エミリアの最強騎士 ライヴ「私の命はエミリア様の為に!」
エミリアにスバルが来る前から騎士が居たらのお話
私の剣にかけて!お守りします!
それはある場所での出来事です。
そこでは、銀髪のハーフエルフである事から魔女の生まれ変わりだと言われ続けた少女がいました
その少女はそんなことを言われ続けいつしかこれが当たり前のことだと思い出すようになってしまいました。
しかし、そんな少女に寄り添う者がいました。
その者は少女の前に膝まずき
「貴方に忠誠を誓います。これより我が命は貴方と共に」
そう言いました。
少女は不安そうに問いかけます
「本当に私でいいの?」
っと、
騎士は答えます
「いいわけないはずがありません」
少女は泣きながら騎士に手を差し出しました
騎士はそんな少女の手の甲にキスをしました
「ライヴ・ペンドラゴン、貴方が私の騎士であることを誇りに思います」
「ありがたき幸せ。これからよろしくお願いします。ご主人様」
「えぇ、よろしくね、ライヴ。それと、エミリアでいいよ」
「では、エミリア様と呼ばせていただきます」
「むぅ〜、様はいらないのに...」
少女はごねたように頬を膨らませました
「これはご容赦ください」
騎士はニコニコ微笑みながらそう答えました。
ーーーー
建物の中で、銀髪のハーフエルフのエミリアと大精霊パックが腸狩りのエルザが対等していました。
その後ろには転移者であるスバルとフェルトとロム爺が戦いを見守っています。
「ごめんリア、ちょっとなめてかかってた、マナ切れで消えちゃう」
「分かったわ。後はこっちでなんとかしておくわ。ありがとうね」
「君に何かあれば僕は契約に従う。危なくなったらライヴを呼ぶか、無理をしてでも僕を呼び出すんだよ」
そう言い残し、パックは消えていきます
「あら、消えてしまったわね」
パックが消えたのを見てからエルザがエミリアに攻撃を仕掛けます。
エルザは高スピードでエミリアに攻撃を仕掛けます。
その攻撃にエミリアは防戦一方になります。
そしてついにエルザの蹴りがエミリアに当たります
エミリアはその蹴りにより飛ばされ、そこにエルザが追撃を加えようと迫ります。
その時です
ドン!ガラガラ!
建物の屋根が突如として崩れたのです。
「エミリア様!!」
天井から一人の騎士が降ってきます。
「あら、新しいお客さんかしら?」
エルザは新たな敵の登場にワクワクした様子で反応します。
「ライヴ!!」
ライヴはエミリアは後ろに庇うように前に立ちました
「エミリア様、遅くなり申し訳ございません。ご怪我は?」
ライヴはエルザの動向一つ一つに注意しながらエミリアに喋りかけます。
「大丈夫よ。心配ないわ」
「それは何よりです。さてと、貴方は何者で?」
「私?私はエルザって言うの。腸狩りとも呼ばれてるわね」
「なるほど、貴方が例の腸狩りですか。では、容赦する必要はありませんね」
「貴方の名前を聞いてもいいかしら?」
「私の名前はライヴ・ペンドラゴンと申します」
「あら、確か剣聖ラインハルトに並んで王国最強と呼ばれている騎士様だったかしら?」
「えぇ、確かにそう言われたこともありますね」
「ふふ、楽しみだわ。貴方と戦うの」
「そう思っていただからのは光栄なのですが、今日はエミリア様を待たせてしまっていますので、すばやく片付けさせていただきます。」
「あら、つれないのね」
エルザは、先程のように高スピードで飛び回り攻撃を仕掛けます。
キンッ! キンッ!
しかし、その攻撃は全て防がれています。
ですがライヴは一切動いてはいません。何がエルザの攻撃を防いでいるのか
それは
「その剣やっかいね」
ライヴの背中周りをいつの間にか円を描くように浮遊している8つの剣でした
「おぉ!剣が浮いてる。すげぇ!!」
「なんだ、なんだあの能力、チートじゃねぇか!」
後ろで見ていた、フェルト、スバルがそれを見て驚きを見せます。
「さてと、貴方は現在劣勢です。退避することをお勧めしますよ」
「嫌よ、これからだもの」
「では、仕方ありません」
ライヴはそう言うと抜刀します
「腸狩り、エルザ・グランヒルテ」
「エミリア様が騎士、ライヴ・ペンドラゴン」
小屋一帯が大きな光で包まれます
光が収まると、エルザがいたと思われる場所には瓦礫が崩れ落ちています。
ライヴは終わったとばかりに浮遊させている剣を魔法陣の中にしまい、抜刀していたエクスカリバーを納刀しました。
「ライヴ!大丈夫⁉︎」
事が終わりエミリアが心配するようにライヴに近づき顔などを触りながら問いかけます
「えぇ、エミリア様。大丈夫です。大丈夫ですから」
「本当?無理してたら後でお仕置きよ?」
「えぇ、ご安心を」
ガシャ!!
