提督「提督辞めてやろ!」
俺はもう提督業に疲れた。
毎日異常な量の書類をこなさなければならないというプレッシャー、艦娘と真摯に接さないといけないという面倒臭さ、本当にブラックだ。
それに俺は艦娘が嫌いだ。
見た目はただの女だが実際は歴戦の軍艦の力を持つ異形。
そんな力なら人間を滅ぼすのは容易い。
そんな力を野放しにしてみろ、どうなるな分かったもんじゃない。
俺は逃げる。
色々とブラックな提督業から。
そして掴んでやる。
軍や艦娘とは無縁の平和な日常を。
提督「よし、今日も異常はないな。」
俺はバイクに最低限の着替えや日用品、口座から引き出した貯金を詰めて出発した。
提督「提督が辞任しました。これより艦隊の指揮を放棄します…っと。さーて、逃げるか。」
提督の脱走、開始。
翌日…。
大淀「提督、起きてくださ…!?」
大淀が部屋を見るとそこに提督は居らず、代わりに裳抜けの空と貸した部屋と机におかれた辞表があった。
大淀「『提督業や艦娘に疲れたので辞めます』…!?そ、そんな…!!」
大淀「急いで、皆に…」ワナワナ
鎮守府 食堂…。
日向「提督が脱走だと!?それは本当か!?」
大淀「確かに、この…か、紙に…」プルプル
紙『提督業や艦娘に疲れたので辞めます』
艦娘「…」ハイライトオフ
提督「いやー、何時も鎮守府の裏にある山気になってたけど、案外登るのも大変だな…。本当こう言うときにオフロードって良いよな…。」
提督は愛車のバイクに腰掛けて、持っていた水を飲んでいた。
この時の提督は本当の意味で安らいでいた。
何時もはストレスでしかなかった提督業。
艦娘達のイザコザや大本営からの無茶な命令の数々。
唯一の楽しみだった友人との会食も友人との風俗巡りも禁止にされ、何時のにかストレスで白髪が増えていた。
提督「さてっと…麓の街まであともう少しか…。」
内陸部に潜り込めば、少しは軍や艦娘の目から逃れるだろう。
そう思いながら再びバイクのエンジンを起動して…。
提督「何かが来る…。瑞雲が二隻…。大方、あの航空戦艦姉妹のか…クソッタレ!」
提督は遥か遠くから来る瑞雲を見つけ、すぐにバイクの荷台から何かを取り出した。
取り出した物は拳銃。
提督は拳銃にマガジンを突っ込んだあと、急いでオフロードメットとゴーグルを着用してバイクを走らせた。
それに合わせて瑞雲もスピードを上げて提督の乗っているバイクを追いかけ始める。
提督「追ってきた…だと!?」
提督(だが幸いここは未舗装のされてない自然そのものな山道…木とかで撒けばいい!)
提督は変則的にバイクを走らせ、必死に瑞雲を撒こうとしている。
その提督とは離れた場所…。
日向「なるほど…なら、すぐに行くか」
伊勢「どうしたのよ?」
日向「提督が見つかったから今から迎えにいくんだ」ハイライトオフ
伊勢「あら?提督を迎えにいくのは私よ…」ハイライトオフ
日向「ほう…なっ!?」
伊勢「!?」
日向「艦載機が破壊された…ハハハッ、流石は私が惚れた男だ…!!」ドンッ
伊勢「折角見つけたのに…」ギリッ
その提督はというと…。
提督「まさか艦載機にGPSをつけるとはな…破壊して良かった…。」
提督の目の前には、中枢部を弾丸で撃ち抜かれて大破した艦載機があった。
提督は大破した艦載機を踏み砕き、手の中にあったGPSを上空に放り投げて拳銃で百発百中の勢いで撃ち抜いて破壊した。
提督「無駄にガソリンを消費させやがって…」
提督は苛つ苛つきながらバイクを走らせ、夕方頃に内陸部の街に逃げていった。
提督は街に入ってすぐに最安値の宿に泊まった。
翌日、テレビでは提督が鎮守府から脱走した、情報を教えてくれという艦娘が映っていた。
提督「糞、これでは脱獄者みたいじゃないか!と言うかあの紙には『これを大本営に届けてくれ、これが提督からの最後の命令だ』って書いてたよな!?さては捨てやがったな、あいつら!!」
