2015-07-08 21:44:56 更新

概要

穂乃果の闘病生活を物語にしようと思っています。苦手な方は避けていただいて大丈夫です。初SSなので、拙い文ですが、よろしくおねがいします。


前書き

女子高生『高坂穂乃果』は、スクールアイドルとして、いつもの通り、ラブライブにむけて練習をしていたのだが……


海未「穂乃果、どうしました?」


ことり「穂乃果ちゃん、顔色悪いよ?」


穂乃果「大丈夫だよ、ちょっと疲れただけ…」


絵里「ちょっと穂乃果!ふらふらしてるじゃない!」


希「休んだ方がいいんとちゃう?」


にこ「そうよ、無理は禁物よ」


穂乃果「みんな大袈裟すぎだよー、大丈夫だってば…」


バタッ


海未「穂乃果!?」


ことり「穂乃果ちゃん!」


花陽「た、大変です!病院に連れていったほうが…」


凛「凛、先生よんでくるにゃ!」


真姫「私はパパに連絡してみるわ!」


穂乃果(私、どうしちゃったんだろう…身体が思うように……)


――――――――――――――――――――――――――――――




穂乃果は真姫の病院に運ばれ、診察を受けた。


穂乃果母「先生!穂乃果は、大丈夫なんですか!?」


真姫の父から、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という病気にかかっているということを聞いた。


筋肉がだんだん弱くなっていく病気で、穂乃果は既に足をむしばまれていた。


今の医療技術では、治る見込みはなく、進行を食い止めるしかできないらしい。


母と雪穂は泣き崩れた。


穂乃果も、自分の体の異常に気づいていた。


穂乃果(きっと、治らない病気なのかな……)


