2024-09-03 23:21:56 更新

概要


艦娘を陰で支える妖精になりたい提督の物語

しかし…


前書き


かむかむレモンです。

X(旧Twitter)認証が出来なくなったため、リハビリついでにゆるく再開しました。また最近の新規実装艦娘については把握してません。独自解釈もりもりです。

今更どの面下げて戻ってきてんだオラァン!と思われますが、どうかよろしくお願いします。



軽く登場人物紹介


提督
本SSの主役。妖精になりたい願望を持つ。どちらかと言うとまともじゃない感性持ち。


憲兵
提督の同期であり友人。妖精が見える。


妖精
かわいらしい見た目をしているが…




憲兵「…はぁ、こんな日が来るとは思ってなかったよ」


提督「困惑するのは承知の上だが…」


憲兵「そっちもあるが…まあ適当に理由付けといてやる」ガチャン


提督「は?」


憲兵「さあ、病院に行くぞ」


提督「なんで手錠着けるんだよ!」


憲兵「いや着けない理由が無いだろ。妖精になりたいってお前…」


提督「頭イカれてねぇよ!ちゃんと訳があんだよ!」


憲兵「まさか初の逮捕がお前とはなぁ…」シミジミ


提督「い、いや、妖精ってさ、結構俺らの見えないとこで仕事してくれてるじゃん?具体的に何してんのかな〜って…」


憲兵「…ほー?小さくなってどさくさに紛れて艦娘に潜り込もうとか考えてたり?」


提督「いや全くそんな事考えて無い!マジで!妖精の動向に興味があるだけ!」


憲兵「それならOK…とでも言うと思ったか?そもそも人間が妖精になれる訳ねぇだろ」


提督「あ、明石に頼めば…」


憲兵「艦娘に何を求めてんだお前…いいから行くぞ」グイ


提督「あ、ちょ、放してくれぇ!」







妖精「…」キラッ








提督「んあっ!?」ピカッ


憲兵「ん!?」









提督「…」シュウウウ


憲兵「小さく…なった…」


提督「…よ、妖精サイズになったぁぁぁぁぁ!!」


憲兵「何が起こった…ん?」





妖精「」ペコ





憲兵「…君がやったのか」


妖精「はい」


憲兵「…どうすんだよこれ」




提督『す、すげぇぇぇぇ!!!まさに新視点!何これ!部屋がデカすぎる!』




妖精「大丈夫。元に戻すこともできます」


憲兵「…それならいいが」


妖精「ただし、今から24時間以内に元に戻らないと…」


憲兵「…まさか、戻れなく…なるのか?」


妖精「わかりません」


憲兵「え?」


妖精「何が起こるかわかりません」


憲兵「なんだそりゃ…」





提督「おおおお!忍者のあれが出来る!滑空してる!楽しいいいいいい!!!」フワフワ





憲兵「おいお前ちゃんと話聞けよ!」ガシ


提督「ぐおおおお鷲掴みされたぁぁぁぁぁ!でもこれもまた新鮮んんん!!」


憲兵「…ほっとこうかなこいつ」


妖精「提督さん、ほんとに大事な話があるので聞いてください」


提督「お、おう…てか同じ目線だとほんとにお人形さんみたいだな」


妖精「えへへ〜」


憲兵「…早く話してやってくれ」


妖精「はい。まず今から24時間以内に元に戻らないと、何が起こるか分かりませんが、良くない事が起こります。それだけは確かです」


提督「パルプンテみたいなもんか」


妖精「…この砂時計が目印です」ボワン


提督「おぉ…なんかそれっぽい!」ワクワク


妖精「一度落ち始めた砂は、全て落ち切るまで止まりません。例え途中で裏返しても、このように」クルッ


提督「す、すげぇぇぇ!砂が昇ってる!」


憲兵「ズルは出来ねぇってことか」


妖精「戻りたい時はまたここへ来てください。私が元の姿に戻します」クルッ


提督「おう」


憲兵(…最悪、今日は俺が警らついでに連れ戻すか)


