2016-10-27 17:05:38 更新

概要

いろはとイチャイチャする、のんびり系なお話です。

いろはとの甘酸っぱい青春系を
書くつもりですが何故か頭にくるので書きません。
というのは嘘です。
まあ、それなりに書きたいです。


前書き

駄文、暇な時に続投します。
コメントも読ませて頂いてます
いつもありがとうございます。

いろはちゃんとイチャイチャさせてるつもりです

よろしくお願いします

6/6
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ログインできました笑


俺はお手洗いに行っていた。

そして用を済ませ生徒会室に戻ると

机の上には先ほどまで口をつけていた飲みかけのMAXコーヒーがあり、残り少ない量を飲み干すために手に取ってグイッと口元に近づけた。




八幡「ん…、なに見てるんだ一色」




いろは「い〜え、先輩なんかみてませんよ」




一色はいつもながらのあざとさMAXでニコニコとこちらを見ていた

何だよ顔に何かついてるか?



今日は何故か部室で一色が呼んでいるということで生徒会室にいる。

どうせ生徒会の仕事なんだろう

マジで家に帰りたい


グイっと喉に流れる液体


ん…

舌の上を流れるMAXコーヒーの甘みに不自然な風味を感じる。

癖があるというか味が少し薄いというか…何か無理やり混ぜてブレンドしたような味がする

長年MAXコーヒーで培った俺の血液がそう言っていた。


昔知らぬまに給食に牛乳入れられた思い出が蘇る


はは、まさかな…と一色に目を向けた






八幡「気のせいなら良いんだが。これに一色、何か入れたりしたか?」



いろは「い、いーえ、なんもいれてませんよ」



八幡「じゃあ…なんでそう動揺してるんだよ」




いろは「ほんとうになんも混ぜてませんから、ね?ね?」


あの一色さん、まだ入れてるか聞いたのに混ぜるという単語が出てくるのでしょうか?


あれもしかして新手のイジメ?

上履きを、隠すならまだしも、気づかない間に画鋲いれたりする物理攻撃系の陰湿なイジメですか?


それと経験上、物を隠した犯人は手伝って見つけてくれた第一発見者の方が多い


八幡「本当なら変なモノいれてないだ…ろう…な」


てかやべ何か眠いわ、というか呂律が回らない。


ぎこちない足取りで近くのイスに腰を掛ける


八幡「すまんが一色、すこ寝さ…せ」

そしてガクッと机に伏せた



意識が朦朧とする中、目の前にニコニコ笑った後輩が顔を近づけていた




いろは「せーんぱい、ごめんなさい入れちゃいました てへ☆」











手が痛い

え、何で縛られてるの俺?



腕の痛みにより目が覚める

辺りを見回すと此処は何処かの部屋のようだ。

そして倒れて麻痺した体を捩らせ四肢が真面に動作するか確かめていると襖(フスマ)が何者かによって開かれる



いろは「おはようございますっ!せっーんぱい?」



出て来たのは紛れもないあざとさMAXの後輩


一色いろはだった


八幡「おい、なんだこれは…」



一色はニコニコと表情を崩さず、横になってる俺の近くに寄る



いろは「動かないでください〜、今ほどいてあげますから」



一色は手元の縄らしきものを解くと横に座る



八幡「腕に跡無いよな…ここ何処なんだよ…」



いろは「さぁ、何処なんでしょうね」



いやいやお前が連れて来たんだろ、正直に目的言ってくれる方が助かるんだが



八幡「てか一色、なんで此処に連れて来た」

マジでどうやって連れてきた



いろは「……一色じゃなくて、いろはって呼んでくれませんか?」



八幡「普通にあざといから無理」



いろは「……真面目に言ってるんです」



八幡「………何の冗談だ」



そろそろ彼処の襖から

ドッキリ大成功の看板が出てくる頃合いだろ。そうだよな、早くしろ

俺の経験か此処までの出来事は手の込んだイタズラだと予測している



いろは「せんぱいって雪の下先輩と由比ヶ浜先輩の何方が好きなんですか?」



八幡「なんだよ…いきなり…」



いろは「答えてください、じゃないとまた睡眠薬飲ませますよ」



八幡「いや、どちらも好きというか恋愛対象で余り見たことがない」



これは事実だ、雪ノ下には何か憧れのようなものがあるが由比ヶ浜に対して特に無い、奉仕部の数少ない部員と言うことだろう。



いろは「じゃあわたしはどうですか?」



八幡「いや…だからいきなり言われてもな…。てか此処は何処なんだ」



いろは「教えてくれるまで帰れませんよ」 



八幡「無理やりでも帰るかもしれないぞ?」



いろは「せんぱいは、そういうことはする人じゃないというのは知ってます」



八幡「……そう信頼されても嬉しくないぞ」




そう言って一色は立ち上がると襖のそばに寄りかかった



いろは「普通に言っちゃいますけどここはですね…私の家です、学校から大体10分弱というところですかね」




顎に人差し指を置いて考えるような素振りして一色は言った。

それとどうやって連れて来たのかは聞くべきだったのか…

そしてやはり行動の一つ一つが一色はあざとい




八幡「そうか…今は何時だ。小町が待ってるんだ俺を」



いろは「大丈夫ですよ、小町ちゃんには私が連絡しましたので」



小町、お前もか。


お兄ちゃん的にポイント低いぞ


八幡「え?小町が。てかマジで家には帰してはくれないのか?」


グッバイマイホーム



いろは「はい、帰させませんよ」



そんな笑顔で言われても俺は困るんだが



いろは「で、せんぱい?返事くれないんですか?」



八幡「…」



いろは「あのですね、せんぱい。話を変えようとしたのは見え見えですからね」



八幡「俺はな…正直分からない。一色と会ったのが生徒会選挙前の時だろ、そこからお前と関わったのはクリスマス会の下準備やらの時ぐらいしか無いしお前と普通にプライベートで話したことがあるか?」



