こみゅにけーしょんぶれいくらいふ
小説初心者です
自分の学校生活を書きました
俺ガイルの比企谷八幡のようだとよく言われます
内容をちょっと引用させてもらってます
※実際は全くモテないしイケメンでもないです
ちょっと夢見たかったんです許してくださいっ!
誤字脱字とかあるかもしれないです許してくださいっ!
「--くん。」
目の前にいる女が、窓から入ってくる夕日に負けないくらい頬を朱色に染めながら、ゆっくりと口を動かし言葉を放つ。
「好きです。付き合って......
「わりぃ、それは無理な話だ」
即答だった。例え相手が容姿端麗友達三桁、多趣味多特技完璧超人であろうとも、オレの答えは決まっている。
「そ、そうだよね、ごめんね」
「あぁ、じゃあな」
そう言い放ち、目に涙を浮かべる女に背を向け、家路に着いたのだった。
翌日、まだまだ重たい瞼を強引に開きながら登校。オレの通う県立八頭高校は市内から離れた所にあり、オレの家から片道10㎞程。チャリ通であるためものすごく疲れる。そのため、朝はいつもテンションが低い。まぁ朝だけの話ではないのかもな。とにかく朝は特に人と関わりたくないのだ。
自転車を漕ぎ続けること一時間。やっとの学校に到着し、一息つこうと考えているとき。
「お、湯川じゃないか。ちょっとこっちこい。」
先生が誰か知らない人を呼んでいる。
「湯川!おい湯川聞こえてるのか?!」
おい湯川君。先生がお怒りじゃないか。早く行ってあげろよ。オレには関係ないからとっとと教室に上が...
「湯川」
誰だオレの肩に手を置きやがった野郎は。まぁいい、今日はちょっと機嫌がいいから無視してやろう。
「お前なぁ、無視するんじゃねぇよ。これは制裁が必要かな?」
こいつ、後ろに控えている教育委員会が怖くないのか?ただ、オレは痛いのは苦手だ。ここは素直に反応しておこう。
「あ、先生。居たんですか。気づきませんでしたすいません。どうかしたんですか?」
「君、私の事無視してたね?どういうことかな?」
「え?無視なんてしてませんよ」
「私の存在には気がついていただろう?」
「はい。先生が知らない生徒の名前を大声で連呼してましたね」
「そうだな。確かに君の名前を連呼していた」
「すいません。ボク湯川なんて子知らないので。それでは」
「あ、ちょっとまて!」
後ろで先せ...知らない人が騒いでるが気にしないで行こう。遅刻してしまう。
廊下を歩きながら、ふと空き教室を覗くと、窓に映った誰かが見えた。オレはこいつを知っている。名前は湯川涼太。そう、おれ自身だ。整った顔だちに手櫛がすんなりとおるようなサラサラとした長めの髪の毛。身長は高めで少し細身の体つきだ。俗に言うイケメン(笑)っていう奴だろう。
--ただ1つ、この腐りきった目を除いて。
目付きの悪い三白眼。ハイライトがなく淀んだ目は、間違いなく人に恐怖心を与えるだろう。だが、先程も言ったように目を除けばイケメン(笑)なのだ。この無駄に整った顔だちのせいでよくモテる。昨日も告白されたっけ。告白された回数はドラ○エのモンスターの数くらいいるのではないだろうかと疑念を抱くほどである。そのせいか、男は妬み、女は恋人になることしか考えていない。だから、オレには友達がいない。どこぞの隣人部員とは違う。少ないのではなく、いないのだ。
まぁ、友達なんていらないよな」
「なんでそう思うの?」
「!?」
びっくりした。てかまた口に出してたの?やっべ、口癖になってる。
「か、関係.......ない...だろ」
「え?」
コミュ障だよ!悪かったな!
どうやら聞き取れてないようだが知らん。とっとと教室に行こう。
「あ、ちょっとまってよ!」
というより、誰なんだこの女は。どうせまた、オレに気があるからとかなんだろ。面食いなんてのはただ、イケメンと付き合っているというステータスが欲しいだけなのだ。その事を知ってからオレは--
「悪いが、オレは女が大嫌いなもんで」
「そうなの?」
「あぁ、関わらないでくれ」
早く行ってしまおう--あら、もう教室の前まで来ていたのか。
「私、宮本えりお。よろしくね」
「話聞いてたのか!?」
もう、無視しよう。さすがに教室の中まではついてこないだろう。
「ねぇ、湯川涼太君...でしょ?」
「お前、ここ教室だぞ?」
「そうだね。同じクラスだよ」
---え?
