アスカ「シンジの察しが良すぎる」
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アスカが急に察しが良くなったシンジ君に疑念を抱きます。
新劇場版エヴァンゲリオンのネタバレを含む可能性があるので注意してください。
アスカ(最近シンジの様子が変だ)
シンジ「あ、ただいまアスカ。先帰ってたんだ」
アスカ「うん、ちょっとね」
アスカ(普段いる分にはこの変化はわからないだろう)
アスカ(しかし、この男ほんのちょっとした瞬間に)
アスカ(…喉が渇いたなぁ)
シンジ「あれ、アスカ喉乾いてる?プァンタ出すよ」
アスカ「あ、ありがと」
アスカ(このように何となく思ったことを以心伝心しているかのように汲み取ってくれる)
アスカ(正直不可解すぎる)
アスカ(でも、悪い気はしない)
シンジ「はい、グレープ」コトッ
アスカ「悪いわね、頼んでもないのになんで分かるのよ」クイッ
シンジ「んー、これだけ一緒に住んでれば何となく分かるようになってくるかな?」クイッ
アスカ(シンジにはこちらの考えを読んでいるような素振りはない)
アスカ(この私が嘘をついていることを見破れないなんて、シンクロ率を一桁に落とすくらいありえないこと)
シンジ「そうだ、今日の夕飯はジャーマンポテトを作ろうと思うんだけど、ドイツだとどんな風なの?」
アスカ「そんなに日本のとかわんないわよ。ジャガイモが皮付きかそうでないかくらい」
シンジ「へぇ、皮付きでやるんだ」
アスカ「食感にメリハリがついて美味しいのよ」
シンジ「それ気になるな、今日はそうしよう。あ、そろそろ冷えてきたね。窓閉めようか」ガラガラ
アスカ「ええ、ありがと」
アスカ(最早、こちらが深く思わなくても深層心理中の感覚さえ理解している)
アスカ(つい先日まであんなに鈍感な朴念仁だったのに)
アスカ(今や私が気がつかない私の事まで気にしてくれる)
アスカ「………」
アスカ「悪くないわね」ボソッ
シンジ「何が悪くないの?」
アスカ「シンジには関係ない。夕飯作って」
シンジ「はいはい。今日の味噌汁はワカメと豆腐だよ。アスカ好きでしょ?」
アスカ「楽しみにしといてあげる」
アスカ(……悪くはないわ)
アスカ(でも、一体どうして急に…?)
シンジ「フンフンフフーン」コトコト
………翌日、in学校
トウジ「アカン!数学の宿題やるの忘れとった!」
ケンスケ「手の甲に書いておいて忘れるのはもうどうしようもないね」
トウジ「そないなこと言わんでさ、見せてよ」
ケンスケ「かと言って俺もそんなに今回のはよく出来てないし…」
シンジ「おはよう」スタスタ
アスカ「まーた鈴原は課題忘れてるのね」トコトコ
ケンスケ「おはよう碇、式波」
トウジ「ハン!オノレに何言われても何も思わへんからな」
シンジ「はい、トウジ」スッ
ケンスケ「へ?」
トウジ「数学のノート…センセ、なんでワシが数学の宿題やってへんのわかったねん」
シンジ「え?まぁ、なんとなくかな。朝から焦るってことは午前中の宿題だし、その中で宿題あったのは数学と理科だろ?」
シンジ「その中でトウジが忘れそうな方って言ったら数学しかないかなって」
ケンスケ「碇、凄く察しがいいな」
シンジ「僕も最近そう思うんだよね」
トウジ「ちょっと納得いかんが、ホンマに感謝しかへん」フカブカー
シンジ「先生に没収はされないでよね」
アスカ「………」
アスカ(このように、察しがいいのは私に対してだけじゃない)
アスカ(文字通り誰に対しても察しがいいのだ)
アスカ(今日も登校中に見た目ではわからない具合に道に迷っていた人にシンジから道を教えていた)
アスカ(シンジは前から人は良かったけど、ここまで察しがいい人間ではお世辞にもなかった)
ヒカリ「おはよー!」
アスカ「…なんか気に入らないわね」
ヒカリ「ん…?あ、アスカ?」
アスカ「ん、んーん、考え事。おはよ、ヒカリ」