いろは「じゃあこれからは私の家で過ごして貰いますね。」



八幡「は?おいおい、冗談だろ一色さん」



いろは「暫く両親は居ませんし、小町ちゃんにも言ってあるので大丈夫です。あと一色じゃなくて、いろはって呼んでください」


小町…またもや、お兄ちゃんを裏切ったのか。



八幡「それより腹減ったからコンビニ言っていいか?」



いろは「話逸らさないでくださいよ、あと逃げる気ですよね?絶対?」



八幡「っち…」



いろは「せんぱいも中々あざといところありますね」



八幡「なんでもかんでもあざといと言ってればいいと思ってるだろ」



いろは「い〜え、お腹が減ってるなら何か作りますよ」



そう言って襖をあける

襖を隔ててリビングと繋がっているようだった。ついでにそこには麻袋のようなものがある、まさかね…



八幡「おい本当に何か作れるのか」



いろは「流石に由比ヶ浜先輩みたいなのは作りませんよ」



八幡「由比ヶ浜の作ったの食べたことあるか?」



いろは「ありませんけどその事についてはあまり考えたく無いですね」



そこは俺も同感だ






一色が作り終わるまでテレビを見る

しかし、一通りチャンネルを回しても面白いのが無い



あーでもない、こーでもないと一人でにツッコミをいれてると料理が出来たと声が掛けられる



いろは「せーんぱい!これテーブルに持っててくださーい!」



八幡「ほいほい」



テキパキと食器を持っていく

その姿をみて一色が声をこぼす



いろは「まるで私たち夫婦みたいですねー」



八幡「俺は専業主夫志望だからな、これくらいなんてことない」



いろは「私はそれでも構わないですよ〜、一緒に入れるだけで幸せです」



ドキっとすること言いいやがって…

まあ少しだけそれも悪くないと思ったが口には出さないで置こう。



いろは「どうでしたか〜、お味は?」



八幡「うーん、小町だったらもっと薄味かな」



いろは「うわっ、シスコンとか私以外だったらマジで引きますよ〜せんぱい」



八幡「はいはい美味しかったよ、ありがとうな」



いろは「お粗末様です、じゃあわたしはお皿洗って来ますね〜」



八幡「まて、これくらいは俺が洗う。一色は休んでてくれ」



ずっとお世話になるのは専業主夫の名折れだ。ここは俺に任せて先に行け

というのは冗談で連れて来られた経緯は置いといてご馳走になったから少しは俺も何かしないと思ったからである

我ながら彼女には甘い…



いろは「じゃあ、お言葉に甘えます〜。さっすが!せんぱいですね」



八幡「もしかしてだが一色…正直に言うと狙ってただろ」



いろは「そんなことないですよ〜、私はせんぱいのためにもお風呂の用意しておきますね!」




一色は、やっぱりあざとかった。




一色がお風呂の準備を済ませると先に入るように促すのでそのまま入ることになった。別に後に入って少しニヤニヤしたことを考えてなんかいないんだからねっ




言われるがまま急かされて入る

のんびりくつろいで手足を伸ばしているとドアの向こうから人影が見える。もちろんラノベ的な展開は無いから

諦めろ



いろは「湯加減どうですか〜?」



八幡「うん…まあ、世の中もこんな温かければいいのに」



いろは「あのせんぱい、いきなり世の中について語られても私困ります」



八幡「冗談だ、気にするな」

フッと何かを悟った顔で笑う



いろは「私も入りますね〜」



え、ちょっとまって一色さん

あたふたとお風呂からみを起こそうとするとドアの向こうから笑い声がする



いろは「うそです、どうですか?今のポイント高いですかね?」



八幡「お前な……」



別に全然驚いてなんかいないんだからね


其の後、一色がドアの向こうからいなくなるのを確認してからお風呂から出た


リビングに入ると一色が俺の携帯を弄っていた。


八幡「何勝手に触ってるんだ」

後ろから優しく頭にチョップをする



いろは「あちゃー、もう出て来たんですが。早かったですね!あとパスワードですけど小町ちゃんの誕生日とかマジでドン引きです」


なん…だと…

パスワードは誰にも言っていないのに

こうも簡単に解除されるとは

千葉県のお兄ちゃん達は気をつけた方がいいぞ。



いろは「じゃあ、私もお風呂行って来ますね〜」



ソファーからウサギのようにピョンピョンした足取りで動くので、ついつい笑ってしまった。



いろは「せんぱい、ニヤニヤし過ぎですよ変態さんですか」



顔に出てましたか、そうでしたか。

これも小町と似たような動きをする一色が悪い。

うん、そうに違いない。



八幡「わかったから早く入ってこいよ」



いろは「言われなくても行きますよ〜、あと絶対覗いちゃダメですよ!覗いちゃダメですよ?」



八幡「何故2回も言ったし最後の何故疑問系だし」


そういうと一色は左手にタオルを持ちながら右手でニコニコと手を振りながらそそくさとお風呂場へ向かって行った。


一色が入ってる間何をしようかと考えていると、ふと目にやった机の上には俺以外の物と見て間違いない携帯端末がある


十中八九、まあ一色の携帯だろ

さてテレビ見ようーっと視線を机の上に固定したままリモコンをポチポチと押す


押すたびにテレビから笑い声やニュースを報じるアナウンサの声が聞こえるが全く耳に入らなかった。



そして俺は机の上の物に手を掛けた

暗い画面には目が腐ったような人の顔が写る、うわ誰コイツ…と自傷した

はい、勿論ごめんなさい俺です。



画面のスリープを解除してディスプレイ画面を開く、そこにはパスワード画面があった。どうせ誕生日かなんかだろうと打ち込もうとするが生憎、一色の誕生日は知らない。


適当に設定されそうな0が4つなど打ち込んでいると無意識に自分の誕生日を打ち込んだ。



八幡「え、あ?…開いた」



てか開いたのも驚くけど一色に誕生日教えたっけ…教える友達だって少ない俺なんだぞ


いや友達いたっけ


ああ、戸塚は大親友だからな

ズッ友だょ…!!

はぁ…戸塚マジ天使


一色の携帯でブラウザを開く

コイツは一体何を調べてるんだろうか

やっぱり女子高生のトレンドって何か気になるよね、うんうん


そういってブラウザを開くとそこには先ほどまで調べてたであろう

ページがあった


Googlo 「 媚薬 作り方」

10000件以上


八幡「」


嘘だろ…これはみなかったことにしておこう。そういえばさっき一色が作った料理がヤケに味が濃かったようななかったような


いやそんなことより携帯を元の状態に戻そう。てかあれこのページだったか?


いかんいかん取り敢えず机の上に置こう








いろは「せ ん ぱ い♡」



八幡「あ…あ、あのだな一色これはだな!」



いつ風呂から上がったのであろう

持ち主の一色がソファーの後ろに立っていた

俺がゆっくりと振り向くと、んふふと笑いそのまま言葉を続けることは無かった

そして30秒ほどだろうか

ニコニコ笑顔から何時もの一色の顔に戻ったと思いきや彼女は口を開いた。



いろは「せんぱい?私の携帯の何を見てたんです?」



八幡「お、おう!あのな、一色ちょっとした好奇心だったんだ」



いろは「ふふふ、せんぱい大丈夫ですよ〜わたし怒ってませんし」



八幡「そ、そうか…。実はな暇だったのと一色にも携帯見られたし仕返しのつもりで俺も見たんだ、すまんな」



いろは「じゃあパスワードも分かっちゃったんですね??」



八幡「たまたまだ、たまたま打ち込んだら解除出来たんだ。」



まさか一色の携帯のパスワードが俺の誕生日だったとは…

あまりのあざとさにプラチナむかつく‼︎

冗談は置いといて一色があまり怒ってなくてよかった。



いろは「本人に言われると何か照れますね〜。別に見るのは構わないですけどー、何を見てたんですか?」



八幡「い、いやメールを見ようかと思ったんだがそこに一色が突然後ろから話しかけるもんだから何も見てないんだよ」



いろは「まあまあ、この話は終わりにして明日も早いですし今日は寝るとしましょうか」



八幡「うん、おう!まあ…そうだな。じゃあまた明日な一色」



俺はそう言って手を振ったあと踵を返して玄関へ向かおうとすると肩に手を掛けられる



いろは「せんぱい?冗談で言ってますよね?」



怒ってる怒ってる怒ってる!?

あと一色さんニコニコしながら肩を潰すのやめてくれません??



そろそろミシミシ言ってるんですが

いや取り敢えず謝ります。

そういえば卓球で遊んで意地悪した時もめちゃくちゃ怒られたな、こういう時はすぐに謝るに限る



八幡「はい、ごめんなさい一色様」



いろは「しょうがないですね、許してあげましょう」



この流れが仕組まれたかのような茶番を演じ終わると

一色は手を叩いて思いついたかのように口を開けた



いろは「そうですね!時間も時間ですのでそろそろわたしお布団ひいて来ますね!」



八幡「お、おう。頼む」


そういえば俺は泊まることに?なるんだよな

俺は何処で寝ることになるんだ。

男女2人が一つ屋根の下

ライトノベルなら変な展開になりえないだろうが、それは断じてない。

まして小町でさえ同じ部屋で寝るという行為をしたことがない


ここ最近は



いろは「せんぱい?突っ立ってないで手伝ってくださいよ」



よいしょよいしょと布団を運ぶ一色を見て俺も重い腰をソファーから上げる。


八幡「別に掛け布団さえあればソファーでも寝れるぞ?」


いろは「何言ってるんですか〜、逃げないと思いますが念のために目の届く範囲で寝てもらうんですよ!」




運んでいた布団を降ろすと

はあ?お前は一体何を言っているんだ?

と言いたげな目でつま先で立ったり踵を下ろしたりと、せわしない動きを繰り返している。

一色さん、これを無意識でやってるとしたらギザあざといっす




てか布団近くないですかね?

何?ツッコミ待ち?

俺は何も言わずに敷布団を少し引っ張り移動させ距離を空ける。



いろは「何、勝手に動かしてるんですか」



八幡「いやまて一色、これは可笑しいだろ」



いろは「そうですか?」



八幡「あぁ、もういいや取り敢えず此処からは俺の聖域だから入っちゃダメだぞ」


俺は敷布団と敷布団の間にある畳の隙間を指差した。



いろは「せんぱいはワガママですね〜」



いやいや違いますって

最近の女子高生ってこんな肉食系なの?

むしろ草食系男子が増えてるのって肉食系女子が増えてるからじゃね?