突如としてガレキが崩れ落ちその中からエルザが飛び出してきました
「っ⁉︎」
ライヴはエミリアに視線を向けていたために反応が遅れてしまいます。
「狙いは腹!!」
その時エミリアとエルザの間にスバルが棍棒を持ちエルザの攻撃をガードします
「っち!あの子また」
そこにライヴの浮遊する剣がエルザに襲いかかります
「今日はここまでね。また会いましょう。それまで、自分の腸を可愛がってあげて」
エルザは奇妙な言葉を言い残すとそのまま飛び去ってしまいました
「スバル、大丈夫なの!」
「あぁ、大した事ないよ」
「さてと、俺は今ヒロインである君の命を救ったんだ、それなりの例をもらってもいいんじゃないかな?」
スバルは奇妙なポーズを取りながらエミリアを指差します
「えぇ、お礼はするわ。私にできる事ならって条件付きだけど」
「なら、君の名前を聞いてもいいかな?」
その後スバルはエミリアの名前を聞いた後、お腹が裂け倒れました
どうやらエルザの攻撃を防ぎ切れていなかったようだ。
エミリア達は重傷をおい未だ目を覚さない少年を乗せ自分たちの屋敷に戻っていました
「ライヴ、本当に大丈夫なの?は、もしかしたら自分で気付いてないだけなのかも」
屋敷に到着し、スバルの治療を終えたエミリアは自分の騎士であるライヴの心配をしていました
「えぇ、何度も言っていますが大丈夫です!だから服を脱がせようとしないでください!」
エミリアは自分の目で確かめなければ満足しないのかやめようとしません
「分かりました!上だけなら脱ぎますから!」
根負けしたライヴが妥協案として上を脱ぐことを提案します
「もぅ、強情なんだから」
「どっちがですか!」
エミリアは少しごねたようですが上を脱ぐだけで納得しました
「ここは、大丈夫ね。ここも...」
エミリアは首から下を順に手で触りながら確認していきます。ライヴもそれに抵抗することなく受け入れます
暫くして、エミリアの触診が終わりました
「ふぅ、怪我はないようね」
「やっと分かってもらえましたね...」
ライヴは少し疲れた様子で頷きます
「もう、心配させないでよね」
「エミリア様に心配させない方が難しいのでは...」
するとエミリアの方あたりに光が収束しだしそこからパックが現れました
「ふわぁ〜あ、リアおはよう、どうやら大丈夫なようで安心したよ」
「おはようパック。えぇ、ライヴのおかげで大丈夫だったわ」
パックはライヴに目線を移し苦笑いになりながら
「その様子だとまたリアの心配性が出ちゃったんだね」
「はい、お察しの通りです」
「だって、ライヴが心配で心配で...」
エミリアは少ししょげたように顔を下げます
「んっ、」
ライヴはエミリアの顔を両手で掴むと自分の方に向けこう言いました
「別に怒っているわけではありませんよ。ただ、もう少し私の事を信じていただきたいんです」
ライヴは優しくエミリアに話しかけます
「そうよね、これじゃあライヴを信用してないみたいだものね。私頑張るわ」
「はい、そのいきです」
ライヴはそう言い頭を撫でます
エミリアも気持ちがいいのか目を閉じてじっとしています。
「さて、ソロソロお眠りください」
夕食を食べ入浴を済ませた後、エミリアの寝室でライヴがそう告げます
「うん、おやすみライヴ。」
そう言いエミリアは眠りにつきます
ライヴはそれを確認し自室に戻りました
コンコン
部屋の扉がノックされました
「どうぞ」
ガチャ
「失礼するわ」
「失礼します」
入ってきたのは桃髪と青髪の少女達です
「よく来ましたね。ラム、レム」
ライヴはラムとレムを出迎えます
「兄さん」
「お兄様」
二人はそう言いライヴに抱き付きます
二人がこうするのには幼少期の出来事が原因でした
二人は元々鬼族として村に住んでいたのですがそこに魔女教が村を滅ぼすべくやって来たのです
ーーー
「はぁ、はぁレム大丈夫?」
「うん、でも...」
レムは殺された両親の死体を見てその場にへたり込んでいました
ラムは先ほどまで魔女教を倒していましたが、魔女教の一人が自分の命と引き換えにラムのツノを切り落としたのです
