比企谷「プライド革命」
SS初投稿です!
まず主人公は比企谷ですが、そんなに捻くれてません。めちゃくちゃ素直です。
キャラ崩壊注意です。思いつきで書いていきます。
時代は江戸末期という設定です!
しゃべり方は現代風です。
雪ノ下のしゃべり方は男っぽくなっております。
あるところに、剣道の道を極めようとする一人の若者がいました。
比企谷「ここが総武道場か…広いところだな」
比企谷(今日から剣道を学ぶため、田舎からやって来た)
比企谷「ちわっす」
比企谷(やっぱり最初の挨拶ってのは大事だからな。ぼっちにならんためにも元気よく行こう)
塾生1「 あ?」
比企谷(うわ、いかにもいかついのしかいねえ)
塾生2「誰だ、てめえ?」
比企谷「今日からお世話になる、比企谷八幡です」
塾生3「あー、そういや塾長がそんなこと言ってたな」
比企谷「よろしくお願いします」
塾生4「とりあえず塾長にあいさつしに連れていきますか?」
塾生3「そうだな。おい、お前が案内しろ」
塾生2「分かりました!おい…えー名前なんてったけ?」
比企谷「比企谷八幡です」
塾生2「比企谷だな、俺に着いてこい」
比企谷「はい」
比企谷(随分と若かったな。俺とほとんど変わらないんじゃないか。しかも胸もデカかったし。名前は確か…川崎さんだったかな)
塾生2「おい」
比企谷「あ、なんすか?」
比企谷(あぶねえあぶねえ。聞きそびれるところだった)
塾生2「入門祝いに稽古をつけてやる」
比企谷「いきなりですか?」
塾生「この道場じゃこれが当たり前なんだよ。それとも尻尾巻いて逃げるか?」
比企谷「…いえ。やります、稽古」
塾生2「じゃあ先に一本取ったほうが勝ちな」
比企谷「はい」
比企谷(俺だって田舎では結構強くて有名だったんだ。先に一本取ってみせる)
塾生3「それでは…始め!」
比企谷「はあああああああ!」ドンドン
塾生2「甘いわ!」バン
比企谷「がはッ!」ドシン
塾生2「これで一本…勝負ありだな」
比企谷(こんなにあっさりと…)
比企谷「も、もう一回。お願いします」
塾生2「いいぜ、かかってこいよ」
比企谷「はあああああああ」ドンドンドン
塾生2「軽いわ!」バシン
比企谷「くっ…!」ドシン
比企谷(駄目だ…勝てねえ……でも!)
比企谷「もっかいお願いします!」
塾生2「…もうやめとけ。お前の動きは単調すぎる。それじゃ俺に一本も取れねーよ」
比企谷「でも…!」
塾生1「そもそも才能ないんじゃねーのか」
塾生4「そんなはっきり言ったら可哀想じゃないっすか!」ハハハ
比企谷「………」
塾生2「とりあえず今日はおしまいだ。
明日から鍛えてやる」
比企谷「…はい」
塾生1「じゃあ比企谷はここの掃除やっとけよ!」
塾生3「俺達は先に飯食ってるからな」ハハハ
比企谷(ちくしょう…)
比企谷(田舎から出てまで剣道の道に進みたいと思ってたが…なんかアホらしくなってきたな)
比企谷「…くそっ!!やめてやる!!」
比企谷(駄目だ…どうしても感情的になってしまう)
雪ノ下「悔しくねーのかよ」
比企谷「あ?ってうおっ!」
比企谷(なんでいきなり木刀向けられてんの俺)
雪ノ下「悔しくねーのかよ」
比企谷「…いきなりなんだ、てめえ」
雪ノ下「馬鹿にされて悔しくねーのかよ!」
比企谷「……悔しくねーわけねーだろ」
雪ノ下「なら、俺と特訓しよう」
比企谷「…はっ?」
比企谷(結局流されるように一緒に特訓することになった)
比企谷「まずお前はつえーのかよ?」
雪ノ下「やってみたらわかんだろ」
比企谷「…そりゃそうだ」
雪ノ下「俺から一本取ったらお前の勝ちだ。いいな?」
比企谷(完全になめられている…)
比企谷「分かった…行くぞ」
雪ノ下「来い」
比企谷(かれこれ一時間近く打ち合ってるのに一本もマトモに取れねー!)