提督はバイクを走らせる。
その姿を、艦娘に見つかった。
如月「提督発見…逃がさないわ~♡」ハイライトオフ
夕立「ズルいっぽい!提督は夕立の物っぽい!」ハイライトオフ
吹雪「取り敢えずは提督を捕まえるよ!」ハイライトオフ
提督「今あいつら居たよな…ヤバい!駆逐艦は素早さと機動力に長けている。それにあの三体は駆逐艦最強トリオだ…。ヤバいヤバいヤバい…逃げなきゃ…」
提督は更に速度を上げる。
そのバイクの後ろでは…。
夕立「待つっぽい!」ドドドド
如月「逃げられないわ!」ドドドド
吹雪「逃げないでくださいよ!」ドドドド
バイクに負けないスピードで追う三人。
最初はバイクの方が速かった。
しかし、三人は彼の鎮守府で駆逐艦の中では最強候補になっている。
更に駆逐艦の中でこの三人だけは改二。
提督も言っていたように艦娘は人間の姿をした軍艦。云わば化け物である。(あくまで提督にとってはだが。)
提督は艦娘にお追い付かれるのはあっという間だった。
しかし、流石に提督。
こんなことを想定しない筈がない。
提督はバイクのハンドルを切って180°旋回し、バイクの前輪を持ち上げて、一番最初に近付いてきた如月に前輪を降り下ろしにかかる。
提督「やった、勝った!提督脱走完了、完!」
ガシッ
降り下ろした前輪を如月は片手で受け止め、前輪を反らそうとする。
その時の如月の目は真っ黒に澱んでいて、提督の焦燥感と恐怖に染まった顔が写っていた。
如月「やっと私を見てクレタ…♡」ハイライトオフ
提督「!?し、しまっ…」
提督はとっさにバイクから飛び退き、頭上の木の枝に飛び移った。
提督「化け物め…」ギリッ
そんな提督の背後から夕立が飛び出し、提督に抱き着く。
夕立「やっと捕まえたっぽい!」ハイライトオフ
提督「離れろ!」
提督はウィンドブレーカーを脱いで夕立を引き剥がす!
夕立「やられたっぽい!でも提督の上着はゲットっぽい!」クンカクンカ
吹雪「ちょっ、夕立ちゃんズルい!」
提督「どらぁ!」
吹雪が夕立に気をとられている間に吹雪を突き飛ばし、提督はバイクに飛び乗る。
そして提督はエンジンをかけ、バイクを走らせる。
如月「!?逃げられた…」ハイライトオフ
吹雪「兎に角追いかけるよ!」ハイライトオフ
提督「ふー…一先ずは振り切ったぜ…」
ザクッ
一安心していた提督の足元に刀が刺さる。
提督「この刀は…」
提督は刀が飛んできた方向を見る。
そこには天龍を筆頭とした軽巡達が艤装を展開して待機していた。
天龍「やっと見つけたぜ…」ハイライトオフ
由良「絶対に逃がしませんよ…」ハイライトオフ
提督「糞っ…!?」
提督はバイクに乗り、軽巡達に立ち向かう…フリをして軽巡達を飛び越えた。
名取「あっ、ちょっと!」
軽巡達もバイクを追いかけ始める。
提督「しつけえな…!」
更にスピードを上げていく。
暫くは艦娘達も粘っていた。
しかし疲労は溜まっていて、提督に追い付けなかった。
提督「やったぜ」
提督、無事に港に辿り着く。
提督はすぐさまバイクも乗せられるフェリーのチケットを購入し、休む間も無くフェリーにバイクを運び込んだ。
そしてそれを追い掛ける二人の女性。
艦載機を拳銃で破壊しただと!?
こんにちは、『逃亡提督』を書いている多聞丸と申します。面白いSSを書いているので応援させてもらいました!これからも頑張ってください!
多聞丸さんありがとうございます!
面白いジャマイカ…
こういう系統好きだから頑張ってクレメンス
このSS良スギィ‼ もっと頑張って、どうぞ(期待)
とても内容が面白かったです 次回に期待
敵から逃げるバイオハザードを連想しちゃいました。スリルがあって面白かったです
提督のエイムすげえなあと面白かったです
続きかけよあくしろよ
がんばえー