【安価】【艦隊これくしょん】提督と六人の艦娘
2ちゃんねるの安価スレから触発されて自分も何か書いてみたくなりましたが、スレを立てられないので、こちらのほうで書いてみようと思いました。コメントのコンマから好感度を計数するやり方です。
史実には全くと言ってもいいほど造詣が無いので、ご容赦下さい。良ければいろいろと教えて下さると助かります。
提督が六人の艦娘と仲を深めていく過程を描きたいと思います。何故六人かというと、六人は一艦隊分でキリが良いからです。
2ちゃんねるの安価スレを意識した作りにしています。
グロは無しです。エロはありです。
サンタマリアさん、コメント(2015-08-26 18:21:10)ありがとうございます! では、さっそく始めます。
二番目の安価の内容は、アテナさん( 2015-08-27 16:34:01)のコメントにより決定いたしました。ありがとうございます。
なお趣味の欄が空欄になっていたため、自己判断で補正をしました。
【提督の身長】180cm
【漣の年齢・身長・性格・趣味】13・146cm・ツンデレ・無趣味
【大淀≒任務娘の年齢・身長・性格・趣味】18・163cm・提督に厳しめ・読書
【明石≒購買娘の年齢・身長・性格・趣味】20・164cm・提督に甘い・工作全般
【提督には妖精が】見える
三番目の安価の内容は、大和撫子さんのコメント( 2015-08-31 19:37:51)(2015-09-01 20:06:30)にて決定しました。ありがとうございます。
バスト・ヒップサイズ
【漣】 B:76cm(C) H:75cm
【大淀】B:82cm(B) H:82cm
【明石】B:85cm(D) H:82cm
提督について
【学生時代の得意科目】英語
【好きな飲み物】ウォッカ
【人に自慢できる特技】将棋
【外国への留学経験】無し
【提督の寝つきの良さ】51(平均的・何の問題も無し)
[chapter0: 提督の性別/性格/特徴/長所/短所/性格 攻略対象一番目(初期艦の中から) 攻略対象二番目(駆逐・軽巡・重巡) ]
1コメ目で決定します。
提督の
【性別】
【性格】
【特徴】
【長所】
【短所】は?
また、
【一番目(初期艦の中から)】【二番目(駆逐・軽巡・重巡)】の艦娘は? 一番目と二番目の好感度は同じコンマから計数します。
最後に、攻略対象以外の艦娘(駆逐・軽巡・軽空母・重巡)を三人お願いします。後に攻略対象にも指定できます。
※
提督は
【性別】男
【性格】強気だけど優しい
【特徴】超筋肉質
【長所】頭がいい
【短所】体力がない
一番目:漣(好感度:10) 二番目:島風(好感度:10)
他三人:夕立 時雨 北上
に決定いたしました!
=====
[chapter1: 提督の着任 初期艦 新米中佐のお仕事 ]
一台の大型トラックが、砂利道に轍を引きずりながら、丘の上を進んでいた。軍用の車両ではなく、運送会社の名前が車体に赤いゴシック体で印字されているごく普通の貨物車両である。トラックの走る二車線分の幅の砂利道は、御世辞にも整備が行き届いているとは言えない。この道が延びていく先、丘を越えた先には一つの建物があった。それは言い換えれば、建物が一つしかないということでもある。
時おりトラックの車輪が大きな石に乗り上げて、車体をがくんと揺らし、そのたびに運転手の男はおおっ と声を上げる。助手席に座っている男は、車体が揺れようと揺れまいと一言も喋らなかった。最も、運転手の雑談には応じるので、まるっきり不愛想というわけでもないが、五時間も隣に人がいるにもかかわらず、自分から何かを話すということが無かった。
「いやあ、ごめんねあんちゃん。揺れるだろう」
ねじり鉢巻を額に巻き付けた運転手が、自分の左隣にいる軍服姿の男に話しかける。
「大丈夫です。このくらいの揺れには慣れていますから」
軍服姿の男が答える。首都圏にある駅からこのトラックの助手席に乗りつけてから、この男は前しか見ていないということに、運転手はふと気がついた。高速道路のパーキングエリアに寄って自分が軽食とコーヒーを買いに行き、用を足し、トラックに戻ってきてからも、この男は腕を組んで前を向いていた。無言の状態にちょっとした気まずさを覚え、カーラジオから流れてくるパーソナリティ同士のやり取りを背景に、自分が何かしらを話しかけ、時には顔をそちらに向けたときも、男は前を向いたままだった。いや、こちらに視線を向けることはあった。ただ、顔は前を向いていたままだったっけ。
「あんちゃん、軍人さんだったっけ。やっぱりじゃあ、戦車とかにも乗ったことはあるの? 揺れるだろう、あれは」
どんどん後ろに流されていくまばらに敷き詰められてた石を一緒に見ているだろう相手に、運転手が話しかける。その直後、左側の車輪が拳より一回り大きめな石(色合いが砂利道と一体化していたため、運転手は気づかなかった)に乗り上げ、ひときわ大きな揺れがトラックにもたらされた。
助手席の男は、車体が揺れると同時に、乾いた笑いを発していた。それに運転手は気が付かなかった。揺れによる大きな音と、運転手のおおっ という声が、ちょうど同じタイミングで被さっていたためだ。
「私は海軍の者ですよ。戦車など、ろくに実物を見たこともありません」
助手席の男の声は、今度は運転手にも聞こえた。
「おおっと、馬鹿なこと聞いちまったなあ。よりによって、提督さんに戦車だなんて」運転手は利き手ではないほうの手で頭を掻いた。自分でも、何故こんなことを聞いたのだろうと内心では苦笑を禁じ得なかった。左手にいる男の素性など、とうに知れているというのに。「面目ねえ。ちょいと俺ぁ、忘れっぽいもんでね」
「いえ。ところで運転手さんは、ここに前にも来たことはありますか?」
「おお、おお。軍のお偉いさんがたの依頼でなんべんも来てるよ。そんときゃあ他のトラックも何十台と来てたっけなあ。結構な大所帯だったよ、ありゃあ」
トラックは丘のてっぺんあたりに差し掛かるところまで進んでいた。運転手はあまりのさりげなさに、隣に座っている軍服の男が自分から話しかけてきたということに、遅れて気がついた。
「鎮守府の改築工事のための資材の運搬、でしたっけ」
「おお、そうよ。やっぱりその話、聞いてんの?」
「中将殿から聞かされています。当鎮守府の改装工事の指示を出した方から」
「あんちゃんがこれから任務に就く場所な、ありゃあ結構年季の入った建モンだったよ。ちょいと俺も中に入ったんだけどよ、なんつうの、昔を思い出すというか・・・・・・」運転手が言葉を切った。そして、思い出したように言った。「そうそう、学生だったときを思い出したな。学校みたいな感じだったよ、あそこは」
「学校、ですか」軍服姿の男が言った。この男は、低く通る耳触りのいい声を持っていた。引っ切り無しに砂利を踏む音が響く中でもはっきりと聞こえるような。「ついこの間まで、私もそこにいました」
