相変わらず由比ヶ浜結衣はイベントを愛している。
初投稿です!よろしくお願いします。
八幡たちの日常のSSです!
時期的には11巻の後ですがそんなに原作とは関係してません。
なるべくキャラクターは登場させるようにしています。
また、気が向けば続きを作ろうと思っているので次回につなげられるようないらんおしゃべりが多めですが気にせずお楽しみください。
タイトルにあるような会話が出てくるのはだいぶ最後の方です。
※小町は中学を卒業し、総武高校の合格発表待ちなので学校にはいきません。
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3月となり、徐々に暖かくなってきた春先。総武高校2年目も終わりを迎えようとしている。
出会いと別れの春などと言うが、俺レベルの人間にそんな事は関係ない。だって友達いないもん!出会いも別れもクソもねえよ!
そんなくだらないことを考えていると、奉仕部という活動も受験勉強が本格化する8月頃には終わってしまうのだろうかと、ふと思った。
奉仕部で見つけた、本物といえる関係。
それもまた、奉仕部の活動の中で築くことができるのだろうか。
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いつも通りの部活の時間。
「もうすぐ2年生も終わりだね」
由比ヶ浜が思い出したように呟く。
雪ノ下が本を閉じ、それに返す。
「思い返すとあっという間だったわね。」
「だよねー。今年のクラスすごく楽しかったし、来年のクラス替えでも優美子とか姫菜と同じクラスになれるといいなー。」
「良かったわね。そこの変態ストーカーから離れられるチャンスじゃない。」
「え?変態ストーカーって俺?そんなことした憶えないんだけど…」
と言いつつも自分の今年の1年を振り返ると、教室で由比ヶ浜とその周りの奴らを見ていた回数が多すぎることに気づいた。
こんな陰キャラ腐り目ぼっちにガン見されまくるとか普通に通報されて事案扱いだわ…
深く反省した俺は、残りの2週間で『リア充を視界に入れないようにしよう大会』(参加人数1人)を開催することを決意した。うん、僕もあなた達も気にしなくて済む、WIN-WINだね。
「や、でもあれだよ、ヒッキーとも同じクラスになりたいなぁ!文系同士だから確率高いし!」
「由比ヶ浜さん、来年もこの男とクラスで接してしまうと友達ができなくなるわよ。」
こいつのいう『この男』とは99割俺のことである。それ、100%越えてね?
「俺は疫病神かよ…」
「あはは…そういえば、ゆきのんはクラス替えないんだよね。なんかつまらなくない?新鮮じゃないっていうか」
雪ノ下は1クラスしかない国際教養科なので、クラス替えはない。女子の割合が高いクラスだ。美少女含有率も高い。3年間ずっと美少女ハーレムとか、男子羨ましすぎィ!
その美少女の一員、雪ノ下さんがため息混じりに話す。
「そうね、けれど私的にはクラス替えがない方が気が楽だわ。中学の頃は、新たな学級がスタートすると、途端に大量の男子が私の机の周りに…」
…。こいつモテすぎだろ。ていうか男子ももう少し時間をかけて攻めろよ。まあ雪ノ下が誰かの告白をオーケーして付き合っていたなんて想像できないけど。
「そっかぁ…いろいろあるんだねぇ」
由比ヶ浜がしみじみ言う。君もそういうことなかったんですかね?
などと話している間に日が暮れていく。
「暗くなってきたねー…」
「今日は終わりにしましょうか」
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いつも通りの道を通って、いつも通りの景色を見ながら家へ帰る。
何も変わっていないのに変わったと思うのは、
自分の心持ちの変化の証なのだろうか。
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朝起きてリビングへ行くと、小町がブレイクファーストを作って待っていた。それにしてもブレイクファーストの高速破壊感は異常。
毎日ありがとう、これからも死ぬまでよろしくな、とでも言おうとしたのだが、小町の顔は暗い。
「おはよう小町。どうしたんだ、元気ないぞ?」
気になったので聞いてみた。
小町はふっと短いため息をつく。
「お兄ちゃん…小町、高校でうまくやれるかなぁ」
おかしいな、小町ちゃん。試験は終わったけど合格発表はまだなんだけど?
