巡視船娘になりました。
海上保安庁の巡視船が転生して艦娘ならぬ船娘になったら……?どうなるのでしょうか?
初めて書きます。至らぬ所がありますがご理解下さいませ。また、独自の設定等あります。そちらの点もご理解下さい。
アニメや漫画、ノベライズ版とは違う設定等あります。ご理解下さい。
日本海沖領海内に
「こちらは海上保安庁だ。貴船は領海侵犯してる。直ちに領海からでなさい。」不審な漁船の様な船に日本語、英語、中国語、韓国語で呼びかける。それでも、Uターンする気配はない。汽笛をならしたりしてみたり、信号旗をあげたりしても応じる気配もない。
続いて停船命令をしてみる。ダメだ。応じないようだ。威嚇射撃。続けて停戦命令。その時だった。突然不審船からミサイルの様な物が飛んできた。いやようなではない。あれはミサイルだ。威嚇だろうと思った。しかし、命中した。
私はそのまま炎上。沈没した。就航してから間もなかった。もう少し仕事したかったなぁ………
海の香りがする。汽笛も聞こえる。海鳥の鳴き声も聞こえる。ここはどこだろう。眩しい。ふと起き上がる。……………待て。なぜ、私は起き上がるのだ。船だぞ?私は。私は人になったのか………?
どうもベッドの上で寝てたようだ。服も着てる。見たことある服だ。海上保安庁の制服だ。誰かかドアをノックした。ゆっくり開く。
「お、起きたか。」
白い制服を身にまとった人が入ってきた。海自の制服のようだがなんとなく違う。歳は三十代だろうか………わからん。
「あの…あなたは?ここは一体……?」私は尋ねた。
「ここは横須賀鎮守府。私はここの提督。えっと君は一体……」
私は、自分の記憶にある名前を述べた。
「私は海上保安庁巡視船みやじまです……。えっと横須賀鎮守府?基地ではないくて??」
鎮守府なんて私の記憶が確かならそれは戦前の旧日本海軍の基地の名称だ。ますます、自分がいる環境がわからない。提督は微笑みながらこれまでの経緯を話してくれた。
深海棲艦。突然海に現れた化け物だそうだ。すぐに自衛隊が出動したそうだが現代の兵器では全く適う事もなく失敗したそうだ。そんなある時に旧日本海軍の軍艦に乗った少女が現れたそうだ。
「みんなを救いたい。」
そう言った少女を乗せた軍艦はたちまち深海棲艦を迎撃。たちまち、ヒーローとなった。今じゃ居なきゃ困る存在となった。そういう少女達を艦娘と人々は呼んだ。
「へぇ。じゃあ私も艦娘って奴ですか?」
提督は少し困ってそうな顔をしながら
「多分ね。でも、巡視船って聞いたことない艦種だしなぁ。まぁでもいっか。」
いいのか。
この鎮守府は基本的に数人で相部屋だそうで、私が寝ているのは提督の私室らしい。にしても質素だと思った。それはともかくとして、私は「特壱」とプレートが張られてる部屋に案内された。
そこにはセーラー服を着た四人の少女がいた。見た目は中学生だろうか。本読んでたり、テレビ見てたりくつろいでいた。
「提督、その子が新しい艦ですか?」
「ああ、そうだよ。まぁ、艦というよりは一応船なんだけどね。今日からよろしくやってくれ。今日はゆっくりしてていいから。じゃ。」そういって提督は出て行ってしまった。
「初めまして。巡視船みやじまです。よろしくお願いします。」私は軽くお辞儀した。
「初めまして。白雪です。」
「吹雪です!」
「深雪だよ!!」
「……初雪…です……」
同室になるのは吹雪型駆逐艦のみなさんのようだ。
わたしはこれまでの経緯を簡単に話した。沈むまでの事も。全て。
………皆、反応に困って黙ってしまった。深雪が
「なあなあ。みやじまは、自分の艤装や妖精さん達もうみたのか?」
ぎそう?ああ、艤装の事か。妖精さんとはなんたろ?