軍服姿の男が言い終わらないうちに、車体ががくんと揺れた。今度は、右側の車輪が地面に埋まった大きめの岩を踏んだのだ。
「おおっとォ・・・・・・結構大きいの踏んだなぁ、今」登り道の終わりに差し掛かった。じきに海が見えてくるころだった。運転手は隣の男に年齢を聞こうと、うっかり口に出す寸前でそれを押しとどめていた。
三時間前のことを思い出したのだ。それは高速道路を時速九十キロで走っている最中だった。まばらな会話の流れに乗って『あんちゃん。お若いんだね』と、運転手が話しかけた。それに対して隣の男は何も言わなかった。『ええ、そうです』とも『はい、今年で○○歳になります』とも言わず、ただ黙っていた。砂利道を走っているわけでもなければ、時おり車輪に岩が乗り上げるわけでもなく、ちゃんと聞こえていたであろうにもかかわらず。運転手もそれ以上は何も言わなかった。無言のうちに前を見つめていたその時の彼の態度に無視の気配を感じ取ったのだ。隣の男が唯一不愛想な一面を覗かせたのは、これまで同じ空間を共にした間でこの一度きりであった。
「私に権限さえあれば、この道をアスファルト舗装させるんですがね」軍服姿の男の声には、心なしか申し訳ないとでも思っているような響きが篭っていた。「こんな様子じゃ、いつかここで転倒事故が起こらないとも限りませんから」そう言って、ちらりと運転手に視線を向け、小さく肩をすくめて見せた。
「しゃあねえよ、ここは普段は使われてないからなあ」運転手は豪快な笑い声を上げた。先ほど隣で起こった笑い――運転手には聞こえていなかった――が砂漠のような笑いだとすると、運転手の笑いは太陽のような笑いだった。
「どうもそのようですね」軍服姿の男が姿勢を正した。僅かに座席に沈んでいた背筋が直立になり、両手が太腿の上にひしと据えられた。「ですが、これから使われるようになるかもしれません」
トラックが丘の上を登り切った。
=====
海岸に深くえぐり込まれた入江にその鎮守府があった。外観は白を基調としているが、早くも数多の鎮守府と同じく海風の洗礼を受け、真新しいころよりはややくすんだ色合いをしている。丘の上から遠目に見ても、鎮守府は巨大であると表現しても差し支えは無い大きさをしていた。運転手の男が学校のようと言っていたが、実に的を射た言い方だった。写真に収めたその建物だけを見れば、十人中十人がそれを学校であると答えるだろう。それはただの擬態に過ぎないが、指定された建築方式にそぐわない軍事施設を建てられないが故の結果であった。
機能主義を徹底としたその建物は、天から伸びた巨大な手がケーキの空箱をその場所に被せていったようだ、といった連想を新米中佐に抱かせた。
トラックの助手席に乗っている男、つい一か月前に海軍学校を次席で卒業した新米中佐は、自身のキャリアの出発点となるその鎮守府を子細に観察した。周囲には比較対象となる建築物が一切排除されているため、目で見ただけではその全景を大まかにしか掴み取ることが出来なかった。東方に広がる大海原に面した位置取りに、新米中佐は一抹の不安を覚えた。海岸線が台風の影響をもろに受けることは言うまでもない。これから数か月後には、どの程度の影響がもたらされるのかを身をもって知ることが出来るだろう。加えて、海岸線にはその対策としての防波堤やら離岸堤やらの姿が見当たらなかった。
<おめでとうよ、若き司令官殿。これでお前も一国一城の主ってわけだ>背の高い友人が卒業証書を丸めて納めた角筒を持っていないほうの手で自分の肩を何度も叩いていたのを思い出した。その友人の掛け値無しの笑顔と白い歯のきらめきまではっきりと目に見えるようだ。<いいや、未来の大奥の将軍様、とでも言ったほうがいいかもしれないな>
その返事に、当時の自分が何を言ったのかは忘れていた。
(俺が一国一城の主だとすれば、その城は多分泥で出来てるんだろうよ)
また同じことを言われたら、自分はこう答えるだろうと、新米中佐は思った。果たして自分に未来があるのかどうか。一瞬、そんな疑問すら頭をよぎった。
その不安は、自分がこの鎮守府に着任させられた理由を一切聞かされていないことに由来するものだ、と新米中佐は思った。
トラックが鎮守府入り口付近へ乗りつけるのと同時に、こげ茶色の観音開きの扉から、三人が立て続けに外へ出てきた。一人目は眼鏡をかけた長い黒髪の女性で、二人目は桃色の髪をした女性だった。
「なああんちゃん、お迎えが来てるぜ。別嬪さんだなぁ」
新米中佐は腰をかすかに浮かせ、車高に遮られた最後の一人を見た。前の二人より背の低い女性――というよりは女の子であった。桃色の髪を頭の両側で結わえ付けている。いわゆるツインテールである。
自分を迎えに出たであろう三人を確認したところで、新米中佐は運転手のほうへ向きなおった。
「ここで降ろしてもらってもいいですか?」
「え? ん、ああ。もちろんともさ」
運転手は、隣の男がごく当たり前のことに対して確認を取ってきたのと、こちらのほうへ顔を向けてきたことに面喰ってしどろもどろになった。白い軍服に身を包んだ男の目が、力強い光を帯びていたのだ。しっかりと見開かれている形のいい目は、見つめるだけで穴を開けることが出来かねないような印象を帯びている。
新米中佐は運転手に向けて右手を差し出した。この男からは思いもよらない挙動にさらに面喰って、運転手はその手に目を向けた。
実物以上に大きく見える。軍服姿の男の右手を見て、運転手はそう思った。
「長い時間、ありがとうございました。感謝します」
運転手の顔が上がり、軍服姿の男が微笑を浮かべていることを認めた。そして、口元の綻びと目元に浮かぶ小さな影が、ある一つの真実を示していることに気が付いた。
つまり、この男は作り笑いを浮かべてはいないということ。
運転手は差し出された右手を、親しみと力を込めて握り返した。
「応援してるぜ。頑張ってな、あんちゃん」
互いに握った手を、何度か軽く上下に振った。運転手は、相手の男が予想以上の力強さを秘めていることに気が付いた。込めただけの力と同じだけの力が一瞬で返ってきて、数秒間持続したのだ。こちらが力を強めれば強めるほど相手も同じだけ力を強めてきて、しまいには握り砕きにかかってくるのではないか、と運転手は思った。まるで人の形をした象と握手をしているようだ、といった考えが浮かんだところで、運転手は軽く吹き出しそうになった。
そして、するりと右手が引き抜かれ、軍服姿の男が左手の指をドアの取っ手に絡ませた。
「ええ、頑張りましょう。お互いに」
助手席の扉が開かれ、新米中佐は、自分の新たな出発点への第一歩を踏み出した。
======
新米中佐がトラックから降り立ち、これから自分の部下になるであろう三人へ振り返った。背の低いツインテールの少女が中心に位置していて、それぞれ敬礼の構えを取っている。新米中佐は三人の下へ歩み寄り、数歩の距離を隔てて立ち止まり、互いに向き直った。