それと関係ないけど俺は千葉県民代表の主夫系男子目指す



八幡「喉乾いたな…」



こうもツッコミ入れたり入れられたりと繰り返していると喉が乾くものだ。

ここはMAXコーヒーでも買ってこようか



いろは「そういえばですね!たしか〜冷蔵庫に…!」



パタパタと台所へ向かう一色

冷蔵庫を開けて、中からペットボトルを取り出した。



いろは「最近出たトマト味のいろはすです」



八幡「一色いろはだけ、いろはすと来たか」



誰が上手いこと言えと…



いろは「結構美味しいので何本か買い貯めしたんですよね、せんぱい飲んで見てください」



ペットボトルを押し付けるかのように渡されたのでフタを捻って、それをゆっくりと口につけた。





八幡「まあ悪くないな…不思議な味だけれども」



いろは「どっちかと言えば好きですか?嫌いですか?」

一歩一歩と此方に近づく




だから近い近いって

風呂上がりのシャンプーとかの匂いとか

そんなので全然ドキドキしてるわけじゃないけど。

いやドキドキしてないから。

全然だから、うん



八幡「ど、どっちかと言えば…まあ好きかな」



いろは「このいろはす、好きですか?」



八幡「うん…、まあこのいろはすなら好きな方だな」



まあいろはすとか初めて今日飲んだから他の味なんて知らないんだけどな


いろは「せんぱいったら〜、いろは好きだなんて照れますよ〜////」




八幡「いやいやそんなこといってないから」



いろは「そんなこと言わないでくださいよ〜!、せんぱいってば恥ずかしがりやなんですからね」



手を顔に当てて体をその場でくねくねとしている一色に対し俺はダメだこりゃと頭を抱えた



八幡「うん、もうそれでいいわ」



トマト味のいろはすか…

世間も変なもの売るんだな

そろそろスイカ味とか出てくるんじゃないかと予測していると落ち着いた一色が口元を緩ませながらそばで笑っていた。


そこからと言うと明日の学校についての話や好きな食べ物やらMAXコーヒーの話をした。


そろそろ眠いし横になり、目を瞑る



目を瞑って身体の感覚が少しずつ薄くなり意識が遠のいて行った



八幡「……」



いろは「せんぱい…?」

控えめな小さな声を聞いたのは言った彼女自身だけだった。





そして暫く時間が経つ、暗い部屋の壁に人影が写る。



布団が捲れる音で少しだけ目を覚ました

まあこのまま目を瞑って安静にすれば睡魔に容赦無く狩られるだろう


ここが自宅なら直ぐに睡魔に身を委ねるところだったが生憎マイスイートホームではない。



勿論この部屋には2人しかいない


俺じゃないとすると間違いなく一色が何かしている。



いろは「やっぱり寝れま…せんね、そうだ、せんぱーい起きてます?」



勿論、寝たふりをしている

返事は出来るが此処だけの辛抱だ

暫くすれば一色も飽きて用を済ませ寝ることだろう。


そしてなるべくバレないように自然を装って寝返りをする



いろは「…寝てます〜?」



声が近く聞こえている

身を乗り出して此方の顔を伺っているのだろうか。俺には分からない

確かめたいが目を開けるわけにはいかない

早く終わる事を祈って待つだけだ



いろは「イタズラしちゃいますよ〜?」



八幡「……」


イタズラしちゃいますよ〜(はーと)じゃねえよ一色。


俺は眠いんだ、早く寝たいんだ

あとお前が大人しく寝るまでこっちは安心して逝けない







途端に先ほどまで横で忙しく動いていた

物音が途絶える



やっと寝たのかと

そろそろ目を開けようと少しだけ薄目で確認しようとした時

唇に柔らかい何かが触れ、同時に甘い匂いが鼻腔をくすぐった。



声にならない声が唇から漏れ

それに気付いた目の前にいる一色も驚きのあまりに目を大きく見開いた




いろは「・・・・・お、おきてたんですね?」




八幡「い、いや今起きたんだって・・・あ、あと顔赤いぞ?」

顔が赤いのなんの俺もテンパって変な事聞いちゃったよ




いろは「う....う...せんぱいだって顔真っ赤です!!」


そりゃそうですよねー。


一色は顔をより一層赤らめ此方に顔を合わせようとしなかった



いろは「わ、わたし寝ます!おやすみなさい!!」



そう言うと素早く布団を頭までバサっと深く被りそのまま沈黙する


そして二人の間に何度目かになる静寂が訪れた。





どれくらいたったか

口に触れた感触を再度確かめ

生まれて初めて身内以外の異性で

キスをしてしまった、

ああ口の処女が。

八幡に子供出来たらどうしよう!

こうなったら戸塚とも…

意識はそこでプッツリ切れた、睡魔に勝てなかったよ・・・





気付いたらあんな事があったが恥ずかしさ反面、疲れも溜まっており

朝起きて気づいたら部屋には徐々に光が差し込んでいた



八幡「学校か…」



今日は平日で学校もある

携帯の画面をただでさえボーッとしている目で見ようとする。

画面の明かりが眩しく感じた




時刻は5時過ぎ

これならまだ寝れる。隣を見ると布団に丸まっていた一色も何にもなかったかのように普通に寝ている

確認するやいなや、睡魔による攻撃にて俺はそのまま目を閉じた




一色がセットした目覚ましが鳴り響く7時過ぎ

俺は音が嫌なのと深夜の出来事のせいで布団から顔を出すのを自然と拒んでいた

隣で物音がすると同時に布団が宙を舞った



いろは「どりゃぁぁ!」

朝から大きな掛け声と共に一色が俺の最終防衛ラインを突破した




八幡「あ、あと三分間だけ...」



俺の手が布団を取ろうとするが空を切る


直後にカーテンが大きく開かれ部屋が光に満たされる


八幡「目が、目があああああ」



いろは「いや、誰も滅びの呪文なんて唱えてませんから」



俺を見下ろす一色



八幡「おはようございます」



いろは「おはようです、せんぱい」



そう言いながらせっせと俺が寝ていた場所の布団など片付け始める

ずっと見ているわけにはいかないので俺も手伝うことにした




布団を片付け終え洗面台で一色、俺という順で顔を笑い昨日使ったタオルで顔を拭く

吹き終わって一色を見ると、どうかしました?と言いたげな顔で首を傾げていた



八幡「いや・・・あんな事あったのによく平気でいられるなーっと思ってな」

内心、今とても恥ずかしい思いをしてるのは俺ではなく一色だろう

俺が言い終わると一色はそっぽ向いて顔が見えないように話し始めた


いろは「まあなんていうか・・本の出来心だったのとせんぱいが起きてるのが悪いと思うんですよね」


八幡「は・・はあ・・」



いろは「とりあえず、私は初めてでしたよ、せんぱい。」




こちらを振り返る一色

その仕草に少しドキっとしたが戸塚ほどではないな

一色は、なんというか素もあざとい気がする


本人にいえばきっと 素に決まってるじゃないですか〜と言うに違いない




いろは「せんぱいも初めてですよね?」



八幡「初めてじゃないように見えるか??」




一色は昨日のようにニコニコと笑い始める

いろは「へへ、責任とってくださいうよね〜!せ ん ぱ い♡!?」

一色のパジャマ+上目遣い!!

かいしんのいちげき


はちまんは、ひんしだ




八幡「お、お、俺の初めては小町だから」


突然の告白に返す言葉が浮かばなく最愛の妹を武器に反撃をする




いろは「いや身内はノーカンに決まってるじゃないですか」

なお素早く否定された模様 



今日は色んな意味で辛い朝で、されど新鮮な朝でもあった






時刻は8時過ぎ

のんびりと食事したり

放課後は一緒に帰らないと襲うと釘を刺されたりと

くだらない話をしてたら時間を忘れてしまい

現在に至る



いろは「せ〜ん〜ぱいっ!学校遅れますって、急いでくださいよ!」



八幡「なら腕に引っ付かなきゃいいだろ!?」



いろは「ほらほら〜!身体はこんなにも正直ですよ?」



八幡「一色それな、女子が言う台詞じゃないぞ!?」




腕に絡み付く感触に思わず仰け反る

それを面白く感じたのか、えいえいと先ほどより強く絡み付いて来る一色

登校時間スレスレで同じ学校の学生が少ない事が唯一の救いだが

貴方、生徒会長ですよね?遅刻とか大丈夫なんですか?とツッコミを入れそうになる



結局遅刻ギリギリで学校の門を潜り、下駄箱に着くと一色に手を振ってそれぞれの教室へ向かう


教室につくと先生はまだ来ていなく階段を一気に駆け抜けたせいか息が少し上がっていた



「八幡?どうしたの大丈夫??」

正面に俺の顔を覗き込む顔があった



八幡「ああ戸塚か・・そうだ、結婚しよう」



戸塚「えぇっ?どうしちゃったの八幡!?」



机に座り息を整えていると横から心配に思ったのか大天使戸塚が話かけてきたようだ



八幡「心配させて悪いな・・戸塚が天使に見えてな」



戸塚「ぼくは天使じゃないよ〜!」



えへへと笑う戸塚の笑顔のためにこうやってギリギリに学校に来るのも悪くないな

そしてホームルームの鐘が鳴り戸塚が、またあとでねと言い残し自分の席に向かった



授業風景など見ても書いても誰も面白くないので

退屈な時間は流れて、時刻は15時過ぎ


放課後である




奉仕部へ向かう前に食堂横の自販にてMAXコーヒーを買う

MAXコーヒーの良い所はこの甘くてもベタベタするわけでも無く

喉を通った後の口の中に残った後味も実にいい。

MAXコーヒーを飲み終わり缶を自販横のゴミ箱に捨てる


さて・・部室へ行くか。

バックを背負い直して来たときより薄暗くなった廊下を歩く

部室へ着きドアを開く

中を見渡すと数少ない奉仕部の部員の一人、雪ノ下が先に来ていた



八幡「おう」



彼女は俺が話掛けると読んでいた本を読むのをやめて此方を見た



雪ノ下「こんにちは、由比ケ浜さんは少し遅れてくるそうよ」



八幡「そうか」



会話はそこで終わってしまった。

いやだって特に話す事ないんだもん



雪ノ下は本を閉じたまま何を喋らない



八幡「由比ケ浜と雪ノ下って普通に仲良いよな」



とりあえず話題を出す事にした、このまま何も話さないでいると場の雰囲気だけで徐々に俺のHPが削られて行くだろう

雪ノ下を良く知らない人なら5分持てばいいくらいの静けさと空気の重さである

由比ケ浜、早く来い





雪ノ下「貴方にもそう見えるのかしら?」



先ほどまで閉じていただけの本をそのまま机の上に置く



八幡「貴方にもって、誰かにそう言われたのか?」



雪ノ下「さっきまで、生徒会長の一色さんが来て私にそういってたのよ」



八幡「え、一色が?来てたのか??」

あいつ生徒会の仕事がどうちゃらっていう理由で俺を捕まえにでも来てたのだろうか。



雪ノ下「ええ、貴方を探してたみたいだけど居なかったから少しおしゃべりしたら帰っていったわよ」



八幡「そうか・・」



探していたと言う事なのでポケットから携帯を出す

電源ボタンを押して画面を確認すると着信2件、メールが1件



メールの内容をおおまかに説明すると

今何処に居るの?

何時部活が終わるのか?