「今、ドッグにあるだろうからみんなで見に行こうぜ。」
私達は私の、みやじまの艤装を見に行く事にした。
これより先はヘルメット着用せよと書かれた大きな工場の様な建物に入った。入り口付近の事務室に白雪ちゃんが入って行った。すると、手招きしてる。入ってみた。すると、オレンジ色の作業着を着た二人の女性がいた。
「貴方が新入りさん?私は明石。ここの整備責任者よ。修理なら任せてね。」
「私は夕張。整備や試験など担当してるわ。よろしくね。」
整備さんでしたか。頭があがらない。ついもお疲れ様です。
「みやじまです。よろしくお願いします。」私は少し深めにお辞儀した。これから、どれだけお世話になるかわからない。第一印象は大事だ。
「じゃ、案内するわ。これ着けてね。一応規則だからさ。」そういって明石さんは私達にヘルメットと反射板がついたベストを渡された。
構内にちっちゃい人が動き回ってる。かわいい。明石さん曰く、彼らが妖精さんだそうだ。艦娘一人でも操舵とか撃ち合ったりする事は出来るそうだがあまりのストレスや疲労で長く持たないそうだ。そこでサポートするのが彼ら妖精さんだ。彼らは整備や操舵は勿論、食事も作ったりもなんでもこなすそうだ。私専従の妖精さんは今は別の所で研修中らしい。顔をあわせるのは後日になるとの事だ。そうしてると私の艤装の所に着いた。PLH301。ヘリコプター搭載みやじま型巡視船、みやじま。白いボディに青いライン。そして、japan coast guardの文字。うん。私の艤装、いや私自身だ。
「おっきい……」
「白くてきれい……」
皆、様々な感想をいう。
「全く。私達も初めての種類よ。幸いな事に中に整備マニュアルがあったからいいけど。もう一通り整備は終わってるから、乗船してもいいわよ。」
すると、深雪ちゃん。よし突撃と叫んでダッシュでタラップを上る。続いて白雪ちゃん、吹雪ちゃん、初雪ちゃんが登っていく。……危ないわよ。全く。
船内は……うん。見覚えある。住環境は大戦の時より、向上してる。みんな、羨ましそうだ。まだドッグ入りしてるとあって食堂は使えないようだ。
「ホントはアイスとか冷凍庫に入ってるんですけどね。またの機会にしましょう。」
「じゃ、このあとは間宮さんの所にいきましょう。」白雪ちゃんがそう提案した。明石さんと夕張さんにヘルメットとベストを返して私達は甘味処、間宮に向かった。パフェはおいしかった。
食後、寮に戻った。今日はもう遅いので風呂に入った。
おう。私の胸部は……勝った。
「……ちゃん。……やちゃん。みやちゃん!」
あ。おはようございます。白雪ちゃん。…どうやら、私は起床ラッパがなっても起きなかったようで、叩き起こされたようだ。今日は朝礼で私の紹介、そして辞令交付式を行うそうだ。
「早く早く!遅刻しちゃいます!!」
私は急いで着替えた。
講堂に行くと多くの人たちが整列してた。どうも私達は最後の方だったようだ。
朝礼が始まった。提督が壇上に立ち今日のスケジュールについて話した。続いて私の事について話した。
「今日からの新しい仲間を紹介する。みやじまだ。拍手!」
全員拍手してるなか私は壇上に上らされた。恥ずかしい。緊張する。トイレ行っとけばよかった。
「初めまして。私は海上保安庁巡視船、みやじまです。新参者ですが精一杯頑張ります。よろしくお願いします。」
軽くお辞儀。また拍手された。すぐにでも降りたい。
「では、これより辞令交付式を行う。」ぴたりと鳴り止んだ。切り替えがはやい。
「巡視船みやじま。貴船を第四警備隊。吹雪隊への所属を辞令する。」辞令書を私に渡した。
私はまず敬礼してから、拝命します!と大きな声で答えて受け取った。
「では以上で本日の朝礼と交付式を終了する。尚、吹雪隊は朝食を取った後、執務室に来る様に。以上解散。」
終わるといろんな人達が私の所に来た。
「巡視船ってなに?」
「海上保安庁ってなんです?」
転校生とはこういう気分なのだろう。でもちょっと困る。白雪ちゃんや吹雪ちゃんに助けを求めようと辺りを見渡す。居た。………なぜ敬礼する。助けて下さいお願いします。
「あなた達、仕事があるでしょ。はい散った散った。」
いかにも学級委員長という感じの人が来た。大淀さんというそうだ。救援感謝します。
私は吹雪ちゃん達と合流した執務室に向かった。
「では、今後の吹雪隊について説明する。来週から君たちには長距離航海演習をしてもらう。スケジュールは配布した資料の通りだ。その後、警備任務についてもらう。」
私はスケジュール表を見た。なかなかハードな様だ。スケジュール表を見ると逮捕訓練という項目がある。これは深海棲艦との戦いは領海及び一部経済水域の制海権等は確保は出来たが油断は出来ないし、一部海賊が出るとかの話もある。今は海上保安庁と海上自衛隊は合併して海軍になってるからそういう事もやるのだ。
「では、解散。がんばれよ。あ、あとみやじま…」
私だけ呼び止められた。
「はい、これ。」
