【化物語】古物語 【忍野】 壱
化物語ss
ありそうでないような忍野ストーリー。
前回に出会った謎の電柱少女。
彼女をきっかけに歯車は回り出すわけで。
わたしもどのように物語を回そうか楽しみですね。
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月に陰りもなく、その少女の姿は鮮明に僕の目に映った。
鮮明と言ったが、正直なところ少女の姿は黒一色であって。
真っ黒なわけだが。
それでも、僕の網膜にしっかりとその姿は映し出されていた。
後光が差している。
なんて表現があるかもしれないが、正にその様な表現がしっくりする程、彼女の存在は浮き出ていた。
まるで、彼女だけ回りから切り離されているみたいに。
先程から、彼女だとか、少女だとか表現が定まっていないが、それはどちらとでも表現できるからである。
否。
僕がすでに気づいてしまっていたからである。
彼女は人間では無い。
人間ではないナニカ。
つまり怪異である事に。
「ふーん、いきなり電波的な事を言うお嬢ちゃんだね。こんな夜中に外を出歩かないように親御さんには言われなかったかい?」
あっけらかんに僕は答えた。
あくまで、何も知らないように。
黒髪で、髪は長くまるで黒炭の様に艶が無く深みのある髪の毛。瞳も、混じり気が無い黒。
服装は真っ黒のゴシックドレスなんだが、白いフリルなんてものも、ついて無くてそれすらも、真っ黒。
こんな奴がまともなわけなんてないんだが、それでも僕は平然を装って言った。
「それが既に理から外れているんだよ。」
続けて彼女は言った。
「何も知らないふりをしているみたいだけどね、そもそも私を見て普通に話をしている時点で、理を外れたもの、つまり人間外か、人間なのに人間外なのか。」
あ、その格好のクレイジーさに自覚があるなら良かった。
「それこそ知ってるもの。貴方は、調整師なんて呼ばれている人間なのでしょう?私は貴方に用があって会いに来たんだから。」
そう言うと、彼女は地面に着地して僕の前に立った。並んでみると、身長は150程度だろうか。見れば見る程黒く、そして内面から強い光を放っていた。
「で、何の話なんだいお嬢ちゃん。」
彼女からは不気味というか。不思議な感覚を感じれるが、僕だって暇ではないし、別に怪異に関して四方八方に手を出すわけでもない。
「まぁ、貴方の噂は良く聞くわよ。間に立って色々と偽善者紛いの事をしたり、怪異について情報を集めたりしてるみたいだけど。」
「別に偽善者しているつもりは更々ないけど、他者からみたらそう言われても仕方ないか。僕的にはギブアンドテイクなんだけどね。勝手に助かってもらうための土台を作ってあげて、僕は怪異譚を、手にすることができる。」
「では貴方は何故集める?たしかに需要が無いわけではない。あたるとこににあたれば良い値で買い取ってくれたりもするであろう。だが本質はそこにあるわけじゃないだろう?そこまでして理を外したいのか?」
「まったく。理だとかなんだとか難しいような事ばっかりを言うお嬢ちゃんだ。別になんもありゃしないよ。趣味と言ってもいい。そうさ、僕は実際の所人助けが趣味なのかもしれないね。結果的に助けてる結果になるからさ。」
少女は僕の目をずっと真っ直ぐにみていたがその視線を外すと、
「貴方にどう問いかけようと一緒みたいね。ふーん、それならはいいわ。貴方がどんな理由で怪異と接していようが関係ないもの。用件は一つよ。」
またしても彼女は僕の瞳を見つめて、いや睨んで
「蛇神をどうした。いや、どこにやった。」
そう、答えた。
沈黙。と、までは言わないかもしれないが間違いなく間ができてしまった。
これはいけない。ペース、距離感とは大事だ。見えない攻防戦が実はくりひろげらていて、僕は彼女に極力情報を与えないようにしていたのだが、今ので一瞬で縮められた。
スペースを取られ、ペースを奪られた。
彼女もわかっているのか、少しニヤリと笑っている。
ちっ、やりづらい怪異だとは思っていたが、どうやら思った以上に経験値のある怪異の様だ。
「なんだい、蛇神って。僕はそんな怪異に出会った事も関わったこともないんだけどね。」
沈黙は肯定とみなす。
なんて言葉がある様に、ここで沈黙を貫いてもYesと答えてる様なものだ。
しかし、コイツ、なんだ。
何故知っている。
あれは、臥煙先輩に頼まれて隠密に行ったはず。
臥煙先輩が絡んでるってことは、まず情報の漏洩に、対しては完璧だったと言ってもいいはずだ。
それこそ、この事を知っているのは怪異に巻き込まれた当事者を含めて3人だけだ。
その当事者も臥煙先輩が管理している限り、そこが発生源になるとは考えられない。
つまり、彼女が特別ってことかい。
そんな風に思考を回転させていると、彼女は平坦に言った。
「まぁいい。貴方に聞いたって答えは白紙か、別回答。ここで答えを聞かなくとも、いずれわかること。明日になればわかること。老婆心ながら言ってあげるわ。私がここに或るって事が既に異例で特例で理の外。私は私の目的を果たすだけ。いや存在価値を求めるのかしらね。
ではごきげんよう。明日の朝はきっと
素晴らしい朝だわ。」
「お嬢ちゃんなのに、老婆心なんて発言もするし相変わらず摩訶不思議な事ばっかり言ってるけど、お嬢ちゃんは、、、って消えたか。」
彼女がなにものなのか、その確認が最優先事項だが、彼女は言った。
いずれわかる。と。
ならば今考えても仕方ないこと。
そう、結論を出して僕はコンビニで、買ったマルボロ赤の封を切って、口にくわえた。
「しかし、これは臥煙先輩にはなさなくてはいけなくなるな。」
なんてボヤキながら、煙草にライターで火をつけた。
紫煙が風に流れて夜の街を消えていく。
そんな夜の街で寝床を探して、僕は公園で寝ることにした。
「ったく、あのお嬢ちゃん。楽しそうにして。なんか良い事でもあったのな。」
なんて言って僕も笑ってた。
そして、気づいたら眠りに落ちていて朝が来た。
前言撤回。
まったく笑えない。
僕が寝た公園はの面影は綺麗さっぱり消え失せていて、周りを見渡しても広がるは草原のような荒野。
なんだろう矛盾してるけど、半々的な?
一言で言うと、1日で世界が滅んだらこうなるんだろうな。って感じ。
なにが、素晴らしい朝だ。
素晴らしいってか、なんもなくなって清々しいわ。
「まぁ、十中八九お嬢ちゃんだよなぁ。」
そんなわけで目覚めたら、日本というか世界が崩壊しているみたいなので、原因のお嬢ちゃんを探すことにした。
なんか書いてみたら楽しくなってきたんですけど、風呂敷広げるだけ広げて回収できなくならないように、気をつけます。後は自分が楽しんでを最優先で、もし読んでくれている方がいたらその人の楽しみを最優先で。
話の長さはどれぐらいで纏めようか悩んでます。
とりあえず、短くても毎日更新を、目標に、やっていこうと考えています!
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