一昨日は始業式。オレは高校二年生になり、クラスも変わった。なのでクラス内の奴はほとんど知らない。まぁいい、あまり関わらないでおこう。早く席に着いて読みかけのラノベでも読んでおこう。
「.......おい」
「なに?」
「まさかとは思うが、お前の席って
「そうだね、ここだよ。隣同士」
なんでニコニコしてやがるんだ。最悪だ。女の笑顔は作り笑いだ。朝から気持ち悪いもん見てしまった。
「厄日だ...」
何より最悪なのは、これから3ヶ月程この人の話をろくに聞かないくせにやたら話をしたがる女の隣になってしまったことだ。くっそ、一昨日は窓側端の席一番後ろだって浮かれてたのに。
「これからよろしくね、湯川君」
いつもなら無視。だがこの女、返事しなければいつまでも話かけてくるタイプだな。一番面倒くさい。が、対抗策はちゃんとある。
「あれ、寝てる?」
そう、睡眠だ。狸寝入りも得意である。こういったタイプの野郎は無視せざるを得ない状況を作れば静かになる。
「湯川君ってベッド派?布団派?」
あはははははwおもしれぇなこいつwwww寝てる奴に話しかけるなんて初めてだwだが、こっちは寝てる(ことになってる)んだ。遠慮なく無視で。
「..............」
おっ、静かになったな。さすがに諦めたか。
チラッと宮本...だったか、顔を見てみると
「っ!?」
なんで!?なんで笑顔でこっち眺めてんの!?こいつ、さては変質者だな。
--ん?こいつの笑顔..........
オレはいろんな奴の笑顔を見てきたからわかる。こいつのこの笑顔は--
「なぁ、お前...」
オレは起き上がって、思わず声をかけた。
「あ、湯川君。私、..........」
この曇りない笑顔は--
「湯川君と友達になりたいんだけど」
下心のない笑顔だ。
オレは、別に人が嫌いというわけではない。ただ、人とコミュニケーションをとることが苦手なのだ。
もともと、性格としてコミュ障があげられる。そのうえ、この目付きの悪さにお不良(笑)と間違えられ、向こうから関わってくることはまずない。関わってくるとすれば、おうおうにいちゃん金持ってる?と、いかにもバカ丸だしなクズくらいだろう。
人と関わらない。即ち、コミュ障も改善されない。完全に悪循環、負のスパイラルだ。そして、いつしかコミュニケーションを嫌うようになった。
必要でないならやらない、必要ならば手短にすます。そう繰り返すうちに、余計に目からハイライトが抜け落ち、親にさえいつも下衆だと言われるようになった。まぁ、自覚はあるし反論もしない。むしろ、下衆の極みだと自負するようにもなった。
オレは、そんな捻くれ者だ。だから、女が寄ってきた瞬間にステータス目当てだと気付いた。
オレの内面を知ってるやつなんていないだろう。それは、オレが演技を決め込み、内面を意図的に隠してきたからだ。さらけ出すような相手もいなかったし、別に理解者が欲しい訳でもない。つまり、関わってほしくないの。
先に女嫌いだと言った。が、特に女が嫌いな訳であり、男ならいいというわけではない。
クラスに必ず一人はいる、圧倒的カリスマ性を持つ奴。日陰者のオレにさえ話しかけてくる鬱陶しい奴。そんな奴の思考は分かる。大方、ぼっちにも優しくする俺/私って超いい人、くらいの考えだろう。
はっきりいって、迷惑だ。オレは望んで日陰にいるんだ。それを、高々卒業すれば関わることのないような奴等の人望を得るために利用されるなど、許せん。
やっと、理解不能な行動の意が分かったときから、オレは"優しい人"が嫌いになった。まぁ、よく考えればわかることだったんだ。それが別ってない奴に異性が優しくなんてするから、変な期待を持つ。ぼっちなんかに優しくする奴なんだぞ?他の奴にも優しいに決まってるじゃないか。
だからオレは、期待はしない。そんな奴等と関わりたくない。理解し合いたくない。というより、できない。だからオレには、友達がいない。
--そのはずなんだが.......