部活終わったら生徒会室にそのまま来るのか?

それとも下駄箱で待つのか?



と言う事だった




なんだこれ、すこし怖い

てか俺から会いに行く前提の内容だし

俺が携帯を見て怪訝な顔をしていると雪ノ下が口を開いた



雪ノ下「最近、生徒会長さんと仲がいいのね」



八幡「なんだよ・・、俺が聞いたの真似してるのか?」



雪ノ下「いえ、ただそう思っただけよ」



八幡「まあ・・最近は生徒会の仕事でいくつかアドバイスしてるからな」



雪ノ下「それだけなの?」



八幡「それだけって??今日はお前らしくない事を聞いてくるんだな」



雪ノ下「生徒会長さんが貴方について楽しく話してたからよ」


おい、一色 お前は何を雪ノ下に話してたんだ・・・

雪ノ下と話しつつ、メールの内容を考えていたが

それを諦め、悪いが後ほど電話する事にした

俺が雪ノ下に一色から何を聞いたのか聞こうとすると


廊下から近づいてくる足音と共に静寂を貫いていたドアが開かれた



由比ヶ浜「やっはろー!遅れちゃった、何かね掃除長引いちゃって!」



雪ノ下「こんにちは由比ヶ浜さん、あとドア閉めてって前にも言ったでしょ」



由比ヶ浜「あ、そうだね!ごめんね〜、急いでだから忘れてた。ヒッキーとゆきのんはいつ来たの〜?」



そう言ってドアを閉めながら

えへへ〜と頭を掻いた後

机の上にバックを降ろすと由比ヶ浜は雪ノ下の近くの椅子に腰をかける




雪ノ下「私は放課後すぐに来たわ」



八幡「俺は今さっきだな。」




よしナイスタイミングだ、ビチヶ浜

さて俺はこれにてご免するとしよう

バックに携帯を閉まって席から立つ



由比ヶ浜「あれ!?ヒッキーもう帰っちゃうの〜?」



八幡「いや、一色に呼ばれてるんだよ・・・」



由比ヶ浜に一色の名前を出すと途端に少し嫌な顔をした



由比ヶ浜「ヒッキー、最近一色さんと仲が良過ぎない??」



八幡「お前も雪ノ下と同じ事言うのか」



何を言われようが身支度をする俺に由比ヶ浜と雪ノ下は特に止める様子は無かった

雪ノ下に限ってはいつの間にやら本を読み始めている

てかね二人には止めてほしい俺じゃなくて、一色を


八幡「とりあえず俺逝くわ」

字を間違った訳ではない

今から死地に赴くのだ



由比ヶ浜「ねぇヒッキー、本当に何にも無いんだよね…?」


その何にもないってどういう意味だし…


八幡「簡単な生徒会の仕事だから 俺一人でどうにかなるさ」


俺は生徒会の仕事と嘘をつく、流石に二人に薬を盛られて一色んちで寝泊まりをした(小町公認)


