オネェな提督と艦娘たち 改訂版
作者が操作ミスで前作を削除してしまったので、また新しく書き直した「改訂版」です。
コメントや応援を下さった皆様には申し訳ないですが、また心機一転頑張って描いていきます。
それでは、皆様どうぞよしなに。
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とある鎮守府に着任したオネェな提督と、そこに所属する艦娘達で織り成すコメディなお話。
登場するキャラの性格や口調(方言など)がゲーム内のものと違う恐れがありますので、ご注意を。
因みに…コメントにてリクエストも随時募集しておりますので、どうぞお気軽にリクエストして下さいませ。
――始まりは、何とも意外なものだった。
その日現れた【彼】は、変わっていた。
……いや、『変わりすぎていた』。
――これは、そんな【彼】と私達の、少し変わった物語。
提督「………」
陽炎「………」
提督「…………」
陽炎「…………」
提督「――暇ねぇ…」
陽炎「――そうねぇ…」
――心地良いある春の日、提督と陽炎の2人は鎮守府内の談話室でだらだらと机に突っ伏していた。
窓から見える外は晴れており空気も澄んでいるとても良い日なのだが、少し風があるので外出している者は少ない。
そんなとても良い日な事などお構い無しに、この2人を取り巻く空気は怠惰に満ち酷く淀んでいるようにすら感じられる。
陽炎「――今日は私が秘書艦だからって張り切って執務室に来たら、もう今日の分の書類仕事終わらせてるってどういう事なのよ…」
提督「そんな事言われても…偶々早く起きたからってやってたら、いつの間にか終わってたのよぅ…」
――呆れたように提督を見る陽炎に対して、彼女(?)はまるで親に怒られた子供のような声でそう答える。
その提督の反応に対して陽炎はため息をつきながらもジト目で軽く睨みながら言う。
陽炎「だからって私が執務室に来たのは(マルロクマルマル)よ? 一体司令は何時からやってたのよ…」
――陽炎の問いに提督は体を起こしながら、下唇に人差し指を当てて考えるような仕草をする。
提督「――うーん…確か私が起きた時はまだ薄暗かったから、かげちゃんの来る2~3時間前くらいかしらねぇ…」
陽炎「そんな前なら二度寝すれば良かったじゃないのよ…」
――思い出したかのようにそう呟いた提督に対して、陽炎はまたもため息をつきながら体を起こしてそう言うのであった。
提督「イ・ヤ・よ 二度寝したら体内時間が狂って、美容に悪影響が出るってこの前TVで見たもの」
陽炎「早朝から肌寒い中書類仕事をする方が美容に悪いと思うんだけど…」
提督「――そ、其れは其れ、此は此よ」
陽炎「今絶対そうだと思ったでしょ、司令」
提督「べ、別に良いのよ少しくらいなら」
――予想外の指摘を受けたのであろう提督はしどろもどろになりながらもそう言う。
その反応がおかしくて陽炎は片手で腹を抑えケラケラと笑いながら、 「さっきまでと言ってる事が矛盾してるわよ」 と誂う。
誂われた提督はというと、耳を塞ぎながら 「あーあー、聞こえなーい」などと言っている。
陽炎「はー可笑しい…やっぱり司令と話してると楽しいわねー」
提督「私としてはちっとも面白くないけどね! もう!」
陽炎「そんな事言わないでよ司令、後で間宮さんの所でデザートご馳走するから…ね?」
提督「もう、調子良いんだから…まぁ、私もかげちゃんと話してると楽しいから良いわ」
陽炎「さっすが司令! 私達気が合うわね!」
――何とも調子の良い事を言いながら胸を張ってそう言う陽炎に対し、提督は目を細め懐かしむように呟く。
提督「そうねぇ…何だかんだで私の着任当初からこうやって色々お話したりしてるものねぇ」
陽炎「最初は皆おっかなびっくりで余り提督に近付こうとしなかったものね」
提督「そういう意味ではかげちゃんにはお世話になりっぱなしね、私も」
――感慨深そうに言った提督に陽炎は花が咲いたかのような笑みを浮かべ 「あぁ、良いのよ? 私が好きでやってる事だし」 と述べる。
それに対し提督はふふ、と軽く笑いまた2人して机に突っ伏す。
提督「此から先も長くなるだろうけど、改めて宜しく頼むわねーかげちゃん」
陽炎「そうねー…任されたわ!」
――短く会話をした後また始めのようにぐだくだと過ごし始める2人であった。
――余談だが…数十分後に不知火と初風が血相を変えてやって来て磯風が昼食を作ろうとしていると伝えられた2人は、彼女を止める為に多大な労力を使う事になるのはまた別な話。
翔鶴「――おはようございます、提督」
瑞鶴「やっほー、提督さん」
提督「あら、2人共おはよう」
――磯風の料理事件から数日後、朝の食堂。
様々な艦娘達が集まり各々で会話をしつつ食事を取っているその場所は、何時も通りの賑わいを見せている。
そこへ急いでいたのだろうか、少し息を切らしながらも2人が入って来て提督に声を掛ける。