数秒の沈黙が流れ、
「ようこそ、司令官殿!」
ツインテールの少女が自分にとっての精いっぱいといった声を張り上げた。甲高く、高低をまだうまく調節できない発展途上の子供の声だった。声の最後に僅かな震えが残っていたため、この少女は大きな声を張り上げた経験に乏しいことが新米中佐には推測できた。
「ようこそ、司令官殿!」
真ん中の少女に倣って、両隣の女性が声を張った。二人とも背丈は同じほどで、共に尻尾まで歯切れのいい声だった。左隣に立った黒髪の女性は凛とした表情を、右隣に立った桃色の髪(よく見ると、もみあげを耳の後ろに回して、リボンらしきもので結わえ付けている)の女性は快活な明るさを発散する笑顔を浮かべていた。
新米中佐は真ん中の少女の表情を確かめるため、視線を下に傾けた。それと同時に、相手の少女もわずかに右にずれていた視線を左に戻したため、上司と上司に対して頭二つ分は低い背丈の部下の視線が、お互いに空中でぶつかった。少女は再び視線をそらしかけ、意志の力を先ほど声を上げたときにも勝るとも劣らないほど強く込めて、逃れることを望む誘惑に強く抗った。呼吸は深く、ペースが速かった。呼吸と合わせて上下する肩のため、息を吸って吐くタイミングまではっきりと分かるほどだった。
まるで二秒前にいきなり彫像になれと命じられたようにかちこちに固まっている少女からは、たとえ自分の鼻から垂れた鼻水にも気が付かないような鈍感な男の目からしてみても、緊張していることがはっきりと見て取れるだろう。瞼は全身と連動しているかのような落ち着きの無さでぴくぴくと動き、真一文字に引締められた唇の端も右に左に綱引きのように引っ張られていた。
新米中佐は、胸の内に泉のようにこみ上げてくるものを感じ取った。そして、すぐさま心の中の自分に息を吸い込ませ、立て続けにしゃべらせた。
笑ってはいけない。笑うな――新米中佐は自分に命じた。それも強く。――上司を目の前にして緊張している相手を笑うことは無礼に値するぞ、大間抜け。実に恥ずべきことだ。わかっているのか、なあ? これから部下になる相手の真面目な様子を見て笑うなんて、お前は一体何様のつもりなんだ? おい、お前は一体何様のつもりなんだ?――。
思春期を迎えて間もない少女より長く生きているだけあって、その意志の力も彼女とは比較にならないほどの強靭さを有していた。数回だけ自分を戒めるための呪文を心で唱えると、発作的に起きた笑いは吸い込まれていくように収まっていき、綺麗さっぱり消え去った。よって、新米中佐は内心を表に一切窺わせることなく、自分が取るべきだと判断した行動に取り掛かった。
傍らに下げていた右手を素早く額の前に掲げて、
「本日付で当鎮守府に着任する××中佐だ。これからよろしく頼む」
一息ではっきりと告げるように言ったあと、新米中佐は右手を三秒前と同じ位置に直した。実に華麗と言うべき軍人然とした一連の動作の流れに、新米中佐の三人の部下も、バックミラー越しにその様子をうかがっていた運転手も内心で舌を巻かずにはいられなかった。
「さあって、と」新米中佐は、打って変わって砕けた口調と共に、右手を荷台の扉を向けているトラックへ指し示した。その間も、自分の視線は部下たちへ向けたままだった。「早速ひとつ、手伝ってもらいたい仕事がある」
========
トラックの中には段ボールが所狭しと並べられていた。大きなものは大型テレビがすっぽりと納められるほどで、一番小さなものは靴箱ほどの小ささだった。
「運んでもらうものはどれも対した重さじゃない。一番重い物で十キログラム程度だ。まあ、実際にやってみてくれ」これは、背が高いほうの桃色の髪の女性が巨大な段ボールの箱を目の前にして、とっさに新米中佐のほうへ振り返ったときに、狙いすましたように彼女に向けられた言葉だった。
実際、どのダンボールも三人の女性にとっては何ということの無い重さだった。荷台から鎮守府の扉へと働きアリのごとく荷物が運ばれている最中、運転席側の窓からねじり鉢巻きを頭に巻いた男が顔を出し、「手伝うかい?」と、手を振った。その時、一緒に作業に加わっていた新米中佐はドアストッパーにて開け放たれた鎮守府の扉をくぐっており、運転手から一番近い位置にいたのが、先ほどまで真ん中にいた少女だった。
「は、はい!? ええっとぉ……」少女は声のほうを振り返り、両手に抱えた段ボールに視線を落とし、顔を上げて運転手のほうを見て、また段ボールを見た。不意を突かれた形となり、完全に慌ててしまっていた。「だ、大丈夫です!」ようやく声を絞り出したが、エンジンのアイドリング音にかき消されて運転手には届かなかった。
「おお、お嬢ちゃん! そいつぁ重くないかい? 重かったら俺も手伝うよォ!」
少女は両手の段ボールに封をしているガムテープを見ながら「だ、大丈夫・・・・・・」と言い、顔を上げて、声を大きく振り絞った。「大丈夫です!」
「おお、そうかい! 頑張ってな!」
運転手はそう言って、窓の奥に引っ込んだ。
少女はしばらくその場で立ち尽くしていたが、新しく荷物を取りに来た黒髪の女性とすれ違ったことに気が付くと、鎮守府の扉のほうへ小走りで走って行った。
「彼女は確か――大淀、だったよな」新米中佐は、トラックの荷台の縁を掴んで、自分の腹ほどの高さをひとっ跳びして段差に飛び乗った黒髪の女性に目を向けながら、隣にいる部下に言った。
「ええ、提督。今はまだ魂が入ってないので、正確には違うんですけどね」
少女が入り口前の階段に差し掛かったとき、新米中佐が桃色の髪の女性と並んで外へ向かって歩いていた。新米中佐が少女に気づいて、一歩引いて彼女に道を空けた。
「あっ。ど、どうも」
少女は顔を上げたが、新しい上司に目は合せなかった。小走りで二人の脇を通り抜けていく少女の後ろ姿に、新米中佐は一瞥を投げた。
「魂か。今のところは彼女だけらしいな。それを持っている、と言うか。入っている、と言うか。とにかく、魂があるのは」
「魂ですか。うーん」再び二人は並んで、階段を降り始めた。「私もまだ実際に見たことがないんですよ。新米ですから」桃色の髪の女性が新米中佐を見た。
「私も新米だよ、明石。つい一か月前までは学生だった未熟者さ」新米中佐は、桃色の髪の女性――明石のほうに軽い笑みを向けた。二人の目が合った。「これからいろいろと力を借りることになる。頼りにしているぞ」
明石は一瞬だけ驚いたように目をぱちくりとさせ、すぐに笑顔を浮かべた。「ええ! こちらこそ、よろしくお願いします!」
それから新米中佐は、段ボールを両手で抱えた黒髪の女性――大淀に声をかけた。
「作業中に言うのもなんだが、改めてこれからよろしく頼む。大淀」
大淀は新米中佐と目を合わせた。その時の彼女の表情は、柔和さと凛々しさを織り交ぜて出来上げたような生真面目な印象を新米中佐に与えた。「こちらこそ。これからよろしくお願いしますね、提督」そう一言告げると、大淀はさっと階段のほうへ歩み去って行った。ゆったりとしていながら、無駄のない動きだった。
