2016-01-12 14:16:54 更新

概要

ジャンル:みんなで叶えるRPG

前編になります。


前書き

題名の通り、テイルズオブシリーズとラブライブを合体させたSSです
テイルズの厨二病要素もありますので苦手な方もいるかもしれません
矛盾点もあるかと思いますが、そこは筆者の実力不足ということで・・・


【第1章】



~始まり、そして旅立ち~


始まりの村・オトノキ


十数年前から過疎化が進み、村の存続が危ぶまれている


村を治めているホノカの母もその状況に苦慮していた


その村に生まれたホノカ。明るく前向きな性格だが、無鉄砲


そのホノカを支えるウミ。冷静沈着でいつも共に行動している




ホマ「はあ・・・なかなか村を活気付ける方法が見つからないわねえ」


ホノ「そうだねえ・・・私も色々考えてみるよ!」


ホマ「あんたはいつも勝手に突っ走って失敗するんだからダメ」


ホノ「え~私だって頑張ってるのに!」


ウミ「お母様の言うとおりです。いつも後先考えずに・・・」


ホノ「ウミちゃんまでそう言うの!?もういいよ!」


ウミ「ちょっとホノカ!どこに行くんですか!」




外に出るホノカ。それと同時に空から降り注ぐ禍々しい光


村の外れの祠に落ちたようだった


ホノ「今の何だろう・・・行ってみよう!」


走り出すホノカ。その姿を見たウミも後を追いかける


ウミ「待って下さい!危ないですよ!」


正体の分からない光に恐怖を抱きながらもホノカが不安なウミ


祠の奥に一足早く着いたホノカが祭壇を見つける


そこには見たことの無い魔物が暴れていた




ウミ「ホノカ危ない!」


ホノ「え!?うわわっ!あ、ありがとうウミちゃん!」


ウミ「ホノカ!逃げますよ!」


ホノ「分かった!」


ウミ「急いで下さい!・・・きゃっ!?」


転倒したウミに魔物が襲い掛かる


ホノ「ダメーッ!」


その瞬間、ホノカの体中が光に包まれた


『私の声が聞こえますか・・・?』


いつの間にか手に剣を握り、体の中から力が沸いてくるような気がした




ホノ「これならいける!」


両手でしっかり剣を握り攻撃をしかけるホノカ


魔物は大きな体躯を後ろに投げ出した


ウミ「ホノカ・・・その光は一体・・・?」


ホノ「急に力が沸いてきたみたい。凄い不思議・・・」


しかし二人が安堵しているところに魔物の一撃が


ホノカの背中を直撃する。吹き飛ばされたホノカは気を失った


ウミ「ホノカっ!そんな・・・!」


怒りに震えるウミにもその「力」は宿った




放たれた弓は魔物の体を貫き、次こそ魔物は微動だにしなくなった


ウミ「ホノカ、ホノカ!大丈夫ですか?」


ホノ「・・・大丈夫だよ・・・」


そののち魔物は祭壇に吸い込まれていった


そこに現れる謎の紋章。そこには


『素質ある者に宿る力≪ミューズ≫それは災厄から世界を救う力』


その文字を確認したものの理解するにはあまりにも情報が少なかった


何よりホノカの容態が気がかりでそれどころではなかった


消え入りそうな声で喋るホノカを背負い、祠を後にする




村に戻り、病院へホノカを連れて行く


怪我はしているが重傷ではなく、気を失っているだけだった


数時間後、目を覚ましたホノカだったが、記憶は鮮明だった


ホノ「体中が光ったんだよ!本当だよ!」


ホマ「何を言っているのかさっぱりだわ・・・」


ウミ「本当なんです!今までに感じた事のない力が」


ホマ「ウミちゃんが言うなら信じるわ」


ホノ「もういいよ!お母さんの分からず屋!」


落ち着いたところで、今一度魔物についての疑問が湧き上がる




降り注いだ光は何だったのか


あの魔物は何だったのか


そして体から放たれる光・・・全てが謎であった


その「謎」がホノカの好奇心を駆り立てる


ホノ「他の町に行ってみよう!ウミちゃん!」


ウミ「確かに私も気になります・・・」


ホノ「じゃあ行ってみよう!」


ウミ「どこにですか?」


ホノ「とりあえず隣町のミナリンの町へ!」


こうして二人の旅が始まった・・・


ホノカ タイプ:剣士 武器:剣 属性:火

ウミ タイプ:アーチャー 武器:弓矢 属性:水






【第2章】



~旧友との再会~


いつの日だっただろう?ホノカの頭の中にうっすらと浮かぶ記憶


昔は3人で遊んでいたという記憶


そんなおぼろげな思い出がふと脳裏をよぎる


ミナリンの町へ向かって歩く今、ふとそれが浮かんできた


ウミ「またその話ですか?」


ホノ「はっきりとは思い出せないんだけどね・・・」


そうこうしている内に町にたどり着く二人


衣類の流通が盛んと言われていたミナリンの町だったか


二人の目に映るその光景は、一瞬でその情報をひっくり返した




ボロボロの服を着る町人。正気すら奪われているようだった


ホノ「一体どうなっているの・・・?」


ウミ「こんなはずはありません・・・以前訪れた時はこんな風には・・・」


そんな戸惑う二人の前に現れたのは


コト「ホノカちゃん・・・?ホノカちゃん!」


ホノ「・・・コト、リちゃん?」


ウミ「・・・?知り合いですか?」


ホノ「ほら、いつも言ってた3人で遊んでた記憶が・・・」


コト「覚えててくれたの?うれしいっ!」




ホノ「ほんの少しだけなんだけどね・・・ごめんね」


ウミ「私はまったく覚えておりません。おかしいですね・・・」


コト「仕方ないよ。もう何年も前の事だし、引越しの事も何も言わずで・・・」


ホノ「ところで、一体どうなっているの?みんな服がボロボロで・・・」


コト「そうなの。綿や皮がまったく取れなくなっちゃって・・・」


ウミ「一体いつからです?」


コト「つい1週間前ぐらいだよ。空から光が降ってきてから。しかも皆が着ている服もいきなり傷みだしてきて・・・」


ホノ「私たちの村と同じだ!」


ウミ「やはりあの光には何か良くない兆候があるみたいですね・・・」


コト「オトノキでも何かあったの・・・?」




ホノ「オトノキにも光が降ってきたんだけど、すぐにホノカとウミちゃんで魔物を退治したから何も被害はなかったよ!」


コト「そうだったんだ・・・凄いねホノカちゃん!」


ウミ「まったく、ホノカの無鉄砲ぶりには呆れるばかりです」


コト「じゃあこの町に降ってきた光も何か影響が・・・?」


ホノ「光はどこに降ってきたの?」


コト「町の外れにある洞窟だと思う」


ホノ「じゃあ行ってみよう!」


ウミ「ちょっと待って下さい!危険です!」


ホノ「大丈夫だよ!私たちにはあの力があるじゃない!私はこの状況放っておけないよ!」


ウミ「それは確かにそうですが・・・」




コト「私も着いていくよ。町をこのままにして良いわけない!」


ウミ「危険です!ここで待っていて下さい!」


コト「嫌だよ!二人だけ危険な目にあわせるなんてそんな事出来ないよ」


ホノ「分かった。でも危険な時はすぐに身を隠してね」


コト「うん。絶対足手まといにならないようにする。洞窟はこっちだよ」


コトリに着いていく二人


コト「この洞窟だよ。そこまで深くはないはず」


うじゃうじゃいる魔物を退けながら、洞窟の奥へ進んでいく




そうして最深部へたどり着いた三人を待ち受けていたのは巨大な怪鳥だった


ホノ「あれが・・・魔物だよ!コトリちゃんは隠れてて!」


ウミ「私たちが相手です!」


しかし怪鳥は空を飛んでいて、なかなか攻撃しづらい


ウミ「弓なら何とか届きますが、なかなか分が悪い相手です・・・っ」


苦戦の中、ホノカの体が再び光りだす


ホノ「きたっ!体の奥から力が沸いてくるこの感覚!」


ホノカの剣先から放たれる斬撃が怪鳥に直撃する


しかしそれでも不利な状況が続き、二人はかなり疲弊していった


コト「このままじゃ・・・二人がやられちゃう・・・」




コト「町も二人も・・・守らなきゃ!」


ウミ「この光は・・・コトリも!?」


コト「ホノカちゃん、ウミちゃん、今助けるからね」


コトリが何やら言葉を唱えると、その剣先から雷が放たれる


コト「サンダーブレード!」


その言葉と共に怪鳥は雷に包まれ、墜落した


ホノ「凄い・・・一撃で」


そしてオトノキの魔物と同じように祭壇へ怪鳥が吸い込まれると


コトリが封印を施し、紋章が浮かび上がった


『封印は9つ。そして素質を持つ者はいつの時代も9人生まれる』





ホノ「いや~危なかったね!」


ウミ「まったく呑気な事を言って・・・」


コト「二人ともありがとう!おかげで町も活気が戻ったよ!」


町の人々の服が元に戻り、衣服の流通も戻っていた


何より町人の笑顔が三人の目に飛び込んできた


ホノ「本当に良かったね、コトリちゃん」