妖精「妖精となってる間は、ある程度は皆さんと同じ事が出来るでしょう。詳しい事は他の子たちに聞いてください」


提督「何!?妖精には特殊能力的な奴があるのか!?楽しみ過ぎるぅぅぅぅ!!!!」


妖精「…最後に、この砂時計は決して壊してはいけません」


提督「…もし壊したら?」


妖精「…それでは、また」スゥ


提督「あ、おい!」


憲兵「消えた…」


提督「…とりあえず他の妖精を探すしてくるわ!またな!」スタタタ


憲兵「ちょ、待てオイ!」









***








提督「それにしても色々でかいなぁ…結構動いたつもりなんだが、部屋からさほど離れてないな」


妖精「…」テクテク


提督「お、第一妖精発見!」


妖精「!」ビク


提督「おーい君!ちょっと来てくれ!」


妖精「…?」


提督「こうして同じ目線で話すのは初めてかな?ちょっと君に聞きたい事が…」


妖精「…誰?」


提督「え?俺?提督だよ」


妖精「…え?」


提督「まあ驚くのは無理もない。君たち妖精の力で俺もこうして同じ姿になったのだよ!」


妖精「…」


提督「とりあえず、君はどこの所属…というかどこで仕事してるんだ?案内してくれ」


妖精「…は、はい」


提督(あ、歩きなのね)








妖精「…ここです」


提督「ここは…資材倉庫か」


妖精「はい…ここで毎日…数量管理を…」


提督「おお…こういうのだよ!縁の下の力持ちを同じ目線で見れるとは!」


妖精「…?」


提督「君の支え無くして我が鎮守府は成り立たないって事だよ!ありがとう!」


妖精「は、はぁ…」


提督「…ところで、資材は所狭しと置かれてるが、このそびえ立つ棚はどうやって登るんだ?」


妖精「…よじ登ります」


提督「…マジ?」


妖精「…冗談です」


提督「冗談言えるのか!お茶目だなぁ!」


妖精「…こう、『あそこまで跳ぶ』って念じながら…んっ!」ピョーン


提督「おお!?」


妖精「よいしょ…ふぅ」


提督「な、なんてジャンプ力…俺の身長より上の段まで…?念じるだけでそんなことが…!?」


妖精「…」タタタ


提督「あ、仕事始めてる…タブレットも妖精サイズかぁ…」


妖精「…」スタスタ


提督「念じる…か、集中…集中…」


提督「あの高さまで…跳ぶ!」ピョン!