「湯川君」
「なっ、お前.......!?」
「やっぱり湯川君だ、やっほー!」
「ちっ、よりにもよって休日にこいつに会うなんて」
やっぱり外になんて出るもんじゃないな。休日は家でごろごろしとくのがベストだ。が、今日はどうしても外に出る用事があった。新作のライトノベルの発売日、オレは発売初日に買うことを決めている。
「こんなところで何してるの?」
こんなところ--ここは『AEONーアエオンー』というショッピングセンターだ。オレはここの書店で本を買っている。
無視だ。無視しよう。
この女、宮本えりおだったか、こいつのせいでオレの高校低燃費生活が崩れ去ろうとしている。さよなら、オレの安寧。
--いや、諦めてたまるか。一年間守り続けたんだ、絶対に捨てん。そのためにもこの女を排除せねば。
排除といっても別に殺すわけではない。 関係があるから情を抱く。それが、好きであろうと嫌いであろうと。それに悩みを抱えるなら、それ自体を壊してしまえば悩むことはなくなる。逃げちゃダメだなんて思わない。それを強いることこそが間違っている。
だから、イジメが起こる意味がわからない。嫌いなら関わらなければいいのに、あえて嫌がらせなどをすることにより関係が生まれ、結果さらに嫌悪感を抱く。そんな行為のどこに意味があるのか。
人は、自分が傷つかずに他者を攻撃することが本能的に好きである。それがイジメの原因だ。全ては人の醜さにある。
先人の知恵というものは人生の糧と言うものだ。古来中国より読んで字の如く。例えば囚人という字を考えてもらいたい。何に見えるだろうか。答は鏡に映った人だと思う。
古人曰く、 人の振り見て我が振り直せ。他人の行動を見て、良いところは見習い悪いところは改めろということ。つまり、自分の利益しか考えていない。
何故間違った事をしてると思うなら正してやらないのか。他人とは自分以外の人、つまり友人、親族なども含まれるだろう。知人ならまだわかるが、お友達(笑)などには言わないのだろうか。友達(笑)だから言えない?それは友達(笑)ではないだろう。今一度友達の定義を考え直せ。仮にも友達(笑)なら--いや、友達だからこそ言ってやるべきだろう。
ちょっと私事で話がずれたな (・ω<)?てへぺろ。冗談は置いといて、話を戻そう。つまり言いたいことは他人がどうであろうと自分だけは正しくありたいと思うのが人間だ。
喧嘩がいい例だろう。相手が間違っていると思うから喧嘩になる。間違っている=自分の意見と違う。即ち、自分の意見の正しさを押し通そうとするのが喧嘩の原因だ。
人とは醜い生き物だ。極端な例を出そう。女とは優生思想により、新しい命すらダシにできる。
さっきの囚人という字、悪人という醜いイメージのあるのではないだろうか。つまり、鏡に映る人--つまり自分の醜さを表していないだろうか。
だから、目の前にいるこの女も表面上はいい奴に見えても中身は醜いのだ。例え友達という名義であっても関係を持たない。
「ねぇ、湯川君?」
「.......無視無視」
「なんでそんなに目がイッちゃってるの?」
「んだとコラ......」
あぁ、オレも弱いなぁ。こいつが挑発なんて高度な事ができないのはわかるのに、反応してしまう。
「あ、やっと反応した」
「なんのようだ」
「いやぁ~、たまたま見つけてさ、寝癖立ってるよって教えようと思って」
「なに.......」
ホントだ、立ってる--
「って、そんなことのために話しかけてきたのか」
「そうだけど?」
「なんでコミュ力高い奴はどうでもいいようなことを言ってくるんだよ」
「ふっ....... 」
「なんだよ」
「コミュ力たったの5か.......ゴミめ」
「女子力0が何言ってやがる」
「普通に会話できるじゃん」
「これを会話だと思うのか?」
「違うの?ちゃんと答えてくれるじゃん」
「違うな。オレは罵倒ならできる。ついでに決まり文句の復唱もできるから接客業も可能だ」
「へぇ~、将来のこと考えてるんだ」
「まぁ、それなり...になら.......」
「本当にコミュ力ないんだね」
「うるせぇ!」
「あのさ、ちょっと相談したいことがあるんだけ
「なんで敢えてオレなんだよ、他に頼り概のある奴いるだろ」
「そうでもないよ.......って、あれ?今普通に喋った?」
「あ?あぁ、これも決まり文句みたいなもんだ。無駄に頼られるからな」
「というわけで、相談に乗ってもらいます」
「嫌だと言ったら?」
「ふっ、お前に拒否権なんてねーんだよ」
「なにドS風に言ってんだ、気持ち悪い」
「んでさ、相談ってのが...