ヒカリ「困ってるなら、なんでも相談してね?」
アスカ「ありがと、ヒカリー」ギュー
ヒカリ「わっ!」ギュー
シンジ「本当に2人って仲良いよね」
ケンスケ「俺たちもあそこまでではないけど、似たようなもんだろ」
アスカ「ちょっと相田!私たちの関係を3バカと同じにしないでよ!」
トウジ「なんやとぉ!?」
シンジ「まぁまぁ、落ち着いてトウジ」
ケンスケ「どうどう」
トウジ「ワシャ馬か!」
綾波「…おはよう、碇君」テコテコ
シンジ「おはよう綾波。…あれ、綾波髪切った?」
アスカ「っ!?」
ケンスケ「え、そうかな?変わらないように見えるけど」
トウジ「見えるも何も、変わっとらんやん?」
綾波「…切ったわ。前髪と襟足を、3ミリほど」
ヒカリ「本当に?」
ケンスケ「よく気付いたな」
シンジ「普段とは違う感じがしたからね」
アスカ「………」
アスカ(やっぱりおかしい)
………inネルフ 本部
アスカ「…というわけなのよ」
リツコ「…………」
アスカ「ちょっとリツコ、聞いてる?」
リツコ「え、ええ、ちょっと考え事を」
アスカ「急にそんな変化、普通するかしら」
リツコ「思春期の少年の経験は私にはないから分かりかねるわ」
アスカ「まさかリツコ…シンジに変なもの飲ませてないでしょうね?」
リツコ「まさか」
アスカ「本当に?」
リツコ「神に誓って」
アスカ「………ならいいけど」
マヤ「失礼します、赤木博士、シンクロテストが始まりますよ」
リツコ「そう、すぐ行くわ、アスカはどうする?」
アスカ「暇だし見に行くわ」スッ
リツコ「じゃあ行きましょ」スッ
マヤ「そういえばシンジ君なんですけど」テクテク
アスカ「シンジがどうしたのよ」トコトコ
マヤ「私、昨日シャンプー変えたんですよ」テクテク
マヤ「そしたらシンジ君」テクテク
シンジ『あれ、マヤさんシャンプーか香水変えました?フローラルでいいと思いますよ!』
マヤ「って言ってきたんです。私、そんなに匂ってました…?」テクテク
アスカ「………リツコ?」トコトコ
リツコ「神に誓ったって言ったじゃない」スタスタ
ウィーン
ミサト「あら、意外と早かったじゃない」
リツコ「迷う道がないもの。始めましょ」
日向「了解です、シンクロテスト、開始します」
ミサト「…そういえばさ、聞いてよ。昨日の夜、シンジ君が私の好きなもの作ってくれてさぁー!」
リツコ「貴女、まだシンジ君にご飯作らせてるのね」
ミサト「え、あ、いやーははは…だって私の方が帰るの遅いし…シンジ君も楽しいっていってくれるし…」
ミサト「ってその話はよくってね、最近彼察しが良いのよねぇー。昨日も、なんとなく『さっぱりしたものが食べたいなー』って独り言言ったら夕飯に大根おろしハンバーグが出てきたのよー」
マヤ「葛城一佐もそう思いますか?私もそうなんですよ」
日向「僕もそう思います。メガネ変えたんですけど、最初に気付いてくれたのはシンジ君でした」
ミサト「言われてみれば…変わってるのそれ?」
日向「何を言いますか。上の部分のフレームがなくなってるでしょう」
アスカ「言われてみれば…」
リツコ「別にメガネのフレームなんてどうでも良いのよ」
日向「僕のアイデンティティが…」
青葉「僕も髪切ったのを気付かれましてね。数センチしか切ってないのに、よく分かるものですね」
アスカ「今日学校でエコヒイキが髪を数ミリ単位で切ってたのを指摘してたわ」
日向「ミリ単位でも気付くのか彼!?」
リツコ「おしゃべりはその辺にしなさい、マヤ、どう?」
マヤ「はい、シンジ君もレイもパルス安定、数値出ます」
マヤ「レイは…平均値59.2%です」
リツコ「可もなく不可もなくってところね。シンジ君は?」
マヤ「出ました…平均値127.0%です!」
ミサト「」ブーーッ
アスカ「」
日向「」
青葉「何かの間違いだろ…?」
リツコ「」
………in司令室
リツコ「…以上が今日のテスト結果になります」
冬月「」