と言おう思ったが、それはお兄ちゃんスキル発動によって喉の奥に押し込まれる。
「お前なら大丈夫だろ、しかも総武高校にはぼっちの俺にも話しかけてくれるような天使がいるからな!!」
「そうかな…でも最初はあんまり結衣さんとかと話さないようにしなきゃねー
あんまり最初から先輩と仲良くしてるのって良い印象与えないし」
「おう、そうだな」
「お兄ちゃんと話してたらもっと悪い印象与えるし」
「お、おう… そうかな…?」
だいぶ傷ついた…。
「でもお兄ちゃんや結衣さんとか雪乃さんと一緒にいたいから総武高校いくんだよ!それしなかったら本末転倒だよ!今の小町的にめちゃくちゃポイント高い!」
小町がなんか言ってるが、無視して食べ終え、支度を始める。こいつこれさえなければ天使ナンバー2なんだけどな…。
「よし、じゃあ行ってくるわ」
「はーい、いってらっしゃーい」
玄関で声をかけて外へ出る。
3月とはいえ、朝はまだまだ肌寒い。
誰かアザレアを咲かせて暖かい庭まで連れ出してくれませんか。
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学校に着いて、教室に入ると、っべーっべーと聞きなれた声が聞こえてくる。BGMかな?と思いつつ自席に座り、ぼーっとしていると、目の前に大天使が降臨してきた。
「八幡、おはy…」
「戸塚!!おはよう!」
反射的に返したために若干かぶってしまった。
「八幡、今日は元気いいね。なんかいいことあったの?」
戸塚に問われて返そうとしたその時、その後ろに黒い影が!背後霊!?
「八幡!我もいるぞ!」
黒い影が大声でその存在を主張する。
「なんで材木座がいるんだよ…クラス違うだろ、あと声でかいから」
一度に三つ文句を言うが、材木座は気にしない。流石です。
「ふはは!昇降口で、ちょうど戸塚氏と出くわしたのでそのままついてきたのだ!お前に会いたくなってなぁ!?」
鬱陶しいな…。目立ちすぎなんだよ。
三浦さんがさっきから不機嫌そうにこっちを見ているので急いで自分の教室に向かわせる。
三浦さんにキレられたらこいつ死ぬかもしれんし。
「わかったから、もうすぐSHRも始まるし、さっさとC組にいけ。巣に帰れ。」
材木座は拗ねながらもしぶしぶ教室から出ていった。
あいつは何アピールがしたかったんだよ…。
そういえば、戸塚は文系にするんだっけか。来年も同じクラスになりたい…。
材木座はどうだったか。確か「女子が少ない方がいい」とかいう理由で理系だったか?あんま良く思い出せないし、どうでもいいや。
と、2人の文理選択について考えているとチャイムが鳴った。
ふぅ…騒がしい朝だった。
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昼休み。安息のひととき。
ここのところ日中は暖かいので、久々に例のポジションで飯を食う。
戸塚の天使の舞(テニス)を眺めながら午前の授業の疲れを癒す。あ〜^
人の気配がしたので、ふと校舎側を見ると、
うちのクラスのイケイケ軍団がこっちへむかってきている。
おい!まだ『リア充を視界に入れないようにしよう大会』は開催中だぞ!
「最近けっこーあったかくね?たまには外で食べようぜー!な、隼人くん!?」
戸部に反応を求められ、葉山は笑顔で返す。
「確かに、健康的といえば健康的だな。」
「だしょー!?じゃあ早速食おうぜー!」
戸部、嬉しそう。どうでもいいけど。
「あーし、あんま座りたくないんだけど…スカートに砂つきそうだし」
ベンチは他の人が座っているので、道とグラウンドの間の段差に座ろうとしているようだが、
女王様には抵抗があるようだ。しかし、すかさず海老名さんが誘導する。
「大丈夫だって、優美子!ところで優美子は日陰と日なた、どっちが受けだと思う!?」
誘導できてないし、海老名さんの思考は哲学的な方向へと向かっていた。
由比ヶ浜の姿がないのは一瞬驚いたが、アレだ、また部室で雪ノ下と飯食ってるんだな。
昼休みの緊急事態は、とくせいステルスヒッキーによって誰にも気づかれずに事なきを得た。
ていうか今日なんかめんどくさいな。なにこれ。
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放課後、自動販売機でマックスコーヒーを買った俺はそのまま部室へ向かう。
まだまだ、マッカンの美味しい季節だよ!なんなら年中美味しいよ!
部室の前にたどり着き、扉をあける。話し声がするのでどうやら二人とももう来ているようだ。
と、二人ともがこちらに気づき、声をかけてきた。
「ヒッキー、やっはろー!」
「こんにちは、比企谷くん」
「おう」
適当に返しながら、自分の席に座り、鞄から文庫本を取り出す。
「そうだ!エイプリルフールゲームやろうよ!」
本を開くと同時に、由比ヶ浜が突然意味不明なことを言い出した。俺も雪ノ下も首をかしげることしかできない。どゆこと?