「断る」
「私、実はもうちょっと覇気が欲しくて
「話を聞け!まずそっからだ!お前とは会話になる気がしない!」
「できないでしょ?」
「なんでオレのせいみたいな口調で言うんだ」
「それで、なんだか怖いオーラ丸出しの湯川君の元で修行をしようと思ってさ」
無視かよ、はぁ、無視されるってけっこうつらいんだな。次からは無視せずに睨んで追い返そ。
「んで、さっき、なんか髪が黄色い男の人が二人『ねぇ、そこのねーちゃん一人?今暇?』って聞いてきたのね」
「黄色じゃなくて金な、金髪」
「まあ暇だったから、一緒に遊ぼうって言われてついていったの」
「なんでそこでついて行く.......断れよ」
「フードコートに連れていってもらってさ、お腹いっぱい食べさせてくれたの」
「ただのナンパだな」
「それでさ、もうその人達に用がないから、一人でゲームセンターに行こうとしたんだけど、殴られかけたんだよね」
「そりゃそうだろ」
「怖かったから逃げてきちゃった☆」
「いやいや、きちゃったじゃねぇよ」
「けっこうしつこく追い回してくるの」
「.......」
ヤバイ、こいつから相談って時点でフラグだったんだ。絶対面倒事に巻き込まれる。そうなる前に逃げよう。
「あ、湯川君の後ろ...」
いるんですね。遅かったか。もう泣きたい。
「トリピーがいる!」
「は?」
後ろを見ると確かに、鳥取県のマスコットキャラクターのトリピーだ。こいつまだ流行ってんのか。
「今日はトリピーに会うために来たんだよね」
「ふっ、ガキが」
「トリピーをけなしたら許さないからね」
どうでもいい、今のうちに逃げてしまおう。ちょうどこいつもトリピーに夢中になっているし、チャンスだろう。
その後オレは本屋に来た。ここはライトノベルの揃いがいい。立ち読みも可能だ。すでに一時間は過ぎている。が、本に集中できない。理由はわかっている。フラグが立っているのを予感したのに何も起こらないから。あいつに出会わない限り巻き込まれることはないのだが、心配で落ち着かない。すぐ帰ろうかと思ったのだが、求めていた本が売り切れていて、在庫を調べてもらっているのだが、長い。
それに尿意が我慢できそうにない。便所に移動すると宮本に捕まりそうで動けない。
それにさっきから
「オラァァ!待てやテメェェェ!!」
--近くで誰か叫んでるんですけど!移動できないんですけど!だが、移動しなければならない。あの女は神出鬼没、ここにとどまろうが隠れようが捕まる自信がある。ならいっそ、移動したほうがいい。
「あ、湯川君みっけ!」
ふっ、分かってたよ。こうやって決断したときに限って捕まるなんて分かりきってたこと。なぜならフラグが立ってるから。
「お.....おぉ、お前どこいってたんだよー」
「あれ?私がトリピーと遊んでる間に湯川君がどっかいっちゃったんだよ?」
「あー、そうだったっけか?すまんすまんー」
「あ、それでさ、なんかさっきの変な男の人たちが.....」
「み、宮本。ちょっとトイレ行ってくるわー」
「あ、ちょっと!」
よし、逃走成功。こう見えて演技は得意な方なんだ。このまま逃げさせていただきます。あ、でもトイレは行っておこう。我慢の限界だ。
よし、用は足したしとっとと帰ろう。--ってなんでトイレの出口で待ってんだあいつは!これじゃ帰れないぞ、どうする。
「おいコラ、お前そういうことは食い逃げって言うんだぜ?」
「わかってんのか?俺たちに金使わせたんだから、ちゃんと遊んでくれなきゃ困るんだよね」
絡まれてんのかいっ!よけいに帰れないぞ。あと食い逃げとは少し違うぞ。どうすんだよ、くそ。
「.........orz」
--泣いてる、のか?何故だか知らんが、相当困っているのだろう。助けてやろうか.....