ゲンドウ「…初号機パイロットの平均値135.6%というのは間違いないんだな?」
リツコ「私も最初は計測機の故障を疑いましたが、零号機パイロットの際も念のため実験した弍号機パイロットの際も普段と特別変わらない数値を出していたので間違いないかと」
リツコ「…やはり、あの薬の効果ですかね」
冬月「経過は順調のようだな」
リツコ「しかし、一つ気になることを言っていました」
ゲンドウ「何かね」
リツコ「『なんだか、初号機の気持ちが分かった気がしたんです。何を考えてるのか、何を求めてるのかが。初号機とは今繋がってないし、初号機に心なんてないのに』と言っていました」
冬月「」
ゲンドウ「」
リツコ「初号機に心があるかどうかは私には分かりませんが、もしあるとすればあの薬の作用の範囲内だということになります」
ゲンドウ「……そうか、分かった。今後もあの薬は秘密裏に生産するように」
リツコ「分かりました」スタスタ
ゲンドウ「………」
冬月「……どうするつもりだね。初号機の中のユイ君に近づいてしまえば、彼は一足早く覚醒してしまうのではないか?」
ゲンドウ「シナリオ変更の許容範囲内だ。四体目の手筈も整っている」
冬月「アメリカの参号機か四号機かはたまたmark6か。彼らが日本への輸送を許すかね」
ゲンドウ「いずれにせよ、どれかが日本に来ることになる」
冬月「そうか」
ゲンドウ「………」
冬月「………碇」
ゲンドウ「何だ」
冬月「息子との確執を戻すために薬に頼るのはどうかと思うぞ」
ゲンドウ「…………バレていたのか」
冬月「お前の考えていることは読めないがな、感覚で何となく分かるようになったわい」
ゲンドウ「………すみません」
冬月「何、私はユイ君にもう一度会いたいが、それ以前にお前も1人の父親だったということだ」
ゲンドウ「…………」
冬月「ゼーレの老人への説明は任せたぞ」スタスタ
ゲンドウ「………………シンジ………」
ゲンドウ「…赤木博士、聞こえるか」
リツコ『はい』
ゲンドウ「シンジをここへ」
リツコ『…了解しました』
………in地上層
アスカ「」ムッスーーーー
シンジ「ご、ごめんてアスカ、あれは何かの計測機のバグだよ」
アスカ「」ムッスーーーー
シンジ「今日の夕飯はアスカの好きなのにするからさ、機嫌直してよ」
アスカ「」ムッスーーーー
シンジ「参ったな………」
ミサト「アースカ、明日頑張ればいいじゃない。そりゃシンちゃんだって今まで頑張ってきたんだもの、成果が出る日だって来るわよ」
アスカ「」ムッスーーーーーーーー
レイ「…………」テコテコ
ミサト「あ、レイ、お疲れ様」
レイ「はい」
アスカ「………どうやったのよ」
シンジ「え、あ、何か初号機に対してどうしたらいいのかが頭に流れ込んできたんだよ」
アスカ「………何それ」
アスカ(普通にボソッとした声も拾われるから地味にこれはこれで楽ね)
シンジ「僕だって今までこんな経験ないし、分かんないよ」
アスカ「そうでしょうね。あるとしたら今まで散々手を抜いてきたってことなんだから」スッ
シンジ「あ、アスカ!」
アスカ「…………何よ」
シンジ「…………その」
アスカ「…………」
シンジ「……悔しかったら抜いてみろよ」
アスカ「……何ですって?」
シンジ「聞こえないなら何度でも言ってやるよ。僕に負けて悔しいなら、次のテストで抜いてみろよ!!」
アスカ「はぁぁぁぁ!?アンタよくも言ってくれたわねぇ!?」
シンジ「事実だろ!?自分のベストスコアが僕に負けて悔しいから拗ねてるんだろ!本当に悔しいなら、拗ねてる時間を最大限に活用しようとしてみろよ!!!」
ミサト「し、シンジ君、その辺にしといてあげたら?」オロオロ
レイ「喧嘩は…ダメ…」オロオロ
シンジ/アスカ「「2人は黙ってて!!!」」
ミサト「」ビクッ
レイ「」ビクッ
シンジ「いい?僕は今まで心なんてないと思ってたエヴァを人として感じられたんだ。エヴァを戦闘機同様に見てるアスカには到底無理だろうね!!」
