ホワイトルーム
真っ白な部屋で目が醒める
S「・・・」
ここでの生活を始めて何日になるだろうか。
そもそも何故俺はこんなところにいるのか?分からない
S「はあ、今日も夢じゃなかった」
目がさめるといつも同じことを考えている気がする。
S「何もすることが無いってのは楽だと思ったけど案外キツイね」
俺がこの何もない空間に来てどれだけ時間が経っただろうか
思考を止めなければつい昨日のことも忘れてしまうこの空間に昨日という概念があればの話だが俺のなかでは眠りから覚める前の時間を「昨日」と呼んでいる
S「昨日は何をしたっけかな」
S「そうだ、何故腹が減らないかについて一日中考えていたんだ」
俺はこんな空間にいる前はとても健啖家だったような気がする。だが何故かここにいる間は腹が減らない。
それどころか食に対する欲そのものが消えたような感じがする
S「好きな食べ物って何だったっけ」
いつもと同じようにどうでもいいことを考える。最初はこの空間から脱出しようと努力した。
だが努力するだけ無駄だと悟るのに時間はかからなかった。
一日中壁を殴ってみこともあったが壊れるどころか傷一つつかない
現代にこんな壁があって企業向けに売ればたちまち大ヒットだろう
いや、一般家庭向けに売るか?
キャッチコピーは「絶対に安全なシェルターです」か?
この空間には確かに壁がある・・が
俺にそれをアメリカンヒーロー並みの腕力はない
S「出たいという気持ちすら失せたわ」
S「バナナ!」
単語を羅列していくことにした。
S「リンゴ、パイナップル、みかん、オレンジって同じ種類か?・・・止めた」
目が覚めてから3時間経っただろうか?いや1時間も経っていない気がする。
また寝るか?いっそ永遠に寝てしまいたいがその勇気はない
S「ヒマヒマヒマヒマヒマ・・・はあ」
S「しんどくなってきた寝よう」
できればもう二度と覚めることのないよう祈りながら俺はまた眠ることにした。
???「パパー、ジェニーがまた寝てるよ〜」
???「本当だな、せっかく高い金出してシェルターとセットで買ったんだから芸の一つでも覚えてくれりゃいいのに、あの店員の口車に乗せられたな」
店員「そこのお客さん、どうですかいまならシェルターとセットでニンゲンがお得ですよ」
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