新米中佐が明石と並んで話をしながら両肩に巨大な段ボールを担いで歩いていたとき、階段のあたりで少女と鉢合わせた。今度は明石のほうが少女に道を空け、新米中佐の後ろに並んだ。少女が軽く会釈をして、トラックへ歩を進める前に、新米中佐が声をかけた。
「君が漣だな? 分かりきったことを聞くが。吹雪型――いや、第七駆逐艦の一人」
少女――漣は、前から上へ、新米中佐を見上げた。まるで弾かれたような動きだった。新米中佐は、漣の表情に、先ほどの二人にはかけらも感じられなかったもの――僅かな怯えの色を見て取った。しかし、それは自分の置かれた立場から生じる緊張から来たものなのか、そうでないのかまでは判断が付かなかった。
漣は新米中佐を向いたときに、とっさの驚きからか小さく口を開けていたが、それはすぐに真一文字に閉じられてしまっていた。そのため、声をかけられて返事をするには微妙に間が空いてしまっていた。返事をしようにも、漣の脳内は不意打ちを受けて、二、三秒だけありとあらゆる言葉が消しゴムでかき消されてしまっていた。言葉は固く閉じた口を開くための万能の鍵となりうるのだが、漣はその鍵を一瞬ではあるが完全に失っていた。
新米中佐は漣の様子を見て、出来るだけ柔らかく見えるようにと意識した笑みを浮かべて、こう言った。「いきなり手伝いをさせて済まないな。まあ、あまり固く構えなくてもいい。これから長い付き合いになりそうだからね」言葉を切った後、漣にウィンクをしてみせた。漣の中で占められているであろう自分の印象を突き崩そうと思ってやって見せたのだが、これはいくらか功を奏したらしい。
「あ、はい! これからよろしくお願いします」漣の表情は幾分か和らいだ。目に見えて張りつめていた表情が、はにかむようなわずかな笑みに変わった。
新米中佐は小さくうなずいて、両肩の段ボールのバランスを崩さないように注意して階段を上った。六つ重ねた小さな段ボールを抱えた明石がその後に続く。
「漣ちゃん、今朝からちょっと落ち着きがなかったんですよ」明石は漣の後ろ姿を一瞥して言った。「新しい提督のことはあまり聞かされていなかったもので。もしも怖い人だったらどうしようかって心配してましたよ」
「怖い人か」新米中佐は苦笑した。「あの年頃の女の子には、大人ってだけで威圧感を与えているかもしれないな」階段を一段一段踏みしめながら、彼は、学生時代の同級生から『お前は黙っていると妙に恐ろしく見える』と言われたことを思い出した。
「私も実は、ちょっと心配だったんですよ」明石の声は笑っているときと同じ種類の明るさを含んでいた。「少なくとも提督は、嫌な人には見えませんから、取り越し苦労――いや、違うかな? ええと、無駄な心配、とか・・・・・・」明石は少しの間、自分の頭の中から適切な言葉を探していた。そして、見つけた。「とにかく安心しました!」
「安心するにはまだ早いぞ」新米中佐はわずかにたしなめる調子を含んで、言った。「一人の人間のことを、会って五分もしないうちに理解できることは無い」
「そうですね!」明石は会話の流れに乗って返事をした。彼女は、今のは適切な言葉ではなかったと、口に出してから気が付いた。
新しい鎮守府で新しい提督と新しい艦娘が互いに対面して十分後には、トラックの中の荷物はすべて運び終えられていた。
=========
午後三時三十分。
漣、明石、大淀、の三人は、一階北側の大食堂の中で待機を命じられていた。百人を優に収容可能なその空間には、木目の走った長方形のダイニングテーブルと背もたれのない四つの丸椅子という組み合わせが廊下側と窓側に分布している。
三人は、南側の入り口から一番近いテーブルに座っていた。明石と大淀は廊下側に背を向け、向かい側には漣が座っている。
「で、どう思う?」
「どうって、何がよ?」
「何って。提督のことに決まってるじゃない」明石はテーブルに両肘をついて組んだ両手の上に顎を乗せて、大淀へ顔を向けていた。
「提督ねぇ……」大淀は握りこぶしから親指で曲げた人差し指を突き上げた形の右手を作り、人差し指の第一関節と第二関節の間を唇の下にあてがっていた。彼女が考え事をする時のポーズである。「ひとまずは様子見かな」
「えー。じゃあ、漣ちゃんはどう思う?」明石は漣へ顔を向けた。
「えっと、そうですね」漣は小首を傾げた。爪の向きを前に揃えて、脚の付け根に両手を置いた姿勢を取っている。背筋は真っ直ぐであったが、腰のあたりから頭の重みに僅かに負けているかのように前に傾いている。「とりあえず、悪い人ではなさそうだと、思います」
「私もどうかーん」明石は顔を上げ、同意を示すというように肘を机に置いたまま右手を上げて見せた。そして、両手と顎の位置を元に戻すと、再び大淀のほうを向いた「ねえねえ、大淀」
「何?」大淀は右手を下ろしてテーブルの上に置いた。顔はそのまま、視線を左に向けた。
「あの黒いダンボールってさ、何が入ってるんだろうね?」明石が声を弾ませて言った。その興味津々なさまをストーブの放射熱のごとく発散している明石を見て、彼女はこの鎮守府で嘘をつくのが下手な艦娘ランキング第一位の座をこれから三十年は保持し続けるに違いない、といったことを大淀は考えた。「大淀は何が入ってると思う?」明石からは、相手の答えが本心から気になっているといった気持ちがありありと窺えた。
「さあ。わざわざ自分で運ぶくらいだから、あまり人の目に触れさせたくないものとかじゃないの?」大淀はさして興味の無さげな体を装って言った。実際は内心では興味があった。先ほどからそのことを考えていたくらいには気がかりなことであった。「機密書類とか?」本心では欠片も思っていないことを、そっけなく口にして見せた。
「あー、それあるかもねー。漣ちゃんは? 何が入ってると思う?」
「そうですねぇ……」漣は宙を眺めるように僅かに頭を上げた。彼女も目の前の二人ほどでは無いが、黒いダンボールの中身が何なのかは知りたいと思っていた。「着替えとか・・・・・・もしかしたら、下着もあったかもしれません。それだったら、私も自分で運ぶと思います」漣は、自分の考えもいくらか間違ってはいないのではないか、と思っていた。
「提督もお気に入りの下着とか持ってるのかなあ?」明石が呟いた。そして、それを打ち消すように言った。「いや、あの重さは絶対に服とか着るものじゃないよ。これに関しては大淀の腎臓を賭けてもいいよ」
「なんで私を引き合いに出すの。自分のを賭けなさい、自分のを」大淀が明石の側頭部に手刀を見舞った。
しばらくの間、三人の間では沈黙が流れた。いずれも同じことを考えていた。漣たちが働きアリとなり、巣に運び込む荷物が残すところ最後の五つになろうとしたとき、荷台の中にいたのは明石であった。その時残されていた段ボールはいずれも黒く、かなり大きく、更にポリエチレンビニールで包装されていた。三人ともそれを見てはいたが、実際に手を触れていたのは明石だけであった。