コト「うんっ!・・・二人はまだ旅を続けるの?」


ウミ「そうですね。きっと他の町も困っているのではないかと思います。私たちで何か出来る事があるのではないかと」


ホノ「放っておけないよ!次はここから近いマージナル村に行ってみようと思う」


コト「だったら私も着いていく!この力を私も困ってる人につかいたいの!」




ホノ「そう言うと思ったよコトリちゃん!」


ウミ「コトリがいれば力強いです。他の仲間も探しに行きましょう。しかし手がかりがありませんね」


ホノ「この辺で他に大きな町は・・・マージナル村かな?」


コト「うん!じゃあマージナル村へ行こうか!」


こうして二体の魔物の封印を成し遂げた三人


そして紋章に書かれていた、他の仲間を探すため


次なる情報を得る為、三人でミナリンの町を後にする


ウミ「(しかし何故私はコトリを覚えていないのでしょうか・・・?)」


コトリ タイプ:魔法剣士 武器:剣 属性:雷






【第3章】


~心優しき少女~


ホノ「もうあれから10年ぐらい経つんだね~」


コト「二人とも大人になったね~」


ウミ「なぜ私だけ忘れているのでしょうか。ホノカより私のほうが記憶力はあるのですが」


ホノ「それどういう意味?ひどいよウミちゃん!」


ミナリンの町を出て、川を越え、森を抜け


昔の話やこの先の話をしながら数日が経過し


三人はマージナル村に到着した




ホノ「村一面が畑ばかりだよ!すごい!」


コト「この村は農作が盛んだからね。・・・でも、あれ?」


ウミ「畑にまるで作物がなっていませんね・・・」


ホノ「ここでもやっぱりあの光が・・・?」


田畑は荒れ果て、見るも無残な姿になっていた


??「ううう・・・ダレカタスケテー」


三人の耳に助けを求める声らしきものが聞こえた


ホノ「向こうの小屋からだね。行ってみようか」




コンコンと、戸を叩くと今にも泣き出しそうな少女が出てきた


??「あなたたちは・・・?」


ホノ「私たちは困ってる人達を助けにきた正義のヒロイ・・・」


ウミ「一体に何があったのですか?話を聞かせて下さい」


??「はい・・・実は」


つい10日ほど前、村の外れにある小高い丘に大きな光が降り注いだこと


それから間もなくして畑が荒れ出し、米や野菜がまったく育たなくなったこと


話している内に、少女は我慢していた涙を堪えられなくなっていた


コト「私たちに任せて。きっとこの村を助けてあげるから」




??「本当ですか?」


ホノ「本当だよ!ところであなたのお名前は?」


ハナ「ハナヨって言います。お米とこの村が大好きです!だから助けて下さい!」


ウミ「それではその場所へ案内してもらっても良いですか?」


いくつかの畑を通り抜け、丘に到着した三人


コト「いざ間近で見ると結構高いね」


ハナ「皆さんごめんなさい・・・私は母の看病をしなくてはいけなくて・・・」


ホノ「大丈夫だよ。私達が何とかしてくるから!」


ウミ「ハナヨちゃんはお母様の傍にいてあげて下さい」




草木が生い茂る険しい道のりを経て、丘の頂上へたどり着いた三人


そこにはやはり祭壇があり、傍にいる魔物が暴れていた


そしてその魔物は三人に気づくと、すぐさま襲い掛かってきた


ホノ「さあ、やるよっ!」


ウミ「はい!」


コト「うん!」


三人は≪ミューズ≫を使い、魔物に挑む


しかし誕生してから時間が経った所為か、かなり強力になっていた


ウミ「鳶氷雨!・・・なかなかダメージが蓄積されません・・・っ」


コト「逆にこっちの体力がもたないよっ・・・」




魔物を崖まで追いやるも、決定打をかいている


そうしている内に、崖から岩が落ち、下にある畑をつぶしてしまった


ホノ「畑が・・・早く倒さないとこれ以上は・・・!」


ウミ「相手の動きも若干鈍っていますが・・・」


しかし戦いの衝撃で更に崩れていく崖


コト「これ以上戦ったら・・・畑と村が・・・」


ホノ「紅蓮剣!何とか崖から遠ざけないと!」




ハナ「ああっ!畑が・・・どうして・・・」


ふと崖を見上げると、大きな魔物が暴れている姿が見て取れた


ハナ「もうやめて・・・これ以上村を壊さないで・・・」


そんな無力な自分を責めていたハナヨの体から光が溢れる


『私の声に耳を傾けなさい。そして勇気を出しなさい』


頭の中に直接語りかける声。不思議と心地よい気分になった


ハナ「お母さん。私、行ってくるね」


薬で眠りに着く母に囁き、勇気を振り絞って丘へ向かった




ホノ「早く倒さないと!どうしよう!」


ウミ「落ち着いて下さい!・・・突破口はあるはずです!」


この膠着状態を劈く声がしたのはそんな時だった


ハナ「ロックブレイク!皆さん、大丈夫ですか!?」


崩れそうな崖の岩を浮かせ操るその姿に


コト「ハ、ハナヨちゃん!?」


ホノ「ハナヨちゃんも選ばれし人間だったんだね!」


そして敵がついに怯んだ


ウミ「今です!トドメを刺しましょう!」




ハナヨの強力な魔法により、魔物は祭壇へと消えていった


ウミ「それではハナヨ、封印を」


ハナ「は、はい・・・」


封印を施し、紋章が浮かび上がる


『力を得た者にしか聞こえない声がある。その声は必ず希望をもたらすだろう』


ホノ「確かに、あの時聞こえたような・・・」


ハナ「私ははっきりと聞こえました。だから勇気を出してここにきたんです」


ウミ「少しずつ新たな情報が増えてきましたね」


コト「そうだね。まずは村に戻ろうか」




ハナ「わあ・・・」


ハナヨの笑顔が村の状況を物語っていた


ホノ「畑も元に戻ってるし、村の人たちも元気になってる!」


ウミ「良かったですね。まずはハナヨのお母様のところへ行きましょうか」


ハナヨはハッとした表情をするとすぐに家へ向かっていった


そしてすぐに家から出てくると村の人たちと一緒に喜びあっていた


コト「良かったねえ。これでこの村も安心だね」


ホノ「4人目の仲間も見つかったしね!」


ウミ「そうですね。でもまずは次の目的地を決めないと・・・」




ハナ「村長さんに聞いたんですけど、村の北にある山を越えた先にある「星降る町リンガベー」


で何かあったって、行商人の人が言ってたそうです」


ウミ「リンガベーと言えば、リリホワ王国ですね。ついに国境を越えるんですか」


コト「だんだん凄い事になってきたね・・・」


ホノ「国なんて関係ないよ!まだ困ってる人達がきっといる!早く行こう!」


ハナ「あ、あの・・・私も、私にもきっと出来る事があると思うんです・・・だから一緒に行きたいです!」


ホノ「そう言ってくれると思ったよ!一緒に行こう!」


ウミ「お母様は大丈夫なのですか?」


ハナ「はい!もう体調が良くなって、ご飯を3杯食べたとか・・・」


ハナヨ タイプ:僧侶 武器:杖 属性:地






【第4章】


~光の無い夜空~


星降る町リンガベーに向かう道すがら


コト「ところでハナヨちゃんはいくつなの?」


ハナ「えっと、15歳です」


ウミ「では私達と1歳しか変わらないのですね」


ホノ「ってか最初から言おうと思ってたんだけど、敬語じゃなくて大丈夫だよ?」


ハナ「あっ、じゃ、じゃあそうします・・・じゃなくて」


コト「ふふ、少しずつなれていこうね~」


少しにぎやかになったが、時間が経つにつれ凶暴になる魔物の存在に


各々が焦りを感じていた




その名の通り、星空が煌く綺麗な町と言われていたが


ハナ「あの雲みたいなのは何だろう・・・」


町に近づくと、この辺りだけまるで光が差していないのが分かった


ウミ「そ、そんな・・・町中が真っ暗で、前が見えません」


コト「花や草木が枯れちゃってる・・・」


ホノ「やっぱりここにもあの光が・・・?」


街灯もあるはずだが、どれにも明かりが灯っていない


ホノ「誰かいないか周りを探してみよう」




ハナ「あっ、あの家のベランダに誰かいるよ!」


ホノ「おーい!そこの人ー!」


??「・・・!」サッ


コト「あっ、部屋に入っちゃった」


ホノ「すいませーん!」ピンポーン


ウミ「ちょっとホノカ!落ち着いて下さい!」


??「一体何ですか?」


ハナ「あ・・・も、もしかして・・・リ、リンちゃん!?」


リン「え・・・?カ、カヨちん!?」


ホノ「え?なになに?知り合いなの?」




ハナ「リンちゃんはマージナル村出身で10歳の時までずっと仲良くしてたの」


リン「でもお父さんの仕事の都合で、引っ越す事になっちゃって・・・」


コト「私と似てるね・・・とても辛かったよね・・・」


ウミ「感動の再会を喜んでいるところ申し訳ないのですが、やはりここにも妙な光が?」