目線で説明を求めると、由比ヶ浜は説明を始めた。
「今日はこれから、嘘をついてもいいっていうゲーム!」
「全くそのままね…」
雪ノ下が呆れるようにつぶやくと、俺も全く同じことを思ったので同意する。
「ほんとだよ。そのまんますぎてなんか特殊ルールとかあるのかと思ったわ。」
それを聞いて由比ヶ浜はぷんすかすかすか怒り出す。
「いいじゃん名前なんて!いいからやろ!面白そうじゃない!?」
「…なんでわざわざ今日にしたんだ?」
俺の疑問に、由比ヶ浜は即答する。
「だって、4月1日は新1年生の入学式でしょ!?会えないじゃん!」
「いや、別にそんなイベントにこだわる必要ないでしょ…」
「いいからやるの!ねー、いいでしょ、ゆきのん!」
そう言って由比ヶ浜は雪ノ下に抱きつく。
「そ、そう…ね。最近依頼もあまり来ないし、やらない理由はないわね。」
顔真っ赤ですけど大丈夫ですか雪ノ下さん。
「やったー!!」
ホント最近甘すぎだわ…
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10分後。
「…」
「…」
「…」
無言である。だって、嘘つく目的がないんだよなぁ…。
そう思ったとき、由比ヶ浜が口を開く。
「あ、あたし…実は、料理、得意なんだ…」
あっそ。
嘘バレバレすぎるよ、由比ヶ浜ちゃん…
「…」
「…」
反応する価値がないと判断したのか、雪ノ下も無言である。
なんだこの空気…
「…むーっ」
嘘を言った当の本人は顔を真っ赤にして風船みたいに膨らんでいる。いや、バレバレすぎる嘘を言った君が悪いんじゃないの?なんで怒ってんの?
耐えかねたのか、ぷしゅっと口から空気を吹き出して、なんかまたよくわからんことを言い出した。
「ねえ!二人ともなんか嘘言ってよ!つまんないじゃん!」
嘘ってわかってる嘘言って何の意味があるの?と思ったが、
雪ノ下が少し考えて口を開く。
「そうね…これは嘘か事実かわからないのだけれど、私、実は3年の6月からオランダに留学することになったの。今までありがとうね、二人とも」
お、おう…嘘だよね…?ちょっと判別が難しい。こいつ真顔だから。
俺も少し困惑したが、もっとやばいことになってるのは由比ヶ浜である。めっちゃ泣きそう。
「…嘘だよね?もしかして本当?ゆきのん?」
震える声で由比ヶ浜が問う。
「さぁ…ね」
返ってくる声は冷たい。
由比ヶ浜、泣き出す。
「ヒック…エグ…やだよぉ。ゆきのんと離れ離れなんて…な、んでそんないきなり言うの?…ヒック…」
「…嘘よ」
それを聞いて由比ヶ浜は泣き止むと同時に驚愕の声をあげる。
「嘘なんだ!?」
まあ、俺は全く信じてなかった。嘘だとわかってた。雪ノ下検定二級だよ?騙されるわけないじゃん。うん。ほんとに。
それにしても、嘘をつく時は表情とかで事実っぽさを演出するのか。
おれもやってみよう。(小並感)
まずは、俯きながら、口を重そうに開く。
「すまん、2人に話があるんだが…」
次に、意外な事を言う!ホントどうかわからないレベルで!
「実は、俺、海老名さんと付き合うことになった。」
「…」
返ってくる言葉はない。
いや、なんか言ってよ…と思って顔をあげたが雪ノ下は口を固く結んで手を膝の上で握りしめ、由比ヶ浜は唖然としている。
「おい、どうした2人とm…」
「「ほんとう?」」
「え?」
「「ほんとう?」」
2人が全く同じことを聞いてくる。まずい、何か知らんがキレてる!
「い、いや。嘘だ」
「そうよね、比企谷くんに彼女なんてできるわけないわよね。こんな目が腐ってて人とコミュニケーションがうまく取れないけど時々優しくて数学が絶望的な状態な人、誰も好きになるはずないわよね。」
雪ノ下が早口でまくし立てた。
と、由比ヶ浜も苦笑しながら
「だ、だよねー。あたしも絶対ないと思った。あ、あはは…」
さっきの沈黙は何だったんだよ…。
「く、暗くなってきたね!?ねえ!ゆきのん!」
「そ、そうぇ…そういえばそうね。終わりにしましょう。」
2人はさっさとカバンを持って帰っていってしまった。
おい…。部室の鍵、俺かよ…。
✕ ✕ ✕ ✕ ✕
帰り道。
朝から夕方まで色々なことがあった今日1日を振り返る。
あの中に、本物はあっただろうか。
そんなことを思った。
文章スキルを少しでも上げたいので
何か批評とか指摘があればコメントでおねがいします。
次回は、平塚先生やはるのん、いろはす、めぐりんもちゃんと出せるような
SSを作りたいです。
面白いっちゃあ面白いですね。
原作に似せようとしてるんならもー少しシリアスな感じの地の文も入れましょう!
ただ迷走して意味不明なことを言わせないように。最近多いので。
個人的な主観だが最後の嘘は海老名さんでは無くて(10.5巻でデート擬きをしてる)いろはすの方が二人が焦りそう。ただ葉山にアタック中という見方もあるし、うーん、、、。川なんとかさんの場合だとそもそも二人は八幡への想いを知らなさそうだし。
最後の嘘、海老名さん以外に適任はいないものか?