当の明石はその時黒いダンボールの前にしゃがみ込み、右手で手前の角を掴み、左手をその対角の一辺へ回した。そして、持ち上げようとした。
全くびくともしなかった。
少しも動かせなかった。
今までの荷物とは打って変わったその異様さに驚いていたところに、新米中佐の声が飛び込んできた。
「後は俺が運ぶ。そいつらは私物だからな。とりあえずご苦労様、助かったよ」
そして新米中佐は漣と大淀に同じ旨を伝え、三人を揃えて食堂へ待機するように命じたのだった。
黒いダンボールによってもたらされた沈黙を破ったのは、明石であった。
「ああ、そうだ!」
明石が声を上げて、右手の人差し指を立てた。漣と大淀が明石を見る。
「きっとえっちな本かDVDとかだよ! そのための機材とかもあるかも!」明石は漣と大淀を交互に見た。「多分そうだよ、きっと!」
「えー・・・・・・わざわざ?」大淀の目の温度が若干下がった。
「だってさあ、そういう、あの・・・・・・世の殿方の必需品でしょう? そういうの」明石は、すでに答えを見つけたといわんばかりの表情をしていた。その頬にかすかに赤みが差していることに、漣は気付いた。「確かにそういうのは、見られたくないよね!」
「そういうのって?」大淀は右手で頬杖をついた。口元が笑っている。
「え? さっき言ったじゃない?」
「よく聞こえなかったなー。もう一回言ってみてよ」
「いやいや、嘘でしょ! ぜったい聞こえてたよ!」
「何て言ってたっけ? いやー、忘れちゃったなー。で? 明石はあの黒いのに何が入ってる、て言ってたんだっけ?」
「さっき聞こえてるみたいに反応してたじゃない! もおー!」
明石と大淀のやり取りを目にしながら、漣はどういった表情を取っていいかわからず、とりあえず笑みを浮かべていた。性的なことに関しての知識は年相応に――思春期の入り口に差し掛かる子供特有の、布数枚の奥に深く隠された神秘を茶化して囃すような――未成熟なものであり、そういった事柄を自分と関連付けて考えたことは無かった。全く関心がないわけではなかったが、自分とは切り離して考えていた。遠い場所の出来事のように。
少なくとも、今しがたまでは。
「大淀ってば、もう!」漣が我に返って明石を見た。明石は顔を赤くして、大淀にからかわれていた。先ほども、彼女は自分で言ったことに頬をちょっぴりと染めていたのを漣は見ていた。年の割には初心なところがあるんだなあ、と漣は思った。大淀は、そんな明石を見て楽しんでいるようだった。「言うよ! じゃあ言うよ!?」明石は一拍置いて、息を吸い込んで、言った。「提督はあの黒いダンボール一杯にえっちな本を詰め込んでるに違い無いよ! 大淀の魂を賭けるから!」明石は両手をテーブルに付いて、勢いよく立ち上がっていた。
大食堂の南側の入り口から、低く通る声が滑らかに飛び込んできた。
「残念だが君の負けだな、明石。大淀の魂は没収だ」
「のわぁっ!?」
明石は思い切りのけぞり、大淀は思い切り振り向き、漣は思い切り顔を上げた。三人同時に掛け値なしの驚愕に打たれ、心臓が跳ね上がるような思いに晒された。素っ頓狂な声を上げたのは明石である。
「あ、いや、今のはですね! 大淀が!」明石が慌てて手を振って、大淀のほうを示した。
「なんで私なのよ! 提督、違いますからね!」
「いやいやいや! 大淀がヘンなこと言うからぁ! もー、バーカ! 大淀のバーカ!」
「明石がやらしいこと考えるからでしょう! 髪だけじゃなくて頭の中までピンクなんだから!」
「このー! 言ったなー!」
ぱん、と小気味のいい音が響いて、明石と大淀は動きを止めた。新米中佐が両手を打ち鳴らしたのだ。
「あの中に何が入っているかはまあ、どうでもいいだろう。少なくとも、君が言ったような代物は皆無だよ」新米中佐は明石のほうを向いていった。それを聞いて、明石の顔は茹でられている最中のようにみるみる赤くなっていった。「本であるのは間違いとも言えないがね。一つにはそれをぎっしりと詰めてある――おっと、そうじゃない」新米中佐は右手を払うように振った。「来て早速でなんだが、ひと眠りしたい。死ぬほど疲れてるんだ」
そう言われて、漣と大淀は、新米中佐の表情に先ほどまでにはない変化が表れているということにやっと気が付いた。瞼が重力に屈しているかのように垂れこめており、小さく瞳が覗いている。微笑むような口元は、深く、非常にゆっくりと吸い込まれた空気を長く吐いている。息を吐く音が、新米中佐の手前にいた大淀には聞こえていた。明石は内心それどころではなかった。彼女は首まで赤くなっていた。
新米中佐が目に見えて疲れていることに、(明石は一歩遅れて)三人は気が付いた。
「こっちの都合に合わせてもらうようで悪いが、夕食時――六時半ごろにまたここに集まってくれ。それまでは自由に過ごしてもらって構わない」新米中佐の声はあくび交じりだった。「他に何か?」
「いえ、ありません! ごゆっくりお休みなさいませ、提督!」明石と目を合わせずに言った。椅子に座って、ぴっちり合わせた両膝に置いた真っ赤になった手を見つめていた。
「提督」大淀が言った。新米中佐は大淀のほうへ目を向けた。
まるで泥のような目だと、大淀は思った。この人は本当に疲れている。黒いダンボールを運んだから? ――いや、もしかして、ここに来た時からもう?
「また後ほどお会いしましょう。ごゆっくり」そう言って、小さく頭を下げた。隣の明石もちらりと横目で見て、それに倣った。顔を下げたままだったので、新米中佐には明石が今以上に縮こまろうとしているように見えた。
新米中佐が入り口へ向き直ろうとしたとき、漣が言った。「お、おやすみなさい。提督」
新米中佐は漣のほうを向いて、言った。
「ああ。ひとまずはおやすみ」
そうして、あくびの出かかった口元に手を遣りながら、新米中佐は大食堂の外へ出ていった。
========
新米中佐は入り口から少し歩いたところにある館内見取り図を見て、自分の執務室が二階、将校用個室は三階にあることを知った。執務室の扉は中央階段から二階へ上ってすぐ目の前に見えた。その左右には廊下が広がっていたが、今はとりたてて興味は無かった。後でならともかく、疲れきっている今では。
四隅をネジて留めたアクリルパネルに納められた見取り図は、階段を上がる前の壁に嵌め込まれていた。どこの階段も同じようになっているのだろう、と新米中佐は思った。この二階の見取り図には、現在地を示す印が赤く描かれていたからだ。この鎮守府は三階建てであったが、階段を登り切るころには、新米中佐は自分が思っていたとおりの所に思っていたとおりのものを目にした。
三階の見取り図を確かめようとして――ハッとしてその反対方向に目を向けた。反射的な動作に過ぎず、思考が動きに遅れて追いついてきた。
今、何かを見なかったか?