アスカ「なぁんですってぇ!?エヴァは戦闘機でしょぉ!?」
シンジ「戦闘機ならシンクロなんてどうやってやってるんだよ!!エヴァは人造だけど、人間なんだよ!!」
アスカ「〜〜〜〜〜っ!!!」ジタバタ
ミサト「これは…流石にアスカ分が悪いわね」
リツコ「無様ね」スタスタ
シンジ「あれ、リツコさん」
アスカ「ちょっとリツコ引っ込んでて!今シンジに積年の恨み辛みをぶつけようとしてるんだから!!」
リツコ「そのシンジ君がお呼ばれよ」
シンジ「誰に、ですか?」
リツコ「碇司令よ」
ミサト「!?」
アスカ「!?」
シンジ「!?」
レイ(取り敢えず驚いておこう)
レイ「!?」
………in司令室
シンジ「失礼します」ウィーン
ゲンドウ「来たか」
シンジ「呼ばれた理由は…何ですか、父さん」
ゲンドウ「…………」
シンジ「…………?」
冬月「薬に頼らないでしっかりと話さなければいけないんじゃないのか?」ボソッ
ゲンドウ「分かっている……」
ゲンドウ「シンジ……」
シンジ「はい」
ゲンドウ「今日はいい天気だな…」
シンジ「え…?あ、はい、そうですね。こんな日は洗濯物がよく乾きますよ」
ゲンドウ「………そうか」
シンジ「………あの、本題は…?」
冬月「碇」
ゲンドウ「分かっている、急かさないでくれ」
ゲンドウ「シンジ」
シンジ「………はい」
ゲンドウ「礼を言っていなかった、と思ってな」
シンジ「え?」
ゲンドウ「第八の使徒の際には言ったが、第四、第五、第六使徒もお前がいなければ、第三新東京は焼け野原だったろう」
ゲンドウ「改めて礼を言う」
冬月「私からも、礼を言わせてくれ」
シンジ「…………はい」
ゲンドウ「話はそれだけだ。下がって良い」
シンジ「…………はい」クルッスタスタ
冬月「碇」
ゲンドウ「今言おうとしていたのだ」
ゲンドウ「シンジ」
シンジ「はい」ピタッ
ゲンドウ「今度、食事に行こう。何が食べたい」
シンジ「…………父さんの料理が、食べてみたい…です」
冬月「…………」
ゲンドウ「………分かった、整い次第、追って連絡する。下がれ」
シンジ「はい…………」スタスタウィーン
ゲンドウ「…………」
冬月「ちゃんと、言えたじゃないか。薬に頼りもせずに、な」
ゲンドウ「…何故、シンジは私が言わんとしていることを汲み取ってはくれなかったのだろうか」
冬月「それはお前が口足らずだから以外の何物でもなかろう」
ゲンドウ「………そうですか」
冬月「察しが良いというのは、相手をある程度理解する必要がある」
冬月「何も言わずとも通じ合えるのは、何年何十年と共に過ごしたペアにこそ為せる技だ。つい先ほどまで疎遠だった2人には厳しいよ」
ゲンドウ「もっと強力な薬を開発すれば…」
冬月「いい加減にしないと、私も怒るぞ。あの言葉はお前の口から出た。お前の本心だろう」
冬月「お前は、自分の心にも薬を使って嘘をつくというのか」
ゲンドウ「………すみません」
冬月「分かれば良いのだ」
ゲンドウ「……時に、冬月先生」
冬月「何かね」
ゲンドウ「先生は、料理などやられますか?」
冬月「………教えを乞うのに良い人材を知っているよ」
日向「あ、シンジ君おつかれー。………あれ、シンジ君?」
…………
青葉「お疲れシンジ君。実はさ、次の髪型を考えてるんだけど……シンジ君?」
………in地上層
ミサト「あら、おかえりー、早かったのね」
アスカ「…………」
レイ「お帰りなさい」
リツコ「司令は何だって?」
シンジ「」ポケー
ミサト「………あれ、シンジ君?シンジくーん?」
リツコ「我此処にあらず、といったところかしら」
レイ「放心しているわ」
シンジ「」ポケー
シンジ「」ッハ‼︎
シンジ「あ、あれ、僕、いつのまに地上まで?」
ミサト「何言ってるのよー、自分で歩いてきてたじゃない」
リツコ「何かあったの?」
シンジ「父さんに………今までの礼を言われました」
ミサト「!?」
リツコ「!?」
レイ(ここも驚くのね)