――――――――――――――――――――――――――――


翌日の朝


穂乃果は母から病気のことを聞いた。


実感がわかないことや、メンバーにどう言おうか、いろいろ悩んでいた。


穂乃果「ラブライブもでれないのかな…」


あのA-RISEを破り、予選を突破した矢先の出来事であったため、不安しかなかった。


コンコン…


穂乃果「…?どうぞ。」


8人「失礼します。」


穂乃果「みんな!?どうしたの!?学校は!?」


海未「もちろんいきますよ。ただ、みんなでお見舞いに来たくて集合したんですよ。」


にこ「まったくー。早く治しなさいよ?」


絵里「ラブライブ本戦まで時間はないからね。まってるわ。」


凛「穂乃果ちゃん!早くラーメン屋いくにゃー!」


穂乃果「みんな、ありがとう。早く治すね!」


希「ふふっ、穂乃果ちゃんこれならすぐ戻れそうやね。」


ことり「まってるからね!」


海未「ではそろそろ行きましょうか。穂乃果、またあとで。」


そうして、みんなは病室をあとにした。



真姫「穂乃果」


穂乃果「真姫ちゃん?まだいたの?」


真姫「…」


真姫「パパから聞いちゃったの……」


二人の間に沈黙が流れる


穂乃果「メンバーにどう言おうか悩んでたんだけど、真姫ちゃんがいると心強いや。」


真姫「……穂乃果、ラブライブはどうするの?……いや、この話はメンバー全員としましょ。」


真姫「あなたの病気なんだから、自分でいいなさいよ。」


そういって、鼻を少し赤くしながら病室をでていってしまった。


穂乃果「…」


穂乃果「そうだね。ちゃんとみんなに言わなきゃ。」


ケータイを手に取り、メールを一斉送信した。


「今日の放課後、また病院に来てください。話があります。」


――――――――――――――――――――――――――――――


花陽「それで、話とは…?」


花陽から話題を切り出した。


穂乃果「うん…実はね……」


病気の説明をしたあと、ラブライブの話へいった


穂乃果「みんなには申し訳ないんだけど、きっとラブライブには出れないんだ…」


メンバーはうつむき、ことりや凛は涙を浮かべていた。


にこが口を開いた。


にこ「まったく、あんたはどんだけ迷惑かけるつもりなのよー。」


穂乃果「ごめんねにこちゃん…」


にこ「そうよ、ラブライブにでれないなんて、おかしなことを言わないでちょうだい!」


穂乃果「…え?」


にこ「勝手に決めつけんなって言ってんの!まったく、方法くらい考えれるでしょ。」


穂乃果「にこちゃん…?」


にこ「9人で1つなんだから、1人でもかけるわけには行かないでしょ。それよりだったら出ない方がましだわ。」


穂乃果「にこちゃん…ウルウル」


にこ「まったく、リーダーなんだから、泣かないの。」


そういってにこちゃんは頭を優しくなでてくれた。にこちゃんもまた、涙を浮かべていた。


希「とはいっても、どうするん?穂乃果ちゃん、おどれるん?」


穂乃果「…左の足が思うように動かないんだ…」


穂乃果の病気は進行が早かった。


凛「車椅子とかは?」


真姫「病気が進行していれば、車椅子さえ使うのが困難になってしまうわ。」


ことり「いったい、どうしたらいいんだろう…」


絵里「ここで考えてても仕方が無いわ。今日はひとまず解散にして、思いついたことを明日までに出してみましょう。」


海未「賛成です」


ことり「私も賛成」


にこ「賛成」


凛「賛成にゃ」


真姫「私も」


希「ほなうちも」


花陽「わ、私も」


穂乃果「みんな、ほんとうにありがとう…ウルウル」


絵里「泣かないの、もう…ナデナデ」


――――――――――――――――――――――――――――――

絵里「それじゃ、また明日。」


穂乃果「またね、ばいばい。」


……


穂乃果「私、死んじゃうのかな?もうみんなと歌ったり踊ったりできないのかな?……」


穂乃果「…グスッ」


穂乃果「私に出来ることをやらなきゃ」


……


花陽「穂乃果ちゃん、もう足が動かなくなってきてるんだよね…もう、一緒に歌ったり踊ったりも…」


海未「花陽、今はそんなことを考えてはいけませんよ」


希「そうやで。うちらに何が出来るか考えてくるのが優先やで」


凛「でも、凛はまだ信じられないよ…」


絵里「凛……」


にこ「そういえば、最近穂乃果の様子が変だと思ってたの。こうなるのだったら早めに声かけてればよかったわ…」


真姫「今自分を責めたって穂乃果の病気が治るわけじゃないわ。」


ことり「そうだね。みんな、今日はもう帰ろ?」


海未「そうですね。それでは皆さん、また明日。」


――――――――――――――――――――――――――――――


ことり「……この案どうかな?」


次の日の放課後、病室にメンバーが集まり、意見を出していた。


希「ことりちゃんにしてはなかなか大胆な考えやね。」


それは、放課後の練習の時に穂乃果を学校まで連れていき、見るだけでもいいから一緒にいる時間をなるべく作りたいとのことだった。


絵里「でも、病人を勝手に外に出していいのかしら?」


真姫「パパは許可出してくれてるわ」


凛「やったにゃー!」


真姫「ただし」


凛「?」


真姫「足以外のところに病気が進行していたら、ここから出すことはできないって」


花陽「一緒に練習できるのも時間の問題だね…」


穂乃果「私は、時間と身体が許す限り、みんなのそばにいたい!」


穂乃果「穂乃果のお見舞いに来てたから曲の完成度が下がったー、なんてことがないようにねニヤ」


にこ「何を言い出すかと思えば、まったくこの子ったら…ドリャ-!」


穂乃果「にこちゃん痛いよーキャキャ」


じゃれ合うにこと穂乃果。このときにこは感じていた。穂乃果の力が弱くなっていることに。


……


海未「それでは、明日から早速練習に入りますよ。迎えに行くので待っててくださいね。」


凛「またね穂乃果ちゃん!」


穂乃果「うん!またね!」


……


穂乃果(私だってまだ全然動けないわけじゃない!身体が言うこと聞くうちに伝えれることを伝えなくちゃ!)


