紅い水面~ブラックサンダー~
着任してからずっと秘書艦として司令官のために尽くしていた雷
だが・・・
【このSSには一部キャラ崩壊・ヤンデレ要素・暴力表現が含まれています。そのような描写が苦手な方は、自己責任でお願いします】
こういうのを書いてみたくて(特に雷ファンの方)お許しくださいね
もちろん私も嫁の村雨の次に好きな駆逐艦ですのでー
でもヤンデレも好きですのでー(フォローになってない)
ビスマルクファンの方は・・・ほんとすいません、全然建造できないのでついカッとなって・・・
「・・・え?」
・・・なに?司令官今なんて言ったノ?嘘でしょわたしに司令官がそんなこと言うはずないじゃナイ?きっとわたしの耳がおかしくなったノヨ?そうよそうに違いないわそうに決まッテル・・・
「――雷?いかづち!聞いてるのか?」
「・・・あ」
気がつくと司令官の顔が目の前にあった。屈んで心配そうにわたしの顔を見つめている。やっぱり司令官は私を見てくれていた。さっきのは聞き間違いよ!わたしはあわてて言葉を返そうとするが、心臓と頬が熱くてうまくいかない
「・・・ご、ご、ごめんね、ちょっとボーっとしちゃった・・・そ、それで何の話だっけ?」
「やっぱり聞いてなかったのかよ・・・ちょっと秘書艦を替わってくれって話だ」
「・・・え?」
私は再び凍りつく。心臓も、頬もさっきまでの温もりは冷めきってしまった
――聞き間違いじゃなかッタノ?なんでどうしてわたしが秘書艦じゃなくナルノ?わたしが秘書艦に任命されてからずっと司令官と一緒だったジャナイ?わたしが何かしたのなにがりユウナノ?・・・そして一体誰を秘書艦ニスルノ?あの娘それともあノコナノ?
「Z1を秘書艦にしたいんだ」
――誰?ダレダッテ?
一瞬予想外の名前すぎて思考が止まった
「・・・Z1・・・ってこの前潜水艦の娘たちが連れてきた・・・ドイツの娘?」
――あんな着任したてのレベルまだ1の駆逐艦が秘書艦だなんてできるわけなイジャナイ?そしてあんなレベル1の駆逐艦なんかわたしより弱イジャナイ?なんで、なンデ、ナンデ?
その後の話はよく思い出したくない
司令官の言うには、次の海域攻略にはドイツ製の高速戦艦がどうしても必要らしく、そのためには同じドイツのZ1を秘書艦にして、建造をサポートしてもらう必要があるらしい
「金剛さんたちがいるじゃ・・・」
「・・・うーん、まぁそうなんだけどな・・・ほら、戦艦が多いに越したことはないだろ?雷だって怪我しなくてすむだろうし、心強いと思うぞ?」
――わたし以外戦艦ってそれはわたしが役立たず、邪魔ってことジャナイノ?
「・・・それに雷もうレベル99になっちゃったからな・・・」
――経験値がもったいないッテコトナノ?
だ っ た ら ど う し て 司 令 官 は わ た し に 指 輪 ヲ ク レ ナ イ ノ ?
「・・・うん・・・わかったわ!建造の材料集めはまかせといて!」
わたしは精一杯強がりを絞り出して、こう答えるのがやっとだった
――司令官・・・わたしがイルジャナイ・・・司令官・・・わたしがイルジャナイ・・・
司令官の言うとおり、新しくやってきたドイツ製高速戦艦ビスマルクはすぐ活躍した
まだ日本での戦闘に慣れていないため中破しながらも、敵旗艦を撃破
「危ない!ビスマルクさん」
背後から迫っていた魚雷をわたしの魚雷で相殺する
「YEAH!雷、ナイスフォローネ!」
――やめて金剛さん司令官のためだもの仕方がナイジャナイ?この作戦を成功させなきゃ司令官の役に立てナインダカラ・・・
「・・・Danke,日本ではありがとうよね・・・助かったわ・・・あなた、名前は?」
「・・・雷よ、かみなりじゃないわ・・・そこんとこよろしく頼むわね」
「・・・日本のブリッツね」
――やめてあなたがわたしの名前なんテオボエナイデ!やめてココハニホンヨ!司令官が呼んでくれる、大切なわたしの名前を勝手にドイツ語にへンカンシナイデ!
・・・本当はレベルがカンストしているわたしに出撃の予定はなかった。わたしももちろんあの戦艦と一緒に出撃したくなんてなかった。だが別の海域攻略で予想以上の損害を受け、わたし以外に、この海域で活躍できる練度の艦娘が残っていなかったのだ
「頼む、雷!雷ならやってくれるよな?期待してるぞ!」
――司令官ずるいずるイヨズルスギル・・・そんなこと言われたらわたしが断れるわケナイジャナイ?こう答えるしカナイジャナイ?