新米中佐は、最早取り繕おうともせずに疲れを露わにした目を片方こすり、左へ伸びる廊下の角を見た。人影ではなかった。視界の左下をわずかに掠めたのだ。
ゴキブリか、ネズミ? それは無いはずだ。建築して一週間と経っていない。それに出るとしたら一階の食堂あたりだろう。それか食糧貯蔵室か資材倉庫か。まあ、出たときのことなんて考えたくもないが。
新米中佐は、大方の人類の気分を非常に害する衛生害獣どものことを考えて、疲れ切った顔をさらに顰めた。この様子を明石が見たら、たとえ彼女でも挨拶はよそよそしく、早足に去ってしまうだろう。自分でもそれを理解していたし、そういったことが他人との折衝の原因にもなりうるということも幼少期のころから心得ていた。だからこそ内心を秘かに表向きを取り繕う術を長きに渡り磨き上げ、今まで何の問題もなくやってきた。ただ、疲れが溜まってきている場合はその磨き上げた振る舞いも曇ってしまう。そういうときはひとまず、状況が許す限りで疲れを取ることが最善であると、彼は経験則から知っていた。
目の迷いだろう。仮にそうでなくとも、今はとにかく眠りたい。
新米中佐は突き当りを右に曲がり、しばらく歩いた。彼の個室兼寝室は、北東の角部屋という位置付けであった。そのドアは執務室と似せた作りになっていることに新米中佐は気が付いた。両開きの厚い扉――樫の木で作られている。把手はニスの艶が浮いた黒檀製だった。
右手で把手を掴み、引いた。がたん、と音が返ってきた。
今度は押した。がたん、と音が返ってきた。
俺、本当に疲れてるんだな。新米中佐はうんざりとした気分であくび交じりの溜息をついた。右手の指で左胸のポケットのボタンを外し、中にあった小さな鍵を取り出した。右手の鍵が鍵穴に差し込まれ、右に回転させて錠を開く。その音が何故か他人事のように聞こえた。もっと言えば、自分の手が自分の手ではなく他人の手でさえあるように思えた。
一昨日? 昨日だっけ? 何時間眠っていたっけ? そうだ、三時間だ。その時はそれでもう綺麗さっぱり目が覚めていた。たったの三時間ぽっちで。
新米中佐は、自分に何事もなければこれから数年間は夜を過ごすことになる部屋へ足を踏み入れた。
入り口から左には窓があり、目の前には壁がある。この壁の向こうはバスルームで、その向こうは脱衣所、更にその向こうはトイレであるが、今の新米中佐はそれを知らなかった(自室に風呂とトイレがあることくらいは予想していたが、彼はユニットバスであると考えていたので、三時間後にそうでないと知るとかなり喜ぶことになる。新米中佐はユニットバス大嫌い人間である)。
新米中佐は右を向いて歩いた。そこは居間になっていて、南側にまた扉がある。なんてこった、中仕切りのある個室を割り当てられるとは、ついこの間まで学生だった身分からすればずいぶん偉くなったものじゃないか、と新米中佐はぼやけた頭で歩きながら考えた。
その扉をくぐると、寝台が一つ、壁際に寄せて置かれていた。寝室。彼は疲れた足取りでおざなりに白の上着を脱ぎ、寝台の掛布団の上に畳まず放り投げた。衣紋掛けは寝室の入り口からすぐ横にあったのだが、白いシーツに目を奪われ、素通りしてしまっていた。ベルトを緩め、枕元に腰を下ろし、靴を脱いで、足先からズボンを引き抜くように脱ぎ、上着の上に投げ重ねた。この時になってようやく、自分が玄関に当たる場所で靴を脱がずに、土足で部屋に入ってしまったことに気が付いた。半ば眠った頭で、新米中佐は、これが自分の部屋であってよかった、といくらか肝を冷やした。
新米中佐が枕に頭を沈ませる寸前、不意に、その存在をはっきりと感じ取った。
彼は枕の上で首を曲げ、ぼんやりとした目でそれを見た。「いや、すまんね。とにかく眠いもんで」まどろみに満ち満ちたふやけた声で言った。「悪かった。後で……今は、もう。後で……」そう言って、彼は自分の意思によるものではないように、仰向けにした体に頭の向きを揃えた。目はその前に閉じていた。
しかしまあ、話には聞いていたが。先輩方には見えない人もいるんだっけ? 俺は、たぶん、あれがあったから――
目を閉じ、深淵へ引きずり込まれる僅か前まで尾を引いていた思考の糸もぷつりと切れた。
新米中佐は眠った。
駆逐艦・漣は鎮守府一階南棟の一室にいた。彼女に割り当てられた個室は新米中佐の部屋と似通った造りであったが、寝室は無い。ベランダも無く、トイレも風呂も無いただの部屋であった。広さも違ったが、一人には大きすぎる部屋に違いは無かった。
漣はベッドのシーツの上へ体を横たえていた。新米中佐と違って眠気は感じていなかったが、横になりたい気分だった。色々なことを考えていた。自分の司令官のことを。自分のこれからの新しい生活のことを。
家族のこと。裕福とは言えない家庭――いや、それは違う。わたしの家は貧乏らしい。お母さんはことあるごとにそう言っていた。
お父さんはあまりしゃべらない人だった。自分からあまりしゃべることの無い人、朝起きて二階の部屋から降りてくると新聞を広げて読んでいる人。
父と母、それとわたし。三人家族。
両親の仲は良くは無かったと思う。学校から帰って、お母さんが帰ってきて、お父さんが帰ってくる。ずっとそうなのだ、お休みの日も。お父さんの帰りはいつも遅かった。わたしがお風呂に入っているときや、部屋にいるときに、お父さんは帰ってくる。夕ご飯のときに帰ってくることは無かったと思う。
お母さんは「ただいま」とわたしが言うと、「おかえり」と返していた。わたしが休みの日に外に遊びに行って、帰ってきたときに「ただいま」と言うと「おかえり」とお母さんは言った。でも、お父さんが帰ってきたとき、「おかえり」と言ったのを聞いたことは無かった。いいや、言ったことはある。でも、それはどれくらい前の話だっけ?