――――――――――――――――――――――――――――――


海未「ワンツースリーフォー……」


海未「凛、少し早いですよ!」


凛「はいにゃ!」


海未「希、もう少し左です!」


希「はーい!」


海未「いいですよ。休憩にしましょう」


海未「穂乃果、どうでしたか?」


穂乃果「うーん、絵里ちゃんとことりちゃんもう少し中心に寄ってもいいんじゃ……」


言いかけて穂乃果は思った。自分の場所を開けてくれているのでは、と。


絵里「穂乃果…」


ことり「穂乃果ちゃん…」


絵里「考えていることはおそらく一緒ね。でも、穂乃果の立ち位置をあけないわけにはいかないわ」


メンバー全員も穂乃果も、そこにもう穂乃果が立つことができないことはわかっていた。だからこそ、あけたかったのだ。


穂乃果「絵里ちゃんありがとう!」


穂乃果は、みんなの士気を下げないように、なるべく明るく振る舞った。


海未「あと5分で休憩は終わりにしますよー」


全員「はーい!」


――――――――――――――――――――――――――――――


ことりの提案した案は、長くは続かなかった。


一週間もたたないうちに、穂乃果の下半身はほとんど動かなくなり、握力も少しずつ弱くなってきているらしい。


もちろん、病院を出ることは許されなかった。


真姫「パパも最善を尽くしているみたいだけど、穂乃果の病気は進行が早いそうよ…研究があまり進んでいないから、これ以上の治療は難しいみたい……」


練習終わり、真姫が口を開いた。


「……」


沈黙が流れる


海未「…穂乃果の…穂乃果の弱っていく身体を黙って見ているしかないのでしょうか……」


ことり「海未ちゃん…」


花陽「まだできることはあるはずだよ。考えてみようよ!」


にこ「とはいってもねぇ」


希「…うち、1つ案があるんや…」


――――――――――――――――――――――――――――――


穂乃果「…テレビ電話?」


絵里「そう、希が提案をしてくれたんだけどね。」


お見舞いに来た絵里が、穂乃果と話していた。


絵里「ほら、テレビ電話なら離れてても会話ができるし、様子も見れるじゃない?」


それを、練習中にとりいれたいとのことだった。


穂乃果「もちろん、賛成!みんな、穂乃果のためにありがとうね。」


絵里「何言ってるのよ。仲間なんだから当たり前じゃない。いえ、もう家族のようなものね」


穂乃果「絵里ちゃん……!」


絵里「…///菓子パンここに置いとくわね。それじゃあ、また明日。」


穂乃果「ばいばい!」


……


穂乃果「…ラブライブまでに完成させなきゃ…」


――――――――――――――――――――――――――――――


凛「穂乃果ちゃんが見えるにゃー!」


穂乃果『凛ちゃんも見えてるよー!』


海未「凛、練習に入りますよ。」


凛「はーい!」


海未「それでは、まず通してみるので見ていてくださいね、穂乃果。」


穂乃果『オッケー!』


次の日から早速テレビ電話が始まった。


……


穂乃果(みんな、すごく頑張ってるなぁ…ラブライブ絶対優勝してほしい…)


穂乃果(……病気になりたくなかったな……)