比企谷「……」ハァハァハァ
雪ノ下「今日の打ち合いはここまでだ」
比企谷「ちょ、まてっ!俺はまだ」
雪ノ下「明日。打ち合ってやるから今日は基礎から叩き直してやる」
比企谷「…分かった」
雪ノ下「うん…素直なのは良いことだぞ」ニコッ
比企谷「うっ…///」
比企谷(なんで男なんかに照れてんだ俺は…)
雪ノ下「どうした?」
比企谷「な、なんでもない」
雪ノ下「そうか、じゃあ基礎練始めるぞ」
比企谷「ああ」
比企谷(しばらく雪ノ下との練習を続けた。1ヶ月も繰り返すと、俺はぐんぐんと成長していった。それでも雪ノ下から一本も取れていなかった)
比企谷「うっ…!」バシン
雪ノ下「ふー」
雪ノ下「今日はここまでだな」
比企谷「くそっ!なんで勝てねーんだよ!」
雪ノ下「ふふーん。まあ、俺が強すぎるからな」
比企谷(事実だから言い返せねー…)
雪ノ下「でも、俺以外の塾生にはもう負けてねーじゃねえか」
比企谷「ああ、でも俺はお前に勝ちてーんだよ」
比企谷(今まで面倒見てくれたお礼に、とは言わねーけどな)
雪ノ下「俺にはかなわねーよなっ」ハハ
比企谷「うるせっ!明日は勝ってやる!」
雪ノ下「明日、か…」
比企谷「?」
雪ノ下「まあ、期待して待ってるよ」ニコッ
比企谷「……」ポリポリ
雪ノ下「あ、そうだ。今日の稽古が終わったらちょっと町に行かねーか?」
比企谷「町?」
比企谷(そういやこいつ稽古が終わったらすぐに家に帰ってるよな)
比企谷「今日は早く帰らなくていいのか?」
雪ノ下「ああ…今日は大丈夫なんだ」
比企谷「…そうか」
雪ノ下「で、どうすんだ?」
比企谷「…しゃねーな」
雪ノ下「ほんとか!?ありがとう!」ニコッ
比企谷(その笑顔は反則だろ…)
雪ノ下「じゃ、じゃあ着替えてくるからついてくんじゃねえぞっ!」
比企谷「はあ?行かねーよ」
雪ノ下「うおーーーーー!スッゲーーーー!」
比企谷「楽しそうだな」
雪ノ下「ああ!凄く楽しい!」
比企谷「今まで来たことなかったのか?」
雪ノ下「あ、ああ。忙しくってな」ハハ
比企谷「…そうか」
比企谷(何かあるのは確かだろうが、詮索するのは野暮かな)
雪ノ下「今度はあっちいってみよーぜー!」
比企谷「あ、ちょっとまて!」
雪ノ下「あ、これって!」
比企谷「ん?ああ風車だな」
雪ノ下「とても…綺麗ね」
比企谷「はっ?」
雪ノ下「い、いや!ちがっ!なんか形が綺麗だなって!」ハハハ
比企谷「…?」
雪ノ下「…うん。やっぱ綺麗だな」
比企谷「買わねーのか?」
雪ノ下「今持ち合わせがないんだよなー」
比企谷「…ちょっと待ってろ」
アリガトゴザイヤシター
比企谷「ほれ、雪ノ下」フウシャ
雪ノ下「え、なんで!?」
比企谷「いつもお世話になってるお礼だ。それにそんなに高くねーしな」
雪ノ下「あ、ありがとう!大事にするよ!」
比企谷「……」ポリポリ
比企谷「あ、あっちの方も行ってみよーぜ」
雪ノ下「うん!」ニコッ
比企谷(男とは思えねーほどかわいいな…とは言わない)
由比ヶ浜「あれ?ヒッキーじゃん!」
比企谷「時代感が無くなるからその呼び方やめろ由比ヶ浜」
雪ノ下「…その子は誰だ?」
比企谷「ん?ああ、ちょっとした知り合いの由比ヶ浜っていうアホの子だ」
由比ヶ浜「アホって言うなし!