漣はぼんやりと考えていた。自分の過去のこと。
小学六年生の初夏、学校の定期検診を受けた後のある日に、放課後に放送で名前を呼ばれた時のこと。その時のことを彼女は覚えていた。
自分はランドセルに教科書や筆箱やプリントを挟んだファイルや図書館の本を仕舞い込んで、背中に背負っていて、友人が自分のランドセルに教科書や筆箱やくしゃくしゃになったプリントを挟んだくたびれたファイルを仕舞っているのを見ていたのだ。その友人はちょっと男勝りで、男の子に交じって遊んでいるような子で、活発な子だった。漣はその子のことが友人として好きだった。ちょっとがさつなところがあって、机の中が散らかっていたりしているけれど、その子が笑う時の顔が好きだった。
――ちょっと待っててね。うん、待ってるよ、あまり長いといやだけどね。ごめんごめん、■■ちゃん、ちょっと机の中で引っ掛かってて。もう、それならちゃんと綺麗にしてたらいいのに。いやあ、あたしは■■ちゃんみたいにきれいじゃないからなー、ほら、あたしってさ、あんまし女の子っぽくないから。もう、そういうこと言って――
その時、名前を呼ばれたのだ。
漣は自分の両親のことを考えた。
トイレに行きたくなって、夜遅くに目が覚めたある日。そっと階段を下りて、リビングのドアから洩れる明かりに気が付いて、ドアを開けようとしたときのこと。その前に自分の体は固まってしまっていた。耳に飛び込んできた声――小さいけれど、激しい声。言い争いの声。聞き覚えがあるけれど、心臓が縮みあがるような声。お父さんとお母さんの声。普段は聞くことがないけど、たまに聞くことのある声。そのたび、もう二度と聞きたくないと心から思わされる声。
お父さんとお母さんが喧嘩してる。
自分の体が金縛りにあってしまったように動かなくなってしまったことを、今でもはっきりと思い出せる。その時、考えていたことも。
リビングに入って、そこにお父さんかお母さんが居たら、自分は夜中に目が覚めてしまってトイレに行こうとしていると言おうとしていた。もしかしたら、電気がつけっぱなしになっているのかもしれない。それだったら消しておかなければいけない。電気をつけっぱなしにしてお母さんに怒られたことがあるから。お母さんはわたしが部屋の電気をつけっぱなしにしているのを見て、『電気代のムダじゃないの!』と、照明のスイッチの下をばんばんと叩いていて、その時の怒った顔と怒った声が怖くて、わたしは何回もごめんなさい、ごめんなさい、と言って――
『うちにお金がないのはあんたのせいじゃない! あんたの――』
びくっとした。ひときわ大きなその声が母親の声であるとかろうじて分かった。自分が怒られた時の声と似ていたからだ。似ていたが、違っていた。その声はもっと酷かった。
母親のおぞましい声に割り込んできた音を、漣は今でも覚えている。聞き覚えのある音であるからだ。自分の頬と、自分以外の手によって生じる音。片方には痛みと熱と涙も一緒についてくる。
その音も似ていたが、違っていた。その音はもっと低く、湿っていて、大きかった。
母親が静かになった。何もかもが静かになった。静寂の音さえ聞こえてくるほどに。
その時には、自分が何のために一階へ降りていたのか忘れていた。これまで生きてきた世界を、足元からフィルムを剥がすように引っぺがされてしまっていたような気がした。いつの間にか昨日の自分とは違う世界に来てしまったような異様な恐怖感と、胸の奥から滲み出る悲しみと痛みの前には、尿意など霞んで吹き飛ばされてしまっていた。その時はもう、トイレに行くなどとんでもない考えのように思われていた。一刻も早くベッドに戻らなければ世界は崩壊してしまう、といった馬鹿げた考えすらその時は全く馬鹿げていなかった。ある意味では、とっくに崩壊しているとも言えたのだが。平和――平穏、綱と綱の間のごとく危うい微笑を保っていた表向きの仮面がひび割れ、その奥に秘められた暗い真実を垣間見た、真夜中に。
来た道を逆戻りする間、引き伸ばされた時間の中に閉じ込められている気がした。自分の部屋の中に入り、温もりを残したままの布団に潜り込み、目をつむって、ひたすら朝が来るのを待った。眠れなかった。頭の下に横たわっていた枕を両手に抱き締め、ひたすら時間を数えていた。
「……あー」
ベッドの上の漣は、自分の頬を四本の指で軽く叩いた。
――何でこんなことを考えるんだろうなぁ。
漣は体を起こし、今度はもう少し強く頬を叩いた。ぴたぴたと音がする。その音は、目を開けながら夢を見ていたような気分から自分をいくらか立ち直させてくれた。気のせいか、奇妙に心和まされるような気もする。
「もうちょっと他のコト考えないと。こんなんじゃダメだよ」
自分自身にしっかりと言い聞かせた。両手で頬を押さえつけるようにして挟み、そして離した。いくらか気分が落ち着いた気がした。
「何か他のコト、って言ったらねえ……」
漣はベッドの上で正座し、膝のあたりに両手を揃えて置いた。そして考えた。
『本日付で当鎮守府に着任する××中佐だ。これからよろしく頼む』
××中佐。この鎮守府の責任者にして、艦娘たちの指揮者。
背が高かったけど、年はどのくらいなんだろう? 生まれた場所はどこだったんだろう? 以前はどこの鎮守府にいたんだろう? そして、あの子たちが見えるのかな?
あの人、悪い人ではない気がする――漣は自分の言葉を思い返した。
確かに第一印象は悪くは無かった。きびきびとしたあの敬礼の動作や、威厳を含んだ張りのある大きな声。まさに、軍人の見本のような人物であるように思えた。
でも、食堂に現れたときの中佐は、まるで別人のようだった。敬礼の後にトラックを指して砕けた口調になったあの時の彼は、峻厳さの中に剽軽さを覗かせるような印象であったが、その後再び食堂に現れた彼は、先ほどの印象と微妙にそぐわない新しい雰囲気を纏っていた。
その時の彼は、とても優しげだったように思えたのだ。そして、とても疲れていた。
漣は何故か不安な気持ちになった。あの人は本当に見たままの人なのかな? まだ私たちが知らない部分がたくさんあるのかもしれない。多分それは、ほとんどが良くも悪くもないところかもしれないけど。もしかして、裏があるのかもしれない。
裏が。
「ああ、もう」
漣は、頭の中に霧が立ち込めたような不安な気持ちを、どうすることもできずに受け止めた。お尻と両足をついて体育座りになり、膝に両腕を回して抱え込んだ。
ああ、どうか。
漣は心から願った。
どうかあの人が、本当に悪い人ではありませんように。
==========
薄暗闇の中で、新米中佐は目を覚ました。
暗みがかった白い天井が見える。新米中佐は深く息を吸った。眠気は綺麗さっぱり拭い落とされ、素晴らしくいい気分だった。横になっていても、体が軽くなっていることが分かる。
新米中佐は体を起こし、一瞬で気が付いて、どきりとした。自分の体の下半分を覆っている掛布団の上に、あるはずのものが無かった。
確かに、ここに置いたはずなのに。
目を巡らせて、入り口のあたりで視線が釘付けになった。白い軍服の上下を綺麗に吊るしたハンガーが衣紋掛けに引っ掛かっている。新米中佐は、衣紋掛けが入り口の近くにあったことに今、初めて気が付いた。
寝台から足を下ろし、床のあたりに爪先をさまよわせ、続いて目を向けた。目を見張った。
靴が無かった。
[オメザメノヨウデスネ、シレイカンドノ]
新米中佐は声のほうを向いた。東、海側――窓の横にあるそのガラスドアの前に、人影があった。窓はカーテンが閉じられていたが、ガラスドアのそれはレースカーテンごと片側に寄せて結わえられていた。おそらくこの部屋は西日が入らないようになっていて、午後四時ぐらいにはかなり暗くなるに違いない、と新米中佐は思った。ただ、目の前に見えているものは、明かりの無い真夜中でもなければ見間違うはずは無い。少しでもその姿かたちが見えていれば、普通の人間社会で生きてきた者は、まず自分の正気を疑うだろう。
「君が、私の粗相の始末をしてくれたのかね」
新米中佐は、その人影――おそらく、自分の膝のあたりほどの背丈しかない相手に向かって話しかけた。その小さな人影は、自分に話しかけられた声を聞いて、新米中佐のほうを向いた。