リン「うん。この前、海沿いにある灯台に変な光が降ってきたの」


ホノ「じゃあ話は早いね!早速灯台に行こう!」


ハナ「リンちゃん。私達がこの町に光を取り戻してあげるから」


リン「ホント?でも、どうやって?」


ハナヨは今までの話をリンに伝えた




リン「じゃあ灯台には魔物がいて、そいつをやっつければ町は元に戻るのかな?」


ウミ「まず間違いはないでしょう。焦りは禁物ですが、迅速に対処しましょう」


ホノ「よし、早速灯台に向かおう!」


リン「・・・私も行くよ。もしかしたらリンも力が目覚めるかもしれないし」


コト「私達が守ってあげるからね。傍を離れちゃダメだよ?」


町の外れにある橋を渡って、他の町にはないほど巨大な灯台を目指す5人


その道すがら目に入る枯れ果てた花に胸を痛める




頂上を目指したい5人だが、灯台の中にも魔物が増殖している為


なかなか苦しい状況が続く


それでも力を合わせながら、そして未知の力を信じ進む4人とリン


ホノ「や、やっと頂上に着いた・・・?」


ウミ「ええ。そして予想通り、敵のお出ましですよ」


ハナ「リンちゃんは後ろに下がってて。私達に任せてね」


リン「・・・カヨちん凄いなあ。昔と全然違うや・・・」


頼りにしながらも複雑な胸中のリン




コト「くっ・・・この魔物、体が鎧みたい!」


ホノ「どこを狙えばいいのか、きゃっ!」


ウミ「ホノカ!何とか急所に弓を叩き込めれば・・・」


ハナ「やっぱり村の魔物より凶暴になってるよ・・・っ」


リン「(私も一緒に戦いたい。カヨちんと一緒に・・・)」


ホノ「ハナヨちゃん危ないっ!」


その刹那、魔物が崩れ落ちる


リン「私も一緒に戦うよ!この拳で!」


ウミ「敵が怯みました!波状攻撃を仕掛けましょう!」




コト「さあ、今だよ!」


リン「町に光を取り戻すんだ!獅子戦吼!」


ハナ「やったあ!リンちゃん、魔物を封印して!」


ここでもまた祭壇に紋章が浮かび上がる


『力にはそれぞれ役割がある。仲間との協力が不可欠だ』


ウミ「確かにそうですね。我々だけでは勝てなかったかもしれません」


ハナ「リンちゃん凄いよ!昔と一緒で頼りになるね!」


リン「そんなことないにゃ~」


ホノ「にゃ?」




魔物を封印し、町に戻る5人


そこには、夜空一面に広がる星の煌きがあった


コト「綺麗・・・きっと朝が来れば太陽の光が降り注ぐよね?」


リン「うん!もうこの町も大丈夫!だからリンも皆と一緒に行くにゃ!」


ハナ「また一緒にいられるね!リンちゃん!」


ウミ「水を差すようで悪いのですが・・・語尾が変わっているような」


ハナ「リンちゃんは心を許した相手にはこうなるんだよ」


リン「そうにゃそうにゃ~」


ホノ「じゃあホノカも真似しちゃ、するにゃ~」




リン「お母さん、「行って来なさい」だって」


ウミ「きっとハナヨがいれば安心なんでしょう」


ハナ「まだまだあと4つも封印があるんだよね。私たちももっと強くならなきゃ」


ホノ「おお~ハナヨちゃん気合入ってるね~」


コト「皆大変!さっき町を訪ねてきた人が「ビビ帝国の帝都ダーリンが流行り病で混乱してる」って!」


ウミ「やはりこれも・・・」


ホノ「きっとそうだよ。早く行こう!」


ハナ「遂に3国全てに足を踏み入れる事になるんだね・・・」


リン「きっと皆困ってるよ!すぐに行くにゃ!」


コト「今フタハピ港は封鎖されてるから、ここから西にあるシラララの森を抜けないといけないんだって」


リン タイプ:格闘家 武器:ナックル 属性:風





【第5章】


~悩める高嶺の花~


リンガベーを後にした5人が目指すは帝都ダーリン


シラララの森を抜け、ボラララ大橋を渡りビビ帝国に足を踏み入れる


雪国のリリホワ王国とは180度変わって砂漠地帯が続く


過酷な道のりを経て、5人は帝都ダーリンへ到着した


正体の分からない「流行り病」に苦しんでいるという町を詮索するが


目を背けたくなる惨状がそこにはあった


ホノ「何・・・これ・・・」




病院は既に患者で溢れ、屋外に臨時でテントを張り、手当てを行っている


町の隅には名前が刻まれた墓石がいくつか置かれていた


ハナ「そんな・・・こんなひどい状況になっているなんて・・・」


リン「皆あわただしくしてて話なんて聞ける状況じゃないよ・・・」


コト「王様に会いに行ってみるのはどうかな?」


ウミ「流石に急に受け入れてくれるとは思いませんが・・・」


??「あなた達、どこから来たの?」




ホノ「私達はリンガベーから、帝都が大変だって聞きつけて来たんだけど・・・」


??「だったら早く立ち去った方が良いわ。あなた達も病気にかかるわよ」


ウミ「詳しく聞かせて下さい。この病気はどんなものなのですか?最近異変はありませんでしたか?」


??「つい一月ぐらい前かしら。協会に変な光が落ちたの。それからかしら、国民が病に苦しみだしたわ」


ハナ「やっぱり・・・私達、困ってる人達や町を助けにきたの。あなたは誰?」


マキ「私はビビ帝国王の娘、マキよ」


一同「王女様!?」




ホノ「それなら話は早いよ!」


マキに自分達が何者か、そして光の正体を伝える


マキ「・・・信じられないわ。その光が災厄をもたらしているというの?」


ウミ「そうなんです。信じてもらえなくても構いません。この町での出来事は一刻を争います」


マキは信じられないとは思いながらも、困惑した表情を浮かべ


マキ「分かったわ。パパに会わせてあげる」


こうして町にそびえる城に招待された5人




国王「君達の使命と今町で起こっている事の理由は分かった。それで、君達に解決できるのか?」


ホノ「してみせます。任せて下さい!」


国王「あいわかった。正直まだにわかには信じがたいが・・・これ以上犠牲者を増やす訳にもいかない」


マキ「私が協会まで案内するわ」


正体の分からない混乱が続いている中で、人々は神に頼りたいのだろう


案内された教会にはたくさんの人が詰め掛けていた


リン「でも協会に魔物なんているのかにゃ?」


マキ「この協会には昔からの名残で地下道があるらしいわ。用途は分からないけどね」




ハナ「王女様はここで待っていて下さいね」


マキ「分かったわ。わざわざ危険なところに行きたくはないし、頼んだわよ」


重い扉を開け、暗い地下道へ踏み出す5人


ウミ「やはりここも魔物が湧いていますね・・・」


リン「でもここでてこずってる暇はないよ!」


コト「仲間がたくさん増えると頼もしいね~」


だが、奥を目指し進んだものの行き止まりに到達してしまった


ホノ「・・・祭壇はあるのに、魔物はいないね・・・」




すると地上から何やら不穏な音が聞こえてくる


ハナ「地響きみたいなのが聞こえるよ!」


ウミ「まさか・・・魔物が地上に!?」


ホノ「すぐに戻ろう!」


急いで来た道を戻る5人


マキ「パパ!逃げて!・・・司祭様どうして・・・?」


協会の司祭が魔物の姿に変わり、国王を拘束していた


マキ「早く戻ってきてよ!・・・じゃないとパパが・・・」




その瞬間、マキの頭の中で声が響く


『いつまでもそうやって誰かに助けを求め続けるの?』


マキ「違う!・・・本当は、本当は私だって!」


その想いが共鳴した瞬間、マキにも力が宿る


マキ「(怖い・・・、でも、私がやらなきゃ・・・)」


震える足を必死で抑え、敵と対峙する


マキ「・・・パパ。私が助けるからね」




ウミ「蒼の四連!間に合いましたか!?」


ホノ「王女様大丈夫!?皆、加勢するよ!」


魔物は国王の体を放り投げ、6人の方へ目を向ける


リン「大丈夫、皆がいるから。一緒に戦おう!」


コト「国王様の手当ては私に任せて!」


皆それぞれの役割を心得て、魔物に相対する


魔物も強力になっているが、彼女たちもまた成長しているようだ


ハナ「エアプレッシャー!王女様、今ですっ!」


マキ「喰らいなさい!凍驟雨(フリーズレイン)!」




魔物はその姿を消し、地下道の奥へと吸い込まれていった


マキはすぐさま倒れている父親の元へ駆け寄る


マキ「パパ?パパ!大丈夫?」


コト「大丈夫だよ。今は気を失ってるだけだと思う。まずは病院に連れて行こう」


ウミ「それでは祭壇に行く組と病院へ行く組で分かれましょう」


リン「封印も国王様もどっちも大事だからね」


マキ「私はその祭壇ってやらに行くわ。私が封印しないといけないんでしょ?」


ハナ「えっ、でも・・・お父様が」


マキ「大丈夫。・・・あなた達を信用してるから・・・」




マキ「これでいいのかしら」


ウミ「ええ。禍々しい雰囲気も消え去りました」


『更なる力がほしいならば、己の力の属性を知れ』