「・・・しょ、しょうがないわね!わたしにドーンと任せておきなさい!期待して待っててね、司令官!」
・・・結局高速戦艦5隻の大火力の前に夜戦を待たず敵艦隊は壊滅。駆逐艦のわたしは攻撃を回避しながら他艦のサポート程度の戦果しか挙げられず結果的に戦艦の中の数合わせ、MVPはもちろん旗艦を一撃で沈めた「あの戦艦」のものになり・・・司令官に伝えられる報告書にはおそらく「あの戦艦」を救ったわたしの働きすら書かれてはいない・・・
――司令官・・・わたしガイルジャナイ・・・司令官・・・には・・・わたシガイルジャナイ・・・司令官には・・・わたし・・・だけ・・・司令官には・・・
わ た し だ け い レ バ イ イ ジ ャ ナ イ ?
「・・・ふぅ~・・・いいものだわ・・・これが日本のオフロなのね」
先の海戦で唯一中破したビスマルクは一人で入渠していた。
しばらく一人きりで初の日本のお風呂を味わっているとふと人の気配を気づいて振り向くと・・・そこには雷がなぜか「入渠の必要もないのに」「服も着たまま」「艤装もつけたまま」そこにいた
「び、びっくりしたわよイカヅチ・・・いつ入ってきたの、脅かさないで」
「ビスマルクさんお疲れ様!司令官も褒めてたわ!お背中流してあげるね」
「え?い、いいわよそんなの・・・自分でやるわ」
「そんな立派な体なのに照れないで!他の艦娘のお世話や労をねぎらうのもわたし秘書艦の大事なお仕事なんだから!さぁ!後ろ向いて!」
なかば強引にビスマルクの背中を流し始める。ビスマルクはじたばた抵抗しながらも結局従わざるを得なかった
「・・・うぅ屈辱だわ・・・ドイツの誇りが・・・一人前の女性としてまだ子供に背中を・・・」
――この戦艦、戦艦のくせニ、アカツキミタイ・・・
「ん?イカヅチ今何か言った?」
「・・・ううん」
「それにいてもイカヅチ、あの男が言っていたように本当に貴女は優秀な秘書艦のようね・・・彼も、自分のことのように褒めていたわよ」
「・・・アノオトコ?・・・カレ?」
雷のそのつぶやきは水音にかき消されビスマルクには届かない
「そう、彼も最初見たときは頼りなさそうな提督だと思ったけどあれでなかなか実力はあるのね?どうやら、私はいい艦隊に着任できたようね。貴女のような優秀な秘書艦もいるようだし」
「・・・・・・タヨリナイ?シレイカンガ・・・?・・・タヨリナイ?」
ガチャ
雷の手にはもうスポンジは握られていなかった・・・正確には「いつも握っているもの」が戻っていた。ビスマルクは全くそのことに気づいていない
「そうね、このお礼に2人をドイツ料理のディナーに招待するわ!ささやかな親睦会よ!あ、でも悪いけど彼や貴女だと、ちょっと格式高い作法やマナー知らなそうね・・・しょうがない、私がみっちり鍛えて・・・」
グシャアア!ドボォッッ!
ビスマルクは何が起こったかわからないまま浴槽に落下した
遅れて来た「まるで戦闘中に大破したような」痛み、そして浴槽を徐々に真っ赤に染めていく自分の血で、自分が誰かに何かで殴られたと悟った
でも、誰に?いやこの場には自分以外には一人しかいない
そう思った刹那、誰かに上半身だけ浴槽から引っ張り上げられた
そこにいたのは・・・
「イ・・・イカヅチ・・・!な・・・何をする・・・」
ゴッ!ドボォッ!
しゃべる間もなく脳天に鋼鉄の錨・・・先ほど殴られたものを落とされまた浴槽の中に沈むビスマルク。反動で浮き上がった下半身を水中でマウントを取るようにがっちりホールドして、雷は、ただ無表情に、まるでモグラ叩きでもするかのように「浮き上がろうとするもの」に錨を叩きつけ続ける
「・・・ねぇ・・・あなた、何様のつもりなの?わたしに楽しそうに司令官の話なんてしないで。ここに来たばかりのあなたより、わたしのほうが何倍も、何十倍も、何百倍も、何千倍も、何万分も、何億倍も、何兆倍も、司令官のこと知っているの。司令官のことわかってるの。後から来たあなたが、気安く司令官を馬鹿にしたり、司令官のことカレとか呼ばないで。わたしだって呼んだことないのに」
しゃべっていても「モグラ叩き」の手は止めない
次第に「モグラ」は動かなくなってきた
「・・・あれ?どうしたの?・・・あはは、もう壊れちゃったの?ちょっと、いくら着任したてで、練度低いっていっても限度あるでしょ?戦艦のくせにモロすぎるわよ?こんなんじゃ次の戦いですぐ轟沈しちゃうんじゃない?この前だってわたしが助けてあげたから無事に帰ってこれたくせに、司令官に褒めてもらえたくせに!あなたへの資源無駄だから、もうここで雷が解体しちゃうね!」
ボコォッ!ボコォッ!