そのとき、部屋がパッと明るくなった。
新米中佐は、何の前触れもなくいきなり明かりを灯し始めた照明のほうを向いた。流石に度肝を抜かれていた。そして、先ほどは暗くてよく見えなかったところへ目を戻した。
[マッタク、シレイカントモアロウオヒトガ、クツモヌガズニオヘヤヘハイルナンテ、オドロキマシタヨ]
その声は、人間の声ではなかった。新米中佐は、最初にその声を聞いた時から分かっていた。どのように説明すればいいのかまではわからなかったが。例えば、その声の調子は甲高いという人間的な表現より、バイオリンやハープのような弦楽器が言葉を得たといったような幻想的な響きを含む表現のほうがしっくりくる。また、その音程もこれまで新米中佐が耳にしてきた数多の声のうちのどれにも当てはまらないようなパターンだった。平坦でいて彩りのあるような、もしくは静かに流れるようなイメージを想起されるような、自然的な力によるもの。たとえ両手両足の指を全て賭けたとしても、この声を聞いたあらゆる人々は、その声が人間のものでも人間の手によるものでもないということを絶対の自信をもって断言できただろう。
少なくとも、細胞と組織をもった存在からはこのような音色を発することはできない、と新米中佐は思った。
「いや、誠に申し訳ない。疲労が著しかった故、斯く振る舞いを致したこと、心から面目無く思う」
[イキナリドウシタンデスカ? クチョウガカワッテイルヨウニオモエマスガ]
「……普通に話しても通じるのか? 君たちには」
[エエ。ツウジマスヨ。ワカリマス。アナタニモワタシタチノコトバガワカルノデスネ]
「聞き取れはする、ある程度は」
新米中佐はベッドの傍らに立った。何の気なしに、自分の足取りを目で辿った。寝室の床は白い床材で出来ているが、土足で踏み入った形跡は綺麗さっぱり消えていた。居間のほうも同じであることは何となくわかった。
「君が掃除してくれたのか?」
[ワタシデハナク、ホカノモノタチガヤッテクレマシタ]
その小人の声は相も変わらず得体の知れないように聞こえたが、気のせいか、新米中佐は一瞬だけその声の中に人間的なものを感じ取った気がした。
「じゃあ、その彼らに私から詫びを入れておかないとな。近くにいるのか?」
[ムコウデ、アナタガオキルノヲマッテイルハズデス]
小人は、入り口のほうを指し示した。新米中佐は小人のほうを見て、全身が総毛立った。食堂で不意に声をかけられたときの艦娘たちにも引けを取らない驚愕を受けていた。
彼は今更ながら、何故今の今までこの小人のことをよく見ていなかったのか、姿かたちをとらえて何かしら思わなかったのか、といった思いに痛烈に駆られ、愕然とした。表に出さないのに苦労するほどに。その感情をよそに、内心では答えが分かっているような気がした。声――姿を見る前に、声をかけられたせいだ。もし順序が逆であれば、その冗談のような外見に気を取られ、声のことは二の次になっていたはずだ、と新米中佐は信じた。
その小人は二頭身よりいくらか大きいくらいの背丈であった。つばに当たる部分を水色に縁取った白いベレー帽を被っていて、綱のように編まれた亜麻色の髪を垂らしている。まるで、ぬいぐるみがそのまま命を得て動き出したようである。しかし、それはぬいぐるみでもなければ目の迷いによる幻覚でもなく、実際に存在していた。
そして、目が。
美しい目であるというのが、最初にそれを見た時の感想であった。まるでガラス玉のように。新米中佐は次にそう思ったとき、秘かに胸のうちでぞっとするような恐怖に似た感情がこみ上げてくるのを感じた。最初はかすかに滲むように、そして一気に噴出した。彼には、その小人のガラス玉のような目が、本物のガラス玉以上に本物らしく見えるということに気が付いた。美しすぎるのだ、あまりにも。新米中佐は、先ほどより正確に自分の中に生まれたものを表す表現が浮かんでくるのを感じた。
広く世間では、畏敬の念と呼ばれるものだ。
この世のものでは無い。
そしてもう一つだけ、うまく言葉で言い表せないような異様な感覚が、新米中佐の胸中にわだかまっていた。
不安定である。
新米中佐は、入り口の斜め上のほうへ視線を向けた。そこには時計が掛かっていた。五時――十七時五十三分。
「あの時計も、君らの仲間の小人さんたちが? それとも、初めからあそこにあったんだっけ」
[コビト? コビト、トハ?]
ベレー帽の小人が新米中佐の傍まで歩み寄った。その小人は自分の数倍も背丈の高い巨人を見上げている格好になっているが、浮かんでいる表情からは何も読み取れるものがない。不思議そうな顔をしているだけである。新米中佐は、小人の目をなるべく見ないようにして相手と向かい合った。
「君らのことさ。小さい人と書いて小人」
新米中佐の言葉に、しばらく小人は何の反応も示さなかった。
[アア]
小人は、ひとことだけ言った。
[タシカニアナタガタカラスレバワタシハチイサイデショウネ。チイサナヒト、トヨバレルノハ、ショウショウフホンイデハアリマスガ]
少々不本意ではありますが。新米中佐はそう聞き取った。だか彼は、その言葉の裏に少々どころではない穏やかならぬものが含まれているように感じた。この小人が、自分の内心を言葉にしたことが、それを裏付けているように新米中佐は思った。
しまったな、失言だ――新米中佐は内心頭を掻いた。
「何か他の呼び方とか? 例えば、妖精――」
[エエ、ソウデス]
「えっ?」
新米中佐は、横にいる動くぬいぐるみのような得体の知れない存在を見下ろした。あまりに唐突に言葉を挟まれたので、一瞬だけ理解が追い付かなかった。
「じゃあ、君たちのことはあの、小人ではなく、妖精と呼んだほうが……いいのかね?」
[ヨンダホウガイイ、トイウヨリ、ソウヨバレルノガシゼンナノデス]
小人――妖精は、新米中佐を見た。先ほどと全く変わっていない表情。にもかかわらず、新米中佐には本当に全く変わってないとはどうしても思えなかった。それは直感的なものであったが、間違っていないだろうと思った。
「そうか、妖精さん。失礼した。許してくれ」
新米中佐は真摯に、かつさりげなく謝罪した。今にして、彼は自分の迂闊さを思い知らされた形となった(とはいえ、新米中佐のために一言だけ弁明するのなら、彼は寝起き直後の状態で頭の回転がいくらか鈍っていたためでもある)。
[ジョウカントモアロウオヒトガ、ソウコシノヒクイコトバカリイウモンジャアリマセンヨ]
妖精は扉に歩み寄って、その横に立った。
[カノジョラニゴアイサツクダサイ。コレカラ、アナタガタノモトデハタラクノデスカラ、シッカリトジョウシトシテノイゲンヲオシメシクダサイ、チュウサドノ]
※安価を取ります。
↓×1
提督の年齢(18~25歳)
夕食のメニューは何か
妖精たちの好感度(コンマ計数:最低20から)
↓×2
夕立
・年齢(11~15)まで
・身長(145cm~160cm)まで
・性格
・趣味
・好感度(コンマ計数:10~50までの間)
↓×3
時雨
・年齢(11~15)まで
・身長(145~160cm)まで
・性格
・趣味
・好感度(コンマ計数:10~50までの間)
よろしくお願いします。これからなるべく近いうちに島風と北上の安価を取ります。
安価によっては、原作にそぐわないキャラクターを描くことがあります。ご容赦ください。
性的描写にはまだほど遠いので、一応タグを外しました。
性別 男
性格 強気だけど優しい
特徴 とくになし(筆者さんのお好きにしてください)
長所 頭がいい
短所 体力がない
一番目 漣
二番目 島風
夕立 時雨 北上
あと頑張ってください!
身長 180センチ
年齢 13歳 146センチ ツンデレ 特になし
年齢 18歳 163センチ 提督に厳しめ
年齢 20歳 164センチ 提督に甘い
妖精は見える方向で!
面白そうな試みやな…ひっそりと見守ってます
英語
ウォッカ
将棋
BHは
漣B76 H75
大淀B82 H82
明石B85 H82
あと頑張ってください!
18歳
サンドイッチ