とある国の兵士の手記
この兵士の手記はとある国の兵士の家で見つかりました。〇〇兵士は戦場病にかかり(✖︎✖︎)していました。この手記は割と考えながら書いたので是非見ていってください。それではどうぞ。
1936年7月25日
午前11時2分…
我々政府軍は日々勢力を拡大している反政府勢力を我が国から出さないために戦い、敵勢力を倒すために前哨基地を置いて警戒している…
この前哨基地には
固定機関銃1
37mm速射砲2基
迫撃砲3つ
対空機関砲(20mm)一基
移動式機関銃二基
などが配備されており
砲兵12人
砲兵指揮官2人
(対空砲や迫撃砲の兵士含む)
機関銃兵六人
機関銃指揮官1人
歩兵12名(野砲特化兵2名)
総指揮官2名
予備兵6名
の計41名からなっている
中規模の哨戒基地である
我々は配備されたのはつい最近でありベテラン兵もごく僅かしかいない…だが陽気な仲間がたくさんおり、私はとても楽しい。毎日が充実した日々であった…。あの日が来るまではこの平和が続けばいいだなんて妄想をしていた…。
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同年同月26日翌日…早朝-
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私は朝起きた時から嫌な予感がしていた…。
重い腰を上げ、身支度をし、上官殿や部下に挨拶し、いつものように命令を聞き、武器庫に行って武装して、任務に着く…。
その日、私は任務で哨戒番を任されており、前哨基地の入り口の警備をしていてここに配属された時に仲良くなった2名の兵士と談笑していた。
とても楽しく、有意義な時間であった…。
あの重い、耳に響く音を聞くまでは
午前11:45
私は疲れたために壁にもたれかかって警備をしていたが、手首にある母の形見の時計を見て、まもなく昼食の時間だと気付いた私は、昼食を取るために重い体を動かした…その時だった。
響く銃声、
ヘルメットに弾が触れ、
貫通する音、
臓物が飛び散る音
私は何が起きたのか、その時理解ができなかった。
だが、その次の銃声で私の意識は無理矢理、最悪の状態で呼び戻された。
音や光景、匂いを目と耳、鼻で感じ取った…。
嫌でも何が起こったのかわかった…。
先程まで談笑をしていた兵士の1人が、頭を貫かれていることに…。
私はすぐさま、無線で仲間に敵が来た事を叫んだ。声になったのかどうかすらわからない状況でとにかくその事を伝えた。
その後、前哨基地は一瞬にして地獄と化した。
撃ち込まれる銃弾
鳴り止まぬ銃声
敵の砲弾があちこちに着弾し
厳重に見えるようで意外に脆い駐屯施設が次々と破壊され
あちこちで誰もがおじけつく様な絶叫が上がっていた……
私は、すぐさま門の近くにある固定機関銃につきお返しとして敵に鉛を撃ち込む
はずだった。
震える手、霞む目、ブレる照準、引き攣る指
まるで恐怖している様な症状が出た。
いや、恐怖していたのだ。
そんな、「使い物」にならない私を尻目に
状況は進んでいった…。
「敵襲だ!応戦しろ!」
「こちら〇〇地区前哨基地A!敵襲を受けている!」
「撃て!奴らに撃ち込むんだ!」
…
仲間の兵士達が反撃し始めた、
震えていた私もそれに応えようとした…。
だが
一瞬の静寂が訪れた。
いや…
訪れたというより
「それ」を聞くために、「聞かせる」ために周りの音を遮断した、されたと言った方がいいのだろうか…。
「助けてくれ…」
「まだ死にたくない…」
「かぁさん…」
ーーー
負傷した兵、死にゆく兵の声が耳に聞こえた…
私は、引き金を引こうとするのをやめようとした…。
彼らを助けようとした…。
助けたかった…。
だが、私は撃った
撃ち続けた。
全ては、戦いの後で考えればいいと、
彼らを助けるのは、後で良いと…
私は戦いの最中、戦闘に集中するために、人としての、常識、考えを放棄した。
敵勢力が撤退した事で戦いは終わり、
先程とは違う「静寂」が訪れた。
振り返って見れば、見えるのは仲間の死体とボロボロになった前哨基地だけだ。
私はしばらくその光景を見て立ち尽くした後、
戦闘で負傷した彼らを助けようと走って行ったが
そこにあるのは大量の屍と埃だけだった。
どれか一つの部位が失落していたり、あるものは骨までも粉々になっていた。その光景はまさに地獄といって良いほどだった。
あれだけ葛藤した後に戦いを選び、その後に残るものはすでに冷たくなり、無惨な姿の兵士の骸があるだけだった。
垂れてくる水、霞む目で見えた物は白い天井だった。
気がつけば私は軍病院にいた。
呑気にベットで寝ていたのだ。
仲間が死んでいるのに。
そして、病院で寝るたびに聞こえるのだ。
戦闘で手当てを後回しにされ、
亡くなった兵士の声が、鳴き声が
その声は日にちが経つごとに徐々に増えていった。まるで私が苦しんでいる事がわかっているかの如く、精神的に参ってからは格段と亡者の声が増えた。
その後私は、医師の診断を受けたところ
戦場病(精神病)
※我軍内では戦場へのトラウマの事
(現実世界はPTSD)
と診断され、
軍に長期休暇を与えられた。
妻や子供、仲間との再会
嬉しい事は沢山あった。
…だが
今でも耳から離れないのだ。
目を瞑るたびに聞こえてくるのだ。
彼らの鳴き声が、
泣き声が
亡者の鳴き声が、
兵士の泣き声が
…私は…
私はもうすぐ、
苦しみから解放されるだろう。
すまない
(ここから先は血飛沫が飛び散っているだけだった)
✖︎✖︎✖︎軍一等兵士
「✖︎✖︎✖︎」の手記より
どうでしたか?手記物を書くのは初めてですが頑張りました。
また次回も投稿しようと思いますので
どうかよろしくお願いします。
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