とか言えない


八幡「また明日、じゃあな」


俺はドアを静かに閉め、肩からズレたバックを背負い直し

そして部室に背を向け 自ら戦場へ向かったのだった。




彼は雪ノ下が真実を知っていると知らない




生徒会室前に着く、息をのんでドアに手をかける

中には恐らく一色が待ってるんだろう

ノックをする



いろは「はい、どうぞ〜!」



八幡「おい、どうぞーじゃないだろ・・後ろに居たなら言ってくれ」


後ろにいるとは思いもしなかった

いきなり過ぎて変な声出てないか心配になったが

いつも通りニコニコしていたのでその心配は無くて良さそうだ


いろは「せんぱいってたまに可愛い声出しますよね?」


前言撤回 バッチリこの小悪魔は聞いてたようだ


八幡「き、気のせいだろう。ところであんなに電話してどうかしたのか?」



いろは「まーたーそうやって話を変えますか!まあ、そう言う事にしてあげます。じゃ、せんぱい一緒に帰りましょっか」



にげる <ー


はちまんは にげきれなかった



八幡「まあ そうなるよな」



いろは「そんなにいやがられると地味に傷つくんですが・・・」

むすっとした表情で嫌な顔をする一色


八幡「冗談だ、俺が来たのはいいが生徒会は終わったのか?」


いろは「ええ、せんぱいと帰るために今日は早めに終わらせました」


随分、早いな・・・本当に仕事したのか心配だが

それを聞いても何の解決にはならないだろう

一色が生徒会長として仕事をしている。それだけでも

彼女なりに精一杯やっているのだから

これ以上彼女にどうこう言うのはフェアじゃない

特に俺に取っては


八幡「そうか、じゃあ行くぞ」

先ほど来た道を引き返し下駄箱に向かう


いろは「ちょっと〜!先に行かないでくださいよ、せんぱーい!」



八幡「なら早く着いてこいって」



いろは「もう〜相変わらず捻デレなんですから、もしかして照れてます〜?」



八幡「照れてねえよ、ほらさっさと来いって」



いろは「とかいってなんだかんだ歩幅を合わしてくれますよね〜」



八幡「本当は小町限定なんだぞ感謝しろ」

実際は一緒にこうやって歩く人があまり居ないだけである



いろは「はいはい、せんぱいには色々感謝してますよ〜」

彼女はクスっと微笑みを浮かべて俺の横に並んで歩く

チラッと顔を見るとなんだかとても楽しそうに見える

そんなに楽しいか・・




そういえば下校が一色と一緒なのはこれが初めてじゃないのだろうか

一回目は多分 無理矢理連れて行かれた時は一緒に帰ったと数えられだろうか

というかあれを一回目と言うのは俺が許さん


男女が一緒に帰っていて片方が意識が無いとか非日常過ぎる

一体、一色さんは俺をどうやって運んで行ったのだろうか

最近のJKは計り知れない・・・




物音静かな廊下で二人だけの足音が響いている

そして窓から差し込む暖かい夕日が二人を優しく包み込んだ






いろは「それでですね、せんぱい!」


校門を出てからと言うとずっと一色のクラスの男子の話を聞いている

クラスの男子が遊びに誘ってくるそうだが行きたくないので

遠回しに断ってるのにそれでもしつこく誘うので上手な断り方が

無いのかと言う事らしい



八幡「キモイ、○ねで良くないか?女子高生って同級生同士になら問答無用にズバズバ言えるだろ?」



いろは「まあ○ね玉無しくらいなら言えますね〜」



八幡「いやそれもっと酷くないか?」

もはや男性の存在概念そのものを否定しているようなもんだな



いろは「そんな事無いです、女子同士でならお互いもっと酷い事言ってますよ?」



八幡「聞きたくないからこの話は終わりにしてくださいお願いします」


中学生時代の告白した次の日には広まっていた女子の情報伝達能力に

過去の傷が抉られているような気がした


いろは「せんぱいって中学時代に何が会ったんですか・・・」


八幡「人間、経験が大事ってことだ」


いろは「そ、そうですか。昨日ぶりにせんぱいに引きました」


引いてるなら俺の手離してくれよ

あざといって・・・


いろは「そんなに私と手を繋ぐの嫌ですかね〜?うわっ・・・って顔に出てますよ」



八幡「ちげーよ、あぞといんだって・・」

余計、手を握る力を入れているあたり確信犯だろうな。

恐らく俺の反応を見て楽しんでる

間違いない


いろは「いやだな〜せんぱい。正直に恥ずかしいって言っても良いんですよ〜??」

そういって俺の腕に自分の腕を絡めてくる

そしてこの距離になると必然的に腕に女の子だと当たってくるものがありましてですね・・

あれ?なんでここで雪ノ下さんが頭に出てくるんだろう・・あ、嘘ですごめんなさい


八幡「恥ずかしいとかじゃなくて、一色さん当たってますので少し離れていただけませんかね」

俺が離れてくれるように腕を解こうとするがこれでもかー!!っと一色が腕を離さない

いい加減離してくれよ・・じゃないと八幡の八幡が(以下略


いろは「せんぱい身体は正直ですよ〜」



八幡「いやだからそれ女子が言う事じゃないだろ」





そして太陽が沈みかける時刻に俺たちは一色の家に到着した

学校が終わってから帰るのが自宅では無く、他人の家で

更に年下のあざとい仕草を抜けば可愛い後輩のお宅である



普通の健全な男子高校生なら舞い上がる事間違い無しだな

というか何このラノベみたいなシチュエーションは

パンを食べながら女の子と激突する確率の方が高い気がするんだが


そう考えていると一色がドアを開け、早く入ってくださいよ〜と手招きをしている

俺がハイハイと言って中に入ると腕を軽く肘で突かれる


いろは「せんぱい、帰って来たんですから言う事あるんじゃないですか?」


八幡「お、お邪魔します??」


いろは「違います」


八幡「こんばんは」


いろは「いや、それわかってて言ってます??」


八幡「冗談だよ、ただいまか?」


いろは「やり直しです」



八幡「ただいま」


いろは「おかえりです!貴方ごはんにしますか?お風呂にしますか?それともワ  タ  シ??」

えへっとあざとい指数がカンストしそうなポーズを取る



八幡「いやいい、全部外で済まして来た」

この返答、八幡的にポイント高い


いろは「ジョークでも最悪じゃないですかそれ」



八幡「まあな・・」

ここで うわーうわーっと引くあたり

やはり一色的にはポイントが低かったんだろうか

まあこのような茶番も良いだろと俺は彼女には見えないように微笑する





八幡と一色が家に入った所、その近くの道角にて影が一つ

長い黒髪ロングに整った顔、10人いれば10人が美人だと

答えるほどの容姿の少女は、静かに息を潜めていた。



やっぱり・・・彼女が言っていた事は本当だったのね

自分に言い聞かせるのに十分な声で彼女は呟いた




今日の放課後、雪ノ下雪乃は一人で部室で読書をしていた

部活動である奉仕部へ依頼が来るのはそうまで多くないので

活動という名の学校でのプライベートな時間みたいなものだ


今日も何事も無く過ぎるであろう一日に現を抜かしていると

部室のドアが開かれる。


そこに居たのは部員の誰でもなく 制服を程よく着崩した女子生徒である


雪ノ下「出来ればノックをしてほしかったのけれど?」



いろは「ノックですか?次からしますね!」



どうせ次もノックをしないのだろうと雪ノ下はいつも通り視線を手元の本に戻す


いろは「あの・・雪ノ下先輩?」


本に視線を固定したまま、見向きをしないせいか彼女は言葉を詰まらせつつも此方に話を掛けてきた



雪ノ下「何?依頼なら私じゃなくて目の腐ったあの男に頼めばいいじゃないのかしら?」



いろは「いいえ私、由比ヶ浜先輩や雪ノ下先輩に報告があるんです」


雪ノ下「それは何かしら?私にも関係があるというの?」



いろは「先輩をどのような手を使っても私のものにします」



雪ノ下「・・・・それはどういう意味かしら?」



いろは「いつか分かると思います、じゃ私は生徒会があるので失礼します」


彼女はその場でお辞儀をしたと思うとそそくさと奉仕部の部室から立ち去った




残された部室には先ほどまで読んでいた本を開いて読もうとするが集中出来ずにいる雪ノ下の姿があった。




一色さんはわざわざココに来て私に何を伝えたかったのか

そして先輩を指すのは間違いなく一人しかいない

さらに彼を自分のモノにすると宣言した

どこまで本気かどうかは分からないが彼女の目には明確な意思があった



雪ノ下「あとで彼に直接聞くのもいいかもしれないわ、でも彼は教えてくれるのかしらね・・」



事の顛末はこうだった

その後、雪ノ下や由比ヶ浜に何も話したがらない彼を見てその目で見るまで何も考えたくなかった

いつもの自分とは思わないような行動も沢山した

そして静かに後をつけてくると一色の家に入る二人を見る


不思議とすぐに怒るような感情は無かった

しかし胸にはポッカリと穴が空いたかのように何も出来ないという自分の無力さを感じ取った

何故、私が彼の隣を歩いていないのだろう

私が彼の隣を歩いたら 一体どんな顔をしてくれるのだろうか




ここまで来た私は一体何をしたい




彼女は自分の気持ちには気づかず来た道へと足を戻した






午後19時過ぎ、俺は愛する妹の小町に電話した

話の内容は、いつ頃帰ってものいいのかと言う事と一色と小町は何処で知り合ったのかだった

マジで謎である。中学生の小町とあざとさMAXの生徒会長、互いの接点が全く見当もつかなかった


そして返事はこうである



おしえな〜い!!



千葉の妹はなんでこうも意地悪なのか・・


さて明日の準備でもするかなと自分のバックを漁っていると首元に手が置かれる


いろは「せんぱい〜コーヒー飲みますか??」


八幡「ああ、貰う」


いろは「じゃあ、作って来ますね〜」


短く返事を済ませて視線をバックに戻して準備を続けているとコーヒーを入れた

一色がそばに立っていた


いろは「コーヒーできましたよ、せんぱい〜」



八幡「あとすこしで準備が終わるからテーブルに置いといてくれ」



いろは「りょうかいで〜す」



八幡「冷えると不味くなるから先飲んでてもいいからな」



いろは「私猫舌なのでのんびり待ちますよ〜」


あれ、俺なんでこんなに馴染めてるんだろう



手元のバックを見て忘れ物がないかチェックを済ませる

俺みたいなプロぼっちになると忘れ物は無い

しかし万が一忘れると隣の人に話を掛けてあちらが嫌な顔する

更に机をくっ付けてその顔を見続ける事と無言で一時間を過ごすと言うのは苦痛でしかない。


ちなみこれは具体的な例だ、体験談なんかじゃないんだからねっ!



準備を終えてテーブルにいくとコーヒーが二つ置かれていた


どちらが俺のなんだろうかと聞こうと近くをウロウロするが一色は居ない

声を出して名前を呼ぼうとしたところ、2階から物音がした



八幡「ああ、自分の部屋にいるのか」


しばらくは降りてこなさそうだし飲もうと片方のコーヒーを手に取る

カップは熱を発していて、先ほどいれてからある程度経ったはずなのに

熱い、飲めない、やけどする


あと一色と同じく猫舌だ


そして最初に手に取ったコーヒーカップを持ったままもう片方のコーヒーカップを持つ


八幡「こっちの方が熱くないし、一色には悪いがこの少し冷えた方のをいただこう」


そう言って一番目に取ったコーヒーと冷えた方のコーヒーカップを入れ替えた



悪いな、一色。このコーヒーは適温なんだ。



テーブルに座り、コーヒーを優雅に飲み始めて5分くらいしたところで

二階から物音が消えて一色が降りてきてリビングのドアを開けた



いろは「あれ、せんぱい。準備終わったんですか?」



八幡「おう、あと先飲んでるぞ。一色もコーヒー飲んだらどうだ?冷えると不味くなる」


一色は返事を返さずにテーブルの上のコーヒーを見つめている

すこし間が空いたと思いきやニッコリ笑う


いろは「は〜い♡」


なんか分からないけどいつも以上に一色があざとく感じた

そして彼女は俺の正面に座り、どっちみち時間が経って軽く冷えてしまったコーヒーを飲み始めた


てか飲むペース 早っ!!!お前猫舌とかいうの嘘か

私 猫舌なんですよね〜とかいう、か弱い私 可愛いとか思ってるパターンのあれ?


せっかく熱い方を残してやったというのに・・・・

勝手に開き直り俺も並んでコーヒーをゆっくりと啜りながら主に戸塚の事で思いに耽っていると

一色がコーヒーを飲む手を止めた




いろは「う・・・ん?」



八幡「どうした?まだ熱かったか?」



いろは「いえ、なんでも・・・ないです・・」



八幡「お前顔赤いぞ?具合悪いなら無理するな」


一色はコーヒーをテーブルに置いてうつ伏せになる

心配に思った俺は立ち上がって背中を摩っていると一色がビクっとなる


しまったと驚いて手を離す

よく考えると女の子に自分から触れていた

気づかずに対妹スキルが発動したのか・・・・

勿論、千葉のお兄ちゃんが全員が取得しているスキルである



いろは「せ、せんぱい・・・どっちの・・どっちのコーヒーを飲んだんですか?」



八幡「コップはテーブルのを適当に取った、てか横になったらどうだ?」



いろは「ふふふ・・・せんぱいって運がいいのやら悪いのやら」


八幡「うん?」




いろは「じゃあわたしが薬入れた方のコップ飲んじゃったのかな・・」

ボソっと何か呟いたかと思いきや一色がその場で腕をダランとしたまま立ち上がる


八幡「おい、無理して立たなくていい」


今にも倒れそうな彼女を見て肩を貸すとそのまま身体を預けるかのように

倒れかかってきた。ベッド引いてないしどうしようかとその場で一色を肩から抱え直す

恐らく一色の部屋に行けばあるだろうと踏み、階段へ向かおうとした時に

首元で感じる妙な感触に俺は身を縮こませた


ゆっくりと首元を見ると抱きかかえられてる一色が首筋に舌を絡めるかのように舐め回していた


八幡「お、おい!一色なにやってるんだ!?」


突然の感触に一色を落とさないように近くのソファーに移動させ横にしようとする


しかし、一色はソファーのそばで屈んだ際に背中に手を回し自分の上半身と彼女の上半身を固定させた



いろは「せんぱい・・せんぱい」

ふと見ると顔が真っ赤で目元が赤くなっている



八幡「少し落ち着けって!一体どうしたんだよ」

気を確かにしてもらうために抱きつかれたまま背中を優しく摩る


いろは「せんぱい・・・・・何処にも行かないでください」

抱きつかれていて顔が見えないが凄い力でホールドされている

体制的に辛いが一色の具合が悪いので落ち着くまで待つ事にした


八幡「大丈夫だ、ここにいるって言ってるだろ」

優しく彼女に言い聞かせると少しは落ち着いて来たのか

抱きつかれている力が徐々に弱くなり、お互いの顔が見えるくらいまで離れる


主に恥ずかしさで顔を合わせるのが辛い

何度かチラ見するような感じで一色の顔色を伺おうとするが

あちらも顔を見えないように下を向いてしまった





いろは「あのですね・・・せんぱい、すこしだけこのままでいてください」



八幡「さっきからそうしてやってる・・」



いろは「そうでしたね・・・えへへへ」



相変わらず顔を見せようとしない

そんなに俺の顔を見るのが嫌か!?