レイ「!?」
アスカ「…………!?」
ミサト「な、何の礼……?」
シンジ「使徒殲滅に対して…です」
リツコ「サードインパクトの前触れかしら……」
ミサト「物騒なこと言わないでよ…」
シンジ「それと……」
ミサト「何、まだ何かあるの?」
シンジ「今度食事に行かないか…って」
ミサト「」
リツコ「」
アスカ「」
レイ(ここは絶句すればいいのね)
レイ「」
シンジ「何というか……その……」
アスカ「…………ま、良かったんじゃない?」
シンジ「アスカ…」
アスカ「アンタら親子が不仲なのは私にはどーでもいいんだけどね」
アスカ「それでも…やっぱり、親は大切にするべきよ」
アスカ「……あと、さっきの口論だって私を傷つけないようにしないよう、考えてくれてたんでしょ」
アスカ「全く、察しは良いけど言葉選びはまだまだね!」
アスカ「…でも、やる気は出たわ」
シンジ「…………アスカ」
シンジ「………ありがとう」
アスカ「…………はー、それにしても、シンジ!!」
シンジ「は、はい!!」
アスカ「アンタがさっき言ってたこと、忘れてないでしょうね!!」
シンジ「………勿論だよ、今日もハンバーグにしようか?」
アスカ「ケーゼシュペッツレも付けてよね!」
ミサト「けーぜ…何?」
アスカ「ドイツのパスタ料理よ!」
シンジ「そうだ、リツコさんと綾波も一緒にどう?」
リツコ「シンジ君が作るなら行くわ」
レイ「私…お肉嫌いだから…」
シンジ「じゃあクローセも作るかな。サラダ料理だけど、これだけでも結構お腹膨れるんだよ」
レイ「……行く」
シンジ「よし、今日は買うもの多そうだなぁ」
ミサト「荷物持ちくらい手伝うわよん♪」
リツコ「お邪魔する身だしね」
アスカ「ミサト!コスモスポーツ飛ばすわよ!!お腹すいた!!」
ミサト「よっしゃ!行くわよー!!」
レイ「………碇君」
シンジ「ん?」
レイ「碇司令との食事、ポカポカする?」
シンジ「………うん、今もポカポカだし、これからもっとポカポカするよ」
レイ「そう………良かった」
シンジ「そういえばリツコさん」
リツコ「何かしら」
シンジ「副司令が、薬がどうこう言ってたんですけど、僕の身体に何の薬が入ってるんですかね?」ニッコリ
アスカ「…………」キッ
リツコ「…………」メソラシ
アスカ「………リツコアンタ神に誓うって………」
リツコ「私、無神論者なの」メソラシ
アスカ「目ぇ見て言いなさいよ」
リツコ「でも、本来あの薬は察しを良くするため、というよりはシンクロ率向上のために作ったのよ。前者はあくまで副作用よ」
ミサト「まあそういう意味では実験成功なのね」
シンジ「……勿論、その薬を処方しているんですから父さんの本当の考えは分かってますよ。後者が副作用なのも、ね」
リツコ「参ったわ。誤魔化せないって辛いわね」
シンジ「さ、今日は腕がなるぞー!」
リツコ「謝るから食べられるものを出してね、シンジ君」
………後日、in葛城宅
ピンポーン
シンジ「アスカー、ミサトさーん、どっちか出てくださーい」
ミサト「zzzzzzzzzz」
アスカ「今いいところだから手放せなーい」ピコピコ
シンジ「全く…休日だからってだらけて……はーい」ガチャッ
???「……………」
シンジ「…………!?」ドタドタッ
ミサト「ん…なぁに〜、何の音ぉ………?」ヨロヨロ
アスカ「どうしたのよシンジ、誰が来たって……!?」ドタドタッ
ミサト「どちら様ぁ〜?」
ゲンドウ「………」
ミサト「い、いいいいいいい碇司令!?」
ゲンドウ「良い、今日は休日だ。ここにいるのは、1人の息子とその保護者、同級生、そして父親だけだ」
ミサト「は、はぁ……」
ゲンドウ「……シンジ」
シンジ「うん、何?父さん」
ゲンドウ「私に、料理を教えてくれないか」
シンジ「………うん、いいよ!」
終劇
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