明石「妖精さーん、今日の開発に使う資材を…ん?」ガラッ


提督「うおおおおおお!跳べた!高ぇ!」


明石「え?あれ?」


妖精「!」


提督「と、跳べたぞおい!俺も出来たぞ!」


妖精「すごい…」


提督「ジャンプ力は…同じぐらいか?分からんが」


明石「…その服…提督?」


提督「ん?おお、明石か!」


明石「え、ちょ、な、なんで?サイズが、その…」


提督「はは、24時間限定で妖精になったのだよ!」


明石「…おかしいなぁ、私昨日は早寝したんだけど…」


提督「え、いや待て」


明石「顔洗ってこよ」スタスタ


提督「おぉーい!待て!おい!」


妖精「…あれが普通の反応かと」


提督「くっ…待て!」ピョーン


妖精「あっ…」


提督「あ、念じて…うわああああ高ぇぇぇぇ!!!」ヒュルルル


妖精「ちゃ、着地を…!」


提督「お、落ち着け…こういう時だからこそ出来る…ヒーロー着地!」シュタッ


妖精「おぉ…」


提督「…膝いてぇ」


妖精「大丈夫ですか…?」フワフワ


提督「あ、君も忍者の滑空やるんだ…いてて」


妖精「…落下傘の代わりになるものは、常備しておいた方が…」


提督「そ、そうだな…色々と学べたよ、ありがとう」


妖精「…はい」


提督「…それじゃ俺は行くわ。落下傘かぁ…」トボトボ








***








明石「…」フキフキ


夕張「あら?まだ眠い?」


明石「んー、まだ寝惚けてるんかなぁって」


夕張「何かあったの?あ、まさか提督絡み?」ニヒヒ


明石「んん、まあそうとも言えるかな…」


夕張「おおっ!?うっかりポロリとか!?」


明石「そうじゃなくて…うーん、なんて言うか、その…」


夕張「…」ワクワク


明石「…提督がさ、妖精サイズになってるように見えてね」


夕張「…こりゃ修理が必要ね」ヤレヤレ


明石「やっぱりそう思うよねぇ」


夕張「ストレスと疲れで限界きちゃったかぁ」


明石「そうなのかなぁ」


夕張「休み取って外でリフレッシュしましょ!」


明石「そうねぇ…提督と相談して…ん?」


夕張「どうしたの?」


明石「何か向こうが騒がしいなって」


夕張「…妖精さんが集まってる?」


明石「トラブルかなぁ」スタスタ








妖精「て、提督!?なぜそんな姿に!?」


妖精「敵の攻撃ですか!?」


提督「いや分からん。それより君らのサイズの落下傘を…」


妖精「ど、どーするんですか!今日の任務とかは!?」


妖精「とりあえず本部に報告を…」


提督「だ、大丈夫だって、1日経てば戻るから。それより落下傘…」







明石「…あっ!」


提督「お、明石」


明石「…やっぱり見間違いじゃなかったぁぁぁぁぁぁ!!!」


夕張「どうしたの!?…って、提督!?」


提督「おう夕張もいたか。聞いてくれよ、落下傘のスペアを借りようと頼んでんだけど…」


夕張「ちょ、なんで!?え!?ちっさ!ほんとに妖精さんと同じくらい!?」ツマミ


提督「おい摘むな!下ろせ!」


夕張「すごーい!けどどういう事ですか!?」


提督「ふう、話せば長くなるが…」








憲兵「おーい!提督はどこだ!」ドタドタ


提督「おお!ここだ!」


明石「ひえっ!?憲兵!?」


夕張「え!?」


憲兵「秘書艦がお前探して逃げられたって泣きそうなんだよ」


提督「んな薄情な事するか!」


憲兵「今してんだろ。とにかく来い」ツマミ


提督「摘むなって!」


夕張「…ほんとに妖精さんと同じサイズだったわ」


明石「…どうなってるの」








***








島風「やっと見つけたと思ったら小さくなってるぅぅぅ!!」


提督「そ、そんなに心配されてるとは思わなんだ」


島風「心配しないほうがおかしいと思うんですが!」


提督「はい」


島風「…明石さん絡み?」


提督「いや今回は違うぞ」


明石「今回はってなんですか!普段からやってるみたいな言いぶりはやめてくださいよ!」


提督「だってお前こないだ俺に試作飲…」


明石「あーあー!なんの事だかさっぱりですねー!」


島風「…それは後で詳しく聞くとして、なんで小さくなってるんですか」


提督「それが、かくがくしかじかでな…」






島風「…いや、意味わかんない」


提督「事実こうして妖精サイズになってるから受け止めて欲しいもんだ」


島風「なんでこういう非現実的な現象の受け入れは早いの…」


提督「…んな事言ったら君らも大概だゾ」


島風「…」


提督「まあ俺は俺で出来ることを調査してるから、島風たちは普段通りに過ごしてくれ」


島風「…出撃は?」


提督「ローテーション通りに」


島風「…指揮は?」


提督「旗艦」


明石「開発は?」


提督「直近で必要な装備は無いからいつものレシピ」


島風「というか書類は?」


提督「…さて、妖精を探すか」


島風「提督の署名とかチェック必要なものはやれないよ」


提督「このサイズで書けってか…?」


島風「頑張って下さいね〜」


提督「くっ、ペンが重てぇ!」グググ





島風「…それにしても、人にここまで干渉できる妖精なんて居ましたっけ?」ヒソヒソ


明石「正直初耳だけど…まあ元に戻れるって言ってるし、敵とかじゃ無いのかな?」ヒソヒソ






提督「くそっ!早く次の妖精に会いたい!」ガリガリ






***







提督「全然終わんねぇ…ペン重てぇ…」


提督(…そういや工廠で見かけた妖精たちは自身より数倍大きい物を軽く持ってたが…)


提督(…あれもしかして集中すれば資材倉庫のアレを応用出来るんじゃないか?)