ホノ「また紋章が浮かんできたね。属性、かあ・・・」


マキ「私は氷みたいね。ホノカは火じゃないかしら?」


ウミ「私は水ですね。これらの属性を意識して、敵によって陣形を変えていきましょう」


リン「え~リンはどんな敵でもガンガン行きたいにゃ!この拳で!」


マキ「その内、痛い目見るわよ?」




地下道を出て、病院に行った組と合流する


コト「どうやら、あの魔物が司祭に乗り移って病気の元を振りまいていたみたい」


ハナ「さらに教会に祈りに来た人たちにも感染させて・・・」


多くの犠牲者が出てしまった現状にやり場のない怒りと焦りを感じる一同


ホノ「それで、国王様は?」


コト「もう大丈夫。お城に戻ってるって。町の人たちの病気も良くなったって」


ウミ「本当に良かったですね。皆でお城に行きましょうか」




国王「この国の危機を救ってくれた事、大変感謝している。なんとお礼を言ったら良いのか・・・」


ホノ「それが私達の使命です。だからお礼なんて大丈夫です!」


マキ「皆本当にありがとう。これだけお世話になっていて、またお願いをするのもあれなんだけど・・・」


バツが悪そうに口をつぐむマキを制して


国王「私の旧友の住む町が一月ほど前から貧困に苦しんでいると言う。恥を忍んでの頼みごとだ」


国王「その町を救ってほしい。友の為ではない、この世界の為に」


ハナ「私達に出来る事なら何だってします。その町はどこにあるんでしょう?」


マキ「ダーリンを出て南に行くと「ダイプリ湿原」があるわ。そこを抜けて西に行くと「ニコプリ村」があるの」


ウミ「あそこは確か鉱山が盛んで栄えていたはずでは・・・」




リン「じゃあそこにも光が降ってきたんだね。すぐに行こう!」


国王「どうか頼む。何も出来ずに申し訳ないが、せめてマキを連れて行ってやってはくれないか」


マキ「パパ!?・・・でも私は・・・」


国王「行きたいんだろう?薄れゆく意識の中で、お前の勇姿を見ていたよ」


ホノ「王女様が来てくれたら心強いよ!あ、でも王女様が城を出たらダメかあ・・・」


マキ「・・・心配はいらないわ。すぐに戻ってくるもの。そうでしょ?それと・・・「マキ」で良いわよ・・・」


コト「やったぁ!マキちゃん、これからよろしくね!」


ウミ「これで6人ですね。いよいよ大所帯になってきました」


マキ「そうね。でも話してる時間も惜しいわ。行きましょう」


マキ タイプ:ナイフ使い 武器:短剣 属性:氷





【第6章】



~孤独な少女~


6人となった一同はダイプリ湿原を抜け、ニコプリ村へと向かう


ホノ「国王様の昔の友達って言ってたっけ?」


マキ「そうよ。お医者さんでね。私と年の近い娘がいて、昔何度も遊んだの」


ウミ「その娘さんが今はニコプリ村に住んでいるのですか?」


マキ「そうよ。向こうは覚えているか分からないけど。それに・・・合わせる顔が無いわ」


リン「どうしてだにゃ?」


マキ「そのお父さん、流行り病の治療で村からダーリンに来てくれてたの。でも本人が病気にかかってしまって・・・」


コト「そんな事って・・・」


マキ「だから、時間がないのは分かっているけどまずはお墓参りをしたいの。それから本人に会いに行きたい」


ハナ「それがいいよ。まずは心を落ち着けてから行動しよう?」




ニコプリ村に到着した6人はすぐさま村中を詮索する


荒廃した景色が続き、人影もほとんどない


ふと目をやった先にはお墓があり、3人の子供がいた


??「また花がおいてありますね」


??「きっと誰かが持ってきてくれたんだよ!」


??「きれいなおはなー」


マキ「君達、このお墓は?」


??「・・・パパのお墓です。あなたは誰ですか?」


マキ「私は・・・この村を助けにきたの」




その子供達の家を訪ね、マキ・ハナヨ・コトリが詳しい話を聞きにいく


マキ「さっきのお墓がそうだったみたい。そして子供達は友達の姉弟だったわ」


ウミ「その肝心の本人はご在宅ではなかったのですか?」


ハナ「ここ数日日中は帰って来ていないんだって・・・村の鉱山に出かけたきり・・・」


コト「そしてやっぱり光はその鉱山に落ちたらしいの」


ホノ「一人で鉱山に向かっているの!?」


リン「じゃあこっちからその鉱山に向かってみるにゃ!」


急ぎ足で鉱山へ向かう一同




道中は暗く、道も複雑で一人で進むのには苦労しそうだ


ホノ「・・・!?奥から音が聞こえるよ・・・?」


マキ「まさか!一人で魔物と戦っているの?」


狭い道を潜り抜け、広い空間に出た6人の前には戦う一人の少女


??「あんたを村に入れる訳にはいかない!絶対に!」


鞭を駆使し、孤軍奮闘する一人の少女


その戦いぶりは6人よりもはるかに熟練されているように見える


??「私には大事な妹達がいるの・・・!絶対に守らなきゃいけないの!」


すると少女から強烈な光が迸り、何やら言葉をつぶやき始めた


??「宙(そら)に放浪せし無数の粉塵、驟雨となりて大地を礼賛す!メテオスウォーム!!」





無数の火を纏った岩が魔物に直撃する


しかし少女は力を使い果たしたのか、その場にへたり込んでしまった


魔物はかなりのダメージを負いながらもその少女に襲い掛かる


マキ「ニコちゃん危ない!・・・フリーズランサー!」


ホノ「皆!あの子を助けなきゃ!行くよ!」


ハナ「大丈夫ですか?今治療します」


ニコ「・・・助かったわ・・・」


ウミ「弱ってるとは言え強敵です!一気に畳み掛けましょう!」


ホノ「燃えろ!屠龍閃!」


リン「これでトドメにゃ!鷹爪蹴撃!」




ニコ「やった!倒したのね!」


マキ「ニk・・・あなた、大丈夫?」


コト「辛いと思うけど、魔物を封印なきゃいけないの。手伝うから頑張ろう?」


ニコ「全然大丈夫よ。・・・これで良いかしら」


『≪ミューズ≫の力を完全に掌握した時、その力は覚醒する』


ホノ「覚醒・・・?なんか凄そうだね!」


ハナ「覚醒が出来れば、もっと強くなれるのかな?」


ウミ「・・・と言うより、彼女は既にその力を得ているのでは?」


ニコ「は?あたし?・・・そりゃあこの力を得てからずっと一人で戦ってきたからね」




リン「すごいにゃー・・・」


コト「ひとまずここから出ようか?村に戻って落ち着いてから話そう?」


鉱山を後にする一同は、その帰り道


ニコ「・・・!鉱物が元に戻ってる・・・?」


ホノ「さっきの魔物が原因だよ。あいつを倒したからきっとこの村は大丈夫!」


ニコ「そう・・・それなら良かったわ。・・・ところであんたたちは一体誰なの?」


リン「リンたちは世界を災厄から救うヒロイ・・・」


マキ「まずはここを出るのが先決よ」




鉱山を出て、ニコはすぐさま自分の家へと向かった


ニコ「あんたたち!良い子にしてた?」


コロ「お姉さまお帰りなさい!」


コア「あ、怪我してるよ!」


コタ「ひとがたくさん~」


ほっとするニコに近づいてきた母はニコの頬を叩き


ニ母「一人でどこ行ってたのよ!そんな傷だらけで・・・」


そしてすぐさまその小さな体を抱き寄せる


ニ母「本当に・・・本当に無事で良かった・・・」


ニコ「ママ・・・ごめんなさい・・・」


と一言言った途端に涙が止まらなくなった




ニコ「あんたたち、助かったわ。本当にありがとう」


ウミ「とんでもありません。これが私達の使命ですから」


ハナ「・・・マキちゃん。言うことがあるんじゃないの?」


マキ「あっ・・・その、ニコ、ちゃん?私のこと覚えてる?」


ニコ「・・・覚えているけど、あんたの顔を見ると辛いの。仲間を探しているんでしょ?でも私は行けないわ」


コト「お父さんのことを思い出すから?」


マキ「・・・ごめんなさい。あなたのお父さんは最後まで立派に国の為に尽くしてくれたわ


こんなことで罪滅ぼしにならないのは分かっているけど」


そう言うと、マキはニコの父が眠る墓に「キルタンサスの花」を置いた




ニコ「あんた・・・何でパパがその花好きだって知ってるのよ・・・」


マキ「あなたのお父さんが聞かせてくれたの。昔、ダーリンで摘んだこの花を娘に渡すととても喜んだんだよって。


今では私も一番大好きな花なんだって。だから・・・」


そこでマキは涙で言葉を詰まらせた


ニコ「パパのお墓に花を供えてくれたのはあんただったの?」


マキ「私は町から出られないから、使いの者を送らせたの。本当は直接持って行きたかったけど・・・」


ホノ「ニコちゃん。とても辛いと思うけど・・・私達と一緒に世界を救ってほしいの」


リン「私達にはニコちゃんの力が必要なんだよ!」


ニコ「・・・ちょっと待ってて」




家に戻って数分後、すっきりとした表情でニコは戻ってきた


