勇者「レベルが上がるようになった」
ボスキャラ誕生秘話短編集
物書きになるための練習中です。
温かい目で見てほしいです。
勇者「また今日も魔物退治か…」
戦士「そういうな勇者よ、魔物を倒せば国から報奨金がでる。これで皆に旨いものを食わせてやれるだろう」
勇者「そうだけどよ、あいつらだって生きてるんだぞ、わざわざ未開拓地域まで行って、首を持って帰ってこなくてもいいだろう…」
戦士「国も必死なのだろう…もう何年も不作が続いている。少しでも国としての威厳を示さねばならねのだろう」
勇者「教会もな、魔王を倒せばすべて解決するなんて言ってるけど、そんなもんおとぎ話の話だろう」
勇者「魔王どころか魔物も少ない、悪を倒してめでたしめでたしなんてあるわけない現実だよ…くそったれ」
戦士「だからこそ、今日も、今日とて飯のタネ、仕事の時間だ、いい加減起きろ勇者、そろそろ目的地が近い」
勇者「はいはい、起きますよって…、うわっ!」
風を切り裂く音が聞こえ、何かが荷台に突き刺さる
戦士「敵だ!先に行く、後から来い」
荷台が戦士の飛び降りた衝撃で揺れる
勇者「襲撃?魔物にそんな知恵があるとは思えないが…」
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戦士「遅かったな勇者よ」
勇者「お前が早いんだよ、何でそんな鎧着てるのに早く動けるんだよ」
魔物母「ヒュー…ヒュー…」
勇者「…おい、早くとどめを刺してやれよ、かわいそうだろ」
戦士「むぅ…それがな」
そうして足元を見た戦士の視線を追うと
魔物「シャー!シャァァァァーー!」
明らかに小さい魔物の幼体が戦士をたたいているが人間の子供の方が強く叩けそうなほど弱い
戦士「あの魔物がこの子供を守るために立ちはだかったのだ…そして今度は子供が立ちはだかっている。」
勇者「戦士、そいつを馬車に連れて行け」
そう言って魔物に近付く
勇者「よう、あんたはいい親だな。俺の親とは大違いだぜ…、あんたの子供は俺がもらっていく、大きくなるまでは殺さないでおいてやるから安心していけ…」
そう言い終わると同時に、勇者の剣は、振り下ろされていた
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戦士「声を出せないようにして縄で縛っておいたぞ」
荷台にはぐるぐる巻きにされた魔物の幼体が乗せられていた
勇者「ああ、この袋に入れておこう」
戦士「勇者よ、この魔物をどうするつもりだ」
勇者「でかくなったら、首を落として金に換える、わざわざ辺境の奥地まで探しに向かわないで済むって寸法よ」
戦士「…殺すのか、自分で育てた生き物を」
勇者「……自分の大切な物を守るためには手段は選べない、あいつらが飯を食えればそれでいいのさ」
戦士「一人では背負わせまいよ」
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10年後
勇者「お前は逃げろ…」
勇者娘「嫌だ!私も戦う!」
魔物「グルルルルル!」
勇者娘「やめろ!離せ!私をどこに連れていくつもりだ!ぐっ……」
勇者「神様なんざ信じてなかったが、昔のことを思い出すぜ…」
魔物「グガァ、ググググガァ」
勇者「すまねえな・・・・勇者娘…悪いな戦士…守り切れなかったよ」
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戦士魔物「おい、そいつをどうするつもりだ」
魔物「こいつがでかくなったら売るんだよ。これで仲間を楽させてやれる」
戦士魔物「(こうやって何度も繰り返される…ん?なんのことだったか)
魔物「とりえず連れて帰って…」
システムアップデート 経験値システムが導入されます
システムアップデート 経験値システムが導入されます
システムアップデート 経験値システムが導入されます
魔物「なんだ?」
魔物戦士「何の音だ?」
魔物「ぐっ!ぐあぁぁああああああああああああ」
魔物戦士「ぬ、ぬががぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ」
魔物「何かが流れ込んでくる…ッ 勇者?魔物?楽させて…?ううあぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
魔物戦士「いつも一緒だったあいつは、勇者は魔物に……殺されて? 私が痛めつけた?…くぐががががががあがが」
殺した生き物の経験を引き継ぐ経験値システムの導入で世界は変わった。
殺した生き物が持っている技術、知識、経験を完璧に受け継ぐことが出来る経験値システムの導入により、世界から争いは減っていった。
何せ完璧に引き継ぐので、殺したものは自分のことを敵だと認識するのだ。自分を殺したのは自分であり、なぜ殺さなければならなかったのか、すべてがわかる世界になった。
あらゆる記憶が混じり合い、すべての生き物が混ざり合い、最後に残っていたのは、魔王か、勇者か、はたまた神と呼ばれるものなのか、
それはわからない。
なぜって?世界のすべての生き物は「それ」になるからさ
To Be Continued
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