『…か』


『…のか!』


『ほーのーかー!』


穂乃果「…!絵里ちゃん!」


絵里『通し終わったわよ…って、穂乃果泣いてるじゃない!どうしたのよ。』


穂乃果「え…?」


自分の頬を触ってみて、泣いていることに気づいた。


穂乃果「…あれー?おかしいな、なんでだろう?あはは……」


真姫『穂乃果っ!』


穂乃果「ま、真姫ちゃん…?」


真姫『あなた、アイドルでしょ!アイドルはみんなを笑顔にする仕事でしょ!泣いてたらアイドル失格よ?ラブライブが終わるまで、絶対泣いちゃダメだからねっ!』


真姫はそれだけいうと、画面からいなくなった。


穂乃果「…そうだね、真姫ちゃんの言う通りだ。穂乃果、アイドルだから泣かないよ!ありがとう、真姫ちゃん!」


真姫『……///カミノケクルクル』


希『ほな、練習の続きしよか。穂乃果ちゃん見とってな!』


穂乃果「任せて!」


『ワンツ-スリ-フォ-ファイブシックス……』


――――――――――――――――――――――――――――――


ラブライブ三日前の夜


穂乃果「…よしっ、やっと出来た…」


震えてうまく力が入らない手で、やっと作業を終えた。


雪穂「お姉ちゃんそれいつ渡すの?」


妹の雪穂が、ベッドメイキングをしながら話しかけてきた。


穂乃果「前日に渡すんだ。喜んでくれるかな?」


雪穂「…絶対喜ぶと思うよ」


雪穂の顔はちょっぴり寂しそうに見えた。


雪穂「…お姉ちゃん、もう遅いから寝よ?」


穂乃果「うん、おやすみ」


雪穂「おやすみ」


……


コンコン


ことり母「…ことり、まだ起きてるの?」


ことり「うん、あと少し…」


ことり母「入るわね」ガチャ


ことり「…お守り作ってるの。ラブライブ近いから。」


ことり母「無理はしないのよ。」


ことり「…ねぇお母さん」


ことり母「何?」


ことり「…穂乃果ちゃん、喜んでくれるかな?」


ことり母「きっと喜ぶと思うわ。」


そう言って、優しく微笑んでくれた。


ことり母「じゃあ、先に寝るわね。おやすみなさい。」


ことり「おやすみなさい。…」


必死に涙をこらえながら、ことりは作業を続けた。


――――――――――――――――――――――――――――――


ラブライブ前日の夜


メンバーは、穂乃果のところに集まっていた。


ことり「…実はみんなに、渡したいものがあるんだ…」


そういうと、ことりはカバンの中から9個のお守りを出した。


デザインは斬新なもので、それぞれのメンバーのイメージカラーと通し番号が刺繍されていた。


ことり「あえてシンプルに作ってみたよ、どうかな…?」


凛「すっごく可愛いにゃ!嬉しいにゃー!」


凛は目を輝かせながらウキウキしている。


ことり「凛ちゃんはこれだよ!」


黄色い生地に『5』と刺繍されていた。


ことり「絵里ちゃんはこれで、真姫ちゃんはこれ、海未ちゃんはこれで、……穂乃果ちゃんはもちろんオレンジの1だよ!」


穂乃果「ことり…ちゃん…ありがとう…」


うまくしゃべれなくなってるみたいだった。よくみると、入院前から比べて、ひどくやせ細っていた。


穂乃果「穂乃果もね…みんなに…渡したい…ものがあるの。」


穂乃果は8つの折りたたまれた手紙を出した。メンバー一人一人へのものだった。


穂乃果「これは、帰ったら…読んでね。」


花陽「…穂乃果ちゃんありがとう!」


花陽は必死に涙をこらえ、笑顔を見せていた。


……


海未「では、明日にそなえて、そろそろ帰りましょうか」


希「明日ちゃんとテレビつけるんやで。うちら映っとるからね」


にこ「ことりと穂乃果からもらったお守り、ちゃんと持って大会に出るわね!」


穂乃果「ありがとう…!」


海未「では、またあ……」


絵里「待って!」


全員「?」


絵里「最後に…最後に通し番号みんなで言いたいな…なんて」


ことり「いいんじゃないかな?最後のラブライブだし、みんなで言いたい!」


凛「凛も賛成だにゃー!」


花陽「夜だからあんまり大きな声出せないけど、やりたい!」


真姫「私も賛成」


希「えりちがいうなら、うちも賛成!」


にこ「仕方ないわねー、賛成!」


海未「では穂乃果、お願いします。」


穂乃果「わかった…!」


お守りを握りしめ、手を前に出し、お決まりのポーズ…


……


穂乃果「いくよ…1!」


ことり「2!」


海未「3!」


真姫「4!」


凛「5!」


花陽「6!」


にこ「7!」


希「8!」


絵里「9!」


全員「ミューーズ、ミュージックー、スタァーート!!」


――――――――――――――――――――――――――――――


凛の部屋


凛「穂乃果ちゃんからもらった手紙読んでみようかな…」


……


『凛ちゃんへ。凛ちゃんはすぐダンスを覚えて、率先してみんなをひっぱってくれたよね。スカート最近履いてる凛ちゃん、すごく可愛いし、似合ってるよ!凛ちゃんは猫みたいに可愛くて、すばしっこくて、元気で、ときどき甘えん坊さんで……そんな凛ちゃんが穂乃果はとっても大好き!その持ち前の元気でライブでみんなを引っ張っていくんだよ!それと、花陽ちゃんと真姫ちゃんと3人で仲良くするんだよ?それと、赤点もとっちゃダメだよ!…って、なんだかお母さんみたい笑

明日のラブライブ、絶対優勝しようね。穂乃果はステージに立てないけど、気持ちはみんなと一つだから。ファイトだよ!穂乃果より。』


……


凛「……穂乃果ちゃん、これじゃまるで卒業するみたいだよ…クス」


凛「……絶対優勝しようね。」


黄色い生地の『5』のお守りに手紙を入れると、ベッドに入り眠りについた。


......................................................