提督(集中…集中…このクソ重いペンを持つ…)






提督「ふんっ!」グググ






提督「い、行ける…!やはり目的に対して集中すれば身体が応じてくれる!」


提督「…これ人の時でもある事じゃん」ズーン





妖精「気が付きましたか」ヒョイ


提督「うわぁ!いきなり後ろに立つな!」


妖精「流石は提督さん。飲み込みが早いですね」


提督(…砂時計の妖精じゃなかった)


妖精「提督さんの言う通り、私たちは目的に対して強く念じれば身体が応えてくれます。ただ、人間よりもその効果が多少大きいってだけですけど」


提督(…多少どころじゃないぐらいでかいと思うんだが)


妖精「まあこれは肉体に限らず精神にも影響します。例えば…」ムムム


提督「どうした?」


妖精『聞こえますか?』


提督「うわっ!頭の中に…まさかテレパシーってやつか?」


妖精「そうです。ただこれは物凄く疲れますよ」フウ


提督「す、すげぇぇぇ…いいねいいねぇ!こういう目に見えない系の特殊能力待ってたぜ!さらに応用すればテレポートなんかも…」


妖精「それは出来ません」


提督「あっはい」


妖精「テレポートみたいな次元を超えるような力は使えません。あくまで自身に効果をもたらすものだけです」


提督「…テレパシーは出来るのに?」


妖精「…テレパシーといえば超能力に聞こえますが、実際のところは感覚を強く研ぎ澄まして、相手に自分の伝えようとしてることを『察せさせる』と言った方が近いかもしれません」


提督「ん、んん…?それ自身だけじゃなくて相手にも干渉してんじゃん」


妖精「…そうですよね。でも何故か出来るのです。何か相手にも影響を与える引き金があるのかも…?」


提督(…念波?を送ると相手の第六感的な何かが無意識に反応してテレパスを感じ取る…とか?)


妖精「…そういえば提督さん、その姿になってどのぐらい経ちますか?」


提督「ん?ああ…半日ぐらいか?結構書類でもたついたからな」


妖精「お腹とか減ってませんか?」


提督「…そういや腹減ってねぇな」


妖精「そうですか」


提督「…思えば飯食ってる妖精ってほとんど見たことないな。居るには居るが…」


妖精「提督さんが見てないだけでご飯は食べますよ」


提督「あっすいません」


妖精「良ければ見に来ますか」


提督「行きたい!」


妖精「それでは倉庫まで」


提督「食ど…じゃないのか」








島風「提督〜、書類終わりまし…あれ?」


島風「…居ない!」







後書き


秘書艦だれにするかで2週間も掛けんな(自戒)




ルール

・24時間以内に妖精から元の姿に戻らないと、何かが起こる(良くない事なのは確か…らしい)

・妖精である間は、ある程度は妖精と同じ力が使える(特殊能力?)

・砂時計を壊してはいけない



妖精の能力
・跳ぶ事に集中すると高く跳べる(2〜3m程度?)

・目的に対して集中すれば身体能力が強化される
その気になればテレパシーを送れるが疲労が溜まる
ただしテレポートのような次元を超えた空間移動は出来ない?



このSSへの評価

2件評価されています


SS好きの名無しさんから
2024-10-05 05:58:36

H.Curbler54さんから
2024-06-29 01:23:01

このSSへの応援

3件応援されています


SS好きの名無しさんから
2024-10-05 05:58:30

明石の証さんから
2024-08-18 19:08:04

H.Curbler54さんから
2024-06-29 01:23:02

このSSへのコメント

4件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2024-06-25 23:11:24 ID: S:jOxrr4

かむかむレモンさんだー

2: かぴお 2024-06-26 12:07:16 ID: S:dACHmk

良い…とても良いのでございます!!

3: SS好きの名無しさん 2024-07-02 00:12:14 ID: S:wQMzWD

えをてみあの

4: SS好きの名無しさん 2024-07-29 10:59:36 ID: S:Qu_wTN

続きはよはよ


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