提督「あら、珍しく今日は少しお寝坊さんなのね」
瑞鶴「翔鶴姉ぇが中々起きなかったのよ、それで少し遅れちゃって…」
翔鶴「き、今日は偶々なんです… 何時もならもっと早く起きてますから…」
提督「ふふ、そうね… あぁ、立ったままもお行儀が悪いから、私の隣で良ければお座りなさいな」
――そう言うと提督は掌で自分の隣を指す。
それを見た瑞鶴は少し周りを見回してから、「そうね」と呟く。
瑞鶴「たぶんもう席空いてないだろうしね… じゃ、お言葉に甘えて失礼しまーす」
翔鶴「こら、瑞鶴? 提督に向かって失礼でしょ?」
提督「あぁ、瑞鶴ちゃんは何時もこんな感じだから気にしなくて良いのよ? それに私も気軽に接してくれる方が嬉しいしね」
瑞鶴「さっすが提督さん! 話が分かる~」
――何ともまぁ調子の良い事を言いながらケラケラと笑う彼女である。
それを翔鶴は少し怒った様な表情で「もう…」と呟いた後、提督に一声描けてから自分達の朝食を取りに行く。
瑞鶴「ほんっと、翔鶴姉ぇは堅いんだから…」
提督「それも翔鶴ちゃんの良い所でもあるわ、何だかんだで瑞鶴ちゃんも嫌いじゃ無いでしょ?」
瑞鶴「まぁね、ああいう所も翔鶴姉ぇらしいって思ってるけどね」
――両手で頬杖をつきながら、まるで無邪気な子供のような笑みを浮かべそう言う瑞鶴。
提督「そう言えば…どうして今日は少し遅れたのか、差し支え無ければ教えて貰っても良いかしら?」
瑞鶴「あぁ、余り大した事でも無いんだけどね? 実は翔鶴姉ぇが――」
翔鶴「只今戻りました…瑞鶴、余り提督の邪魔をしては駄目よ?」
――何とタイミングの良い事だろうか。
丁度2人分の朝食を持ってきた翔鶴が、瑞鶴の言葉を遮って軽く注意する。
それに瑞鶴は小さく「うわっ…」と呟いたものの、すぐに悪戯っ子のような表情になり朝食を受け取りながら話を再開する。
瑞鶴「――でね、話の続きなんだけど」
翔鶴「あら瑞鶴、何か提督とお話をしていたの?」
瑞鶴「うん、今日は珍しく翔鶴姉ぇが寝坊したーって話」
翔鶴「っ…‼」
瑞鶴がそう言い終わるよりも先に、翔鶴が顔を真っ赤にして急に立ち上がる。
その音に周りに座っていた艦娘達が彼女の方を見るが、何かを察したのかすぐに元のように戻る。
ーー但し声を落としてあたかも聞き耳を立てているようにも感じられるが。
提督「あら、翔鶴ちゃんが寝坊なんて珍しいわね? 今日は雪でも降るのかしら」
翔鶴「き、今日は偶々なんです! いつもはちゃんとしています!」
瑞鶴「翔鶴姉ぇの言う通り昨日は 『偶々』 『赤城さんと飲んで酔っ払って』 『そのまま赤城さんの部屋で寝てた』 から遅くなっただけよ」
瑞鶴が特定の言葉をわざとらしく大きな声で 且つ強調したように言うと、周りの艦娘達が明らかに好奇の表情で翔鶴を見る。
そして当の本人はと言うと、茹で蛸のように真っ赤になって恥ずかしさのあまりわなわなと震えている。
ーー因みにどれくらい赤くなっていたかというと、その様子を見ていた艦娘の一人が
「頭の上にヤカンを乗せたらお湯が沸きそうなくらい赤かったぴょん」 と言う程度には真っ赤だった。
翔鶴「っ~~‼」
瑞鶴「あっちょ、翔鶴姉ぇ!?」
提督「あら~、走ってっちゃったわね」
瑞鶴「ごめん提督さん、翔鶴姉ぇ追いかけてくる! ご飯美味しかったって伝えておいて!」
提督「はいは~い、走ってぶつかったり転んだりしないように気を付けてね?」
瑞鶴「分かった! じゃあまた後でね!」
そう言い残すと、恥ずかしさのあまり逃げ出した翔鶴を追って瑞鶴も走っていく。
2人の去った食堂では先程の瑞鶴の話で持ちきりになり、関係者であろう一航戦の2人が質問攻めにあっていた。
提督「――今日も平和ねぇ…」
1人残った提督は依然食事を続けながら、周りを見てそう呟くのだった。
時雨「――やぁ提督、こんにちは」
提督「時雨ちゃんこんにちは、良い天気ねぇ」
時雨「そうだね、こんな日はゆっくり日向ぼっこも気持ち良さそうだね」
響「――響も居るよ 提督Добрый день.(こんにちは)」
提督「響ちゃんもДобрый день. 2人揃ってお話中だったかしら?」
響「そうだよ、少しある話題についてね」
時雨「響に聞かれたんだけど、ボクもよく分からなかったから2人で考えてたんだ」
オネエ提督、来ましたか!!
復活を楽しみにしておりましたよ〜
何かと忙しいと思いますが体には気をつけて更新頑張ってください!
五航戦いいっすね!
ズイ(ง ˘ω˘ )วズイ
応援してます頑張ってください!
>>ライン様
恥ずかしながら復活しました
応援ありがとうございます、その言葉だけで頑張れます
更新速度は…善処します((
>>2コメ様
応援ありがとうございます
ね?可愛いでしょう?←おい
このSSでは五航戦と一航戦はとても仲が良い設定なので、どんどん書いていきたいと思ってます