花陽の部屋


花陽「……手紙、なんて書いてあるのかな?」


……


『花陽ちゃんへ。花陽ちゃんはアイドルにとっても詳しくて、すごく目がキラキラしているよ。本当にアイドルが好きなんだなあって伝わってくる。花陽ちゃんはいつも、自信が無いって引っ込みがちだけど、花陽ちゃんは歌声がとっても綺麗だし、しっかりしてるし……穂乃果羨ましいよぉ!あ、でもご飯は食べすぎちゃダメだよ!またダイエットするのは辛いからね…こっそりごはん屋行こうね。

明日はいよいよラブライブ。もちろん、絶対優勝だよ!大丈夫、みんなならできる……穂乃果も気持ちは一つ。だから、楽しむことを忘れないで!ファイトだよ!穂乃果より。』


……


花陽「…穂乃果ちゃんらしい手紙だな。」


花陽「……絶対優勝できる。自信を持とう。」


黄緑色の『6』のお守りに手紙を入れ、花陽はベッドに寝転がった。


......................................................


真姫の部屋


真姫「手紙、読んでみようかしら…」


……


『真姫ちゃんへ。真姫ちゃんの作る曲はどれも好きで、穂乃果感動しちゃう!真姫ちゃんは頭もいいし、スタイルもいいし……えーっと…、真姫ちゃんに負けてばかりで悔しいよー(泣)いいとこいっぱいあるのは、真姫ちゃんの長所だね!気づいてたかな?いつもツンデレな真姫ちゃんだけど、穂乃果はもーっといいとこ知ってるよ!真姫ちゃんも、自分の事、周りのみんなのこと、よく観察してみるといいよ!…って、偉そうになっちゃった(笑)

ラブライブ、もしかしたら緊張してる?大丈夫だよ!いつもどおり。落ち着けば絶対成功する。穂乃果もおんなじ気持ちだよ。だから、リラックスして歌っておいで!ファイトだよ!穂乃果より。』


……


真姫「なにこれ、意味わかんない!」


真姫「…優勝以外考えられないわ。」フフッ


赤色の『4』のお守りに手紙を入れ、ピアノを弾きにリビングへ降りて行った。


......................................................


にこの部屋


にこ「そういえば、手紙もらってたわね………」


……


『にこちゃんへ。にこちゃんはアイドルにかける思いが本当に強くて、詳しくて、穂乃果はいっぱい教わることがあったよ。でも、背がちっちゃくて可愛いから、後輩みたいに見ちゃうんだ(笑)そんなにこちゃんだけど、いざという時は先輩らしく引っ張ってくれて、頼りになる部長です!今度またダンスゲームで勝負だからね!負けないんだから!

にこちゃんにとってはこれが最後のラブライブだね。きっと私たちならできる。観客に、にこちゃんスマイルしっかり届けてね!にっこにっこにー♪ファイトだよ!穂乃果より。』


……


にこ「まったく、にっこにっこにー♪ができてないわね!フン!」


にこ「…私の実力をなめてもらっちゃ困るわ。優勝よ優勝!」


ピンク色の『7』のお守りに手紙を入れ、妹たちを寝かしつけに部屋を出ていった。


......................................................