状況は絶望的です
次に襲われれば命はありません
しかし時は待ってくれません
「うわぁぁ!!」
大声を上げ襲って来ます
「ラム!」
「お姉ちゃん!」
二人抱きしめあい目を閉じます
「そこまでです」
ザシュ
ドサ
突如として男性の声が聞こえて来ます
ラム達が目を開けるとそこには王国騎士団の制服を見に纏った青年が立っていました
その青年はラム達の目の前まで来ると膝をつき
「君たち、大丈夫かい?」
「は、はい」
レムが焦りながらも答えます
「それは良かった、君たちのご両親は...」
ライヴは後ろで倒れている目の前の少女達の両親らしき死体を見て何かを察したのか黙り込みます
「とにかくここは危険だ、少し移動しようか」
ライヴはラム達を抱き上げると走りだしました
ライヴは少女達を安全な場所に連れて行きたいという思いも勿論ありましたがそれ以上に、この惨状を幼い子達に見せたくはないと思いがありました
「ロズワール様、生存者はこの子達だけのようです。残党の殲滅は完了しました。」
「そのよ〜うだね。で〜は、撤収しようか」
「はい」
ライヴは少女達を抱き上げたまま馬車に乗り込みます
ロズワールが気を利かせたのか馬車には少女達とライヴだけです
「お母さん、お父さん...」
「んぐっ...」
レムは思い出したかのように両親を呼びます
ラムは涙を堪えようとしていますが堪えきれず泣き出してしまっています
ライヴはそんな二人を見ていられず、思わず抱きしめながらこう言いました
「すみませんでした。私が、私がもっと速ければ貴方達にこんな思いをさせることはなかったのに...」
その時のライヴは涙を流していました
「「うわぁぁん」」
二人はそんなライヴにしがみつくように抱き付き涙を流します
最終的には三人一緒に泣いてしまいました
馬車が屋敷に着くとライヴはレム達を再び抱き上げ馬車を降ります
ロズワールは事後処理のため帰りが遅くなっています
ライヴはまず少女達を自室に入れると椅子に座らせて話しかけました
「2人の名前を聞いてもいいかな?」
「ラム」
「レム、です」
「ラムとレムかいい名前ですね。私の名前はライヴと申します」
ライヴは笑顔でそう言い、優しく問いかけます
「君たちに一つ提案があるんですが聞いてもらえますか?」
ラム達は首を傾げます
「ここに住む気はありませんか?」
「え、」
「ここに?」
「はい、どうですか?」
二人は1度顔を見合わせると頷きライヴに向き直り
「住みたいです」
「お願い」
「決まりですね。さてと、そうと決まればまずはロズワール様に報告ですね」
ライヴはロズワールが帰って来てから少女達を住まわせてもいいかの確認をとり了承を得ました
そしてその後、二人はライヴが一人でやっていた屋敷の炊事などの雑用を見て自分達もやりたいと言い出し、ライヴに教えてもらいながら覚えていき現在に至ります
ーーー
「毎日これだと気が思いやられますね」
ライヴは未だに抱きついているレムとラムを見て苦笑いをします
「二人ともソロソロ寝ないとダメですよ」
ライヴはあやすように言います
「後もう少しですから」
「もう少しぐらいいじゃない」
「ダメです、」
ライヴはラム達を半ば無理やり追い返します
コンコン
追い返したところで再度扉がノックされます
「空いてますよ」
ガチャ
「ごめんなさい、今日もいい?」
ライヴは両手を広げて
「おいで」
そう言いました
エミリアはその広げられた腕の中に入るとライヴに抱き付きます
そしてライヴ達はそのまま横になります
エミリアは結構な頻度で夜ライヴの部屋を訪ねては一緒に寝ています
それはなぜかと言うとライヴの体の暖かさにふれ、そして胸に耳をあて心音を聞くととても安心できるからというものでした
「すぅ〜」
エミリアはそこで大きく呼吸をしライヴの匂いは肺いっぱいに取り込みます
「幸せ、すぅ〜」
そして二人は眠りにつきました
これは、我が主を救う戦いである!
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