ニコ「ねえマキちゃん。パパは立派だった?誰かの助けになってた?」


マキ「もちろんよ。夜も寝ずに、自分の身を削って働いていたわ」


ニコ「そ。分かった。・・・じゃあ皆、行くわよ」


ホノ「へ?だ、大丈夫なの・・・?」


ニコ「もうママにもチビたちにも言ってきたわ。さて、次はどこへ行くの?」


目的地が決まらず一同は頭を悩ませていたが、ほどなくして


村民「た、大変だ!英知の町ハ・ラ・ショーで内紛が勃発したらしいぞ」


という知らせが飛び込んできた


ニコ「さて、決まったようね。次に行くべき場所が」


ニコ タイプ:鞭使い 武器:鞭 属性:色々





【第7章】


~賢者たちの苦悩~



一度通ったダイプリ湿原を引き返す一同


ホノ「ところで、内紛って何?大変そうなのは分かるけど」


ウミ「まったく・・・内紛とはそうですね・・・」


リン「仲間同士で争うことにゃ」


ハナ「流石リンちゃん、良く知ってるね~」


この会話を聞いていたマキとニコは頭を抱える


ニコ「あんたたち・・・良くこんなのでやってこれたわね・・・」


マキ「私もそう思うわ・・・」


コト「あはは・・・」




大きな塔が町の中央部に聳え立つ「英知の町ハ・ラ・ショー」


ウミ「しかし賢者が集うこの町で何故内紛など・・・」


ホノ「魔物の所為だとは思いますが・・・それでも内紛にまでなるなんて」


マキ「とにかく現状を把握しないことには何も始まらないわね」


ここでも手分けして手がかりを探す一同


ハナ「どうやら町の東に住む昔からの技術を尊重する人たちと西に住む最先端の技術を推進する人たちで


意見が対立してるみたい」


コト「大きな戦争みたいな感じにはなってないみたいだけど、緊張状態みたい」


ウミ「困りましたね・・・塔のふもとに世界中の本が集まっている図書館があるみたいです。そこにも行ってみましょう」




壁一面を埋め尽くす本の数々


ホノ「これ見てるだけで頭が痛くなってくるよ・・・」


リン「マンガはないのかにゃ~?」


ニコ「この二人はここで置いていきましょ。・・・あら?」


ニコの視線の先にいる金髪の女性がこちらを怪訝な顔で見ている


ハナ「あの・・・ここ最近、この町に変な光が落ちませんでしたか?」


??「落ちたわよ。それが原因で皆の意見が対立しているの。まあそれ以前にも色々あったけどね。


英知の塔の頂上に魔物が出現したの。それを封印したんだけど、破壊されて・・・それの繰り返し。


今までも色々対立してきたけど、これが決定打になったわ。魔物そっちのけで内紛が起こったの」




ウミ「ところで、あなたの名前を教えてもらってもよろしいでしょうか」


エリ「私はエリよ。この図書館の責任者であり、西地区の研究者でもあるわ」


コト「ということはあなたも東の人たちと対立しているの?」


エリ「まったく、と言っては嘘になるわ。でもこんな事誰も望んでない。皆が協力して町の発展を願うのが研究者よ」


ホノ「今までは目に見える形で魔物が悪影響を与えていたけど・・・これもそうなのかなあ・・・?」


マキ「でも実際にいがみ合ってるのは人間同士だし・・・」


リン「どっちにしろ魔物がいるんだからやっつければいいにゃ」


エリ「それはそうだけど、でもやっぱり原因をしっかり突き止めないといつか繰り返してしまうと思うの。


それと、魔物は今、東地区の人たちの方法で封印しているわ。でももう4日目。そろそろ破られ・・・」




ドカーンという大きな音と共に塔の頂上から崩れた壁が落下してくる


それは図書館を直撃し、多くの文献が瓦礫に埋もれてしまった


マキ「あ、危なかった・・・」


ハナ「エ、エリさん・・・大丈夫ですか?」


エリ「私は大丈夫よ・・・でも、でも本が・・・この町の歴史が・・・」


ニコ「封印は破られたけど、次は用意してるの?まあいたちごっこだと思うけど」


ホノ「・・・やっつけに行こう。魔物を」


エリ「私からもお願いしたいわ。今までは解決策がなかったけど、あなたたちなら魔物を倒せるのね?」


ホノ「出来るかどうかじゃないよ。やるんだよ。争いを止めなきゃ」




エリ「そうね。大切な物を奪われて黙っている訳にはいかないわ。私も同行して良いかしら」


ウミ「ええ。私達の後ろについてきて下さい。必ず守りますから」


コト「塔の頂上までの案内お願いします、エリさん」


マキ「にしても高いわね・・・何とか楽に行く方法はないのかしら・・・」


ニコ「無いに決まってるでしょ。うだうだ言ってないで行くわよ!」


エリ「さあ私も準備が出来たわ。行きましょう」


こうして塔内に入った一同。昔の技術で出来ているらしくさまざまなギミックが施されている


それと同時に至る所に劣化が見られる状況であった




エリ「この塔は昔の人たちが英知を結集して作ったものよ」


ホノ「高いし、見たことないものがいっぱいあるし、凄いね・・・」


ウミ「それだけに魔物が住み着いている今は非常にやっかいですね。どこから出てくるか・・・」


リン「いっそのこと、扉一枚ぐらい破壊して進みたいにゃ~」


ハナ「そ、それはダメだよ・・・さっきの話聞いてた?」


エリ「でも、今の私たちの愚行は先人たちには見せられないわね。早く終わらせないと」


湧き出る魔物を倒しながら階段を駆け上がり、頂上を目指す


ニコ「そ、そろそろ、頂上へ・・・着くんじゃ、ないの・・・?」


エリ「・・・だらしないわね。あと少しよ」




エリ「さあ、この階段を上れば頂上よ」


マキ「気をつけましょう。何が来るか分からないわ」


扉を開け、周囲を見回す一同。しかし魔物は見当たらない


おかしいと感じた瞬間。全員の体に大きな重力が加わる


ホノ「な、なに・・・これ・・・体が動かない・・・」


リン「上から・・・お、押しつぶされてるみたい・・・」


ウミ「これは・・・一体・・・?」


そして現れる魔物の姿。どうやら重力を操っているようだ


ハナ「押し、潰されちゃうよ・・・」




エリ「ウミ・・・確か、この部屋には侵入者対策用のギミックがあるわ・・・あそこの穴、狙えるかしら」


ウミ「・・・お安い御用です。手が動かせれば問題無用ですっ!」


ニコ「やった!当たったわね!・・・ん?」


突如床に穴が開き、魔物ともども全員下に落ちてしまった


ホノ「いたたたた・・・酷いよ急に穴開けるなんて!」


エリ「これしか無かったんだからしょうがないでしょう!?」


マキ「そんな話してるヒマあったら、さっさと倒した方が良いと思うけど?」


ホノ「体が動くよ!みんな、今のうちに!」


コト「行くよ!貫け!閃光墜刃牙!」


ホノ「吹っ飛べ!獅吼爆炎陣!」




リン「はあ・・・はあ・・・相手も大分弱ってきたね・・・」


ニコ「こっちだって、そろそろ限界よ・・・」


ハナ「あ、あと一押しだよ・・・あと・・・」


コト「回復しないと・・・ヒールウインド!・・・はあ、はあ・・・」


マキ「あまり効果が出てないわね・・・」


魔物も最後の力を振り絞ってか、再び重力を操ろうとしている


しかし先ほどの落とし穴の影響もあってか、塔の至る所が決壊していく


ホノ「まずいよ・・・これじゃあ本当に押しつぶされちゃう・・・」


ウミ「それどころか・・・塔が完全に倒壊してしまいます・・・」




エリ「これ以上・・・壊れたら、町が危険よ・・・!?」


エリ「(え、何これ・・・?いつの間にか体が軽い・・・?)」


ニコ「エ、エリ?危ないわよ・・・!」


魔物に近づいたエリは途端に光に包まれ


エリ「私もそろそろ我慢の限界よ?終わりにしましょうか」


エリ「孤月閃!飛燕崩蹴月!覚悟しなさい?封塵衝月華!」


魔物は一瞬のうちに倒れてしまった


コト「凄い・・・動きがほとんど見えなかった」


リン「た、助かったにゃ~・・・」




再び上階に戻り、祭壇にて封印を施した一同


『封印はその者の純粋な力のみで行え。決して他の物を入れてはならない』


ホノ「他の物・・・?別にそんなものないよね?」


ニコ「やましいこと考えてたら失敗するんじゃないの?ねえマキちゃん?」


マキ「やましいことなんてないわよ!イミワカンナイ!」


コト「・・・」


ウミ「コトリ?どうしましたか?」


コト「う、ううん?何でもないよっ」


ウミ「・・・?」




町に戻ってきた一同。塔が倒壊するのではないかと心配になり


ほとんどの町民が外にその様子を見に来ていたようだ


エリ「みんな聞いてくれるかしら。たった今、封印していた魔物を退治してきたわ


でも、結局片一方だけの知識や技術では魔物は封印出来なかった。また次このような事態に


陥った時、みんなはどうする?また自分たちだけが信じているものを主張するの?