希の部屋


希「穂乃果ちゃんが手紙かぁ……」


……


『希ちゃんへ。希ちゃんは、なんというか、不思議な感じ!スピリチュアルパワーはほんとにあるんだね!希ちゃんの言うことはよく当たるし、メンバーを導いてくれたりもして、お母さんみたいな存在だったな。たまーに甘える希ちゃんもかわいかったし、でも生徒会副会長で、希ちゃんはまだまだ奥が深いです……。

希ちゃんはきっと、優勝のことよりメンバーと最高のライブがしたいって思ってるよね。なんか伝わってくるよ。穂乃果はきっと、最高のライブだって優勝だって出来ると思う。だって、みんなだもん!穂乃果は信じてるからね。ファイトだよ!穂乃果より。』


……


希「穂乃果ちゃんようわかったなぁ……アハハ」


希「……皆が今までで一番輝けますように…」


紫の『8』のお守りに手紙を入れ、壁に飾ってある写真をゆっくり眺めながらベッドへ入っていった。


......................................................


絵里の部屋


絵里「……わざわざ手紙書いてくれるなんて……」


……


『絵里ちゃんへ。絵里ちゃんはクールだし、美人だし、スタイルいいし、生徒会長だったし……そんなすごい絵里ちゃんと一緒に活動出来ることがすごく嬉しいよ!でも絵里ちゃん意外としらないこと多いし、暗いとこ怖いなんて可愛い一面もあるよね(笑)穂乃果が唯一勝てるとこなんだよ!今度またプリクラとろうね!

いよいよ、ラブライブだね。絵里ちゃんはきっと、落ち着いてみんなを引っ張ってくれる気がする。絵里ちゃんのキレキレのダンスと歌、ロシアまで届くかな?いや、届く!絵里ちゃんはハラショーだから大丈夫!絶対最高のライブにしようね!ファイトだよ!穂乃果より。』


……


絵里「……フフッ、ハラショーな手紙ね」


絵里「ロシアだけじゃなく、全世界にも届けるわよ……」


水色の『9』のお守りに手紙を入れ、電話を取ると、向こうのおばあ様と話を始めた。


......................................................


ことりの部屋


ことり「穂乃果ちゃんいつの間に手紙を……」


……


『ことりちゃんへ。ことりちゃんは、海未ちゃんと同じくらい大切な親友です。いつも3人いっしょだったね。穂乃果はよく迷惑かけて海未ちゃんに怒られてたけど、それをことりちゃんが慰めてくれて……。3人で1つって感じだったな。そして今は9人で1つ。穂乃果はもう少しで大切な親友を失うところだった。あの時止めて良かったなって今でも思うよ。ことりちゃんは、穂乃果にとってもみんなにとっても、大切な存在だからね。

ライブの時、いつも衣装楽しみにしているんだ!可愛いのはもちろんだけど、ことりちゃんの思いが服から伝わってくるもん。この一度しかないライブ、最高の思い出にしようね!ことりちゃん、大好き!ファイトだよ!穂乃果より。』


……


ことり「……穂乃果ちゃんありがとう………ないちゃだめ。」


ことり「ライブが終わるまで、成功するまで泣かないからね!」


白の『2』のお守りに手紙を入れ、くまのぬいぐるみを抱きしめながらベッドに横たわった。


......................................................


海未の部屋


海未「穂乃果から手紙なんて初めてです……」


……


『海未ちゃんへ。海未ちゃんはしっかり者だけど、恥ずかしがり屋さん。昔と全然変わってないね。そんな海未ちゃんが穂乃果は大好き!ダイエットとか練習メニューきつくて、鬼ー!って思っちゃうけど、大切な親友だし、仲間だし……。海未ちゃんとことりちゃんと3人でいると、すごくほっとするんだ……。穂乃果の居場所があるって思えるもん。そしてさらに、あのメンバーがいれば最強だね!もうみんな、家族だよ。

海未ちゃんがいつも作ってくれる歌詞、穂乃果お気に入りだよ!なんかこう、元気がでるんだ!明日のライブも、大切に大切に歌うからね!みんなが主役だからね!ファイトだよ!穂乃果より。』


……


海未「穂乃果らしい手紙ですね……フフッ」


海未「みんなが主役………めいっぱい輝きましょうね。」


青の『3』のお守りに手紙を入れ、精神統一のため瞑想を始めた。


――――――――――――――――――――――――――――――――


にこ「いよいよ、やってきたわね」


凛「緊張するにゃー……」


絵里「大丈夫。お守りも手紙もあるじゃない。勝利の女神はついているわ。」


希「カードによると、迷わず進めって言っとるでー!」


ことり「練習どおり、落ち着いていこう!」


8人「おー!」


……


穂乃果(もう声でなくなっちゃった……)


穂乃果(でも、みんなと最後まで歌うもん!)