俺だって恥ずかしいんだから具合が悪いんじゃないならいい加減・・






ん・・・・・


彼女の様子を見て昨日の出来事を思い出す


一色が風呂に入っていた時の話だ


彼女はケータイを机の上に置いたままでいた

むしろ風呂場にケータイを持ち込む方が少ないだろう



あのとき一色と俺以外に人は居なかった空間で彼女がお風呂に行ったために必然的に

俺だけが一人だけ取り残される。そして面白い番組も無く適当にボーッとしていると

暇なあまり彼女のケータイに俺は手を伸ばしてしまった


別に俺のも見られたしちょっとくらいはいいだろうと

余裕をかまして見たわけだ


それで結果的に俺が開いたのは彼女のメールボックスでもなく画像フォルダでもない

俺はたまたまインターネットの履歴が気になって、ブラウザを開けたのだった



そこには普段見慣れない単語

 

媚薬    




一色の携帯の画面には媚薬についての作り方や効果、意味などの

彼女が事前に検索していたであろうワードに対する

情報が掲示されていた。


媚薬だなんて普通に生活していればお目にかかることなど滅多にないだろう

そこからというと本能的にケータイを閉じたと同時に背後から一色が現れ適当に誤摩化して

その場を凌いだ




話は戻り今現在、一色がコーヒーを飲んでから様子が変になってしまったのを見ると


もしかして彼女は・・・と




その後、俺は一色をソファーに横にさせてなるべく視界に入らないように

見えない位置に座ってケータイを弄っていた

俺は最近若い世代で流行っているモン○トをやっている。これが結構面白いが

しかしマルチ専用クエストは一つもクリア出来てない。素材あつまんねえええ



何も考えずにポチポチして時間を潰して、ときおり一色の方を気にかけたりなどするが

まだ起きてないはないようだった



リビングは静けさを取り戻している





ーーーーーー



いつのまにか机の上に寝ていたようだ

視界には一つのコーヒーカップ

ソファーの所を見ると一色がテレビをつけて見ているようだった

時計を見ると19時近くでお腹が少し物欲しげになってくる時刻


そろそろ何か食べたい 

そう思って立ち上がると一色の肩を叩く


いろは「あっ!せんぱいやっと起きたんですか?」


八幡「まあな、一色は具合は大丈夫か?無理してないか?」

主に媚薬についてだが聞く勇気はない


いろは「お見苦しい所お見せしました」

立ち上がってペコリとお辞儀をする


八幡「大丈夫ならそれでいい」


いろは「なんだかんだ心配してくれますよね〜?せんぱいって」


八幡「うるせえな・・・この優しさは全て小町専用なんだからな」


いろは「え〜 やっぱりケチですね!」


俺は返事を返さず、時計に指を向ける


いろは「あー、時間が時間ですしそろそろご飯にしますか!、今日も腕によりをかけますよ〜!」

腕をぐるぐる回して、一人で盛り上がっている一色

なんでそんなテンション高いの?

かけ算ファイターのラスボスの第二形態みたい



いろは「せんぱいの胃袋をしっかりと握りつぶしませんと」



八幡「いや、それはやめてくれ」



俺の意見には返事を言わずキッチンへ走り去った

いや本当なんていうエロゲなんだろうかこれ


いろは「じゃじゃーん!!!」


八幡「?」


いろは「そんな興味無さそうな反応されても・・・・」


一色はピンク色でフリフリのエプロンを身につけて

キャッキャとその場でジタバタしてアピールしている


八幡「嘘だ・・いいエプロンだな」


いろは「当たり前じゃないですか〜!・・・・って褒めてるのエプロンだけですか」


ジト目いろはすあざとい、近い可愛い近い近い

俺に対して無防備過ぎだろ、まだカマクラの方が警戒してるぞ


それからというと子煩い食事をすませ、無理にでもおいしいと言わせたいようだった

まあおいしかったけどな。

小町には適わないが

点数を付けると小町が妹加算で8万点、一色100点だな。うんうん



正直に言うと食べている間、何が入ってるか心配だったので味をよく覚えていない

とりあえずおいしかったよ。おいしかったおいしかった。





八幡「眠い」


いろは「あー、もう布団敷いときましょうか?」

食器を洗い終えた一色が手を拭きながら答える


八幡「助かる、何か今日はいろいろ疲れた」


いろは「じゃあ、敷いてくるのでのんびり座っててください」


エプロンを畳み冷蔵庫横の食器棚に置くとスリッパの音をはためかせながら寝室へ向かう

そろそろ自分も何か手伝おうと声を掛けた



八幡「いや、自分のくらい自分で敷く」



いろは「だって先輩疲れてそうですし?これくらい私一人でも余裕ですから」


食い下がらない一色の主張に俺は諦めて彼女に任せる事にした

一色さん女子力高いっす。もうお嫁さんに出しても大丈夫だね


テキパキと布団を敷き終わると一色はお風呂の準備してから呼びますんで、少し横になっててもいいですよー

ということでケータイを弄りながらぶっ倒れてるところだ

この生活がずっと続けばいいのに・・・ああ誰か俺を養って


ケータイをチェックしているとメールが一件届いた

開いて見ると送信先は我が妹の小町

お兄ちゃんを裏切ってこの状況を生み出した一人でもある。

小町が一言、一色に言えば俺は帰れそうなんだがな…

でも可愛い後輩の家にお泊まりってのも中々ないシチュエーションなんだが


小町からの内容はこうだ


「お兄ちゃん〜!一色さんとは上手く行ってる??避妊だけはしてね!!」



無えよ無えよ

上手く行ってるというか完全に囚われてる方だろ。むしろ監禁に近い


小町に返事を返そうとしたところで一色にお呼ばれする


ああ風呂か…


眠いが仕方が無い

ケータイを枕元へ投げると立ち上がって

お風呂場へ向かう


いろは「緩かったら教えてくださいねー」


そう言ってお風呂場から立ち去る一色に

待てと呼び掛ける


八幡「おい、これどうしたんだ」


俺はそれを手に取ると一色に見えるように衣類が入ったジッパーを目の前に持っていく。


いろは「え、何ですかせんぱい?女の子に自分の下着見せつける性癖でもあるんですか?」


八幡「いや、違う違う。なんで俺の下着がここにある」


このジッパーに親切に畳まれて入っているのは俺の下着だった。

ここにあること自体が可笑しいものである



いろは「あ〜、そういうことですか。それ妹さんから宅配便で届いてたんですよ」



小町またお前か・・


八幡「だからお前いつから小町と知り合ったんだ・・・」


いろは「まあいろいろあるんですよ女の子には」


八幡「もう、いいや風呂入る」


いろは「えへへ、じゃあごゆっくりどうぞ〜」


むしろもう風呂から出たくないわ

小町怖い、一色怖い





そういえばケータイを枕元に起きっぱなしか

まあ見られて困るものは無いけどな








髪の毛を洗い終えて、暫く鏡を見つめた後に湯船に浸かった

指を開けたり閉じたりを繰り返したりして水面に出来る波紋を見ていた

別に特に何かを考えてたり悩んでいたりしていた訳ではない




誰かが風呂は命の洗濯と言うが俺に取っては嫌な事を思い出したりする場所である




俺は高校初日に事故に遭い、現在でも友達なんて片方の手で数えるくらいも居ない

友達100人出来るかなと簡単な事を言うような歌があるが、


俺から言わせると100人も上辺だけの友達を作るなら

むしろ誰とも関わらない方が良いと思っている。

上辺だけなんて少し突いただけで壊れてしまうものばかりだ

そんなものなら最初からいらない。上辺だけじゃなくて本物の自分を見てくれる人・・・をだな



ふと雪ノ下や由比ヶ浜顔が浮かんだ

何でだろうな


フフっと自嘲する

だび重なる問題を困難を解決してきただけあって俺はそれなりに彼女たちを評価しているの事実だ

しかしあいつらは部活の大切な部員なだけであってそれ以上の関係では無い






てか


俺なんだかんだ悩んでないとか言ってるけど悩んでるじゃん

はいはいこの話はやめて出るか  自分で考えていて死にたくなる

あとお湯が冷えたら暖め直さないといけないし

一色もいるからな



俺は風呂を出ると小町直送の俺の下着+MYパジャマを着てリビングへ行く


俺がドアを開けるとそれに気づいた一色が自分の着替えを抱きかかえて前に立つ



いろは「せんぱーい遅いですよ〜」



八幡「すまん、考え事をしていてな」



いろは「せんぱいもそんな思い詰めることがあるんですねー」


八幡「いやそりゃ俺だし、めちゃくちゃあるし、すんげーあるから」


いろは「特に人間関係ならせんぱい 心配事多そうですね「



八幡「煩いな」



いろは「冗談ですよ〜じゃあお風呂行って行きます」

手をヒラヒラと振って俺の横を通り過ぎる


八幡「ああそうだ。悪いな、今日も一番風呂またもらっちゃって」


振り返って返事を言う前に彼女はドアの向こうへ行ってしまった

まあ、また後で言えばいいか

眠気を吹っ飛んだ事だし髪の毛が乾くまでのんびり座っていようと俺はソファーに寄っかかった


物音が無く、よく耳を澄ますと水の音がする

一息ついてMaxコーヒーが飲みたい衝動がした

何もする事が無いため、自然と耳に入ってくる音に対してエロスを感じる



いや別に変な事妄想してるわけじゃないぞ

ただ、何かあざとい・・

あれ一色にあざといあざとい言えばいいわけじゃないといったが俺も同じじゃね


ここはテレビでも見て、心の汚れを祓おう あーめん


そういってテレビのリモコンを探し始めるとケータイに一件メールが届いた



八幡「・・・・・雪ノ下からか」



件名は何も書いていなかった

あいつらしいけどな

一体わざわざ俺にメールだなんて・・・


内容を見ると短く書かれていた





あなた、今何処に居るの?