この町はどうやって発展を続けてきたのかを考えて。今の私たちのこの姿を先人たちに見せられる?」


エリの話を聞いていた町民は、ある種の情けなさと、何よりボロボロになりながら戦ってくれた


見知らぬ少女たちの姿を見て、考えを改めたようだった


エリ「ふう・・・改めて御礼を言うわ。みんな、ありがとう」




ホノ「さて、早速だけど、エリさん。一緒に行きませんか!」


エリ「さっきの力が、みんなと同じ≪ミューズ≫って力な訳ね。それで、その力は世界を災厄から守る、と」


ウミ「理解が早くて助かります。エリさんの力が我々には必要です。いかがですか?」


エリ「そうね。あなたたちへの恩返しもあるし、私で良かったら力になるわ。あ、それと敬語とかいらないわよ?」


ニコ「さっき聞いたけど、エリは私と同い年だからね?」


一同「ええーっ!?」


ニコ「何よそのリアクションは!?」


コト「そ、それより、次にどこに行くか決めないと・・・」




マキ「パパから伝言が届いたわ。・・・リリホワ王国の占いの町ワシワシティで少女が


自らを犠牲にして封印を施しているって。その封印も日に日に影響が出てきて町の人が困ってるって」


ホノ「決まったね。次が8個目の封印。そしてその少女がきっと9人目の仲間だよ」


エリ「それならダーリンの東にあるラブノベ港から船でフタハピ港へ行きましょう」


ハナ「それが最短で移動出来る手段だね。早くその少女を助けに行かないと!」


リン「ちょっと休みたいけどそんなこと言ってられないにゃ!」


ニコ「決まったようね。でもまずはしっかりと準備をしましょ。返り討ちにあわないようにね」


エリ タイプ:槍使い 武器:槍 属性:光





【第8章】


~拘束の女神~


港を経由し、再びリリホワ王国の地を踏む一同


ホノ「懐かしい景色だね。まだあんまり時間は経ってないはずなのに」


ウミ「感傷に浸ってるヒマはありませんよ。早速ワシワシティへ行かないと」


エリ「まあまあ。急ぐのはもちろんだけど、焦ってしまっては足元をすくわれるわ」


そうこうしている内に占いの町ワシワシティへ到着


マキ「早速町の人に聞いてみましょう。少女の居場所を」


町を散策し、「ラブレスライズ神殿」の地下聖堂奥との情報を得る


更にその封印が日に日に弱まっている所為か、地震や川の氾濫等の天災が相次いでいるとのこと


ニコ「じゃあまずはその神殿に行くわよ」




ホノ「な、何・・・これ」


驚く一同の眼前には紫がかった光と禍々しい黒い渦が混ざり合った形容し難いものが神殿を覆っていた


ハナ「な、中に入れるのかな・・・?」


リン「迷っててもしょうがないよ!みんなが行かないなら先に行くにゃ!」


コト「ちょっとリンちゃん!危ないよ!」


リン「うっ・・・ちょっと呼吸が苦しいけど、何とか大丈夫だよ」


マキ「行くしかないわ。覚悟を決めないと」


ニコ「そうね。手を拱いているヒマがあったら体を動かしなさい」


こうして文字通り重い足取りで神殿の中に入っていく




中は荘厳な雰囲気の漂う神殿のままだった


ホノ「すっごーい・・・キラキラしたガラスに大きな像」


ウミ「どれも目を奪われる物ばかりです・・・」


エリ「ここが行き止まりのようね。あそこの扉かしら、入り口は」


コト「開けてみようか。それっ」


確かめるまでもなく、その先に魔物が封印されているだろうと思えるほどの圧迫感


ハナ「こ、この先に進まないと、いけないの・・・?」


ニコ「後には戻れないわよ。今一度覚悟しなさい!」


より一層息が詰まりそうな暗く長い階段を下っていく




中は予想以上に広大な作りになっているようだ


マキ「ねえ。本当にこっちであってるの?」


エリ「何となくではあるけど、より息苦しくなっている気はするけどね・・・」


ホノ「確かにそうだね。魔物の近くまで行けばきっともっと息苦しくなると思うよ」


リン「一回の戦闘がこんなにも辛いなんて・・・もう結構奥に来てるはず・・・あ」


ウミ「ありましたね。いかにもって扉が。さあ三度、覚悟を決めましょうか」


重く大きい扉を開けると、不思議な光の鎖で拘束されている少女がいた


ハナ「あ、あれがそうだよね・・・あの姿は・・・」


ホノ「やっぱり私たちと同じ、選ばれし人間だね。早速助けないと!」


マキ「待って!もしここで封印を解いたら、魔物の影響力がどうなるか・・・」




ホノ「で、でもそうしないと助けられないし、ちゃんとした封印も出来ないよ!?」


マキ「そんなこと分かってる!もっと慎重に事を進めましょう」


ニコ「とは言っても・・・この部屋には奥にある祭壇とこの拘束された子だけよ」


??「うう・・・っ」


エリ「意識があるのかしら?とても苦しそうよ」


ウミ「そろそろ限界なのではないでしょうか・・・やはり我々の手で解放するしか方法は・・・」


ホノ「やろう。4回目の覚悟だよ。・・・はあっ!」


少女の周りの鎖を切り裂くと拘束を解かれた少女はそのまま落下してしまった


コト「苦しみからは解放されたみたいだけど、まずは回復しないと・・・」




??「・・・あれ・・・?封印が解かれてる!?魔物は・・・?」


少女が目を覚ますと、既に魔物と戦っている8人の姿があった


ウミ「逝きなさい、アストラルレイザー!」


ニコ「解き放たれし不穏なる異界の力、目の前の邪悪に裁きを!ヴァイオレントペイン!」


??「ウチと同じ・・・?魔物を倒そうとしているの?私も戦わないと・・・」


ハナ「大地の咆哮、其は怒れる地竜の爪牙。グランドダッシャー!ここは私たちに任せて!」


ホノ「くっ・・・封印が解かれた直後は鈍かったのに、なんかだんだん動きが素早くなってない!?」


??「アカン!その魔物は魔法の力を吸い取って自分の力にしてしまうんや!」


リン「だったらリンの出番だよ!くらえ!衝波魔神拳」




マキ「なるべく魔法は使用しないでいきましょう!」


ニコ「それなら任せるニコ!ピコピコハンマー!」


コト「少しずつだけど効いてるよ!みんな、頑張ろう!」


とは言うものの、ここに来るまでの道のりでかなり体力を消耗している


エリ「はあ、はあ・・・呼吸が・・・一層苦しくなって・・・」


ウミ「くっ・・・い、意識が・・・遠のいて・・・」


ハナ「ウミちゃん!・・・キュア!・・・ダメです・・・力が・・・」


完全に動きが止まってしまう。魔物もダメージはあるが、まだ動けるようだ


ホノ「何とか・・・何とかしないと!」




??「みんな、ありがと。ウチはもう大丈夫」


??「一人じゃないってこんなに嬉しいんやね。もう苦しませないから」


??「無光なる最果ての渦。永遠の安息へと導け!ブラックホール!」


少女が空中へ投げたタロットカードが漆黒の塊となり、魔物に炸裂する


魔物は吸収しようとするも、それ以上のダメージを食らってしまい絶命した


そして聖堂内に蔓延していた忌わしき空気も一気に消滅した


エリ「凄い・・・一撃で倒したわ」


??「みんな、今助けるからね。フェアリーサークル!」


ニコ「ぷはーっ!た、助かった・・・」


リン「死ぬかと思ったにゃー・・・」




??「さて、やっとちゃんとした封印が出来るみたいやね。それっ」


『本当の力とは、その者の人としての強さである。≪ミューズ≫はそれを補助する為の能力。


決して自分を見失ってはならない』


マキ「私はいつでも冷静沈着だから関係ないわね」


ホノ「あの・・・大丈夫でしたか?」


ノゾ「うん。ホンマにありがとうな。あ、ノゾミでええよ」


エリ「ノゾミ。あなたはどうやってその力を得たの?そして何故一人であんなことを?」


ノゾ「ウチ結構有名な預言者(スコアラー)やってん。あの光を見た時、嫌な予感がしたんよ」


ニコ「それで一人で聖堂の奥まで行ったわけ?そんな危険なことを・・・」


ウミ「あなただって一人で戦ってたじゃないですか!」




ノゾ「さて、戻ろうか。町の様子も気になるしね」


ホノ「そうだね。今までと同じようにきっと元通りになってるはずだよ」


そして聖堂を後にした一同が見たものは-


ハナ「そ、そんな・・・どうして・・・?」


ホノ「地震で壊れた家も川が氾濫した跡もそのままだ・・・・」


ノゾ「ウチが中途半端な封印をしてしまった所為やろか・・・?」


ニコ「そんな訳ないでしょ。あんたがやらなかったら間違いなく町は無くなってたわよ」


コト「そうだよ・・・ノゾミちゃんの頑張りは間違ってない!きっと町も復興するよ」


エリ「恐らくそれだけ魔物の影響力が強くなってるってことじゃないかしら」




ノゾ「・・・みんなはこういう町を助けてきたんやな?≪ミューズ≫の力を使って」


ホノ「そうだよ。封印はあと1つ。最後の場所はもっと大変なことになってるかもしれない」


ウミ「急がないといけません。ノゾミが加われば9人。これで全員揃いました」


リン「見て見てカヨちん。占いに使う水晶があるよ!」


ノゾ「興味もて興味もて」


ハナ「最後はどこだろう?この世界で封印がありそうな大きな街はあと・・・」


ウミ「私の生まれ故郷、ラブアロです。ここから北にあります」


エリ「他に当てがないなら行きましょう。時間が惜しいわ」


コト「次が最後だよ。気を引き締めて行こう!」


ノゾミ タイプ:魔法使い 武器:タロットカード





【第9章】


~ラブアロの真実と道しるべ~


ニコ「ところで、何故度の途中でラブアロへは行かなかったの?」


ウミ「先に情報が入ってきたのでそちらを優先しました。ただ・・・」


マキ「ただ?」


ウミ「私の父親は濡れ衣を着せられ町を追放されたそうです。ですから出来れば行きたくないと思っていました」


ホノ「そうだったんだ・・・でもこうしてウミちゃんと出会えて、私は嬉しいよ!」


ウミ「ホノカ・・・ありがとうございます。追放と言っても私も小さい頃の話です。気にすることはありませんよ」


エリ「それなら良いんだけど・・・何かあったらすぐに言いなさい?」


ウミ「ありがとうございます。さあ行きましょうか」


ハナ「あ、町が見えてきたね」




