糞まみれになりながら
糞・糞・糞
渋滞に巻き込まれた。この道が、混むことわぁ、滅多にないはずなんですが、全く動かない。
状況を探るべく、車から降り辺りを見渡すと、今、自分のいる横行結腸~下行結腸
更にはその先の、直腸まで、糞、糞、糞。見渡す限り糞だらけだった。
それはまるで、広大な銀河の空に、輝く天の川のよぉに。酷い悪臭を漂わせながら、大腸の全体に広がった、糞の天の川だ。
壮大な光景に感動していると、直腸付近が何やら、騒がしくなり始めた。如何やら外の世界から、逆走者が現れたみたいだ、
それと同時に、大腸が大きく揺れ始めた。な・なんだ!?地震か?と思っていたら、今までに聞いた事のない、野太い声で
「あ~~~もうダメじゃ!我慢できん、糞が出る!」次の瞬間、途轍もない爆発音、振動と共に、直腸付近にいた糞たちが忽然と姿を消した。
あまりの出来事に脳が追いつかない。だが本能的な予感が働いた、ダメじゃ!外に行ったら死んでしまう!
先に体が動いた。わしは一心不乱に来た道を戻った、色んな糞掻き分けた、半固形状、粥状、液状、体中糞まみれになりながら。
わしは・・何処まで来ただろうか?辺りを見渡しても、誰一人いなかった、わしはその場に座り込み泣いてしまった。
糞の天の川と感動していた、あの光景を生み出した糞達が外の世界で死体となり、積み上がっていると思うと・・涙が止まらない。
やっぱりわしたちは・・・糞なんだ、うんこなんだ、そう思い自分の運命を受け入れ、直腸に向かって歩き始めた。
途中、家族連れの糞たちがいた、子供がお父さんに、外の世界に行ったらアソコに逝きたい、此処に逝きたいと、話していた。
そうすると、その子のお父さんはまずは食事が先と言って、行先の計画を立てていた。それを聞いたわしは心の中で、
違うんじゃ!わしら糞わぁ汚物じゃけ~死ぬんじゃ!と言いたかったが、その気持ちを堪えた。
そんなこんな思っている内に、直腸に到達した、直腸では糞たちが一層ざわめいていた。歓喜の余り泣き崩れる者、
わしの用に、自分の運命を受け入れたもの・・そして遂にあの、悪魔の声がやってくる。
「なんじゃ~~?今日わぁ、ぎょ~さん糞が出るの~~」爆音と共に俺を含めた、糞たちが勢いよく、噴射される。
そして、水滴の様に水面に叩きつけられる、辺りを見渡すと地獄絵図だった、水に触れた事により、わしたちの体は
ドロドロに溶け始めていた。助けを求め泣き叫ぶ声、声にならない唸り声をあげる者もいた。それは戦争で積み上げられた
死体に思え、わしは又泣いてしまった。
そんな我々に無情にも、
悪魔は・・・「今日わぁ、ぎょ~さん糞が出たな、良し!糞にしょんべんかけたろ」死体を掻き分け水面に、上がろうと
したわしにしょんべんが掛かった、コーヒ-の臭いがキツかったが・・・温もりを感じた。
そんな事を考えながら、自分の糞を見ながら変ずりこいている。
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