穂乃果(大丈夫、信じてるからね。)


雪穂「おねーちゃん、テレビつけるね。」


穂乃果「……」コクッ


テレビをつけると、まさに今ライブが始まろうとしていた。








どんな明日が待っているんだろう?なんてね


(僕は)僕たちは少しずつ手探りしてた



励ましあって ぶつかりあった時でさえ


(わかってた)おんなじ夢を見てると



目指すのはあの太陽


大きな輝きをつかまえる


いつかの願いへと近づいて


光の中で歌うんだ Sensation!



奇跡それは今さ ここなんだ


みんなの思いが導いた場所なんだ


だから本当に今を楽しんで


みんなで叶える物語 夢のstory


「まぶしいな!」 「いいな!」 「おいでよ!」


「うれしいな!」 「いいな!」 「もっとね!」


ひとつになれこころ…KiRa-KiRa!!








メンバー一人ひとりの輝き


穂乃果は見なくてもわかってた


そして確信してた


絶対優勝できると……


ライブを最後まで見終え、安心したのか


涙を流しながら、でも少し微笑みながら





静かに眠っていった。




―――――――――――――――――――――――――――――――――






メンバーは葬儀に参列し、涙を流していた。穂乃果の顔はなんだか穏やかで、安心しているかのようだった。




海未「穂乃果……穂乃果っ!……」


花陽「穂乃果ちゃん……グスッ」


真姫「……穂乃果……」ポロポロ




あの時の宣言どおり、µ’sの活動はラブライブをもって終了した。


いや、宣言どおりではあったが、厳密には動力を失ってしまっていた。


穂乃果がいなくなってしまったことの影響は大きく、あの頃の生き生きとしたµ’sはなかった。




部室に集まるメンバー。


暗い顔でうつむいていた。





『私はここにいるよ』



絵里「…!?誰?」


誰かの声がする



『ライブ、大成功だったね』


凛「にゃにゃにゃ!?」


ことり「穂乃果ちゃん!?穂乃果ちゃんなの!?」


ことりが呼びかけたその時―


部室に置いてあった優勝旗が僅かになびいた。


もう声はしなかった。



にこ「……そうよ。穂乃果はいつだって私たちのそばにいる。」



にこ「こんなところで止まってられないわ!」


希「そうや。穂乃果ちゃんだって、こんなµ’sを望んでいないはずや。」


花陽「ねえみんな!」


「?」


花陽「わ、私ね、穂乃果ちゃんになんか一曲歌いたい!」


凛「凛も賛成だにゃー!」


絵里「それはいい案ね。穂乃果に届ける曲といったら……」


真姫「愛してるばんざーい♪」


真姫「……でしょ?」フフッ





愛してるばんざーい!!


ここでよかった 私たちの今がここにある


愛してるばんざーい!!


始まったばかり 明日もよろしくね まだゴールじゃない


………





穂乃果『………頑張れるから


昨日に手を振って ほら前向いてー………』



穂乃果『……みんな、ありがとう』








海未「私たちは離れていても繋がっているんです。」




穂乃果『どこでだって』





部室では


優勝旗と


オレンジ色の『1』のお守りが


一段と輝いていた








おわり


後書き

駄文に付き合っていただきありがとうございました。一人でも感動させることが出来たのなら、とても嬉しいです。


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2018-11-20 17:04:23

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このSSへのコメント

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1: SS好きの名無しさん 2015-06-29 23:43:05 ID: dP5oJcKJ

...............あら、やだ。
こないだの彼との再会を楽しみにしていたのに....
小娘って嫌い。ムカつく

2: SS好きの名無しさん 2017-05-23 21:36:14 ID: cvZMglSE

穂乃果の最期は悲しかったけど、何だかあたたかいendだった気がして、ジーンときました。とても感動しました。ありがとうございました!


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1: SS好きの名無しさん 2017-05-23 21:38:04 ID: cvZMglSE

まずは1回読んでみた方がいいと思います。素人感はありますが、とても良いと思います


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