし・・・遠慮することはないよ」
P「・・・本当に話しても大丈夫ですか?」
三人「いいよ」
凛(もしかして私に告白!?)
加蓮(婚約したの!!誰と!?)
奈緒(結婚報告!!!?)
P「とある方面から仕入れた情報なのですが・・・お三方が私に恋愛感情を抱いていると」
「えっ!そ、そんなことないよ・・・だよね?加蓮」カオマッカ
「う、うん。ぷ、プロデューサー、自識過剰すぎるよ。そんなこと聞くと女の子に嫌われちゃうよ」メヲソラス
「・・・プロデューサーさん、そんな事実無根の噂聞いたんだ!?」アセリ
P「ゴシップまがいの信憑性のない代物です」
P「・・・皆さんの反応を見る限り・・・」
三人(息を飲む)ゴク
P「特に問題ありませんね」
三人「えっ・・・えーー!?」
P「何かおかしい反応していましたか?」
三人「ぜんぜん普通です!!」
凛(完全に)
加蓮(ばれたと)
奈緒(思ったのに)
P「・・・そろそろレッスンの時間ですよ」
奈緒「も、もうそんな時間かー加蓮、凛行こうぜー」カタコト
加蓮「張り切って・・・レッスンこなすよー」カラゲンキ
凛「わ、わかった。今、行くよ」コエフルエル
ちひろさんに一連の会話を話すと大激怒された。・・・どこかおかしな点あったかな?
ちひろ「プロデューサーさん、完全に黒ですよ。アイドルに恋愛はご法度なのに」
P「私から見て普通の三人でしたが・・・」
ちひろ「鈍感主人公ですか、あなたは?」
P「いえ、違います」
ちひろ「簡単に騙されすぎですよ」
P「そうでしょうか?」
ちひろ「そこがまた・・・魅力的で困りものですが」
P「何か言いましたか?」
ちひろ「何でもありません!早く春イベントの書類を仕上げて下さい」
これ以降、しばらくちひろさんは口を聞いてくれなかった。また、地雷を踏んだらしい。・・・女性の心理はブラックボックスに等しい。昔からそういう話題に疎いと周りから言われてはいたけどここまでとは・・・こんな時に社長からの呼び出し!?嫌な予感しかしない。仕事であまり大きなへまはやらかしていないはず・・・
トレーニングルーム
凛「もしかしてプロデューサーに勘づかれたのかな?」
加蓮「・・・わざと泳がしているのかも?」
奈緒「たぶんそれはないと思うな。だってさ、プロデューサーさん普段は鋭いけど、恋愛には疎いし」
凛「いっそのこと、三人で襲っちゃう?」
加蓮「えっ!?・・・でもいいかもね」
奈緒「さ、流石にまずいだろ?万が一プロデューサーさんに嫌われたら、一緒にいられなくなるぞ」
凛「大丈夫だと思うよ。プロデューサーは責任の塊だし。まとめて三人の面倒見てくれる」キラ
加蓮「四人での生活・・・悪くない」
奈緒「で、でもさ。プロデューサーさんは罪悪感を持つよ・・・きっと」
二人「・・・・・・」
奈緒「プロデューサーさんは私たちに襲われても多分いや絶対抵抗しない。それ以上に私はなし崩しの関係は嫌だ・・・だからごめん」
凛「奈緒・・・わかった。加蓮もいいよね?」
加蓮「奈緒が嫌なら、私もやめる。でも、四人で幸せになる方法はあきらめないよね?」
奈緒「そ、それは当たり前だろ?三人で決めた約束。破らないよ、絶対に」
凛「世間は認めなくても・・・私たち四人が笑って暮らせるってこと証明するんだ」
加蓮「よし!休憩は終了。レッスンを再開するよ。凛、奈緒」
奈緒「湿っぽい話は・・・もう大丈夫。だから今、私たちにできることを」
奈緒「次のライブさくっと成功されるためにもう一練習頑張るか」
社長室前
P「失礼します。社長、どういったご用件でしょうか?」トントン
社長「P君・・・ものは相談だがお見合いしてくれないか?」
P「お、お見合いですか?私はまだ若輩者で、お相手にご迷惑をおかけになってしまいます」
社長「あまり謙遜するな。度が過ぎると鼻に付くぞ」
P「す、すみません」
社長「それに君はもうそろそろ身を固めてもいい時期だ。別に今回の相手でなくてもかまわない」
P「は、はい・・・」
社長「いつもの君らしくない。君がはっきり態度を示さないと後がキツいことぐらいわかっているはず・・・何に頭を悩ませているのかね?」
P「ただ、私が臆病者だから何もできないのです。誰かを選ぶことが怖い・・・それで私が幸せになることが許されるのかと考え込んでしまっています」
社長「それは傲慢と言う。誰かが幸せになることは誰かをを傷付けること。何も君だけが抱え込むものじゃない。君と共にこれからを歩む人と一緒に向き合っていく問題さ」
P「・・・社長、ありがとうございます」
社長「君は臆病者で優しすぎる。でも、人の気持ちを理解しようと考えられる人柄を持っている。君を部下にして誇りに思うよ」
P「何とお言葉をお返ししたらよいのか」
社長「言葉じゃなくてもかまわない。君らしい答えを期待している」
P「失礼しました」
凛、加蓮、奈緒の場合