提督は私に海軍手帳と首ら下げる身分証明書を渡した。私の顔写真入りだ。いつのまに………。まぁ、いい。鎮守府の中に入る時や海軍や自衛隊基地に必要だそうだ。無くさないように大切にしまおう。
「あ、それから今日の午後みやじまはドッグ出だから。その時に妖精さん達と顔合わせも行うから。よろしクー。」
私は、部屋に戻って自分の机の引き出しに手帳と身分証明書をしまった。
他の吹雪ちゃんや白雪ちゃん達は事務処理があるので詰め所で仕事するそうだ。私はこれから明石さんの所へ行ってパソコンを習う。艦娘の姿になってからパソコンを使う事は初めてだかだ。報告書等電子化がすすんでいる。船の頃はコンピューター制御だらけだったし多分、大丈夫だと思うが……。
午後二時。
私はドッグに来た。明石さんがヘルメットと安全ベストを渡してくれた。よくみると「巡視船みやじま」と書いてある。私専用ので今朝出来たそうだ。………ちょっと嬉しいな。つけて私の艤装の所に行くといました。私専属の妖精さん達だ。「こちらが貴方専属の妖精さん達よ。一通りの訓練はもう終わってるからしっかり頼むわよ。スカーフで役割が解るようにしてるわ。赤が航海科、黄が砲雷科、オレンジが機関科、緑が医療科、青が航空科よ。」妖精さん達が敬礼した。私も敬礼した。
「皆さん、私がみやじまです。よろしくお願いします。」
…………
妖精さん達との顔合わせ、軽く打ち合わせを行った後、いよいよ出渠だ。
「では皆さんお願いします。機関の始動は出渠後に。左右注意して、まもなく注水が始まります。」妖精さんはテキパキ動く。タグボートとのケーブルがキチンとつながっているか、確認してる。
注水が終わった。うん、この感じだ。なんだか帰ってきたという感じがする。ゲートが開いた。タグボートが引っ張る。少しずつ、少しずつドッグをでる。
完全に出た。横須賀港だ。
横須賀は船だった頃は二、三回回しか来たことないがどこか懐かしいというかただいまという感じがする。
「機関始動!」
懐かしいガスタービンエンジン音が聞こえてきた。船内の照明電源が入った。続いて、レーダー関係、造水関係等次々と電源をいれた。
「船内すべて異常なし!」
妖精さんが報告してきた。
「了解。では今回は試運転は省略。入港用意して下さい。」
そして私達は無事入港したのだ。船内に当直の妖精さんだけ残して降りると吹雪ちゃん達第四警備隊、通称吹雪隊のみんながいた。
「改めて、ようこそ。みやじまちゃん。」みんながそう言った。私は
「はい。」
笑顔で返した。
その日、提督が食堂で夕食&歓迎会を開いてくれた。お酒も頂いた。苦い。色々な人と話した。楽しかった。
終了後私は鎮守府内を吹雪ちゃん達とブラブラした。酔いを醒まそう為だ。
「赤城さんってあんなに飲むの?」
「提督曰く今日は少なかったそうだぜ。」
そんな話をしてると赤色灯が付いている車が来た。私達の横に止まると窓から男の人が顔をだした。
「やあ、こんばんわ。吹雪ちゃん達か。なにしてるの?」
「こんばんわ。刑事さん。今日みやじまちゃんの歓迎会でして、酔い覚めに散歩してるんです。」
「そうかい。そこのちょっと背の高い子が……?」
「はじめましてみやじまです。海上保安庁の巡視船でした。あの…あなた方は……?」
「俺たちは海軍犯罪捜査局通称ncisだよ。海軍関係の犯罪捜査、抑止、警備が仕事さ。昔の憲兵や陸自とかの警務官とかにあたるんだ。」
へぇー。そんなのもあるんだ。
「今日はもう遅いから早く寮に戻りなさい。」
「はい。ありがとうございます。お疲れさまです。」私達は軽く敬礼すると刑事さん達車内から敬礼してパトロールに戻った。
「刑事さんに言われちゃったし、寮に帰ろうか。」
私達は、少し酔いを覚まして寮に帰った。
翌週月曜日。いよいよ訓練開始だ。スケジュールは
一日目 応急訓練
二日目 陣形、射撃訓練
三日目 模擬戦闘
四日目 海賊鎮圧訓練、洋上補給訓練
五日目 総合演習
夜間は巡視訓練を行う
となってる。陣形なんて船の頃やった事なんてない。いつも単独行動だった。そして、洋上補給訓練なんて……。大丈夫だろうか。そんな不安がありながら、私達は、横須賀港を出航した。国旗が掲揚されている隣のポールに信号旗が上がってる。UW。航海の安全を祈る……。そうだな。安全に帰ってこよう。今度こそ。
海上保安庁は海の警察なのにどうして軍組織にいるのだという指摘を頂いた為一部書き直しました。すみませんでした。
最近更新が出来ずすみません。
2016/5/26追記
ひとまず、この作品はこれで。実は更新が途絶えたのは、大学受験とかでできなくなったんです。すみませんでした。
今後はある程度、話の方向性が固まったら、「巡視船娘になりました。その2」という感じのタイトルで投稿したいと思います。すみませんでした。
他の作品とちがって物語が読めぬ!!
速く続きが読みたいです!
とても面白そうですね!
更新を楽しみにしています!
シオリシテオキマシタ