ホノ「うーん・・・特に異変は見当たらないね」


ウミ「そうですね・・・と言っても大分昔の話ですから、町並みも覚えていませんね・・・」


ニコ「何か町の象徴みたいな建物や場所はないの?」


ウミ「剣道、柔道、弓道に日舞などの所作立ち振る舞いが重要とされる文化が盛んなので道場が多いですね」


リン「なんか難しそうだにゃ~」


エリ「手当たり次第に探すより、その辺にいる人に聞いた方がよさそうね」


町には特に異変はなさそうで、道を歩いている人に聞いても


「光が落ちたなんて聞いたことがない」「何かに襲われたとかはない」との返事ばかりだった


八方塞の状態で困っていたところ


??「君は・・・もしや・・・ウミちゃんかい?」




ウミ「はい・・・そうですが。どちら様でしょうか?」


キサ「君が幼い頃、ここの町長をしていたキサラじゃよ」


ウミ「・・・申し訳ありません。当時の記憶も曖昧で覚えておらず、ご無礼を・・・」


キサ「いや、無理もない。大分昔の話じゃ。・・・しかし君の父親の件、本当に申し訳なく思っておる」


ウミ「私は詳しいことは知らないのです。よろしければ詳しく教えていただけますか?」


キサ「簡単に言えば、政治的な闘争に巻き込まれた形じゃよ。誠実が故に権力に抗ってしまった。


しかしお父さんは間違っていないかった。しかし当時の私も無力だった・・・」


ウミ「そうですか。しかしあなたは悪くありませんよ。教えていただきありがとうございました」


ニコ「取り込み中悪いんですけど、ここ最近何か異変は無かった?町の人たちにも聞いてはいるんだけど・・・」


キサ「そうじゃな・・・ワシもそういったう噂は聞いておらんし見てもおらんな」




ホノ「やっぱり・・・どうしよう手がかりがまったくないよ」


キサ「一体何があったと言うんじゃ?」


一同は今まであったことをキサラ元村長に伝えた


キサ「ふむ・・・その封印やら光については何も知らないので言えないが、もしや・・・」


エリ「何か他の情報があるのかしら?」


キサ「実はこのラブアロという町は遥か昔はプランタン共和国にあったんじゃ。しかし水害やら地震やら


とにかく災害が多かった。だから隣国のリリホワに移住したんじゃよ。今覚えば災害が多かったのは封印が・・・」


ハナ「その跡地に封印があるのかも・・・?しかも封印がされていても影響が出るほど強力な」


コト「きっとそうだよ・・・すぐに行かなきゃ!」


キサ「一部の人間は美しい町並みを手放したくなくて、その後も町を縮小しながら細々と暮らしてたそうじゃ」




マキ「じゃあ今も人が暮らしている可能性があるってこと・・・?」


リン「だとしたらあの光の所為でさらに封印の影響が強くなってるかも!?」


ノゾ「ワシワシティでもあれほどだったのに、もしかしたら・・・」


ウミ「昔のラブアロはどこにあったのですか?」


キサ「オトノキの北西じゃな」


コト「ワンダラ山を越えなきゃいけないんだね・・・」


「パッと行きますか?」

はい 

いいえ ←




【ちょっと寄り道】


ウミ「さて!それでは再びプランタン共和国を目指しましょう!」


リン「何か急にテンション上がってるにゃ~」


ハナ「いつものウミちゃんらしくないよ・・・」


ホノ「あ~いつもの悪癖が出ちゃったか・・・」


ノゾ「悪癖?なんやのそれ?」


ウミ「さあ見えてきましたよ!ワンダラ山です!」


エリ「高い山ね・・・骨が折れそうだわ・・・」


ニコ「え~別のルートないのぉ~?」


マキ「文句言わないの!・・・まあ確かにめんどくさいけど」


ウミ「聞き捨てなりません!目の前に山があるのですよ!?みんなで山頂アタックです!」


コト「あはは・・・なんか当初の目的を忘れているような・・・」




ホノ「いや~やっと頂上についたよ・・・」


ウミ「素晴らしい・・・何度登っても素晴らしい景色です!」


ニコ「何かすっごい興奮してるわね・・・」


ウミ「当たり前です!この景色!この空気!旅の疲れが一気に吹っ飛びました!」


リン「リンはもう疲れたにゃ~・・・」


ノゾ「休憩したいところだけど、次の目標があるし、あまりゆっくりはしてられへんよな~」


コト「そうだね~。もうちょっとしたら出発しないとだね」


ハナ「みんな~ご飯炊けたよ~!」


マキ「それどっから持ってきたのよ!?」


エリ「ハラショー!ここで腹ごしらえしてから下りましょう」




ハナ「やっぱり白米は最高です・・・この景色も相まってより美味しかった・・・」


ウミ「そうでしょう!そうでしょう!?だから山は素晴らしいのです!」


コト「二人とも楽しそうだね・・・あはは・・・」


ホノ「ふう~もうお腹いっぱいだよ~」


マキ「さあ、そろそろ山を下りましょう?」


リン「行くにゃ~!とおりゃあああ~!」


ニコ「ちょっと!転ぶわよ!?」


ノゾ「あれは・・・落石?リンちゃん危ない!」


ウミ「はあっ!」


ホノ「さすがウミちゃん!弓で岩が粉々になった・・・」




ウミ「リン!山で無防備な行動はしてはいけません!もし私がいなかったら・・・」


リン「ウミちゃん・・・ごめんなさい・・・」


エリ「そうよ、リン。はぐれたり魔物に襲われる恐れもあるわ。みんなで一緒に行動しましょう」


コト「あ、頭から血が・・・今治してあげるね」


リン「コトリちゃん、ありがとう」


ハナ「リンちゃん、危ないから手をつないで下りよっか?」


ノゾ「うふふ。仲良しさんやね~」


ホノ「よーし!気を取り直して、次の町までガンドコ行こう!」





【第10章】


~忘れられた村~



ワンダラ山を越え、再びプランタン共和国に足を踏み入れた一行


そして遂に昔ラブアロがあったと言われている地にたどり着いたのだが・・・


リン「なんかボロボロの家ばかりで・・・」


ハナ「人が住んでる気配はないね・・・」


ノゾ「ここ最近何かが起きたって荒れ方じゃないような気がするなあ」


ホノ「・・・住んでる人がいるか探してみよう」


道路も建物も、全てが荒れ放題で、ここに人が住んでいるとはとても考えられない状況だった


しかし、村の奥の方、海側へ進むと集落のようなものを見つけた


ホノ「あれは・・・もしかしたら誰かいるかも?」


ウミ「行ってみましょう!」




集落に近づくと、気配を感じたのか家の中から人が出てきた


??「あなたたちは?」


??「どこから来たのかしら」


エリ「私たちはこの辺にあると思われる封印を探しにきたの。最近光が降ってきたりしてないかしら?」


??「そういえば以前そんな事があったね。何も起きてないからすっかり忘れてたけど」


ホノ「あなたたちはずっとここに住んでるの?」


??「生まれた時からね。何もないけど、平和でのどかで、決して悪いところじゃないよ」


マキ「村の入り口はずいぶん荒廃していたのだけれど」


??「ここは昔から災害に悩まされていたらしくて、最近はほとんどないんだけどね」


??「あそこの建物に、昔の資料がたくさん残ってるから見たければどうぞ」


??「この村の歴史、500年前にこの世界・シルヴァランティスを襲った災厄、色々な書物があるわ」




ウミ「500年前の災厄・・・これは確認しないといけませんね」


ニコ「何か重要な手がかりがあるはずよ」


ハナ「あ、ところで・・・封印みたいなものはこの辺にありますか・・・?」


??「封印?祭壇は海沿いにある洞窟の中にあるわよ。そんなに深くはなかったはず」


ホノ「ありがとう!場所も分かったし、今は被害もないみたいだからまずは書物を見に行こうか?」


コト「そうだね。最後の封印だし先に情報を得ておくのが良いかも!」


リン「リンは本読むの苦手だからみんな頑張ってね!」


ヒデ「あ、忘れてたけど私はヒデコ、向こうの二人はフミコとミカって言うの」


ホノ「ヒデコちゃん、フミコちゃん、ミカちゃん、ありがとう!」




書物庫に入った一同は早速参考になりそうな本を読み漁る


「西暦1500年ごろ、突如9体の魔物が現れ、世界を襲った


その時立ち上がった9人の英雄。災厄に混乱する世界を救うために


魔物との死闘を繰り広げる。しかし強力な魔物を倒すのは容易ではなく


弱らせたところを封印するのが精一杯だった。それも自らの命と引き換えに


そして災厄から世界を救った9人の英雄は永遠の眠りについた


時は過ぎて、英雄らの事は忘れ去られ、この世界は再び繁栄を遂げる」





「それでも魔物の影響は凄まじく、ラブアロの村はその後100年ほどの間


災害に悩まれる事になる。絶えかねた住人たちは移住を決断する


そしてリリホワ王国に編入。しかし一部の人間は移住を拒否し留まる事を決意する


そして出来たのがこの村である。住人たちはこの村を「栄光」と言う意味の「モブ」と名づけた


その後も災害に悩まされながらも細々と暮らしてきた。いつしか災害の頻度は弱まり、今は


世界地図に載らない、忘れられた村となっている」




ホノ「ただの昔話かと思ってた・・・」


ウミ「そうですね。私も御伽噺の類かと思っていたのですが・・・まさか現実にあったとは」


ハナ「命と引き換えに世界を救ったのに忘れられるなんて・・・かわいそう・・・」


リン「でも私たちはなんとか倒せたよね?」


マキ「やっぱり封印から解放されて時間が経ってなかったからと思うわ」


ノゾ「時間が経つほど強くなってたんやろ?だからウチの町の魔物は強かった」


エリ「私たちが少しでも魔物を倒すのが遅れていたら、また命を賭して封印をしなければいけなかったのかしら・・・」


ニコ「・・・もう過ぎたことよ。魔物は残り1体。もう情報は十分入手したし、行きましょ」


ホノ「そうだね。みんな、心して行くよ!」




ヒデコたちの言ったとおり、洞窟の中は狭く、すぐに最深部にたどり着いた


そして既にそこには魔物が待ち構えていた


ホノ「さあ、これが最後だよ!みんな、頑張ろう!」


ノゾ「よし来た!魂をも凍らす魔狼の咆哮、響き渡れ!ブラッディハウリング!」


エリ「切り刻め、風の如く!風塵!封縛殺!!」


ホノ「炎よ集え!魔王炎撃波!!」