更に下にスクロールしてもこの一文以外に書かれている事はなかった

てかあいつからメールとか珍しい

明日は猫でも降るんじゃないか・・・

このまま無視するのも何をされるか分かったもんじゃないと返事は返しておく事にした



八幡「適当に自宅って送っておくか」


勿論後輩のお家で御泊まりしていると 

本当の事は言えず、適当に自宅で寝ているということにして

メールを送信した。




同時にリビングのドアが開かれる

濡れた髪の毛をタオルでゴシゴシと拭きながら

此方を見ると何かを思いついたのかのような顔をしたと思うと

眉間にシワを寄せたりと表情をコロコロ変えている



八幡「はあ、お前は一人で睨めっこでもしてるのか?」


俺はケータイをポケットに入れながら問いかけると

一色は頭を横に降った


いろは「いやあ〜お風呂から女の子が出てきて、特に無反応ですとこっちも自信というものがですね・・」


八幡「あー、そうか。そうだな、せかいいちかわいいよー」



いろは「小町ちゃんにせんぱいにお風呂覗かれたって言ってきます」


八幡「おいおい、それはマジでやめろ。というか覗いてないだろ」


いろは「女の子の私がいうのとせんぱいが言うのと信頼度が高いのはどちらでしょうね〜?」


八幡「悪魔め・・・・」


いろは「女の子は皆天使ですよ〜」


女の子が天使なら部室で罵倒されてる俺の立場は何だ

俺が悪魔だから好き勝手罵倒してもいいとでも言いたいのか

正面の表情豊かに俺のSAN値を削ってくる一色から視線は外し

布団に向かって倒れる。その際に一色から話終わってないんですけど と言われるが知った事ではない

俺の話はもう終わってる。


おやすみ千葉、おやすみ小町。




そう言って布団を首もとまでしっかりと被り、重たい瞼を閉じた。






ーーーーーーーーーーーーーーーー

一人静かな部屋で


雪ノ下雪乃は考えている


高層マンションにて一人暮らしをしている彼女は

濡れた髪を拭かずに彼に送るメールの内容を考えていた




今日の放課後の奉仕部の部室



総武高校の生徒会長 一色いろはが来た。

彼女の口から突然発せられた宣言に対して

事の真相を確かめるために校門から歩いて行った彼女たちの後を追った



向かった先で見たのは比企谷くんと笑顔で歩く一色いろはの姿だった

彼はまた何か厄介事に巻き込まれているのか・・・と考えていた



以前のクリスマス会同様、帰りに一緒に何処かへ行くのかな? と思っていたが

最終的に着いたのは 一色いろはの家だった。



そこからというと家に帰るまでの記憶があまり覚えていない

特に何も考えず、気づく頃には玄関の鍵を開けていた



最後に見たのは比企谷くんと一色いろはが同じ家に入って行った所だ

恐らくあれは一色いろはの自宅だろう


彼女だけが自宅に帰るならまだしも、あの比企谷くんが一緒にいる


何故なの。何故なのよ

不自然に湧いてくる怒りに唇を無意識に噛み締める

別に私は彼に対して怒ってるのではない

自分自身に対してなのか・・それとも一色いろはに対してか


そして私は何をしたいのか









そしてここまで今日の出来事を振り返りつつメールの内容を考え

それを無機質でいつもより冷たく感じる携帯に打ち込んでいく








「あなた、今何処に居るの?」


件名も何か書こうとしていたが聞きたい事を内容を短く簡潔に纏める

無愛想とも捉えられるが彼に取っての私の印象なら不思議には思わないはず


そして意を決してメールを送って返事が来るまえにその次のメールの返事を考えはじめた


彼は正直に一色いろは宅にいると答えるのか、それとも・・・・





暫くしてスマホの画面に新着通知が届いた


画面に写る文字を読み、時が止まったような気がした

返事がすぐに来た しかし何だろう

こんなに長く待ったような 気持ちは

内容を見た後、 一人でに呟いた




そう、やはり私にも教えてくれないのね・・








翌朝


朝は慌ただしく訪れる

自宅でもこんなに忙しくはしてはないだろう

昨晩、ケータイを弄っていると面白い記事があったので

それを読んでいたら いつもの時間に起きることができなかった


普段なら目覚ましをセットして・・痛っ   時間に余裕を持って

風呂に入ったりしたり寝癖を直したりと・・・・痛っ

てかさっきから痛い 痛い 痛い


八幡「あのさきほどから痛いんですが」


いろは「おはようって言ってくれないからですよ〜!」


八幡「いや、だってお前が俺の布団に乱入してたりするからだろ」


いろは「同じ布団に連れ込むなんてせんぱいったら、 だ・い・た・ん」


八幡「おい、変な話捏造するな」


いろは「そんなこと言ってる暇あったら急いでくださーい!」


元はと言うと一色が目覚ましを設定し忘れ、そのまま寝たのが原因である

ここには俺の自宅にある時計があるわけがない

なので目覚ましなどは全て彼女がなんとかやってくれるだろうと

昨日も今日だが任せていた





考えてる最中にも無慈悲の背中をバシバシと殴打されつつ、顔を洗う

更にタオルで顔を拭く間も叩かれる

いや、急いでるから 超急いでるから 叩くのやめて



いろは「おっそーい!」


八幡「なんかどっかで聞いたワードだな」


いろは「そうですか〜?」


八幡「まあいい、もう朝飯なんて食ってる暇無いな」

時計をチラ見してそう言うと一色も しょうがないと言った顔でバックを背負い直す



いろは「じゃあ!しゅっぱーつ!!」



八幡「いやだからなんでチャリ漕いで後ろにお前が座るんだ」



いろは「細かい事はいいんですよ細かい事は!!」



八幡「はあ・・ちゃんとつかまれよ」


ペダルをしっかりと踏み込み速度を徐々に上げる

後ろに捕まっている一色が落ちないよう加減をして

遅刻生徒会長の汚名を防ぐために一生懸命に漕ぎ出す



チャイムと同時に学校に着くと下駄箱付近で一色が自分から降りて

そのまま走り去った

このまま走って行けばギリギリ間に合う事だろう

しかし、俺はと言うとこの自転車を駐輪所まで持っていかなければならない


よって必然的に遅れる

無事アウトだ。  てか何が無事だよ。無事じゃねーよ



もう遅れてしまったものは仕方ない

ゆっくりと教室までの道を歩き、意を決してドアを開く。


俺が嫌なのはこれだ

誰しも経験があるだろう

一人だけが遅れ、静かな教室で後ろから息を殺してドアを開ける

静かに開けているのに誰もが一度は振り向くこの現象だ


いい加減この現象に誰か名前をつけてもいいと思うんだが

というかわざわざ静かに後ろから入ってるのに何故気づくのか


こいつらの視線が、ああお前かみたいな視線に変わり

黒板に戻される。


ふう、本当に一瞬で終わるが俺みたいにチキンハートのやつにはすこし心臓に悪すぎる。

元から最初にいなかったかのように静かに自分の席につく。


先生はというと何やら昨日の合コンについて息を荒くして話しているのか俺の存在には気づかなかったようだ。


そういえば話が一気に変わるがSNSに登録する時に覚えやすいパスワードをあらかじめ決めたが忘れることはないだろうか。

まあ元から友達が少ない俺にとってSNSなんて露出狂が好む世界と思っているのだが、気が向いて久しぶりにそれにログインしようと思ったらパスワードを全く覚えてないことはないだろうか・・・。


つい最近そのようなことがあったのだが適当に打っていたら漸くログインできたのだ、よかったよかった。


まあこんな感じのくだらないことを考えながら授業を無難に過ごしていった。


そして放課後、俺は奉仕部の教室まで向かった。いつもより足取りが軽いような気もする。

いつも通り中に入ると先に来ていたのか雪ノ下が本を読んでいて此方に目もくれることもないのだが・・・

今日は何故か普段より視線を感じる気がする。


もちろんこの教室にいる雪ノ下からである。


視線に気づかないふりをしながら自分の定位置につく。

そしてスマホの着信を見ると案の定だが一色から大量にメールが届いていた。


俺は面倒なのも授業中はスマホの電源を切っていることが多い。


まあどうせ開かなくても着信は愛する妹の小町からか親からくらいだな。先日までは


電源を入れると同時にメールの受信が始まった。


メールの量が多く受信する度に画面が勝手にスクロールしていくのを見たあと一番下のメールから開いた。


送信元:一色

件名:『三億円当選しました!』

内容:せんぱいせんぱい!いまなにしてますか!?




あぶねえよ件名があれだから見ないで削除するところがだったわ一体何がしたいんだこいつは・・・


そして次のメールを開く


送信元:一色

件名:『へんじください!』

内容:せんぱい!せんぱいったら返事してくださいよー!?もしかして寝てるんですか?はやくー!