「そんな.....私、体でなんて払えないですorz」
「「「何言ってんだお前!」」」
「あ?誰かいるのか?」
やっべ、思わず声を出しちまった。何考えてんだこいつは。
「まぁいいか」
「そうだな、それに体ねぇ。体で遊んだ方が楽しいかもね」
うわっ、ニヤニヤしやがって気持ち悪いな。だが、これはほっとけれん状況になってきだぞ。しかし、オレは助けない。面倒事に巻き込まれたくないしな。そもそも、食い逃げ(※ちょっと違います)するこいつが悪いのだ。
「じゃあ一緒に来てもらおうか」
「嫌です」
「拒否っても逃げられないよ~」
「やめてください!」
--それで本当に見捨てていいのか?曲がりなりにも知り合いでありクラスメートだ。ここで目をつむったら後悔するだろう。
「離して!」
「ほら、周りのお客さんの迷惑だから」
「ちょっと静かにしてね」
「周りのお客さんの迷惑だからそこ退けコラ」
こういうときに目つきの悪さは役に立つ。三白眼を最大限に生かしてメンチ切ると自分でもビビるからな。
「ついでにお前らも静かになれ」
「湯川君.....」
「あ?誰だお前」
「お前難聴か?そこの女が今言っただろうが」
「そういうことじゃねぇだろ」
「お前はこいつの何なんだって言ってんだよ!」
「なら最初からそう質問しろ」
オレは宮本えりおの何なのか、ね。
「どこに拉致るつもりかは知らんが、警備員さんが来ないうちに解放しとけや。こいつ、泣いてるだろうが」
「関係ないだろ、邪魔すんなや」
「人が他人の邪魔をするのは、人間が元来等しく持ち合わせている悪意ってやつのせいだ。仕方ないだろう」
「何言ってやがんだ」
「理解力の乏しい奴とは会話にならんな。」
「んだと!」
「あと、女の泣き顔が嫌いでな。キモいし汚いし、見苦しいことこの上ない。それを見ないでいられるなら.....」
オレが宮本えりおの何であろうと、
「オレはなんだってする」
「湯川君」
また泣き出しやがった。泣かせないためな出てきてやったってのに。
「だから--」
こいつの泣き顔を見ないためには、目の前のこいつらをどうにかするしかないようだ。
オレは静かに、そして強く
「宮本を、返せよ」
そう言って、目の前の男から宮本を奪いとり、右腕でしっかりと抱き込んだ。
..........帰ったら体5回は洗おう。
「はいそうですか、って返すわけねーだろ」
「そいつは俺らの金使っといて、逃げようとしたんだぜ?」
「逃げたんじゃなくて、遊び終わったからオレを探してたんだ。もともとオレとこいつは待ち合わせててオレも探してた」
ま、嘘だがな。
「ようするに、人の女に手ぇ出してんじゃねぇよ」
オレの人生で口にしたくない言葉ベスト5に入るタラシ発言に男たちは怯んでいる。こんなこと、そこらのヤンキーが言っても調子に乗るなと返すんだろうが、オレには無理なようだ。前にも話したとおり、顔立ちはいいのだ、目を除いて。その目で睨んでいるからこそ、今の状況だろう。このまま押しきったら勝ちだ。
「まぁ、今回はついていったこいつも悪いし許してやるから、お前らもオレに免じて許してくれねぇかなぁ?」
ニヤッ、と一笑み。 これぞ言葉を扱った平和的解決。まだオレの安寧は生きている。
「.....許せるわけねーだろーが!」
「金返せやボケ!」
話聞いてたのだろうか。やっぱりオレの安寧は死んでしまうようだ。
「確かに、日本は資本主義国で金が大事なのは分かる。だからもう一度だけ、忠告するな」
そしてオレは最大限に殺気を溢れ出させ、チラッと護身具である刃物を見せつつ
「それを勘弁してやるからおとなしく帰れっつってんだよ。死にたいのか?」
脅した。さすがにこれには耐えられなかったようで、すぐに逃げ出した。よかった、今度こそオレの安寧は死んでいない!
「湯川君、ごめんね」
「そりゃ何の涙だ。嬉し泣きか?悔し泣きか?いい加減泣き止め」
「うん、ごめんね」
「いいから謝るな。本当に悪いと思うなら金輪際オレに関わるんじゃねぇ」
「そういえばさっき何か刃物みたいなのが見えたんだけど」
「そこは無視するところじゃないだろう。それに、これは護身具だ。銃刀法違反ではない程度だから大丈夫だ」
「まさか湯川君が助けに来てくれるとは、思ってなかったよ」
「お前、自分で質問しといて無視はないだろ。それはただの気まぐれだ」
「湯川君は何で本屋にいたの?」
「あのな.....もういいや」
--ん?本屋..........忘れてた。早いとこ買いに行こう。
「で、なんでついてくるんだ?」
「ただの気まぐれだ」
「イラッ」
「ふふふ(^^)」
嬉しそうな顔しやがって、やっぱ助けなきゃよかったかなぁ。まぁ、もう解決したんだし気にしなくていいや。
「すいません、在庫頼んでたんですけど」
「あぁ、君の探してた在庫はさっき売れたよ」
「は?」
「ひっ!?」
何ビクついてやがる。こいつ、どう料理してやろうか......。
「湯川君」
「あ?」
「おつ!(・∀・)ノ」
うっぜぇ!!