ウミ「完全に怯んでいます!この調子で行きましょう!」


リン「・・・ってかもう倒しちゃったけど・・・」


マキ「あっけなかったわね・・・」




ホノ「さあ、最後は私が封印をするよ」


ニコ「長かったけど、これで世界に平穏が訪れるのね・・・」


マキ「この旅が終わったら、ニコちゃんのパパのお墓参りに行くわ」


ノゾ「ウチは町の復興を手伝わんとね」


ホノ「・・・あれ?封印はしたはずなのにいつもの紋章が現れないね・・・」


全員が首をかしげていると、急に大きな地震が襲う


ウミ「みんな、姿勢を低く保って下さい!・・・一体、何が・・・?」


??「ふふふ・・・」


??「あははははは」


ウミ「・・・コ、コトリ?」





【第11章】


~悪夢の始まり~



ホノ「コ、コトリちゃん・・・?どうしたの・・・?」


コト「みんな、ご苦労様。おかげで魔王の復活が叶ったよ♪」


ハナ「え?え?どういうこと・・・?」


エリ「コトリ!?一体何だっていうの?」


コト「ほーんと、節穴だらけで笑えるね」


コト「ハ・ラ・ショーで封印した時に出た紋章の言葉、覚えてる?」


リン「『封印はその者の純粋な力のみで行え。決して他の物を入れてはならない』だったっけ?」


コト「リンちゃん良く出来ました。そう、私は今までずっと皆が封印する瞬間に魔力を注いでいたの


古の魔力「良きに計らえ(コトリノオヤツ)」をね♪」




コト「この魔力を注入するとね、魔物は一旦封印されるけど、魔物の力が増幅して


魔王復活の生贄に出来るんだ♪」


ニコ「あんたさっきから何言ってるのよ!コトリはどこに行ったの!?あんたは誰!?」


コト「怒らないでよニコちゃん♪私は正真正銘コトリだよ~。この世界を滅亡させる使命を


仰せつかった、破滅の使者なの」


ノゾ「この村に入る前、タロットの占いで出た不吉な予感はこれだったんやね」


ホノ「嘘、でしょ?コトリちゃん・・・誰かに操られてるの?」


コト「さあ、これで準備は整ったよ。後は邪魔者を排除するだけ♪」


ウミ「戦うしかありませんか・・・」


ホノ「そんな!コトリちゃんだよ!?ずっと一緒に旅をしてきた仲間だよ!?」




マキ「彼女はもうコトリじゃないわ。倒さないと世界が滅亡するのよ?」


ホノ「でもでも!戦うなんて、出来ないよ!どうしてっ!?」


コト「やっぱりホノカちゃんは優しいね♪そんなホノカちゃんが好きで好きで・・・大嫌いだったの♪」


ホノカに襲い掛かるコトリ


ホノ「きゃああっ!コ、コトリちゃん・・・何で・・・」


コト「そうそう。実はね、ホノカちゃんとウミちゃんの記憶は私が改変しちゃったの♪今戻してあげるね」


一瞬の頭痛と共に二人の脳内に記憶が蘇る


ホノ「あ・・・そうだ・・・いつもずっと一緒にいた・・・」


ウミ「今はっきりと思い出しました・・・いつも三人で遊んでいました・・・」




コト「いくら時間が経っても、あんなに仲良くしてたんだよ?普通忘れるわけないよね?


だから、コトリが力に目覚めた数年前にちょっと悪戯しちゃったの♪だって酷いじゃない?


二人はとても仲良しで、私はいつも仲間外れみたいで・・・だから二人の記憶から私の存在を消したの。


ホノカちゃんは少し残ってたみたいだけど」


ウミ「そんな事ありません!私もホノカもコトリの事は大切な友達でした!今までも、これからも!」


コト「オトノキの皆の所為でお母さんはおかしくなった。だから復讐を誓ったの」


コト「こんな世界、全部壊しちゃえって♪」


エリ「ホノカ!みんな、やるしかないわ!私たちの命も、世界も守らないと!」


コト「うふふ。そうこなくっちゃ♪流石に8人を同時に相手にするのはちょーっと


大変だから~・・・いきなり本気で戦ってあげる♪」


コト『博愛の名の下に、その力を示せ。我が名は≪暗黒の堕天使(ブラック・ルシフェル)≫』




コト「さあ、手加減なんてしないからね♪死んじゃったらごめんね~」


ニコ「相手がコトリだからと言って、躊躇してたらこっちがやられるわよ!」


ハナ「でも、でもぉ・・・!」


リン「本気で戦うなんて無理だよ・・・!」


コト「そんな事言ってたら~・・・ホントに死んじゃうよ?」


コト「黒雲招来、雷神咆哮!バニッシュヴォルト!」


一同「きゃあああああああ!!!」


ホノ「コトリちゃん・・・どうして・・・!」


マキ「ホノカ!いつまでそうしてるのよ!」


ニコ「気持ちは分かるけど、このままだとみんな死ぬわよ!」




ホノ「どうして・・・!?どうしてみんな戦えるの・・・?」


ノゾ「あの状態じゃ、ホノカちゃん抜きで戦うしかないやん!」


ウミ「せめて、せめて意識を奪うだけでも・・・!穿て!蒼穹の十二連!」


マキ「水蛇刀、清潤、無限刀!・・・そっちに行ったわよ!」


ノゾ「歪められし扉、今開かれん、ネガティブゲイト!」


コト「みんな、強くなったねえ♪でもそろそろ終わりにしようか?」


エリ「みんな気をつけて!強力な術が来るわ!」


ホノ「もう・・・もうやめてよ・・・みんな!」


コト「天光満つるところに我はあり、黄泉の門開くところに汝あり、出でよ神の雷」


コト「これで終ーわり♪インディグネイション!!!」




とてつもない雷撃が全員を襲う


コト「あ、ちょっと本気出しすぎちゃった♪ごめんねぇ~」


全員既に意識が遠のいているようだ


コト「さてと・・・トドメは順番に刺そうかな?」


ノゾ「ぐっ・・・アカン・・・体が動かない・・・」


ニコ「はは・・・一瞬走馬灯が見えたわ・・・」


コト「二人が一番元気そうだね~じゃあまずはニコちゃんから♪」


その瞬間、コトリが謎の頭痛に苦しみだす


コト「・・・ぐっ・・・頭が・・・どうして・・・?」


コト「・・・分かったわよ・・・一旦戻るわ・・・」


マキ「な、何が起きたの・・・?」




コト「と言うわけだから、ここは見逃してあげる♪続きはまた今度ね!」


ウミ「ま、待ちなさい・・・!どこに行く気ですか・・・っ!」


コト「私には帰る場所があるの♪さあ、扉を開きなさい!」


コトリがそう唱えると、9つの封印から強烈な黒い光が放たれ、世界の中心部に集まった


すると、とてつもない地響きと共に、海から巨大な島のようなものが現れた


ハナ「な、何・・・あれ・・・?」


コト「さあ、遂に長年の夢だった魔王復活への一歩だよ♪その名も「デリス・サンライズ」」


コト「そして、目覚める古の魔王、「アライズ」の居城」


リン「アラ・・・イズ?」


コト「名残惜しいけどお~、また会えるかな?君たちが無事にたどり着ければね♪」




するとコトリは背中に生えた大きな羽根を羽ばたかせ、飛び去って行ってしまった


ヒデ「何か凄い音がしたけど・・・どうしたの、ってみんな大丈夫!?」


フミ「早く手当てしないと!」


ミカ「人を呼んでくる!」


村の人たちが協力して、8人の手当てを行う


気を失った8人は半日ほど経って、やっと意識を取り戻したものの


それはまさに悪夢のような出来事だった


ウミ「ホノカ・・・大丈夫ですか・・・?」


ホノ「・・・大丈夫そうに見える?」


ホノ「みんな、ヒドいよ。コトリちゃんだよ?どうしてあんなこと・・・」


ニコ「あんたねえ、いい加減にしなさいよ!殺されるところだったのよ!




マキ「それどころか世界の危機よ。このままだと」


ホノ「・・・もう、そんなのどうだっていいよ。私疲れちゃったし別に世界がどうなろう」


そう言い終わる前に、ウミはホノカの頬を殴る


ウミ「あなたは・・・あなたは最低です!」


ハナ「ウ、ウミちゃん・・・落ち着いて・・・」


ウミ「気持ちは分かります。ですが、世界の危機です。みんなの家族や友人、そしてここにいる仲間。


全員失って良いのですか?辛いのはあなただけじゃないんです!私も胸が張り裂けそうなんです!」


ウミ「でも・・・でもっ!やらなければならないんです!このままでは・・・!」


ノゾ「ウミちゃんの言うとおりやん?それにもしかしたらただ操られてるだけかもしれないし」


リン「上手くいけば助けられるかも!まずはもう一度会って、真相を確かめないとだね。でも今の私たちじゃあ・・・」




マキ「まあ返り討ちに合うのが目に見えてるわね」


エリ「はっきり言うわね。でもその通りよ。さて、どうしたものかしら・・・」


ミカ「あの~・・・お取り込み中申し訳ないんだけど・・・」


ヒデ「さっきみんなを助けた時、祭壇に文字が映っていたんだけど」


ウミ「どんな文字でしたか?」


フミ「『どうしても乗り越えられない試練が訪れた時、世界に3つある我々が眠る封印を尋ねよ』だったかな?」


ハナ「3つの・・・封印?どこにあるんだろう・・・」


ミカ「その後ね、世界地図みたいなのも浮き上がったの。今と少し地形は変わってたけど


プランタン共和国にある「ブルベリ大森林」、リリホワ王国にある「ビネツカラ古仙洞」


あとはビビ帝国にある「オトメシキ石英林」だと思うよ」


ウミ「ありがとうございます。もしかしたらそこで何か解決策が見つかるかもしれません。行きましょう」


ニコ「まずはプランタン共和国にあるブルベリ大森林かしらね」


ホノ「・・・」


ノゾ「辛いかもしれんけど、今は動くしかないと思うんよ」


リン「よ、よし!みんな、が、頑張りますわよ!」


ハナ「リ、リンちゃん!落ち着いて・・・」


後書き

前編では仲間が全員揃い、テイルズオブシリーズ恒例の裏切り者の出現までを書きました。
後編ではみんなで力を合わせて最終決戦に立ち向かいます。
テイルズオブシリーズの醍醐味「秘奥義」の演出やキャラの成長、ボスキャラとの死闘、エピローグ等
盛り沢山ですのでお楽しみに!


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SS好きの名無しさんから
2015-07-04 13:46:12

ワタルさんから
2015-07-03 07:00:04

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