ベジータと美食倶楽部
ベジータ、美食倶楽部へ
初めて書きます。
気楽に読んで頂ければ幸いです。
ブルマ「ねぇ、あんたもそろそろ働いてよ」
ベジータ「ふん。なぜだ?俺様が働かんでも金はあるだろう」
ブルマ「お金の問題じゃないのよ。トランクスにこの前相談されたのよ。何でうちのパパは働かないの?って。」
ベジータ「何だと?!」
ブルマ「トランクスがお友達と話してる時に父親の仕事の話になったみたいで、その時に話題に入れなかったって悲しそうな顔してたわよ」
ベジータ「ちっ!くそったれめ…だが俺なんかが働ける所なぞないだろう?」
ブルマ「あ、やる気でてきた?ふふふ。やっぱりトランクスには弱いわね」
ベジータ「うるさい!」
ブルマ「あんた前に料理作ってくれたじゃない?ベジータ様のお料理地獄とか言ってさ。結構美味しかったから料理人でも目指してみれば?意外と手先も器用だし、天職かもよ」
ベジータ「料理か。なるほどな。まぁいいだろう。やるからには一流の店で料理をするぞ」
ブルマ「いきなり一流店で料理をするのは無理だから、まずは修行しなさいよ。良いお店知ってるのよ。私のツテで何とかしてあげるわ」
ベジータ「ほう、何という店だ?」
ブルマ「美食倶楽部って所よ。海原雄山ていうすごい食通の人がやってて、めちゃくちゃお料理も美味しいんだから。それじゃあ美食倶楽部に電話してあんたを雇ってもらえるように頼むわね」
プルルルル
中川「はい、美食倶楽部です。あ、ブルマさん。お世話になります。え?旦那さんを雇って欲しい?普通なら試験があるのですが、ブルマさんの頼みじゃ断われませんね。分かりました。明日から来て下さい」
こうしてベジータは美食倶楽部の門をくぐることになった。
翌日
ベジータ「ここが美食倶楽部か。ふん、中々立派な建物だ。この俺様に相応しいぜ。さて早速中に入るか。」
中川「あ、ブルマさんの旦那のベジータさんですか?」
ベジータ「そうだ。貴様が中川か?ブルマの野郎がよろしくと言っていたぞ」
中川「(貴様…)こちらこそよろしくお願いします。早速ですがこちらに着替えて下さい。厨房へご案内します。」
ヌギヌギカエカエ
ベジータ「着替えたぞ。貧弱な服だな。では厨房へと行ってやろう。」
トコトコ
中川「皆、今日からここで働くことになったベジータさんだ。色々教えてやってくれ!それと良三。お前がベジータさんの教育係だ。頼んだぞ」
良三「初めまして。良三と申します。よろしくお願いします。」
ベジータ「貴様が俺の教育係か。ふん、サイバイマンみたいなツラしやがって。そんなことで旨いメシが作れるのか?」
良三「(サイバイマン?)ははは…ま、まぁとりあえずベジータさんは洗い物をやってください」
ベジータ「洗い物だと?!おい、俺にもとっとと料理を作らせろ。」
良三「い、いや、いきなり料理を作るのは無理なんで…料理を作ってお客様にお出しするには、海原先生のお眼鏡にかなってからでないと…」
ベジータ「何だと?!それでは海原とやらをここに連れてこい!」
良三「ええ?!そんな無茶な!」
中川「ベジータさん、落ち着いて。海原先生には私から話をしますので…(はぁ、大変な人を引き受けちゃったな…)」
ベジータ「ちっ!さっさと海原に会わせやがれ!俺様の料理の腕を見せてやる」
海原「何だ、騒々しいな。」
中川&良三「海原先生!」
ベジータ「ほう、貴様が海原か。戦闘力は大したことないが、威厳だけはありやがるな。貴様がここのトップというわけだな?」
中川「ベジータさん!口のきき方には気をつけて!海原先生、すみません。こちら、昨日お話したカプセルコーポレーションのブルマさんの旦那様でベジータさんです。今日からうちで面倒をみることになりました。」
海原「ふむ。ただベジータよ。いくらカプセルコーポレーションの婿だからと言ってもうちでは贔屓はせんぞ。腕が悪ければ辞めてもらう。」
ベジータ「へっ、面白い。俺様の腕が悪いかどうか確かめてみやがれ」
中川「(おいおい、海原先生を怒らせないでくれよ…)」
海原「ほう。余程自信があるようだな。それでは早速何か作ってもらおうか。何でも良い。自信のあるもの一品作って持ってこい」
中川「先生!よろしいので?まだベジータさんは今日来たばかりですよ!」
海原「構わん。ではベジータよ、待っているぞ」
そう言って海原雄山は厨房を後にした。
良三「あわわわ!ベジータさん!大丈夫ですか?!あんなこと言って!?」
ベジータ「慌てるな、サイバ…じゃなくて良三だったな。俺様の腕前を披露してやる」
中川「ま、まぁこうなったら全力尽くして作って下さい。海原先生は本当に料理に真摯に向き合ってるお人です。ベジータさんの今できる最高の料理を先生に作ってやって下さい。」
ベジータ「ふん、言われなくても最高の料理を作ってやる。ベジータ様のお料理開始だぜ!」
良三「じゃあ材料はこちらにありますので自由に使ってください。」
ベジータ「くっくっく。見てろ、良三。最高のベジータ特製味噌汁を作ってやる。これはブルマも喜んで食べたスーパー味噌汁だ。後で貴様にも食わしてやろう。」
良三「あ、ありがとうございます…」
ベジータ「さて、とりあえずは適当な鍋に水を張ってお湯を沸かすとするか。後は…」キョロキョロ
良三「?ベジータさん、何かお探しですか?」
ベジータ「ああ。味の素を寄越しやがれ。あれは万能なんだ」
良三「味の素?!い、いや、うちには味の素はないですね…出汁を取る鰹節とか昆布とかならありますが…」
ベジータ「な、なんだとぉ!味の素がないだとぉ!くそったれめ!」
良三「味の素は確かに便利なのですが、うちでは一つ一つの素材にこだわって料理をしますので…」
ベジータ「ちっ!それならさっさと鰹節とやらを寄越しやがれ!間に合わなくなってもしらんぞ!」
良三「は、はい!どうぞ、鰹節です」
ベジータ「これが鰹節か。初めてみたぜ。で、これをお湯にこのまま突っ込めば出汁がとれるのか?」
良三「え?いや、それを削らないと…あっ、削るやつはこれです。」
ベジータ「ほほぅ。この鰹節をこうやってここに当ててスライドするのだな?ふふ。面白い。やってやろう。」
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