P「知っていたのに・・・今まで見てみぬふりを続けてきた。誰かの好意が怖くて仕方なかった。また裏切りられる、そんな思いをするぐらいなら・・・いっそのこと」
凛「・・・私たちがそんな不安、消し飛ばしてあげる」
加蓮「プロデューサー、言ったでしょう?私たちは一蓮托生って」
奈緒「だから、プロデューサーさん、一人で苦しまなくていいだろ?四人で共有すれば、少しは楽になる」
P「!!?三人とも、どうしてそこまで強くいられるのですか?」
凛「・・・そんなの決まっているよ」
加蓮「私たちの口から言わせる気?」
奈緒「知っていてその発言はないよな!」
P「それでも、わからない。どうして、私なんだ?皆さんはそれぞれ私より若くて優れた方と生涯を共にすべきです!」
凛「プロデューサーのことが好きだから、支え合っていきたいと思うからだよ。プロデューサーの隣で胸を張れる格好いい女でいたいと心から願っている」
加蓮 「プロデューサーはいつも私たちの側にいてくれる。けれど、プロデューサーはいつも独り。独りで闘っている。いつも貰ってばかりなのは私のプライドが許さない。今度は私たちがプロデューサーを支える番だから」
奈緒「苦しいことも悲しいことも全て四人で分かち合いたい。一方的じゃないお互いが思い合える、そんな関係を私たちなら築けると思う。そして、結婚制度などに囚われない私たちだけの関係を育めるはずだ」
P「私は臆病者。ただの子どもです。こんな私でもいいんですか?」
三人「でもじゃない。プロデューサーがいい。プロデューサー以外考えられない」
P「・・・ありがとうございます。私は勘違いしていたのですね。こんなにも近く私を案じてくれる人がいたとは思いもしませんでした。ずっと独りだと思い込んでしまっていた」
凛「・・・プロデューサー、返事聞かせてくれる?」
P「不誠実極まりないのですが、三人とも私と付き合ってください。私があなたたちを幸せにします!」
三人「末永くよろしくね、プロデューサー!!」
ちひろの場合
P「知っていたのに・・・今まで見てみぬふりを続けてきた。誰かの好意が怖くて仕方なかった。また裏切りられる、そんな思いをするぐらいなら・・・いっそのこと」
ちひろ「誰とも付き合いませんか?それとも、傷付かない日常で生きますか?」
P「ちひろさん!?聞いていたんですか?」
ちひろ「質問に質問で返さないでください。私は優しくありませんので、この際言わせてもらいますが、プロデューサーさんのウジウジ悩んでいる姿、嫌いです」
P「・・・痛いところ突きますね。今日は特に機嫌が良くない日のようです」
ちひろ「お見合いするんですよね?」
P「社長に持ちかけられただけです。・・・どこでそれを耳にしたんですか?」
ちひろ「女の勘です・・・」
P「便利ですね、その言葉」
ちひろ「社長の紹介ともなるとやはりそれなりの方になりますよね・・・」
P「本当にどうしたんですか?ちひろさん、いつものあなたらしくありません」
ちひろ「プロデューサーさん、罪なぐらい、鈍感ですよ」
P「・・・言っている意味がわかりません」
ちひろ「そうやってまた、気付かないふりをするんですか?散々期待させておいて落とす。サイテーです、悪魔の所業みたい」
P「ちひろさん、少し休んだほうがいいですよ」
ちひろ「いつまで悲劇のヒーローを演じるつもりですか?あなたは独りではありません。周りを見てください。あなたを必要として、あなたの力になりたいと思う人はたくさんいます。少なくとも私がその一人です」
P「ちひろさん!!?もしかして私のことを?」
ちひろ「本人に確認しますか・・・普通」
P「すみません、考えもしませんでした」
ちひろ「好きな人でもないのに飲みに誘ったり、残業手伝ったりしません」
P「勝手に一人相撲して孤立していただけだったとは・・・情けない」
ちひろ「本当にどうしてこの人に惚れてしまったのか、私にもわかりません」
P「それ、ちょっとひどくないですか?」
ちひろ「ですが、私はプロデューサーさんのことが好きです。こんな私で良ければ、お付き合いしてください」
P「こちらこそ、よろしくお願いします」
ちひろ「それじゃあ、お見合い断ってきてくださいね」
P「・・・一緒に来てくれないの?」
ちひろ「それはプロデューサーさんが社長に持ちかけたお話ですし、私が行く義務はありません」
P「恋人対して冷たくないですか?」
ちひろ「今まで私を悩ませた罰です」
P「・・・はい。わかりました」
ちひろ「今回は私が告白しましたけど、次は期待していますから」
P「勿論です。私からプロポーズさせていただきますよ」
ちひろ「・・・ヘタレないでくださいよ」
P「・・・・・・善処します」
最後までお読みいただきありがとうございました。
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