これは普通の件名だったわ。


さらに次のメールを開く。



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SS好きの名無しさんから
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Elzupさんから
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SS好きの名無しさんから
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SS好きの名無しさんから
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SS好きの名無しさんから
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SS好きの名無しさんから
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SS好きの名無しさんから
2015-05-17 00:26:12

Aice5さんから
2015-05-17 00:14:51

freさんから
2015-05-17 00:10:30

SS好きの名無しさんから
2015-05-16 23:51:45

SS好きの名無しさんから
2015-05-16 01:07:52

SS好きの名無しさんから
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SS好きの名無しさんから
2015-05-15 00:08:49

SS好きの名無しさんから
2015-05-14 20:19:21

SS好きの名無しさんから
2015-05-14 11:44:00

SS好きの名無しさんから
2015-05-13 20:26:34

ワッフルさんから
2015-05-13 18:23:23

SS好きの名無しさんから
2015-05-13 11:10:11

SS好きの名無しさんから
2015-05-13 00:09:38

SS好きの名無しさんから
2015-05-12 23:51:41

いけすさんから
2015-05-12 19:13:15

SS好きの名無しさんから
2015-05-12 17:45:31

SS好きの名無しさんから
2015-05-12 10:20:31

SS好きの名無しさんから
2015-05-12 05:00:47

SS好きの名無しさんから
2015-05-11 23:22:27

SS好きの名無しさんから
2015-05-11 22:27:44

SS好きの名無しさんから
2015-05-11 12:40:13

SS好きの名無しさんから
2015-05-11 10:49:59

SS好きの名無しさんから
2015-05-11 00:45:53

SS好きの名無しさんから
2015-05-11 00:13:50

SS好きの名無しさんから
2015-05-10 22:32:50

天条saberさんから
2015-05-10 22:31:49

SS好きの名無しさんから
2015-05-10 21:54:45

SS好きの名無しさんから
2015-05-10 20:31:52

リリーゾーンさんから
2015-05-10 19:48:22

たかさんから
2015-05-10 19:19:54

このSSへのコメント

51件コメントされています

1: たか 2015-05-10 19:20:25 ID: jgoQc3UN

続きが超気になります‼︎頑張ってください‼︎

2: 天条saber 2015-05-10 22:32:10 ID: 1usgH1rO

いろはす可愛い

3: SS好きの名無しさん 2015-05-10 22:33:28 ID: uE1oAXXP

早く完結させてくれ〜!!

4: SS好きの名無しさん 2015-05-11 01:04:50 ID: 3s9edx45

期待してまーす

5: SS好きの名無しさん 2015-05-11 15:44:37 ID: QQRvLtLG

続きが早く読みたい~
いろはすかわいすぎー

6: SS好きの名無しさん 2015-05-13 18:57:30 ID: kRiOvhjN

いろはすええなぁw嫁に欲しいわぁ

7: SS好きの名無しさん 2015-05-13 18:58:14 ID: 4cQ-YVlO

いろはすええなぁw嫁に欲しいわぁ

8: SS好きの名無しさん 2015-05-13 21:31:08 ID: o5zz5xOL

続き楽しみ

9: SS好きの名無しさん 2015-05-13 23:59:58 ID: CRxVzZPv

甘酸っぱい青春を期待してます

10: SS好きの名無しさん 2015-05-15 01:08:06 ID: -pxVrnUs

ヤンデレもいいかなって

11: SS好きの名無しさん 2015-05-16 14:45:14 ID: 8TngxMI8

ヤンデレもいいよね

12: SS好きの名無しさん 2015-05-17 02:13:24 ID: m9bWz6Sl

ヤンデレがいいよね

13: SS好きの名無しさん 2015-05-17 09:12:38 ID: idaskV6h

むしろヤンデレ以外ありえない

14: SS好きの名無しさん 2015-05-18 00:16:51 ID: 0x0wpoiq

ヤンデレ書いてくれてありがと(未来形

15: SS好きの名無しさん 2015-05-18 17:13:37 ID: BC7EHBX_

もう普通にイチャイチャするだけでいいと思う。

16: たか 2015-05-21 22:57:02 ID: wiL3I7ku

同じく

17: SS好きの名無しさん 2015-05-23 00:54:11 ID: Vc5h9QUH

早く書いてー

18: SS好きの名無しさん 2015-05-24 00:00:18 ID: -fX0AewW

続きが気になって眠れない

19: SS好きの名無しさん 2015-05-24 00:22:23 ID: 2apB5kEz

この展開は…まさか…

20: SS好きの名無しさん 2015-05-26 10:57:40 ID: O79eyNbc

(0゚・∀・)wktk

21: たか 2015-05-26 20:58:34 ID: JotNnQkh

気になる…

22: SS好きの名無しさん 2015-05-31 23:10:54 ID: 2iQ7FkXV

俺も養って

23: SS好きの名無しさん 2015-06-09 20:27:10 ID: ZBDe3WEV

はよ
はよ…!

24: SS好きの名無しさん 2015-06-11 19:58:34 ID: k1IsyGUA

かわええ

25: SS好きの名無しさん 2015-06-11 23:28:50 ID: -mKGT-xc

かんばれー!

26: SS好きの名無しさん 2015-06-13 16:42:08 ID: 0owrhx1p

なかなかおもしろかったぞ

27: SS好きの名無しさん 2015-06-14 23:04:43 ID: CoPc23iV

おっそーい

28: SS好きの名無しさん 2015-06-19 17:51:44 ID: SthNwCPJ

八幡適応力ありすぎwww

29: SS好きの名無しさん 2015-06-24 23:49:36 ID: TjKSsutS

まだかなぁまだかなぁ(ワクワク

30: SS好きの名無しさん 2015-07-25 17:42:55 ID: OFlf0ukH

続きはよ

31: SS好きの名無しさん 2015-08-16 22:48:27 ID: FYfkhHBO

面白かったです。
続き待ってます

32: SS好きの名無しさん 2015-09-24 18:38:24 ID: Chcxhhgh

完結希望

33: SS好きの名無しさん 2016-01-02 22:10:04 ID: xCt4AFpM

続きかすごく気になる!
続き頑張ってください!!

34: SS好きの名無しさん 2016-01-04 21:56:37 ID: a_VAEemk

続き読みたい♪───O(≧∇≦)O────♪

35: SS好きの名無しさん 2016-02-17 18:16:17 ID: 1OxhjzaC

続き、頑張ってくれ

36: SS好きの名無しさん 2016-05-30 14:12:17 ID: ChJUtNJE

作者だけどログインパスワード忘れた

37: SS好きの名無しさん 2016-06-05 19:46:25 ID: i8Bgb3eG

36
Σ\(゚Д゚;)おいおいおいおいwww

38: SS好きの名無しさん 2016-06-06 01:24:51 ID: sObhtIcT

oh(´・ω・`)...

期待

39: SS好きの名無しさん 2016-06-08 02:54:26 ID: hoTCbOVn

完結希望!!
甘酸っぱい

40: SS好きの名無しさん 2016-06-26 16:21:29 ID: eIcCinUr

誤字多すぎ!w
でも、面白いから許す

41: SS好きの名無しさん 2016-07-10 15:41:53 ID: MPeELFIf

ポチ ポチ ポチ
   __ お断りします
  /— -\ __
/ (● ●) ||  |
|   (_人_)  ||  |
>     ̄ ̄   ||_|
(  ̄つ ⌒>、 _ __|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

42: SS好きの名無しさん 2016-09-11 05:45:44 ID: XGpZjs8f

つまんないから
もう書かなくていいよ!笑笑

43: SS好きの名無しさん 2016-09-20 13:46:37 ID: V0Q_aBQU

42意味わからんお前が見なきゃいいだろ

作者さんこれからも頑張ってください!!
続き気になる!

44: SS好きの名無しさん 2016-11-01 17:39:26 ID: 5YRtY0-4

いろはす〜

45: SS好きの名無しさん 2017-07-07 17:58:26 ID: 7n_Ovfmt

やべーなマジでそんで

46: SS好きの名無しさん 2017-08-30 00:54:51 ID: 5PkrunHd

諦めるな!頑張ってくれ!君ならできる!

47: SS好きの名無しさん 2018-01-11 03:31:14 ID: N-4mcfo4

いろはは、可愛い

48: SS好きの名無しさん 2018-01-11 03:31:49 ID: N-4mcfo4

いろはは、可愛い

49: SS好きの名無しさん 2018-08-11 23:03:39 ID: RBMXNYFK

頑張って書いて下さい。

50: SS好きの名無しさん 2020-05-13 01:38:59 ID: S:LB7crq

雪ノ下ヤンデレしそう
由比ヶ浜負けヒロインてか、ほぼモブ、空気
いろはすは八幡が死んでから泣きそう
八幡、雪ノ下に監禁されるか
監禁されてから殺されそう
なんにしても今俺の頭では
バットエンドしかない

51: SS好きの名無しさん 2023-06-03 20:14:31 ID: S:qypmw2

八幡はトマト嫌いだよ


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1件オススメされています

1: SS好きの名無しさん 2023-06-03 20:14:06 ID: S:uwLAA2

八幡はトマト嫌いだよ


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