てかその人誰?」
比企谷「こいつは雪ノ下。俺の稽古をつけてもらってる」
雪ノ下「…よろしく」
由比ヶ浜「ううん!こちらこそ!よろしくね!」
雪ノ下「一つ聞いてもいいかし…いいか?」
由比ヶ浜「なに?なんでも聞いて!」
雪ノ下「比企谷と付き合ってんの?」
由比ヶ浜「へっ!?そ、そんなことないよ!こんなやつと付き合ってるわけないじゃん!」
比企谷「こんなやつは余計だ」
雪ノ下「…そう。ありがとな」
由比ヶ浜「うん?別にいいよー」
比企谷「…なんで不機嫌になってんだ?」
雪ノ下「…別に。不機嫌じゃない…じゃねーよ」
比企谷(さっきから仏頂面なくせにどこを見たら不機嫌じゃないと言えんだよ)
比企谷「俺の知り合いに女がいたのがそんなに羨ましいか?」
雪ノ下「っ!ちげーよ!ばか!」ゲシゲシ
比企谷「痛いから!けっこう真面目に痛い!」
比企谷(それから路地裏にある猫と一時間ほど戯れていた雪ノ下は、ようやく機嫌を直したのだった)
雪ノ下「もう日が暮れるな…」
比企谷「ああ。そろそろ帰らねーとまずいんじゃねーか?」
雪ノ下「ああ…」
比企谷「………」ポリポリ
比企谷「明日こそ勝ってやるからな!」
雪ノ下「へっ?急にどうしたんだ?」
比企谷「…なんとなくだ」
雪ノ下「…ははっ。そうだな。明日もまた朝練だな!」
比企谷「だから…逃げんじゃねーぞ」
雪ノ下「…分かってるよ。じゃあ俺は帰るわ。じゃあな!」
比企谷「ああ」
比企谷(あいつ…遅いな)
比企谷(いくらまっても雪ノ下はやって来なかった。憂さ晴らしに町の方に行くことにした)
比企谷「なんで来ねーんだ、あのアホは…」テクテク
由比ヶ浜「あ、ヒッキー!」
比企谷「だからその呼び方…」
由比ヶ浜「そんなことより聞いた?ここら辺を纏めてた大名の子どもが、身分を偽って城の外に出向いてたんだって。
でもそれが見つかったらしく、連れ戻されそうになってるのを誰かが見かけて、町じゃもっぱらな噂になってるらしいよ!」
比企谷「…子ども?それって俺に近い年齢か?」
由比ヶ浜「うーん…分かんない」
比企谷「まさかな…」
由比ヶ浜「ヒッキー?」
比企谷「すまん、由比ヶ浜。急用が出来た。
また今度な」タッタッタ
由比ヶ浜「う、うん」
比企谷(気のせいだと思うが…確かめるだけ確かめるか)
比企谷(そういや俺、あいつのことほとんど知らねーな)
《城の付近》
比企谷「…あれは」
比企谷(多くの役人が何かを囲んでいる)
??「んー!んー!」クチオサエツケラレ
比企谷(いや、誰かを捕まえてるかのようにも見える)
比企谷「……!」
比企谷(一瞬だけ見えたその姿は見覚えがあった)
比企谷「ゆ、雪ノ下!!」
雪ノ下「んー!」
比企谷「てめえら!なにしてんだ!」
役人1「なんだ?」
役人2「おい、さっさと行くぞ」
役人1「あ、分かりました」
比企谷「待てって言ってんだろ!」
役人3「おい、貴様無礼だぞ!ここをどこだと思っているんだ!貴様のような平民が勝手に入ることが許されると思っているのか!」
比企谷「っ…!」
比企谷(その時、雪ノ下と目が合う。
雪ノ下の目は
泣いていた)
比企谷「雪ノ下ぁぁぁぁぁぁ!」
比企谷(気がついたら俺は自分の愛用の木刀を手に握りしめていた)
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