「何がおつだ!てめぇのせいで面倒事に巻き込まれて買えなかったんだろうが!どう責任とる!」
「他の本屋で買えばいいじゃん」
--なんだろう、このやるせない気持ち。このアホに諭されるとは。オレ死のうかな。
「あ、私そろそろ帰らなきゃ」
「あー、帰れ帰れ。」
「湯川君、ごめんねばかりで忘れてた」
「あ?何を?」
「ありがとね」
「..........ふん」
お礼か、何年ぶりだろう。オレは今まで人を避けてきて、感謝されるような事はしてこなかったからな。なんというか、宮本と出会ってからオレの何かが変わった気がする。これまでのオレなら人助けなんて絶対しないし、ましてや女を抱きとめるなんてあり得なかった。
--今思い出すと恥ずかしいな。なんてことしてんだオレ。
「ん?いつまでつったってんだよ、帰らねぇのか?」
「あ、うん。雨降ってるみたい」
「なに?やべぇな傘持ってきてない。買うか」
「私、お金ないんだよね」
「2本も買う余裕ねぇよ」
オレの何が変わったのか。この変人に何を変えられたのか。よくわからない。が、人が隣にいるって事は案外悪いことじゃないのかもしれない。
「.....1本は買うから、入って行けよ」
「いいの?」
「駅までだろ?送っていくから」
「ふふ」
「何が可笑しい、入れてやらねぇぞ」
「いや、湯川君て優しいんだね」
この捻くれ者のどこに優しさがあるのだろう。目の前に困った知り合いがいるのに助けるのが当たり前ではないだろうか。今までは助けるような相手がいなかったからやらなかったが。
「べつに、お前が一人で帰ってさっきの奴等に何かされたらどうすんだ。それに、お前が風邪引いたら困るんだよ」
「何で?」
「お前は風邪ウイルスをもっていても発症しない。何故ならバカだから。そのお前が登校してきてオレの隣でべちゃくちゃ喋るだけでオレは風邪発症。何故ならバカでないから。」
「捻デレ?」
やめろ。どこぞのビッチにこう呼ばれている真の捻くれ者の気持ちがわかる。
「いいから、帰るぞ。汽車遅れたらどうすんだ」
「はーい!」
オレは違和感を感じていた。それはいい意味なのだろう。コミュニケーションに不快を感じなかった。それは、宮本の前では一般人と同じように会話をしたからだと思う。
オレは宮本に、低燃費生活とともにコミュ障も変えられている気がする。これから先、少なくとも1年はこいつと学校生活をともにするのかと思うと、1年後、オレが受験生として高校最後の年を迎えるとき、今の生活とどう変わっているのか、想像してみる。
今日は必死になって守った安寧さえも、変えられていそうだな。その生活に慣れた自分は想像しがたいが、悪くないのではないかと思う。
--いや、やっぱ無理だわ。ナニコレ、新学期始まって2週間たたないのにこの疲労感は。やっぱり安寧は捨てられん。オレは低燃費生活を貫き通すぞ!
「あ、湯川君おはよう」
「あぁ、にゃんぱすー」
でも、最低限の会話はできるようになっても損はないか。そこは妥協しよう。
コメント受付てます
どんどん指摘してください
キャラが喋る
↓
主人公が自分の心情を述べる
↓
キャラが喋る
↓
ループ
このワンテンポな気がする。
もうちょっと心情だけでなく周囲状況の表現などを付け加えてみてわ?
または思い切って主人公の心情は心情で、その他の表現は表現で書いてみてはどうでしょう?
素人の意見なのであまり参考にならないかもです。
主人公や相手の表情、周りの情景などを文章にしてみたらどうでしょう?
こみゅにけーしょん!
コメントありがとうございます
やはり一人称視点はよくないですか
次回作はキャラを増やし、各キャラに感情移入してもらえるよう努力します