上半身が下半身から千切れ飛ぶのではないかと思うような渾身のフルスイングに切り替え狂ったように連打する。いくらレベル99とはいえ、このときの彼女の動きはまさに駆逐艦というリミッターを超えていた
「雷の実力わかったでしょ・・・?あ、死んじゃったから聞こえないか?あはははは!そうよね!雷がこんなに強いなら、もう司令官には私だけいればいいじゃない?私だけいればいいじゃない!戦艦も、空母も、潜水艦も、重巡も軽巡も雷巡も航巡も、他の駆逐艦だって、みんないらないわ、司令官にはわたしだけいればいいの!」
「・・・さて、と・・・」
もう原型をとどめていない「なにか」を引きずりながら雷は「紅い水面」から上がった
「わたしも体洗って・・・服着替えて・・・早く掃除しなきゃ・・・今度は司令官と一緒にこのお風呂入るんだから・・・ねぇ、司令官?」
「ねぇ司令官!ビスマルクさんドイツに帰っちゃったんだって!どうしても急用ができたからって・・・短い間だったけど司令官によろしくって言ってたわ!そんな顔しないで、司令官にはわたしがいるじゃない!」
「ねぇ司令官!ほら、また遠征で資源拾ってきたわ!すごいでしょ!今回は大漁よ!まるで戦艦を解体したくらいの量よね!びっくりしちゃった!司令官にはわたしがいるじゃなイ!」
「ネぇ司令官!最近他の艦娘が司令官に冷たいと思わない?司令官なにかしたの?覚えがない?じゃあなんでなんだろうね、あはは!え、わたし?わたしはって・・・?何言ってるの!わたしが司令官を嫌いになるわけないじゃない!ずっと一緒よ、秘書艦なんだから!司令官にはわたしがいるじゃナイ!」
「ネェ司令官!おなかすいてない?遠慮しないでなんでも言っていいのよ?いくら『動けない』って言ってもおなかはすくでしょ?あ、ひょっとしてトイレのほうがそろそろかな?だから遠慮しないでって!それも・・・夜のお世話もぜーんぶわたしに頼っていいのよ!司令官にはわたしがいるジャナイ!」
「ネェシレいかん!もう司令官にはわたし以外の艦娘なんて必要ないでしょ?嘘ついてもダメ!もう司令官、私以外の娘としゃべったのさえだいぶ昔じゃない?『ずっと』ここにいるから!そう思って・・・みんな解体しておいたわね!一人がかりで大変だったけど褒めてくれる?これでしばらく働かなくても財政は大丈夫よ、心配しないで!司令官にはわたしだけいレバイイジャナイ!」
「ネェシレイカン!雷、司令官のために活躍するために戦艦になろうと思うの!いい考えでしょ?ただの戦艦じゃないわ!艦載機も開幕雷撃もできるみたいよ!すごいでしょ?もう少しで司令官を守れる最強の秘書艦になれるのよ、待っててね!長くてあまり可愛くない『しっぽ』が生えちゃうのがちょっとアレだけど、許してね?これで、司令官ニハワタシダケイレバイイジャナイ!」
「ネェシレイカン・・・
イ イ カ ゲ ン ユ ビ ワ ワ タ シ ニ チ ョ ウ ダ イ ?
シレイカンニハワタシダケイレバイイジャナイ・・・」
まさかのレ級オチ!
最後のセリフのみのところはちゃんと詳細に書こうとも思ったのですがめんどくさくなって(を)
あえてセリフだけにしてセンス的な何か(意味不明)を狙ってみました
鎮守府中の艦娘に司令官の悪い噂を広めて、それでも提督ラブな面子は弱み握って司令官に近づくなと脅して・・・最終的には全員「解体」・・・一人でやるとか、どんな死闘だったんだ・・・?気が向いたらバトル編も書くかもしれません
大和「あ・・・あなた、どうしてこんなことを・・・!?」
武蔵「馬鹿な、つ・・・強すぎる・・・信じられん・・・これで駆逐艦だと!な、なんなんだ・・・この力は!?」
雷「・・・愛よ」
暁「う・・・嘘よ・・・あ・・・あんなの・・・雷じゃない・・・!」
響「やめてくれ・・・っ!・・・せめて・・・電だけは・・・!」
電「や・・・やめて・・・おねえちゃ・・・」
雷「・・・わたしには・・・司令官だけ・・・いればいい・・・!」
雪風「ゆ・・・雪風は・・・沈みませ・・・」
雷「・・・あなたで最後よ」
吹雪改二「・・・許しません!」
こうご期待?
こんなヤンデレな雷ちゃんも気に入っていただけばありがたいです
ヤンデレ・・・最高だぜ!!
同じく!
ヤンデレは…ツンデレと並んで最強ツートップなのです…ネェシレイカンサン…アハハハハハハハハハ
くっさ
シレイカンサンハ…ワタシノコト…ドウオモッテイタノ…シレイカンサンネェ……シレイカン…サ…ン
もう少しなにかが足りない感じ。
いいと思う。
Blitzドイツ語だっけ?(どうでも良い)
雷のヤンデレがスゥーっと効いて…これはいいSSだ
デレてくれるレ級か(それもいいかも…別タブからの視線を躱しつつ)